JP2004112535A - 画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】図1に示す画像処理装置では、色補正処理部14は、カラー画像に応じたRGB信号をプリンタ部19で使用するYMCK信号と同一の属性であるCMY信号に変換し、フィルタ処理部15は、CMY信号をYUV信号に変換し、このYUV信号に対して空間フィルタ処理を行った後、YUV信号をCMY信号に変換する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムに関し、詳細には、入力されるカラー画像信号に対して空間フィルタ処理を行うカラーデジタル複写機等で使用される画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカラー複写機(以下「カラー複写機」と称する)等の画像処理装置では、画像の鮮鋭度を向上させたり、画像の平滑性を高める目的で、デジタル画像信号に対して空間フィルタ処理が一般的に行われている。とりわけ、デジタル複写機のように、スキャナによって読取られた画像信号を扱う画像処理装置においては、文字鮮鋭性向上のためのMTF補正、網点モアレ抑制のための平滑化処理は必須の処理である。
【0003】
カラー複写機における空間フィルタ処理においては、以前はRGB(Red,Green,Blue)またはCMYK(Cyan,Magenta,Yellow,blacK)等の3原色または3原色+1色(K)の信号に対して行われるのが一般的であったが、最近ではYCbCr、YIQ、YUVなどの輝度/色差信号やCIEL*a*b*、CIEL*u*v*等の明度/色度信号、HLS、HSV等の明度/彩度/色相信号を使用した、色の属性を考慮した信号に対して空間フィルタ処理(以下輝度/色差系空間フィルタ処理)を実施する手法が主流となりつつある。
【0004】
輝度/色差系空間フィルタ処理のメリットは、第1に、人間の視覚特性(輝度には感度が高く、色差には感度が低い等)を考慮した空間フィルタ処理が可能となる点にある。第2に、輝度信号や色差信号に対して、彩度等の入力画像の特徴に応じて各々へのエッジ強調、平滑化の強度や信号を補正する度合い等を調整することが簡易に実現可能となる点がある。
【0005】
一般的に、カラースキャナ、カラーデジタルカメラ等の画像入力機器の出力信号は、CCDを使用している関係上、RGBまたはCMYの3色信号となる。カラー複写機等では、輝度/色差系空間フィルタ処理を実現するためには(RGB等から輝度/色差への)信号属性の変換が必要となる。
【0006】
このような変換を実施する場合、以下の2通りの方法が考えられる。第1の方法としては、加算やビットシフトで実現可能な簡易な計算方法による変換がある。この第1の方法は、ハードウェア(プログラム)が簡単で、低コスト(処理が高速)になる。第2の方法としては、精度の高い計算による標準信号への変換がある。この第2の方法は、ハードウェア(プログラム)が複雑で、高コスト(処理は低速)になる。
【0007】
上記第1の方法は、低コスト(ハイスピード)であるが、精度という点では劣る。RGB−LCaCbの変換式の一例を以下に示す(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
L =(R+G+B)/4
Ca=(R−G)/2
Cb=(R+G−2B)/4
この演算は、加減算と2のべき乗による除算(ビットシフトにより実現可能)で実現できる。
【0009】
上記変換式を使用する場合、入力信号であるRGB信号の色分解精度が空間フィルタ処理の性能に影響を与えることになる。カラースキャナは、3色の光学フィルタを用いて色分解を行うが、この光学フィルタの分光感度特性によって出力される信号の特性が定まる。
【0010】
図19は、一般的なRGBの光学フィルタの分光感度特性を示す図である。同図に示すように、特定の波長では2色ないし3色の分光感度が重複しているため、重複した波長の光に対して複数色のレスポンスが出力されてしまう。例えば、480〜600[nm]の分光特性を有するグリーンの原稿をスキャナで読み込んだ場合、スキャナからの出力信号は、G信号だけレスポンスがあることが望ましいが、実際にはR信号とB信号にも無視出来ない大きさのレスポンスが出力されることになる。この出力信号をCRT等で表示すると、色が濁って見えることになる。このような濁りのある信号を上記変換式で変換した色差(色度)信号は、精度の低い信号となってしまう。これは、輝度/色差系空間フィルタ処理自体の精度を低下させる要因となり、輝度/色差系空間フィルタ処理における効果を低減させることになる。
【0011】
具体的には、色差信号を強調する場合に特に不具合が大きい。これは、精度の低い色差信号を強調することによって色差信号の持つ濁り(グレー)成分が強調されてしまうため、色味が濁る(彩度が低下する。)という現象が生じるためである。実際の画像上では色文字の彩度低下として現れ、極端な場合には色文字がグレーの文字になってしまうほど劣化する場合もある。
【0012】
他方、上記第2の方法は、圧縮手法で用いられているJPEGのYCbCr信号や均等色空間と言われるCIEL*a*b*信号等、いわゆるデバイスインディペンデントな信号への変換を行う方法である。このような信号属性の変換を行う場合、まずスキャナから出力されるRGB信号をsRGBやXYZといった標準信号(色空間)へ変換した後に、YCbCrではマスキング演算、CIEL*a*b*では非線形の演算を実施して所望の信号へ変換するという工程を必要とする(もしくは3次元のLUTと補間演算等を使用してRGBから所望の信号への直接的な変換を行う。)。
【0013】
このようにして変換した信号に対して輝度/色差系空間フィルタ処理を実施した後、再び、プリンタへ出力するための信号属性(色空間)に変換する必要がある。一般的なプリンタでは、CMYまたはCMYKのトナーやインクを使用するため、それらの信号属性へ変換すると共に色補正処理、いわゆるカラーマッチングが行われ、スキャナで読み取った原稿の色とプリンタから出力された複写物の色味が合うように補正される。
【0014】
色補正処理においても、マスキング演算か3次元のLUT方式が用いられることになる。このように、第2の方法においては、輝度/色差系空間フィルタ処理への入力信号の精度は良いが、ハードウェア的に負荷の大きい色変換処理を2度必要とすることになるため、ハード量の増大(コストアップ)や処理速度の低下を招くことになる。また、信号変換時の誤差が蓄積することによるノイズ成分の増加や階調性の劣化といった画質劣化が生じる場合がある。
【0015】
また、特許文献1や特許文献2では、輝度(明度)信号によりエッジ量を算出してエッジ量に応じた適応的な輝度/色差系空間フィルタ処理方式が開示されている。このような適応空間フィルタ処理の問題点として、特許文献3では、色地上の色文字への強調時に不具合が生じる可能性が指摘されている(下地の輝度と色文字の輝度が同じ値である場合に強調されなくなる)。特許文献3では、輝度信号(文献中では明度信号)と同時に色差信号からもエッジ量を算出して色差信号のエッジ量に応じて色差信号へのエッジ強調量を決定することにより、この問題が解決されるとしている。
【0016】
しかしながら、このような方法においても、(a)下地の色と文字色の関係によって強調の度合いが変わってくる、(b)輝度信号および色差信号×2でエッジ量を算出するため、ハード量が大きくコストアップや処理速度低下に繋がるという問題がある。
【0017】
具体的には、(a)に関して、下地と文字色が同色や色味が近い色の場合にはエッジ量が低くしか算出されないため強調は弱く、また、補色関係にある下地と文字色においては高いエッジ量が算出されるため、非常に強いエッジ強調がかかってしまうというように同一画像上で強調の度合いが変化する違和感のある画像となってしまう。これは、下地と文字色の色相を検出しその関係によって強調度合いを制御すればある程度の改善は可能であると思われるが、複雑な回路構成やプログラムとなるため、さらなるコストアップや処理速度の低下を招くことになる。
【0018】
【特許文献1】
特開平10−42152号公報
【特許文献2】
特開平7−212611号公報
【特許文献3】
特開2000−278542号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、コストアップや処理速度を低下させることなく、色差(色度)信号の精度を高め、精度の高い輝度/色差系(明度/色度系)空間フィルタ処理を実現し、画質を向上させることが可能な画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムを提供することを目的とする。
【0020】
【解決を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理装置において、前記入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する第1の信号変換手段と、前記第1の信号変換手段で変換された前記輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理手段と、前記空間フィルタ処理手段で空間フィルタ処理された前記輝度/色差信号または明度/色度信号を、前記入力されるカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換する第2の信号変換手段と、を備え、前記入力されるカラー画像信号は、前記画像出力手段に出力されるカラー画像信号の属性と同一であることを特徴とする。
【0021】
上記発明によれば、第1の信号変換手段は、入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換し、空間フィルタ処理手段は、第1の信号変換手段で変換された輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行い、第2の信号変換手段は、空間フィルタ処理手段で空間フィルタ処理された輝度/色差信号または明度/色度信号を、入力されるカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換し、入力されるカラー画像信号は、前記画像出力手段に出力されるカラー画像信号の属性と同一とする。
【0022】
また、請求項2にかかる発明は、入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理装置において、前記入力されるカラー画像信号を、前記画像出力手段に出力するカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に補正する色補正手段と、前記色補正手段で色補正されたカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する第1の信号変換手段と、前記第1の信号変換手段で変換された前記輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理手段と、前記空間フィルタ処理手段で空間フィルタ処理された前記輝度/色差信号または明度/色度信号を、前記色補正手段で補正されたカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換する第2の信号変換手段と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
上記発明によれば、色補正手段は、入力されるカラー画像信号を画像出力手段に出力するカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に補正し、第1の信号変換手段は、色補正手段で色補正されたカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換し、空間フィルタ手段は、第1の信号変換手段で変換された輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行い、第2の信号変換手段は、空間フィルタ処理手段で空間フィルタ処理された輝度/色差信号または明度/色度信号を、色補正手段で補正されたカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換する。
【0024】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる発明において、前記第1の信号変換手段は、C、M,Yを含むカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換することを特徴とする。
【0025】
上記発明によれば、第1の信号変換手段は、C、M、Yを含むカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する。
【0026】
また、請求項4にかかる発明は、入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理装置において、前記入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する第1の信号変換手段と、前記第1の信号変換手段で変換された色差信号または色度信号の色差値または色度値を高彩度方向に変換する第2の信号変換手段と、前記第1の信号変換手段で変換された輝度信号または明度信号と、前記第2の信号変換手段で変換された色差信号または色度信号に対して、空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理手段と、前記空間フィルタ処理手段で前記空間フィルタ処理された色差信号または色度信号に対して、前記第2の信号変換手段の変換と逆変換を行う第3の信号変換手段と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
上記発明によれば、第1の信号変換手段は、入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換し、第2の信号変換手段は、第1の信号変換手段で変換された色差信号の色差値または色度信号の色度値を高彩度方向に変換し、空間フィルタ処理手段は、第1の信号変換手段で変換された輝度信号または明度信号と、第2の信号変換手段で変換された色差信号または色度信号に対して空間フィルタ処理を行い、第3の信号変換手段は、空間フィルタ処理手段で空間フィルタ処理された色差信号または色度信号に対して、第2の信号変換手段の変換と逆変換を行う。
【0028】
また、請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、前記入力されるカラー画像信号は、RGB信号であることを特徴とする。
【0029】
上記発明によれば、入力されるカラー画像信号をRGB信号とする。
【0030】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1つにかかる発明において、前記空間フィルタ処理手段は、前記カラー画像信号の特徴量に応じて適応的に空間フィルタ処理を行うことを特徴とする。
【0031】
上記発明によれば、空間フィルタ処理手段は、前記カラー画像信号の特徴量に応じて適応的に空間フィルタ処理を行う。
【0032】
また、請求項7にかかる発明は、請求項6にかかる発明において、前記特徴量は、前記第1の信号変換手段の変換前のカラー画像信号から算出することを特徴とする。
【0033】
上記発明によれば、特徴量を第1の信号変換手段の変換前のカラー画像信号から算出する。
【0034】
また、請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記特徴量は、前記第1の信号変換手段の変換前のカラー画像信号の複数の信号成分から算出することを特徴とする。
【0035】
上記発明によれば、特徴量を第1の信号変換手段の変換前のカラー画像信号の複数の信号成分から算出する。
【0036】
また、請求項9にかかる発明は、請求項7または請求項8にかかる発明において、前記特徴量は、カラー画像信号のエッジ量であることを特徴とする。
【0037】
上記発明によれば、特徴量としてカラー画像信号のエッジ量を算出する。
【0038】
また、請求項10にかかる発明は、請求項1〜請求項9のいずれか1つにかかる発明において、前記カラー画像信号は、画像読取り装置から読み取られて入力されることを特徴とする。
【0039】
上記発明によれば、カラー画像信号は、画像読取り装置から読み取られて入力される。
【0040】
また、請求項11にかかる発明は、請求項1〜請求項9のいずれか1つにかかる発明において、前記カラー画像信号は、外部装置からネットワークを介して入力されることを特徴とする。
【0041】
上記発明によれば、カラー画像信号は、外部装置からネットワークを介して入力される。
【0042】
また、請求項12にかかる発明は、入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理方法において、前記入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する工程と、前記変換された前記輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行う工程と、前記空間フィルタ処理された前記輝度/色差信号または明度/色度信号を、前記入力されるカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換する工程と、を含み、前記入力されるカラー画像信号は、前記画像出力手段に出力されるカラー画像信号の属性と同一であることを特徴とする。
【0043】
上記発明によれば、入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換し、変換された前記輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行い、空間フィルタ処理された輝度/色差信号または明度/色度信号を入力されるカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換することとし、入力されるカラー画像信号は、画像出力手段に出力されるカラー画像信号の属性と同一とする。
【0044】
また、請求項13にかかる発明は、請求項12に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータが実行するためのプログラムであることを特徴とする。
【0045】
上記発明によれば、コンピュータでプログラムを実行することにより、請求項12に記載の画像処理方法の各工程を実現する。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明にかかる画像処理装置、画像処理方法、およびコンピュータが実行するためのプログラムの好適な実施の形態を、(実施の形態1)、(実施の形態2)、(実施の形態3)、(実施の形態4)、(実施の形態5)、(実施の形態6)の順に詳細に説明する。以下の実施の形態では、本発明の画像処理装置をカラー複写機に適用した場合について説明する。
【0047】
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる画像処理装置を図1〜図4を参照して説明する。図1は、実施の形態1にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。同図に示す画像処理装置は、スキャナ部11と、スキャナγ補正処理部13と、色補正処理部14と、フィルタ処理部15と、BG/UCR処理部16と、プリンタγ補正処理部17と、中間調処理部18と、プリンタ部19と、CPU21と、操作部22と,データバス23とを備えている。
【0048】
上記図1の画像処理装置の動作の概略を説明する。操作部22のスタートボタン(不図示)が押下されると、複写動作に先立ち、CPU21は予めユーザにより設定された複写モードに応じてデータバス23を介して各画像処理のパラメータを各々の画像処理部(スキャナγ補正処理部13、色補正処理部14、フィルタ処理部15、BG/UCR処理部16、プリンタγ補正処理部17、中間調処理部18)に設定する。なお、通常、複写機においては、原稿の種類等に応じて文字、文字/写真、写真等の複写モードが備わっており、この設定に応じて画像処理パラメータ等の切替えを行う。かかる技術は公知であるので詳細については省略する。このパラメータの設定後に、スキャナ部11は原稿の読取り動作を開始する。スキャナ部11で読取られた画像データは、各画像処理部で画像処理が行われた後、プリンタ部19に出力され図示しない記録紙上にプリントされる。
【0049】
つぎに、上記図1の画像形成装置の構成および動作を説明する。
【0050】
スキャナ部11は、カラー原稿を光学的に読み取り、8bit(0〜255)のデジタル画像信号(rgb信号)へ光電変換をした後、公知のシェーディング補正等を実行して、スキャナγ補正処理部13に出力する。
【0051】
スキャナγ補正処理部13は、スキャナ11から入力されるデジタル画像信号rgb(red,green,blue)信号を、LUT(Look Up Table)等を使用して、濃度信号であるRGB信号に変換し、RGB信号を色補正処理部14に出力する。
【0052】
色補正処理部14は、スキャナγ補正処理部13から入力されるRGB信号を、色変換処理してCMY(Cyan,Magenta,Yellow)信号に変換して、フィルタ処理部15に出力する。色変換処理としては、例えば、下式(1)を使用してRGB−CMY変換を行うことができる。
【0053】
C=α11×R+α12×G+α13×B+β1
M=α21×R+α22×G+α23×B+β2
Y=α31×R+α32×G+α33×B+β3 ・・・(1)
但し:α11〜α33およびβ1〜β3は、予め定められた色補正係数
CMYは、8bit(0〜255)の信号
【0054】
フィルタ処理部15は、色補正処理部14から入力されるCMY信号をLUV信号に変換した後、LUV信号に対して、輝度/色差系空間フィルタ処理を施して、BG/UCR処理部16に出力する。空間フィルタ処理の詳細な構成は後述する。
【0055】
BG/UCR処理部16は、フィルタ処理部15から入力されるCMY信号に基づいて、墨成分であるK信号を生成(BG)すると共に、CMY信号に対して下色除去(UCR)を行って、CMYK信号をプリンタγ補正処理部17に出力する。ここで、K信号の生成およびCMY信号からの下色除去は、例えば、下式(2)により行うことができる。
【0056】
K=Min(C,M,Y)×β4
C’=C−K×β5
M’=M−K×β5
Y’=Y−K×β5 ・・・(2)
但し、Min(C,M,Y)は、CMY信号のうち最小のものを表す。
β4,β5は予め定められた係数で8bitの信号とする。
【0057】
プリンタγ補正処理部17は、BG/UCR処理部16から入力されたCMYK信号の各色に対して、プリンタのγ特性に対応させるために、LUTによりγ補正処理を行い、γ補正処理後のCMYK信号を中間処理部18に出力する。
【0058】
中間処理部18は、プリンタγ補正処理部17から入力されるプリンタγ補正正処理後のCMYK信号を、公知のディザ処理や誤差拡散処理等の擬似中間調処理が行なって、疑似中間調処理後のCMYK信号をプリンタ部19に出力する。プリンタ部5では、中間調処理部18から入力される疑似中間調処理後のCMYK信号が一連の作像プロセスが行われて紙などに印写される。
【0059】
つぎに、本発明の特徴的な部分である上記フィルタ処理部15の構成および動作を詳細に説明する。図2は、図1のフィルタ処理部15の詳細な構成を示すブロック図である。フィルタ処理部15は、図2に示す如く、第1の信号変換処理部(CMY−LUV変換部)31と、L、U、V毎に設けられた空間フィルタ処理部32と,第2の信号変換処理部(LUV−CMY変換部)33とから構成されている。
【0060】
第1の信号変換処理部(CMY−LUV変換部)31は、色補正処理部14から入力されるCMY信号を、輝度/色差信号であるLUV信号(L:輝度信号、UV:色差信号)に変換して、空間フィルタ処理部32に出力する。ここで、LUV信号への変換は下式(3)によって行うことができる。
【0061】
L=floor{(C+2*M+Y)/4}
U=C−M
V=Y−M ・・・(3)
但し、floor{ }は、フロアー関数を表す。
【0062】
上記式(3)は、JPEG後継の標準圧縮方式であるJPEG2000にて採用されており、ビットシフトと加減算のみで実現可能であり、かつ整数演算にて可逆変換可能な輝度/色差信号への変換式である。
【0063】
空間フィルタ処理部32は、第1の信号変換処理部31から各々入力されるL信号、U信号、V信号に対して、各々空間フィルタ処理を行い、L’信号、U’信号、V’信号を第2の信号変換部33に出力する。ここで実施される空間フィルタ処理は、例えば、図3(a)または(b)に示すフィルタ係数のフィルタによってコンボリューション演算が実施される。(a)は平滑化フィルタを示し、(b)はエッジ強調フィルタを示している。
【0064】
これらのフィルタ係数は、複写モード等によって変更するように構成しても良く、L信号とUV信号とで異なるフィルタ係数を使用することにしても良い。また、公知技術である像域分離処理を使用して、画像の像域を判定・分離し、その分離結果に基づいてフィルタを切替えることにしても良い。フィルタ係数は、画質に大きな影響を与える要素となるため、通常は機器毎に実験などを踏まえて決定される。なお、通常、このような空間フィルタ処理を実施する場合、空間フィルタ係数の”副走査方向サイズ−1”(図3のフィルタの場合3−1=2)ライン分のラインメモリが必要となるが、ここでは説明の簡略化のために図示を省略している。
【0065】
第2の信号変換処理部33は、空間フィルタ処理部32から入力されるL’U’V’信号を、下式(4)によりC’M’Y’信号に変換してBG/UCR処理部16に出力する。
【0066】
M=L−floor{(U+V)/4}
C=U+M
Y=V+M ・・・(4)
但し、floor{ }はフロアー関数を表す。
【0067】
なお、圧縮処理のような可逆変換を実施する場合、上記式(3),(4)のように、floor関数を使用すれば可逆な変換が可能であるが、空間フィルタ処理のように入力信号と異なる信号を出力する処理においては誤差分としてとらえれば必ずしもfloor関数を使用する必要はなく、四捨五入や切り捨て等を実施することにしても良い。
【0068】
このように、実施の形態1の画像処理装置では、CMY信号に変換した後に、輝度/色差系空間フィルタ処理を実現している。ここで、CMY信号に変換した後に輝度/色差系空間フィルタ処理を行った場合の効果を説明する。
【0069】
図4は、あるカラー画像のRGB信号及びCMY信号をそれぞれ色差信号に変換し、これら色差信号から算出した彩度のヒストグラムを示した図である。同図において、横軸は、√(U2+V2)により算出した擬似的な彩度を表し、「0」が無彩であり、値が大きな方が高彩度であることを示している。縦軸は、度数であり彩度毎の画素数を示している。
【0070】
同図に示すように、RGB信号から算出したUV信号の場合(同図の破線)は、低彩度側のデータの集中度が高くなっているのに対して、CMY信号から算出したUV信号の場合(同図の実線)は、高彩度側へも分布していることが分かる。これは、RGB信号から算出したUV信号の場合は、CMY信号より算出したUV信号に比して、ダイナミックレンジが狭くなるため、S/N比が低くなることによるものである。その原因は、前述したように、RGB信号から算出したUV信号は濁り成分を有することに起因している。
【0071】
したがって、RGB信号から変換したUV信号は、CMY信号から変換したUV信号に比してS/N比が低いため誤差が大きく、精度の悪い空間フィルタ処理を実施することになり、前述したように画質劣化が生じることになる。
【0072】
カラー複写機やカラープリンタ等の画像処理装置における色補正処理後のCMY信号は、その機器のトナーやインクの色味となるように変換されている(C、M、Y各々の単色信号は、C、M、Y単色のトナーやインクで表される。)。そのため、色分解の精度は高くなり濁り成分が混入されていない信号となっているので、CMY信号を変換して作成したUV信号に対して空間フィルタ処理を実施しても濁り成分を増幅することはないため、色文字が濁るというような画質劣化を抑制できる。
【0073】
以上説明したように、実施の形態1によれば、色補正処理部14はRGB信号をプリンタ19で印字されるカラー画像(CMY系)と同一の信号属性であるCMY信号に変換し、フィルタ処理部14では、第1の信号変換部31がCMY信号をLUV信号に変換し、空間フィルタ処理部32がLUV信号に対して輝度/色差系空間フィルタ処理を行っているので、コストアップや処理速度の低下を招くことなく、色差(色度)信号の精度を高めて精度の高い輝度/色差系空間フィルタ処理を実現でき、画質を向上させることが可能となる。
【0074】
なお、実施の形態1では、カラー複写機を例として説明を行ったが、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力装置などから入力された画像やネットワークを介して入力した画像などに、パーソナルコンピュータ等を使用して同様のアルゴリズムにて処理を実施することも可能である。
【0075】
(実施の形態2)
実施の形態2にかかる画像処理装置を図5〜図7を参照して説明する。実施の形態2の画像処理装置の全体構成は、図1(実施の形態1)と同様であるので、その説明は省略する。図5は、実施の形態2にかかるフィルタ処理部15の詳細な構成を示す図である。図5において、図2と同等機能を有する部位には同一符号を付してある。
【0076】
フィルタ処理部15は、図5に示す如く、第1の信号変換処理部(CMY−LUV変換部)31と、平滑化フィルタ部34L、34U、34Vと、ラプラシアンフィルタ部35L、35U、35Vと、乗算器36L、36U、36Vと、加算器37L、37U、37Vと、Lエッジ量算出部38と、UVエッジ量算出部39、第2の信号変換処理部(LUV−CMY変換部)33とから構成されている。
【0077】
第1の信号変換処理部31は、L信号、U信号、V信号を平滑化フィルタ処理部34L、34U、34Vにそれぞれ出力すると共に、L信号をLエッジ量算出部38に、UV信号をUVエッジ量算出部39にそれぞれ出力する。
【0078】
Lエッジ量算出部38は、第1の信号変換処理部31から入力されるL信号のエッジ量を算出して乗算器36Lに出力する。UVエッジ量算出部39は、第1の信号変換処理部31から入力されるUV信号のエッジ量を算出して乗算器36U、36Vに出力する。
【0079】
平滑化フィルタ部34L、34U、34Vは、同一のハードウエア構成となっており、第1の信号変換処理部31から各々入力されるL信号、U信号、V信号に対して、各々図3(a)に示すフィルタ係数による公知の平滑化フィルタ処理を行い、ラプラシアンフィルタ部35L、35U、35Vおよび加算器37L、36U、36Vにそれぞれ出力する。
【0080】
ラプラシアンフィルタ部35L、35U、35Vは、同一のハードウエア構成となっており、平滑化フィルタ部34L、34U、34Vから各々入力される平滑化後のL信号、U信号、V信号を、各々、図6に示すフィルタ係数による公知のラプラシアンフィルタ処理を行い、乗算器36L、36U、36Vにそれぞれ出力する。
【0081】
乗算器36Lは、ラプラシアンフィルタ部35Lから入力される平滑化後のL信号と、Lエッジ量算出部38から入力されるL信号のエッジ量とを乗算して、加算器37Lに出力する。乗算器36Uは、ラプラシアンフィルタ部35Uから入力される平滑化後のU信号と、UVエッジ量算出部39から入力されるUV信号のエッジ量とを乗算して、加算器37Uに出力する。乗算器36Vは、ラプラシアンフィルタ部35Vから入力される平滑化後のV信号と、UVエッジ量算出部39から入力されるUV信号のエッジ量とを乗算して、加算器37Vに出力する。
【0082】
加算器37L、37U、37Vは、乗算器36L、36U、36Vから入力される出力と、平滑フィルタ34L、34U、34Vから入力される出力とを各々加算して、L’信号、U’信号、V’信号として、第2の信号変換処理部(LUV−CMY変換部)33に出力する。
【0083】
第2の信号変換処理部33は、加算器37L、37U、37Vから入力されるL’U’V’信号を、上記式(4)によりC’M’Y’信号に変換してBG/UCR処理部16に出力する。
【0084】
ラプラシアンフィルタ部36から加算器37までの流れがいわゆる適応エッジ強調処理である。
【0085】
図7は、図5のLエッジ量算出部38の詳細な構成を示すブロック図である。Lエッジ量算出部38は、図7に示す如く、エッジ量算出フィルタ部41と、絶対値処理部42と、最大値選択部43と,LUT44とから構成されている。
【0086】
エッジ量算出フィルタ部41は、第1の信号処理部31から入力されるL信号に対して、2つの一次微分フィルタでエッジ量算出のためのフィルタ演算をそれぞれ行って最大値処理部42に出力する。図8は、2つの一次微分フィルタの一例を示す図である。エッジ量算出のためのフィルタ演算としては、一次微分フィルタの代わりにラプラシアンフィルタを使用することにしても良い。
【0087】
絶対値処理部42は、エッジ量算出フィルタ部41からの出力(2つの一次微分フィルタの出力)に対して、各々の一次微分フィルタの出力を絶対値化して最大値選択部43に出力する。最大値選択部42は、絶対値処理部42から入力される2つの一次微分フィルタの絶対値出力の最大値を選択して、LUT44に1つの信号(エッジ量)として出力する。LUT44は、最大値選択部43から入力されるエッジ量を所望のフィルタ強度と適合させるように変換して、Lエッジ量L Edgeとして乗算器36Lに出力する。このようなエッジ量の算出は公知の技術であるのでその詳細な説明は省略する。
【0088】
図9は、図5のUVエッジ量算出部39の詳細な構成を示すブロック図である。UVエッジ量算出部39は、図9に示す如く、エッジ量算出フィルタ部41U、41Vと、絶対値処理部42U、42Vと、最大値選択部45と、LUT46とから構成されている。
【0089】
エッジ量算出フィルタ部41U、41Vは、U信号,V信号に対して、それぞれ、L信号と同様に図7に示す2つの一次微分フィルタを使用して、エッジ量算出のためのフィルタ演算を行って絶対値処理部42U、42Vに出力する。
【0090】
絶対値処理部42U、42Vは、エッジ量算出フィルタ41U、41Vからの出力(2つの一次微分フィルタの出力)をそれぞれ絶対値化して最大値選択部43に出力する。最大値選択部45は、絶対値処理部42U、42Vから入力される各々の一次微分フィルタの4つの絶対値出力の最大値を選択して、LUT44に1つの信号(エッジ量)として出力する。LUT46は、最大値選択部45から入力されるエッジ量を所望のフィルタ強度と適合させるように変換して、UVエッジ量UV Edgeとして乗算器36U、36Vに出力する。
【0091】
なお、本実施の形態2においては、UV信号のエッジ量を1つの信号としている。UV各々の信号についてエッジ量を算出するように構成することも考えられるが、UVのエッジ強度であるエッジ量は、同じ値を使用した方がエッジ強調による色相の変化を抑制できるため(UVの比率を保つように強調ため)、1つのエッジ量にて2つの色差信号を強調するのが望ましい。
【0092】
以上説明したように、実施の形態2によれば、フィルタ処理部15は、画像データ(LUV信号)のエッジ量を検出して適応フィルタ処理(輝度/色差系適応空間フィルタ処理)を行っているので、色地上の色文字に対するエッジ強調時におけるエッジ強調の不均一性を改善して画質を向上させることが可能となる。
【0093】
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる画像処理装置を図10〜図11を参照して説明する。実施の形態3の画像処理装置の全体構成は、図1(実施の形態1)と同様であるので、その説明は省略する。図10は、実施の形態3にかかるフィルタ処理部15の詳細な構成を示す図である。図10において、図2と同等機能を有する部位には同一符号を付してある。
【0094】
実施の形態3のフィルタ処理部15が、実施の形態2と異なる点は、実施の形態2では、平滑化フィルタ処理をLUV信号に対して行っていたが、実施の形態3では、平滑化フィルタ処理をCMY信号に対して行う点だけであるので、他の部分の構成および動作は、実施の形態2の場合と同一である。
【0095】
フィルタ処理部15は、図10に示す如く、平滑化フィルタ部34と,第1の信号変換処理部(CMY−LUV変換部)31と、ラプラシアンフィルタ部35L、35U、35Vと、乗算器36L、36U、36Vと、加算器37L、37U、37Vと、Lエッジ量算出部38と、UVエッジ量算出部39と、第2の信号変換処理部(LUV−CMY変換部)33とから構成されている。実施の形態3のフィルタ処理部15は、実施の形態2では、平滑化フィルタ処理部が第1の信号変換部31の後段に配置されていたのに対して、第1の信号変換部31の前段に配置して、平滑化フィルタ処理をCMY信号に対して行う構成としたものである。
【0096】
図11は、図10の平滑化フィルタ処理部34の詳細な構成を示すブロック図図である。図11に示す平滑化フィルタ処理部34は、実施の形態2において説明を省略していたラインメモリを含んだ構成を示している。平滑化フィルタ処理部34は、同図に示す如く、画像データを1ライン分記憶可能なラインメモリでFIFO等で構成されるラインメモリ51,52と、図3(a)のフィルタ係数と画像データをコンボリューション演算して出力するフィルタ演算部53とから構成されている。
【0097】
図11において、図3(a)のフィルタ係数は、3ラインのサイズを有しているため、2ライン分のラインメモリ51,52を設けている。ここで、CMY信号を8bit信号とすると、ラインメモリ51,52の容量は、8bit×1ライン当たりの画素数×2となる。他方、実施の形態2の場合は、U信号またはV信号で必要とするラインメモリの容量は、U、V信号は9bit信号であるので、9bit×1ライン当たりの画素数×2となり、ラインメモリの容量を削減できるという効果がある。
【0098】
なお、実施の形態3と実施の形態2のように、3原色信号から輝度/色差系信号への変換が、線形変換である場合でかつ平滑化フィルタ処理も線形変換である場合は、平滑化フィルタ処理部34が第1の信号変換処理部31の前段にあっても後段にあっても同様の結果となるため、平滑化処理と第1の信号変換処理部31の双方の処理が終了した場合の信号は等価であるので、これらの処理の順番はいずれでも良い。また、このような場合、エッジ量算出フィルタ部41の出力値が変化するが、エッジ量を変換するLUT44、46のテーブルの値を変更すれば対応可能である。
【0099】
(実施の形態4)
実施の形態4にかかる画像処理装置を図12〜図14を参照して説明する。実施の形態4の画像処理装置の全体構成は、図1(実施の形態1)と同様であるので、その説明は省略する。図12は、実施の形態4にかかるフィルタ処理部15の詳細な構成を示す図である。図12において、図10と同等機能を有する部位には同一符号を付してある。
【0100】
実施の形態4では、平滑化フィルタ処理およびラプラシアンフィルタ処理は、実施の形態3の場合と同様であるのでその説明は省略する。実施の形態4と実施の形態3の相違点は、エッジ量算出方法であり、以下にその説明を行う。
【0101】
フィルタ処理部15は、図12に示す如く、平滑化フィルタ部34と、第1の信号変換処理部(CMY−LUV変換部)31と、ラプラシアンフィルタ部35L、35U、35Vと、乗算器36L、36U、36Vと、加算器37L、36U、36Vと、彩度算出部62と、エッジ量算出部61と、第2の信号変換処理部(LUV−CMY変換部)33とから構成されている。
【0102】
色補正処理部14(図1参照)は、C信号とM信号をエッジ量算出部61に出力する。第1の信号変換処理部31は、U信号とV信号を彩度算出部62に出力する。
【0103】
彩度算出部62は、第1の信号変換処理部31から入力されるUV信号に基づいて、下記式(5)を用いて彩度量Sを算出して、エッジ量算出部62に出力する。
【0104】
S=√((U2+V2)/(Umax2+Vmax2))・・・(5)
但し、Umax:Uの最大値
Vmax:Vの最大値
【0105】
なお、彩度量Sは、上記式(5)による演算で算出してても良いが、予め演算結果をLUTに格納し、UVの値に応じて演算結果を読出すように構成しても良い。ハードウェア化する場合には、絶対値化したU,Vを入力しLUTによって彩度Sを出力するような構成とすることができる。
【0106】
エッジ量算出部61は、色補正処理部14から入力されるC、M信号および彩度算出部62から入力される彩度量Sに基づいて、L信号用エッジ量L_EdgeとUV信号用エッジ量UV_Edgeを算出して、L信号用エッジ量L_Edgeを乗算器36Lに出力し、また、UV信号用エッジ量UV_Edgeを乗算器36U、36Vに出力する。
【0107】
図13は、図12のエッジ量算出部61の詳細な構成を示すブロック図である。図13において、図9と同等部位には同一符号を付してある。エッジ量算出部61は、図13に示す如く、エッジ量算出フィルタ部41と、絶対値処理部42と、最大値選択部45と,LUT46、71,72と,乗算器73L、73UVとを備えている。
【0108】
図13に示すエッジ量算出部61では、実施の形態2(図9)におけるUV信号のエッジ量算出と同様の方法により、CM信号から単一のエッジ量Edgeを算出して出力する。
【0109】
LUT71、72は、彩度算出部62で算出された彩度量Sがそれぞれ入力され、彩度量Sをエッジ量EdgeのUVエッジ量の補正係数、Lエッジ量の補正係数にそれぞれ変換して、乗算器73L、73UVに出力する。図14はLUT71、72の出力特性を示す図である。同図において、横軸は彩度量S、縦軸は補正係数を示しており、実線はUVエッジ量の補正係数、破線はLエッジ量の補正係数を示している。同図に示すように、彩度量Sが小さい(低彩度)ほどLエッジ量の補正係数が高い値となり、彩度量Sが大きい(高彩度)ほどUVエッジ量の補正係数を高い値となる。これら2つの補正係数の各々を乗算器73L、73UVに入力し、エッジ量Edgeと乗算し、L信号用エッジ量L_EdgeとUV信号用エッジ量UV_Edgeとしてそれぞれ出力する。
【0110】
以上説明したように、実施の形態4によれば、CMY信号に変換した信号に基づいて輝度/色差系適応空間フィルタ処理を実現することができ、濁りのない色差信号を使用することによる高精度な適応空間フィルタ処理が実現可能となる。また、実施の形態4のように彩度信号を算出して輝度/色差系適応フィルタ処理を行う場合には、特に、色差信号の精度の影響が大きくなるため、画質への寄与度は高くなる。
【0111】
また、輝度(明度)信号からエッジ量を算出した場合や、色差(色度)信号からエッジ量を算出した場合には、色地上色文字での下地と色文字の値が近似した値の場合はエッジ強調ができない等の不具合があるが、CM信号にて特徴量(エッジ量)の算出を行っているので、かかる不具合を解消することができる。
【0112】
なお、実施の形態4では、Y信号をエッジ量の算出に使用していないが、Y信号を加えてCMY信号に基づいてエッジ量を算出することにしても良い。この場合、図12のエッジ量算出フィルタ41、絶対値処理部42をもう1色分設けることにすれば良い。
【0113】
但し、一般にY信号は、(1)明度の高い色であるため人間の視覚特性上エッジ強調の必要性が低く、(2)一般的な網点原稿のY版は、0度90度のスクリーン角を使用している場合が多く、強いエッジ強調を行うとモアレとなりやすい等の問題点があるため、一般的には、CM信号のみかまたはY信号の寄与率を低く抑える(例えばY信号のエッジ量のみ1未満の係数を掛けて算出する。)等の方法を使用した方が好ましい。
【0114】
また、実施の形態4においては、C信号とM信号をエッジ量算出フィルタ部41でそれぞれ独立させてエッジ量を算出していたが、予め、C、MまたはC、M、Yの信号を合成し、例えば、(C+M)/2、max(C,M,Y)のような信号を使用して単一の信号によりエッジ量を算出することにしても良い。かかる構成によれば、C信号とM信号のそれぞれのエッジ量を算出する構成に比して、多少精度的には劣るが、エッジ量算出のための処理系統が1系統で済むため、ハード量を低減することが可能となる。
【0115】
(実施の形態5)
実施の形態5にかかる画像処理装置を図15〜図17を参照して説明する。図15は、実施の形態5にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。実施の形態5と実施の形態1(図1)との相違点は、フィルタ処理部15と色補正処理部14の処理の順番が逆になっていることのみであるので、その動作の説明は省略する。
【0116】
図16は、図15のフィルタ処理部15の詳細な構成を示すブロック図である。フィルタ処理部15は、図16に示す如く、第1の信号変換処理部31と、LUT81,82と、空間フィルタ処理部85L、85U、85Vと、LUT83,84と、第2の信号変換処理部33とを備えている。
【0117】
第1の信号変換処理部31は、RGB信号をLUV信号に変換し、L信号を空間フィルタ処理部85Lに出力し、U信号、V信号をLUT81、LUT82にそれぞれ出力する。第1の信号変換処理部31の濃度変換は上記式(3)でCMYをRGBに変更した式を使用して行う。
【0118】
LUT81,82は、第1の信号変換処理部31からそれぞれ入力されるU信号と、V信号を変換して、空間フィルタ処理部85U、85Vに出力する。
【0119】
図17は、LUT81,82,83,84の出力特性を示す図である。同図において、横軸は入力データ、縦軸は出力データを示しており、実線はLUT81,82の特性、波線はLUT83,84の特性を示している。LUT81とLUT82は、同一の変換テーブルを使用しており、彩度を強調する方向(UVの絶対値が大きくなる方向)に変換する。また、LUT83とLUT84は、同一の変換テーブルを使用しており、LUT81、82の逆変換となるように構成されている。
【0120】
空間フィルタ処理部85L、85U、85Vは、同一のハードウエア構成となっており、入力されるL信号、U信号、V信号に対して空間フィルタ処理がそれぞれ実施して、L’信号を第2の信号変換処理部33に、U’信号、V’信号をLUT83、84にそれぞれ出力する。
【0121】
LUT83,84は、空間フィルタ処理部85U、85Lからそれぞれ入力されるU’信号と、V’信号を変換して、第2の信号変換処理部33に出力する。
【0122】
第2の信号変換処理部33は、入力されるL’U’V’信号をR’G’B’信号に変換して色補正処理部14に出力する。第2の信号変換処理部33の濃度変換は上記式(4)でCMYをRGBに変更した式を使用して行う。
【0123】
以上説明したように、実施の形態5によれば、フィルタ処理部15では、第1の信号変換部31でRGB信号をLUV信号に変換し、LUT81,82は、UV信号を高彩度方向へ変換し、空間フィルタ処理部85L、85U、85Vは、変換後のLUV信号に対して輝度/色差系空間フィルタ処理を行い、この後に、LUT83,84は、LUT81,82と逆変換を行うこととしたので、RGB信号から輝度/色差系空間フィルタ処理を行う装置において、UV信号の彩度のダイナミックレンジを改善することが可能となり、色文字の濁り等の画質劣化を改善することが可能となる。
【0124】
なお、本実施の形態5では、UV信号を変換するLUTの内容は単純増加の例を示したが、例えば0近傍を入力値よりも低く(無彩方向へ変換)等して、擬似的な彩度値を調整するように構成しても良い。また、本実施の形態5の輝度/色差系空間フィルタは、実施の形態1に示したような通常の空間フィルタ処理でも良く、また、実施の形態2〜4に示したような適応フィルタ処理でも良い。
【0125】
(実施の形態6)
実施の形態6にかかる画像処理装置を図18を参照して説明する。図18は、実施の形態6にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。図18において、図1と同等機能を有する部位には同一符号を付し、その説明を省略する。実施の形態6にかかる画像処理装置は、図示しない外部装置にて圧縮された画像データをLAN等の転送路を介して受信し、輝度/色差系空間フィルタ処理を行うものである。
【0126】
図18に示す画像処理装置では、外部装置において圧縮処理が施された画像データを、転送路を介して受信する。伸長器91は、受信した圧縮画像データを公知の伸長処理を行い、カラーのRGB画像データを得て、色補正処理部14に出力する。色補正処理部14は、伸長後のRGB画像データに対して色補正処理が行う。以下、実施の形態1と同様な処理を行う。
【0127】
静止画における画像圧縮処理方法は、JPEG方式が最も良く使用される方法ではあるが、JPEG2000方式等の圧縮方式が標準化されるなど多様化する可能性がある。このような場合、伸長後のRGBデータを使用して、輝度/色差系空間フィルタを行えば、入力されたカラー画像データの形式によって空間フィルタ処理の度合いが異なる可能性がある。これを抑制するためには、入力された画像データの形式に応じて空間フィルタに関連するパラメータを変更する必要があるが、全てのパラメータに対して対応することは困難であるし、装置が複雑化してコストアップしてしまう。このような場合でも本方式によれば、色補正処理後の一義的に決定される画像データを使用して輝度/色差系空間フィルタを実施可能であるので、上記のような問題は生じない。
【0128】
なお、実施の形態6においては、プリンタへの出力の例を示したが、パソコン等を使用して、外部から画像データを入手し、特定の色空間への変換等を行い表示装置やハードディスク等の記憶装置へ画像を出力するような場合に輝度/色差系空間フィルタ処理を行う画像処理装置またはプログラム等においても本方式は有効である。
【0129】
また、外部装置等から入力する信号の場合、CMYK信号が入力される場合もありえる。その場合には下式(7)のようにCMYKをCMYに変換した後、輝度/色差信号へ変換するか。下式(8)のように変換し、後段の処理を同様に実施すれば良い。
【0130】
C=C+K
M=M+K
Y=Y+K ・・・(7)
【0131】
L=floor{(C+2*M+Y)/4}+K
U=C−M
V=Y−M ・・・(8)
【0132】
以上説明したように、実施の形態6によれば、外部装置にて圧縮された画像データをLAN等の転送路を介して受信した場合にも、プリンタ部で使用する画像データの信号属性と同一の信号属性により輝度/色差系空間フィルタ処理を行っているので、外部装置から入力される画像データに対しても輝度/色差系空間フィルタ処理を実現でき、画質を向上させることが可能となる。
【0133】
なお、本発明の画像処理装置は、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェイス機器、スキャナ、プリンタ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器から構成される装置(例えば、複写機、デジタル複合機、ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0134】
また、本発明の目的は、上述した画像処理装置の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(または、CPU、MPU、DSP)が記録媒体に格納されたプログラムコードを実行することによっても達成することが可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した画像処理装置の機能を実現することになり、そのプログラムコードまたはそのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記録媒体としては、FD、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリ、ROMなどの光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、半導体記録媒体を使用することができる。
【0135】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した画像処理装置の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した画像処理装置の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0136】
また、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した画像処理装置の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0137】
また、上記した実施の形態では、前記輝度/色差信号に対して輝度/色差系の空間フィルタ処理を行う場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、明度/色度信号に対して明度/色度系の空間フィルタ処理を行うことにしても良い。
【0138】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変形して実行可能である。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1にかかる画像処理装置によれば、入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理装置において、前記入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する第1の信号変換手段と、前記第1の信号変換手段で変換された前記輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理手段と、前記空間フィルタ処理手段で空間フィルタ処理された前記輝度/色差信号または明度/色度信号を、前記入力されるカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換する第2の信号変換手段とを備え、前記入力されるカラー画像信号は、前記画像出力手段に出力されるカラー画像信号の属性と同一であることとしたので、コストアップや処理速度を低下させることなく、色差(色度)信号の精度を高め、精度の高い輝度/色差系(明度/彩度系)空間フィルタ処理を実現し、画質を向上させることが可能となる。
【0140】
請求項2にかかる画像処理装置によれば、入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理装置において、前記入力されるカラー画像信号を、前記画像出力手段に出力するカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に補正する色補正手段と、前記色補正手段で補正されたカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する第1の信号変換手段と、前記第1の信号変換手段で変換された前記輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理手段と、前記空間フィルタ処理手段で空間フィルタ処理された前記輝度/色差信号または明度/色度信号を、前記色補正手段で補正されたカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換する第2の信号変換手段と、を備えたこととしたので、色補正処理部を複数設ける必要がなくなり、コストアップや処理速度を低下させることなく、色差(色度)信号の精度を高め、精度の高い輝度/色差系(明度/彩度系)空間フィルタ処理を実現し、画質を向上させることが可能となる。
【0141】
請求項3にかかる画像処理装置によれば、請求項1または請求項2にかかる発明において、前記第1の信号変換手段は、C、M、Yを含むカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換することとしたので、CMY系の信号を使用する画像出力手段に出力する場合にその画質を向上させることが可能となる。
【0142】
請求項4にかかる画像処理装置によれば、入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理装置において、前記入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する第1の信号変換手段と、前記第1の信号変換手段で変換された色差信号または色度信号の色差値または色度値を高彩度方向に変換する第2の信号変換手段と、前記第1の信号変換手段で変換された輝度信号または明度信号と、前記第2の信号変換手段で変換された色差信号または色度信号に対して、空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理手段と、前記空間フィルタ処理手段で前記空間フィルタ処理された色差信号または色度信号に対して、前記第2の信号変換手段の変換と逆変換を行う第3の信号変換手段と、を備えたこととしたので、色差信号または色度信号の彩度のダイナミックレンジが向上するように変換でき、コストアップや処理速度を低下させることなく、色差(色度)信号の精度を高め、精度の高い輝度/色差系(明度/彩度系)空間フィルタ処理を実現し、画質を向上させることが可能となる。
【0143】
請求項5にかかる画像処理装置によれば、請求項4にかかる発明において、前記入力されるカラー画像信号は、RGB信号であることとしたので、RGB信号を輝度/色差信号または明度/彩度信号に変換した場合でも、色差信号または色度信号の彩度のダイナミックレンジが向上するように変換でき、コストアップや処理速度を低下させることなく、色差(色度)信号の精度を高め、精度の高い輝度/色差系(明度/彩度系)空間フィルタ処理を実現し、画質を向上させることが可能となる。
【0144】
また、請求項6にかかる画像処理装置によれば、請求項1〜請求項5のいずれか1つにかかる発明において、前記空間フィルタ処理手段は、前記カラー画像信号の特徴量に応じて適応的に空間フィルタ処理を行うこととしたので、より画質を向上させることが可能となる。
【0145】
また、請求項7にかかる画像処理装置によれば、請求項6にかかる発明において、前記特徴量は、前記第1の信号変換手段の変換前のカラー画像信号から算出することとしたので、特徴量を高精度に算出することが可能となる。
【0146】
また、請求項8にかかる画像処理装置によれば、請求項7にかかる発明において、前記特徴量は、前記第1の信号変換手段の変換前のカラー画像信号の複数の信号成分から算出することとしたので、特徴量をより高精度に算出することが可能となる。
【0147】
また、請求項9にかかる画像処理装置によれば、請求項7または請求項8にかかる発明において、前記特徴量は、カラー画像信号のエッジ量であることを特徴としたので、色地上の色文字に対するエッジ強調時におけるエッジ強調の不均一性を改善でき、画質を向上させることが可能となる。
【0148】
また、請求項10にかかる画像処理装置によれば、請求項1〜請求項9のいずれか1つにかかる発明において、前記カラー画像信号は、画像読取り装置から読み取られて入力されることとしたので、スキャナ等の画像読取り装置からカラー画像信号が入力される場合においても、コストアップや処理速度を低下させることなく、色差(色度)信号の精度を高め、精度の高い輝度/色差系(明度/彩度系)空間フィルタ処理を実現し、画質を向上させることが可能となる。
【0149】
また、請求項11にかかる画像処理装置によれば、請求項1〜請求項9のいずれか1つにかかる発明において、前記カラー画像信号は、外部装置からネットワークを介して入力されることとしたので、外部装置からカラー画像信号が入力される場合においても、コストアップや処理速度を低下させることなく、色差(色度)信号の精度を高め、精度の高い輝度/色差系(明度/彩度系)空間フィルタ処理を実現し、画質を向上させることが可能となる。
【0150】
また、請求項12にかかる画像処理方法によれば、入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理方法において、前記入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する工程と、前記変換された前記輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行う工程と、前記空間フィルタ処理された前記輝度/色差信号または明度/色度信号を、前記入力されるカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換する工程と、を含み、前記入力されるカラー画像信号は、前記画像出力手段に出力されるカラー画像信号の属性と同一であることとしたので、コストアップや処理速度を低下させることなく、色差(色度)信号の精度を高め、精度の高い輝度/色差系(明度/彩度系)空間フィルタ処理を実現し、画質を向上させることが可能となる。
【0151】
また、請求項13にかかるコンピュータが実行するためのプログラムによれば、請求項12に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータがプログラムを実行して実現することとしたので、コストアップや処理速度を低下させることなく、色差(色度)信号の精度を高め、精度の高い輝度/色差系(明度/彩度系)空間フィルタ処理を実現し、画質を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1のフィルタ処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】平滑化フィルタとエッジ強調フィルタのフィルタ係数を示す図である。
【図4】あるカラー画像のRGB信号及びCMY信号をそれぞれ色差信号に変換し、これら色差信号から算出した彩度のヒストグラムを示す図である。
【図5】実施の形態2にかかるフィルタ処理部の詳細な構成を示す図である。
【図6】フィルタ係数を示す図である。
【図7】図5のLエッジ量算出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図8】2つの一次微分フィルタの一例を示す図である。
【図9】図5のUVエッジ量算出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態3にかかるフィルタ処理部の詳細な構成を示す図である。
【図11】図10の平滑フィルタ部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態4にかかるフィルタ処理部の詳細な構成を示す図である。
【図13】図12のエッジ量算出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図14】図13のLUTの入出力特性を示す図である。
【図15】実施の形態5にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図16】図15のフィルタ処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図17】図16のLUTの入出力特性を示す図である。
【図18】実施の形態6にかかる画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図19】一般的なRGBの光学フィルタの分光感度特性を示す図である。
【符号の説明】
11 スキャナ部
13 スキャナγ補正処理部
14 色補正処理部
15 フィルタ処理部
16 BG/UCR処理部
17 プリンタγ補正処理部
18 中間調処理部
19 プリンタ部
21 CPU
22 操作部
23 データバス
Claims (13)
- 入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理装置において、
前記入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する第1の信号変換手段と、
前記第1の信号変換手段で変換された前記輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理手段と、
前記空間フィルタ処理手段で空間フィルタ処理された前記輝度/色差信号または明度/色度信号を、前記入力されるカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換する第2の信号変換手段と、
を備え、
前記入力されるカラー画像信号は、前記画像出力手段に出力されるカラー画像信号の属性と同一であることを特徴とする画像処理装置。 - 入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理装置において、
前記入力されるカラー画像信号を、前記画像出力手段に出力するカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に補正する色補正手段と、
前記色補正手段で色補正されたカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する第1の信号変換手段と、
前記第1の信号変換手段で変換された前記輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理手段と、
前記空間フィルタ処理手段で空間フィルタ処理された前記輝度/色差信号または明度/色度信号を、前記色補正手段で補正されたカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換する第2の信号変換手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記第1の信号変換手段は、C、M、Yを含むカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
- 入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理装置において、
前記入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する第1の信号変換手段と、
前記第1の信号変換手段で変換された色差信号の色差値または色度信号の色度値を高彩度方向に変換する第2の信号変換手段と、
前記第1の信号変換手段で変換された輝度信号または明度信号と、前記第2の信号変換手段で変換された色差信号または色度信号に対して、空間フィルタ処理を行う空間フィルタ処理手段と、
前記空間フィルタ処理手段で前記空間フィルタ処理された色差信号または色度信号に対して、前記第2の信号変換手段の変換と逆変換を行う第3の信号変換手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記入力されるカラー画像信号は、RGB信号であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記空間フィルタ処理手段は、前記カラー画像信号の特徴量に応じて適応的に空間フィルタ処理を行うことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
- 前記特徴量は、前記第1の信号変換手段の変換前のカラー画像信号から算出することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記特徴量は、前記第1の信号変換手段の変換前のカラー画像信号の複数の信号成分から算出することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
- 前記特徴量は、カラー画像信号のエッジ量であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の画像処理装置。
- 前記カラー画像信号は、画像読取り装置から読み取られて入力されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の画像処理装置。
- 前記カラー画像信号は、外部装置からネットワークを介して入力されることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の画像処理装置。
- 入力されるカラー画像信号に対して画像処理を施して画像出力手段に出力する画像処理方法において、
前記入力されるカラー画像信号を輝度/色差信号または明度/色度信号に変換する工程と、
前記変換された前記輝度/色差信号または明度/色度信号に対して空間フィルタ処理を行う工程と、
前記空間フィルタ処理された前記輝度/色差信号または明度/色度信号を、前記入力されるカラー画像信号と同一の属性のカラー画像信号に変換する工程と、
を含み、
前記入力されるカラー画像信号は、前記画像出力手段に出力されるカラー画像信号の属性と同一であることを特徴とする画像処理方法。 - 請求項12に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータが実行するためのプログラム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008236045A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Ricoh Co Ltd | 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体 |
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JP2010113709A (ja) * | 2008-11-05 | 2010-05-20 | Magnachip Semiconductor Ltd | シャープネス補正装置及びその方法 |
US7961365B2 (en) | 2007-05-10 | 2011-06-14 | Ricoh Company, Ltd. | Image reading apparatus and image forming apparatus |
-
2002
- 2002-09-19 JP JP2002274106A patent/JP2004112535A/ja active Pending
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