JP2004112197A - 画像読取装置 - Google Patents
画像読取装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004112197A JP2004112197A JP2002270244A JP2002270244A JP2004112197A JP 2004112197 A JP2004112197 A JP 2004112197A JP 2002270244 A JP2002270244 A JP 2002270244A JP 2002270244 A JP2002270244 A JP 2002270244A JP 2004112197 A JP2004112197 A JP 2004112197A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image
- unit
- background level
- background
- data
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000001514 detection method Methods 0.000 claims abstract description 81
- 238000000034 method Methods 0.000 claims abstract description 27
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 claims description 13
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 abstract description 10
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 9
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 9
- 238000013500 data storage Methods 0.000 description 8
- 238000009499 grossing Methods 0.000 description 6
- 230000002349 favourable effect Effects 0.000 description 4
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 3
- 238000003705 background correction Methods 0.000 description 2
- 230000003321 amplification Effects 0.000 description 1
- 230000015556 catabolic process Effects 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 238000006731 degradation reaction Methods 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 238000003379 elimination reaction Methods 0.000 description 1
- 230000006870 function Effects 0.000 description 1
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 1
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 1
- 238000003199 nucleic acid amplification method Methods 0.000 description 1
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Image Processing (AREA)
- Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
- Image Analysis (AREA)
Abstract
【課題】本発明は原稿画像の網点検出結果に基づいて原稿画像の地肌レベルを補正して、地肌除去処理を行う画像読取装置を提供する。
【解決手段】画像読取装置1は、原稿からの反射光量をCCD11が光電変換したアナログの画像信号をゲインアンプ12で増幅し、A/D変換器13でデジタルの画像信号に変換して、デジタル信号演算部3で、デジタルの画像信号に各種画像処理を施す。デジタル信号演算部3は、網点検出部26で、A/D変換器13からの原稿のデジタルの画像データが網点で形成されている画像であるか否かを検出し、地肌レベル補正部31で、当該網点検出結果に基づいて、原稿画像の地肌レベルを補正し、ゲイン乗算部30で、補正された地肌レベルを用いて原稿画像に対して地肌除去処理を行う。したがって、MTF特性劣化等による地肌レベルの低下の影響を抑制し、良好な地肌除去処理を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】画像読取装置1は、原稿からの反射光量をCCD11が光電変換したアナログの画像信号をゲインアンプ12で増幅し、A/D変換器13でデジタルの画像信号に変換して、デジタル信号演算部3で、デジタルの画像信号に各種画像処理を施す。デジタル信号演算部3は、網点検出部26で、A/D変換器13からの原稿のデジタルの画像データが網点で形成されている画像であるか否かを検出し、地肌レベル補正部31で、当該網点検出結果に基づいて、原稿画像の地肌レベルを補正し、ゲイン乗算部30で、補正された地肌レベルを用いて原稿画像に対して地肌除去処理を行う。したがって、MTF特性劣化等による地肌レベルの低下の影響を抑制し、良好な地肌除去処理を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置に関し、詳細には、原稿画像の網点検出を行い、当該網点検出結果に基づいて原稿画像の地肌レベルを補正して、当該補正した地肌レベルを用いて地肌除去処理を行う画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平2−115987号公報
【特許文献2】
特開平4−230258号公報
一般的に、図8(a)に示すような網点原稿画像を画像読取装置で読み取る場合、レンズの特性、CCDの特性、電子回路部分の特性等の複数要因の影響でMTF特性が劣化し、図8(b)に示すように、読取画像での地肌レベルが原稿本来の地肌レベルに対して暗くなってしまう。そして、このMTF特性の劣化は、より細かい網点線数から成る網点画像において、顕著に現れる。
【0003】
そこで、従来から網点画像の原稿を読み取って、用紙に画像形成する場合、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、地肌レベルを検出して、地肌除去処理を行っている。
【0004】
そして、従来の地肌レベル検出方法は、原稿のノイズの影響を押さえるために、ノイズ除去処理を行った後の原稿データのピークレベルを地肌レベルとして検出している。そして、画像読取装置では、この検出した地肌レベルを用いて地肌除去を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、ノイズ除去処理を行った後の原稿データのピークレベルを地肌レベルとして検出して、この検出した地肌レベルを用いて地肌除去を行っているため、例えば、図9(a)に示すような周囲が網点で囲まれている原稿画像を読み取って画像形成(コピー)した場合、網点で構成される画像データの地肌レベルが、ノイズ除去処理によりMTF特性による地肌レベル低下と同様に低下してしまう。
【0006】
その結果、地肌レベルが、本来のレベルより低下してしまうため、地肌レベルを用いて地肌除去処理を行ったコピー画像の地肌レベルが、図9(b)に示すように、原稿の地肌レベルとは異なってしまうという問題がある。
【0007】
そこで、請求項1記載の発明は、原稿からの反射光量をイメージセンサが光電変換したアナログの画像信号をアナログ処理手段で増幅し、当該アナログの画像信号をA/D変換手段で所定のリファレンス電圧に基づいてデジタルの画像信号に変換して、当該デジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、A/D変換手段のリファレンス電圧を設定するリファレンス電圧設定手段を有するデジタル信号処理手段に、A/D変換手段から入力されるデジタルの画像データから原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出手段と、当該網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正手段と、当該地肌レベル補正手段で補正された地肌レベルを用いて原稿画像に対して地肌除去処理を行う地肌除去手段と、を設けることにより、MTF特性劣化及びノイズ除去処理による地肌レベルの低下による地肌除去処理への影響を抑制し、良好な地肌除去処理を行って、画像品質を向上させる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、網点検出手段で、原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出した網点の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させることにより、MTF劣化による読取レベルの低下に影響する網点画像を構成する種々の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させることで、より一層良好な地肌除去処理を行い、画像品質をより一層向上させることのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させることにより、原稿の網点からなる領域と網点出ない領域を区別して、地肌レベル検出処理を小ブロック毎に分けて行って、より一層良好な地肌除去処理を行い、画像品質をより一層向上させることのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像読取装置は、原稿からの反射光量をイメージセンサが光電変換したアナログの画像信号を増幅するアナログ処理手段と、当該アナログ処理手段の出力するアナログの画像信号を所定のリファレンス電圧に基づいてデジタルの画像信号に変換するA/D変換手段と、当該A/D変換手段の出力するデジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、前記A/D変換手段の前記リファレンス電圧を設定するリファレンス電圧設定手段を有するデジタル信号処理手段と、を備えた画像読取装置であって、前記デジタル信号処理手段は、前記A/D変換手段から入力されるデジタルの画像データから前記原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出手段と、当該網点検出手段の検出結果に基づいて、前記原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正手段と、当該地肌レベル補正手段で補正された地肌レベルを用いて前記原稿画像に対して地肌除去処理を行う地肌除去手段と、を備えていることにより、上記目的を達成している。
【0011】
上記構成によれば、原稿からの反射光量をイメージセンサが光電変換したアナログの画像信号をアナログ処理手段で増幅し、当該アナログの画像信号をA/D変換手段で所定のリファレンス電圧に基づいてデジタルの画像信号に変換して、当該デジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、A/D変換手段のリファレンス電圧を設定するリファレンス電圧設定手段を有するデジタル信号処理手段に、A/D変換手段から入力されるデジタルの画像データから原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出手段と、当該網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正手段と、当該地肌レベル補正手段で補正された地肌レベルを用いて原稿画像に対して地肌除去処理を行う地肌除去手段と、を設けているので、MTF特性劣化及びノイズ除去処理による地肌レベルの低下による地肌除去処理への影響を抑制することができ、良好な地肌除去処理を行って、画像品質を向上させることができる。
【0012】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記網点検出手段は、前記原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、前記地肌レベル補正手段は、前記網点検出手段の検出した網点の線数に応じて、前記地肌レベルの補正量を変化させるものであってもよい。
【0013】
上記構成によれば、網点検出手段で、原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出した網点の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させるので、MTF劣化による読取レベルの低下に影響する網点画像を構成する種々の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させることで、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0014】
また、例えば、請求項3に記載するように、前記地肌レベル補正手段は、前記網点検出手段の検出結果に基づいて、前記原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させるものであってもよい。
【0015】
上記構成によれば、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させるので、原稿の網点からなる領域と網点出ない領域を区別して、地肌レベル検出処理を小ブロック毎に分けて行って、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0017】
図1〜図7は、本発明の画像読取装置の一実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の画像読取装置の一実施の形態を適用した画像読取装置1の要部回路ブロック図である。
【0018】
図1において、画像読取装置1は、画像読取部2とデジタル信号演算部3及び後段の図示しない画像処理部等を備えている。
【0019】
画像読取部2は、CCD(Charge Coupled Device )11、ゲインアンプ12、A/D変換器(A/DC)13、VRB14、D/A変換器(D/AC)15等を備えており、原稿の画像を読み取って、デジタル信号演算部3に出力する。すなわち、画像読取部2は、CCD(イメージセンサ)11で原稿から反射された読取光の反射光量をアナログの画像信号に変化してゲインアンプ12に出力し、ゲインアンプ(アナログ処理手段)12は、CCD11から入力されるアナログの画像信号を、D/A変換器15から入力されるゲイン設定値に応じて増幅してA/D変換器13に出力する。
【0020】
A/D変換器(A/D変換手段)13は、VRB14及びD/A変換器15からのリファレンスレベル(VRT)に基づいて、ゲインアンプ12から入力されるアナログの画像信号をデジタルデータに変換して、デジタル信号演算部3に出力する。
【0021】
デジタル信号演算部(デジタル信号処理手段)3は、シェーディングデータ保存メモリ21、シェーディング処理部22、ピーク検出部23、VT&ゲイン設定部24、NAE時ゲイン生成部25、網点検出部26、地肌レベル検出部27、地肌除去時ゲイン生成部28、ゲイン切換部29及びゲイン乗算部30等を備えており、地肌レベル検出部27、地肌除去時ゲイン生成部28、NAE時ゲイン生成部25及びゲイン切換部29は、全体として地肌レベル補正部(地肌レベル補正手段)31として機能している。
【0022】
シェーディングデータ保存メモリ21は、画像読取部2で白基準板を読み取ったデータをシェーディングデータ:Data_shとして各画素毎に保存する。
【0023】
ピーク検出部23は、シェーディング処理部22が、シェーディングデータ:Data_shをシェーディングデータ保存メモリ21に保存する際に、シェーディングデータ:Data_shでのピークレベル:Data_sh_peakを検出し、NAE時ゲイン生成部25に出力する。
【0024】
VRT&ゲイン設定部(リファレンス電圧設定手段)24は、A/D変換器13のリファレンス(VRT)をある固定値としてデジタルデータへの変換を行って、そのデータ値が予め設定されている目標レベルとなるように、D/A変換器15を介してゲインアンプ12の設定ゲインを設定する。このとき、先に設定したゲイン設定値をゲインアンプ12のゲイン値とした際に、CCD11で読み取ったデータをA/D変換器13でデジタルデータに変換し、このデジタルデータ値が予め設定されている目標レベルとなるように、リファレンス(VRT)を設定する。そして、VRT&ゲイン設定部24は、白基準板を読み取る際には、設定ゲインと固定リファレンスを設定して、CCD11でデータの読み取ったデータのゲインアンプ12での増幅とA/D変換器13でのデジタル変換を行わせて、デジタル信号演算部3へデータ入力を行わせ、原稿を読み取る際には、設定ゲインと設定リファレンスを設定して、CCD11でデータの読み取ったデータのゲインアンプ12での増幅とA/D変換器13でのデジタル変換を行わせて、デジタル信号演算部3へデータ入力を行わせる。
【0025】
シェーディング処理部22は、シェーディングデータ保存メモリ21に保存されているシェーディングデータに基づいて、画像読取部2で原稿を読み取った際の原稿データに対してシェーディング処理を行う。このとき、シェーディング処理部22は、予めシェーディングデータ保存メモリ21に保存しておいたシェーディングデータ:Data_shと読み取った原稿の画像データとを用いて、次式(1)のシェーディング処理式に基づいてシェーディング処理を行う。
【0026】
Data=Data_pre×Data_sh_peak/Data_sh・・・(1)
ここで、Dataは、シェーディング処理後の原稿のデータ、Data_preは、シェーディング処理前の原稿のデータ、Data_shは、シェーディングデータ、Data_sh_peakは、シェーディングデータピーク値である。
【0027】
そして、シェーディング処理部22は、上記シェーディング処理を原稿の画像データの各画素毎に行う。このシェーディング処理により、画像読取部2の露光ランプの主走査方向の光量分布、CCD11の感度バラツキ等を吸収することができる。
【0028】
網点検出部(網点検出手段)26は、図2に示すように、N個のブロックに分割されたラインメモリ41を備えており、シェーディング処理部22でシェーディング処理された後のデータ(シェーディング後データ)をラインメモリ41に格納する。網点検出部26は、ラインメモリ41に格納したシェーディング後データに対して、当該ラインメモリ41の各ブロック毎に網点画像であるかどうかの検出を行う。
【0029】
網点検出部26は、網点画像検出処理では、まず、ラインメモリ41に格納したシェーディング後データの当該ラインメモリ41の各部ロックにおいて、隣接画素毎の差分をとる。
【0030】
Δ=Data(n)−Data(n−1)
ここで、nは、画素位置である。
【0031】
一般的に、網点により構成される画像は、図8(a)に示したように、ある一定周期で白レベルと黒レベルが繰り返されて構成されているため、網点より構成される画像データでは、ある画素において、差分Δの極性が「+」から「−」、または、「−」から「+」に変化する個所が存在し、この変化する箇所が一定周期で繰り返されることになる。
【0032】
そこで、網点検出部26は、この極性変化点間の画素数をカウントし、カウントした画素数を、極性変化点がくる毎にリセットし、また、次の極性変化点の間隔のカウントする処理を繰り返し行う。
【0033】
網点検出部26は、カウントした画素数に相当する網点線数と、図3および図4に示すように、その発生頻度のヒストグラムを求める。網点検出部26は、ヒストグラムを求めると、網点で構成される画像では、ある網点線数の発生頻度が高くなるため、予め頻度閾値:Lを設定しておき、得られたヒストグラムから、図3に示すように、ある網点線数の発生頻度がこのLを超えた場合に、そのブロックは網点線数が「l」の網点であると判定する。また、網点画像でない場合は、図4に示すように、ある特定の網点線数の発生頻度が高くなるということはないため、閾値が「L」を越えることはない。
【0034】
そして、網点検出部26は、上記処理をラインメモリ41の各ブロック毎に行い、各ブロックが網点で構成されるか否かを判定し、ブロック毎の判定結果と検出した網点線数を地肌レベル検出部27に出力する。
【0035】
地肌レベル検出部27は、図5に示すように、ラインメモリ51、ノイズ除去部52、画像パス切換部53、MTF補正部54及び地肌レベル検出処理部55等を備えており、ラインメモリ51は、網点検出部26のラインメモリ41と同数のブロックに分割されている。
【0036】
地肌レベル検出部27は、シェーディング後の複数ライン分のデータをラインメモリ51の各ブロックに一旦格納し、画像データにノイズが含まれているとその影響により適切な地肌レベルの検出を行うことができないため、ラインメモリ41に格納したシェーディング後の画像データに対して、ノイズの影響を押さえるために、シェーディング後データをノイズ除去部52に送って、ノイズ除去部52で、例えば、平滑化フィルタによる平滑化処理を施すことで、ノイズ除去処理を行う。このノイズ除去処理の方法としては、平滑フィルタによる平滑化処理に限るものではなく、他の方法でノイズ除去を行ってもよい。
【0037】
ノイズ除去部52は、ノイズ除去したシェーディング後データを画像パス切換部53に送り、画像パス切換部53は、画像データに同期して網点検出部26から入力される画像データが存在するブロックが網点画像であるかどうかを示す情報である網点検出結果に基づいて、ノイズ除去部52から入力されるノイズ除去後のシェーディング後データをMTF補正部54と地肌レベル検出処理部55とに画像パスを切り換えて出力する。すなわち、画像パス切換部53は、ブロックの画像データが網点画像であると、当該ブロックの画像データをMTF補正部54に出力し、ブロックの画像データが網点画像でないときには、当該ブロックの画像データを地肌レベル検出処理部55に出力する。
【0038】
MTF補正部54は、画像データが網点からなるブロックのデータである場合、MTF特性の劣化及びノイズ除去処理により、地肌レベルが低下してしまっているため、これを補正するために、画像パス切換部53から入力される網点画像のブロックのデータに対して、当該ブロックの網点線数に応じてマトリックスを変更したフィルタによるエッジ強調処理を施すことで、MTF補正処理を行って、地肌レベル検出処理部55に出力する。すなわち、地肌レベルの劣化量は、網点を構成する線数により異なってくるため、MTF補正部54は、予め各線数に応じたMTF補正フィルタを備えており、ブロック毎に検出された線数に応じてフィルタを切り換えて、MTF補正を行って、MTF補正を行ったデータを地肌レベル検出処理部55に出力する。
【0039】
地肌レベル検出処理部55は、網点検出部26のラインメモリ41と同数のブロックに分割されているラインメモリ56を備えており、画像パス切換部53及びMTF補正部54から入力される画像データをラインメモリ56に格納して、このラインメモリ56に格納したデータに対して、地肌レベル検出処理を行う。すなわち、地肌レベル検出処理部55は、ラインメモリ56に格納したデータ:Data(n)に対して、次式の更新式に基づいて、ピークレベル:D_peak(n)との比較を行いながら、ピークレベルを更新する。
【0040】
更新式
Data(n)>(Data(n)−W_σ)の場合
D_peak(n+1)=(3×D_peak(n)+Data(n))/4
(1/4重加算処理)
Data(n)<(Data(n)−W_σ)の場合
D_peak(n+1)=D_peak(n)
ここで、nは、画素数を示し、W_σは、白レベルにおけるノイズレベルを予め設定した固定値である。
【0041】
地肌レベル検出処理部55は、上記更新式でピークレベルを更新して、各ライン毎に最終的にえられたピーク値を、そのラインの地肌レベルとして検出し、検出した地肌レベルを、図1の地肌除去時ゲイン生成部28に出力する。
【0042】
地肌除去時ゲイン生成部28は、地肌レベル追従処理部61と地肌除去時ゲイン演算部62を備えており、地肌レベル追従処理部61に地肌レベル検出部27からライン毎の地肌レベル:D_peak(m)が入力される。
【0043】
地肌レベル追従処理部61は、地肌レベル検出部27から入力されるライン毎の地肌レベル:D_peak(m)を用いて、地肌除去ゲインを生成する際に用いる変数:AE_peak(m)を追従更新する追従更新処理をライン間隔毎に行って、地肌除去時ゲイン演算部62に出力する。地肌レベル追従処理部61は、次式の追従更新式に基づいて、変数:AE_peak(m)の更新を行う。
【0044】
D_peak(m)>AE_peak(m)の場合
AE_peak(m+1)=AE_peak(m)
+τ_up×(D_peak(m)−AE_peak(m))
D_peak(m)≦AE_peak(m)の場合
AE_peak(m+1)=AE_peak(m)
+τ_down×(D_peak(m)−AE_peak(m))
ここで、mは、ライン数、τ_upは、白レベル追従での時定数、τ_downは、黒レベル追従での時定数であり、より白側への追従は早く行い、黒側への追従はゆっくりと行うために、τ_up≫τ_downとなる定数が設定されている。
【0045】
地肌除去時ゲイン演算部62は、地肌レベル追従処理部61から入力されるライン毎に更新されるAE_peak(m)を用いて、地肌除去を行う際の地肌除去時ゲイン:G_ae(m)を、次式に基づいて、求めて、ゲイン切換部29に出力する。
【0046】
G_ae(m)=255/AE_peak(m)
ゲイン切換部29には、地肌除去時ゲイン演算部62からの他に、NAE時ゲイン生成部25からNAE時ゲイン:G_nae(m)が入力される。
【0047】
NAE時ゲイン生成部25は、図6に示すように、地肌除去時ゲイン演算部71を備え、地肌除去時ゲイン演算部71で、シェーディング処理部22から入力されるシェーディングデータ生成時のシェーディングデータピーク値:Data_sh_peakからNAE時ゲイン:G_nae(m)を次式により生成して、図1のゲイン切換部29に出力する。
【0048】
G_nae(m)=255/Data_sh_peak(m)
再び、図1において、ゲイン切換部29は、地肌除去を行わない場合は、NAE時ゲイン生成部25から入力されるNAE時ゲイン:G_nae(m)を選択して、ゲイン乗算部30に出力し、地肌除去を行う場合は、地肌除去時ゲイン生成部28から入力される地肌除去時ゲイン:G_ae(m)を選択して、ゲイン乗算部30に出力する。
【0049】
ゲイン乗算部30は、シェーディング処理部22から入力されるシェーディング後画像データに対して、ゲイン切換部29から入力される地肌除去時ゲイン:G_ae(m)またはNAE時ゲイン:G_nae(m)を、次式で示すように、乗算して、後段の画像処理部に出力する。
【0050】
Data_G(n)=Data(n)×G_ae(m)
n:画素数
または、
Data_G(n)=Data(n)×G_nae(m)
m:ライン数
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の画像読取装置1は、網点画像の地肌の原稿の画像データから適切に地肌除去を行う。
【0051】
すなわち、画像読取装置1は、原稿の読取に先立って、まず、白基準板を読取部2で読み取って、シェーディングデータ保存メモリ21にシェーディングデータを保存する。このとき、VRT&ゲイン設定部24で、ゲインアンプ12のゲインとA/D変換器13のリファレンスを設定ゲインと固定リファレンスに設定し、読取部2は、CCD11でデータの読み取ったデータを、当該設定ゲインのゲインアンプ12で増幅し、当該固定リファレンスのA/D変換器13でデジタル変換して、デジタル信号演算部3にデータ入力する。
【0052】
デジタル信号演算部3は、読取部2から入力されるデータをシェーディングデータとして、シェーディングデータ保存メモリ21に保存し、また、ピーク検出部23で、当該シェーディングデータのピーク値を検出して、NAE時ゲイン生成部25に出力する。
【0053】
次に、画像読取装置1は、VRT&ゲイン設定部24で、ゲインアンプ12のゲインとA/D変換器13のリファレンスを設定ゲインと設定リファレンスに設定し、読取部2による原稿の読み取りを行って、CCD11で読み取ったデータを、当該設定ゲインのゲインアンプ12で増幅し、当該設定リファレンスのA/D変換器13でデジタル変換して、デジタル信号演算部3にデータ入力する。
【0054】
デジタル信号演算部3は、読取部2から入力される原稿の画像データに、シェーディング処理部22で、上述のようにシェーディング補正を施す。
【0055】
デジタル信号演算部3は、シェーディング補正を行った画像データに対して、まず、網点画像の画像データであるかどうかを画像データのブロック毎に、網点検出部26で上述のように検出し、ブロック毎の判定結果と検出した網点線数を地肌レベル検出部27に出力する。
【0056】
地肌レベル検出部27は、まず、シェーディング処理部22のシェーディング処理した画像データに平滑フィルタによる平滑化処理等を行ってノイズ除去して、画像データに同期して網点検出部26から入力される画像データが存在するブロックが網点画像であるかどうかを示す情報である網点検出結果に基づいて、ノイズ除去後のシェーディング後データを、画像データが網点画像であると、MTF補正処理を行った後、地肌レベル検出処理を行って、検出した地肌レベル:D_peak(m)を、地肌除去時ゲイン生成部28に出力し、画像データが網点画像でないときには、ノイズ除去後のシェーディング後データをそのまま地肌レベル検出処理を行って、検出した地肌レベル:D_peak(m)を、地肌除去時ゲイン生成部28に出力する。
【0057】
地肌除去時ゲイン生成部28は、地肌レベル検出部27から入力されるライン毎の地肌レベル:D_peak(m)を用いて、地肌除去ゲインを生成する際に用いる変数:AE_peak(m)を追従更新する追従更新処理をライン間隔毎に行い、当該変数:AE_peak(m)に基づいて地肌除去時ゲイン:G_ae(m)を算出して、ゲイン切換部29に出力する。
【0058】
一方、NAE時ゲイン生成部25は、シェーディング処理部22から入力されるシェーディングデータ生成時のシェーディングデータピーク値:Data_sh_peakからNAE時ゲイン:G_nae(m)を生成して、ゲイン切換部29に出力する。
【0059】
そして、ゲイン切換部29は、地肌除去を行わない場合は、NAE時ゲイン生成部25から入力されるNAE時ゲイン:G_nae(m)を選択して、ゲイン乗算部30に出力し、地肌除去を行う場合は、地肌除去時ゲイン生成部28から入力される地肌除去時ゲイン:G_ae(m)を選択して、ゲイン乗算部30に出力する。
【0060】
ゲイン乗算部30は、シェーディング処理部22から入力されるシェーディング後画像データに対して、ゲイン切換部29から入力される地肌除去時ゲイン:G_ae(m)またはNAE時ゲイン:G_nae(m)を、上述のように乗算して、後段の画像処理部に出力する。
【0061】
このように、本実施の形態の画像読取装置1は、原稿からの反射光量をCCD11が光電変換したアナログの画像信号をゲインアンプ12で増幅し、当該アナログの画像信号をA/D変換器13で所定のリファレンス電圧(VRT)に基づいてデジタルの画像信号に変換して、当該デジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、A/D変換器13のリファレンス電圧(VRT)を設定するVRT&ゲイン設定部24を有するデジタル信号演算部3に、A/D変換器13から入力されるデジタルの画像データから原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出部26と、当該網点検出部26の検出結果に基づいて、原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正部31と、当該地肌レベル補正部31で補正された地肌レベルを用いて原稿画像に対して地肌除去処理を行うゲイン乗算部30と、を設けている。
【0062】
したがって、MTF特性劣化及びノイズ除去処理による地肌レベルの低下による地肌除去処理への影響を抑制することができ、良好な地肌除去処理を行って、画像品質を向上させることができる。
【0063】
また、本実施の形態の画像読取装置1は、網点検出部26で、原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、地肌レベル補正部31で、網点検出部26の検出した網点の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させている。
【0064】
したがって、MTF劣化による読取レベルの低下に影響する網点画像を構成する種々の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させることで、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0065】
さらに、本実施の形態の画像読取装置1は、地肌レベル補正部31で、網点検出部26の検出結果に基づいて、原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させている。
【0066】
したがって、原稿の網点からなる領域と網点出ない領域を区別して、地肌レベル検出処理を小ブロック毎に分けて行って、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0067】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0068】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像読取装置によれば、原稿からの反射光量をイメージセンサが光電変換したアナログの画像信号をアナログ処理手段で増幅し、当該アナログの画像信号をA/D変換手段で所定のリファレンス電圧に基づいてデジタルの画像信号に変換して、当該デジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、A/D変換手段のリファレンス電圧を設定するリファレンス電圧設定手段を有するデジタル信号処理手段に、A/D変換手段から入力されるデジタルの画像データから原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出手段と、当該網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正手段と、当該地肌レベル補正手段で補正された地肌レベルを用いて原稿画像に対して地肌除去処理を行う地肌除去手段と、を設けているので、MTF特性劣化及びノイズ除去処理による地肌レベルの低下による地肌除去処理への影響を抑制することができ、良好な地肌除去処理を行って、画像品質を向上させることができる。
【0069】
請求項2記載の発明の画像読取装置によれば、網点検出手段で、原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出した網点の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させるので、MTF劣化による読取レベルの低下に影響する網点画像を構成する種々の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させることで、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0070】
請求項3記載の発明の画像読取装置によれば、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させるので、原稿の網点からなる領域と網点出ない領域を区別して、地肌レベル検出処理を小ブロック毎に分けて行って、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像読取装置の一実施の形態を適用した画像読取装置の要部回路ブロック図。
【図2】図1の網点検出部のブロック構成図。
【図3】図2の網点検出部の検出する画像が網点である場合のヒストグラム。
【図4】図2の網点検出部の検出する画像が網点でない場合のヒストグラム。
【図5】図1の地肌レベル検出部の回路ブロック構成図。
【図6】図1の地肌除去時ゲイン生成部の回路ブロック図。
【図7】図1のNAE時ゲイン生成部の回路ブロック図。
【図8】網点原稿画像の読取レベル(a)と従来の画像読取装置で読み取ったときの読取レベル(b)を示す図。
【図9】周囲が網点で囲まれている原稿画像(a)と当該原稿画像を従来の画像読取装置で読み取って画像形成したときのコピー画像(b)を示す図。
【符号の説明】
1 画像読取装置
2 画像読取部
3 デジタル信号演算部
11 CCD
12 ゲインアンプ
13 A/D変換器(A/DC)
14 VRB
15 D/A変換器(D/AC)
21 シェーディングデータ保存メモリ
22 シェーディング処理部
23 ピーク検出部
24 VT&ゲイン設定部
25 NAE時ゲイン生成部
26 網点検出部
27 地肌レベル検出部
28 地肌除去時ゲイン生成部
29 ゲイン切換部
30 ゲイン乗算部
31 地肌レベル補正部
41 ラインメモリ
51 ラインメモリ
52 ノイズ除去部
53 画像パス切換部
54 MTF補正部
55 地肌レベル検出処理部
56 ラインメモリ
61 地肌レベル追従処理部
62 地肌除去時ゲイン演算部
71 地肌除去時ゲイン演算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像読取装置に関し、詳細には、原稿画像の網点検出を行い、当該網点検出結果に基づいて原稿画像の地肌レベルを補正して、当該補正した地肌レベルを用いて地肌除去処理を行う画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平2−115987号公報
【特許文献2】
特開平4−230258号公報
一般的に、図8(a)に示すような網点原稿画像を画像読取装置で読み取る場合、レンズの特性、CCDの特性、電子回路部分の特性等の複数要因の影響でMTF特性が劣化し、図8(b)に示すように、読取画像での地肌レベルが原稿本来の地肌レベルに対して暗くなってしまう。そして、このMTF特性の劣化は、より細かい網点線数から成る網点画像において、顕著に現れる。
【0003】
そこで、従来から網点画像の原稿を読み取って、用紙に画像形成する場合、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、地肌レベルを検出して、地肌除去処理を行っている。
【0004】
そして、従来の地肌レベル検出方法は、原稿のノイズの影響を押さえるために、ノイズ除去処理を行った後の原稿データのピークレベルを地肌レベルとして検出している。そして、画像読取装置では、この検出した地肌レベルを用いて地肌除去を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、ノイズ除去処理を行った後の原稿データのピークレベルを地肌レベルとして検出して、この検出した地肌レベルを用いて地肌除去を行っているため、例えば、図9(a)に示すような周囲が網点で囲まれている原稿画像を読み取って画像形成(コピー)した場合、網点で構成される画像データの地肌レベルが、ノイズ除去処理によりMTF特性による地肌レベル低下と同様に低下してしまう。
【0006】
その結果、地肌レベルが、本来のレベルより低下してしまうため、地肌レベルを用いて地肌除去処理を行ったコピー画像の地肌レベルが、図9(b)に示すように、原稿の地肌レベルとは異なってしまうという問題がある。
【0007】
そこで、請求項1記載の発明は、原稿からの反射光量をイメージセンサが光電変換したアナログの画像信号をアナログ処理手段で増幅し、当該アナログの画像信号をA/D変換手段で所定のリファレンス電圧に基づいてデジタルの画像信号に変換して、当該デジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、A/D変換手段のリファレンス電圧を設定するリファレンス電圧設定手段を有するデジタル信号処理手段に、A/D変換手段から入力されるデジタルの画像データから原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出手段と、当該網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正手段と、当該地肌レベル補正手段で補正された地肌レベルを用いて原稿画像に対して地肌除去処理を行う地肌除去手段と、を設けることにより、MTF特性劣化及びノイズ除去処理による地肌レベルの低下による地肌除去処理への影響を抑制し、良好な地肌除去処理を行って、画像品質を向上させる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、網点検出手段で、原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出した網点の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させることにより、MTF劣化による読取レベルの低下に影響する網点画像を構成する種々の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させることで、より一層良好な地肌除去処理を行い、画像品質をより一層向上させることのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させることにより、原稿の網点からなる領域と網点出ない領域を区別して、地肌レベル検出処理を小ブロック毎に分けて行って、より一層良好な地肌除去処理を行い、画像品質をより一層向上させることのできる画像読取装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の画像読取装置は、原稿からの反射光量をイメージセンサが光電変換したアナログの画像信号を増幅するアナログ処理手段と、当該アナログ処理手段の出力するアナログの画像信号を所定のリファレンス電圧に基づいてデジタルの画像信号に変換するA/D変換手段と、当該A/D変換手段の出力するデジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、前記A/D変換手段の前記リファレンス電圧を設定するリファレンス電圧設定手段を有するデジタル信号処理手段と、を備えた画像読取装置であって、前記デジタル信号処理手段は、前記A/D変換手段から入力されるデジタルの画像データから前記原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出手段と、当該網点検出手段の検出結果に基づいて、前記原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正手段と、当該地肌レベル補正手段で補正された地肌レベルを用いて前記原稿画像に対して地肌除去処理を行う地肌除去手段と、を備えていることにより、上記目的を達成している。
【0011】
上記構成によれば、原稿からの反射光量をイメージセンサが光電変換したアナログの画像信号をアナログ処理手段で増幅し、当該アナログの画像信号をA/D変換手段で所定のリファレンス電圧に基づいてデジタルの画像信号に変換して、当該デジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、A/D変換手段のリファレンス電圧を設定するリファレンス電圧設定手段を有するデジタル信号処理手段に、A/D変換手段から入力されるデジタルの画像データから原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出手段と、当該網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正手段と、当該地肌レベル補正手段で補正された地肌レベルを用いて原稿画像に対して地肌除去処理を行う地肌除去手段と、を設けているので、MTF特性劣化及びノイズ除去処理による地肌レベルの低下による地肌除去処理への影響を抑制することができ、良好な地肌除去処理を行って、画像品質を向上させることができる。
【0012】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記網点検出手段は、前記原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、前記地肌レベル補正手段は、前記網点検出手段の検出した網点の線数に応じて、前記地肌レベルの補正量を変化させるものであってもよい。
【0013】
上記構成によれば、網点検出手段で、原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出した網点の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させるので、MTF劣化による読取レベルの低下に影響する網点画像を構成する種々の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させることで、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0014】
また、例えば、請求項3に記載するように、前記地肌レベル補正手段は、前記網点検出手段の検出結果に基づいて、前記原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させるものであってもよい。
【0015】
上記構成によれば、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させるので、原稿の網点からなる領域と網点出ない領域を区別して、地肌レベル検出処理を小ブロック毎に分けて行って、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0017】
図1〜図7は、本発明の画像読取装置の一実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の画像読取装置の一実施の形態を適用した画像読取装置1の要部回路ブロック図である。
【0018】
図1において、画像読取装置1は、画像読取部2とデジタル信号演算部3及び後段の図示しない画像処理部等を備えている。
【0019】
画像読取部2は、CCD(Charge Coupled Device )11、ゲインアンプ12、A/D変換器(A/DC)13、VRB14、D/A変換器(D/AC)15等を備えており、原稿の画像を読み取って、デジタル信号演算部3に出力する。すなわち、画像読取部2は、CCD(イメージセンサ)11で原稿から反射された読取光の反射光量をアナログの画像信号に変化してゲインアンプ12に出力し、ゲインアンプ(アナログ処理手段)12は、CCD11から入力されるアナログの画像信号を、D/A変換器15から入力されるゲイン設定値に応じて増幅してA/D変換器13に出力する。
【0020】
A/D変換器(A/D変換手段)13は、VRB14及びD/A変換器15からのリファレンスレベル(VRT)に基づいて、ゲインアンプ12から入力されるアナログの画像信号をデジタルデータに変換して、デジタル信号演算部3に出力する。
【0021】
デジタル信号演算部(デジタル信号処理手段)3は、シェーディングデータ保存メモリ21、シェーディング処理部22、ピーク検出部23、VT&ゲイン設定部24、NAE時ゲイン生成部25、網点検出部26、地肌レベル検出部27、地肌除去時ゲイン生成部28、ゲイン切換部29及びゲイン乗算部30等を備えており、地肌レベル検出部27、地肌除去時ゲイン生成部28、NAE時ゲイン生成部25及びゲイン切換部29は、全体として地肌レベル補正部(地肌レベル補正手段)31として機能している。
【0022】
シェーディングデータ保存メモリ21は、画像読取部2で白基準板を読み取ったデータをシェーディングデータ:Data_shとして各画素毎に保存する。
【0023】
ピーク検出部23は、シェーディング処理部22が、シェーディングデータ:Data_shをシェーディングデータ保存メモリ21に保存する際に、シェーディングデータ:Data_shでのピークレベル:Data_sh_peakを検出し、NAE時ゲイン生成部25に出力する。
【0024】
VRT&ゲイン設定部(リファレンス電圧設定手段)24は、A/D変換器13のリファレンス(VRT)をある固定値としてデジタルデータへの変換を行って、そのデータ値が予め設定されている目標レベルとなるように、D/A変換器15を介してゲインアンプ12の設定ゲインを設定する。このとき、先に設定したゲイン設定値をゲインアンプ12のゲイン値とした際に、CCD11で読み取ったデータをA/D変換器13でデジタルデータに変換し、このデジタルデータ値が予め設定されている目標レベルとなるように、リファレンス(VRT)を設定する。そして、VRT&ゲイン設定部24は、白基準板を読み取る際には、設定ゲインと固定リファレンスを設定して、CCD11でデータの読み取ったデータのゲインアンプ12での増幅とA/D変換器13でのデジタル変換を行わせて、デジタル信号演算部3へデータ入力を行わせ、原稿を読み取る際には、設定ゲインと設定リファレンスを設定して、CCD11でデータの読み取ったデータのゲインアンプ12での増幅とA/D変換器13でのデジタル変換を行わせて、デジタル信号演算部3へデータ入力を行わせる。
【0025】
シェーディング処理部22は、シェーディングデータ保存メモリ21に保存されているシェーディングデータに基づいて、画像読取部2で原稿を読み取った際の原稿データに対してシェーディング処理を行う。このとき、シェーディング処理部22は、予めシェーディングデータ保存メモリ21に保存しておいたシェーディングデータ:Data_shと読み取った原稿の画像データとを用いて、次式(1)のシェーディング処理式に基づいてシェーディング処理を行う。
【0026】
Data=Data_pre×Data_sh_peak/Data_sh・・・(1)
ここで、Dataは、シェーディング処理後の原稿のデータ、Data_preは、シェーディング処理前の原稿のデータ、Data_shは、シェーディングデータ、Data_sh_peakは、シェーディングデータピーク値である。
【0027】
そして、シェーディング処理部22は、上記シェーディング処理を原稿の画像データの各画素毎に行う。このシェーディング処理により、画像読取部2の露光ランプの主走査方向の光量分布、CCD11の感度バラツキ等を吸収することができる。
【0028】
網点検出部(網点検出手段)26は、図2に示すように、N個のブロックに分割されたラインメモリ41を備えており、シェーディング処理部22でシェーディング処理された後のデータ(シェーディング後データ)をラインメモリ41に格納する。網点検出部26は、ラインメモリ41に格納したシェーディング後データに対して、当該ラインメモリ41の各ブロック毎に網点画像であるかどうかの検出を行う。
【0029】
網点検出部26は、網点画像検出処理では、まず、ラインメモリ41に格納したシェーディング後データの当該ラインメモリ41の各部ロックにおいて、隣接画素毎の差分をとる。
【0030】
Δ=Data(n)−Data(n−1)
ここで、nは、画素位置である。
【0031】
一般的に、網点により構成される画像は、図8(a)に示したように、ある一定周期で白レベルと黒レベルが繰り返されて構成されているため、網点より構成される画像データでは、ある画素において、差分Δの極性が「+」から「−」、または、「−」から「+」に変化する個所が存在し、この変化する箇所が一定周期で繰り返されることになる。
【0032】
そこで、網点検出部26は、この極性変化点間の画素数をカウントし、カウントした画素数を、極性変化点がくる毎にリセットし、また、次の極性変化点の間隔のカウントする処理を繰り返し行う。
【0033】
網点検出部26は、カウントした画素数に相当する網点線数と、図3および図4に示すように、その発生頻度のヒストグラムを求める。網点検出部26は、ヒストグラムを求めると、網点で構成される画像では、ある網点線数の発生頻度が高くなるため、予め頻度閾値:Lを設定しておき、得られたヒストグラムから、図3に示すように、ある網点線数の発生頻度がこのLを超えた場合に、そのブロックは網点線数が「l」の網点であると判定する。また、網点画像でない場合は、図4に示すように、ある特定の網点線数の発生頻度が高くなるということはないため、閾値が「L」を越えることはない。
【0034】
そして、網点検出部26は、上記処理をラインメモリ41の各ブロック毎に行い、各ブロックが網点で構成されるか否かを判定し、ブロック毎の判定結果と検出した網点線数を地肌レベル検出部27に出力する。
【0035】
地肌レベル検出部27は、図5に示すように、ラインメモリ51、ノイズ除去部52、画像パス切換部53、MTF補正部54及び地肌レベル検出処理部55等を備えており、ラインメモリ51は、網点検出部26のラインメモリ41と同数のブロックに分割されている。
【0036】
地肌レベル検出部27は、シェーディング後の複数ライン分のデータをラインメモリ51の各ブロックに一旦格納し、画像データにノイズが含まれているとその影響により適切な地肌レベルの検出を行うことができないため、ラインメモリ41に格納したシェーディング後の画像データに対して、ノイズの影響を押さえるために、シェーディング後データをノイズ除去部52に送って、ノイズ除去部52で、例えば、平滑化フィルタによる平滑化処理を施すことで、ノイズ除去処理を行う。このノイズ除去処理の方法としては、平滑フィルタによる平滑化処理に限るものではなく、他の方法でノイズ除去を行ってもよい。
【0037】
ノイズ除去部52は、ノイズ除去したシェーディング後データを画像パス切換部53に送り、画像パス切換部53は、画像データに同期して網点検出部26から入力される画像データが存在するブロックが網点画像であるかどうかを示す情報である網点検出結果に基づいて、ノイズ除去部52から入力されるノイズ除去後のシェーディング後データをMTF補正部54と地肌レベル検出処理部55とに画像パスを切り換えて出力する。すなわち、画像パス切換部53は、ブロックの画像データが網点画像であると、当該ブロックの画像データをMTF補正部54に出力し、ブロックの画像データが網点画像でないときには、当該ブロックの画像データを地肌レベル検出処理部55に出力する。
【0038】
MTF補正部54は、画像データが網点からなるブロックのデータである場合、MTF特性の劣化及びノイズ除去処理により、地肌レベルが低下してしまっているため、これを補正するために、画像パス切換部53から入力される網点画像のブロックのデータに対して、当該ブロックの網点線数に応じてマトリックスを変更したフィルタによるエッジ強調処理を施すことで、MTF補正処理を行って、地肌レベル検出処理部55に出力する。すなわち、地肌レベルの劣化量は、網点を構成する線数により異なってくるため、MTF補正部54は、予め各線数に応じたMTF補正フィルタを備えており、ブロック毎に検出された線数に応じてフィルタを切り換えて、MTF補正を行って、MTF補正を行ったデータを地肌レベル検出処理部55に出力する。
【0039】
地肌レベル検出処理部55は、網点検出部26のラインメモリ41と同数のブロックに分割されているラインメモリ56を備えており、画像パス切換部53及びMTF補正部54から入力される画像データをラインメモリ56に格納して、このラインメモリ56に格納したデータに対して、地肌レベル検出処理を行う。すなわち、地肌レベル検出処理部55は、ラインメモリ56に格納したデータ:Data(n)に対して、次式の更新式に基づいて、ピークレベル:D_peak(n)との比較を行いながら、ピークレベルを更新する。
【0040】
更新式
Data(n)>(Data(n)−W_σ)の場合
D_peak(n+1)=(3×D_peak(n)+Data(n))/4
(1/4重加算処理)
Data(n)<(Data(n)−W_σ)の場合
D_peak(n+1)=D_peak(n)
ここで、nは、画素数を示し、W_σは、白レベルにおけるノイズレベルを予め設定した固定値である。
【0041】
地肌レベル検出処理部55は、上記更新式でピークレベルを更新して、各ライン毎に最終的にえられたピーク値を、そのラインの地肌レベルとして検出し、検出した地肌レベルを、図1の地肌除去時ゲイン生成部28に出力する。
【0042】
地肌除去時ゲイン生成部28は、地肌レベル追従処理部61と地肌除去時ゲイン演算部62を備えており、地肌レベル追従処理部61に地肌レベル検出部27からライン毎の地肌レベル:D_peak(m)が入力される。
【0043】
地肌レベル追従処理部61は、地肌レベル検出部27から入力されるライン毎の地肌レベル:D_peak(m)を用いて、地肌除去ゲインを生成する際に用いる変数:AE_peak(m)を追従更新する追従更新処理をライン間隔毎に行って、地肌除去時ゲイン演算部62に出力する。地肌レベル追従処理部61は、次式の追従更新式に基づいて、変数:AE_peak(m)の更新を行う。
【0044】
D_peak(m)>AE_peak(m)の場合
AE_peak(m+1)=AE_peak(m)
+τ_up×(D_peak(m)−AE_peak(m))
D_peak(m)≦AE_peak(m)の場合
AE_peak(m+1)=AE_peak(m)
+τ_down×(D_peak(m)−AE_peak(m))
ここで、mは、ライン数、τ_upは、白レベル追従での時定数、τ_downは、黒レベル追従での時定数であり、より白側への追従は早く行い、黒側への追従はゆっくりと行うために、τ_up≫τ_downとなる定数が設定されている。
【0045】
地肌除去時ゲイン演算部62は、地肌レベル追従処理部61から入力されるライン毎に更新されるAE_peak(m)を用いて、地肌除去を行う際の地肌除去時ゲイン:G_ae(m)を、次式に基づいて、求めて、ゲイン切換部29に出力する。
【0046】
G_ae(m)=255/AE_peak(m)
ゲイン切換部29には、地肌除去時ゲイン演算部62からの他に、NAE時ゲイン生成部25からNAE時ゲイン:G_nae(m)が入力される。
【0047】
NAE時ゲイン生成部25は、図6に示すように、地肌除去時ゲイン演算部71を備え、地肌除去時ゲイン演算部71で、シェーディング処理部22から入力されるシェーディングデータ生成時のシェーディングデータピーク値:Data_sh_peakからNAE時ゲイン:G_nae(m)を次式により生成して、図1のゲイン切換部29に出力する。
【0048】
G_nae(m)=255/Data_sh_peak(m)
再び、図1において、ゲイン切換部29は、地肌除去を行わない場合は、NAE時ゲイン生成部25から入力されるNAE時ゲイン:G_nae(m)を選択して、ゲイン乗算部30に出力し、地肌除去を行う場合は、地肌除去時ゲイン生成部28から入力される地肌除去時ゲイン:G_ae(m)を選択して、ゲイン乗算部30に出力する。
【0049】
ゲイン乗算部30は、シェーディング処理部22から入力されるシェーディング後画像データに対して、ゲイン切換部29から入力される地肌除去時ゲイン:G_ae(m)またはNAE時ゲイン:G_nae(m)を、次式で示すように、乗算して、後段の画像処理部に出力する。
【0050】
Data_G(n)=Data(n)×G_ae(m)
n:画素数
または、
Data_G(n)=Data(n)×G_nae(m)
m:ライン数
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の画像読取装置1は、網点画像の地肌の原稿の画像データから適切に地肌除去を行う。
【0051】
すなわち、画像読取装置1は、原稿の読取に先立って、まず、白基準板を読取部2で読み取って、シェーディングデータ保存メモリ21にシェーディングデータを保存する。このとき、VRT&ゲイン設定部24で、ゲインアンプ12のゲインとA/D変換器13のリファレンスを設定ゲインと固定リファレンスに設定し、読取部2は、CCD11でデータの読み取ったデータを、当該設定ゲインのゲインアンプ12で増幅し、当該固定リファレンスのA/D変換器13でデジタル変換して、デジタル信号演算部3にデータ入力する。
【0052】
デジタル信号演算部3は、読取部2から入力されるデータをシェーディングデータとして、シェーディングデータ保存メモリ21に保存し、また、ピーク検出部23で、当該シェーディングデータのピーク値を検出して、NAE時ゲイン生成部25に出力する。
【0053】
次に、画像読取装置1は、VRT&ゲイン設定部24で、ゲインアンプ12のゲインとA/D変換器13のリファレンスを設定ゲインと設定リファレンスに設定し、読取部2による原稿の読み取りを行って、CCD11で読み取ったデータを、当該設定ゲインのゲインアンプ12で増幅し、当該設定リファレンスのA/D変換器13でデジタル変換して、デジタル信号演算部3にデータ入力する。
【0054】
デジタル信号演算部3は、読取部2から入力される原稿の画像データに、シェーディング処理部22で、上述のようにシェーディング補正を施す。
【0055】
デジタル信号演算部3は、シェーディング補正を行った画像データに対して、まず、網点画像の画像データであるかどうかを画像データのブロック毎に、網点検出部26で上述のように検出し、ブロック毎の判定結果と検出した網点線数を地肌レベル検出部27に出力する。
【0056】
地肌レベル検出部27は、まず、シェーディング処理部22のシェーディング処理した画像データに平滑フィルタによる平滑化処理等を行ってノイズ除去して、画像データに同期して網点検出部26から入力される画像データが存在するブロックが網点画像であるかどうかを示す情報である網点検出結果に基づいて、ノイズ除去後のシェーディング後データを、画像データが網点画像であると、MTF補正処理を行った後、地肌レベル検出処理を行って、検出した地肌レベル:D_peak(m)を、地肌除去時ゲイン生成部28に出力し、画像データが網点画像でないときには、ノイズ除去後のシェーディング後データをそのまま地肌レベル検出処理を行って、検出した地肌レベル:D_peak(m)を、地肌除去時ゲイン生成部28に出力する。
【0057】
地肌除去時ゲイン生成部28は、地肌レベル検出部27から入力されるライン毎の地肌レベル:D_peak(m)を用いて、地肌除去ゲインを生成する際に用いる変数:AE_peak(m)を追従更新する追従更新処理をライン間隔毎に行い、当該変数:AE_peak(m)に基づいて地肌除去時ゲイン:G_ae(m)を算出して、ゲイン切換部29に出力する。
【0058】
一方、NAE時ゲイン生成部25は、シェーディング処理部22から入力されるシェーディングデータ生成時のシェーディングデータピーク値:Data_sh_peakからNAE時ゲイン:G_nae(m)を生成して、ゲイン切換部29に出力する。
【0059】
そして、ゲイン切換部29は、地肌除去を行わない場合は、NAE時ゲイン生成部25から入力されるNAE時ゲイン:G_nae(m)を選択して、ゲイン乗算部30に出力し、地肌除去を行う場合は、地肌除去時ゲイン生成部28から入力される地肌除去時ゲイン:G_ae(m)を選択して、ゲイン乗算部30に出力する。
【0060】
ゲイン乗算部30は、シェーディング処理部22から入力されるシェーディング後画像データに対して、ゲイン切換部29から入力される地肌除去時ゲイン:G_ae(m)またはNAE時ゲイン:G_nae(m)を、上述のように乗算して、後段の画像処理部に出力する。
【0061】
このように、本実施の形態の画像読取装置1は、原稿からの反射光量をCCD11が光電変換したアナログの画像信号をゲインアンプ12で増幅し、当該アナログの画像信号をA/D変換器13で所定のリファレンス電圧(VRT)に基づいてデジタルの画像信号に変換して、当該デジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、A/D変換器13のリファレンス電圧(VRT)を設定するVRT&ゲイン設定部24を有するデジタル信号演算部3に、A/D変換器13から入力されるデジタルの画像データから原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出部26と、当該網点検出部26の検出結果に基づいて、原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正部31と、当該地肌レベル補正部31で補正された地肌レベルを用いて原稿画像に対して地肌除去処理を行うゲイン乗算部30と、を設けている。
【0062】
したがって、MTF特性劣化及びノイズ除去処理による地肌レベルの低下による地肌除去処理への影響を抑制することができ、良好な地肌除去処理を行って、画像品質を向上させることができる。
【0063】
また、本実施の形態の画像読取装置1は、網点検出部26で、原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、地肌レベル補正部31で、網点検出部26の検出した網点の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させている。
【0064】
したがって、MTF劣化による読取レベルの低下に影響する網点画像を構成する種々の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させることで、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0065】
さらに、本実施の形態の画像読取装置1は、地肌レベル補正部31で、網点検出部26の検出結果に基づいて、原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させている。
【0066】
したがって、原稿の網点からなる領域と網点出ない領域を区別して、地肌レベル検出処理を小ブロック毎に分けて行って、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0067】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0068】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の画像読取装置によれば、原稿からの反射光量をイメージセンサが光電変換したアナログの画像信号をアナログ処理手段で増幅し、当該アナログの画像信号をA/D変換手段で所定のリファレンス電圧に基づいてデジタルの画像信号に変換して、当該デジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、A/D変換手段のリファレンス電圧を設定するリファレンス電圧設定手段を有するデジタル信号処理手段に、A/D変換手段から入力されるデジタルの画像データから原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出手段と、当該網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正手段と、当該地肌レベル補正手段で補正された地肌レベルを用いて原稿画像に対して地肌除去処理を行う地肌除去手段と、を設けているので、MTF特性劣化及びノイズ除去処理による地肌レベルの低下による地肌除去処理への影響を抑制することができ、良好な地肌除去処理を行って、画像品質を向上させることができる。
【0069】
請求項2記載の発明の画像読取装置によれば、網点検出手段で、原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出した網点の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させるので、MTF劣化による読取レベルの低下に影響する網点画像を構成する種々の線数に応じて、地肌レベルの補正量を変化させることで、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【0070】
請求項3記載の発明の画像読取装置によれば、地肌レベル補正手段で、網点検出手段の検出結果に基づいて、原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させるので、原稿の網点からなる領域と網点出ない領域を区別して、地肌レベル検出処理を小ブロック毎に分けて行って、より一層良好な地肌除去処理を行うことができ、画像品質をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像読取装置の一実施の形態を適用した画像読取装置の要部回路ブロック図。
【図2】図1の網点検出部のブロック構成図。
【図3】図2の網点検出部の検出する画像が網点である場合のヒストグラム。
【図4】図2の網点検出部の検出する画像が網点でない場合のヒストグラム。
【図5】図1の地肌レベル検出部の回路ブロック構成図。
【図6】図1の地肌除去時ゲイン生成部の回路ブロック図。
【図7】図1のNAE時ゲイン生成部の回路ブロック図。
【図8】網点原稿画像の読取レベル(a)と従来の画像読取装置で読み取ったときの読取レベル(b)を示す図。
【図9】周囲が網点で囲まれている原稿画像(a)と当該原稿画像を従来の画像読取装置で読み取って画像形成したときのコピー画像(b)を示す図。
【符号の説明】
1 画像読取装置
2 画像読取部
3 デジタル信号演算部
11 CCD
12 ゲインアンプ
13 A/D変換器(A/DC)
14 VRB
15 D/A変換器(D/AC)
21 シェーディングデータ保存メモリ
22 シェーディング処理部
23 ピーク検出部
24 VT&ゲイン設定部
25 NAE時ゲイン生成部
26 網点検出部
27 地肌レベル検出部
28 地肌除去時ゲイン生成部
29 ゲイン切換部
30 ゲイン乗算部
31 地肌レベル補正部
41 ラインメモリ
51 ラインメモリ
52 ノイズ除去部
53 画像パス切換部
54 MTF補正部
55 地肌レベル検出処理部
56 ラインメモリ
61 地肌レベル追従処理部
62 地肌除去時ゲイン演算部
71 地肌除去時ゲイン演算部
Claims (3)
- 原稿からの反射光量をイメージセンサが光電変換したアナログの画像信号を増幅するアナログ処理手段と、当該アナログ処理手段の出力するアナログの画像信号を所定のリファレンス電圧に基づいてデジタルの画像信号に変換するA/D変換手段と、当該A/D変換手段の出力するデジタルの画像信号に対して各種画像処理を施すとともに、前記A/D変換手段の前記リファレンス電圧を設定するリファレンス電圧設定手段を有するデジタル信号処理手段と、を備えた画像読取装置であって、前記デジタル信号処理手段は、前記A/D変換手段から入力されるデジタルの画像データから前記原稿の画像が網点で形成されている画像であるか否かを検出する網点検出手段と、当該網点検出手段の検出結果に基づいて、前記原稿画像の地肌レベルを補正する地肌レベル補正手段と、当該地肌レベル補正手段で補正された地肌レベルを用いて前記原稿画像に対して地肌除去処理を行う地肌除去手段と、を備えていることを特徴とする画像読取装置。
- 前記網点検出手段は、前記原稿の画像が網点により形成されている画像であるときに、当該画像の網点の線数をも検出し、前記地肌レベル補正手段は、前記網点検出手段の検出した網点の線数に応じて、前記地肌レベルの補正量を変化させることを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
- 前記地肌レベル補正手段は、前記網点検出手段の検出結果に基づいて、前記原稿画像の領域毎に地肌レベルの補正量を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像読取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002270244A JP2004112197A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 画像読取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002270244A JP2004112197A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 画像読取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004112197A true JP2004112197A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32267940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002270244A Pending JP2004112197A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 画像読取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004112197A (ja) |
-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002270244A patent/JP2004112197A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2011135323A (ja) | 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム | |
JPH08235355A (ja) | 画像処理装置 | |
JP4376352B2 (ja) | 階調補正装置 | |
JPH10283470A (ja) | 画像処理装置、画像処理方法および記録媒体 | |
JP2004112197A (ja) | 画像読取装置 | |
JP2006229728A (ja) | 画像読取装置 | |
JP4553297B2 (ja) | 画像処理装置 | |
KR101007840B1 (ko) | 신호 처리 장치 및 방법, 기록 매체 | |
US6842267B1 (en) | Image processing method | |
JPH1042191A (ja) | 画像の逆光補正方法及び装置 | |
JP3886043B2 (ja) | 画像読み取り装置及び画像処理装置 | |
KR100470308B1 (ko) | 선택적 필터 적용을 통한 디지털 엑스레이 영상의 향상방법 및 장치 | |
JP2012090185A (ja) | 画像処理装置及びその制御方法 | |
JPH08340447A (ja) | 裏写り除去機能付き画像処理装置 | |
JPH0846788A (ja) | 画像処理方法及び装置 | |
JP2006203815A (ja) | 画像読取装置 | |
JP3288748B2 (ja) | 画像処理方法 | |
JP2001136390A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2002077618A (ja) | 画像処理装置及び方法 | |
JP3705414B2 (ja) | 2値化閾値決定方法 | |
JP3751422B2 (ja) | 画像読取装置 | |
JP3943816B2 (ja) | 画像処理装置 | |
JP2009130777A (ja) | 撮像装置 | |
JP2001028042A (ja) | デジタル読取装置及び該読取装置を備えた画像処理装置 | |
JP2010199837A (ja) | 濃度調整処理方法、それを実行させるためのプログラム及び濃度調整処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041015 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20041020 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070207 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070627 |