JP2004111052A - シーク制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 再生専用記録媒体及び記録用記録媒体を混在使用する場合であっても、安定したシーク動作を実現できない。
【解決手段】 再生専用記録媒体及び記録可能記録媒体上にそれぞれ形成されているトラックを横断する方向にヘッドを移動させるシーク動作の制御を行うシーク制御装置において、記録媒体の種類を判別する判別手段と、再生用記録媒体であるときに使用する第1のシーク動作制御手段と、記録用記録媒体であるときに使用する第2のシーク動作制御手段と、判別手段の判別結果に基づいて、第1、第2のシーク動作制御手段との切り換え選択を行う選択手段とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 再生専用記録媒体及び記録可能記録媒体上にそれぞれ形成されているトラックを横断する方向にヘッドを移動させるシーク動作の制御を行うシーク制御装置において、記録媒体の種類を判別する判別手段と、再生用記録媒体であるときに使用する第1のシーク動作制御手段と、記録用記録媒体であるときに使用する第2のシーク動作制御手段と、判別手段の判別結果に基づいて、第1、第2のシーク動作制御手段との切り換え選択を行う選択手段とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、レーザ光線を用いた光学的な手法によって高速且つ高密度に情報信号を記録再生可能な、光ディスクを中心とした光学情報記録媒体上のトラックを横断する方向に光学ヘッドを移動させるシーク動作の制御のためのシーク制御方法及びシーク制御装置に関し、特に、例えばいわゆるDVD(デジタルビデオディスク或いはデジタルバーサタイルディスク)において商品化中の再生専用光ディスクであるDVD−ROM、記録可能な光ディスクであるライトワンス用のDVD−R、繰返し記録可能なDVD−RW(DVDリライタブル)等のシーク動作制御に好適なシーク制御装置に関するものである。
近年は、追記録(以下追記と記す)あるいは書き換え可能なDVDとして、DVD−RやDVD−RWなどが開発或いは一部商品化されている。
これらDVD−RAMやDVD−RW等の追記型の光ディスクは、記録面上に予め形成されたランド或いはグルーブによってトラックが形成されており、このトラック上にレーザ光を照射して記録膜の反射特性を変化させることによって、データの記録が行われる。したがって、この追記型の光ディスクは、再生専用のDVD−ROMと物理規格上で再生互換をもつ規格であるが、これらDVD−RやDVD−RW等の追記型光ディスクにおいては、データが記録されている記録領域とデータが記録されていない未記録領域とでは、ディスクの反射率等のパラメータが異なっている。
ところで、これらDVD−RやDVD−RW等の追記型光ディスクに対してデータの記録再生を行う記録再生装置において、例えば光ディスク上の所望のトラック位置に光ヘッドを高速に移動させる(ディスク上のレーザスポットをディスク半径方向に高速に移動させて所望のトラック上に位置させる)動作、すなわちいわゆるシーク動作を行う場合には、光ヘッド(レーザスポット)の移動量を求めるために、当該光ヘッド(レーザスポット)が横断したトラックの本数をカウントすることが必要である。
しかしながら、DVD−RやDVD−RW等の追記型光ディスクは、再生専用のDVD−ROMに対して、上述したように、データが記録されている記録領域とデータが記録されていない未記録領域とでディスクの反射率等のパラメータが異なっているため、例えば、記録領域のシーク時にはレーザスポットが横断したトラック本数をカウントできていたとしても、未記録領域をシークする時にはレーザスポットが横断したトラック本数を正確にカウント出来ないようなことが起きる。
このようなことから、従来の記録再生装置では、記録領域と未記録領域とに跨ったシーク動作が行われてしまうようなことが起こらないようにするために、記録を行う際には、光ディスクの最内周から連続して記録データが存在することになるような記録、すなわち記録領域と未記録領域とが混在しないように記録を行い、また、再生を行う際には、上述のように光ディスクの最内周から連続している記録領域を再生するようになされている。
ところが、記録再生装置が例えば携帯可能ないわゆるポータブル機器等であるような場合において、例えば外部からの振動衝撃により、シーク中に光学ヘッド(レーザスポット)が未記録領域に移動してしまうようなことが起きると、当該記録再生装置は、光学ヘッド(レーザスポット)が横断したトラック本数を計測出来なくなったり、或いは誤った計測を行ってしまう虞がある。このように、シーク中にトラック本数の計測が出来なくなると、記録再生装置は最悪の場合、暴走してしまうことになる。
また、従来の記録再生装置は、例えばディスク上に存在する傷や埃等の影響によって、シーク時に光ヘッド(レーザスポット)が横断したトラック本数を計測できなくなったり、或いは誤った計測をしてしまうこともある。
さらに、上述のように光ディスクの最内周から連続して記録データが存在するように記録を行うようにしたとしても、例えばオーディオ信号やビデオ信号をいわゆるDVDビデオのフォーマットに従って記録する場合には、その記録の途中段階で、未記録部分を跨ぐようにデータが存在してしまうことがある。この場合も、従来の記録再生装置では、シーク中に当該未記録領域に光学ヘッド(レーザスポット)が移動したときに、その横断したトラック本数を計測できなくなったり、誤った計測を行ってしまう虞がある。
その他に、記録を行っている途中で例えば記録再生装置の電源が切れる等の事態が発生して、記録が中断されてしまったような場合は、当該記録が中断した場所で未記録領域が残ることになる。このようにして未記録領域が残った場合も、従来の記録再生装置は、シーク中に光学ヘッド(レーザスポット)が当該未記録領域に移動したとき、その横断したトラック本数を計測できなくなったり、誤った計測を行ってしまう虞がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、光ディスクが再生専用の場合であっても、追記型光ディスク上に記録可能な未記録領域が存在する(混在する)ような場合であっても、共に安定したシーク動作を実現可能とするシーク制御装置の提供を目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明は、次の(1),(2)の構成を有するシーク制御装置を提供する。
(1) 再生専用記録媒体(例えばDVD−ROM,DVDビデオ,DVDオーディオ等)及び記録可能記録媒体(例えばDVD−R,DVD−RW等)上にそれぞれ形成されているトラックを横断する方向にヘッド(光ヘッド)3を移動させるシーク動作の制御を行うシーク制御装置において、
前記記録媒体の種類を判別する判別手段と、
前記再生用記録媒体であるときに使用する第1のシーク動作制御手段と、
前記記録用記録媒体であるときに使用する第2のシーク動作制御手段と、
前記判別手段の判別結果に基づいて、前記第1のシーク動作制御手段と前記第2のシーク動作制御手段との切り換え選択を行う選択手段とを有することを特徴とするシーク制御装置。
(2) 再生専用記録媒体及び記録可能記録媒体上にそれぞれ形成されているトラックを横断する方向にヘッドを移動させるシーク動作の制御を行うシーク制御装置において、
前記記録媒体の種類を判別する判別手段と、
信号が記録されている記録領域と信号が記録されていない未記録領域との境界を検出する検出手段と、
シーク先の目標位置が前記記録領域内であるときに使用する第1のシーク動作制御手段と、
シーク先の目標位置が前記未記録領域の近傍であるときに使用する第2のシーク動作制御手段と、
前記検出手段による境界検出結果に基づいて、前記第1のシーク動作制御手段と前記第2のシーク動作制御手段との切り換え選択を行う選択手段とを有することを特徴とするシーク制御装置。
(1) 再生専用記録媒体(例えばDVD−ROM,DVDビデオ,DVDオーディオ等)及び記録可能記録媒体(例えばDVD−R,DVD−RW等)上にそれぞれ形成されているトラックを横断する方向にヘッド(光ヘッド)3を移動させるシーク動作の制御を行うシーク制御装置において、
前記記録媒体の種類を判別する判別手段と、
前記再生用記録媒体であるときに使用する第1のシーク動作制御手段と、
前記記録用記録媒体であるときに使用する第2のシーク動作制御手段と、
前記判別手段の判別結果に基づいて、前記第1のシーク動作制御手段と前記第2のシーク動作制御手段との切り換え選択を行う選択手段とを有することを特徴とするシーク制御装置。
(2) 再生専用記録媒体及び記録可能記録媒体上にそれぞれ形成されているトラックを横断する方向にヘッドを移動させるシーク動作の制御を行うシーク制御装置において、
前記記録媒体の種類を判別する判別手段と、
信号が記録されている記録領域と信号が記録されていない未記録領域との境界を検出する検出手段と、
シーク先の目標位置が前記記録領域内であるときに使用する第1のシーク動作制御手段と、
シーク先の目標位置が前記未記録領域の近傍であるときに使用する第2のシーク動作制御手段と、
前記検出手段による境界検出結果に基づいて、前記第1のシーク動作制御手段と前記第2のシーク動作制御手段との切り換え選択を行う選択手段とを有することを特徴とするシーク制御装置。
本発明に係るシーク制御装置によれば、再生専用記録媒体及び記録用記録媒体を混在して使用(再生)しても、常時、安定したシーク動作が実現可能である。
以下、本発明に係るシーク制御装置の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1には、本発明に係るシーク制御装置が適用される一実施の形態としての光ディスク装置の概略構成を示す。なお、本発明の実施の形態では、映像及び音声データの圧縮伸長技術として例えばいわゆるMPEG2を採用し、光ディスクの一例として書き換え可能なDVD−RWディスクを挙げている。また、図1の構成では、いわゆるDVD装置等において通常設けられている多くの部分については省略している。
この図1において、光ディスク1は、例えば相変化材料からなる記録型の光ディスクであり、本実施の形態では、例えばいわゆるDVD−RWディスクを使用する。なお、DVD−RWディスクは、ディスク内でセクタ(トラック)が螺旋状に配され、線速度一定(CLV)にて回転が制御され、また、連続する16セクタで1ブロックを構成し、この1ブロックがエラー訂正の処理単位(ECCブロック)となされている。なお、ディスクの1周のデータ量はディスク内周で2ECCブロック分、外周で4ECCブロック分程度となる。この光ディスク1は、図示しないチャッキング機構によってスピンドルモータ2に取り付けられている。
当該スピンドルモータ2は、ドライバ7により回転駆動され、チャッキング機構によってチャッキングされている光ディスク1を回転させる。また、このスピンドルモータ2は、FGジェネレータと、ホール素子などの回転位置信号の検出手段とを備えて成る。このFGジェネレータからのFG信号及びホール素子からの回転位置信号は、回転サーボ信号としてドライバ7を介してサーボ部8に帰還される。
光学ヘッド3は、半導体レーザを光源とし、コリメータレンズ、対物レンズ等によって、光ディスク1の所定のトラック上にレーザスポットを形成し、また、2軸アクチュエータにて対物レンズを駆動することにより、レーザスポットのフォーカシング及びトラッキングを行う。半導体レーザはレーザ駆動回路により駆動され、2軸アクチュエータはドライバ7により駆動される。
キー入力部10は、ユーザにより操作される複数のキーを備えてなり、ユーザからのキー操作入力情報をシステムコントローラ9に送る。すなわちこのキー入力部10からは、記録開始や再生開始、記録停止、再生停止、一時停止等を指示する各種のキー操作入力情報がユーザにより入力可能となされている。
インターフェイス部13は、例えばコンピュータ等との間でデータの送受を行うためのインターフェイスであり、例えばいわゆるATAPI(ATA Packet Interface)のインターフェースである。
システムコントローラ9は、キー入力部10からのキー操作入力情報として、記録開始や再生開始、記録停止、再生停止、一時停止等の各種キー操作入力情報に応じて、本実施の形態の光ディスク装置の各部のLSI(信号処理部5やサーボ部8、アンプ部4、AV符号化復号化部6等)を制御する。また、インターフェイス部13を介してデータの送受を行う。
ここで、例えば光ディスク1から信号の再生を行う場合は、キー入力部10から再生開始の指令がなされ、このときのシステムコントローラ9は、当該再生開始の指令に応じて、後述するアンプ部4、サーボ部8及びドライバ7を制御する。すなわち、光ディスク1から信号の再生を行う場合、システムコントローラ9は、先ず最初に、光ディスク1を回転させると共にレーザースポットを光ディスク1上に照射させ、当該光ディスク1上の信号トラックに予め形成されているアドレス信号を読み取り、このアドレスや光ディスク1に記録されているディスクID(ディスクの種類情報)から種類を判別し、そのアドレス情報から再生するべき目的セクタ(トラック)を見つけ、その目的セクタ(トラック)上にレーザスポットが配置するように光学ヘッド3を移動させる。この目的セクタへの移動が完了した後は、当該目的セクタからの信号再生を開始する。
光ディスク1の再生時のアンプ部4は、光学ヘッド3にて当該光ディスク1の目的セクタから再生されたRF信号を増幅すると共に、このRF信号から再生信号とトラッキングサーボ及びフォーカシングサーボ信号(トラッキングエラー及びフォーカスエラー信号)を生成する。また、当該アンプ部4は、少なくとも再生信号の周波数特性を最適化するイコライザと、再生信号からビットクロックを抽出すると共に速度サーボ信号を生成するPLL(位相ロックループ)回路と、このPLL回路からのビットクロックと再生信号の時間軸との比較からジッタ成分を取り出すジッタ生成器とを備えている。このアンプ部4にて生成されたジッタ値は、システムコントローラ9に送られ、トラッキングサーボ,フォーカシングサーボ信号及び速度サーボ信号はサーボ部8に、再生信号は信号処理部5に送られる。
サーボ部8は、アンプ部4からの速度サーボ信号と、光学ヘッド3のフォーカシングサーボ及びトラッキングサーボ信号を受け取ると共に、スピンドルモータ2からの回転サーボ信号を受け取り、これら各サーボ信号に基づいて、それぞれ対応する部位のサーボ制御を行う。具体的にいうと、サーボ部8は、アンプ部4のPLL回路がディスク回転速度に応じて生成した速度サーボ信号と、スピンドルモータ2からの回転サーボ信号とに基づいて、当該スピンドルモータ2を所定の回転速度で回転させるように、すなわち光ディスクを所定の一定線速度にて回転させるような、回転速度サーボ制御信号を生成する。また、サーボ部8は、フォーカシング及びトラッキングサーボ信号に基づいて、光学ヘッド3が光ディスク1上に正確にフォーカシング及びトラッキングするための光学ヘッドサーボ制御信号を生成する。これら回転速度サーボ制御信号と光学ヘッドサーボ制御信号は、ドライバ7に送られる。
ドライバ7は、サーボ部8から供給される各サーボ制御信号に基づいて動作するものであり、サーボ部8からの回転速度サーボ制御信号に応じてスピンドルモータ2を回転駆動すると共に、同じくサーボ部8からの光学ヘッドサーボ制御信号に応じて光学ヘッド3の2軸アクチュエータを駆動する。本実施の形態においては、当該ドライバ7が回転速度サーボ制御信号に応じてスピンドルモータ2を駆動することにより、光ディスク1を所定の線速度にて回転させ、また、当該ドライバ7が光学ヘッドサーボ制御信号に応じて光学ヘッド3の2軸アクチュエータを駆動することにより、光ディスク上でのレーザスポットのフォーカシング及びトラッキングが行われる。
光ディスク1の再生時の信号処理部5は、アンプ部4より供給された再生信号をA/D(アナログ/デジタル)変換し、このA/D変換により得られたデジタル信号から同期検出を行うと共に、当該デジタル信号に施されているいわゆるEFM+信号(8−16変調信号)からNRZ(Non Return to Zero)データへのデコードを行い、さらにエラー訂正処理を行って、光ディスク1上のセクタのアドレスデータと再生データとを得る。信号処理部5にて得られたアドレスデータと同期信号はシステムコントローラ9に送られる。なお、当該信号処理部5にて行われるエラー訂正処理等についての詳細は後述する。
ここで、当該再生データが例えばMPEGの可変転送レートで圧縮符号化されたデータである場合、本実施の形態の光ディスク装置では、当該データを例えば256MビットのD−RAM(トラックバッファメモリ14)に一時的に記憶させ、このトラックバッファメモリ14の書き込み/読み出しを制御することで、その再生データの可変転送レートの時間変動分を吸収するようにしている。なお、本実施の形態にて使用するトラックバッファメモリとは、圧縮したデータを一時記憶するバッファメモリのことを示しており、例えばDVDにおいて一般的に備えられている可変転送レートを吸収するためのバッファメモリを含む。このトラックバッファメモリ14の記憶容量及び記憶領域の管理、書き込み/読み出し制御は、信号処理部5を介して例えばシステムコントローラ9が行う。当該トラックバッファメモリ14から読み出された再生データは、信号処理部5を介してAV符号化復号化部(A−V ENDEC)6に送られる。
光ディスク1の再生時のAV符号化復号化部6は、トラックバッファメモリ14から供給された再生データが例えばMPEG2にて圧縮符号化され且つオーディオデータとビデオデータが多重化されたデータであるとき、この多重化された圧縮オーディオデータと圧縮ビデオデータを分離すると共に、それぞれをMPEG2にて伸長復号化し、さらにD/A(デジタル/アナログ)変換して、オーディオ信号及びビデオ信号として端子11から出力する。この端子11から出力されたビデオ信号は、図示しないNTSC(National Television System Committee)エンコーダ等にて処理されてモニタ装置に表示され、オーディオ信号は、図示しないスピーカ等に送られて放音される。なお、この再生時におけるAV符号化復号化部6での伸長復号化の速度は、記録時に設定された記録モードに応じた伸長レートとなされる。言い換えると、AV符号化復号化部6は、複数の伸長レートに応じた伸長復号化処理が可能となされており、記録時に設定された記録モードに応じて当該伸長レートを決定し、そのレートで伸長復号化を行う。この記録モードの情報は、コントロールデータとして記録データと共に光ディスク1に記録されており、当該コントロールデータが光ディスク1の再生時に読み出されてシステムコントローラ9に送られ、システムコントローラ9がこのコントロールデータに基づいてAV符号化復号化部6の伸長レートを設定する。なお、D/A変換は、当該AV符号化復号化部6の外部にて行うことも可能である。
一方で、例えば光ディスク1への信号記録を行う場合には、キー入力部10から記録開始の指令がなされ、システムコントローラ9は当該記録開始指令に応じて、アンプ部4、サーボ部8及びドライバ7を制御する。すなわち、光ディスク1の信号記録を行う場合には、先ず最初に、光ディスク1を回転させると共にレーザースポットを光ディスク1上に照射させ、当該光ディスク1上の信号トラックに予め形成されているアドレス信号を読み取り、そのアドレス情報から記録するべき目的セクタ(トラック)を見つけ、その目的セクタ(トラック)上にレーザスポットが配置するように光学ヘッド3を移動させる。
また、端子11からは、記録すべきオーディオ及びビデオ信号が入力され、これら信号がAV符号化復号化部6に送られる。
また、端子11からは、記録すべきオーディオ及びビデオ信号が入力され、これら信号がAV符号化復号化部6に送られる。
当該光ディスクの記録時において、AV符号化復号化部6は、オーディオ信号及びビデオ信号をA/D変換し、それぞれオーディオデータ及びビデオデータを、記録モードに応じた速度にてMPEG2の圧縮符号化を行い、さらにそれらを多重化して信号処理部5に送る。すなわち、AV符号化復号化部6は、記録モードに応じた複数の圧縮レートで圧縮符号化を行い得るものである。
なお、64MビットのD−RAM15は、AV符号化復号化部6における圧縮伸長の際にデータを一時的に記憶するためのメモリである。このD−RAM15は128Mや256Mビットの容量を有するものであってもよい。また、A/D変換は、当該AV符号化復号化部6の外部にて行うことも可能である。
また、本実施の形態の装置は、映像や音声情報の他に静止画情報やコンピュータ上のプログラムファイル等のデータを記録再生することも可能である。この場合、インターフェイス部13から静止画情報やプログラムファイル等のデータが供給され、これらデータがシステムコントローラ9を介して信号処理部5に送られる。
当該光ディスクの記録時の信号処理部5では、AV符号化復号化部6からの圧縮データやシステムコントローラ9を介したプログラムファイル等のデータに対して、エラー訂正符号を付加し、NRZとEFM+のエンコードを行い、さらにシステムコントローラ9から供給される同期信号を付加して記録データを生成する。
ここで、当該記録データは、トラックバッファメモリ14に一時的に記憶された後、光ディスク1への記録レートに応じた読出レートで当該トラックバッファメモリ24から読み出されるようになっている。このトラックバッファメモリ14から読み出された記録データは、信号処理部5にて所定の変調処理が行われ、記録信号としてアンプ部3に送られ、光学ヘッド3にて光ディスク1上の目的セクタ(トラック)に記録される。
また、このときのシステムコントローラ9は、アンプ部4から供給されたジッタ値をA/D(アナログ/デジタル)変換して測定し、この測定ジッタ値やアシンメトリ値に従って、記録時のアンプ部4における波形補正量を変更する。すなわち、光ディスク1に信号を記録する場合、アンプ部4では、信号処理部5からの信号を波形補正し、この波形補正した信号を光学ヘッド4のレーザ駆動回路へ送る。
図2には、図1のアンプ部4内に設けられているサーボ信号生成部分を抜き出して示す。また、図3には、各部の信号波形を示す。
この図2において、端子21には光学ヘッド3に設けられている多分割フォトディテクタからの出力信号が供給される。当該光学ヘッド3の多分割フォトディテクタからの各出力信号は、マトリクスアンプ22にて所定のマトリクス演算がなされることにより、RF信号として出力され、フォーカスエラー信号生成部23と、ディスク種類検出部24と、オフトラック信号生成部25と、ディファレンシャルフェイズディテクト(以下、適宜DPDとする)信号生成部26と、プッシュプル(以下、適宜PPとする)又はディファレンシャルプッシュプル(以下、適宜DPPとする)信号生成部27とに送られる。
フォーカスエラー信号生成部23は、マトリクスアンプ22からのRF信号よりフォーカスエラー信号FEを生成し、このフォーカスエラー信号FEを端子30からサーボ部8に送る。
ディスク種類検出部24は、再生専用の光ディスク(DVD−ROM)、記録用の光ディスク(DVD−R)、記録用の光ディスク(DVD−RW)の少なくとも3種類のディスクを判別するものであり、マトリクスアンプ22からのRF信号が供給される。即ち、ディスク種類検出部24は、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RWの3種類の光ディスクの反射率の違い、ウォブルの有無により判別する。具体的には、DVD−ROMの反射率は高く、そのトラックはウォブリングされていないからウォブルは無し、DVD−Rの反射率は高く、そのトラックはウォブリングされているからウォブルは有り、そしてDVD−RWの反射率は低く、そのトラックはウォブリングされているからウォブルは有という特徴から各ディスクを判別する。即ち、3種類のディスクのうち反射率が低いとDVD−RWと検出する。また、RF信号に含まれるウォブル信号の有無を検出し、ウォブル信号が検出されないとDVD−ROMと判定する。後に残ったディスクはDVD−Rと判別されるのである。こうして、3種類のディスクを判別できる。図3では図3(a)に示すRF信号の有無に対して、オフトラック信号が正確に得られなくなることを示している。こうして、ディスク種類検出部24は、3種類のディスクの判別結果に対応したディスク種類検出信号DISCDETを出力する。このディスク種類検出信号DISCDETは、端子31からサーボ部8に送られる。
本実施の形態では、トラッキングエラー信号TEとして、2種類のトラッキングエラー信号を生成するようにしている。一方は、いわゆるディファレンシャルフェイズディテクト(DPD)信号であり、他方は、いわゆるプッシュプル(PP)またはディファレンシャルプッシュプル(DPP)信号である。そして、本実施の形態では、これら2つの信号のうち、再生時にはDPD信号をトラッキングエラー信号TEとして使用し、一方、記録時にはPPまたはDPP信号をトラッキングエラー信号TEとして使用するようにしている。
すなわち、本実施の形態の光ディスク装置では、DPD信号生成部26がマトリクスアンプ22からのRF信号よりDPD信号を生成し、また、PP又はDPP信号生成部27がマトリクスアンプ22からのRF信号よりPP又はDPP信号を生成し、これらDPD信号、PP又はDPP信号がスイッチ28に送られる。スイッチ28は、端子35を介してサーボ部8から供給される記録/再生セレクト信号に応じて、これらDPD信号、PP又はDPP信号の何れか一方を切り換えてトラッキングエラー信号TEとして出力する。より具体的に説明すると、端子35を介してサーボ部8から供給される記録/再生セレクト信号が記録時であることを示している場合、スイッチ28は、PP又はDPP信号生成部27から供給されているPP又はDPP信号をトラッキングエラー信号TEとして出力する。一方で、記録/再生セレクト信号が再生時であることを示している場合、スイッチ28は、DPD信号生成部26から供給されているDPD信号をトラッキングエラー信号TEとして出力する。なお、シーク動作中のスイッチ28からの出力は、図3の(b)に示すようなトラッキングエラー信号TEとなり、このトラッキングエラー信号TEが端子33からサーボ部8に送られる。
オフトラック信号生成部25は、マトリクスアンプ22からのRF信号より、トラッキングエラー信号TEに対して略々90度位相の異なる、図3の(e)に示すようなオフトラック信号OFTRを生成し、このオフトラック信号OFTRを端子32からサーボ部8に送る。なお、本実施の形態のオフトラック信号生成部25では、光ディスク上のトラック中心からずれた位置にレーザスポットが形成されている時の反射光量信号を、所定の基準電圧に対してコンパレートすることにより、当該オフトラック信号OFTRを生成している。但し、オフトラック信号OFTRの生成方法としては、この例に限らず他にも幾つか考えられ、トラッキングエラー信号TEに対して略々90度の位相差を有する信号を生成できるのであれば、その生成方法は問わない。
トラッククロス信号生成部29では、スイッチ28から出力されたトラッキングエラー信号TEを、所定の基準電圧に対してコンパレートすることにより、図3の(c)に示すようなトラッククロス信号TKCを生成する。すなわち、この図3の(c)に示すトラッククロス信号TKCは、レーザスポットのトラック横断に対応したパルスによって構成される信号である。当該トラッククロス信号TKCは、端子34を介してサーボ部8に送られる。
サーボ部8は、前述したように、アンプ部4から供給されるフォーカスエラー信号FEに基づいてフォーカスサーボ制御を行い、またトラッキングエラー信号TEに基づいてトラッキングサーボ制御を行うだけでなく、さらに、アンプ部4からのトラッククロス信号TKCとオフトラック信号OFTRの2つの信号を用いて、シーク動作中の光ディスク半径方向への光学ヘッド(レーザスポット)の移動方向と、当該光学ヘッド(レーザスポット)が横断したトラック本数とを検出し、これら移動方向とトラック本数とに基づいて、光学ヘッド(レーザスポット)を目的のトラック上に移動させるシーク動作のサーボをも行う。
すなわち、サーボ部8は、光学ヘッド(レーザスポット)のシーク制御を実現するために、図4に示すような構成要素を備えている。
この図4において、端子41には図2のアンプ部4から出力された図3の(e)に示すようなオフトラック信号OFTRが供給され、端子42には図2のアンプ部4から出力された図3の(c)に示すようなトラッククロス信号TKCが供給される。これらオフトラック信号OFTRとトラッククロス信号TKCは方向検出部43に送られ、また、トラッククロス信号TKCはトラックカウント部44にも送られる。
方向検出部43は、トラッククロス信号TKCとオフトラック信号OFTRの2つの信号間の位相差を求め、当該位相差からシーク時の光ディスク半径方向への光学ヘッド(レーザスポット)の移動方向を検出する。すなわち、光学ヘッド(レーザスポット)が光ディスク外周側に移動しているのか、或いは内周側に移動しているのかは、これらトラッククロス信号TKCとオフトラック信号OFTRの位相差がプラス方向(進む方向)或いはマイナス方向(遅れる方向)のいずれの値を有するかによって決定することができる。当該方向検出部43にて検出された光学ヘッド(レーザスポット)の移動方向検出信号は、トラックカウント部44に送られる。
トラックカウント部44は、アンプ部4から端子42を介して供給されたトラッククロス信号TKCと、方向検出部43からの移動方向検出信号とに基づいて、光学ヘッド(レーザスポット)が横断したトラックの本数をカウントする。すなわち、当該トラックカウント部44では、トラッククロス信号TKCのパルス数をカウントすると同時に、方向検出部43からの移動方向検出信号に応じて当該トラッククロス信号TKCのパルスカウント値を増減(カウントアップ或いはカウントダウン)させることで、光学ヘッド(レーザスポット)が光ディスクの外周側或いは内周側の何れかの方向に、当該トラック本数分だけ光学ヘッド(レーザスポット)が移動したのかを計測している。このトラックカウント部44から出力されたカウント値は、端子45を介して図1のシステムコントローラ9に送られる。
これにより、システムコントローラ9は、光学ヘッドが移動する方向とその移動量(横断したトラックの本数)を知ることができる。
上述したように、本実施の形態によれば、図3の(c)のトラッククロス信号TKCと図3の(e)のオフトラック信号OFTRの2つの信号間の位相差を求め、この位相差から光ディスク半径方向への光学ヘッド(レーザスポット)の移動方向を検出し、さらにトラッククロス信号TKCから光学ヘッド(レーザスポット)が横断したトラックの本数を計測することにより、目的のトラックへ光学ヘッドをシークさせる際のシーク制御を行うことが可能となる。
ところで、本実施の形態にて使用しているDVD−RWディスクのような追記型光ディスクの場合、光ディスク上のトラック中心からずれた位置にレーザスポットが形成されている時の反射光量信号の比(すなわち振幅)は、光ディスクに信号が記録されている記録領域では大きな比(振幅)として得られるが、信号が記録されていない未記録領域では小さな比(振幅)としてしか得られないことになる。
つまり、図2のオフトラック信号生成部25への入力信号は、上述したように、記録領域での反射光量信号の比(振幅)が大きな値となり、未記録領域での反射光量信号の比(振幅)が小さな値となることで、図3の(d)に示すような信号OFTR0になってしまう。このことは、光学ヘッド(レーザスポット)が未記録領域上に位置している時には正確なオフトラック信号OFTRが得られないことを意味する。したがって、光学ヘッド(レーザスポット)が未記録領域上に位置する時には、図4の方向検出部43において光学ヘッド(レーザスポット)の移動方向を正確に検出出来ず、その結果として、トラックカウント部44においても光学ヘッド(レーザスポット)が横断したトラック本数のカウントが正確に出来なくなる。
そこで、本実施の形態の光ディスク装置においては、ディスク種類検出部24は再生専用の光ディスク(DVD−ROM)、記録用の光ディスク(DVD−R)、記録用の光ディスク(DVD−RW)の少なくとも3種類のディスクを判別すること、言い換えれば、光学ヘッド(レーザスポット)及びRF信号にウォブリング信号が含まれているか否によって3種類のディスクを判別しているのであり、こうして得られたディスク種類検出信号DISCDETは図4の端子40からトラックカウント部44に入力するようにし、記録用の光ディスク(DVD−R、DVD−RW)の場合は方向検出部43からの移動方向検出信号の信頼性が低い(無い)と判断して当該移動方向検出信号を無視させ、トラックカウント部44に対してトラッククロス信号TKCのみを使用したトラックカウント動作を行わせるようにしている。
すなわち、本発明実施の形態の光ディスク装置は、記録用の光ディスクの場合は、トラックカウント部44において、移動方向検出信号を無視した状態でトラッククロス信号TKCのみを使用してトラックカウント動作を行うようにすることにより、未記録領域でのシークエラーの発生を防止してる。
次に、以上のような構成を有する本実施の形態の光ディスク装置における第1のシーク動作制御例について、以下に説明する。なお、この第1のシーク動作制御は、主に図1のシステムコントローラ9が行う。
先ず、システムコントローラ9は、光ディスク装置に光ディスクが装填された時や予め光ディスクが装填されている光ディスク装置の電源がオンされた時などに、サーボ部8やドライバ7等を制御することにより、光ディスクの例えば最内周部に設けられている記録データ管理領域のデータを光学ヘッド3により読み出させ、当該光ディスクの種類及びどのアドレスにどの様なデータが記録されているかをチェックする。また、システムコントローラ9は、当該記録データ管理領域から読み出したデータを、一時記憶手段(例えばシステムコントローラ9の内部メモリ等)に格納する。
次に、システムコントローラ9は、光ディスク上の制御データに従って、或いはユーザによるキー入力等に従って、現在光学ヘッド(レーザスポット)が位置している光ディスク上のアドレス位置(現在アドレス位置)に対するシーク先の目標アドレス位置を設定し、さらに、現在アドレス位置から目標アドレス位置までシークする際のトラック本数を計算する。また同時に、システムコントローラ9は、現在アドレス位置から目標アドレス位置までの間、又はシーク後の最終目的位置に、未記録領域が有るかどうかを、記録データ管理領域のデータを読み出すことによりチェックする。
ここで、システムコントローラ9は、前記のディスクの種類判別結果によって、記録用の光ディスク(例えばDVD−R又はDVD−RW)と判断した場合は、オフトラック信号OFTRを使用しないシークが行われるようにサーボ部8を制御する。すなわち、システムコントローラ9は、前記カウント制御信号SYSSELにより、トラッククロス信号TKCのみを使用してトラックカウント動作を行うようにトラックカウント部44を制御する。
一方、システムコントローラ9は、再生専用の光ディスク(例えばDVD−ROM、DVDビデオ、DVDオーディオ)と判断した場合は、オフトラック信号OFTRを使用したシークが行われるようにサーボ部8を制御する。すなわち、システムコントローラ9は、前記カウント制御信号SYSSELにより、オフトラック信号OFTRとトラッククロス信号TKCの両方を使用してトラックカウント動作を行うようにトラックカウント部44を制御する。
これにより、本実施の形態の光ディスク装置では、再生専用の光ディスクと記録用の光ディスクとが同じ物理仕様で混在して使用される場合であっても、安定したシーク動作を実現可能とし、且つ、前述したような遅延時間によるミスカウントの発生をも未然に防止可能となる。また、本実施の形態の光ディスク装置によれば、前述したように、光ディスクの種類に応じて、適応的に最良のシークが実現できるように、トラックカウント部44によるカウント動作を切り換えることも可能となっている。すなわち、本実施の形態の光ディスク装置によれば、光ディスクの記録領域では安定にシークが可能で、且つ未記録領域が有る場合でも、暴走等のシークエラーが発生することなく安定な制御を行うことが可能である。
本実施の形態の光ディスク装置における第2のシーク動作制御例について、以下に説明する。なお、この第2のシーク動作制御も、主に図1のシステムコントローラ9が行う。
光ディスク装置において、記録可能な光ディスクに信号を追記により記録する場合は、常に記録済みの領域の終端位置、つまり未記録領域の開始位置に光ヘッド(レーザスポット)を移動させるようなシーク動作が頻繁に発生する。
そこで、このようなシーク動作を行う場合も前述した第1のシーク動作制御例の場合と同様に、システムコントローラ9は、先ず、光ディスク装置に光ディスクが装填された時や予め光ディスクが装填されている光ディスク装置の電源がオンされた時などに、サーボ部8やドライバ7等を制御することにより、光ディスクの例えば最内周部に設けられている記録データ管理領域のデータを光学ヘッド3により読み出させ、当該光ディスクの種類及びどのアドレスにどの様なデータが記録されているのかをチェックし、また、どの位置から未記録領域となっているのかをチェックする。システムコントローラ9は、当該チェック結果に基づいて記録領域と未記録領域との境界位置を認識し、そのデータを、記録データ管理領域から読み出したデータと共に一時記憶手段(例えばシステムコントローラ9の内部メモリ等)に記憶しておく。
次に、システムコントローラ9は、光ディスク上の制御データに従って、或いはユーザによるキー入力等に従って、現在光学ヘッド(レーザスポット)が位置している光ディスク上のアドレス位置(現在アドレス位置)に対するシーク先の目標アドレス位置を設定する。
そして、システムコントローラ9は、再生専用ディスクと判断した場合は、以下に述べる第1のシーク方法を選択し、また、記録用ディスクと判断した場合は、以下に述べる第2のシーク方法を選択して、後述するようにシーク動作の制御を行う。
第1のシーク方法によるシーク動作制御の手順を以下に説明する。
先ず、システムコントローラ9は、第1のステップとして、現在アドレスに対する目標アドレスとの差を計算する。
次に、システムコントローラ9は、第2のステップとして、記録データ管理領域のシークテーブルを参照しつつ、現在アドレスと目標アドレスの両アドレスから、光ヘッド(レーザスポット)を移動させる際に横断するトラック本数を計算する。
次に、システムコントローラ9は、第3のステップとして、第2のステップで計算した本数のトラックを横断するように光ヘッド(レーザスポット)を移動させるシーク制御を行う。
その後、システムコントローラ9は、第4のステップとして、第3のステップにて光ヘッド(レーザスポット)を移動させたときの移動位置でのアドレスを取得し、この移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲内であると認めたとき、シーク動作を終了させ、当該移動位置から目標アドレスの位置まで通常の動作(例えばトラックジャンプ等)により光ヘッド(レーザスポット)を移動させる。一方、システムコントローラ9は、移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲外であると認めたとき、再度第1のステップに戻り、この第1のステップから第4のステップまでの処理を行う。
図5の(a)を用いて、当該第1のシーク方法の動作を、より具体的に説明する。なお、この図5の(a)の例では、光ディスク上は全てデータが記録されている領域(記録領域)となっている。
システムコントローラ9は、先ず、第1のステップとして、図5の(a)に示す現在アドレスに対する目標アドレスとの差を計算し、次に、第2のステップとして、シークテーブルを参照しつつ、現在アドレスと目標アドレスの両アドレスから横断トラック本数を計算し、次に、第3のステップとして、当該計算した本数のトラックを横断するように光ヘッド(レーザスポット)を移動させるシーク制御を行う。その後、システムコントローラ9は、第4のステップとして、シークによる移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲内であるか否かを判定し、範囲内であるとき、シーク動作を終了させる。
ここで、第3のステップによる最初のシーク動作の際には、例えば、アドレス計算上の誤差や、光ディスク上の傷や回路のノイズ等の影響に起因したトラックカウントミスによる横断トラック本数計測の誤り、サーボ信号等のばらつきによる目標アドレス位置への停止位置ずれ等の要因によって、光ヘッドの停止位置が、図5の(a)のシークA又はCに示すように、目標アドレス位置からプラスアドレス方向又はマイナスアドレス方向にずれてしまうことが考えられる。
したがって、この第1のシーク方法の場合、システムコントローラ9は、第4のステップにおいて、図5の(a)のシークA又はCによる移動位置でのアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲外であると認めたとき、再度第1のステップに戻り、図5の(a)のシークA又はCによる移動位置でのアドレスを現在アドレスとし、この現在アドレスに対する目標アドレスとの差を計算する。次に、システムコントローラ9は、第2のステップにおいて、シークテーブルを参照しつつ、現在アドレスと目標アドレスの両アドレスから光ヘッド(レーザスポット)を移動させる際の横断トラック本数を計算し、次に、第3のステップとして、図5の(a)のシークB又はDに示すように、第2のステップで計算した本数のトラックを横断するように光ヘッド(レーザスポット)を移動させるシーク制御を行う。その後、システムコントローラ9は、第4のステップにおいて、図5の(a)のシークB又はDによる移動位置でのアドレスを取得し、この移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲内であると認めたとき、シーク動作を終了させる。
以上のように、第1のシーク方法では、図5の(a)のシークA又はCによる移動位置でのアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲外になった場合、その移動位置を補正すべく、当該移動位置のアドレスからプラスアドレス方向又はマイナスアドレス方向へ、図5の(a)のシークB又はDのような再度のシークを行うことで、目標アドレスへの到達を実現している。
なお、図5の(a)は、この段階で目標アドレスに到達した例を挙げているが、この段階でも未だ移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲外であるときは、さらに再度第1のステップに戻り、この第1のステップから第4のステップまでの処理を行う。
上述した第1のシーク方法は、光ディスク上が再生専用の場合のシーク動作制御方法であるが、第2のシーク方法は、記録用の光ディスクの場合のシーク動作制御方法である。
以下、当該第2のシーク方法シーク動作制御の手順を説明する。
先ず、システムコントローラ9は、第1のステップとして、現在アドレスに対する目標アドレスとの差を計算する。
次に、システムコントローラ9は、第2のステップとして、記録データ管理領域のシークテーブルを参照しつつ、現在アドレスと目標アドレスの両アドレスから、光ヘッド(レーザスポット)を移動させる際に横断するトラック本数を計算する。
次に、システムコントローラ9は、第3のステップとして、第2のステップで計算したトラック本数から所定本数bを引いた本数のトラックを横断するように光ヘッド(レーザスポット)を移動させるシーク制御を行う。
その後、システムコントローラ9は、第4のステップとして、第3のステップにて光ヘッド(レーザスポット)を移動させたときの移動位置でのアドレスを取得し、この移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲内であると認めたとき、シーク動作を終了させ、当該移動位置から目標アドレスの位置まで通常の動作(例えばトラックジャンプ等)により光ヘッド(レーザスポット)を移動させる。一方、システムコントローラ9は、移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲外であると認めたとき、再度第1のステップに戻り、この第1のステップから第4のステップまでの処理を行う。
図5の(b)を用いて、当該第2のシーク方法の動作を、より具体的に説明する。システムコントローラ9は、先ず、第1のステップとして、図5の(b)に示す現在アドレスに対する目標アドレスとの差を計算し、次に、第2のステップとして、シークテーブルを参照しつつ、現在アドレスと目標アドレスの両アドレスから横断トラック本数を計算する。
次に、実際にシークを開始するわけであるが、ここで、当該図5の(b)の例のように光ディスク上に記録領域と未記録領域が存在し、目標アドレスは未記録領域の開始位置の近傍である場合において、当該シークの際に、例えば、アドレス計算上の誤差や、光ディスク上の傷や回路のノイズ等の影響に起因したトラックカウントミスによる横断トラック本数計測の誤り、サーボ信号等のばらつきによる目標アドレス位置での停止位置ずれ等の要因によって、光ヘッドの停止位置が図5の(b)の未記録領域の開始位置を越えてしまうこと、すなわちシーク時に停止位置が未記録領域になってしまうことは望ましくない。
そこで、当該第2のシーク方法においては、第3のステップの際に、図5の(b)のシークEに示すように、第2のステップで計算したトラック本数から所定本数bを引いた本数のトラックを横断するように光ヘッド(レーザスポット)を移動させるシーク制御を行う。すなわち、この第2のシーク方法では、上述のようなアドレス計算上の誤差や横断トラック本数計測の誤り、停止位置ずれ等の要因によって光ヘッドが目標アドレス(目標となるトラック)からずれてしまう場合の本数誤差の範囲をX本であると想定し、当該X本よりも大きいb本分を、第2のステップで計算したトラック本数から引いた本数のトラックを横断するように光ヘッド(レーザスポット)を移動させるシーク制御を行うことで、最初のシークの際に光ヘッドの停止位置が図5の(b)の未記録領域の開始位置を越えてしまうことを防止している。これにより、シークの際に、目標アドレス位置より外周側(未記録領域)に光ヘッドが到達することはなく、必ず、内周側(記録領域)内に到達する事になる。
その後、システムコントローラ9は、第4のステップにおいて、第3のステップにて図5の(b)のシークEのように光ヘッド(レーザスポット)を移動させたときの移動位置のアドレスを取得し、この移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲内であると認めたとき、シーク動作を終了させ、一方、移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲外であると認めたときには、再度第1のステップに戻り、この第1のステップから第4のステップまでの処理を行う。
すなわち、システムコントローラ9は、第1のステップにおいて、図5の(b)のシークEによる移動位置でのアドレスを現在アドレスとし、この現在アドレスに対する目標アドレスとの差を計算し、次に、第2のステップにおいて、シークテーブルを参照しつつ、当該現在アドレスと目標アドレスの両アドレスから光ヘッド(レーザスポット)を移動させる際に横断するトラック本数を計算し、次に、第3のステップとして、図5の(b)のシークFに示すように、第2のステップにて計算したトラック本数から所定本数bを引いた本数のトラックを横断するように、光ヘッド(レーザスポット)を移動させるシーク制御を行う。その後、システムコントローラ9は、第4のステップにおいて、図5の(b)のシークFによる移動位置でのアドレスを取得し、この移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲内であると認めたとき、シーク動作を終了させる。
なお、図5の(b)は、この段階で目標アドレスに到達した例を挙げているが、この段階でも未だ移動位置のアドレスが目標アドレス−a(所定アドレス差)の範囲外であるときは、さらに再度第1のステップに戻り、この第1のステップから第4のステップまでの処理を行う。
以上のように、第2のシーク方法では、当該図5の(b)の例のように光ディスク上に記録領域と未記録領域が存在し、また、目標アドレスが未記録領域の開始位置の近傍である場合であっても、シーク時に未記録領域内に光ヘッドを移動させてしまうことなく、結果的に、短時間で目標アドレスへの到達を実現している。
なお、上述した第2のシーク方法により光ヘッドを目標アドレス位置に移動させた後、例えば新たな記録を行うために、未記録領域の開始位置で光ヘッドをキックバックにより待機させておくようなケースが考えられる。この場合、光ヘッド(レーザスポット)の待機位置が、キックバックによって記録領域と未記録領域との間を往復するようになることは、未記録領域用と記録領域用の回路を切り換えなければならなくなるなどの理由から好ましくない。
そこで、本実施の形態の光ディスクのシステムコントローラ9は、当該キックバックによる待機時のサーボ制御として、以下の第1の待機方法と第2の待機方法の何れかをとるようにする。
第1の待機方法は、前述の第1のシーク方法の場合と同様に、光ディスク上の全てが記録領域となっている場合や、未記録領域の開始位置が目標アドレスから充分に離れている場合において、キックバックによる待機を行うときのサーボ制御方法である。
この第1の待機方法の場合、システムコントローラ9は、図6の(a)に示すように、例えば次に再生すべき目的アドレス位置を光ヘッドが通過した段階で、当該光ヘッドをキックバックKBさせて待機するような待機制御を行う。
また、第2の待機方法は、前述の第2のシーク方法の場合と同様に、光ディスク上に記録領域と未記録領域が存在し、待機位置である目的アドレスが未記録領域の近傍である場合において、キックバックによる待機を行うときのサーボ制御方法である。
この第2の待機方法の場合、システムコントローラ9は、前述の第2のシーク方法の場合と同様に、先ず待機位置が記録領域内で且つ未記録領域の開始位置から充分離れた位置であるのか、或いは未記録領域の開始位置であるのかを判断する。
ここで、待機位置の目的アドレスが記録領域内で且つ未記録領域の開始位置から充分離れた位置であると判断した場合、システムコントローラ9は、図6の(a)の場合と同様に、例えば目的アドレス位置を光ヘッドが通過した段階で、当該光ヘッドをキックバックKBさせて待機するような待機制御を行う。
一方、待機位置が記録開始位置、すなわち例えば未記録領域の開始位置であると判断した場合、システムコントローラ9は、図6の(b)に示すように、記録を開始すべきアドレス位置である目的アドレスに対して、少なくともトラック本数として1本分以上内周側(記録領域側)の位置に相当する位置にて待機するように制御する。すなわちこの場合のシステムコントローラ9は、前述の第2のシーク方法の場合と同様の考え方として、当該記録開始位置である目的アドレスに対して少なくとも1本分以上内周側(記録領域側)のトラックに相当するアドレスをシークテーブルを参照して求め、そして待機時に当該内周側(記録領域側)のトラック(に相当するアドレス位置)を光ヘッドが通過した段階でキックバックKBを行いながら待機し、次に再生または記録の指示があった段階で、そのキックバック状態を回避し、目的のアドレスに到達するように制御を行う。
本実施の形態の光ディスク装置によれば、以上の待機方法により、安定に待機を行うことが可能となる。なお、ディスク種類検出方法として、本実施例以外にディスク上の制御情報として書かれているディスクIDを読み出してディスクの種類を判別しても良いことは言うまでもない。
なお、以上説明した実施の形態の例では、DVD等の単層ディスクで使用されている内周から外周へ向かって螺旋上にトラック(ランド或いはグルーブ)がカッティングされ、内周から外周に向かって記録や再生が行われる光ディスクを例にして説明しているが、方向が逆の光ディスク(外周から内周に向かって記録や再生が行われる光ディスク)の場合でも、本発明は適用可能である。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
1…光ディスク(再生専用記録媒体、記録用記録媒体)
3…光ヘッド
24…ディスク種類検出部(判別手段)
25…オフトラック信号生成部
26…DPD信号生成部
27…PP又はDPP信号生成部
29…トラッククロス信号生成部
43…方向検出部
44…トラックカウント部
3…光ヘッド
24…ディスク種類検出部(判別手段)
25…オフトラック信号生成部
26…DPD信号生成部
27…PP又はDPP信号生成部
29…トラッククロス信号生成部
43…方向検出部
44…トラックカウント部
Claims (2)
- 再生専用記録媒体及び記録可能記録媒体上にそれぞれ形成されているトラックを横断する方向にヘッドを移動させるシーク動作の制御を行うシーク制御装置において、
前記記録媒体の種類を判別する判別手段と、
前記再生用記録媒体であるときに使用する第1のシーク動作制御手段と、
前記記録用記録媒体であるときに使用する第2のシーク動作制御手段と、
前記判別手段の判別結果に基づいて、前記第1のシーク動作制御手段と前記第2のシーク動作制御手段との切り換え選択を行う選択手段とを有することを特徴とするシーク制御装置。 - 再生専用記録媒体及び記録可能記録媒体上にそれぞれ形成されているトラックを横断する方向にヘッドを移動させるシーク動作の制御を行うシーク制御装置において、
前記記録媒体の種類を判別する判別手段と、
信号が記録されている記録領域と信号が記録されていない未記録領域との境界を検出する検出手段と、
シーク先の目標位置が前記記録領域内であるときに使用する第1のシーク動作制御手段と、
シーク先の目標位置が前記未記録領域の近傍であるときに使用する第2のシーク動作制御手段と、
前記検出手段による境界検出結果に基づいて、前記第1のシーク動作制御手段と前記第2のシーク動作制御手段との切り換え選択を行う選択手段とを有することを特徴とするシーク制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004005142A JP2004111052A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | シーク制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30512499A Division JP2001126270A (ja) | 1999-10-27 | 1999-10-27 | シーク制御方法及びシーク制御装置 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2004005142A Pending JP2004111052A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | シーク制御装置 |
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