JP2004110582A - 環境負荷算出システム、環境負荷算出方法、環境負荷算出プログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】環境負荷算出サーバ2は環境負荷算出情報30を含む環境負荷算出DB3,被管理者DB4に接続され、環境負荷算出手段21,被管理者位置取得手段22,個別環境負荷量算出手段23,リソース状態取得手段24を備える。情報30は施設内にあるリソースRA,...に対するリソース情報31と、それらの環境負荷を表す情報32を含む。手段21では、手段24で取得した各リソースの状態からDB3を参照して時刻情報と関連付けたリソース毎の環境負荷を算出し、手段22では、被管理者a,...が保持する被管理者認識媒体を利用して施設内の被管理者の位置情報を時刻情報と共に取得する。手段23では手段21及び手段22の情報に基づいて任意の時刻における各リソースの使用者を特定し被管理者毎の環境負荷量を算出する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境負荷算出システム、環境負荷算出方法、環境負荷算出プログラム、及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境の保護を目的として、各種の産業活動の結果発生する二酸化炭素の放出量をはじめとする環境負荷を制限しようとする環境保全活動が盛んに行われるようになってきた。例えばパーソナルコンピュータ(以下、PCという),プリンタ,複写機,ファクシミリといったOA(Office Automation)機器をはじめとする各種の機器やその構成部品に対しても、それらが工業製品である以上、その生産及び使用に際しては例えば二酸化炭素などの発生が避けられないため、その設計に当たっては、本質的な性能や生産コストのみならず、地球環境の保護のためにいかにして二酸化炭素などの発生量を最小限に抑えるかを配慮する必要がある。
【0003】
これまで、上述したごとくの工業製品のライフサイクル全体を通じて、どれだけ環境負荷を発生させているかを定量的に把握するために、例えばLCA(Life Cycle Assessment)や、エコバランスという手法を用いることが、企業等において一般に採り入れられている。このLCAとは、製品の「ゆりかごから墓場まで」、つまり原材料を製造するための資源採集から、製造,輸送,使用,保守,回収,リサイクル,廃棄に至るまでのライフサイクル全体で、どのような環境負荷がどの程度発生するのかを定量的に把握するための手法である。もちろんこれらの工程の一部を取り出して、個別に環境負荷を把握することもできる。また、エコバランスとは、企業等が発生させる環境負荷を定量的に測定・把握・報告するための手法で、環境負荷のインプット,アウトプットの一覧表を作成することにより定量的に環境負荷を提示することを可能とする。
【0004】
上述のごとくの工業製品のライフサイクルにおける製品の使用は、企業が上述様々な業務を遂行するに際にも行われるが、それに伴い企業も業務遂行時の環境負荷をできるだけ削減するよう管理する必要が生じてくる。さらには、京都議定書の発効に伴う規制強化などにより、今後、各企業に対し規模に応じて環境負荷量の割り当てが行われる可能性もあり、さらなる環境負荷管理を行う必要が生じてくる。
【0005】
環境負荷を管理するには、まず環境負荷を見積もる必要がある。企業内の既存システムや企業内で新たに構築したソリューションを使用し、業務を遂行する際に生ずる環境負荷を把握するためには、使用したリソース、例えばPC,プリンタ,複写機,ファクシミリなどのOA機器の使用時間に基づいて算出される環境負荷や、紙などの消耗品の使用量に基づいて算出される環境負荷を、全工程における総量として合計することにより算出する必要がある。なお、紙の使用量は、例えば用紙回収・廃棄ボックスなどから紙を収集するなどして取得していた。
【0006】
しかしながら、企業などにおいて環境負荷を統合的に管理するインフラストラクチャは構築されておらず、したがって環境負荷を企業内で統合的に且つ効率的に見積もることもできない。例えば、企業内において各部署に存在するリソースを特定し、それらのリソースに限定した環境負荷を、その部署が生じせしめた環境負荷であるとして手入力などを行って算出することは、多大な労力と引き換えに可能であるが、部署間でリソースの貸し借りが行われることもあり、各部署における正確な環境負荷を算出することは困難であった。
【0007】
したがって、企業などにおいて環境負荷を統合的に且つ効率的に管理するためには、少なくとも、企業の構成要素の最小単位である人間(社員)毎に、環境負荷を算出しなければならないことになる。しかしながら、個人(社員)別にリソースの使用状況やそれに伴う環境負荷量を手入力を殆ど必要とせずに行うことが可能なインフラストラクチャは、企業において構築されておらず、その結果、任意の人間(社員)が生じせしめた環境負荷を正確に算出することができない。
【0008】
上述のごとき現状は、別の観点から見ると、企業内全体で環境負荷量を低減しようと試みても、結果的に各社員がその企業が発生する環境負荷のうちどの程度の割合を占めているかが不明なため(各個人の環境負荷量を特定することができないため)、各社員にまで環境負荷低減の意識が浸透し難く、環境負荷低減の成果が上がらない要因となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、従来から、企業などにおいて環境負荷を統合的に且つ効率的に管理するインフラストラクチャは構築されておらず、また、企業内全体で環境負荷低減の管理者が、環境負荷量の低減目標を立てた場合でも、企業がその目標を達成するために被管理者である各個人自身がどの程度寄与すればよいのかが不明なため、企業としてその目標を達成することが困難であった。
【0010】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、環境負荷を管理する管理者が、被管理者毎の環境負荷を効率的に正確に算出することが可能な、環境負荷算出システム、環境負荷算出方法、環境負荷算出プログラム、及び記録媒体を提供することをその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、環境負荷を算出するための環境負荷算出情報を格納した環境負荷算出データベースと、被管理者の情報を格納した被管理者データベースとを備え、被管理者毎の環境負荷を算出する環境負荷算出システムであって、
前記環境負荷算出情報は、管理者が環境負荷を管理する1又は複数の施設内にある複数のリソースに対するリソース情報と、リソースに応じた複数の環境項目に対する環境負荷を表すリソース対応環境負荷情報と、を含み、
当該環境負荷算出システムは、
前記施設内にある複数のリソースに対し、各リソースの状態から、前記環境負荷算出データベースを参照して、時刻情報と関連付けたリソース毎の環境負荷を算出する環境負荷算出手段と、
被管理者が保持する被管理者認識媒体を利用して、前記施設内における被管理者の位置情報を時刻情報と関連付けて取得する被管理者位置取得手段と、
被管理者の位置情報とリソース毎の環境負荷とに基づいて、任意の時刻における各リソースの使用者を特定し、被管理者毎の環境負荷量を算出する個別環境負荷量算出手段と、
を備えることを特徴としたものである。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記複数のリソースの一部又は全部に対し、リソースの状態を取得するリソース状態取得手段を備えることを特徴としたものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記リソース状態取得手段は、リソースの状態をネットワークを介して伝送する伝送手段を有することを特徴としたものである。
【0014】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記伝送手段は、リソース内に具備された無線通信機器又は発信器から、リソースの状態を無線ネットワークを介して伝送することを特徴としたものである。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1の発明において、前記被管理者位置取得手段は、前記複数のリソースの一部のリソースに各々備えられることを特徴としたものである。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記リソース状態取得手段は、前記一部のリソースに対して前記被管理者位置取得手段で取得した被管理者位置と共に、該一部のリソースからリソース状態を取得することを特徴としたものである。
【0017】
請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1の発明において、前記環境負荷算出情報は、前記リソース情報としてリソースを特定するリソース特定情報と該リソースの前記施設内での位置を表すリソース位置情報とを含み、且つ、前記リソース対応環境負荷情報として、前記リソース特定情報に対応した各リソースの、複数の環境項目に対する環境負荷率を含むことを特徴としたものである。
【0018】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1の発明において、前記個別環境負荷量算出手段は、複数の被管理者が共同で使用するリソースに対しては、共同使用者で等配分して環境負荷量を算出することを特徴としたものである。
【0019】
請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1の発明において、前記リソースとしての印刷機能を持った機器に対する環境負荷は、前記リソース状態として、印刷された用紙の枚数を含むことを特徴としたものである。
【0020】
請求項10の発明は、環境負荷を算出するための環境負荷算出情報を格納した環境負荷算出データベースと、被管理者の情報を格納した被管理者データベースとを利用して、被管理者毎の環境負荷を算出する環境負荷算出方法であって、
前記環境負荷算出情報は、管理者が環境負荷を管理する1又は複数の施設内にある複数のリソースに対するリソース情報と、リソースに応じた複数の環境項目に対する環境負荷を表すリソース対応環境負荷情報と、を含み、
当該環境負荷算出方法は、
前記施設内にある複数のリソースに対し、各リソースの状態を取得するリソース状態取得ステップと、
各リソース状態から、前記環境負荷算出データベースを参照して、時刻情報と関連付けたリソース毎の環境負荷を算出する環境負荷算出ステップと、
被管理者が保持する被管理者認識媒体を利用して、前記施設内における被管理者の位置情報を時刻情報と関連付けて取得する被管理者位置取得ステップと、
被管理者の位置情報とリソース毎の環境負荷とに基づいて、任意の時刻における各リソースの使用者を特定し、被管理者毎の環境負荷量を算出する個別環境負荷量算出ステップと、
を含むことを特徴としたものである。
【0021】
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記リソース状態取得ステップは、リソースの状態をネットワークを介して伝送することにより取得することを特徴としたものである。
【0022】
請求項12の発明は、請求項10又は11の発明において、前記被管理者位置取得ステップは、前記複数のリソースの一部のリソースに各々備えられた位置認識センサにより被管理者の位置情報を取得することを特徴としたものである。
【0023】
請求項13の発明は、請求項12の発明において、前記リソース状態取得ステップは、前記一部のリソースに対して前記被管理者位置取得ステップで取得した被管理者位置と共に、該一部のリソースからリソース状態を取得することを特徴としたものである。
【0024】
請求項14の発明は、請求項10乃至13のいずれか1の発明において、前記環境負荷算出情報は、前記リソース情報としてリソースを特定するリソース特定情報と該リソースの前記施設内での位置を表すリソース位置情報とを含み、且つ、前記リソース対応環境負荷情報として、前記リソース特定情報に対応した各リソースの、複数の環境項目に対する環境負荷率を含むことを特徴としたものである。
【0025】
請求項15の発明は、請求項10乃至14のいずれか1の発明において、前記個別負荷量算出ステップは、複数の被管理者が共有するリソースに対しては、共有者で等配分して環境負荷量を算出することを特徴としたものである。
【0026】
請求項16の発明は、請求項10乃至15のいずれか1の発明において、前記リソースとしての印刷機能を持った機器に対する環境負荷は、前記リソース状態として、印刷された用紙の枚数を含むことを特徴としたものである。
【0027】
請求項17の発明は、コンピュータを請求項1乃至9のいずれか1記載の環境負荷算出システムとして機能させるための、或いは、コンピュータに請求項10乃至16のいずれか1記載の環境負荷算出方法を実行させるための、環境負荷算出プログラムである。
【0028】
請求項18の発明は、請求項17記載の環境負荷算出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る環境負荷算出システムの構成例を示すブロック図である。
本発明の一実施形態に係る環境負荷算出システム(以下、本システムと略す)1は、環境負荷を算出する際に必要とする環境負荷算出情報30を登録した環境負荷算出データベース(以下、環境負荷算出DBと称す)3と、被管理者a,b,...の情報(例えば社員番号,所属部署等)40を格納した被管理者データベース(以下、被管理者DBと称す)4とを備え、被管理者a,b,...毎の環境負荷を算出するシステムである。ここでの環境負荷は、施設内に設置された或いは存在する、リソースRA,RB,RC,...による環境負荷を指す。
【0030】
以下、本発明を、その代表的な形態であるクライアントサーバシステム(CSシステム)で構築した例を説明するが、ホストコンピュータとその端末装置で構築するなど、他の形態でも実現可能である。まず、CSシステムを本発明に適用した場合の説明を行う。
【0031】
ここで例示するサーバとは被管理者DB4及び環境負荷算出DB3を維持・運用して管理する専用のソフトウェア(データベース管理システム)を備えたデータベース管理サーバとしての環境負荷算出サーバ2を指し、クライアントとはこの環境負荷算出サーバ2を利用して被管理者a,b,...を管理する管理者が使用するクライアント(図示せず)を指す。データベース管理システムにより、DB3,4内のデータを本発明に係る各機能を実現するプログラムから物理的,論理的に独立させ、各種アプリケーションの算出やシステム構築が容易になる上に、データの整合性(一貫性)を保て、データのセキュリティの確保が行い易くなる。また、環境負荷算出サーバ2に環境負荷算出DB3及び被管理者DB4が物理的に含まれている形態を採用しても、環境負荷算出サーバ2に環境負荷算出DB3及び被管理者DB4がネットワークを介して接続され、物理的に離散している形態を採用してもよい。また環境負荷算出DB3や被管理者DB4は、その構成上別々のものでも一体型のものでもよく、また、環境負荷算出サーバ2も分散型のサーバであってもよく、要は、データベースの機能がはたせる形態であればよい。
【0032】
また、環境負荷算出サーバ2は、管理者としての各種ユーザの情報を関連付けて格納しておくか、その情報を格納したユーザ情報DBにアクセス可能としておく必要がある。また、管理者だけでなく、情報によっては被管理者が閲覧することを可能としてもよい。また、環境負荷算出サーバ2は、上述のごとくネットワークに接続するためのサーバ、管理者(又は被管理者)としての各種ユーザを認証するための認証サーバ等、処理に応じた階層構造をもつサーバとしてもよく、実際には各端末を互いに接続したネットワークの環境を制御するネットワークOS(ネットウェア)を備え、本発明に係る環境負荷算出を中心とした機能(後述する各手段がもつ機能)を実行するためのプログラムが格納されていればよい。また、クライアントとしての端末は、制御部,記憶部,入力部,表示部,通信部等を備える汎用パーソナルコンピュータ(PC)であればよいが、携帯端末機器であってもよい。
【0033】
また、環境負荷算出サーバ2及び環境負荷算出DB3及び被管理者DB4は、図1において企業の社内に設置することが好ましいが、社内に設置されたクライアントとしての各端末にネットワークを介して接続されていればよく、企業に本システムの一部又は全部を提供する提供業者(ASP事業者)の会社などに設置していてもよい。この場合、ASP事業者がASPサーバを利用し、環境負荷算出サーバ2の各機能をアプリケーションサービスとしてネットワークを介して提供することとなるが、コスト面やメンテナンス面でシステムを導入できない企業などに有用である。このASPシステムは、提供したサービスに、固定制及び/又は利用頻度に応じた従量制とするなど様々な課金方式で課金する課金手段を有することが好ましい。
【0034】
環境負荷算出サーバ2や端末における各種情報の処理について、図2に示す一般的な情報処理装置の構成例を参照して説明する。本システム1で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)52に蓄積され、その後DB3,4の構成データとして各種ROM53等の記憶部に格納される。また、コンピュータを本システム1又は環境負荷算出サーバ2(又は後述する各手段)として機能させるための、CPU(中央演算処理装置)51の処理を記述する制御プログラム(アプリケーションソフトやミドルウェア)が、ROM53等の記憶部に蓄積されている。CPU51はこの制御プログラムを読み出すことにより、後述する所定の処理(例えば後述のフロー図における各処理)を実行することとなる。また、処理の途中経過や途中結果は、表示装置55を通してユーザに提示され、必要な場合には、キーボード,マウス(ポインティングデバイス)等の入力装置54からユーザが処理に必要なパラメータ(各種情報)を入力指定すればよい。このプログラムは、各種ユーザが使用する際に容易となるような表示装置(CRT,LCD,PDP等)55用のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備えるようにするとよい。また、その他の処理の実行中に作られる中間データもRAM52に蓄積され、必要に応じて、CPU21によって読み出し、修正・書き込みが行われる。なお、CPU51,RAM52やROM53の記憶部,入力装置54,表示装置55,出力装置(通信ポート,プリンタ等)56は、バス(内部バス)57により接続されるか、各要素の一部がLAN等のネットワークを介して接続されていればよい。なお、通信ポートでは、CPU51による指示に従って、LAN等のネットワークを介した通信等を制御する。
【0035】
図3は、図1における環境負荷算出システムの処理手順の一例を説明するためのフロー図である。
以下、図1及び図3を参照して、上述のごときCSシステムを採用した本システム1を、その機能及び処理手順を中心に説明する。
【0036】
本システム1は、環境負荷算出手段21と、被管理者位置取得手段22と、個別環境負荷量算出手段23と、を少なくとも備えるものとし、ここでは、環境負荷算出サーバ2がそれら手段21〜23を備えるものとして説明する。
【0037】
環境負荷算出DB3に格納される環境負荷算出情報30は、リソース情報31及びリソース対応環境負荷情報32を含むことが好ましい。リソース情報31は、管理者が環境負荷を管理する1又は複数の施設内にある複数のリソースRA,RB,RC,...に対する情報である。リソース情報31としては、リソースを特定するリソース特定情報とそのリソースの施設内での位置を表すリソース位置情報とを含めばよい。ただし、後述するようなリソース内に被管理者位置を取得する手段を備える場合には、リソース位置情報は不要な場合もある。また、ここで1又は複数の施設とは、1つの企業であれば、その企業の社屋を指し、複数の社屋を持つ企業であれば、その全て又は一部の社屋を含ませてもよい。リソースRA,RB,RC,...の種類としては、例えば、照明,エアコン,プリンタ,複写機,複合機,FAX,電話,コンピュータ(PC),アプリケーションソフト,水道,ガスなどや、カテゴリ分けによっては会議室など、様々なものが挙げられる。なお、これらのリソース種の全部又は一部に対して、被管理者認識媒体を差し込むなどしないと使用できないようにすることも可能である。
【0038】
図4は、図1の環境負荷算出DBに格納されたリソース対応環境負荷情報の一例を示す図で、図中、33はリソース対応環境負荷情報の一部を構成する対製品環境負荷情報テーブルを示す。リソース対応環境負荷情報32は、対製品環境負荷情報テーブル33のように、リソースに応じた複数の環境項目(ここでは熱量(エネルギー),Co2,Sox,Nox,BOD,COD,ss,Nを例示)に対する環境負荷を表す。この環境負荷は、例えば、リソースの使用時間などに基づく環境負荷率として表し、環境負荷算出時に使用時間を掛けるようにしてもよい。このように、リソース対応環境負荷情報32として、リソース特定情報に対応した各リソースの、複数の環境項目に対する環境負荷率を含むようにしてもよい。なお、リソース対応環境負荷情報32は、リソース導入時或いは随時に、リソース内の情報から或いはインターネット等のネットワークを介してベンダから取得するようにしておけばよい。
【0039】
環境負荷算出手段21では、施設内にある複数のリソースに対し、各リソースの状態から、環境負荷算出DB3を参照して、時刻情報と関連付けたリソース毎の環境負荷を算出する。被管理者位置取得手段22では、被管理者a,b,...が保持する被管理者認識媒体を利用して、施設内における被管理者a,b,...の位置情報を時刻情報と関連付けて取得する。被管理者認識媒体とは、社員証などの被管理者証等に埋め込まれ、被管理者IDを、施設内に各所設置された(或いは後述するようにリソース内に設置された)センサ等の被管理者位置取得手段22により取得可能とする認識媒体であり、位置発信機能付きのIDカードや、携帯電話,PHSなどが例として挙げられる。携帯電話,PHSなどを利用する場合には、それにID番号の情報を格納しておくか、或いは被管理者位置取得手段22或いは被管理者DB4に電話番号と被管理者とを関連付ける情報を格納しておけばよい。なお、来訪者(ゲスト)に対しては、ゲスト用の被管理者認識媒体を用意しておき、そのゲストからの来訪をうけた被管理者がゲストの分の環境負荷を負うようにするとよい。
【0040】
個別環境負荷量算出手段23では、被管理者a,b,...の位置情報とリソースRA,RB,RC,...毎の環境負荷とに基づいて、任意の時刻における各リソースRA,RB,RC,...の使用者を特定し、被管理者a,b,...毎の環境負荷量を算出する。なお、所定の被管理者しか使わないものはその人専用のリソースとして予め登録しておいてもよい。
【0041】
図5は、図1の環境負荷算出システムにおける施設を例示するための図である。
本システム1ではリソース状態を何らかの形態で取得しなければならず、できる限り全てのリソースに対し、その状態を取得するリソース状態取得手段24を備えることが好ましい。本システム1は、そのシステムとして、或いは外部システムとして、被管理者位置取得手段22及びリソース状態取得手段24の構成の一部を備えるが、リソースとして、コピー機RA,プリンタRB,サーバコンピュータRC,照明RD,RE,コンピュータ(PC)RFを例に、手段22,24の一部を構成する機器の機能を説明する。
【0042】
リソース状態取得手段24は、リソースの状態をネットワークを介して伝送する伝送手段(ネットワークアダプタ等)を有することが好ましい。伝送手段としては、例えば、リソース内に具備された無線通信機器又は発信器から、リソースの状態を無線ネットワークを介して伝送するものでもよい。図5に示す例では、被管理者a,b,c,d,eが居る会議室に位置認識センサ22´が配設され、また、コピー機RA,プリンタRB,サーバコンピュータRCはリソース状態取得手段24の一部としてのネットワーク24´に接続され、さらに、コンピュータ(PC)RFもネットワーク24´に接続されている。このネットワーク24´は最終的に環境負荷算出DB3に接続されている。なお、このコンピュータRFは、環境負荷の低減を鑑み、サーバコンピュータRCに主要機能を持たせたThinクライアントであることが好ましい。
【0043】
ここで、照明,エアコン,プリンタ,複写機,複合機,FAX,電話,コンピュータ(PC),水道,ガスに関し、個別環境負荷量の算出方法を例示する。
まず、照明(エアコンも同様)に関しては、例えば、電気配電盤等に環境負荷算出サーバ2をネットワーク(無線/有線)で接続しておき、その照明が何時ONとなり何時OFFとなったのか(点灯時刻)をサーバ側で把握できるようにしておけばよい。そして時間に比例する電気使用量を算出することが可能なようリソース対応環境負荷情報32を格納しておけばよい。個人毎の環境負荷量は、個人毎の電気使用量から求まるが、これは、個別環境負荷量算出手段23において、共同使用者で等配分することで算出することが可能である。例えば、被管理者位置取得手段22において1つの会議室を10人で1時間使用したことが分かった場合には、この会議室における照明は1人当たり0.1時間使用したとして環境負荷量を算出すればよい。このように、複数の被管理者が共同で使用するリソースに対しては、共同使用者で等配分して環境負荷量を算出するようにすることが好ましい。なお、照明に限らず、電力消費に基づいて算出される環境負荷は電気代のように固定料金の有無に拘らず、算出可能である。また、水道,ガスに関しても、照明と同じく、その使用者を被管理者位置取得手段22により特定して、個別環境負荷量を算出すればよい。
【0044】
プリンタ,複写機,複合機,FAX等の印刷機能を持った機器に対する環境負荷は、リソース状態として、印刷された用紙の枚数を含むようにし、紙使用量も環境負荷に含めることが好ましい。これらの機器を環境負荷算出サーバ2にネットワーク(無線/有線)で接続し、これら機器に印刷枚数をカウントし、使用時間をも求めるチップなどを埋め込んでおけばよい。印刷枚数以外は、使用時間に応じて各種環境負荷量を算出すればよい。なお、印刷時間ではなく、待機時間はその配設位置に基づいて、例えば配置された部署の被管理者で等配分すればよい。また、PCに関しては、環境負荷算出サーバ2にネットワーク(無線/有線)で接続しておき、その電源のON/OFF/待機,ディスプレイのON/OFF/待機、CPUの使用状況などをネットワーク経由で取得し、ログイン名で被管理者を特定するなどして、個別環境負荷量を算出すればよい。
【0045】
電話に関しては、通話明細及び被管理者位置情報から、或いは電話の環境負荷を算出する他の手段(電話をサーバ2にネットワーク接続しておくなど)及び被管理者位置情報から使用者を特定し、電気使用量として他の電力消費に基づくものと同様に、個別環境負荷量を算出すればよい。また、他のリソースとして、ゴミ排出が挙げられるが、これは使用においてゴミ排出を伴うリソースに関連付けてもよいし、関連付けられないものは、別途、リソースとして例えば分別ゴミ箱を割り当て、その重みにより手動で或いはネットワーク接続された秤を使用するなどして、ゴミ排出量を求め、その配設位置に基づいて等配分すればよい。
【0046】
上述のごときシステム構成により、まず、施設内にある複数のリソースに対し、各リソースの状態を取得する(ステップS1:リソース状態取得ステップ)。次に、各リソース状態から、環境負荷算出DB3を参照して、時刻情報と関連付けたリソース毎の環境負荷を算出する(ステップS2:環境負荷算出ステップ)。さらに、被管理者が保持する被管理者認識媒体を利用して、施設内における被管理者の位置情報を時刻情報と関連付けて取得する(ステップS3:被管理者位置取得ステップ)。そして、被管理者の位置情報とリソース毎の環境負荷とに基づいて、任意の時刻における各リソースの使用者を特定し、被管理者毎の環境負荷量を算出する(ステップS4:個別環境負荷量算出ステップ)。
【0047】
また、本発明の他の実施形態として、被管理者位置取得手段22は、複数のリソースの一部のリソースに各々備えられるようにしてもよい。すなわち、リソース毎に、そのリソースを使用する被管理者を認識するようにしてもよい。例えば、被管理者認識媒体を認識するセンサは、施設内のリソースが存在する場所が把握できる場所に配設することが好ましく、施設内の各所だけでなく、施設内のリソース内に具備することで、より正確にそのリソースの使用者を特定することが可能となる。この場合、リソース状態取得手段24は、その一部のリソースに対しては被管理者位置取得手段22で取得した被管理者位置と共に、その一部のリソースからリソース状態を取得することができる。
【0048】
上述のごとき各実施形態に係る環境負荷算出システムにより、環境負荷を管理する管理者が、被管理者毎の環境負荷を効率的に正確に算出することが可能となり、結果的に、企業内全体で環境負荷を低減し易くなる。また、被管理者DB4の被管理者情報40に含まれる被管理者と所属部署(所属部門)等を参照することで、部署(部門)毎に環境負荷量を算出することも可能となるので、部署(部門)毎に環境負荷低減目標値を設定するなども可能となる。
【0049】
図6は、図1の環境負荷算出システムを適用した統合環境負荷管理システムの一例を説明するための図である。
ここで例示する統合型環境負荷管理システム60は、環境負荷算出DB3にリソース管理DB61及び個人目標管理DB63が接続され、それらDB61,63に業務管理DB62が接続されている。個人目標管理DB63には上述の被管理者DB4が内包され、環境負荷算出DB3との被管理者情報及び個人別環境負荷量の情報をやり取りする。リソース管理DB61では、各リソース(会議室の照明やPC,プリンタ等)の使用状況などを目的別(例えばプロジェクト別)に管理する。業務管理DB62では、リソース管理DB61と連携して、あるプロジェクトに対する環境負荷や生産性を管理する。リソース管理DB61では、環境負荷算出DB3と連携して、各リソースの利用目的と利用による環境負荷を統合的に管理する。個人目標管理DB63では、環境負荷算出DB3からの個人別環境負荷情報と、業務管理DB62からの例えばプロジェクト毎の業績情報と、個人の目標の情報とに基づいて、個人目標の達成率を環境負荷を鑑みて求める。このようなシステム60により、全体として被管理者のモラルを維持しながら、環境負荷を低減することが可能となる。
【0050】
以上、本発明の環境負荷算出システムを中心に各実施形態を説明してきたが、上述した各実施形態におけるシステムの処理手順をフロー図を用いて説明したようにその処理手順を実行する環境負荷算出方法としての形態も採り得る。また、本発明は、上述した各実施形態におけるサーバやシステムに係る説明で説明したように、コンピュータをそれらシステムとして機能させるための、或いはコンピュータにそれらシステム(或いはそれら環境負荷算出方法)の処理手順を実行させるためのプログラムとしても、或いは、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も可能である。
【0051】
本発明による環境負荷算出の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、メモリスティック、及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、これら記録媒体に上述した本発明の各実施形態のシステムやサーバの機能をコンピュータに実行させ、環境負荷算出の機能を実現するためのプログラムを記録して流通させることにより、当機能の実現を容易にする。そして図2で説明したような情報処理装置に上述のごとくの記録媒体を装着して、情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記録媒体に当プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に係わる環境負荷算出の機能を実行することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、被管理者個々の環境負荷を効率的に算出することが可能となり、結果的に、施設内全体で環境負荷を低減し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る環境負荷算出システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】一般的な情報処理装置の構成例を示す図である。
【図3】図1における環境負荷算出システムの処理手順の一例を説明するためのフロー図である。
【図4】図1の環境負荷算出DBに格納されたリソース対応環境負荷情報の一例を示す図である。
【図5】図1の環境負荷算出システムにおける施設を例示するための図である。
【図6】図1の環境負荷算出システムを適用した統合環境負荷管理システムの一例を説明するための図である。
【符号の説明】
a,b,c,d…被管理者、RA,RB,RC,RD,RE,RF…リソース、1…環境負荷算出システム、2…環境負荷算出サーバ、3…環境負荷算出DB、4…被管理者DB、21…環境負荷算出手段、22…被管理者位置取得手段、23…個別環境負荷量算出手段、24…リソース状態取得手段、30…環境負荷算出情報、31…リソース情報、32…リソース対応環境負荷情報、33…対製品環境負荷情報テーブル、40…被管理者情報、51…CPU、52…RAM、53…ROM、54…入力装置、55…表示装置、56…出力装置、57…バス。
Claims (18)
- 環境負荷を算出するための環境負荷算出情報を格納した環境負荷算出データベースと、被管理者の情報を格納した被管理者データベースとを備え、被管理者毎の環境負荷を算出する環境負荷算出システムであって、
前記環境負荷算出情報は、管理者が環境負荷を管理する1又は複数の施設内にある複数のリソースに対するリソース情報と、リソースに応じた複数の環境項目に対する環境負荷を表すリソース対応環境負荷情報と、を含み、
当該環境負荷算出システムは、
前記施設内にある複数のリソースに対し、各リソースの状態から、前記環境負荷算出データベースを参照して、時刻情報と関連付けたリソース毎の環境負荷を算出する環境負荷算出手段と、
被管理者が保持する被管理者認識媒体を利用して、前記施設内における被管理者の位置情報を時刻情報と関連付けて取得する被管理者位置取得手段と、
被管理者の位置情報とリソース毎の環境負荷とに基づいて、任意の時刻における各リソースの使用者を特定し、被管理者毎の環境負荷量を算出する個別環境負荷量算出手段と、
を備えることを特徴とする環境負荷算出システム。 - 前記複数のリソースの一部又は全部に対し、リソースの状態を取得するリソース状態取得手段を備えることを特徴とする請求項1記載の環境負荷算出システム。
- 前記リソース状態取得手段は、リソースの状態をネットワークを介して伝送する伝送手段を有することを特徴とする請求項2記載の環境負荷算出システム。
- 前記伝送手段は、リソース内に具備された無線通信機器又は発信器から、リソースの状態を無線ネットワークを介して伝送することを特徴とする請求項3記載の環境負荷算出システム。
- 前記被管理者位置取得手段は、前記複数のリソースの一部のリソースに各々備えられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1記載の環境負荷算出システム。
- 前記リソース状態取得手段は、前記一部のリソースに対して前記被管理者位置取得手段で取得した被管理者位置と共に、該一部のリソースからリソース状態を取得することを特徴とする請求項5記載の環境負荷算出システム。
- 前記環境負荷算出情報は、前記リソース情報としてリソースを特定するリソース特定情報と該リソースの前記施設内での位置を表すリソース位置情報とを含み、且つ、前記リソース対応環境負荷情報として、前記リソース特定情報に対応した各リソースの、複数の環境項目に対する環境負荷率を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1記載の環境負荷算出システム。
- 前記個別環境負荷量算出手段は、複数の被管理者が共同で使用するリソースに対しては、共同使用者で等配分して環境負荷量を算出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1記載の環境負荷算出システム。
- 前記リソースとしての印刷機能を持った機器に対する環境負荷は、前記リソース状態として、印刷された用紙の枚数を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1記載の環境負荷算出システム。
- 環境負荷を算出するための環境負荷算出情報を格納した環境負荷算出データベースと、被管理者の情報を格納した被管理者データベースとを利用して、被管理者毎の環境負荷を算出する環境負荷算出方法であって、
前記環境負荷算出情報は、管理者が環境負荷を管理する1又は複数の施設内にある複数のリソースに対するリソース情報と、リソースに応じた複数の環境項目に対する環境負荷を表すリソース対応環境負荷情報と、を含み、
当該環境負荷算出方法は、
前記施設内にある複数のリソースに対し、各リソースの状態を取得するリソース状態取得ステップと、
各リソース状態から、前記環境負荷算出データベースを参照して、時刻情報と関連付けたリソース毎の環境負荷を算出する環境負荷算出ステップと、
被管理者が保持する被管理者認識媒体を利用して、前記施設内における被管理者の位置情報を時刻情報と関連付けて取得する被管理者位置取得ステップと、
被管理者の位置情報とリソース毎の環境負荷とに基づいて、任意の時刻における各リソースの使用者を特定し、被管理者毎の環境負荷量を算出する個別環境負荷量算出ステップと、
を含むことを特徴とする環境負荷算出方法。 - 前記リソース状態取得ステップは、リソースの状態をネットワークを介して伝送することにより取得することを特徴とする請求項10記載の環境負荷算出方法。
- 前記被管理者位置取得ステップは、前記複数のリソースの一部のリソースに各々備えられた位置認識センサにより被管理者の位置情報を取得することを特徴とする請求項10又は11記載の環境負荷算出方法。
- 前記リソース状態取得ステップは、前記一部のリソースに対して前記被管理者位置取得ステップで取得した被管理者位置と共に、該一部のリソースからリソース状態を取得することを特徴とする請求項12記載の環境負荷算出方法。
- 前記環境負荷算出情報は、前記リソース情報としてリソースを特定するリソース特定情報と該リソースの前記施設内での位置を表すリソース位置情報とを含み、且つ、前記リソース対応環境負荷情報として、前記リソース特定情報に対応した各リソースの、複数の環境項目に対する環境負荷率を含むことを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1記載の環境負荷算出方法。
- 前記個別負荷量算出ステップは、複数の被管理者が共有するリソースに対しては、共有者で等配分して環境負荷量を算出することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1記載の環境負荷算出方法。
- 前記リソースとしての印刷機能を持った機器に対する環境負荷は、前記リソース状態として、印刷された用紙の枚数を含むことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1記載の環境負荷算出方法。
- コンピュータを請求項1乃至9のいずれか1記載の環境負荷算出システムとして機能させるための、或いは、コンピュータに請求項10乃至16のいずれか1記載の環境負荷算出方法を実行させるための、環境負荷算出プログラム。
- 請求項17記載の環境負荷算出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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