JP2004110004A - レンズシート及びそれを備えた透過型スクリーン - Google Patents

レンズシート及びそれを備えた透過型スクリーン Download PDF

Info

Publication number
JP2004110004A
JP2004110004A JP2003300488A JP2003300488A JP2004110004A JP 2004110004 A JP2004110004 A JP 2004110004A JP 2003300488 A JP2003300488 A JP 2003300488A JP 2003300488 A JP2003300488 A JP 2003300488A JP 2004110004 A JP2004110004 A JP 2004110004A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens sheet
absorbing portion
external light
light
light absorbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003300488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4588988B2 (ja
Inventor
Makoto Honda
本 田   誠
Katsunori Takahashi
高 橋 克 則
Hideki Miyata
宮 田 英 樹
Katsunori Shintani
新 谷 克 徳
Yuko Mori
森   優 子
Hisae Chijiwa
千々和 寿 江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2003300488A priority Critical patent/JP4588988B2/ja
Publication of JP2004110004A publication Critical patent/JP2004110004A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4588988B2 publication Critical patent/JP4588988B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

【課題】 外光の吸収性を高く保ちつつ、外光の映り込みを抑えることができ、また、印刷による外光吸収部の形成が容易で、かつ、汚れ難い、レンズシート及びそれを備えた透過型スクリーンを提供する。
【解決手段】 透過型スクリーン10は、フレネルレンズシート11と、フレネルレンズシート11の観察側に配置されたレンチキュラーレンズシート12とから構成されている。レンチキュラーレンズシート12のシート状の基部12aの光出射側の表面のうちレンズ部125により集光された光が透過する部分にはレンズ部121が形成され、レンズ部124により集光された光が透過しない部分には外光吸収部122が形成されている。外光吸収部122は、黒色のバインダー樹脂124と、このバインダー樹脂124中に含有された、着色処理が施された複数の光拡散粒子123とを有している。
【選択図】 図1

Description

 本発明は、プロジェクションテレビ等に用いられる透過型スクリーンに係り、とりわけ、背面側から入射した光を拡散して観察側に出射するレンチキュラーレンズシート等のレンズシート及びそれを備えた透過型スクリーンに関する。
 従来から、プロジェクションテレビ等に用いられる透過型スクリーンとして、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等の合成樹脂材料を基材としたレンチキュラーレンズシートを単体あるいは他のレンズ(例えばフレネルレンズ)と組み合わせて用いるものが知られている。
 このような透過型スクリーンのレンチキュラーレンズシートにおいては一般に、光入射側(背面側)の表面にレンズ部が形成されるとともに、光出射側(観察側)の表面のうちレンズ部により集光された光(映像光)が透過しない部分に帯状の外光吸収部が形成されており、観察側から入射した外光に起因して映像のコントラストが低下してしまうことを抑えることができるようになっている。
 ここで、このような外光吸収部は一般に、黒色のバインダー樹脂中に光拡散粒子を含有させた黒色インキから形成されている。このようにして黒色のバインダー樹脂中に光拡散粒子が含有されていることにより、観察側から入射した外光を拡散反射することが可能となり、その結果、外光光源等の位置に応じて外光吸収部の表面に生じる映り込みを効果的に抑えることができる。
 しかしながら、上述した従来のレンチキュラーレンズシートでは、外光吸収部に含有される光拡散粒子として、シリカ等からなる無色透明なものを用いているので、光拡散粒子が存在する部分で黒色のバインダー樹脂の厚さが薄くなってしまい、外光の吸収性が低下するという問題があり、光拡散粒子によって拡散反射された外光によりスクリーンに映し出される映像全体が白茶けて見えてしまう(色が褪せる)。特に、このようなレンチキュラーシートを備えた透過型スクリーンを野外で用いる場合には、外光が強い分だけ反射される光が多くなり、上述した問題が顕著となる。
 このような問題に関しては、外光吸収部の黒色のバインダー樹脂中に光拡散粒子を含有させないようにして対応することも可能である。しかしながら、黒色のバインダー樹脂中に光拡散粒子を含有させない場合には、上述したように、外光光源等の位置に応じて外光吸収部の表面に強い映り込みが生じるという問題がある。また、光拡散粒子を含有しないバインダー樹脂はチキソトロピー性の付与が難しく、印刷適性に劣るので、印刷による外光吸収部の形成が非常に困難になるという問題がある。さらに、外光吸収部の表面が平滑な光沢面となってしまうので、コーティングむらが目立ち易くなり、指紋等の汚れも付き易いという問題がある。
 一方、現在のプロジェクションテレビでは、透過型スクリーンのレンチキュラーレンズシートを保護するための保護基板として、レンチキュラーレンズシートの光出射側(観察側)に透明なプラスチックパネルを設置する揚合が増えている。
 しかしながら、上述した従来のレンチキュラーレンズシートのように、外光吸収部に光拡散粒子が含有されているものでは、プロジェクションテレビ等に組み込んで輸送した際に加えられる振動により、外光吸収部中に含有された光拡散粒子(外光吸収部の表面から突出した部分)がプラスチックパネルに接触して、プラスチックパネルが傷つけられてしまうという問題がある。
 本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、外光の吸収性を高く保ちつつ、外光の映り込みを抑えることができ、また、印刷による外光吸収部の形成が容易で、かつ、汚れ難い、レンチキュラーレンズシート等のレンズシート及びそれを備えた透過型スクリーンを提供することを目的とする。
 また、本発明は、プロジェクションテレビ等に組み込んで輸送した際でも、保護基板としてのプラスチックパネル等が傷つくことを効果的に防止することができる、レンチキュラーレンズシート等のレンズシート及びそれを備えた透過型スクリーンを提供することを目的とする。
 本発明は、背面側から入射した光を拡散して観察側に出射するレンズシートにおいて、シート状の基部と、前記シート状の基部の光入射側の表面に形成されたレンズ部と、前記シート状の基部の光出射側の表面のうち前記レンズ部により集光された光が透過しない部分に形成された外光吸収部とを備え、前記外光吸収部は、吸収部基材と、この吸収部基材中に含有された、着色処理が施された複数の光拡散粒子とを有することを特徴とするレンズシートを提供する。
 なお、本発明において、前記各光拡散粒子は粒子基材中に着色剤を分散させることにより形成され、前記各光拡散粒子における前記着色剤の含有量が1.5〜55重量%であることが好ましい。
 また、本発明において、前記外光吸収部における前記光拡散粒子の含有量が0.1〜27.5重量%であることが好ましい。
 さらに、本発明において、前記吸収部基材の屈折率と前記各光拡散粒子の屈折率とが略同一であることが好ましい。
 さらに、本発明において、前記各光拡散粒子の一部が前記吸収部基材の表面から突出していることが好ましい。なお、前記各光拡散粒子の粒径は前記吸収部基材の厚さに比べて1.25〜15倍大きく、又は、前記吸収部基材の厚さに比べて2〜55μm大きいことが好ましい。ここで、前記シート状の基部の前記光出射側の表面よりも観察側に配置された光学シートをさらに備える場合には、前記外光吸収部中の前記各光拡散粒子の表面硬度が、前記光学シートのうち前記シート状の基部の前記光出射側の表面に面する部分の表面硬度よりも小さいことが好ましい。
 さらに、本発明において、前記外光吸収部は導電性を有することが好ましい。
 さらに、本発明においては、前記外光吸収部に導電性を付与する導電層をさらに備えることが好ましい。ここで、前記導電層は、前記外光吸収部のうち前記シート状の基部に近い側の表面に形成されていることが好ましい。
 さらに、本発明においては、前記外光吸収部のうち前記シート状の基部から遠い側の表面に形成された表面層をさらに備えることが好ましい。ここで、前記表面層は着色処理が施されていることが好ましい。
 本発明は、また、上述したレンズシートを備えた透過型スクリーンも提供する。
 本発明によれば、外光吸収部のバインダー樹脂等からなる吸収部基材中に含有されている光拡散粒子に着色処理が施されているので、外光吸収部中の着色処理が施された光拡散粒子により、外光の屈折、反射及び吸収が繰り返され、最終的に外光吸収部から観察側に戻る光を減少させることができる。すなわち、外光吸収部の吸収部基材だけでなく光拡散粒子自体によって外光を吸収することが可能となり、外光の吸収性を高く保ちつつ、外光の映り込みを抑えることができ、より高いコントラスト感を得ることができる。また、外光吸収部に光拡散粒子を含有させるので、光拡散粒子を含有させない場合に比べて、外光吸収部を形成するのに重要な印刷適性が良好となり、外光吸収部の形成を非常に容易に行うことができる。
 なお、本発明によれば、外光吸収部の吸収部基材が着色されていることが好ましく、これにより、着色処理が施された光拡散粒子を過剰に含有させなくとも、コントラストを向上させることができる。
 また、本発明によれば、外光吸収部中に含有されている各光拡散粒子の一部が吸収部基材の表面から突出するようにすることにより、外光吸収部の表面に微細な凹凸を設けてマット感(艶消し感)を付与することができ、コーティングむらを目立ち難くし、外光の映り込みをより効果的に防止し、かつ、指紋等の汚れも付き難くすることができる。
 さらに、本発明によれば、外光吸収部中の各光拡散粒子の表面硬度を、シート状の基部の光出射側の表面よりも観察側に配置される光学シートのうちシート状の基部の前記光出射側の表面に面する部分の表面硬度よりも小さくすることにより、プロジェクションテレビ等に組み込んで輸送した際に加えられる振動により、外光吸収部中の光拡散粒子がプラスチックパネルに接触して、保護基板としてのプラスチックパネル等が傷つけられてしまうことを効果的に防止することができる。
 さらに、本発明によれば、外光吸収部が導電性を有するようにすることにより、シート表面への埃の付着を防止して画質が損なわれることを回避することができる。
 さらにまた、本発明によれば、外光吸収部のうちシート状の基部から遠い側の表面に表面層を形成することにより、外光吸収部からの各光拡散粒子の脱落を防止するとともに、シート表面にハードコート性等を付与することができる。
 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
 図1(a)は本発明の第1の実施の形態に係るレンズシート(レンチキュラーレンズシート)を備えた透過型スクリーンの構成の一例を示す斜視図である。図1(b)は図1(a)に示すレンチキュラーレンズシートの厚さ方向の拡大断面図である。
 図1(a)(b)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る透過型スクリーン10は、フレネルレンズシート11と、フレネルレンズシート11の観察側に配置されたレンチキュラーレンズシート12とから構成されている。
 このうち、レンチキュラーレンズシート12は、背面側から入射した光を拡散して観察側に出射するものであり、シート状の基部12aを有している。ここで、シート状の基部12aの光入射側の表面にはレンズ部125が形成されている。また、シート状の基部12aの光出射側の表面のうちレンズ部125により集光された光が透過する部分にはレンズ部121が形成され、レンズ部125により集光された光が透過しない部分には外光吸収部122が形成されている。
 なお、外光吸収部122は、着色処理が施された、黒色のバインダー樹脂(吸収部基材)124と、このバインダー樹脂124中に含有された、着色処理が施された複数の光拡散粒子123とを有している。
 以下、レンチキュラーレンズシート12の外光吸収部122の詳細について説明する。
 まず、外光吸収部122を構成する光拡散粒子123について説明する。
 上述したように、外光吸収部122のバインダー樹脂124に含有される光拡散粒子123は、上述した作用効果を奏するように着色処理が施されているが、着色される色や材質、大きさ(粒径)等については特に限定されるものではなく、以下に説明するような各種の態様をとることができる。
 光拡散粒子123は、例えば、粒子基材中に着色剤を1.5〜55重量%の含有量(光拡散粒子全体に対する着色剤の量)で分散させることにより形成するとよい。ここで、着色剤の含有量が1.5重量%未満の揚合には、光拡散粒子123はほとんど着色されず、すなわち透明のままの状態であり、光拡散粒子123の存在する部分がピンホールのように確認されしまう場合があり、好ましくない。一方、着色剤の含有量が55重量%よりも大きい場合には、光拡散粒子123の表面にザラツキ感が生じるおそれがあり、好ましくない。
 光拡散粒子123を形成する粒子基材としては、メチルメタクリレート樹脂やその共重合物等のアクリル系樹脂、スチレン樹脂やその共重合物等のスチレン系樹脂、ウレタン樹脂やその共重合物等のウレタン系樹脂、ポリカーボネート、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。また、粒子基材として、ガラス等の無機材料を用いることもできる。
 光拡散粒子123の粒子基材中に分散される着色剤としては、従来から知られている各種の顔料や染料等を用いることができるが、カーボンブラックを用いることが特に好ましい。これは、上述した作用効果を充分に発揮させるためには光拡散粒子123に対して黒色の着色処理を施すことが好ましいからであり、カーボンブラックを用いることにより容易に黒色の着色処理を施すことができるからである。なお、このような着色剤の他にも分散剤や安定剤もしくは湿潤剤等を適宜混入させてもよい。
 光拡散粒子123の大きさ(粒径)については特に限定されるものではないが、バインダー樹脂124との関係から2〜120μmが好ましく、より好ましくは5〜80μmである。
 光拡散粒子123の屈折率についても特に限定されるものではないが、バインダー樹脂124の屈折率と略同一であることが好ましい。具体的には例えば、光拡散粒子123の屈折率とバインダー樹脂124の屈折率との差が0〜0.1であることが好ましい。これにより、外光吸収部122全体の屈折率を略同一にすることができ、光拡散粒子123とバインダー樹脂124との間の反射を減らして外光の吸収効率を向上させることができる。
 なお、外光吸収部122のバインダー樹脂124に含有される光拡散粒子123の含有量(外光吸収部全体に対する光拡散粒子の量)についても特に限定されるものではない。しかしながら、光拡散粒子123の含有量を0.1〜27.5重量%とすることが好ましい。ここで、光拡散粒子123の含有量が0.1重量%未満の揚合には、期待される映り込みの防止の効果を充分に発揮させることができないことがあり、透過型スクリーンの品位を低下させるという意味で好ましくない。一方、光拡散粒子123の含有量が27.5重量%よりも大きい揚合には、外光の拡散反射が多くなってしまい、画像が白茶け、画質が低下する。さらには、外光吸収部122の表面に生じるザラツキが認識され、透過型スクリーンの品位を低下させる。
 なお、図1(b)に示すように、光拡散粒子123は、外光吸収部122のバインダー樹脂124の表面からその一部が突出しているとよい。これにより、外光吸収部122の表面に微細な凹凸を設けてマット感(艶消し感)を付与することができ、コーティングむらを目立ち難くし、外光の映り込みをより効果的に防止し、かつ、指紋等の汚れも付き難くすることができる。
 各光拡散粒子123の一部が外光吸収部122のバインダー樹脂124の表面から突出するようにするためには、各光拡散粒子123の粒径をバインダー樹脂124の厚さとの関係で決定することが好ましい。具体的には、各光拡散粒子123の粒径がバインダー樹脂124の厚さに比べて1.25〜15倍大きくなるようにすることが好ましい。また、各光拡散粒子123の粒径がバインダー樹脂124の厚さに比べて2〜55μm大きくなるようにしてもよい。各光拡散粒子123の粒径とバインダー樹脂124の厚さとをこのような関係にすることにより、上述した作用効果を充分に発揮することができる。
 ここで、図1(a)に示す透過型スクリーン10においては、レンチキュラーレンズシート12の観察側に、図2に示すような態様で、光学シート20が配置されることがある。ここで、光学シート20は、実質的に透明なシート、光拡散部を持つシート又はレンズシート等からなるものである。
 この場合には、レンチキュラーレンズシート12のシート状の基部12aの光出射側の表面に形成された外光吸収部122中の各光拡散粒子123の表面硬度が、光学シート20のうちシート状の基部12aの光出射側の表面に面する部分の表面硬度よりも小さいことが好ましい。これにより、プロジェクションテレビ等に組み込んで輸送した際に加えられる振動により、外光吸収部122中の光拡散粒子123が光学シート20に接触して、光学シート20が傷つけられてしまうことを効果的に防止することができる。
 なお、光学シート20としては通常、アクリル板やMS板(PMMA−スチレン共重合体)が用いられることが多く、このため、光拡散粒子123は、上述したアクリル系樹脂やウレタン系樹脂で形成するとよい。
 次に、レンチキュラーレンズシート12の外光吸収部122を構成するバインダー樹脂124について説明する。
 バインダー樹脂124は特に限定されるものではなく、従来から外光吸収部(いわゆるブラックストライプ)を形成するために用いられているバインダー樹脂124の中から任意のものを用いることができる。具体的には、アクリル系樹脂にチップ化したカーボンブラックを分散させることにより得られるバインダー樹脂や、エポキシ系樹脂にチップ化したカーボンブラックを分散させることにより得られるバインダー樹脂等を挙げることができる。
 なお、以上のような光拡散粒子123及びバインダー樹脂124から構成される外光吸収部122の製造方法については、従来から知られた各種の方法を用いることができる。具体的には、グラビアオフセット印刷法やスクリーン印刷法等を用いることができる。なお、これらの方法の中でも、安価にかつ簡便に用いることができるという点で、グラビアオフセット印刷法を用いることが好ましい。
 このように本発明の第1の実施の形態によれば、外光吸収部122のバインダー樹脂124中に含有されている光拡散粒子123に着色処理が施されているので、外光吸収部122中の着色処理が施された光拡散粒子123により、外光の屈折、反射及び吸収が繰り返され、最終的に外光吸収部122から観察側に戻る光を減少させることができる。すなわち、外光吸収部122のバインダー樹脂124だけでなく光拡散粒子123自体によって外光を吸収することが可能となり、外光の吸収性を高く保ちつつ、外光の映り込みを抑えることができ、より高いコントラスト感を得ることができる。また、外光吸収部122に光拡散粒子123を含有させるので、光拡散粒子123を含有させない場合に比べて、外光吸収部を形成するのに重要な印刷適性が良好となり、外光吸収部122の形成を非常に容易に行うことができる。
 また、本発明の第1の実施の形態によれば、外光吸収部122のバインダー樹脂124が着色されているので、着色処理が施された光拡散粒子123を過剰に含有させなくとも、コントラストを向上させることができる。
 なお、上述した第1の実施の形態においては、透過型スクリーン10のフレネルレンズシート11とレンチキュラーレンズシート12とがそれぞれ別々のシートとして構成されているが、これらは一体化されていてもよく、またフレネルレンズシート11はなくてもよい。
 また、上述した第1の実施の形態においては、バインダー樹脂124が黒色に着色されているが、光拡散粒子123をバインダー樹脂124へ多量に含有させる場合には、バインダー樹脂124として、着色されていない樹脂を用いることも可能である。
[第2の実施の形態]
 次に、図3により、本発明の第2の実施の形態に係るレンズシート(レンチキュラーレンズシート)について説明する。なお、本発明の第2の実施の形態は、外光吸収部の下層及び上層として導電層及び表面層をそれぞれ形成した点を除いて、他は上述した第1の実施の形態と略同一である。本発明の第2の実施の形態において、上述した第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
 図3に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るレンチキュラーレンズシート12は、外光吸収部122のうちシート状の基部12aに近い側の表面に導電層30が形成されており、これにより、外光吸収部122を含む外光吸収層部分に導電性を付与することができるようになっている。
 ここで、外光吸収部122のバインダー樹脂124が、アクリル系樹脂にチップ化したカーボンブラックを分散させることにより形成されている場合を例に挙げると、外光吸収部122のバインダー樹脂124の黒味を増すためには、アクリル系樹脂中にカーボンブラックを均一に非常に細かく分散させることが必要である。
 しかしながら、このような高分散のカーボンブラックを含有するバインダー樹脂124は導電性が低くなってしまうので、レンチキュラーレンズシート12表面の表面抵抗値が高くなり、レンチキュラーレンズシート12の表面へ挨が付着し易くなり、その結果として、画質が損なわれてしまうという問題がある。このような問題は一般的に、界面活性剤等からなる帯電防止剤や酸化スズ等の導電性を有する微粒子をバインダー樹脂124中へ分散させ、外光吸収部122を含む外光吸収層部分に導電性を付与することにより回避することができる。しかしながら、このような部材をバインダー樹脂124へ添加すると、場合によっては、バインダー樹脂124中でのカーボンブラックの分散度合いが低下してしまい、バインダー樹脂124の黒味が低下してしまうことがある。
 図3に示すレンチキュラーレンズシート12においては、外光吸収部122の下層として導電層30を形成しているので、外光吸収部122自体の黒味の低下を生じさせることなく、外光吸収部122を含む外光吸収層部分に導電性を付与することができる。なお、導電層30は、樹脂中に、分散性の低いカーボンブラックや金属微粒子、導電性ポリマー等を分散させることにより形成することができる。
 また、図3に示すように、外光吸収部122のうちシート状の基部12aから遠い側の表面に表面層40が形成されており、これにより、外光吸収部122からの光拡散粒子123の脱落を防止することができる。
 ここで、このようなレンチキュラーレンズシート12の観察側に、図2に示すのと同様の態様で、実質的に透明なシート、光拡散部を持つシート又はレンズシート等の光学シート20が配置された場合には、表面層40の表面硬度を、光学シート20のうちシート状の基部12aの光出射側の表面に面する部分の表面硬度よりも小さくしたり、表面層40にシリコン等の潤滑性を有する添加剤を含有させることが好ましい。なお、表面層40は透明でも着色処理が施されていてもよい。
 このように本発明の第2の実施の形態によれば、外光吸収部122の下層として導電層30を形成することにより外光吸収部122を含む外光吸収層部分に導電性を付与しているので、レンチキュラーレンズシート12の表面への埃の付着を防止して画質が損なわれることを回避することができる。
 また、本発明の第2の実施の形態によれば、外光吸収部122の上層として表面層40を形成しているので、外光吸収部122からの光拡散粒子123の脱落を防止するとともに、シート表面にハードコート性等を付与することができる。
 なお、上述した第2の実施の形態においては、外光吸収部122の下層として導電層30を形成することにより外光吸収部122を含む外光吸収層部分に導電性を付与するようにしているが、界面活性剤等からなる帯電防止剤や酸化スズ等の導電性を有する微粒子のバインダー樹脂124中へ添加によってバインダー樹脂124の黒味が低下しないような場合には、外光吸収部122自体が導電性を有するようにしてもよい。
 なお、上述した第1及び第2の実施の形態において、レンチキュラーレンズシート12の構成は上述したものに限られるものではなく、外光吸収部122以外の構成については任意に選択することができる。具体的には例えば、上述した第1及び第2の実施の形態においては、レンチキュラーレンズシート12として、シート状の基部12aの光入射側の表面にレンズ部125が形成されるとともに光出射側の表面にもレンズ部121が形成された両面レンズタイプのレンチキュラーレンズシートを用いているが、これに限らず、シート状の基部12aの光出射側の表面がフラットである片面レンズタイプのレンチキュラーレンズシートに対しても同様にして適用することが可能である。
 以下、上述した本発明の第1及び第2の実施の形態の具体的実施例について述べる。
(実施例1)
 実施例1に係るレンチキュラーレンズシートは、本発明の第1の実施の形態に係るレンチキュラーレンズシートに対応するものであり、着色処理が施された光拡散粒子をバインダー樹脂中に含有させた黒色インキから形成された外光吸収部を備えている。
 外光吸収部を形成するバインダー樹脂としては、チップ化したカーボンブラックが24重量%分散されたアクリル系樹脂を用いた。また、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子としては、カーボンブラックを8重量%含有する、粒径が13μmの架橋アクリルビーズを用いた。なお、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子の含有量は2%とした。
 そして、このような光拡散粒子を含有するバインダー樹脂を、両面レンズタイプのレンチキュラーレンズシートの光出射側の表面のうち外光吸収部を形成すべき領域に、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが6μmとなるように印刷して外光吸収部を形成した。
 このようにして作製されたレンチキュラーレンズシートを、フレネルレンズシート及び保護基板としての透明なプラスチック板と組み合わせることにより、実施例1に係る透過型スクリーンを製造した。
(実施例2)
 実施例2に係るレンチキュラーレンズシートは、本発明の第1の実施の形態に係るレンチキュラーレンズシートに対応するものであり、実施例1と同様に、着色処理が施された光拡散粒子をバインダー樹脂中に含有させた黒色インキから形成された外光吸収部を備えている。
 外光吸収部を形成するバインダー樹脂としては、チップ化したカーボンブラックが30重量%分散されたウレタンアクリル系樹脂を用いた。また、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子としては、カーボンブラックを20重量%含有する、粒径が45μmの架橋ウレタンビーズを用いた。なお、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子の含有量は10%とした。
 そして、このような光拡散粒子を含有するバインダー樹脂を、両面レンズタイプのレンチキュラーレンズシートの光出射側の表面のうち外光吸収部を形成すべき領域に、スクリーン印刷法を用いて厚さが10μmとなるように印刷して外光吸収部を形成した。
 このようにして作製されたレンチキュラーレンズシートを、フレネルレンズシート及び保護基板としての透明なプラスチック板と組み合わせることにより、実施例2に係る透過型スクリーンを製造した。
(実施例3)
 実施例3に係るレンチキュラーレンズシートは、本発明の第2の実施の形態に係るレンチキュラーレンズシートに対応するものであり、着色処理が施された光拡散粒子をバインダー樹脂中に含有させた黒色インキから形成された外光吸収部に加えて、外光吸収部に導電性を付与する導電層を備えている。
 外光吸収部を形成するバインダー樹脂としては、チップ化したカーボンブラックが25重量%分散されたアクリル系樹脂を用いた。また、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子としては、カーボンブラックを15重量%含有する、粒径が20μmの架橋アクリルビーズを用いた。なお、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子の含有量は15%とした。
 一方、導電層を形成するための材料として、カーボンブラックが33重量%分散されたアクリル系樹脂を用いた。
 そして、導電層を形成するための材料を、レンチキュラーレンズシートの光出射側の表面のうち外光吸収部を形成すべき領域に、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが3μmとなるように印刷して導電層を形成した。
 次いで、このようにして形成された導電層の表面に、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが8μmとなるように印刷して外光吸収部を形成した。
 このようにして作製されたレンチキュラーレンズシートを、フレネルレンズシート及び保護基板としての透明なプラスチック板と組み合わせることにより、実施例3に係る透過型スクリーンを製造した。
(実施例4)
 実施例4に係るレンチキュラーレンズシートは、本発明の第1の実施の形態に係るレンチキュラーレンズシートに対応するものであり、着色処理が施された光拡散粒子をバインダー樹脂中に含有させた黒色インキから形成された外光吸収部を備えている。
 外光吸収部を形成するバインダー樹脂としては、チップ化したカーボンブラックが18重量%分散されたエポキシ系樹脂を用いた。また、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子としては、カーボンブラックを25重量%含有する、粒径が55μmのアクリル−ブタジエンゴム共重合体架橋ビーズを用いた。なお、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子の含有量は1.5%とした。
 そして、このような光拡散粒子を含有するバインダー樹脂を、両面レンズタイプのレンチキュラーレンズシートの光出射側の表面のうち外光吸収部を形成すべき領域に、スクリーン印刷法を用いて厚さが10μmとなるように印刷して外光吸収部を形成した。
 このようにして作製されたレンチキュラーレンズシートを、フレネルレンズシート及び保護基板としての透明なプラスチック板と組み合わせることにより、実施例4に係る透過型スクリーンを製造した。
(実施例5)
 実施例5に係るレンチキュラーレンズシートは、本発明の第2の実施の形態に係るレンチキュラーレンズシートに対応するものであり、着色処理が施された光拡散粒子をバインダー樹脂中に含有させた黒色インキから形成された外光吸収部に加えて、外光吸収部を保護する表面層を備えている。
 外光吸収部を形成するバインダー樹脂としては、チップ化したカーボンブラックが30重量%分散されたウレタンアクリル系樹脂を用いた。また、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子としては、カーボンブラックを8重量%含有する、粒径が45μmの架橋ウレタンビーズを用いた。なお、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子の含有量は10%とした。
 一方、表面層を形成するための材料として、電子線硬化型のウレタン系透明インキを用いた。
 そして、このような光拡散粒子を含有するバインダー樹脂を、両面レンズタイプのレンチキュラーレンズシートの光出射側の表面のうち外光吸収部を形成すべき領域に、スクリーン印刷法を用いて厚さが10μmとなるように印刷して外光吸収部を形成した。
 次いで、このようにして形成された外光吸収部の表面に、表面層を形成するための材料を、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが2μmとなるように印刷し、電子線の照射により硬化させて表面層を形成した。
 このようにして作製されたレンチキュラーレンズシートを、フレネルレンズシート及び保護基板としての透明なプラスチック板と組み合わせることにより、実施例5に係る透過型スクリーンを製造した。
(実施例6)
 実施例6に係るレンチキュラーレンズシートは、本発明の第2の実施の形態に係るレンチキュラーレンズシートに対応するものであり、着色処理が施された光拡散粒子をバインダー樹脂中に含有させた黒色インキから形成された外光吸収部に加えて、外光吸収部に導電性を付与する導電層、及び外光吸収部を保護する表面層とを備えている。
 外光吸収部を形成するバインダー樹脂としては、チップ化したカーボンブラックが25重量%分散されたアクリル系樹脂を用いた。また、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子としては、カーボンブラックを25重量%含有する、粒径が20μmのアクリル−ブタジエンゴム共重合体架橋ビーズを用いた。なお、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子の含有量は15%とした。
 一方、導電層を形成するための材料として、カーボンブラックが40重量%分散されたアクリル系樹脂を用いた。また、表面層を形成するための材料として、電子線硬化型のウレタン系透明インキを用いた。
 そして、導電層を形成するための材料を、レンチキュラーレンズシートの光出射側の表面のうち外光吸収部を形成すべき領域に、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが3μmとなるように印刷して導電層を形成した。
 次いで、このようにして形成された導電層の表面に、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが8μmとなるように印刷して外光吸収部を形成した。
 そしてさらに、このようにして形成された外光吸収部の表面に、表面層を形成するための材料を、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが2μmとなるように印刷し、電子線の照射により硬化させて表面層を形成した。
 このようにして作製されたレンチキュラーレンズシートを、フレネルレンズシート及び保護基板としての透明なプラスチック板と組み合わせることにより、実施例6に係る透過型スクリーンを製造した。
(実施例7)
 実施例7に係るレンチキュラーレンズシートは、本発明の第1の実施の形態に係るレンチキュラーレンズシートに対応するものであり、着色処理が施された光拡散粒子をバインダー樹脂中に含有させた黒色インキから形成された外光吸収部を備えている。
 外光吸収部を形成するバインダー樹脂としては、チップ化したカーボンブラックが24重量%分散されたアクリル系樹脂を用いた。また、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子としては、カーボンブラックを8重量%含有する、粒径が13μmの架橋スチレンビーズを用いた。なお、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子の含有量は2%とした。
 そして、このような光拡散粒子を含有するバインダー樹脂を、両面レンズタイプのレンチキュラーレンズシートの光出射側の表面のうち外光吸収部を形成すべき領域に、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが6μmとなるように印刷して外光吸収部を形成した。
 このようにして作製されたレンチキュラーレンズシートを、フレネルレンズシート及び保護基板としての透明なプラスチック板と組み合わせることにより、実施例7に係る透過型スクリーンを製造した。
(比較例1)
 外光吸収部を形成するバインダー樹脂としては、チップ化したカーボンブラックが24重量%分散されたアクリル系樹脂を用いた。また、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子としては、粒径が13μmの透明な架橋アクリルビーズを用いた。なお、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子の含有量は15%とした。
 そして、このような光拡散粒子を含有するバインダー樹脂を、両面レンズタイプのレンチキュラーレンズシートの光出射側の表面のうち外光吸収部を形成すべき領城に、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが6μmとなるように印刷して外光吸収部を形成した。
 このようにして作製されたレンチキュラーレンズシートを、フレネルレンズシート及び保護基板としての透明なプラスチック板と組み合わせることにより、比較例1に係る透過型スクリーンを製造した。
(比較例2)
 外光吸収部を形成するバインダー樹脂としては、チップ化したカーボンブラックが25重量%分散されたアクリル系樹脂を用いた。また、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子としては、粒径が20μmの透明なガラスビーズを用いた。なお、バインダー樹脂に含有される光拡散粒子の含有量は15%とした。
 そして、このような光拡散粒子を含有するバインダー樹脂を、両面レンズタイプのレンチキュラーレンズシートの光出射側の表面のうち外光吸収部を形成すべき領域に、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが8μmとなるように印刷して外光吸収部を形成した。
 このようにして作製されたレンチキュラーレンズシートを、フレネルレンズシート及び保護基板としての透明なプラスチック板と組み合わせることにより、比較例2に係る透過型スクリーンを製造した。
(比較例3)
 外光吸収部を形成するバインダー樹脂としては、チップ化したカーボンブラックが24重量%分散されたアクリル系樹脂を用いた。光拡散粒子は一切含有させなかった。
 このようなバインダー樹脂を、両面レンズタイプのレンチキュラーレンズシートの光出射側の表面のうち外光吸収部を形成すべき領域に、グラビアオフセット印刷法を用いて厚さが6μmとなるように印刷して外光吸収部を形成した。
 このようにして作製されたレンチキュラーレンズシートを、フレネルレンズシート及び保護基板としての透明なプラスチック板と組み合わせることにより、比較例3に係る透過型スクリーンを製造した。
(評価結果)
 実施例1〜7及び比較例1〜3に係る透過型スクリーンについて、「コントラスト評価」、「印刷適性評価」、「防汚性評価」、「帯電防止性能」、「透明板等との擦れ評価」、「擦れによるビーズの脱落」、の6項目で試験を行った。それぞれの評価を以下の表1に示す。
 ここで、「コントラスト評価」では、外光下で透過型スクリーンに映し出される映像のコントラストを目視により評価した。表中の「○」はコントラストが良好であることを意味し、「×」はコントラストが良好でないことを意味する。
 「印刷適性評価」では、外光吸収部を印刷法により形成する揚合における印刷の容易さを評価した。表中の「○」は印刷が良好に行えたことを意味し、「×」は印刷が困難だったことを意味する。
 「防汚性評価」では、外光吸収部を手で触った揚合における指紋の付き易さを目視により評価した。表中の「○」は指紋が付き難く、汚れが確認されなかったことを意味し、「×」は指紋が付き、汚れが確認されたこと意味する。
 「帯電防止性能」では、レンチキュラーレンズシート表面の表面抵抗値を計測して評価した。表中の「○」は表面抵抗値が1012Ω未満であることを意味し、「×」は表面抵抗値が1012Ω以上であることを意味する。なお、この帯電防止性能は、透過型スクリーンを放置し、その表面への埃の付着状態にて評価することもできる。この場合、上述した評価で「×」のものでは、挨が著しく付着してしまうこととなる。
 「透明板等との擦れ評価」では、透過型スクリーンを装着したテレビセットを実際に搬送した揚合に透過型スクリーンの前面に設置させた透明板等の表面に擦れ傷が生じるか否かを目視により評価した。この評価では、レンチキュラーレンズシーの基部の材料として一般的なPMMA製の板を用いた。なお、表中の「○」は擦れ傷が生じなかったことを意味し、「×」は擦れ傷が生じたことを意味する。
 「擦れによるビーズの脱落評価」では、透過型スクリーンのレンチキュラーレンズシート表面を、表面に凹凸のあるプラスチック板に100g/cmの荷重をかけて30回(毎秒1回)擦り、外光吸収部から光拡散粒子が脱落するか否かを目視により評価した。なお、表中の「○」は光拡散粒子が脱落しなかったことを意味し、「×」は光拡散粒子が脱落したことを意味する。
Figure 2004110004
 上記表1からも明らかなように、コントラスト評価においては、実施例1〜7に係る透過型スクリーンではいずれも良好なコントラストが得られた。これに対し、比較例1、2に係る透過型スクリーンでは、光拡散粒子が透明であるので、外光により白茶けた画像となってしまい、さらに、外光吸収部のうち光拡散粒子が存在する部分の黒色濃度が薄く、ピンホールのように確認された。また、比較例3に係る透過型スクリーンでは、光拡散粒子が存在しないので、強い映り込みが生じた。
 印刷適性評価においても、実施例1〜7に係る透過型スクリーンでは良好であったのに対し、比較例3に係る透過型スクリーン(光拡散粒子を含有しない透過型スクリーン)では、バインダー樹脂ののりが悪く、外光吸収部の表面状態の均一性に欠け、品位の劣る外観となった。
 防汚性評価においても、実施例1〜7に係る透過型スクリーンでは、表面に凹凸があるので、良好な結果が得られたのに対し、比較例3に係る透過型スクリーン(光拡散粒子を含有しないもの)では、指紋の汚れが目立ってしまった。
 帯電防止性能においても、実施例3及び実施例6に係る透過型スクリーンでは、導電層が形成されているので、レンチキュラーレンズシート表面の表面抵抗値は1011Ωとなり、埃が付着し難かったに対し、導電層が形成されていない比較例1〜3に係る透過型スクリーンでは、静電気によりレンチキュラーレンズシートの表面に埃が付着しているごとが確認された。
 透明板等との擦れ評価においても、実施例1〜7に係る透過型スクリーンではいずれも良好な結果(透明板等に擦れ傷が付かない)が得られ、特に、含有される光拡散粒子がアクリル−ブタジエンゴム共重合体架橋ビーズの揚合(実施例4及び実施例6の場合)に特に良好な結果が得られた。これに対し、光拡散粒子としてガラスビーズを用いた揚合(比較例2の場合)には、保護基板の表面に擦れ傷が多発する結果となった。
 擦れによるビーズの脱落評価においても、実施例5及び実施例6に係る透過型スクリーンでは、表面層が形成されているので、光拡散粒子の脱落が確認されなかったのに対し、比較例1〜3に係る透過型スクリーンでは、光拡散粒子の脱落が確認された。
本発明の第1の実施の形態に係るレンチキュラーレンズシートを備えた透過型スクリーンの構成の一例を示す図である。 図1に示すレンチキュラーレンズシートとともに光学シートが用いられる場合における厚さ方向の拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るレンチキュラーレンズシート厚さ方向の拡大断面図である。
符号の説明
10 透過型スクリーン
11 フレネルレンズシート
12 レンチキュラーレンズシート
12a 基部
121 (光出射側の)レンズ部
122 外光吸収部
123 光拡散粒子
125 (光入射側の)レンズ部
124 バインダー樹脂(吸収部基材)
20 光学シート
30 導電層
40 表面層

Claims (14)

  1.  背面側から入射した光を拡散して観察側に出射するレンズシートにおいて、
     シート状の基部と、
     前記シート状の基部の光入射側の表面に形成されたレンズ部と、
     前記シート状の基部の光出射側の表面のうち前記レンズ部により集光された光が透過しない部分に形成された外光吸収部とを備え、
     前記外光吸収部は、吸収部基材と、この吸収部基材中に含有された、着色処理が施された複数の光拡散粒子とを有することを特徴とするレンズシート。
  2.  前記各光拡散粒子は粒子基材中に着色剤を分散させることにより形成され、前記各光拡散粒子における前記着色剤の含有量が1.5〜55重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のレンズシート。
  3.  前記外光吸収部における前記光拡散粒子の含有量が0.1〜27.5重量%であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のレンズシート。
  4.  前記吸収部基材の屈折率と前記各光拡散粒子の屈折率とが略同一であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のレンズシート。
  5.  前記各光拡散粒子の一部が前記吸収部基材の表面から突出していることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のレンズシート。
  6.  前記各光拡散粒子の粒径は前記吸収部基材の厚さに比べて1.25〜15倍大きいことを特徴とする、請求項5に記載のレンズシート。
  7.  前記各光拡散粒子の粒径は前記吸収部基材の厚さに比べて2〜55μm大きいことを特徴とする、請求項5に記載のレンズシート。
  8.  前記シート状の基部の前記光出射側の表面よりも観察側に配置された光学シートをさらに備え、
     前記外光吸収部中の前記各光拡散粒子の表面硬度が、前記光学シートのうち前記シート状の基部の前記光出射側の表面に面する部分の表面硬度よりも小さいことを特徴とする、請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のレンズシート。
  9.  前記外光吸収部は導電性を有することを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のレンズシート。
  10.  前記外光吸収部に導電性を付与する導電層をさらに備えたことを特徴とする、請求項9に記載のレンズシート。
  11.  前記導電層は、前記外光吸収部のうち前記シート状の基部に近い側の表面に形成されていることを特徴とする、請求項10に記載のレンズシート。
  12.  前記外光吸収部のうち前記シート状の基部から遠い側の表面に形成された表面層をさらに備えたことを特徴とする、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載のレンズシート。
  13.  前記表面層は着色処理が施されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載のレンズシート。
  14.  請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載のレンズシートを備えた透過型スクリーン。
JP2003300488A 2002-08-30 2003-08-25 レンズシート及びそれを備えた透過型スクリーン Expired - Fee Related JP4588988B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003300488A JP4588988B2 (ja) 2002-08-30 2003-08-25 レンズシート及びそれを備えた透過型スクリーン

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002255367 2002-08-30
JP2003300488A JP4588988B2 (ja) 2002-08-30 2003-08-25 レンズシート及びそれを備えた透過型スクリーン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004110004A true JP2004110004A (ja) 2004-04-08
JP4588988B2 JP4588988B2 (ja) 2010-12-01

Family

ID=32301385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003300488A Expired - Fee Related JP4588988B2 (ja) 2002-08-30 2003-08-25 レンズシート及びそれを備えた透過型スクリーン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4588988B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008299225A (ja) * 2007-06-04 2008-12-11 Hitachi Ltd 光学シートおよびそれを用いた表示装置
JP2015031799A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 大日本印刷株式会社 スクリーン
JP2015031798A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 大日本印刷株式会社 スクリーン
JP2015031797A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 大日本印刷株式会社 スクリーン

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01251082A (ja) * 1988-03-31 1989-10-06 Toshiba Corp 背面投射装置
JPH0843945A (ja) * 1994-07-28 1996-02-16 Mitsubishi Rayon Co Ltd 投写スクリーン
JPH08180708A (ja) * 1994-12-21 1996-07-12 Keiwa Shoko Kk 柄付き照明器具用カバーシート材
JPH1020403A (ja) * 1996-07-05 1998-01-23 Mitsubishi Rayon Co Ltd 投写スクリーン
JPH1124168A (ja) * 1997-07-01 1999-01-29 Dainippon Printing Co Ltd 透過型スクリーンとフレネルレンズシート
JP2000292861A (ja) * 1999-04-08 2000-10-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd レンチキュラーレンズシートおよびその製造方法
JP2002006402A (ja) * 2000-06-19 2002-01-09 Sumitomo Chem Co Ltd プロジェクションテレビ用スクリーン

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01251082A (ja) * 1988-03-31 1989-10-06 Toshiba Corp 背面投射装置
JPH0843945A (ja) * 1994-07-28 1996-02-16 Mitsubishi Rayon Co Ltd 投写スクリーン
JPH08180708A (ja) * 1994-12-21 1996-07-12 Keiwa Shoko Kk 柄付き照明器具用カバーシート材
JPH1020403A (ja) * 1996-07-05 1998-01-23 Mitsubishi Rayon Co Ltd 投写スクリーン
JPH1124168A (ja) * 1997-07-01 1999-01-29 Dainippon Printing Co Ltd 透過型スクリーンとフレネルレンズシート
JP2000292861A (ja) * 1999-04-08 2000-10-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd レンチキュラーレンズシートおよびその製造方法
JP2002006402A (ja) * 2000-06-19 2002-01-09 Sumitomo Chem Co Ltd プロジェクションテレビ用スクリーン

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008299225A (ja) * 2007-06-04 2008-12-11 Hitachi Ltd 光学シートおよびそれを用いた表示装置
JP2015031799A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 大日本印刷株式会社 スクリーン
JP2015031798A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 大日本印刷株式会社 スクリーン
JP2015031797A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 大日本印刷株式会社 スクリーン

Also Published As

Publication number Publication date
JP4588988B2 (ja) 2010-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8220932B2 (en) Dry erasable projection article and system
US20080090063A1 (en) Light diffusion plate and its production process
JP4554172B2 (ja) 透過型スクリーン
CN112558405B (zh) 反射型屏幕和影像显示系统
JP2020194191A (ja) 高コントラストの、ガラスに基づく書込み可能/消去可能な前面投影スクリーン
JPWO2005003856A1 (ja) 透過型スクリーン
JP4033695B2 (ja) ニュートンリング防止シート
KR100603535B1 (ko) 렌즈시트 및 그것을 갖춘 투과형 스크린
JP4882635B2 (ja) 光学シート及び表示装置
JP4588988B2 (ja) レンズシート及びそれを備えた透過型スクリーン
JP2004061520A (ja) 透過型スクリーンおよび投映装置
JPH08152684A (ja) 反射型映写スクリーン
KR102416519B1 (ko) 기능성 인테리어 필름
JP3699045B2 (ja) 背面投射型スクリーンにおいて用いられる前面板、前面板付きレンチキュラーレンズシート及び背面投射型スクリーン
JPH10160911A (ja) 透過型プロジェクションスクリーン用光拡散層
JP2004061521A (ja) 反射型スクリーン
KR102410717B1 (ko) 판서 및 스크린 겸용 플레이트
JP2003004912A (ja) 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2000187283A (ja) 透過型スクリーン
JP3929547B2 (ja) 反射防止能を有するカメラ
JP2005309186A (ja) 光拡散板、その光拡散板を備えたレンチキュラー板および透過型スクリーン
JP2007133209A (ja) 表面保護シートおよび透過型スクリーン
JP2006334850A (ja) ホワイトボード
JP2006098867A (ja) 透過型スクリーン
JP2005283976A (ja) 透過型スクリーン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090707

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100817

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100909

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees