JP2004109460A - 波長板、波長板ユニット、光ピックアップ装置および光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】任意の範囲内の全ての波長の光に対して共用して使用することができる波長板を提供する。
【解決手段】本発明は、光の偏光状態を変化させる波長板において、複屈折特性を変える手段を備え、複屈折特性を変えることで任意の偏光状態に変化させる構成とした。具体的には、波長板100は、平行平板104を一定間隔で並べた、波長の1/2以下の微細周期構造102で形成され、複屈折特性を変える手段は前記平行平板104の間隔調整機構である。この平行平板の間隔調整機構は、平行平板104の少なくとも一部に弾性材料105を挟み、両側からの圧力をアクチュエータ103で制御するものである。このような構成により、1つの波長板100で任意の範囲における全ての波長の光に対して任意の偏光状態に変化させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、光の偏光状態を変化させる波長板において、複屈折特性を変える手段を備え、複屈折特性を変えることで任意の偏光状態に変化させる構成とした。具体的には、波長板100は、平行平板104を一定間隔で並べた、波長の1/2以下の微細周期構造102で形成され、複屈折特性を変える手段は前記平行平板104の間隔調整機構である。この平行平板の間隔調整機構は、平行平板104の少なくとも一部に弾性材料105を挟み、両側からの圧力をアクチュエータ103で制御するものである。このような構成により、1つの波長板100で任意の範囲における全ての波長の光に対して任意の偏光状態に変化させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の偏光方向を変える波長板と、その波長板を有する波長板ユニットに関するものであり、特に光記録媒体に対して情報の記録または再生を行う光ピックアップ装置に用いられる波長板および波長板ユニット、および波長板や波長板ユニット等の光学素子を用いて構成される光ピックアップ装置、およびこの光ピックアップ装置を用いて構成される光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光記録媒体である光ディスクの大容量化(高記録密度化)が進み、青紫の波長(波長405nm)の半導体レーザ(LD)を光源とした光ディスク装置の開発も盛んに行われている。
一方、従来の光ディスクも広く普及しており、CD(コンパクト・ディスク)系やDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)系等の複数の規格の光ディスクが利用されるようになってきている。このように複数の規格の光ディスクが混在する中で、1つの規格にしか対応していない光ディスク装置よりも、複数の規格に対応した互換性のある光ディスク装置が要求されている。
さらに、音楽・画像の記録再生装置や、パーソナルコンピュータ等の情報技術装置のモバイル化が進み、これらの記録再生装置や情報技術装置に搭載される光ディスク装置は小型軽量化が要求されている。
【0003】
互換性に対して従来の光ディスク装置では、2つの光源波長が635nmと780nmの場合には、図8に示すように2つの光源ユニットで光学系を共通化した光ディスク装置がある(特許文献1参照)。また、波長405nmの光源を用いた場合には、図9に示すように、波長635nm〜650nmの第1の光学系と、波長400nm〜650nmの第2の光学系を設けて、互換性を持たせているものや(特許文献2参照)、図10に示すように、液晶で構成された波長板を用い、405nmと650nmおよび780nmの3波長とで光学系を共通化して互換性を持たせているものがある(特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−11436号公報
【特許文献2】
特開2000−11402号公報
【特許文献3】
特開2000−276766号公報
【非特許文献1】
Principle of Optics, Max Born and Emil Wolf, PERGAMON PRESS LTD.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
2つの光源の波長が780nmと635nmのように、2つの光源の波長が近い場合には、[特許文献1]に記載のように光学系を共通化することは比較的容易である。しかしながら、波長が405nmの光源を用いた場合には、光学系を共通化することは難しく、特に一般的に用いられている水晶で形成された波長板は共通化することが非常に難しいため、[特許文献2]に記載のように別途に光学系を設けている。しかし、別途に光学系を設けた場合には、図9のように光学系の部品数が多く、その配置構成が複雑となり、光ピックアップ装置が大きくなってしまい、光ディスク装置の小型軽量化ができないという問題があった。
【0006】
また、波長板を液晶で構成した場合には、波長が405nmの光源を用いた場合でも[特許文献3]に記載のように波長板を共通化できるが、[特許文献3]に記載の波長板は、3つの波長でそれぞれ位相差が波長の1/4の奇数倍となるようにして1/4波長板の機能を持たせているため、3つの波長近辺(370nm〜430nm、635nm〜690nm、760nm〜810nm)以外の範囲では1/4波長板として機能しておらず、これらの波長以外の光源を用いた光ピックアップ装置には使用できないという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、請求項1〜3に係る発明では、任意の範囲内の全ての波長の光に対して共用して使用することができる波長板を提供することを目的としている。
請求項4に係る発明では、請求項1〜3の目的に加え、任意に遅延量を変更することができる手段を備えた波長板を提供することを目的としている。
請求項5に係る発明では、請求項1〜3の目的に加え、任意の範囲内の全ての波長の光に対して共用して使用することができる1/4波長板を提供することを目的としている。
請求項6に係る発明では、任意の範囲内の全ての波長の光に対して共用して使用することができる波長板ユニットを提供することを目的としている。
請求項7に係る発明では、任意の範囲内の全ての波長の光に対して共用して使用することができる1/4波長板ユニットを提供することを目的としている。
請求項8,9に係る発明では、2つ以上の光源を備え、これらの光源波長の違いが大きい場合でも、構造が簡単な光ピックアップ装置を提供することを目的としている。
請求項10に係る発明では、2つ以上の光源を備え、これらの光源波長の違いが大きい場合でも、構造が簡単な互換性のある光ディスク装置を提供することを目的としている。
請求項11に係る発明、2つ以上の光源を備え、これらの光源波長の違いが大きい場合でも、構造が簡単な互換性のある追記型または書換型の光ディスク装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、請求項1に係る発明は、光の偏光状態を変化させる波長板において、複屈折特性を変える手段を備え、複屈折特性を変えることで任意の偏光状態に変化させることを特徴としている。
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載の波長板において、平行平板を一定間隔で並べた、波長の1/2以下の微細周期構造で形成され、複屈折特性を変える手段が前記平行平板の間隔調整機構であることを特徴としている。
さらに請求項3に係る発明は、請求項2記載の波長板において、前記平行平板の間隔調整機構が、該平行平板の少なくとも一部に弾性材料を挟み、両側からの圧力を制御する手段であることを特徴としている。
さらに請求項4に係る発明は、請求項2記載の波長板において、前記微細周期構造を形成する平行平板の間隔を検出し、該平行平板の間隔を調整して、遅延量を調整する遅延量調整手段を有することを特徴としている。
さらに請求項5に係る発明は、請求項3記載の波長板において、任意の範囲内の全ての波長の光に対して1/4波長板として機能することを特徴としている。
【0009】
請求項6に係る発明は、波長板ユニットであって、請求項3に記載の波長板と、外部からの信号により間隔調整機構を制御する間隔調整手段制御部からなることを特徴としている。
また、請求項7に係る発明は、請求項6記載の波長板ユニットにおいて、任意の範囲内の全ての波長の光に対して1/4波長板として機能することを特徴としている。
【0010】
請求項8に係る発明は、光ピックアップ装置であって、請求項5記載の波長板または請求項7記載の波長板ユニットと、波長の異なる2つ以上の光源と、対物レンズと、該対物レンズを移動するアクチュエータと、前記光源からの光を前記対物レンズに導く照明光学系と、信号を検出する検出器と、該検出器へ光を導く検出光学系とからなることを特徴としている。
また、請求項9に係る発明は、請求項8記載の光ピックアップ装置において、前記対物レンズが色消しレンズであることを特徴としている。
【0011】
請求項10に係る発明は、光ディスク装置であって、請求項8または9記載の光ピックアップ装置と、光源を駆動する駆動部と、光記録媒体を回転させる回転機構と、検出系で検出したフォーカス信号を元にフォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部と、検出系で検出したトラック信号を元にトラックアクチュエータを駆動するトラック制御部と、前記光記録媒体に記録されたデータを再生する信号再生部と、光記録媒体の種類を識別する識別部とを備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項11に係る発明は、追記型または書換型の光ディスク装置であって、請求項8または9記載の光ピックアップ装置と、光源を駆動する駆動部と、光記録媒体を回転させる回転機構と、検出系で検出したフォーカス信号を元にフォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部と、検出系で検出したトラック信号を元にトラックアクチュエータを駆動するトラック制御部と、前記光記録媒体に記録されたデータを再生する信号再生部と、外部から入力されたデータを元に追記型光記録媒体または書換型光記録媒体に記録する信号に変換する信号処理部と、光記録媒体の種類を識別する識別部とを備えたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る波長板においては、比較的広い範囲内の全ての波長の光に対応するように、複屈折特性を変える手段を備え、複屈折特性を変えることで任意の偏光状態に変化させる構成として、その位相差量を可変とし、2つ以上の異なる波長の光でも共用して使用できるようにするものである。また、本発明では、上記波長板や、その波長板を有する波長板ユニットを、比較的波長の違いが大きい多波長対応の光ピックアップ装置および光ディスク装置の構成部品として用い、波長板や波長板ユニットを共用して光学系を簡素化しようとするものである。すなわち本発明は、比較的波長の違いが大きい2つ以上の光に対しても1つの波長板で共用して使用することができ、かつ、多波長対応で構造が簡単な光ピックアップ装置および光ディスク装置を容易に実現するものである。
以下、本発明の構成、動作および作用を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0014】
(実施例1)
第1の実施例として本発明の波長板について説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す波長板の構成説明図であり、(a)は波長板の平面図、(b),(c)は波長板の微細周期構造の一部(図中のA部)の拡大図である。
この波長板100は、複屈折特性を変える手段を備え、複屈折特性を変えることで任意の偏光状態に変化させることを特徴としており、透明基板101上に石英ガラスからなる平行平板104を一定間隔で並べた、波長の1/2以下の微細周期構造102で形成され、複屈折特性を変える手段が前記平行平板104の間隔調整機構であることを特徴としている。より具体的には、図1に示すように波長板100の微細周期構造102は、透明基板101上に、厚さ30nm程度の石英ガラスの平板104が樹脂などの弾性材料105を挟んで平行に、幾重にも並べてある。微細周期構造102の両側には、間隔調整機構として、石英ガラス平行平板104に対して垂直方向に伸縮するアクチュエータ103が配置されており、このアクチュエータ103は微細周期構造102を挟む部材(弾性材料)105を介して微細周期構造102と接続されている。したがって、図1(b)および(c)に示すように、弾性材料105を挟んで平行に並べられた平行平板104の両側から、アクチュエータ103で平行平板に加える圧力を制御することにより、石英ガラス平行平板104の間隔を調整することができ、微細周期構造102の複屈折特性を変えることで、任意の偏光状態に変化させることができる。
【0015】
図2に示すように、本来、複屈折特性を持たない屈折率の異なる平板を光の波長より十分小さい(<λ/2)周期で平行に並べた微細周期構造は、複屈折特性を発生することが知られている([非特許文献1]参照)。偏光方向が溝に平行な光の屈折率n//と、垂直な光の屈折率n⊥は、それぞれ、
n//=√(tn1 2+(1−t)n2 2) (1)
n⊥=1/√(t/n1 2+(1−t)/n2 2) (2)
となる。n1,n2はそれぞれ微細周期構造が形成された物質の屈折率と、溝を埋める物質の屈折率であり、また、tは微細周期構造のduty比であり、
t=w1/(w1+w2) (3)
である。
【0016】
このように、水晶や方解石の複屈折特性は、その物質固有のものであり、変えることがほとんどできないものであるのに対して、図1に示す微細周期構造102の複屈折は、材料や形状を変えることで複屈折特性を容易に制御することが可能である。
また、偏光方向が溝に平行な光と垂直な光との位相差(遅延量)Reは、微細周期構造の複屈折の高さ(溝の深さ)をdとすると、
Re=(n//−n⊥)d (4)
となる。これらの式より、微細周期構造の複屈折のduty比tおよび微細周期構造の複屈折の高さ(溝の深さ)dを可変にすれば位相差(遅延量)Reを変化させることができることが分かる。
【0017】
本発明の波長板の特性を図3および図4に示す。図1に示した本発明の波長板100は、アクチュエータ103を伸縮させることで、石英ガラス平行平板104の間隔((3)式のw2に相当する)を変えることができるので、石英ガラス平行平板104で構成された微細周期構造102のduty比が可変であり、遅延量を調整することができる。図3および図4は微細周期構造102の高さ(石英ガラス平行平板の高さ)が2.5μmの本発明の波長板100で、位相差がそれぞれの波長で波長の1/4になるように調整したときのduty比と遅延量を示した図である。遅延量は当然ながらそれぞれの波長で波長の1/4となっている。図3および図4から明らかなように、本発明の波長板100では、波長が300nm後半から800nm前半の広い範囲において対応できており、この範囲のいずれの波長においても1/4波長板として使用することができる。また、本実施例のように石英ガラスで構成した場合には、広い範囲の波長で高い透過率が得られるので、光の利用効率を高くすることができる。尚、図3はduty比が小さいところで調整した場合で、図4はduty比が大きいところで調整した場合であり、どちらで調整を行っても良い。
【0018】
微細周期構造102を構成する石英ガラス平行平板104の間隔の検出は、平行平板104の間隔を調整するアクチュエータ103に変位センサ(図示せず)を設け、アクチュエータ103の変位量から平行平板104の間隔を検出しても良いし、平行平板104の一部に電極を設け、間隔を電気容量として電気的に検出しても良く、また、信号検出系での信号強度から検出しても良く、さらには、これらを併用しても良い。石英ガラス平行平板104の間隔を調整するアクチュエータ103としては、ボイスコイルモータなどを用いることができる。
【0019】
尚、本発明では、上記の構成の波長板100と、外部からの信号により波長板100のアクチュエータ(間隔調整機構)103を制御する間隔調整手段制御部(図示せず)とにより、波長板ユニットを構成している。これにより、外部からの信号に応じて波長板を所望の偏光状態に容易に変更することができる。
【0020】
(実施例2)
次に本発明の第2の実施例について説明する。図5は本発明の第2の実施例を示す光ピックアップ装置(光ピックアップモジュール)の概略構成図である。この光ピックアップモジュールは、第1の半導体レーザ(例えば、AlGaAsレーザ)を光源とした第1の光源ユニット106と、第2の半導体レーザ(例えば、AlGaInPレーザ)を光源とした第2の光源ユニット107と、第3の半導体レーザ(例えば、GaNレーザ)を光源とした第3の光源ユニット108と、各光源ユニットからの光を対物レンズに導くための照明光学系を構成する第1の誘電体多層膜ミラー109と第2の誘電体多層膜ミラー110と、第1の実施例で説明した波長板100と、立上げミラー111と、対物レンズ112と、対物レンズ112のレンズホルダ113と、対物レンズ112を移動するアクチュエータ(フォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ)114とで構成されている。各光源ユニット106,107,108は、図6に示すように、光源である半導体レーザ(LD)116と、検出器である分割フォトダイオード117と、検出光学系を構成する偏光ホログラム118と、これらを収納するケース120から構成されており、半導体レーザ116はケース120内の台座に設けたヒートシンク119に固定され、分割フォトダイオード117は台座に固定され、偏光ホログラム118はケース120上面の開口部に固定されている。また、第1の誘電体多層膜ミラー109は波長が405nmおよび660nmの光を透過し、780nmの光を反射するように設計され、第2の誘電体多層膜ミラー110は波長が405nmの光を透過し660nmの光を反射するように設計されている。
【0021】
図5において、3つの光源ユニット106,107,108のうちのいずれか一つの光源ユニットの半導体レーザ116から出射したレーザ光は、第1の誘電体多層膜ミラー109や第2の誘電体多層膜ミラー110を反射または透過し、偏光面に対して光学軸が45°をなすように配置された第1の実施例の1/4波長板100で直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズ112によって光記録媒体である光ディスク115の記録面に集光する。集光したレーザ光は記録面で反射し、再び対物レンズ112を経て波長板100で円偏光から直線偏光に変換されて光源ユニットに戻ってくる。また、レーザ光が光ディスク115の記録面で反射する際に円偏光の回転方向が逆転しているので、光源ユニットに戻ってきたレーザ光は、偏光面が出射光とは90°変わっており、光源ユニットの偏光ホログラム118に形成された回折格子によって分割フォトダイオード117上に回折パターンが形成されるので、光ディスク115の記録面に記録された信号を検出することができる。
【0022】
尚、対物レンズ112は、単レンズで2以上の異なる波長に対応した設計はレンズ材の屈折率が波長により変化するため困難であり、それぞれの波長ごとに複数備えて、光ディスク115の種類によって機械的に入れ換えるような構成でも良い。しかし、複数の対物レンズを備えた構成は、光ピックアップモジュールが大きくなってしまうので、焦点距離が正と負の材料が異なる(屈折率が異なる)2枚のレンズを貼り合せた色消しレンズ構成にして、2以上の波長で収差が発生しないように設計し、1つの対物レンズで2以上の波長に対応する構成にした方が望ましい。
また、光ディスク115の種類によって(光源波長によって)対物レンズ112の開口数(NA)が異なる場合には、開口径を変更することができるアパーチャー(例えば機械的に変更するものや液晶を用いて変更するものなど)を用いて光ピックアップモジュールを構成する。
【0023】
以上のように、本実施例では、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能する波長板100と、波長の異なる複数の光源ユニット106,107,108と、対物レンズ112と、対物レンズ112を移動するアクチュエータ114と、誘電体多層膜ミラー109,110等で光ピックアップモジュールを構成しているので、複数の波長に対して収差の小さい対物レンズ(色消しレンズの対物レンズ等)を設計することができるので、信頼性の高い多波長対応光ピックアップ装置を容易に実現することができる。
【0024】
(実施例3)
次に本発明の第3の実施例について説明する。図7は本発明の第3の実施例を示す図であり、光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。この光ディスク装置は、第2の実施例で説明した図5に示す構成の光ピックアップモジュールを備えると共に、光ディスクの種類を判別する機能を備えており、装着された光ディスクの種類を判別することができる。より具体的には、この光ディスク装置は、図5に示す構成の光ピックアップモジュール121と、光ピックアップモジュール121を移動するキャリッジアクチュエータ122およびその制御部(キャリッジ制御部)130と、各光源ユニット106,107,108の光源(半導体レーザ)を駆動制御する駆動部(LD制御部)123と、光ディスクを回転させる回転機構(スピンドルモータ)124およびその制御部(スピンドル制御部)125と、検出系で検出したフォーカス信号を元に対物レンズ112のフォーカスアクチュエータ114Fを駆動するフォーカス制御部126と、検出系で検出したトラック信号を元に対物レンズ112のトラックアクチュエータ114Tを駆動するトラック制御部127と、使用波長に応じて1/4波長板100のアクチュエータ103を制御する波長板制御部128と、光ディスクに記録されたデータを再生する信号再生部(信号複調部)129と、光ディスクの種類を識別する識別部(光ディスク判別機構)131と、光ディスグ装置全体を制御する中央制御部132を備えている。また、追記型光ディスクまたは書換型光ディスク対応の光ディスク装置の場合には、上記構成に加えて、外部から入力されたデータを元に追記型光ディスクまたは書換型光ディスクに記録する信号に変換する信号処理部を備えた構成となる。
【0025】
次に光ディスク装置の動作の一例を図5,7を参照して説明する。光ディスク115をスピンドルモータ124に装着後、まず、第1の光源ユニット106の半導体レーザを点灯させて、フォーカス信号を検出しながらフォーカス制御部126でフォーカスアクチュエータ114Fを駆動制御し、対物レンズ112をフォーカス方向に移動させて光ディスク115の記録面に焦点を合わせる。合焦点後、今度はトラック制御部127でトラックアクチュエータ114Tを駆動制御し、トラック方向に対物レンズ112を移動し、トラック信号の検出を行う。この時点でトラック信号が検出された場合には、そのまま、再生の動作を行う。また、トラック信号が検出されなかった場合には、第1の光源ユニット106の半導体レーザを消灯し、第2の光源ユニット107の半導体レーザを点灯させて、同様にフォーカス信号を検出しながらフォーカス制御部126でフォーカスアクチュエータ114Fを駆動制御し、対物レンズ112をフォーカス方向に移動させて光ディスク115の記録面に焦点を合わせ、次にトラック制御部127でトラックアクチュエータ114Tを駆動制御し、トラック方向に対物レンズ112を移動し、トラック信号の検出を行う。この時点でトラック信号が検出された場合には、そのまま、再生の動作を行う。また、トラック信号が検出されなかった場合には、第2の光源ユニット107の半導体レーザを消灯し、第3の光源ユニット108の半導体レーザを点灯させて、フォーカス信号を検出しながらフォーカス制御部126でフォーカスアクチュエータ114Fを駆動制御し、対物レンズ112をフォーカス方向に移動させて光ディスク115の記録面に焦点を合わせ、次にトラック制御部127でトラックアクチュエータ114Tを駆動制御し、トラック方向に対物レンズ112を移動し、トラック信号の検出を行い、再生動作を行う。
【0026】
このように、本実施例の光ディスク装置では、光ディスクの種類を判別し、自動的に光源ユニットを切り換えて再生を行うことができる。また、追記型光ディスクまたは書換型光ディスク対応の構成とした場合には、光ディスクの種類を判別し、自動的に光源ユニットを切り換えて記録を行うことができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明においては、1つの波長板で任意の範囲における全ての波長の光に対して任意の偏光状態に変化させることができるので、波長の異なる複数の光源がある光学系において波長板を共用させることができ、光学系を簡素化することができる。
請求項2に係る発明においては、複屈折特性の異なる領域が複数あり、領域の厚さを変えることができるので、任意の範囲における全ての波長の光に対して任意の偏光状態に変化させることができ、波長の異なる複数の光源がある光学系において波長板を共用し、光学系を簡素化することができる。
請求項3に係る発明においては、平行平板を波長の1/2以下の周期構造で配置し、平行平板の間に弾性材料を挟み、両側からの圧力を調整して平行平板の間隔を調整できる構成としているので、任意の範囲における全ての波長の光に対して任意の偏光状態に変化させることができる波長板を容易に構成することができ、波長の異なる複数の光源がある光学系において波長板を共用させることができるので、光学系を簡素化することができる。
【0028】
請求項4に係る発明においては、平行平板を波長の1/2以下の周期構造で配置し、平行平板の間に弾性材料を挟み、両側からの圧力を調整して平行平板の間隔を調整できる構成とし、間隔を調整できるようしているので、容易に遅延量を制御することができる。
請求項5に係る発明においては、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能するので、例えば直線偏光から円偏光への変換、または円偏光から直線偏光への変換を1つの1/4波長板で行うことができ、光学系を簡素化することができる。
【0029】
請求項6に係る発明においては、平行平板を波長の1/2以下の周期構造で配置し、平行平板の間に弾性材料を挟み、両側からの圧力を調整して平行平板の間隔を調整できる構成にした波長板と、外部信号から間隔調整手段(アクチュエータ)を制御する制御部とで波長板ユニットを構成しているので、外部からの信号に応じて所望の偏光状態に容易に変更することができる。
請求項7に係る発明においては,波長板ユニットは、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能するので、例えば直線偏光から円偏光への変換、または円偏光から直線偏光への変換を1つの波長板ユニットで行うことができ、光学系を簡素化することができる。
【0030】
請求項8に係る発明においては、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能する波長板または波長板ユニットと、波長の異なる複数の光源ユニットと、対物レンズと、対物レンズを移動するアクチュエータと、誘電体多層膜ミラーとで光ピックアップ装置を構成しているので、多波長対応の光ピックアップ装置を簡単な構成で、かつ、小型に実現することができる。
請求項9に係る発明においては、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能する波長板または波長板ユニットと、波長の異なる複数の光源ユニットと、色消しレンズの対物レンズと、対物レンズを移動するアクチュエータと、誘電体多層膜ミラーとで光ピックアップ装置を構成しているので、複数の波長に対して収差の小さい対物レンズを設計することができるので、信頼性の高い多波長対応光ピックアップ装置を容易に実現することができる。
【0031】
請求項10に係る発明においては、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能する波長板または波長板ユニットと、波長の異なる複数の光源ユニットと、対物レンズと、対物レンズを移動するアクチュエータと、誘電体多層膜ミラーとで構成された光ピックアップ装置を用いて光ディスク装置を構成すると共に、該光ディスク装置は、光源を駆動する駆動部と、光記録媒体を回転させる回転機構と、検出系で検出したフォーカス信号を元にフォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部と、検出系で検出したトラック信号を元にトラックアクチュエータを駆動するトラック制御部と、前記光記録媒体に記録されたデータを再生する信号再生部と、光記録媒体の種類を識別する識別部とを備えた構成としているので、互換性があり、光記録媒体の種類を自動的に識別できる機能を有し、かつ、小型で構造が簡単な光ディスク装置を容易に実現することができる。
【0032】
請求項11に係る発明においては、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能する波長板または波長板ユニットと、波長の異なる複数の光源ユニットと、対物レンズと、対物レンズを移動するアクチュエータと、誘電体多層膜ミラーとで構成された光ピックアップ装置を用いて追記型または書換型光ディスク装置を構成すると共に、該光ディスク装置は、光源を駆動する駆動部と、光記録媒体を回転させる回転機構と、検出系で検出したフォーカス信号を元にフォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部と、検出系で検出したトラック信号を元にトラックアクチュエータを駆動するトラック制御部と、前記光記録媒体に記録されたデータを再生する信号再生部と、外部から入力されたデータを元に追記型光記録媒体または書換型光記録媒体に記録する信号に変換する信号処理部と、光記録媒体の種類を識別する識別部とを備えた構成としているので、互換性があり、光記録媒体の種類を自動的に識別できる機能を有し、かつ、小型で構造が簡単な追記型または書換型の光ディスク装置を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す波長板の構成説明図であり、(a)は波長板の平面図、(b),(c)は波長板の微細周期構造の一部(図中のA部)の拡大図である。
【図2】波長板を構成する微細周期構造の説明図である。
【図3】本発明の波長板における波長とデューティ比および遅延量の関係を示す図である。
【図4】本発明の波長板における波長とデューティ比および遅延量の関係を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示す光ピックアップ装置(光ピックアップモジュール)の概略構成図である。
【図6】図5の光ピックアップ装置に用いられる光源ユニットの一構成例を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す図であり、光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】従来技術の一例を示す光ディスク装置の概略構成図である。
【図9】従来技術の別の例を示す光ディスク装置の概略構成図である。
【図10】従来技術のさらに別の例を示す図であり、液晶で構成された波長板の構成説明図である。
【符号の説明】
100:波長板
101:透明基板
102:微細周期構造
103:アクチュエータ(間隔調整手段)
104:石英ガラス平行平板
105:弾性材料
106:第1の光源ユニット
107:第2の光源ユニット
108:第3の光源ユニット
109:第1の誘電体多層膜ミラー
110:第2の誘電体多層膜ミラー
111:立上げミラー
112:対物レンズ
113:レンズホルダー
114:対物レンズのアクチュエータ
114F:フォーカスアクチュエータ
114T:トラックアクチュエータ
115:光ディスク(光記録媒体)
116:半導体レーザ(光源)
117:分割フォトダイオード(検出器)
118:偏光ホログラム(検出光学系)
119:ヒートシンク
120:ケース
121:光ピックアップモジュール(光ピックアップ装置)
122:キャリッジアクチュエータ
123:LD制御部
124:スピンドルモータ
125:スピンドル制御部
126:フォーカス制御部
127:トラック制御部
128:波長板制御部(間隔調整手段制御部)
129:信号再生部(信号複調部)
130:キャリッジ制御部
131:識別部(光ディスク判別機構)
132:中央制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の偏光方向を変える波長板と、その波長板を有する波長板ユニットに関するものであり、特に光記録媒体に対して情報の記録または再生を行う光ピックアップ装置に用いられる波長板および波長板ユニット、および波長板や波長板ユニット等の光学素子を用いて構成される光ピックアップ装置、およびこの光ピックアップ装置を用いて構成される光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光記録媒体である光ディスクの大容量化(高記録密度化)が進み、青紫の波長(波長405nm)の半導体レーザ(LD)を光源とした光ディスク装置の開発も盛んに行われている。
一方、従来の光ディスクも広く普及しており、CD(コンパクト・ディスク)系やDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)系等の複数の規格の光ディスクが利用されるようになってきている。このように複数の規格の光ディスクが混在する中で、1つの規格にしか対応していない光ディスク装置よりも、複数の規格に対応した互換性のある光ディスク装置が要求されている。
さらに、音楽・画像の記録再生装置や、パーソナルコンピュータ等の情報技術装置のモバイル化が進み、これらの記録再生装置や情報技術装置に搭載される光ディスク装置は小型軽量化が要求されている。
【0003】
互換性に対して従来の光ディスク装置では、2つの光源波長が635nmと780nmの場合には、図8に示すように2つの光源ユニットで光学系を共通化した光ディスク装置がある(特許文献1参照)。また、波長405nmの光源を用いた場合には、図9に示すように、波長635nm〜650nmの第1の光学系と、波長400nm〜650nmの第2の光学系を設けて、互換性を持たせているものや(特許文献2参照)、図10に示すように、液晶で構成された波長板を用い、405nmと650nmおよび780nmの3波長とで光学系を共通化して互換性を持たせているものがある(特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−11436号公報
【特許文献2】
特開2000−11402号公報
【特許文献3】
特開2000−276766号公報
【非特許文献1】
Principle of Optics, Max Born and Emil Wolf, PERGAMON PRESS LTD.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
2つの光源の波長が780nmと635nmのように、2つの光源の波長が近い場合には、[特許文献1]に記載のように光学系を共通化することは比較的容易である。しかしながら、波長が405nmの光源を用いた場合には、光学系を共通化することは難しく、特に一般的に用いられている水晶で形成された波長板は共通化することが非常に難しいため、[特許文献2]に記載のように別途に光学系を設けている。しかし、別途に光学系を設けた場合には、図9のように光学系の部品数が多く、その配置構成が複雑となり、光ピックアップ装置が大きくなってしまい、光ディスク装置の小型軽量化ができないという問題があった。
【0006】
また、波長板を液晶で構成した場合には、波長が405nmの光源を用いた場合でも[特許文献3]に記載のように波長板を共通化できるが、[特許文献3]に記載の波長板は、3つの波長でそれぞれ位相差が波長の1/4の奇数倍となるようにして1/4波長板の機能を持たせているため、3つの波長近辺(370nm〜430nm、635nm〜690nm、760nm〜810nm)以外の範囲では1/4波長板として機能しておらず、これらの波長以外の光源を用いた光ピックアップ装置には使用できないという問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、請求項1〜3に係る発明では、任意の範囲内の全ての波長の光に対して共用して使用することができる波長板を提供することを目的としている。
請求項4に係る発明では、請求項1〜3の目的に加え、任意に遅延量を変更することができる手段を備えた波長板を提供することを目的としている。
請求項5に係る発明では、請求項1〜3の目的に加え、任意の範囲内の全ての波長の光に対して共用して使用することができる1/4波長板を提供することを目的としている。
請求項6に係る発明では、任意の範囲内の全ての波長の光に対して共用して使用することができる波長板ユニットを提供することを目的としている。
請求項7に係る発明では、任意の範囲内の全ての波長の光に対して共用して使用することができる1/4波長板ユニットを提供することを目的としている。
請求項8,9に係る発明では、2つ以上の光源を備え、これらの光源波長の違いが大きい場合でも、構造が簡単な光ピックアップ装置を提供することを目的としている。
請求項10に係る発明では、2つ以上の光源を備え、これらの光源波長の違いが大きい場合でも、構造が簡単な互換性のある光ディスク装置を提供することを目的としている。
請求項11に係る発明、2つ以上の光源を備え、これらの光源波長の違いが大きい場合でも、構造が簡単な互換性のある追記型または書換型の光ディスク装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、請求項1に係る発明は、光の偏光状態を変化させる波長板において、複屈折特性を変える手段を備え、複屈折特性を変えることで任意の偏光状態に変化させることを特徴としている。
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載の波長板において、平行平板を一定間隔で並べた、波長の1/2以下の微細周期構造で形成され、複屈折特性を変える手段が前記平行平板の間隔調整機構であることを特徴としている。
さらに請求項3に係る発明は、請求項2記載の波長板において、前記平行平板の間隔調整機構が、該平行平板の少なくとも一部に弾性材料を挟み、両側からの圧力を制御する手段であることを特徴としている。
さらに請求項4に係る発明は、請求項2記載の波長板において、前記微細周期構造を形成する平行平板の間隔を検出し、該平行平板の間隔を調整して、遅延量を調整する遅延量調整手段を有することを特徴としている。
さらに請求項5に係る発明は、請求項3記載の波長板において、任意の範囲内の全ての波長の光に対して1/4波長板として機能することを特徴としている。
【0009】
請求項6に係る発明は、波長板ユニットであって、請求項3に記載の波長板と、外部からの信号により間隔調整機構を制御する間隔調整手段制御部からなることを特徴としている。
また、請求項7に係る発明は、請求項6記載の波長板ユニットにおいて、任意の範囲内の全ての波長の光に対して1/4波長板として機能することを特徴としている。
【0010】
請求項8に係る発明は、光ピックアップ装置であって、請求項5記載の波長板または請求項7記載の波長板ユニットと、波長の異なる2つ以上の光源と、対物レンズと、該対物レンズを移動するアクチュエータと、前記光源からの光を前記対物レンズに導く照明光学系と、信号を検出する検出器と、該検出器へ光を導く検出光学系とからなることを特徴としている。
また、請求項9に係る発明は、請求項8記載の光ピックアップ装置において、前記対物レンズが色消しレンズであることを特徴としている。
【0011】
請求項10に係る発明は、光ディスク装置であって、請求項8または9記載の光ピックアップ装置と、光源を駆動する駆動部と、光記録媒体を回転させる回転機構と、検出系で検出したフォーカス信号を元にフォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部と、検出系で検出したトラック信号を元にトラックアクチュエータを駆動するトラック制御部と、前記光記録媒体に記録されたデータを再生する信号再生部と、光記録媒体の種類を識別する識別部とを備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項11に係る発明は、追記型または書換型の光ディスク装置であって、請求項8または9記載の光ピックアップ装置と、光源を駆動する駆動部と、光記録媒体を回転させる回転機構と、検出系で検出したフォーカス信号を元にフォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部と、検出系で検出したトラック信号を元にトラックアクチュエータを駆動するトラック制御部と、前記光記録媒体に記録されたデータを再生する信号再生部と、外部から入力されたデータを元に追記型光記録媒体または書換型光記録媒体に記録する信号に変換する信号処理部と、光記録媒体の種類を識別する識別部とを備えたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る波長板においては、比較的広い範囲内の全ての波長の光に対応するように、複屈折特性を変える手段を備え、複屈折特性を変えることで任意の偏光状態に変化させる構成として、その位相差量を可変とし、2つ以上の異なる波長の光でも共用して使用できるようにするものである。また、本発明では、上記波長板や、その波長板を有する波長板ユニットを、比較的波長の違いが大きい多波長対応の光ピックアップ装置および光ディスク装置の構成部品として用い、波長板や波長板ユニットを共用して光学系を簡素化しようとするものである。すなわち本発明は、比較的波長の違いが大きい2つ以上の光に対しても1つの波長板で共用して使用することができ、かつ、多波長対応で構造が簡単な光ピックアップ装置および光ディスク装置を容易に実現するものである。
以下、本発明の構成、動作および作用を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0014】
(実施例1)
第1の実施例として本発明の波長板について説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す波長板の構成説明図であり、(a)は波長板の平面図、(b),(c)は波長板の微細周期構造の一部(図中のA部)の拡大図である。
この波長板100は、複屈折特性を変える手段を備え、複屈折特性を変えることで任意の偏光状態に変化させることを特徴としており、透明基板101上に石英ガラスからなる平行平板104を一定間隔で並べた、波長の1/2以下の微細周期構造102で形成され、複屈折特性を変える手段が前記平行平板104の間隔調整機構であることを特徴としている。より具体的には、図1に示すように波長板100の微細周期構造102は、透明基板101上に、厚さ30nm程度の石英ガラスの平板104が樹脂などの弾性材料105を挟んで平行に、幾重にも並べてある。微細周期構造102の両側には、間隔調整機構として、石英ガラス平行平板104に対して垂直方向に伸縮するアクチュエータ103が配置されており、このアクチュエータ103は微細周期構造102を挟む部材(弾性材料)105を介して微細周期構造102と接続されている。したがって、図1(b)および(c)に示すように、弾性材料105を挟んで平行に並べられた平行平板104の両側から、アクチュエータ103で平行平板に加える圧力を制御することにより、石英ガラス平行平板104の間隔を調整することができ、微細周期構造102の複屈折特性を変えることで、任意の偏光状態に変化させることができる。
【0015】
図2に示すように、本来、複屈折特性を持たない屈折率の異なる平板を光の波長より十分小さい(<λ/2)周期で平行に並べた微細周期構造は、複屈折特性を発生することが知られている([非特許文献1]参照)。偏光方向が溝に平行な光の屈折率n//と、垂直な光の屈折率n⊥は、それぞれ、
n//=√(tn1 2+(1−t)n2 2) (1)
n⊥=1/√(t/n1 2+(1−t)/n2 2) (2)
となる。n1,n2はそれぞれ微細周期構造が形成された物質の屈折率と、溝を埋める物質の屈折率であり、また、tは微細周期構造のduty比であり、
t=w1/(w1+w2) (3)
である。
【0016】
このように、水晶や方解石の複屈折特性は、その物質固有のものであり、変えることがほとんどできないものであるのに対して、図1に示す微細周期構造102の複屈折は、材料や形状を変えることで複屈折特性を容易に制御することが可能である。
また、偏光方向が溝に平行な光と垂直な光との位相差(遅延量)Reは、微細周期構造の複屈折の高さ(溝の深さ)をdとすると、
Re=(n//−n⊥)d (4)
となる。これらの式より、微細周期構造の複屈折のduty比tおよび微細周期構造の複屈折の高さ(溝の深さ)dを可変にすれば位相差(遅延量)Reを変化させることができることが分かる。
【0017】
本発明の波長板の特性を図3および図4に示す。図1に示した本発明の波長板100は、アクチュエータ103を伸縮させることで、石英ガラス平行平板104の間隔((3)式のw2に相当する)を変えることができるので、石英ガラス平行平板104で構成された微細周期構造102のduty比が可変であり、遅延量を調整することができる。図3および図4は微細周期構造102の高さ(石英ガラス平行平板の高さ)が2.5μmの本発明の波長板100で、位相差がそれぞれの波長で波長の1/4になるように調整したときのduty比と遅延量を示した図である。遅延量は当然ながらそれぞれの波長で波長の1/4となっている。図3および図4から明らかなように、本発明の波長板100では、波長が300nm後半から800nm前半の広い範囲において対応できており、この範囲のいずれの波長においても1/4波長板として使用することができる。また、本実施例のように石英ガラスで構成した場合には、広い範囲の波長で高い透過率が得られるので、光の利用効率を高くすることができる。尚、図3はduty比が小さいところで調整した場合で、図4はduty比が大きいところで調整した場合であり、どちらで調整を行っても良い。
【0018】
微細周期構造102を構成する石英ガラス平行平板104の間隔の検出は、平行平板104の間隔を調整するアクチュエータ103に変位センサ(図示せず)を設け、アクチュエータ103の変位量から平行平板104の間隔を検出しても良いし、平行平板104の一部に電極を設け、間隔を電気容量として電気的に検出しても良く、また、信号検出系での信号強度から検出しても良く、さらには、これらを併用しても良い。石英ガラス平行平板104の間隔を調整するアクチュエータ103としては、ボイスコイルモータなどを用いることができる。
【0019】
尚、本発明では、上記の構成の波長板100と、外部からの信号により波長板100のアクチュエータ(間隔調整機構)103を制御する間隔調整手段制御部(図示せず)とにより、波長板ユニットを構成している。これにより、外部からの信号に応じて波長板を所望の偏光状態に容易に変更することができる。
【0020】
(実施例2)
次に本発明の第2の実施例について説明する。図5は本発明の第2の実施例を示す光ピックアップ装置(光ピックアップモジュール)の概略構成図である。この光ピックアップモジュールは、第1の半導体レーザ(例えば、AlGaAsレーザ)を光源とした第1の光源ユニット106と、第2の半導体レーザ(例えば、AlGaInPレーザ)を光源とした第2の光源ユニット107と、第3の半導体レーザ(例えば、GaNレーザ)を光源とした第3の光源ユニット108と、各光源ユニットからの光を対物レンズに導くための照明光学系を構成する第1の誘電体多層膜ミラー109と第2の誘電体多層膜ミラー110と、第1の実施例で説明した波長板100と、立上げミラー111と、対物レンズ112と、対物レンズ112のレンズホルダ113と、対物レンズ112を移動するアクチュエータ(フォーカスアクチュエータ、トラックアクチュエータ)114とで構成されている。各光源ユニット106,107,108は、図6に示すように、光源である半導体レーザ(LD)116と、検出器である分割フォトダイオード117と、検出光学系を構成する偏光ホログラム118と、これらを収納するケース120から構成されており、半導体レーザ116はケース120内の台座に設けたヒートシンク119に固定され、分割フォトダイオード117は台座に固定され、偏光ホログラム118はケース120上面の開口部に固定されている。また、第1の誘電体多層膜ミラー109は波長が405nmおよび660nmの光を透過し、780nmの光を反射するように設計され、第2の誘電体多層膜ミラー110は波長が405nmの光を透過し660nmの光を反射するように設計されている。
【0021】
図5において、3つの光源ユニット106,107,108のうちのいずれか一つの光源ユニットの半導体レーザ116から出射したレーザ光は、第1の誘電体多層膜ミラー109や第2の誘電体多層膜ミラー110を反射または透過し、偏光面に対して光学軸が45°をなすように配置された第1の実施例の1/4波長板100で直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズ112によって光記録媒体である光ディスク115の記録面に集光する。集光したレーザ光は記録面で反射し、再び対物レンズ112を経て波長板100で円偏光から直線偏光に変換されて光源ユニットに戻ってくる。また、レーザ光が光ディスク115の記録面で反射する際に円偏光の回転方向が逆転しているので、光源ユニットに戻ってきたレーザ光は、偏光面が出射光とは90°変わっており、光源ユニットの偏光ホログラム118に形成された回折格子によって分割フォトダイオード117上に回折パターンが形成されるので、光ディスク115の記録面に記録された信号を検出することができる。
【0022】
尚、対物レンズ112は、単レンズで2以上の異なる波長に対応した設計はレンズ材の屈折率が波長により変化するため困難であり、それぞれの波長ごとに複数備えて、光ディスク115の種類によって機械的に入れ換えるような構成でも良い。しかし、複数の対物レンズを備えた構成は、光ピックアップモジュールが大きくなってしまうので、焦点距離が正と負の材料が異なる(屈折率が異なる)2枚のレンズを貼り合せた色消しレンズ構成にして、2以上の波長で収差が発生しないように設計し、1つの対物レンズで2以上の波長に対応する構成にした方が望ましい。
また、光ディスク115の種類によって(光源波長によって)対物レンズ112の開口数(NA)が異なる場合には、開口径を変更することができるアパーチャー(例えば機械的に変更するものや液晶を用いて変更するものなど)を用いて光ピックアップモジュールを構成する。
【0023】
以上のように、本実施例では、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能する波長板100と、波長の異なる複数の光源ユニット106,107,108と、対物レンズ112と、対物レンズ112を移動するアクチュエータ114と、誘電体多層膜ミラー109,110等で光ピックアップモジュールを構成しているので、複数の波長に対して収差の小さい対物レンズ(色消しレンズの対物レンズ等)を設計することができるので、信頼性の高い多波長対応光ピックアップ装置を容易に実現することができる。
【0024】
(実施例3)
次に本発明の第3の実施例について説明する。図7は本発明の第3の実施例を示す図であり、光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。この光ディスク装置は、第2の実施例で説明した図5に示す構成の光ピックアップモジュールを備えると共に、光ディスクの種類を判別する機能を備えており、装着された光ディスクの種類を判別することができる。より具体的には、この光ディスク装置は、図5に示す構成の光ピックアップモジュール121と、光ピックアップモジュール121を移動するキャリッジアクチュエータ122およびその制御部(キャリッジ制御部)130と、各光源ユニット106,107,108の光源(半導体レーザ)を駆動制御する駆動部(LD制御部)123と、光ディスクを回転させる回転機構(スピンドルモータ)124およびその制御部(スピンドル制御部)125と、検出系で検出したフォーカス信号を元に対物レンズ112のフォーカスアクチュエータ114Fを駆動するフォーカス制御部126と、検出系で検出したトラック信号を元に対物レンズ112のトラックアクチュエータ114Tを駆動するトラック制御部127と、使用波長に応じて1/4波長板100のアクチュエータ103を制御する波長板制御部128と、光ディスクに記録されたデータを再生する信号再生部(信号複調部)129と、光ディスクの種類を識別する識別部(光ディスク判別機構)131と、光ディスグ装置全体を制御する中央制御部132を備えている。また、追記型光ディスクまたは書換型光ディスク対応の光ディスク装置の場合には、上記構成に加えて、外部から入力されたデータを元に追記型光ディスクまたは書換型光ディスクに記録する信号に変換する信号処理部を備えた構成となる。
【0025】
次に光ディスク装置の動作の一例を図5,7を参照して説明する。光ディスク115をスピンドルモータ124に装着後、まず、第1の光源ユニット106の半導体レーザを点灯させて、フォーカス信号を検出しながらフォーカス制御部126でフォーカスアクチュエータ114Fを駆動制御し、対物レンズ112をフォーカス方向に移動させて光ディスク115の記録面に焦点を合わせる。合焦点後、今度はトラック制御部127でトラックアクチュエータ114Tを駆動制御し、トラック方向に対物レンズ112を移動し、トラック信号の検出を行う。この時点でトラック信号が検出された場合には、そのまま、再生の動作を行う。また、トラック信号が検出されなかった場合には、第1の光源ユニット106の半導体レーザを消灯し、第2の光源ユニット107の半導体レーザを点灯させて、同様にフォーカス信号を検出しながらフォーカス制御部126でフォーカスアクチュエータ114Fを駆動制御し、対物レンズ112をフォーカス方向に移動させて光ディスク115の記録面に焦点を合わせ、次にトラック制御部127でトラックアクチュエータ114Tを駆動制御し、トラック方向に対物レンズ112を移動し、トラック信号の検出を行う。この時点でトラック信号が検出された場合には、そのまま、再生の動作を行う。また、トラック信号が検出されなかった場合には、第2の光源ユニット107の半導体レーザを消灯し、第3の光源ユニット108の半導体レーザを点灯させて、フォーカス信号を検出しながらフォーカス制御部126でフォーカスアクチュエータ114Fを駆動制御し、対物レンズ112をフォーカス方向に移動させて光ディスク115の記録面に焦点を合わせ、次にトラック制御部127でトラックアクチュエータ114Tを駆動制御し、トラック方向に対物レンズ112を移動し、トラック信号の検出を行い、再生動作を行う。
【0026】
このように、本実施例の光ディスク装置では、光ディスクの種類を判別し、自動的に光源ユニットを切り換えて再生を行うことができる。また、追記型光ディスクまたは書換型光ディスク対応の構成とした場合には、光ディスクの種類を判別し、自動的に光源ユニットを切り換えて記録を行うことができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明においては、1つの波長板で任意の範囲における全ての波長の光に対して任意の偏光状態に変化させることができるので、波長の異なる複数の光源がある光学系において波長板を共用させることができ、光学系を簡素化することができる。
請求項2に係る発明においては、複屈折特性の異なる領域が複数あり、領域の厚さを変えることができるので、任意の範囲における全ての波長の光に対して任意の偏光状態に変化させることができ、波長の異なる複数の光源がある光学系において波長板を共用し、光学系を簡素化することができる。
請求項3に係る発明においては、平行平板を波長の1/2以下の周期構造で配置し、平行平板の間に弾性材料を挟み、両側からの圧力を調整して平行平板の間隔を調整できる構成としているので、任意の範囲における全ての波長の光に対して任意の偏光状態に変化させることができる波長板を容易に構成することができ、波長の異なる複数の光源がある光学系において波長板を共用させることができるので、光学系を簡素化することができる。
【0028】
請求項4に係る発明においては、平行平板を波長の1/2以下の周期構造で配置し、平行平板の間に弾性材料を挟み、両側からの圧力を調整して平行平板の間隔を調整できる構成とし、間隔を調整できるようしているので、容易に遅延量を制御することができる。
請求項5に係る発明においては、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能するので、例えば直線偏光から円偏光への変換、または円偏光から直線偏光への変換を1つの1/4波長板で行うことができ、光学系を簡素化することができる。
【0029】
請求項6に係る発明においては、平行平板を波長の1/2以下の周期構造で配置し、平行平板の間に弾性材料を挟み、両側からの圧力を調整して平行平板の間隔を調整できる構成にした波長板と、外部信号から間隔調整手段(アクチュエータ)を制御する制御部とで波長板ユニットを構成しているので、外部からの信号に応じて所望の偏光状態に容易に変更することができる。
請求項7に係る発明においては,波長板ユニットは、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能するので、例えば直線偏光から円偏光への変換、または円偏光から直線偏光への変換を1つの波長板ユニットで行うことができ、光学系を簡素化することができる。
【0030】
請求項8に係る発明においては、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能する波長板または波長板ユニットと、波長の異なる複数の光源ユニットと、対物レンズと、対物レンズを移動するアクチュエータと、誘電体多層膜ミラーとで光ピックアップ装置を構成しているので、多波長対応の光ピックアップ装置を簡単な構成で、かつ、小型に実現することができる。
請求項9に係る発明においては、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能する波長板または波長板ユニットと、波長の異なる複数の光源ユニットと、色消しレンズの対物レンズと、対物レンズを移動するアクチュエータと、誘電体多層膜ミラーとで光ピックアップ装置を構成しているので、複数の波長に対して収差の小さい対物レンズを設計することができるので、信頼性の高い多波長対応光ピックアップ装置を容易に実現することができる。
【0031】
請求項10に係る発明においては、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能する波長板または波長板ユニットと、波長の異なる複数の光源ユニットと、対物レンズと、対物レンズを移動するアクチュエータと、誘電体多層膜ミラーとで構成された光ピックアップ装置を用いて光ディスク装置を構成すると共に、該光ディスク装置は、光源を駆動する駆動部と、光記録媒体を回転させる回転機構と、検出系で検出したフォーカス信号を元にフォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部と、検出系で検出したトラック信号を元にトラックアクチュエータを駆動するトラック制御部と、前記光記録媒体に記録されたデータを再生する信号再生部と、光記録媒体の種類を識別する識別部とを備えた構成としているので、互換性があり、光記録媒体の種類を自動的に識別できる機能を有し、かつ、小型で構造が簡単な光ディスク装置を容易に実現することができる。
【0032】
請求項11に係る発明においては、任意の範囲における全ての波長の光に対して1/4波長板として機能する波長板または波長板ユニットと、波長の異なる複数の光源ユニットと、対物レンズと、対物レンズを移動するアクチュエータと、誘電体多層膜ミラーとで構成された光ピックアップ装置を用いて追記型または書換型光ディスク装置を構成すると共に、該光ディスク装置は、光源を駆動する駆動部と、光記録媒体を回転させる回転機構と、検出系で検出したフォーカス信号を元にフォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部と、検出系で検出したトラック信号を元にトラックアクチュエータを駆動するトラック制御部と、前記光記録媒体に記録されたデータを再生する信号再生部と、外部から入力されたデータを元に追記型光記録媒体または書換型光記録媒体に記録する信号に変換する信号処理部と、光記録媒体の種類を識別する識別部とを備えた構成としているので、互換性があり、光記録媒体の種類を自動的に識別できる機能を有し、かつ、小型で構造が簡単な追記型または書換型の光ディスク装置を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す波長板の構成説明図であり、(a)は波長板の平面図、(b),(c)は波長板の微細周期構造の一部(図中のA部)の拡大図である。
【図2】波長板を構成する微細周期構造の説明図である。
【図3】本発明の波長板における波長とデューティ比および遅延量の関係を示す図である。
【図4】本発明の波長板における波長とデューティ比および遅延量の関係を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示す光ピックアップ装置(光ピックアップモジュール)の概略構成図である。
【図6】図5の光ピックアップ装置に用いられる光源ユニットの一構成例を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す図であり、光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】従来技術の一例を示す光ディスク装置の概略構成図である。
【図9】従来技術の別の例を示す光ディスク装置の概略構成図である。
【図10】従来技術のさらに別の例を示す図であり、液晶で構成された波長板の構成説明図である。
【符号の説明】
100:波長板
101:透明基板
102:微細周期構造
103:アクチュエータ(間隔調整手段)
104:石英ガラス平行平板
105:弾性材料
106:第1の光源ユニット
107:第2の光源ユニット
108:第3の光源ユニット
109:第1の誘電体多層膜ミラー
110:第2の誘電体多層膜ミラー
111:立上げミラー
112:対物レンズ
113:レンズホルダー
114:対物レンズのアクチュエータ
114F:フォーカスアクチュエータ
114T:トラックアクチュエータ
115:光ディスク(光記録媒体)
116:半導体レーザ(光源)
117:分割フォトダイオード(検出器)
118:偏光ホログラム(検出光学系)
119:ヒートシンク
120:ケース
121:光ピックアップモジュール(光ピックアップ装置)
122:キャリッジアクチュエータ
123:LD制御部
124:スピンドルモータ
125:スピンドル制御部
126:フォーカス制御部
127:トラック制御部
128:波長板制御部(間隔調整手段制御部)
129:信号再生部(信号複調部)
130:キャリッジ制御部
131:識別部(光ディスク判別機構)
132:中央制御部
Claims (11)
- 光の偏光状態を変化させる波長板において、
複屈折特性を変える手段を備え、複屈折特性を変えることで任意の偏光状態に変化させることを特徴とする波長板。 - 請求項1記載の波長板において、
平行平板を一定間隔で並べた、波長の1/2以下の微細周期構造で形成され、複屈折特性を変える手段が前記平行平板の間隔調整機構であることを特徴とする波長板。 - 請求項2記載の波長板において、
前記平行平板の間隔調整機構が、該平行平板の少なくとも一部に弾性材料を挟み、両側からの圧力を制御する手段であることを特徴とする波長板。 - 請求項2記載の波長板において、
前記微細周期構造を形成する平行平板の間隔を検出し、該平行平板の間隔を調整して、遅延量を調整する遅延量調整手段を有することを特徴とする波長板。 - 請求項3記載の波長板において、
任意の範囲内の全ての波長の光に対して1/4波長板として機能することを特徴とする波長板。 - 請求項3に記載の波長板と、外部からの信号により間隔調整機構を制御する間隔調整手段制御部からなることを特徴とする波長板ユニット。
- 請求項6記載の波長板ユニットにおいて、
任意の範囲内の全ての波長の光に対して1/4波長板として機能することを特徴とする波長板および波長板ユニット。 - 請求項5記載の波長板または請求項7記載の波長板ユニットと、波長の異なる2つ以上の光源と、対物レンズと、該対物レンズを移動するアクチュエータと、前記光源からの光を前記対物レンズに導く照明光学系と、信号を検出する検出器と、該検出器へ光を導く検出光学系とからなることを特徴とする光ピックアップ装置。
- 請求項8記載の光ピックアップ装置において、
前記対物レンズが色消しレンズであることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項8または9記載の光ピックアップ装置と、光源を駆動する駆動部と、光記録媒体を回転させる回転機構と、検出系で検出したフォーカス信号を元にフォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部と、検出系で検出したトラック信号を元にトラックアクチュエータを駆動するトラック制御部と、前記光記録媒体に記録されたデータを再生する信号再生部と、光記録媒体の種類を識別する識別部とを備えたことを特徴とする光ディスク装置。
- 請求項8または9記載の光ピックアップ装置と、光源を駆動する駆動部と、光記録媒体を回転させる回転機構と、検出系で検出したフォーカス信号を元にフォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部と、検出系で検出したトラック信号を元にトラックアクチュエータを駆動するトラック制御部と、前記光記録媒体に記録されたデータを再生する信号再生部と、外部から入力されたデータを元に追記型光記録媒体または書換型光記録媒体に記録する信号に変換する信号処理部と、光記録媒体の種類を識別する識別部とを備えたことを特徴とする光ディスク装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002271628A JP2004109460A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 波長板、波長板ユニット、光ピックアップ装置および光ディスク装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002271628A JP2004109460A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 波長板、波長板ユニット、光ピックアップ装置および光ディスク装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004109460A true JP2004109460A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32268884
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002271628A Pending JP2004109460A (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 波長板、波長板ユニット、光ピックアップ装置および光ディスク装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004109460A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005141892A (ja) * | 2003-10-16 | 2005-06-02 | Nec Corp | 光ヘッド装置および光学式情報記録又は再生装置 |
JP2007292615A (ja) * | 2006-04-25 | 2007-11-08 | Shimadzu Corp | ソーラスリット |
-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002271628A patent/JP2004109460A/ja active Pending
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JP2005141892A (ja) * | 2003-10-16 | 2005-06-02 | Nec Corp | 光ヘッド装置および光学式情報記録又は再生装置 |
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