JP2004109312A - 導波路型半導体光デバイスおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導波路型半導体光デバイス20は、半絶縁性基板1上に、n型クラッド層2、3、i型吸収層4及びp型クラッド層6とからなるpin型接合構造を形成した導波路型半導体光デバイスであって、前記i型吸収層における不純物濃度が1016cm−3以下である。上記p型クラッド層は、亜鉛より拡散係数が低いp型不純物、例えば、ベリリウムを含有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに用いられる導波路型半導体光デバイス、特に、pin型接合構造を形成した電界吸収型光変調器(EA変調器)に関する。
【0002】
【従来の技術】
超高速の光通信システムを実現するために、応答性に優れた導波路型半導体光デバイスが用いられている。例えば、電界吸収型光変調器、光スイッチ等が用いられる。図14は、従来の光変調器の吸収層を含む光変調領域における層構造を示す概略断面図であり、図15は、図14の層構造の表面から深さ方向にわたる亜鉛の濃度分布を示すグラフである。この光変調器は、pin型接合構造を形成した層構造を備える。この光変調器は、図14に示されるように、半絶縁性InP基板51の上に、順に、n型InPクラッド層52、53、i型吸収層54、アンドープ層55、p型InPクラッド層56、p型InGaAsコンタクト層57が形成されている。このn型InPクラッド層に含まれるn型不純物にはイオウ(S)が用いられ、p型InPクラッド層56及びp型InGaAsコンタクト層57に含まれるp型不純物には、亜鉛が用いられている。また、i型吸収層54には不純物が何も添加されない。この光変調器では、吸収層54の層に垂直な方向に電界が印加された場合には吸収層54の吸収係数が変化するので、吸収層を導波する光が光強度変調される。
【0003】
なお、pin型接合構造の半導体装置に関する先行技術(例えば、特許文献1参照)がある。この半導体装置は、n型InP基板上に、順に、多重量子井戸吸収層、Beドープのp型InPクラッド層、Be及びZnをドープしたp型InGaAsコンタクト層が積層されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−64459号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光変調器では、p型不純物に亜鉛を用いている。そのため、図14に示されているように、亜鉛は、p型InP層56から吸収層54にわたって拡散しており、吸収層54は、亜鉛を吸収層54の全域にわたって1016cm−3を超える濃度で有していることがわかる。吸収層54内に拡散する不純物濃度が1016cm−3を超えるほど高いと、吸収層54の各部に加わる電界のばらつきが大きくなり、吸収層54全体としての消光比特性が悪化する。
【0006】
また、亜鉛の吸収層への拡散に関する研究(M. Yamada, P.K. Tien, R.J. Martin, R.E. Nahory, and A.A. Ballman, 「アプライド・フィジックス・レター」(Appl. Phys. Lett.)(米国)、Vol.43、(1983年)、p594)によれば、亜鉛の吸収層への拡散は、結晶中にリンの空孔が生じることと、その空孔に亜鉛が拡散することによる複合的な格子欠陥に基づくものである。pin型接合構造を含むデバイスを有機金属気相成長法によって作製する場合、作製方法に由来してリンの空孔を生じやすく、亜鉛の吸収層への拡散を避けることは困難であった。また、これまで、p/i接合界面において、i層への拡散不純物濃度を1016cm−3以下に抑制できた例の報告はない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、良好な消光比が得られるpin型接合構造を含む導波路型半導体光デバイスを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る導波路型半導体光デバイスは、半絶縁性基板上に、n型クラッド層、i型吸収層及びp型クラッド層とからなるpin型接合構造を形成した導波路型半導体光デバイスであって、前記i型吸収層における不純物濃度が1016cm−3以下であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る導波路型半導体光デバイスは、前記導波路型半導体光デバイスであって、前記p型クラッド層は、亜鉛より拡散係数が小さいp型不純物を含有することを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明に係る導波路型半導体光デバイスは、前記導波路型半導体光デバイスであって、前記p型クラッド層におけるp型不純物は、ベリリウムであることを特徴とする。
【0011】
またさらに、本発明に係る導波路型半導体光デバイスは、前記導波路型半導体光デバイスであって、前記p型クラッド層は、
第1のp型不純物を含有する第1のp型クラッド層と、
前記第1のp型クラッド層と前記i型吸収層との間に設けられ、前記第1のp型不純物より拡散係数が大きい第2のp型不純物を含有する第2のp型クラッド層と
を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る導波路型半導体光デバイスの製造方法は、半絶縁性基板上にn型クラッド層、i型吸収層及びp型クラッド層とからなるpin型接合構造を形成した導波路型半導体光デバイスの製造方法であって、前記p型クラッド層に含有させるp型不純物として、亜鉛より拡散係数の小さいp型不純物を用い、有機金属気相成長法によって作製することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る導波路型半導体光デバイスの製造方法は、前記導波路型半導体光デバイスの製造方法であって、前記p型不純物としてベリリウムを用い、有機金属気相成長法におけるベリリウムの原料として、ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム、ビスシクロペンタジエニルベリリウム、ジメチルベリリウム及びジエチルベリリウムの群から選ばれる少なくとも一種の原料を用いることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る導波路型半導体光デバイスについて、添付図面を用いて説明する。なお、図面において、実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
【0015】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る導波路型半導体光デバイスについて、図1から図10を用いて説明する。図1は、この導波路型半導体光デバイスである光変調器20の外観を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A’線に沿った光変調領域14の断面構造を示す断面図であり、図3は、図2の導波路メサ10の部分の層構造を示す概略断面図である。この光変調器20は、pin型接合構造を形成した電界吸収型光変調器である。この光変調器は、導波路メサ10を備え、該導波路メサ10は、2本の平行な溝で挟まれた凸部が一つの光軸に平行に延在して構成されている。この導波路メサ10は、同一の光軸を有する2つの低損失導波路部12と、2つの低損失導波路部12で挟まれており、該光軸と同一の光軸を有する光変調領域14とからなる。光は、外部から低損失導波路部12を介して光変調領域14に導波されて光変調される。低損失導波路部12は、低損失導波路22及びアンドープ層24とを含んでいる。また、光変調領域14は、n型クラッド層2、3、i型吸収層4、p型クラッド層6からなるpin型接合構造を含む層構造を有している。光変調領域14の層構造は、半絶縁性InP基板1の上に、n型InPクラッド層2、3、i型吸収層4、アンドープ層5、p型InPクラッド層6、p型InGaAsコンタクト層7及びp型側電極9とが順に積層されている。n型InPクラッド層2、3に含まれるn型不純物には、イオウ(S)が用いられ、p型InPクラッド層6及びp型InGaAsコンタクト層7に含まれるp型不純物には、ベリリウムが用いられている。i型吸収層4の成膜時には不純物は添加されていない。この光変調器20では、p型InPクラッド層6に添加するp型不純物として亜鉛より拡散係数の低いベリリウムを用いているので、後述するように、吸収層4におけるベリリウムの濃度を1016cm−3以下に抑制することができる。
【0016】
また、この光変調器20の電界印加のための電極構造について図2の断面図を用いて説明する。p型InGaAsコンタクト層7は、導波路メサ10を挟む2つの溝のうち、第1の溝を介してp型側電極9と接続されている。第1の溝は、p型InGaAsコンタクト層7の上面からn型InPクラッド層2までが除去され、第1の溝の底部にInP基板1が露出している。第1の溝の側面及び底面は絶縁層8で覆われている。導波路メサ10の頂部のp型InGaAsコンタクト層7は、第1の溝の絶縁層8の上をわたって形成された電極材によってp型側電極9に接続されている。一方、n型InPクラッド層2は、導波路メサ10を挟む2つの溝のうち、第2の溝を介してn型側電極18と接続されている。第2の溝は、p型InGaAsコンタクト層7の上面からn型InPクラッド層3までが除去され、第2の溝の底部にn型InPクラッド層2が露出している。第2の溝の側面は絶縁層8で覆われ、底部に露出するn型InPクラッド層は、第2の溝の絶縁層をわたって形成された電極材16によってn型側電極18に接続されている。上記p型側電極9とn型側電極18との間に電圧を印加することによって、吸収層4を導波する光を強度変調することができる。
【0017】
図4は、この光変調器20の光変調領域14における深さ方向にわたるベリリウムの濃度分布の測定結果を示すグラフである。グラフの横軸はp型InGaAsコンタクト層7の表面からの深さであり、縦軸は、対数表示されたベリリウムの濃度である。深さ方向に垂直な断面を切り出して、その断面について2次イオン質量分析法(SIMS)を用いてベリリウムの濃度を測定した。図4に示されるように、吸収層4では、全域にわたってベリリウム濃度が1016cm−3以下である。
【0018】
図5は、従来の光変調器の吸収層54中における電界分布の計算値を示したグラフであり、図6は、この光変調器の吸収層4中の電界分布の計算値を示したグラフである。グラフの横軸は吸収層4中の位置であり、縦軸は電界の大きさである。この電界分布の計算値は、この光変調器20の場合には吸収層4中のベリリウムの濃度分布からポアソン方程式を解いて算出し、従来の光変調器70の場合には吸収層54中の亜鉛の濃度分布から電界分布を算出している。従来の光変調器の場合には、p型不純物として拡散係数の大きい亜鉛を添加しているため、図18に示されるように、吸収層54中に亜鉛が1016cm−3以上の濃度で拡散している。これが原因となって吸収層中の電界分布に大きな不均一性が生じているものと考えられる。一方、この光変調器20の場合には、p型不純物として亜鉛より拡散係数の小さいベリリウムを含有しているので、吸収層4内の不純物濃度を1016cm−3以下にすることができる。このため、吸収層4内の電界分布の不均一性は無視しうる程度に小さくなると考えられる。
【0019】
図7は、p型不純物としてベリリウムを用いたこの光変調器20の場合と、亜鉛を用いた従来の光変調器の場合のそれぞれにおける消光比の実測結果を示すグラフである。グラフの横軸はバイアス電圧であり、縦軸は光出力である。バイアス電圧が−2Vの場合、この光変調器20の場合には、消光比が−34dBであり、従来の光変調器の場合には、消光比が−24dBである。このように、この光変調器20は、従来の光変調器に比べて消光比を40%程度改善することができる。
【0020】
また、図8及び図9を用いて、この光変調器20の吸収層4における不純物濃度と消光比特性との関係について説明する。図8は、吸収層における不純物濃度が3×1016cm−3の場合の消光比特性の計算結果を示すグラフであり、図9は、吸収層における不純物濃度が3×1015cm−3の場合の消光比特性の計算結果を示すグラフである。グラフの横軸は電圧であり、縦軸は光出力である。このグラフから、吸収層での不純物濃度が3×1016cm−3の場合には電界のばらつきが大きく消光比が悪化することがわかる。一方、吸収層での不純物濃度が3×1015cm−3の場合には吸収層全体にわたってほぼ一様な電界分布をしており、良好な消光比特性が得られることがわかる。上述のように、吸収層4における不純物濃度が1016cm−3以下の場合には良好な消光比が得られる。
【0021】
なお、ここでは導波路型半導体光デバイスの一例として、電界吸収型光変調器について説明したが、これに限定されない。この他、光スイッチ等、pin型接合構造を形成した半導体光デバイスについても応用することができる。
【0022】
次に、図10を用いて、この光変調器20の製造方法について説明する。
(a)半絶縁性InP基板1を用意する。
(b)イオウをn型不純物として添加して有機金属気相成長法によって、n型InPクラッド層2、3をInP基板1の上に成長させる。
(c)有機金属気相成長法によって、InGaAsP混晶22及びノンドープ層24をn型InPクラッド層3の上に成長させる。このInGaAsP混晶22とノンドープ層24とによって低損失導波路部12が構成される。
(d)次いで、マスク26を用いて吸収層4部分を成長させる部分をエッチングで選択的に除去し、2つの低損失導波路部12が形成される(図10(a))。
(e)有機金属気相成長法を用いて、2つの低損失導波路部12の間に吸収層4及びノンドープ層5を成長させる(図10(b))。その後、マスク26をエッチングで除去する。
(f)有機金属気相成長法によって、p型不純物としてベリリウムを含有するp型InPクラッド層6と、p型不純物としてベリリウムを含有するp型InGaAsコンタクト層7とを形成する(図10(c))。この場合に、ベリリウムの原料には、ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウムを用いる。なお、ベリリウムの原料は、上記のものに限定されず、有機金属気相成長法で用いることができる材料であれば別の原料を用いてもよい。例えば、ビスシクロペンタジエニルベリリウム、ジメチルベリリウム、ジエチルベリリウム等の材料を用いることができる。
(g)その後、エッチング工程で2本の溝と、その溝で挟まれた導波路メサ10とを形成し、成膜工程で絶縁層8、電極材16、p型側電極9、n型側電極18を順に成膜し、その他必要な各工程を行って光変調器20が作製される。
【0023】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る導波路型半導体光デバイスである光変調器について、図11から図13を用いて説明する。図11は、この光変調器20の光変調領域14における層構造を示す概略断面図である。この光変調器20は、実施の形態1に係る光変調器と比較すると、p型InPクラッド層6が、p型不純物としてベリリウムを含有する第1のp型InPクラッド層6bと、p型不純物として亜鉛を含有する厚さ約60nmの第2のp型InP層6aとを含む点で相違する。第2のp型InPクラッド層6aは、第1のp型InPクラッド層6bとi型吸収層4との間に設けられている。このようにp型InPクラッド層の一部に亜鉛を含む第2のp型InPクラッド層6aを設けることで、p型不純物としてベリリウムのみを用いた場合に比べてp型InP層6a、6b全体の抵抗値を低減させることができる。
【0024】
図12は、この光変調器20の光変調領域14における深さ方向のリン及びベリリウムの濃度分布を示すグラフであり、図13は、リン及び亜鉛の濃度分布を示すグラフである。グラフの横軸はp型InGaAsコンタクト層の表面からの深さであり、縦軸は対数表示された元素濃度である。2つのグラフにおいて、リンの濃度変化が各層の位置を表している。表面からの深さ約2μmでリン濃度が相対的に低い領域は吸収層4の範囲である。該吸収層4より浅い部分には、上述のように、深い側から順に、アンドープ層5、p型不純物として亜鉛を含有する第2のp型InPクラッド層6a、p型不純物としてベリリウムを含有する第1のInPクラッド層6bが形成されている。亜鉛は、第2のInPクラッド層から第1のp型InPクラッド層中へ拡散し、ベリリウムは、第1のp型InPクラッド層6bから第2のp型InPクラッド層6aへ拡散する。すなわち、亜鉛とベリリウムとはそれぞれが含まれている層へ相互拡散する。そのため、図13に示すように、亜鉛は、ベリリウムが含まれている第1のp型InPクラッド層6bへ拡散し、第1のp型InPクラッド層は亜鉛を1016cm−3を超える濃度で含有する。一方、亜鉛は、吸収層4へはほとんど拡散せず、吸収層4は亜鉛を1016cm−3より低い濃度で含有する。そこで、吸収層4におけるp型不純物の亜鉛及びベリリウムの濃度を1016cm−3以下に抑制することができ、良好な消光比特性を得ることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明に係る導波路型半導体光デバイスによれば、pin型接合構造を形成した導波路型半導体光デバイスp型クラッド層に添加するp型不純物として亜鉛より拡散係数の低いベリリウム等のp型不純物を用いている。そこで、i型吸収層における不純物濃度を1016cm−3以下に抑制することができ、良好な消光比特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光変調器の構成を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A’線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光変調器の変調領域における深さ方向の構造を示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光変調器の変調領域における深さ方向のベリリウム濃度分布の測定結果を示すグラフである。
【図5】従来の光変調器の吸収層における電界分布の計算結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光変調器の吸収層における電界分布の計算結果を示すグラフである。
【図7】Znドープの場合とBeドープの場合のそれぞれの消光比を示すグラフである。
【図8】吸収層の不純物濃度が3×1015cm−3の場合の電圧と光出力との関係を示すグラフである。
【図9】吸収層の不純物濃度が3×1016cm−3の場合の電圧と光出力との関係を示すグラフである。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の実施の形態1に係る光変調器の製造工程を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態2に係る光変調器の光変調領域における深さ方向の構造を示す概略断面図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る光変調器の光変調領域における深さ方向のベリリウム濃度分布の測定結果を示すグラフである。
【図13】本発明の実施の形態2に係る光変調器の光変調領域における深さ方向の亜鉛濃度分布の測定結果を示すグラフである。
【図14】従来の光変調器の変調領域における深さ方向の構造を示す概略断面図である。
【図15】従来の光変調器の変調領域における深さ方向の亜鉛濃度分布の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 半絶縁性InP基板、2、3 n型InPクラッド層、4 吸収層、5 アンドープ層、6、6a、6b p型InPクラッド層、7 p型InGaAsコンタクト層、8 絶縁体層、9 p型側電極、10 導波路メサ、12 低損失導波路部、14 変調領域、16 電極材、18 n型側電極、20 光変調器(導波路型半導体光デバイス)、22 低損失導波路、24 アンドープ層、26 マスク、51 半絶縁性InP基板、52、53 n型InPクラッド層、54 吸収層、55 アンドープ層、56 p型InPクラッド層、57 p型InGaAsコンタクト層
Claims (6)
- 半絶縁性基板上に、n型クラッド層、i型吸収層及びp型クラッド層とからなるpin型接合構造を形成した導波路型半導体光デバイスであって、前記i型吸収層における不純物濃度が1016cm−3以下であることを特徴とする導波路型半導体光デバイス。
- 前記p型クラッド層は、亜鉛より拡散係数が小さいp型不純物を含有することを特徴とする請求項1に記載の導波路型半導体光デバイス。
- 前記p型クラッド層におけるp型不純物は、ベリリウムであることを特徴とする請求項1に記載の導波路型半導体光デバイス。
- 前記p型クラッド層は、
第1のp型不純物を含有する第1のp型クラッド層と、
前記第1のp型クラッド層と前記i型吸収層との間に設けられ、前記第1のp型不純物より拡散係数が大きい第2のp型不純物を含有する第2のp型クラッド層と
を有することを特徴とする請求項1に記載の導波路型半導体光デバイス。 - 半絶縁性基板上にn型クラッド層、i型吸収層及びp型クラッド層とからなるpin型接合構造を形成した導波路型半導体光デバイスの製造方法であって、前記p型クラッド層に含有させるp型不純物として、亜鉛より拡散係数の小さいp型不純物を用い、有機金属気相成長法によって作製することを特徴とする導波路型半導体光デバイスの製造方法。
- 前記p型不純物としてベリリウムを用い、有機金属気相成長法におけるベリリウムの原料として、ビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム、ビスシクロペンタジエニルベリリウム、ジメチルベリリウム及びジエチルベリリウムの群から選ばれる少なくとも一種の原料を用いることを特徴とする請求項5に記載の導波路型半導体光デバイスの製造方法。
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