JP2004109090A - アスファルトの分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アスファルテン、並びにマルテン中の飽和分、芳香族分及びレジンを精度よく迅速に定量できるアスファルトの分析方法を提供する。
【解決手段】トルエンに対するアスファルテンの濃度が1.2%(質量/容量)以下の割合になるようにアスファルトをトルエンに溶解させた後、トルエンに対して15容量倍以上のn−ヘプタンを混合し、平均粒子径2μm以下のアスファルテン粒子を析出させ、該アスファルテン粒子を秤量する。また、アスファルトから分離したマルテン分を、活性アルミナゲルを充填した分取型高速液体クロマトグラフ用カラムに添加し、分取型高速液体クロマトグラフ法によりn−ヘプタンで飽和分を溶出、乾燥し、次いでトルエンで芳香族分を溶出、乾燥し、さらにメタノール、トルエン、メタノールの順でレジンを溶出、乾燥し、各成分を秤量する。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアスファルト中のアスファルテンの定量方法、マルテン中の飽和分、芳香族分及びレジンの定量方法、及びアスファルト中のアスファルテン、飽和分、芳香族分及びレジンの定量方法に関し、特に、高濃度のアスファルテンを含有するアスファルト中のアスファルテン、飽和分、芳香族分及びレジンを迅速に定量できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アスファルト中のアスファルテン、飽和分、芳香族分及びレジンを測定する方法としては、石油学会規格(JPI−5S−22−83)の方法(以下、石油学会法という。)が知られている。
この石油学会法は、アスファルトの試料をn−ヘプタンに溶かし、目の細かいろ紙でろ過してから、ろ紙をn−ヘプタンで熱還流してマルテンを抽出し、ろ紙上のアスファルテンはトルエンで抽出分離して、トルエン抽出液に含まれるアスファルテンを定量し、一方、アスファルテンを除去して得られたマルテンのn−ヘプタン溶液はアルミナカラムクロマトグラフに吸着させた後、n−ヘプタン、トルエン及びメタノール−トルエンで順次展開溶出させ、それぞれ飽和分、芳香族分及びレジン分として分離し定量する方法である。
また、アスファルト中のアスファルテンの定量方法ではないが、常圧残油、減圧残油、水素化分解油、熱分解油、シェールオイル及びタールサンド等の重質油中のアスファルテンの定量方法として、特公平5−28778号公告公報が知られている。この方法は、0.3〜5gの試料油を0.3〜5mlの少量のトルエンに溶解し、約80℃に加温された100mlのn−ヘプタンを加えてアスファルテン粒子を析出させ、析出したアスファルテン粒子を分散させた状態の試料溶液を使用して、800nmと675nmの2波長の吸光度を測定して、この吸光度から関係式により試料油のアスファルテン濃度を求める方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記石油学会法は、測定に要する時間が19時間であり、このうち実作業に要する時間も7時間もかかり、迅速に測定することができないという問題があった。また、石油学会法では、アスファルテン濃度が高い場合には、試料のアスファルトが固いので、予め細かく砕いておくことが必要であり、操作が煩雑になる問題があった。
また、特公平5−28778号公告公報の方法は、試料油を溶解するためのトルエンの使用量が少なく、しかも試料油が比較的アスファルテン濃度の低い重質油等が対象であるため、この方法におけるアスファルト析出工程をそのまま石油学会法のアスファルテンの分離工程に適用して、アスファルテン粒子をろ別して秤量すると、他の成分がアスファルテン粒子に含まれることがあり、精度よく定量できない場合がある。また、特公平5−28778号公告公報の方法は、析出したアスファルテン粒子を分散させた状態の試料溶液の吸光度を測定し、関係式からアスファルテン濃度を測定するものであるため、ブローンアスファルト等のようにアスファルテン粒子の光学密度が異なる場合には、その都度関係式の確認が必要となる場合がある。
このため、アスファルト中のアスファルテン、飽和分、芳香族分及びレジンを迅速に定量できる方法が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような状況下、本発明者らは、上述のような観点から鋭意研究を重ねた結果、トルエンに対するアスファルテンの濃度が1.2%(質量/容量)以下の割合になるようにアスファルトをトルエンに溶解させた後、トルエンに対して15容量倍以上のn−ヘプタンを混合し、平均粒子径2μm以下のアスファルテン粒子を析出させ、該アスファルテン粒子を秤量することにより、精度よく迅速にアスファルテンを定量でき、また、アスファルトから分離したマルテン分を、活性アルミナゲルを充填した分取型高速液体クロマトグラフ用カラムに添加し、分取型高速液体クロマトグラフ法によりn−ヘプタンで飽和分を溶出、乾燥し、次いでトルエンで芳香族分を溶出、乾燥し、さらにメタノール、トルエン、メタノールの順でレジンを溶出、乾燥し、各成分を秤量することにより、マルテン中の飽和分、芳香族分及びレジンを精度よく迅速に定量できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、トルエンに対するアスファルテンの濃度が1.2%(質量/容量)以下の割合になるようにアスファルトをトルエンに溶解させた後、トルエンに対して15容量倍以上のn−ヘプタンを混合し、平均粒子径2μm以下のアスファルテン粒子を析出させ、該アスファルテン粒子を秤量することを特徴とするアスファルト中のアスファルテン分の定量方法を提供するものである。
また、本発明は、アスファルトから分離したマルテン分を、活性アルミナゲルを充填した分取型高速液体クロマトグラフ用カラムに添加し、分取型高速液体クロマトグラフ法によりn−ヘプタンで飽和分を溶出、乾燥し、次いでトルエンで芳香族分を溶出、乾燥し、さらにメタノール、トルエン、メタノールの順でレジンを溶出、乾燥し、各成分を秤量することを特徴とするマルテン中の飽和分、芳香族分及びレジンの定量方法を提供するものである。
さらに、本発明は、トルエンに対するアスファルテンの濃度が1.2%(質量/容量)以下の割合になるようにアスファルトをトルエンに溶解させた後、トルエンに対して15容量倍以上のn−ヘプタンを混合し、平均粒子径2μm以下のアスファルテン粒子を析出させ、該アスファルテン粒子を秤量し、一方、該アスファルテン粒子を除去して得られたマルテン分含有n−ヘプタン溶液のn−ヘプタンを除去して得られるマルテンを使用して、請求項2に記載の方法でマルテン中の飽和分、芳香族分及びレジンの定量することを特徴とするアスファルト中のアスファルテン、飽和分、芳香族分及びレジンの定量方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
本発明において、分析されるアスファルトとしては、ストレートアスファルト、ブローンアスファルトなどの種々のアスファルトが使用できる。特に、ブローンアスファルトが好適に適用できる。また、アスファルテン濃度が16質量%以上のアスファルトに好適に適用でき、さらに、アスファルテン濃度が20質量%以上、好ましくはアスファルテン濃度が22質量%以上のアスファルトにより好適に適用できる。
ここで、アスファルテンは、アスファルトに含まれる成分のうち、トルエンに可溶で、温n−ヘプタンに不溶な物質である。
本発明において、アスファルテンの定量の手順は、最初に、トルエンに対するアスファルテンの濃度が1.2%(質量/容量)以下の割合になるようにアスファルトをトルエンに溶解させる。
【0007】
アスファルトの使用量は、通常1.0〜3.0gであるが、好ましくは1.5〜2.5gであり、特に好ましくは2g程度である。トルエンの使用量は、アスファルテンの濃度が1.2%(質量/容量)以下、好ましくは0.1〜1.22%(質量/容量)以下になるように、選定される。取扱い易さから、トルエンの使用量は、30mL以上が好ましく、40mL以上が特に好ましい。
アスファルトのトルエンへの溶解温度は、特に制限ないが、通常室温付近であればよい。
なお、トルエンに不溶な物質がある場合は、ろ別により除去すればよい。
次ぎに、アスファルトのトルエン溶液に温n−ヘプタンを混合し、アスファルテン粒子を析出させる。温n−ヘプタンの温度は、60〜90℃が好ましく、75〜90℃がより好ましく、80〜85℃が特に好ましい。温n−ヘプタンの混合量は、トルエンに対して15容量倍以上であり、20容量倍以上が好ましく、25容量倍以上が特に好ましい。温n−ヘプタンの混合量の上限は、特に制限ないが、多過ぎると析出したアスファルテン粒子のろ別に要する時間が長くなるので、取扱い易さを考慮して2000mL以下が好ましく、1500mL以下が特に好ましい。この操作により、アスファルテンの細粒子化と分離を迅速かつ容易に行うことができ、マルテン分との分離もし易くなる。
【0008】
温n−ヘプタン混合後は、20℃以上、好ましくは25℃以上で30分間以上放置することが好ましい。放置温度の上限は、特に制限ないが、扱い易さを考慮すると、40℃以下が好ましい。放置温度が低いと、ワックスが析出し、アスファルテン、飽和分の定量の誤差要因となる。また、放置時間が短いと、アスファルテン粒子が十分に析出しないためアスファルテンの定量の誤差要因となる。放置時間の上限は、120分間以下が好ましい。120分間以上放置すると、もともと試料中に含まれていたアスファルテン以外に、酸化反応などが原因で新たなアスファルテンが発生することがあり、測定誤差の原因となることがある。
析出するアスファルテン粒子の平均粒径は、2μm以下であり、好ましくは1μm以下である。
析出したアスファルテン粒子は、ろ過により分別し、乾燥してアスファルテン分とする。アスファルテン分は、秤量により測定する。ろ過に使用するろ過器としては、種々のフィルターが使用できるが、例えば、メンブランフィルターが好ましい。
【0009】
次ぎに、マルテンの分析方法について説明する。
マルテンは、アスファルトに含まれる成分のうち、n−ヘプタン可溶な成分である。
まず、アスファルトから分離したマルテン分を、活性アルミナゲルを充填した分取型高速液体クロマトグラフ用カラムに添加する。試料として分析されるマルテンは、アスファルトから分離したものが使用されるが、例えば、上記アスファルテン粒子を除いたろ液からn−ヘプタン及びトルエンを蒸発除去し、必要に応じて少量のn−ヘプタンに再び溶解させたものが使用できる。n−ヘプタン及びトルエンの蒸発除去には、ロータリーエバポレータを使用することが好ましい。本発明においては、高速液体クロマトグラフ法を利用するので、加圧下での溶出が可能となり、各成分の分離時間を短縮できる上、電磁弁及びポンプの動作を自動操作することにより展開溶媒の切り替えや各成分の分取を自動化できる。さらに、展開溶媒の流速が変化せず、気泡が発生しないため、展開溶媒の切替時における分離バンドの乱れを防止することができる。
【0010】
分取型高速液体クロマトグラフ用カラムとしては、適宜選定すればよいが、通常は内径20mm程度、長さ250mm程度のステンレス製カラムが使用される。
次ぎに、分取型高速液体クロマトグラフ用カラムに添加、吸着されたマルテンは、n−ヘプタンをポンプにより送液して飽和分を展開溶出させる。n−ヘプタンの送液流速は、適宜選定すればよいが、通常4mL/min程度が好ましい。n−ヘプタンの送液流速をこの程度に低くすることにより、カラムに装着されているフィルターの目詰まりによる圧力上昇を防止することができる。n−ヘプタンの送液時間は適宜選定すればよいが、通常60〜80分間が好ましく、65〜75分間が特に好ましい。
【0011】
次ぎに、n−ヘプタンとトルエンの混合液をポンプにより送液する。トルエンの混合比は徐々に増加するようにし、最終的にはトルエンが100%になるようにする。また、n−ヘプタンとトルエンの混合液の送液流速は、適宜選定すればよいが、前記n−ヘプタンの送液流速よりも30〜70%速くすることが好ましく、40〜60%速くすることが特に好ましく、通常6mL/min程度が好ましい。前の展開溶媒に対して次ぎの展開溶媒の混合割合を徐々に増加させて、次ぎの展開溶媒を100%までにする時間をグラジエント時間というが、n−ヘプタンとトルエンの混合液のグラジエント時間は、10〜15分間が好ましく、12分間程度が特に好ましい。グラジエントにおける次ぎの展開溶媒の混合比の増加率は一定にすることが好ましい。
次ぎに、トルエンをポンプにより送液して芳香族分を展開溶出させる。トルエンの送液流速は、適宜選定すればよいが、通常6mL/min程度が好ましい。トルエンの送液時間は適宜選定すればよいが、通常30〜50分間が好ましく、35〜45分間が特に好ましい。
【0012】
次ぎに、メタノールの混合比を徐々に増加するようにトルエンとメタノールの混合液をポンプにより送液し、メタノールが100%になるようにする。メタノールの混合比を徐々に増加するトルエンとメタノールの混合液のグラジエント時間は、15〜20分間が好ましく、18分間程度が特に好ましい。そして、メタノールが100%になった時点でトルエンの混合比を徐々に増加するように送液し、トルエンが100%になるようにする。トルエンの混合比を徐々に増加するメタノールとトルエンの混合液のグラジエント時間は、5〜15分間が好ましく、10分間程度が特に好ましい。さらに、トルエンが100%になった時点で、トルエンを2〜6分間ポンプより送液し、次いで、メタノールの混合比を徐々に増加するようにトルエンとメタノールの混合液を送液し、メタノールが100%になるようにする。メタノールの混合比を徐々に増加するトルエンとメタノールの混合液のグラジエント時間は、8〜12分間が好ましく、10分間程度が特に好ましい。このメタノール、トルエン、メタノールの展開溶媒によりレジンを展開溶出する。メタノール、トルエン及びこれらの混合物の送液流速は、適宜選定すればよいが、通常6mL/min程度が好ましい。
上記の方法で展開溶出した飽和分を含む溶液、芳香族分を含む溶液、レジンを含む溶液は、それぞれフラクションコレクターに捕集し、各溶液ごとに溶媒を除去し、乾燥し、飽和分、芳香族分及びレジンを秤量する。
【0013】
【実施例】
以下に本発明の内容を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
【0014】
(実施例1)
図1に示す手順により、アスファルト中のアスファルテン濃度を測定した。すなわち、石油学会法でのアスファルテン分の含有量測定値が24.4質量%であるブローンアスファルト2gを100mLのビーカーに採り、トルエン50mLを加えて、ブローンアスファルトをトルエンに溶解させた。次ぎに、ブローンアスファルトのトルエン溶液を三角フラスコに入っている80℃のn−ヘプタン1000mLに混合して、30秒間振り混ぜて、室温(25℃)まで60分間放置し、冷却したところ、アスファルテン粒子が析出した。25〜40℃の間での放置時間は45分間であった。析出したアスファルテン粒子は平均粒径が1μmであった。次ぎに、アスファルテン粒子が析出したn−ヘプタン溶液をメンブランフィルター(細孔径0.8μm、直径90mm)に注ぎ、吸引ろ過しながらアスファルテン粒子をろ別した。メンブランフィルターを吸引ろ過装置から外し、乾燥して、メンブランフィルターを秤量して、アスファルテン粒子の質量を測定した。この操作を6回行い、アスファルテン濃度の平均値、標準偏差、変動係数を求めた。その結果を表1に示す。また、各作業の所要時間及び拘束時間を表2に示す。一方、アスファルテン粒子を取り除いたろ液は、エバポレータによりn−ヘプタン及びトルエンを除去し、マルテンを得た。
【0015】
(実施例2)
カラム底にフィルターを取り付けた内径20mm、長さ250mmのステンレス製のカラムに、活性アルミナゲル(和光純薬(株)製、カラムクロマトグラム用活性アルミナ(200メッシュ))を充填し、カラムの上端にフィルターを取り付けた。次いで、このカラムを図2に示した分取型高速液体クロマトグラフ装置の恒温槽に取り付け、50℃に加温した。図1に示す手順により、マルテン中の飽和分、芳香族分及びレジンの濃度を測定した。すなわち、実施例1で得られたマルテンを少量のn−ヘプタンに溶解させた溶液をポンプを作動して、カラムに送液し、マルテンをカラム内の活性アルミナゲルに吸着させた。
次ぎに、図3に示した展開溶媒の送液プログラムに従って、展開溶出した。つまり、n−ヘプタンを4mL/minの流速で68分間ポンプによりカラムに送液し、展開溶出し、次いで68分から80分まで、トルエンの混合比を一定割合で徐々に増加し、最終的にトルエンの混合割合が100%になるようにn−ヘプタンとトルエンの混合液を6mL/minの流速でポンプよりカラムに送液した(グラジエント時間:12分間)。そして、80分から117分までトルエンを6mL/minの流速でポンプよりカラムに送液した。
【0016】
次ぎに、117分から135分までメタノールの混合比を徐々に増加するようにトルエンとメタノールの混合液をポンプにより送液し、メタノールが100%になるようにした(グラジエント時間:18分間)。そして、135分から145分までトルエンの混合比を徐々に増加するように送液し、トルエンが100%になるようにする(グラジエント時間:10分間)。145分から149分までトルエンを送液し、さらに、149分から159分までメタノールの混合比を徐々に増加するようにトルエンとメタノールの混合液を送液し、メタノールが100%になるようにした(グラジエント時間:10分間)。最後に、159分から175分までメタノールをポンプよりカラムに送液した。なお、展開溶出液を回収するフラクションコレクタは、0〜78分が飽和分の含有液、78〜127分が芳香族分の含有液、127〜175分がレジンの含有液として切り替えた。各成分の含有液は、それぞれ溶媒をエバポレータにより蒸発除去させ、乾燥して秤量し、飽和分、芳香族分及びレジンの質量を測定した。飽和分、芳香族分及びレジン濃度の平均値、標準偏差、変動係数を求めた。その結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
Figure 2004109090
【0018】
(比較例1)
石油学会規格(JPI−5S−22−83)に記載されている石油学会法により、アスファルテン、飽和分、芳香族分及びレジンの濃度を測定した。すなわち、実施例1で使用したブローンアスファルト2gを300mLのフラスコに採り、これに60mLのn−ヘプタンを加え、抽出装置にセットした後、マントルヒーターで加熱し、1時間還流煮沸した。冷却後、2時間暗所で放置した。この試料溶液をろ紙を装着したろ斗によりろ過して、n−ヘプタンに不溶の残留分とn−ヘプタン溶液とに分別した。次ぎに、ろ紙上の残留分を抽出器に入れて、n−ヘプタンを還流させて、残留分を洗浄し、さらに、n−ヘプタン溶液を取り除き、代わって60mLのトルエンで還流抽出して、アスファルテンの溶解したトルエン溶液を得た。そして、トルエン溶液からトルエンを蒸発除去し、アスファルテンを得て、乾燥し、秤量した。
【0019】
上記還流抽出で得られた2つのn−ヘプタン溶液を合わせてマルテン溶液とし、このマルテン溶液をロータリーエバポレータにより30mLまで濃縮し、クロマトグラフィー用の試料溶液を得た。
一方、内径20mm、長さ250mmのステンレス製のカラムに、活性アルミナゲル(和光純薬(株)製、カラムクロマトグラム用活性アルミナ(200メッシュ))を充填した。次いで、このオープンカラムを恒温槽に取り付け、50℃に加温した。そして、上記クロマトグラフィー用の試料溶液をカラムに入れて吸着させた。次いで、n−ヘプタン300mLをオープンカラムに流し、展開溶出し飽和分を含有する溶液を得て、その後、トルエン300mLをオープンカラムに流し、展開溶出し芳香族分を含有する溶液を得て、最後に、メタノール80mL、トルエン80mL、メタノール100mLを順次流して、レジンを含有する溶液を得た。各溶液の溶媒をエバポレーターにより蒸発除去して、飽和分、芳香族分及びレジンの各成分を秤量した。
上記方法によるアスファルトの測定結果は、アスファルテンが24.4質量%、飽和分が29.6質量%、芳香族分が26.9質量%、レジンが18.2質量%であった。
【0020】
【表2】
Figure 2004109090
注)
拘束時間は、所要時間のうち、実作業に係る時間を意味する。
【0021】
【発明の効果】
本発明によるアスファルトの分析方法によると、アスファルテン、並びにマルテン中の飽和分、芳香族分及びレジンを精度よく迅速に定量できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アスファルト中のアスファルテン、飽和分、芳香族分及びレジンの分析手順を示した概略図である。
【図2】マルテン中の飽和分、芳香族分及びレジンを分析するために使用する分取型高速液体クロマトグラフ装置の概略図である。
【図3】本発明の実施例2における分取型高速液体クロマトグラフ法での展開溶媒の送液プログラムである。

Claims (3)

  1. トルエンに対するアスファルテンの濃度が1.2%(質量/容量)以下の割合になるようにアスファルトをトルエンに溶解させた後、トルエンに対して15容量倍以上のn−ヘプタンを混合し、平均粒子径2μm以下のアスファルテン粒子を析出させ、該アスファルテン粒子を秤量することを特徴とするアスファルト中のアスファルテン分の定量方法。
  2. アスファルトから分離したマルテン分を、活性アルミナゲルを充填した分取型高速液体クロマトグラフ用カラムに添加し、分取型高速液体クロマトグラフ法によりn−ヘプタンで飽和分を溶出、乾燥し、次いでトルエンで芳香族分を溶出、乾燥し、さらにメタノール、トルエン、メタノールの順でレジンを溶出、乾燥し、各成分を秤量することを特徴とするマルテン中の飽和分、芳香族分及びレジンの定量方法。
  3. トルエンに対するアスファルテンの濃度が1.2%(質量/容量)以下の割合になるようにアスファルトをトルエンに溶解させた後、トルエンに対して15容量倍以上のn−ヘプタンを混合し、平均粒子径2μm以下のアスファルテン粒子を析出させ、該アスファルテン粒子を秤量し、一方、該アスファルテン粒子を除去して得られたマルテン分含有n−ヘプタン溶液のn−ヘプタンを除去して得られるマルテンを使用して、請求項2に記載の方法でマルテン中の飽和分、芳香族分及びレジンの定量することを特徴とするアスファルト中のアスファルテン、飽和分、芳香族分及びレジンの定量方法。
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