JP2004108477A - ボールねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外周面に螺旋状のねじ溝2を有するねじ軸3と、該ねじ溝2に対応するねじ溝4を内周面に有してねじ軸3に螺合されるナット6と、前記両ねじ溝2,4間に形成される負荷軌道に転動可能に装填された多数の転動体5とを備え、油撹拌潤滑中で使用されるボールねじ装置において、ナット6に、該ナット6内に連通する油導入穴14を設ける。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のエンジン内、トランスミッション内、デフケース内等の油撹拌潤滑中で使用されるボールねじ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のボールねじ装置としては、例えば図4に示すものが知られている。このボールねじ装置1は、外周面に螺旋状のねじ溝2を有する比較的短尺なねじ軸3に、内周面にねじ溝2に対応する螺旋状のねじ溝4を有するナット6が遊嵌されている。
【0003】
ナット6のねじ溝4とねじ軸3のねじ溝2とは互いに対向して両者の間に螺旋状の負荷軌道を形成しており、該負荷軌道には転動体としての多数のボール5が転動可能に装填されている。そして、ねじ軸3の回転により、ナット6がボール5の転動を介して軸方向に移動して該ナット6に取り付けたレバー等を介して駆動対象に駆動力を伝達するようになっている。
【0004】
なお、図のようにボール循環式のボールねじ装置の場合は、例えばナット6の外周面の一部を平坦面にしてこの平坦面に両ねじ溝2,4に連通する2個一組の孔7をねじ軸3を跨ぐように形成し、この一組の孔7にボール循環部材の一例としての略コ字状の循環チューブ8の両端を嵌め込むことにより、両ねじ溝2,4間の負荷軌道に沿って公転するボール5を該負荷軌道の途中から循環チューブ8で掬い上げて元の負荷軌道に戻し、これにより、ボール5を無限循環させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車のエンジン内、トランスミッション内、デフケース内等の油撹拌潤滑中で使用されるボールねじ装置においては、上述したようにねじ軸3が比較的短尺にされてストロークがナット6の長さより短い場合や、ナット6の一方の端部が袋状になっている場合が多く、このため、ナット6内に十分な油を供給させることが難しいという問題がある。
【0006】
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、油撹拌潤滑中で使用する場合にナット内に十分な油を供給することができるボールねじ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のねじ溝に対応するねじ溝を内周面に有して前記ねじ軸に遊嵌されるナットと、前記両ねじ溝間に形成される負荷軌道に転動可能に装填された多数の転動体とを備え、油撹拌潤滑中で使用されるボールねじ装置において、
前記ナットに、該ナット内に連通する油導入穴及び油排出穴の内の少なくとも一方の穴を設けたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態の一例であるボールねじ装置を油撹拌潤滑が行われるハウジング内に配置した状態を示す説明図、図2は図1のボールねじ装置の断面図、図3は本発明の他の実施の形態であるボールねじ装置を油撹拌潤滑が行われるハウジング内に配置した状態を示す説明図である。なお、各実施の形態共に、図4で説明した従来のボールねじ装置と重複する部分については各図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0009】
本発明の実施の形態の一例であるボールねじ装置10は、図1に示すように、自動車のエンジン、トランスミッション、デファレンシャルギア等のハウジングH内に配設されて油撹拌潤滑中で使用されるものであり、ねじ軸3の両端部が転がり軸受11(右端側は図示せず)を介してハウジングHに支持されると共に、ねじ軸3の右端側の軸端がカップリング(図示せず)等を介してモータ12の回転軸に接続されている。
【0010】
そして、モータ12の回転軸を正逆方向に回転駆動することにより、ねじ軸3の正逆方向の回転により、ナット6がボール5の転動を介して軸方向に往復移動し、これにより、ナット6に取り付けたレバー13等を介して駆動対象に駆動力が伝達される。
ここで、この実施の形態では、図2に示すように、ナット6の外周面の上側中央部に該ナット6内に連通する二つの油導入穴14を軸方向に互いに離間して形成している。この油導入穴14は、ナット6内に油が入りやすいように該ナット6の外周面側の油の入口部がテーパ状に形成されている。なお、この二つの油導入穴14からナット6内に供給された油はナット6の両端側で該ナット6とねじ軸3との間のすき間から排出されるようになっている。
【0011】
また、ナット6の二つの油導入穴14に対向するハウジングHの上壁内面にはリブ15が突出形成されており、ハウジングHの内壁に付着した油が該内壁に沿って流れてこのリブ15から二つの油導入穴14に滴下するように構成されている。
このようにこの実施の形態では、ナット6のストロークが非常に短くてナット6内部の油が不足しやすい、油撹拌潤滑中で使用されるボールねじ装置に対して、ナット6に設けた油導入穴14からナット6内に十分な油を供給することができる。
【0012】
また、ハウジングHの内壁に沿って流れる油が該ハウジングHの内壁に設けたリブ15を介して二つの油導入穴14に滴下するように構成しているため、ナット6内への油の供給をより効果的に行うことができる。
なお、本発明のボールねじ装置は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0013】
例えば、図3に示すように、ナット6の左端部にフランジ結合された該被駆動体20を介して駆動対象にナット6の駆動力を伝達するようにしたボールねじ装置に本発明を適用してもよい。
この場合、ナット6の左端開口が閉じた空間になって該ナット6の左端側の油が不足することになるが、ナット6の外周部の上側中央部にナット6に連通する油導入穴14を形成すると共に、ナット6の外周部の下側中央部にナット6内に連通する油排出穴21を形成することで、上記実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、図において符号11はねじ軸3の右端側の支持する転がり軸受、22はねじ軸3の右端側の軸端とモータ12の回転軸12aとを接続するカップリングである。
【0014】
また、上記実施の形態では、ナット6に油導入穴14を設けた場合を例に採ったが、ナット6に油排出穴のみを設けるようにしてもよい。
更に、上記実施の形態では、循環チューブ式のボールねじ装置に本発明を適用した場合を例に採ったが、これに代えて、エンドキャップ式やこま式のボールねじ装置に本発明を適用してもよく、更に、非循環式のボールねじ装置に本発明を適用してもよい。
【0015】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、ナットに前記両ねじ溝間に連通する油導入穴及び油排出穴の内の少なくとも一方の穴を設けているので、ナットのストロークが非常に短くてナット内部の油が不足しやすい、油撹拌潤滑中で使用されるボールねじ装置に対して、ナット内に十分な油を供給することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例であるボールねじ装置を油撹拌潤滑が行われるハウジング内に配置した状態を示す説明図である。
【図2】図1のボールねじ装置の断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態であるボールねじ装置を油撹拌潤滑が行われるハウジング内に配置した状態を示す説明図である。
【図4】油撹拌潤滑中で使用される従来のボールねじ装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2…ねじ溝(ねじ軸側)
3…ねじ軸
4…ねじ溝(ナット側)
5…ボール(転動体)
6…ナット
8…循環チューブ(ボール循環部材)
10…ボールねじ装置
14…油導入穴
15…リブ
21…油排出穴
H…ハウジング
Claims (1)
- 外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のねじ溝に対応するねじ溝を内周面に有して前記ねじ軸に螺合されるナットと、前記両ねじ溝間に形成される負荷軌道に転動可能に装填された多数の転動体とを備え、油撹拌潤滑中で使用されるボールねじ装置において、
前記ナットに、該ナット内に連通する油導入穴及び油排出穴の内の少なくとも一方の穴を設けたことを特徴とするボールねじ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-09-18 JP JP2002271409A patent/JP4380131B2/ja not_active Expired - Fee Related
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