JP2004106819A - ルーフ開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動パネル22の下方にあって、可動パネル22を支持する支持機構部50の前側に配置して、支持機構部50を空気の流れに対して遮蔽する遮蔽板70を備えるようにした。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ルーフに設けられた開口部を開閉する、可動パネルを有するルーフ開閉装置に関し、特に広い開口部にしても風切り音が少なくできるように構成されたルーフ開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特に広い開口部を実現するように構成されたルーフ開閉装置の例としては、例えば特開平7−144541号公報がある。この実施例のルーフ開閉装置では、複数の可動パネルを備え、開口部の後方に位置する可動パネルから順に、その後端部を持ち上げて傾斜させ、更に後方に移動させて開口部を開くように構成されている。このように、所謂チルト作動させてチルトアップ状態にしてから、可動パネルを順に後方に移動することによって広い開口部を得ることができる装置となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように構成し、大きな広い開口部を実現するようにしたルーフ開閉装置では、開口部を開いた状態で走行すると、ルーフ上を流れる空気が開口部から入り易くなる。特に、開口部を開放するように、チルトアップ状態にして後退させた可動パネルの先端部に空気が強く当たるようになる。そして、可動パネルを作動させるため、可動パネル下側に配置される支持機構部に対しても強く当たって、大きな風切り音を発生させ、静粛性を損なう問題が生じる。本発明の課題は、この大きな風切り音の発生を抑える構成を実現することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明で講じた技術的な第1の手段は、ルーフに設けられた開口部を開閉する可動パネルと、前記可動パネルを前記開口部に対して開閉作動させる駆動装置を備えるルーフ開閉装置において、
前記可動パネルの下方にあって、前記可動パネルを支持する支持機構部の前側に配置して、前記支持機構部を空気の流れに対して遮蔽する遮蔽板を備えるようにしたことである。
【0005】
この構成によって、開口部から車室方向に巻き込まれる空気の流れは遮蔽板によって、支持機構部へ当たることが防がれる。
【0006】
更に本発明で講じた技術的な第2の手段は、上記第1の手段に加えて、前記遮蔽板を、前記可動パネルの開閉作動と連動して、前記可動パネルが閉位置にあるときは倒れ状態に、前記可動パネルが開位置にあるとき起立状態に移動可能に支持するように構成したことである。
【0007】
この構成によって、遮蔽板は、開口にから車室方向に巻き込まれる空気の流れを遮蔽するための必要な幅が確保される。
【0008】
更に本発明で講じた技術的な第3の手段は、上記第1の手段に加えて、前記遮蔽板を前記可動パネルに装着される縁材の部分で構成したことである。
【0009】
この構成によって、遮蔽板を可動パネルと一体的に成形可能となって安価に製作できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を用いて、本発明の第1実施例に関るルーフ開閉装置1について説明する。
【0011】
図1の(a)から(c)に示されるように、本発明に係るルーフ開閉装置1は、車両のルーフ10に設けられた開口部11を広く開放できるようにして、乗員により開放感を与えることができるようにする装置である。このために、開口部11には、車両の前側(図1(a)の左方側)から順に、第1、第2、第3可動パネル21、22、23の複数の可動パネルが移動可能に配置される構成となっている。
【0012】
図1(a)に示されるように、ルーフ開閉装置1は、各可動パネル21、22、23が開口部11を閉じた状態から、図1(b)に示すように、第1可動パネル21のみ、その後端部を持ち上げるように開放する、所謂チルト作動によってチルトアップさせた状態にして、例えば運転者が喫煙したときなどに煙を部分的に換気できる構成となっている。更に、図1(b)の状態から、図1(c)示されるように、第2、第3可動パネル22、23をもチルトアップさせて、そしてルーフ10の後方へスライド移動させて、開口部11を広く開放することができる構成である。
【0013】
図1(a)に簡略的に示されるように、ルーフ開閉装置1は、開口部11の前方部に配置される駆動機構31と、駆動機構31から延びて開口部11の左右に配置される1対の駆動ケーブル32a、32bとからなる駆動装置30を備えている。開口部11の左右には一対のガイドレール3が前後方向に平行に延びて配置され、駆動ケーブル32a、32bによって、第2、第3可動パネル22、23を前後方向に移動可能に支持している。そして、駆動装置30の作動によって、複数の可動パネル21、22、23を開閉できる構成となっている。
【0014】
図1(c)に示されるように、各可動パネルを全開状態にして、開口部11を広く開放した状態で車両が走行すると、ルーフ10の上を空気は、記号f1、f2、f3で示されるように流れる。即ち、チルトアップした第1可動パネル21によって、空気は先ずf1のように上方に導かれる。第1可動パネル21の上端を通過後、空気の流れはf2のように緩やかに下方に向かう。開口部11が狭い場合は、空気の流れは車室に入らずに、第2可動パネル22に導かれ、f3に示されるように再び上方に向かう。しかしながら、開口部11が広く開かれた場合は、空気の流れf2は第2可動パネル22の先端部分に強く当たり、更には第2可動パネル22の下方に配置される第2支持機構50(図2)に対して強く当たり、風切り音を発生させるようになる。本発明は、風切り音発生を防止するために、第2支持機構50(図2)の前方を覆う、遮蔽板70を備えるように構成している。
【0015】
図2、図3、図4に示すように、第1可動パネル21の下方には、第1可動パネル21の後端部を上下動させて開閉する、所謂チルト作動させるように車両に支持する第1支持機構40が取付けられる。第2および第3可動パネル22、23の下には、第3可動パネル22、23をチルト作動と共に前後方向に移動可能にするために、第2支持機構50および第3支持機構60と駆動支持機構58が配置される。
【0016】
図2は、各可動パネル21、22、23が共に閉じた状態、即ち図1(a)に示される状態での機構部の状態を示す。図2に示されるように、第2支持機構50の前側には遮蔽装置7が配置されている。遮蔽装置7は、車両の幅方向に概略可動パネルの幅と同等の寸法をもって延びる遮蔽板70を備えている。遮蔽板70は板状に成形され、図2の状態では概略前後方向に水平になる、所謂倒れ状態で可動パネルの下側に格納される。また遮蔽板70の後面には、後方に延びる上側アーム73と下側アーム74が設けられている。
【0017】
第2支持機構50は、ガイドレール3によって前後方向に移動可能に支持されているスライドブラケット54を備えている。スライドブラケット54は連結部55に結合可能となる連結機構(図示せず)を介して駆動ケーブル32(図1)の連結部33に連結され、駆動される。スライドブラケット54には前方が上がるように傾斜して前後に延びるガイド穴53が形成されている。
【0018】
第2可動パネル22の下面には、支持リンク51が固定される。支持リンク51の先端部にはピン56が固定され、ピン56は、ガイド穴53に嵌っている。ガイド穴53に沿ってピン56は移動可能に、且つ回転自在にスライドブラケット54に支持されている。
【0019】
支持リンク51のピン56の上側近くに長穴52が形成され、長穴52に遮蔽板70の上側アーム73後端に固定されたピン71が係合されている。一方スライドブラケット54の前端部には、ピン72で遮蔽板70の下側アーム74の後端が回転可能に支持されている。
【0020】
以上のように構成されたルーフ開閉装置1について、以下に作動を説明する。
【0021】
図3は、図1(b)の第1可動パネル21のみが、第1支持機構40の作動によってチルトアップした状態から、図1(c)の開口部11が広く開かれる状態に移行する、中間の状態を示している。即ち、第2及び第3可動パネル22、23は、第2支持機構50および第3支持機構60と駆動支持部58の作用で夫々後端部が持ち上げられるチルトアップした状態となっている。
【0022】
第2可動パネル22のチルトアップ作動過程では、支持リンク51の先端部のピン56は、前方が高く形成されたガイド穴53に沿って、その後端部から前端部へと移動する。この移動に伴い第2可動パネル22の前端部も、後端部よりは少ないが持ち上げられる。このとき、支持リンク51は、図3における反時計方向の回転し、支持リンク51に形成された長穴52と上側アーム73のピン71の係合によって、遮蔽板70はピン72周りに回転させられる。そして、図3に示されるように、遮蔽板70は第2支持機構50の前面を遮蔽するように起立した状態になる。
【0023】
図3の状態から、第2及び3可動パネルは22、23後方に移動して、図1(c)に示されるように広く開口部を開放する、全開の状態となる。このとき、図4に示すように、第2可動パネル22の前方下端部は、遮蔽板70で第2支持機構50に空気の流れf2が当たらないように遮蔽され、第2可動パネル22の先端部に強く当たって、第2可動パネル22の下方に回り込む空気の流れを防止し、また第2支持機構50と当たって風切り音が発生するのを防止する。
【0024】
以上の実施例1の構成では、図4の状態で遮蔽板70は、概略上下に延びる形状としているが、下端部を更に車室ない方向に伸ばし、且つ空気の流れf2を上方に導くように傾斜させて構成してもよい。
【0025】
各可動パネル21、22、23を閉じて、再び図1(a)の全閉状態へは、上記過程を逆に辿って作動する。
【0026】
次に、図5、図6及び図7に基づいて、本発明に係わる実施例2の構成と作動を説明する。
【0027】
図5に示されるように、各可動パネル21、22、23は樹脂材料で成形接着された縁材171を備えている。そして、第2可動パネル22の下端の左右部分には下方に延びる遮蔽板170を形成することによって、ルーフの駆動機構の収容部への空気の流れが規制され風切音を大きく低減することができる。そして、図7に示すように、第2可動パネル22がチルトアップし、且つ開口するように後方にスライドしたときに第2支持機構50に当る空気の流れf2を遮蔽して、風切り音が発生するのを防止する。また、第2可動パネル22が閉じた状態では、図6に示されるように第1可動パネル21の下に収納される。
【0028】
この第1の実施例では、遮蔽板170を展開、格納するために機構部品を必要としないために安価に作成できる利点がある。また遮蔽板170は、左右の第2支持機構50部分を遮蔽することによって、風切り音を大幅に低減できるために、図5に示されるように縁材172の車両の幅中央部分には遮蔽板170を設けにように形成して軽量にしているが、勿論、幅中央部分にも遮蔽板170を延長して設けて、車室への空気の流れを制御するように利用しても良い。
【0029】
尚、上記では、可動パネルがルーフ上にチルトアップして後方にスライド作動する構成のルーフ開閉装置について説明したが、本発明の構成はこの構成には限定されず、可動パネルが後方にスライド作動するときにルーフの下方に下がる既存のルーフ開閉装置にも応用可能であることは明らかである。
【0030】
【発明の効果】
本発明の構成によって、広い開口部を実現するルーフ開閉装置においても、風切り音が減少され、静粛性が確保されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るルーフ開閉装置の作動説明図で、(a)は全閉状態、(b)は最前部の可動パネルのみがチルトアップした状態、(c)各可動パネルが開口部を全開した状態を示す。
【図2】本発明の第1実施例に係るルーフ開閉装置の全閉状態の側面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るルーフ開閉装置において、各可動パネルがチルトアップした状態の側面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係るルーフ開閉装置において、全開した状態の側面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るルーフ開閉装置の、開放状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施例に係るルーフ開閉装置の、閉状態を示す車両幅中央での断面図である。
【図7】本発明の第2実施例に係るルーフ開閉装置の、開放状態を示す車両幅中央での断面図である。
【符号の説明】
5 駆動装置
10 ルーフ
11 開口部
22 可動パネル(第2可動パネル)
70、170 遮蔽板
171 縁材
Claims (3)
- ルーフに設けられた開口部を開閉する可動パネルと、
前記可動パネルを前記開口部に対して開閉作動させる駆動装置を備えるルーフ開閉装置において、
前記可動パネルの下方にあって、前記可動パネルを支持する支持機構部の前側に配置して、前記支持機構部を空気の流れに対して遮蔽する遮蔽板を備えることを特徴とするルーフ開閉装置。 - 前記遮蔽板を、前記可動パネルの開閉作動と連動して、前記可動パネルが閉位置にあるときは倒れ状態に、前記可動パネルが開位置にあるとき起立状態に移動可能に支持するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のルーフ開閉装置。
- 前記遮蔽板を、前記可動パネルに装着される縁材の部分で構成したことを特徴とする請求項1に記載のルーフ開閉装置。
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- 2003-01-29 JP JP2003020632A patent/JP4122985B2/ja not_active Expired - Fee Related
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