JP2004106687A - 人力三輪自転車 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は前進方向だけでなく後退方向に駆動することができるようにした人力三輪自転車を提供することにある。
【解決手段】車体1と、この車体に回転可能に設けられた1つの前輪15及び一対の後輪31と、上記車体に利用者が上肢によって操作可能に設けられその操作によって上記前輪又は後輪を上記車体が前進する方向にだけ回転駆動するハンドル23と、上記後輪に設けられこの後輪を利用者が上肢によって回転させることを可能とするハンドリム35とを具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】車体1と、この車体に回転可能に設けられた1つの前輪15及び一対の後輪31と、上記車体に利用者が上肢によって操作可能に設けられその操作によって上記前輪又は後輪を上記車体が前進する方向にだけ回転駆動するハンドル23と、上記後輪に設けられこの後輪を利用者が上肢によって回転させることを可能とするハンドリム35とを具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は車体に1つの前輪と一対の後輪が設けられた人力三輪自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】
人力三輪自転車は、上述したように車体に1つの前輪と一対の後輪とが回転可能に設けられており、上記前輪又は上記後輪のいずれかを駆動手段によって前進方向に回転駆動させることができるようになっている。このような人力三輪自転車は走行時の安定性に優れるため、とくに下肢が不自由な利用者にとって有効な乗り物として注目されている。
【0003】
上記前輪又は後輪を駆動する駆動手段としては、利用者がハンドルポストを上肢によって前後方向に揺動させることで、操作レバーを介して駆動スプロケットを回転させる。上記前輪又は後輪のどちらかの駆動輪には従動スプロケットが一体的に設けられ、この従動スプロケットと上記駆動スプロケットとの間にはチェーンが張設されている。
【0004】
したがって、上記ハンドルポストを前後方向に揺動させれば、上記チェーンによって上記駆動輪を前進方向に回転させることができるため、車体が前進することになる。このような従来例はたとえば特許文献1に示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−37585号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の人力三輪自転車は駆動手段によって前進方向に走行させることは可能であるものの、後退方向への走行はできないようになっている。その理由は、前進走行時にハンドルの揺動を停止したとき、駆動輪の回転が急停止すると利用者が衝撃を受けることになる。そのため、一般的に人力三輪自転車の駆動構造は、ハンドルポストの揺動を停止したときに、ラチェット構造によって上記駆動輪が車軸に対して空回転する構造になっている。
【0007】
しかしながら、ハンドルポストの揺動を停止したときに駆動輪を空回転させるようにすると、上記駆動輪を後退方向に回転駆動することができなくなる。そのため、人力三輪自転車を後退させるためには、利用者が降車して後退方向に押したり、降車せずに足先を接地し、その足先の力を利用して後退方向へ走行させるなどのことを行なわなければならないため、使い勝手が悪く、不便であるということがある。とくに、下肢の不自由な利用者の場合、降車することが容易でないばかりか、足先に力を入れて後退させることができないこともある。
【0008】
この発明は、降車したり、足先を利用せずに、容易に後退させることができるようにした人力三輪自転車を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車体と、
この車体に回転可能に設けられた1つの前輪及び一対の後輪と、
上記車体に利用者が上肢によって操作可能に設けられその操作によって上記前輪又は後輪を上記車体が前進する方向にだけ回転駆動する駆動手段と、
上記後輪に設けられこの後輪を利用者が上肢によって回転させることを可能とするハンドリムルと、
を具備したことを特徴とする人力三輪自転車にある。
【0010】
請求項2の発明は、上記ハンドリムは、リング状部と、このリング状部から側方に突出した連結部とからなり、上記連結部を上記後輪にねじ止め固定してこの後輪の外側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の人力三輪自転車にある。
【0011】
請求項3の発明は、上記駆動手段は、車体に揺動可能に設けられたハンドルと、このハンドルの揺動に連動して回転する駆動スプロケットと、上記前輪と一体的に設けられ上記駆動スプロケットの回転にチェーンを介して連動することで上記前輪を回転させる従動スプロケットと、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の人力三輪自転車にある。
【0012】
この発明によれば、後輪にハンドリムを設けたため、乗車した利用者はハンドリムに手を掛けて後輪を所望する方向に回転させることができるため、降車したり、足先を使うなどせずに後退させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1乃至図5はこの発明の第1の実施の形態を示し、図1乃至図3に示すこの発明の人力三輪自転車は車体1を備えている。この車体1は前端側が上方に向かって屈曲したビーム2を有し、このビーム2の前端には筒状軸受3が下端をやや前方に傾斜させて取付けられている。上記ビーム2の後端には、両端がビーム2に連結された中途部よりもわずかに上方に位置するよう湾曲した取付けアーム4が取付けられている。
【0015】
上記ビーム2の後端部には支柱5が立設され、この支柱5の上端には背凭れ6及び肘掛け7を有する座席シート8が設けられている。さらに、上記ビーム2の中途部には上記座席シート8に着座した利用者が脚を載せる脚載せ部材10が設けられている。
【0016】
上記筒状軸受3には縦軸9が回転可能かつ上下方向に移動不能に挿通支持されている。この縦軸9の上端には第1の軸受11が軸線をほぼ水平にして固定されている。縦軸9の上記筒状軸受3から下方に突出した下端部はフォーク状の一対のサポート12(一方のみ図示)が形成されている。各サポート12の下端には第1のブラケット13が設けられている。
【0017】
各第1のブラケット13には第2のブラケット14が固定されている。所定間隔で離間した一対の第2のブラケット14(一方のみ図示)の間には前輪15が設けられ、この前輪15は上記第2のブラケット14に図1に示す車軸16によって回転可能に支持されている。
【0018】
一対の第2のブラケット14間には、一側面に従動スプロケット15aが設けられた前輪15を挟んで一対のステム17の下端が固定されている。一対のステム17の上端には図2に示すように第2の軸受18が軸線をほぼ水平にして設けられている。
【0019】
上記第2の軸受18には駆動スプロケット19が回転可能に支持されている。
この駆動スプロケット19と上記従動スプロケット15aとの間にはチェーン21が無端状に張設されている。
【0020】
上記第1の軸受11には一対の駆動アーム22の下端部がそれぞれ回転可能に支持されている。一対の駆動アーム22の上端にはハンドル23が取付けられている。一対の駆動アーム22とハンドル23とには、三角錐の3つの稜線を形成する形状の連結杆24の3つの端部がそれぞれ固着されている。この連結杆24の頂部には従動アーム25の一端が回動可能に連結されている。
【0021】
上記従動アーム25の他端はクランク26の一端に枢着されている。このクランク26の他端は、上記駆動スプロケット19を上記第2の軸受18に回転可能に支持した支軸27に取付け固定されている。
【0022】
それによって、上記ハンドル23を図1に矢印Aで示す方向に往復動させると、従動アーム25によってクランク26を介して駆動スプロケット19が矢印Bで示す時計方向に回転させることができる。この駆動スプロケット19の回転はチェーン21を介して従動スプロケット15aに伝達される。したがって、従動スプロケット15aに一体的に設けられた前輪15を矢印Cで示す前進方向に回転させることができる。
【0023】
なお、図示しないが、上記従動スプロケット15aにはラチェット構造のフリーホイールが設けられている。それによって、上記従動スプロケット15aは矢印Cで示す前進方向には前輪15を回転させるが、逆の回転方向に対しては前輪15を従動スプロケット15aに対して空回転させるようになっている。また、ハンドル2の両端には図3に示すブレーキハンドル28が設けられている。なお、ブレーキの詳細構造は省略してある。
【0024】
上記ビーム2の後端に設けられた取付けアーム4の両端にはそれぞれ後輪31が図4に示す車軸32に回転可能に取付けられている。取付けアーム4の両端部が上方に向かって湾曲していることで、一対の後輪31にはキャンバーが付けられている。
【0025】
図4と図5に示すように、上記後輪31はスポーク32aによって補強されたホイール32を有する。このホイール32の外周面にはタイヤ33が取付けられ、このタイヤ33内には図5に示すように圧縮空気が供給されるゴムチューブ34が設けられている。
【0026】
一対の後輪31の外側にはそれぞれハンドリム35が設けられている。このハンドリム35の外形寸法は上記後輪31よりもわずかに小径で、外周面が周方向に沿う凹凸面36aに形成されたリング状部36と、このリング状部36の一側から突設された複数の連結部37とが合成樹脂によって一体成形されてなる。 なお、ハンドリム35はスチールやアルミニウムなどの金属材料によって形成するようにしてもよい。
【0027】
上記リング状部36には、4〜8つの上記連結部37が周方向に所定間隔で設けられている。各連結部37の突出端は上記ホイール32の内面にねじ38によって取付け固定されている。したがって、上記座席シート8に着座した利用者は、上記ハンドリム35を把持して後輪31を回転させることができるようになっている。
【0028】
このような構成の人力三輪自転車は、走行の安全性を確保するため、従動スプロケット15aはラチェット構造のフリーホイールを有するので、前進方向の回転に対しては駆動スプロケット19の回転にチェーン21を介して連動するが、後退方向の回転に対しては空回転する。
【0029】
座席シート8に着座した利用者が人力三輪自転車を後退させたい場合には、後輪31に設けられたハンドリム35を把持し、このハンドリム35を介して後輪31を後退方向に回転させる。つまり、後輪31にハンドリム35を設けたため、座席シート8に着座した利用者は、降車したり、足先を接地させて力を入れるなどのことをせずに、車体1を後退させることができる。
【0030】
そのため、利用者は人力三輪自転車の後退を容易に行なうことができるばかりか、とくに下肢の不自由な利用者にとっては降車したり、足先に力を入れるなどして下肢を使わずに容易に後退させることができるため、非常に便利である。
【0031】
上記ハンドリム35はリング状部36と連結部37とが合成樹脂によって一体成形されている。そのため、ハンドリム35を容易に製作することができる。しかも、リング状部36の外周面を凹凸面36aに形成したので、利用者がリング状部36を把持して後輪31を回転させる際、上記凹凸面36aによって手の平が滑り難いから、ハンドリム35を介して後輪31の回転操作を確実に、しかも比較的容易に行なうことができる。
【0032】
図6はこの発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態は前輪15を回転駆動する駆動手段の構成が上記第1の実施の形態と相違する。なお、第1の実施の形態と同一部分には同一記号を付して説明を省略する。すなわち、この第2の実施の形態では、縦軸9の上端にパイプ材からなる第1の支持部材41と第2の支持部材42とがV字状に設けられている。第1の支持部材41にはハンドホイール43が回転可能に取付けられ、このハンドホイール43の両側面にはハンドル44(一方のみ図示)が設けられている。
【0033】
上記第2の支持部材42には第1のギヤ45と第2のギヤ46とが回転中心を同じにして設けられている。第1のギヤ45と上記ハンドホイール43とには第1のベルト47が張設されている。第2のギヤ46と前輪15に設けられた従動スプロケット15aとには第2のベルト48がデイレイラー49を介して張設されている。なお、デイレイラー49は上記第2の支持部材42に図示しない取付け部材を介して取付けられている。
【0034】
それによって、上記ハンドホイール43をハンドル44によって矢印方向に回転させれば、第1のベルト47を介して第1、第2のギヤ46,46が回転されるから、その回転に第2のベルト48を介して従動スプロケット15aが連動し、この回転に前輪15が前進方向にのみ連動することになる。
【0035】
後輪31には第1の実施の形態と同様、ハンドリム35が設けられている。したがって、上記ハンドリム35を把持して後輪31を回転させれば、車体1を後退方向に走行させることができる。
【0036】
なお、上記第1の実施の形態と第2の実施の形態とでは、駆動手段によって前輪を回転させる構造の人力三輪自転車について説明したが、駆動手段によって前輪に代わり後輪を前進方向にのみ回転駆動する構成であってもよく、そのような構成の人力三輪自転車であっても、後輪にハンドリムを設ければ、利用者は座席シートに着座したままの姿勢で後退方向に走行させることができる。
【0037】
また、ハンドリムの構造としては、リング状部に連結部を設ける代わりに、リング状部に径方向に1つ若しくは複数の補強バーを設け、この補強バーの上記リング状部の径方向中心部に対応する部分を後輪の車軸に取付けるようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、人力三輪自転車の後輪にハンドリムを設け、このハンドリムを把持して後輪を回転させることができるようにした。
【0039】
そのため、人力三輪自転車の車輪を後退方向へ回転駆動することができなくても、利用者は降車したり、足先を使うなどのことをせずに後輪を後退方向に回転させることができるから、操作性の向上を図ることができる。とくに、下肢が不自由な利用者であっても、確実に後退方向に走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す人力三輪自転車の側面図。
【図2】人力三輪自転車の正面図。
【図3】人力三輪自転車の斜視図。
【図4】後輪の斜視図。
【図5】後輪の一部を示す斜視図。
【図6】この発明の第2の実施の形態を示す人力三輪自転車の側面図。
【符号の説明】
1…車体
15…前輪
19…駆動スプロケット
22…駆動アーム
23…ハンドル
21…チェーン
31…後輪
35…ハンドリム
36…リング状部
37…連結部
【発明の属する技術分野】
この発明は車体に1つの前輪と一対の後輪が設けられた人力三輪自転車に関する。
【0002】
【従来の技術】
人力三輪自転車は、上述したように車体に1つの前輪と一対の後輪とが回転可能に設けられており、上記前輪又は上記後輪のいずれかを駆動手段によって前進方向に回転駆動させることができるようになっている。このような人力三輪自転車は走行時の安定性に優れるため、とくに下肢が不自由な利用者にとって有効な乗り物として注目されている。
【0003】
上記前輪又は後輪を駆動する駆動手段としては、利用者がハンドルポストを上肢によって前後方向に揺動させることで、操作レバーを介して駆動スプロケットを回転させる。上記前輪又は後輪のどちらかの駆動輪には従動スプロケットが一体的に設けられ、この従動スプロケットと上記駆動スプロケットとの間にはチェーンが張設されている。
【0004】
したがって、上記ハンドルポストを前後方向に揺動させれば、上記チェーンによって上記駆動輪を前進方向に回転させることができるため、車体が前進することになる。このような従来例はたとえば特許文献1に示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−37585号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の人力三輪自転車は駆動手段によって前進方向に走行させることは可能であるものの、後退方向への走行はできないようになっている。その理由は、前進走行時にハンドルの揺動を停止したとき、駆動輪の回転が急停止すると利用者が衝撃を受けることになる。そのため、一般的に人力三輪自転車の駆動構造は、ハンドルポストの揺動を停止したときに、ラチェット構造によって上記駆動輪が車軸に対して空回転する構造になっている。
【0007】
しかしながら、ハンドルポストの揺動を停止したときに駆動輪を空回転させるようにすると、上記駆動輪を後退方向に回転駆動することができなくなる。そのため、人力三輪自転車を後退させるためには、利用者が降車して後退方向に押したり、降車せずに足先を接地し、その足先の力を利用して後退方向へ走行させるなどのことを行なわなければならないため、使い勝手が悪く、不便であるということがある。とくに、下肢の不自由な利用者の場合、降車することが容易でないばかりか、足先に力を入れて後退させることができないこともある。
【0008】
この発明は、降車したり、足先を利用せずに、容易に後退させることができるようにした人力三輪自転車を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、車体と、
この車体に回転可能に設けられた1つの前輪及び一対の後輪と、
上記車体に利用者が上肢によって操作可能に設けられその操作によって上記前輪又は後輪を上記車体が前進する方向にだけ回転駆動する駆動手段と、
上記後輪に設けられこの後輪を利用者が上肢によって回転させることを可能とするハンドリムルと、
を具備したことを特徴とする人力三輪自転車にある。
【0010】
請求項2の発明は、上記ハンドリムは、リング状部と、このリング状部から側方に突出した連結部とからなり、上記連結部を上記後輪にねじ止め固定してこの後輪の外側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の人力三輪自転車にある。
【0011】
請求項3の発明は、上記駆動手段は、車体に揺動可能に設けられたハンドルと、このハンドルの揺動に連動して回転する駆動スプロケットと、上記前輪と一体的に設けられ上記駆動スプロケットの回転にチェーンを介して連動することで上記前輪を回転させる従動スプロケットと、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の人力三輪自転車にある。
【0012】
この発明によれば、後輪にハンドリムを設けたため、乗車した利用者はハンドリムに手を掛けて後輪を所望する方向に回転させることができるため、降車したり、足先を使うなどせずに後退させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1乃至図5はこの発明の第1の実施の形態を示し、図1乃至図3に示すこの発明の人力三輪自転車は車体1を備えている。この車体1は前端側が上方に向かって屈曲したビーム2を有し、このビーム2の前端には筒状軸受3が下端をやや前方に傾斜させて取付けられている。上記ビーム2の後端には、両端がビーム2に連結された中途部よりもわずかに上方に位置するよう湾曲した取付けアーム4が取付けられている。
【0015】
上記ビーム2の後端部には支柱5が立設され、この支柱5の上端には背凭れ6及び肘掛け7を有する座席シート8が設けられている。さらに、上記ビーム2の中途部には上記座席シート8に着座した利用者が脚を載せる脚載せ部材10が設けられている。
【0016】
上記筒状軸受3には縦軸9が回転可能かつ上下方向に移動不能に挿通支持されている。この縦軸9の上端には第1の軸受11が軸線をほぼ水平にして固定されている。縦軸9の上記筒状軸受3から下方に突出した下端部はフォーク状の一対のサポート12(一方のみ図示)が形成されている。各サポート12の下端には第1のブラケット13が設けられている。
【0017】
各第1のブラケット13には第2のブラケット14が固定されている。所定間隔で離間した一対の第2のブラケット14(一方のみ図示)の間には前輪15が設けられ、この前輪15は上記第2のブラケット14に図1に示す車軸16によって回転可能に支持されている。
【0018】
一対の第2のブラケット14間には、一側面に従動スプロケット15aが設けられた前輪15を挟んで一対のステム17の下端が固定されている。一対のステム17の上端には図2に示すように第2の軸受18が軸線をほぼ水平にして設けられている。
【0019】
上記第2の軸受18には駆動スプロケット19が回転可能に支持されている。
この駆動スプロケット19と上記従動スプロケット15aとの間にはチェーン21が無端状に張設されている。
【0020】
上記第1の軸受11には一対の駆動アーム22の下端部がそれぞれ回転可能に支持されている。一対の駆動アーム22の上端にはハンドル23が取付けられている。一対の駆動アーム22とハンドル23とには、三角錐の3つの稜線を形成する形状の連結杆24の3つの端部がそれぞれ固着されている。この連結杆24の頂部には従動アーム25の一端が回動可能に連結されている。
【0021】
上記従動アーム25の他端はクランク26の一端に枢着されている。このクランク26の他端は、上記駆動スプロケット19を上記第2の軸受18に回転可能に支持した支軸27に取付け固定されている。
【0022】
それによって、上記ハンドル23を図1に矢印Aで示す方向に往復動させると、従動アーム25によってクランク26を介して駆動スプロケット19が矢印Bで示す時計方向に回転させることができる。この駆動スプロケット19の回転はチェーン21を介して従動スプロケット15aに伝達される。したがって、従動スプロケット15aに一体的に設けられた前輪15を矢印Cで示す前進方向に回転させることができる。
【0023】
なお、図示しないが、上記従動スプロケット15aにはラチェット構造のフリーホイールが設けられている。それによって、上記従動スプロケット15aは矢印Cで示す前進方向には前輪15を回転させるが、逆の回転方向に対しては前輪15を従動スプロケット15aに対して空回転させるようになっている。また、ハンドル2の両端には図3に示すブレーキハンドル28が設けられている。なお、ブレーキの詳細構造は省略してある。
【0024】
上記ビーム2の後端に設けられた取付けアーム4の両端にはそれぞれ後輪31が図4に示す車軸32に回転可能に取付けられている。取付けアーム4の両端部が上方に向かって湾曲していることで、一対の後輪31にはキャンバーが付けられている。
【0025】
図4と図5に示すように、上記後輪31はスポーク32aによって補強されたホイール32を有する。このホイール32の外周面にはタイヤ33が取付けられ、このタイヤ33内には図5に示すように圧縮空気が供給されるゴムチューブ34が設けられている。
【0026】
一対の後輪31の外側にはそれぞれハンドリム35が設けられている。このハンドリム35の外形寸法は上記後輪31よりもわずかに小径で、外周面が周方向に沿う凹凸面36aに形成されたリング状部36と、このリング状部36の一側から突設された複数の連結部37とが合成樹脂によって一体成形されてなる。 なお、ハンドリム35はスチールやアルミニウムなどの金属材料によって形成するようにしてもよい。
【0027】
上記リング状部36には、4〜8つの上記連結部37が周方向に所定間隔で設けられている。各連結部37の突出端は上記ホイール32の内面にねじ38によって取付け固定されている。したがって、上記座席シート8に着座した利用者は、上記ハンドリム35を把持して後輪31を回転させることができるようになっている。
【0028】
このような構成の人力三輪自転車は、走行の安全性を確保するため、従動スプロケット15aはラチェット構造のフリーホイールを有するので、前進方向の回転に対しては駆動スプロケット19の回転にチェーン21を介して連動するが、後退方向の回転に対しては空回転する。
【0029】
座席シート8に着座した利用者が人力三輪自転車を後退させたい場合には、後輪31に設けられたハンドリム35を把持し、このハンドリム35を介して後輪31を後退方向に回転させる。つまり、後輪31にハンドリム35を設けたため、座席シート8に着座した利用者は、降車したり、足先を接地させて力を入れるなどのことをせずに、車体1を後退させることができる。
【0030】
そのため、利用者は人力三輪自転車の後退を容易に行なうことができるばかりか、とくに下肢の不自由な利用者にとっては降車したり、足先に力を入れるなどして下肢を使わずに容易に後退させることができるため、非常に便利である。
【0031】
上記ハンドリム35はリング状部36と連結部37とが合成樹脂によって一体成形されている。そのため、ハンドリム35を容易に製作することができる。しかも、リング状部36の外周面を凹凸面36aに形成したので、利用者がリング状部36を把持して後輪31を回転させる際、上記凹凸面36aによって手の平が滑り難いから、ハンドリム35を介して後輪31の回転操作を確実に、しかも比較的容易に行なうことができる。
【0032】
図6はこの発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態は前輪15を回転駆動する駆動手段の構成が上記第1の実施の形態と相違する。なお、第1の実施の形態と同一部分には同一記号を付して説明を省略する。すなわち、この第2の実施の形態では、縦軸9の上端にパイプ材からなる第1の支持部材41と第2の支持部材42とがV字状に設けられている。第1の支持部材41にはハンドホイール43が回転可能に取付けられ、このハンドホイール43の両側面にはハンドル44(一方のみ図示)が設けられている。
【0033】
上記第2の支持部材42には第1のギヤ45と第2のギヤ46とが回転中心を同じにして設けられている。第1のギヤ45と上記ハンドホイール43とには第1のベルト47が張設されている。第2のギヤ46と前輪15に設けられた従動スプロケット15aとには第2のベルト48がデイレイラー49を介して張設されている。なお、デイレイラー49は上記第2の支持部材42に図示しない取付け部材を介して取付けられている。
【0034】
それによって、上記ハンドホイール43をハンドル44によって矢印方向に回転させれば、第1のベルト47を介して第1、第2のギヤ46,46が回転されるから、その回転に第2のベルト48を介して従動スプロケット15aが連動し、この回転に前輪15が前進方向にのみ連動することになる。
【0035】
後輪31には第1の実施の形態と同様、ハンドリム35が設けられている。したがって、上記ハンドリム35を把持して後輪31を回転させれば、車体1を後退方向に走行させることができる。
【0036】
なお、上記第1の実施の形態と第2の実施の形態とでは、駆動手段によって前輪を回転させる構造の人力三輪自転車について説明したが、駆動手段によって前輪に代わり後輪を前進方向にのみ回転駆動する構成であってもよく、そのような構成の人力三輪自転車であっても、後輪にハンドリムを設ければ、利用者は座席シートに着座したままの姿勢で後退方向に走行させることができる。
【0037】
また、ハンドリムの構造としては、リング状部に連結部を設ける代わりに、リング状部に径方向に1つ若しくは複数の補強バーを設け、この補強バーの上記リング状部の径方向中心部に対応する部分を後輪の車軸に取付けるようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、人力三輪自転車の後輪にハンドリムを設け、このハンドリムを把持して後輪を回転させることができるようにした。
【0039】
そのため、人力三輪自転車の車輪を後退方向へ回転駆動することができなくても、利用者は降車したり、足先を使うなどのことをせずに後輪を後退方向に回転させることができるから、操作性の向上を図ることができる。とくに、下肢が不自由な利用者であっても、確実に後退方向に走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す人力三輪自転車の側面図。
【図2】人力三輪自転車の正面図。
【図3】人力三輪自転車の斜視図。
【図4】後輪の斜視図。
【図5】後輪の一部を示す斜視図。
【図6】この発明の第2の実施の形態を示す人力三輪自転車の側面図。
【符号の説明】
1…車体
15…前輪
19…駆動スプロケット
22…駆動アーム
23…ハンドル
21…チェーン
31…後輪
35…ハンドリム
36…リング状部
37…連結部
Claims (3)
- 車体と、
この車体に回転可能に設けられた1つの前輪及び一対の後輪と、
上記車体に利用者が上肢によって操作可能に設けられその操作によって上記前輪又は後輪を上記車体が前進する方向にだけ回転駆動する駆動手段と、
上記後輪に設けられこの後輪を利用者が上肢によって回転させることを可能とするハンドリムと、
を具備したことを特徴とする人力三輪自転車。 - 上記ハンドリムは、リング状部と、このリング状部から側方に突出した連結部とからなり、上記連結部を上記後輪にねじ止め固定してこの後輪の外側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の人力三輪自転車。
- 上記駆動手段は、車体に揺動可能に設けられたハンドルと、このハンドルの揺動に連動して回転する駆動スプロケットと、上記前輪と一体的に設けられ上記駆動スプロケットの回転にチェーンを介して連動することで上記前輪を回転させる従動スプロケットと、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の人力三輪自転車。
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-
2002
- 2002-09-18 JP JP2002271722A patent/JP2004106687A/ja active Pending
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