JP2004105723A - 吸収性製品とその製造方法ならびに吸収性製品の変形部の形成方法 - Google Patents

吸収性製品とその製造方法ならびに吸収性製品の変形部の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 使用者の身体の複雑な3次元形状に好適にフィットして、排出された体液等が外に漏れだすことを防止するために、適切な立体形状を形成して、保持できる吸収性製品を提供すること。
【解決手段】 一方向に長い形状を有しており、液体の透過を防止するバックシートと、身体に接触する面側に配置される液体透過性の表面材28と、前記バックシートと前記表面材との間に配置されて前記表面材を透過した液体を吸収して保持する吸収体23,33とを備えていて、製品の短手方向Tの中央領域において、少なくとも、前記吸収体側に固定され、配置方向に関して収縮する力を付与する弾性体45と、前記弾性体の前記収縮作用が働く領域の近傍において、前記吸収体に形成されたスリット46,46とを有する。
【選択図】    図2

Description

本発明は、たとえば使い捨てのオシメや生理用ナプキン、失禁用パッドなどに適用され、尿などの体液を吸収保持するための吸収性製品および吸収性製品の製造方法に関するものである。
従来、失禁パッドや生理用ナプキン等のような吸収性製品は、一般的には、一方向に長い長方形もしくは長円形に形成したパット体であり、下着の股部に対応した位置において、前後に長さ方向を合わせて装着されることで、使用者が排出した尿や便、経血等の排泄物を受容するようになっている。
 このような吸収性製品は、使用者が装着したときに外面となる箇所には、液体不透過性のシート材が適用され、その内側には尿等の液体を吸収するための吸収材が配置され、さらにその内側で使用者の肌と接触する箇所には、液体を透過するシート材が配置されている。
これにより、排泄物である尿等は、液体を透過するシート材を透過して、吸収材に吸収され、さらに、液体不透過性のシート材により外部にしみ出たりすることが防止される。
ところが、従来の失禁パッド等の吸収性製品は、複雑な凹凸を有する使用者の下半身の形態に、じゅうぶんに追従して接触することができず、このため、使用者の身体との間に隙間を生じて、排泄物がこの隙間等から漏れるという不都合があった。
 特に、広く使用されている失禁パッド等では、その両サイド部分を起立させる所謂、股ギャザー構造や立体ギャザー構造等を採用しているが、これだけでは不十分で、むしろ使用者が立っている状態や寝ている状態などの姿勢変化に応じて、吸収性製品の液体吸収部位が、使用者の局部等に適切にフィットする構造が理想的である。
 このような立体形状を形成するようにした吸収性製品についても種々提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−301097
 しかしながら、このような構造を適用したものは、使用前に折り畳んで包装されたりするうちに、立体形状が損傷したり、使用者が装着しているうちに、立体形状が不十分になるもの等もある。このため、理想的な立体形状を形成保持する吸収性製品がのぞまれていた。
そこで、本発明は、失禁パッド,生理用ナプキン等の吸収性製品において、使用者の身体の複雑な3次元形状に好適にフィットして、排出された体液等が外に漏れだすことを防止するために、適切な立体形状を形成して、保持できる吸収性製品を提供することを目的としている。
 上記目的は、請求項1の発明によれば、一方向に長い形状を有しており、液体の透過を防止するバックシートと、身体に接触する面側に配置される液体透過性の表面材と、前記バックシートと前記表面材との間に配置されて前記表面材を透過した液体を吸収して保持する吸収体とを備えていて、製品の短手方向の中央領域において、少なくとも、前記吸収体側に固定され、配置方向に関して収縮する力を付与する弾性体と、前記弾性体の前記収縮作用が働く領域の近傍において、前記吸収体に形成されたスリットとを有する吸収性製品により、達成される。
請求項1の構成によれば、本発明の吸収性製品は、複数のシート状材料を積層固着して一方向に長い基本形状を有している。前記バックシートは液体の透過を防止する。前記表面材は身体に接触する面側に配置される液体透過性のものである。前記吸収体はバックシートと表面材の間に配置されて表面材を透過した液体を吸収して保持する。
 そして、この発明では、弾性体を用いて使用者の身体の形状に対応した立体形状を形成し、維持するようにされている。すなわち、弾性体は、製品を構成する積層構造のうち、特に吸収体側に固定されることで、主として吸収体に収縮力を作用させて立体形状を作る。この場合、比較的厚みがあり、変形しにくくさらに体液の吸収にともなう影響を受けやすい。吸収体にスリットを形成することで、弾性体の収縮力は、吸収体のスリット部分が曲折するように変形させる変形力として作用するので、立体形状を効果的に形成でき、その形状を維持することができる。特に、製品の短手方向中央領域に弾性体が配置されることにより、使用者の足の付け根の付近における人体の複雑な形状に合わせた形状とすることができる。これにより、身体に動きがあっても、これに追随して変形することができるので、液体等の漏れを確実に防止することができる。
 請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記弾性体が、主として前記長手方向に沿って前記収縮力を作用させるように配置されており、前記スリットが、前記弾性体に対して、製品の短手方向の両側に位置するように、それぞれ設けられていることを特徴とする。
 請求項2の構成によれば、弾性体は製品の長さ方向に沿って配置される。そして、弾性体の両側に配置されたスリットの部分で製品を構成する材料に曲折部を生じ、弾性体の収縮力により、この弾性体が固定された部分が効果的に凸状となる。特に弾性体の外側となる両側にスリットを設けたことで、弾性体に付着されたホットメルト等の接着剤の影響を受けないから、確実に変形を促進することができる。
 請求項3の発明は、請求項2の構成において、前記スリットが、その長さ方向の少なくとも一端側が、前記弾性体から離間するように設けられていることを特徴とする。
 請求項3の構成によれば、スリットが製品の長さ方向に平行ではなく、少なくとも一端側が、前記弾性体から離間するように設けられているので、人体の複雑な形状に対応した形状を構成することができる。また、製造工程において切断用の刃を外周に形成したローラを用いてスリットを形成する場合には、ローラの限られた箇所にだけ力が加わることを回避でき、スリット形成用のローラの損傷を効果的に防止することができる。
 請求項4の発明は、請求項2または3のいずれかの構成において、前記スリットが、前記弾性体の両側にひとつずつ設けられて、互いに対称の形態でなり、各スリットの長さ方向の中央部では互いに近く、中央部から離れるにしたがって互いに離間するように設けられていることを特徴とする。
 請求項4の構成によれば、前記弾性体の収縮力を受けたスリット部分が曲折する際に、変形領域は、弾性体が固定された箇所が突出したゆるやかな曲面となり、このゆるやかな曲面から徐々に下に拡がる形状となることで、弾性体の中央部が突出した形状としやすく、適切な立体形状を形成することができる。
 請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの構成において、前記弾性体が、主として長さ方向に収縮力を作用させる所定幅のフィルム状弾性体であることを特徴とする。
 請求項5の構成によれば、線状のゴム等を弾性体として使用する場合と比較して、弾性体が所定幅を有していることで、吸収性製品を身につけた使用者の肌に対して面状に当接できるので、不必要な刺激を与えず、装着の違和感を低減できる。また、線状のゴム等を弾性体として使用する場合より強い収縮力を発揮することで、固定側である吸収体を変形させる十分な力を付与することができる。
 請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの構成において、前記吸収体が、吸収した液体の液体拡散性が高い第1の吸収体層と、吸収した液体の液体保持性が高い第2の吸収体層を積層して形成されており、前記弾性体が前記第2の吸収体層側に固定されており、かつこの第2の吸収体層に前記スリットが設けられていることを特徴とする。
 請求項6の構成によれば、吸収体が液体の液体拡散性が高い第1の吸収体層と、液体の液体保持性が高い第2の吸収体層の少なくとも2層を備えることで、排泄された液体成分を迅速に吸収して、拡散保持する機能に優れている。そして、第2の吸収体層は、ポリマーシート等で形成された場合には、比較的硬く変形しにくいので、この第2の吸収体層に前記スリットを設けることにより、変形しやすくし、立体形状を確実に形成することができる。
 請求項7の発明は、請求項6の構成において、前記弾性体が設けられた位置に対応して、前記第1の吸収体層に切欠き部が設けられていることを特徴とする。
 請求項7の構成によれば、弾性体の収縮力が作用して変形させる領域に関して、比較的厚みのある第1の吸収体層を切欠き部により除去することによって、立体形状を形成するための変形をより確実に行うことができる。
 また、上記目的は、請求項8の発明にあっては、吸収性製品に着用者の臀部の割れ目に沿って密着する変形部を形成する方法であって、一方向に長い形状を有しており、液体の透過を防止するバックシートと、身体に接触する面側に配置される液体透過性の表面材と、前記バックシートと前記表面材との間に配置されて前記表面材を透過した液体を吸収して保持する吸収体とを備えていて、製品の短手方向の中央領域において、少なくとも、前記吸収体側に固定され、配置方向に関して収縮する力を付与する弾性体と、前記弾性体の前記収縮作用が働く領域の近傍において、前記吸収体に形成されたスリットとを有する吸収性製品に、変形部を形成する方法であって、前記吸収体の幅方向の中央領域に、前記スリットを形成する工程と、前記スリット近傍に、一方向に伸長された前記弾性体を貼り付ける工程とを行って、前記変形部を形成する吸収性製品の変形部の形成方法により、達成される。
 請求項8の構成によれば、予め伸長した弾性体を吸収体に貼り付けることで、吸収体に変形力を付与することができる。しかも吸収体にスリットを形成することによって、弾性体による変形力が応力として集中する箇所を形成することができる。
 請求項9の発明は、請求項8の構成において、前記吸収体に前記スリットを形成する工程の後で、前記弾性体を貼り付けることを特徴とする。
 請求項9の構成によれば、予めスリットを形成することで脆弱部を設け、形成されたスリットの近傍に弾性体を貼り付けることで確実に変形を促すことができると共に、弾性体を切断することを防ぐことができる。
 また、上記目的は、請求項10の発明にあっては、液体透過性の表面材と、液体の透過を防止するバックシートとをそれぞれ供給し、前記表面材と前記バックシートとの間に吸収体を供給してこれらの各材料による各層を一体に固定して形成する吸収性製品の製造方法であって、前記吸収体の幅方向の中央領域に、スリットを形成する工程と、前記スリット近傍に、一方向に伸長された弾性体を貼り付ける工程とを行って、前記変形部を形成する、吸収性製品の製造方法により、達成される。
 請求項10の構成によれば、表面材、吸収体、バックシートを積層、固定することで、表面材から吸収した尿や経血等の成分を吸収体で保持し、バックシートで外側に漏れ出ない構造の吸収性製品を形成することができるが、特に、予め伸長した弾性体を吸収体に貼り付けることで、吸収体に変形力を付与することができる。さらに吸収体にスリットを形成すると、弾性体による変形力が応力として集中する箇所を形成することができ、かくして、着用者の臀部の割れ目に沿って密着する変形部を備えた吸収性製品を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、失禁パッド,生理用ナプキン等の吸収性製品において、使用者の身体の複雑な3次元形状に好適にフィットして、排出された体液等が外に漏れだすことを防止するために、適切な立体形状を形成して、保持できる吸収性製品を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1ないし図4は、本発明の第1の実施形態に係る吸収性製品が示されており、その一例として失禁パッドの構成を示している。この実施形態では、吸収性製品を代表させて失禁パッドに適用した例を説明するが、全体の大きさを多少変えることで、同一の構造にて、生理用ナプキンやオシメにも適用できるものである。ここで、図1は、失禁パッド20を正面から見た概略斜視図であり、図中「前」と表示されている方が装着時に身体の前面側となる(他の図面に関しても同様)。図2は、図1の失禁パッド20の概略平面図であり、図3は図2のA−A線概略断面図、図4は図2のB−B線概略断面図である。
図1に示されているように、失禁パッド20は、前後に長い形状を有している。この失禁パッド20では、図示されているように、後側の端部付近に変形部51を有している。この変形部51は、後述する構造により形成されており、その中心付近が長手方向に延びる突出部51aとされている。これにより、変形部51は、使用者が後述するようにして、失禁パッド20を装着した状態において、使用者の臀部の割れ目に入り込んで、その谷間となっている個所に充填され、隙間を無くす作用がある。
 図1において、この失禁パッド20は、さらに、内側の中央付近には、長手方向にやや長い領域が、凸部47とされており、使用者の局部に適切に当接できるようにされている。凸部47の周囲は溝状のエンボスであるチャネルエンボス部42で区画されている。チャネルエンボス部42の両側方には、それぞれ立体ギャザー部26,26が立ち上がっており、排泄された液体等が側方に漏れようとする場合の障壁とされている。さらに、これら立体ギャザー部26,26の両側方には、股ギャザー部31が設けらていて、使用者の股部に密着し、排泄された液体等が立体ギャザー部26,26から僅かに漏れても、外部に漏れ出ないようにされている。
 図2ないし図4は、上述の各部位を形成するための詳細な構造を示しており、これらの図を参照しながら、失禁パッド20の構造をさらに詳しく説明する。なお、図3及び図4に示される断面は、理解の便宜のため、実際よりも厚みを増大させて示している。
 図3に示されているように、失禁パッド20は、使用者の身体に当接する側から、第1の積層体21と、第2の積層体22の複数の積層体を重ねて固定した構造を有している。
 第1の積層体21は、使用者の身体に接触するセンター表面材28により、ティシュ27で包まれた吸収体である第1の吸収体層23を覆う構造とされている。
 ティッシュ27と第1の吸収体層23は、使用者により排出された液体等を吸収して保持するための部分である。
ティッシュ27は、液体等を吸収する柔らかい材質、たとえばパルプ(バージンパルプ、古紙再生パルプ)、レーヨン、コットン、ケナフ、バガス、シルク、親水処理をした繊維(ポリオレフィン系、ポリエステル、アクリル)などを単一又は複合してシート化したものを用いることができる。
ティッシュ27は、第1の吸収層23を覆って、内容物の一部が漏れたり脱落するのを防ぐためのもので、図3及び図4に示すように、短手方向Tにおける中心からずれた部分で重ねて接合されている。これにより、後述する弾性体45の収縮力を妨げないように配置されることになる。
 第1の吸収体層23は、本実施形態の吸収体の一部を構成するもので、主として、吸収した液体を急速に拡散させた上で保持する性質を備えるものである。第1の吸収体層23は、所謂「マット」材と呼ばれており、たとえばパルプに吸収材であるポリマーを混合したりパルプにポリマーを散布したりして形成するパルプ吸収体もしくはポリマー等が好ましい。ここでパルプは、たとえば木材を機械的または化学的に処理して、抽出したセルロース繊維の集合体であり、比較的繊維どうしの隙間がある状態で、吸収した液体の拡散を促進し、多量のポリマーを保持して、厚み方向の体積を大きくすることで液体の吸収容量を大きくしている。
 センター表面材28は直接使用者の肌に触れるために、肌を必要以上に損なうことなく肌触りの良い点を考慮してこれに適した材料が選択される。センター表面材28は内側のシートもしくはトップシート等とも呼んでおり、液体を透過させ特に速やかに液体成分が透過されるのに適した材質の繊維として、たとえば種々の天然繊維、合成繊維あるいはこれらの組み合わせから選択できる。たとえば合成繊維としては一例としてポリエステルやポリプロピレンのファイバーを素材として液体透過性をよくするように形成した繊維が好ましい。例えば、センター表面材28が不織布で作られる場合には、例えば、湿式不織布(紙、ティッシュ、ハイドロスパン(デクスター社)、ケミカルボンド(又はレジンボンド)、サーマルボンド(エンボス、エアスルー)、エアレイド、スパンレース、スパンボンド、メルトブローン、ニードルパンチ、ステッチボンド、そしてスパンボンドとメルトブローン不織布を複合して作られたSM不織布(スパンボンドとメルトブローンの積層体)、SMS不織布(スパンボンドとメルトブローンとスパンボンドの積層体)等が採用できる。この中ではセンター表面材28の材質としては、特にサーマルボンド、スパンボンド、スパンレースが好ましい。
 また、この実施形態では、好ましくは、使用者の身体と接する側において、センター表面材28と、ティシュ27との間にサブレイヤー24を設けている。サブレイヤー24は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステル等の科学繊維を主に使用することで一体とされた、嵩高(厚みがあり空隙率が高い)な不織布で形成されている。そして、センター表面材28と重ねて、センター表面材28とサブレイヤー24の両方の不織布に、図1で散点状に符号Pで示したような微細なエンボス加工(ピンエンボス)を施したもので拡散シートである。拡散シートを設けることにより、センター表面材28を透過してきた液体を第1の吸収体層23側へ急速に拡散させ、さらに、第1の吸収体層に吸収した液体等が身体側にまわることを防ぐ機能を発揮する。
 第1の積層体21の最下層、すなわち、第2の積層体22との間には、両側縁に沿って2つのサイド表面材29,30を配置して、立体ギャザー部26を設けている。
 すなわち、サイド表面材29,30は、センター表面材28の長手方向L(図2に方向Lを表示)に沿って、センター表面材28の両側に配置されている。センター表面材28が液体を透過させることができるのに対して、サイド表面材29,30は液体の透過を防止する材質で作られている。
サイド表面材29,30の材質としては、たとえばポリオレフィン系不織布あるいはポリエステル系不織布と薄いプラスチックフィルムとを組み合わせたもの、ポリエステル系不織布等とポリエチレンフィルム等を組み合わせたもの、SM不織布、SMS不織布等が採用できる。
左右の立体ギャザー部26,26は、それぞれサイド表面材29,30の少なくとも長手方向の中央部に弾性体15を配置することで形成されている。この弾性体15の弾性収縮能力により、折り返された各サイド表面材29,30の少くとも中央部(袋状の折り返し部分)には、図2に示すように立体ギャザー部26が形成されている。この立体ギャザー部26を形成することにより、使用者の排泄物もしくは液体成分が失禁パッド20の短手方向(図2の長手方向Lと直交する方向)Tに沿って外側に漏れ出さないように使用者の身体に密着して阻止する。
 図3に示す第2の積層体22の構成を説明する。
 第2の積層体22の中心には、第2の吸収体層33が配置されている。この第2の吸収体層33は、第1の吸収体層23を備える第1の積層体21よりも身体から離間した位置となる外側に配置され、第1の吸収体層23で吸収保持しきれなった液体等を吸収し保持する役割を果たすものである。このため、第2の吸収体層33は吸収した液体の保持性が高く、しかも比較的厚みが薄く嵩張らない形態とされている。この第2の吸収体層22としては、たとえばパルプ単体、もしくは必要によりパルプに吸収材であるポリマーを混合したりパルプにポリマーを散布したりして形成するパルプ吸収体が使用できるが、特に、パルプ等によるシート材間にポリマーを高密度に配置してシート状としたポリマーシート等が好ましい。ここでパルプは、たとえば木材を機械的または化学的に処理して、抽出したセルロース繊維の集合体を、例えば、接着剤等を用いてやや稠密に結合させた厚みの薄いものである。このため、第2の吸収体層33は、第1の吸収体層23と比べると、より硬く、剛性があり、型保持性も高いものである。この時、パルプと共に使用される繊維として、PETやPP単独による繊維、または一方を心材として他方で覆った形態とした繊維等による熱融着性繊維を混合したものを使用して、熱融着させてシート材を形成することにより、湿潤時の強度を高めるよう構成しても良い。
 第2の吸収体層33は、ティシュ34で覆い、ポリマー等の散逸が防止されている。そして、その外側にはバックシート39が配置されている。バックシート39は、外側のシート材であり、液体の透過を防止する材質により作られている。バックシート39の材質としては、たとえば薄いプラスチックフィルム、具体的には、ポリエチレンフィルムやポリエチレンラミネート紙等が使用できる。バックシート39は液体は通さないが好ましくは水蒸気を透過させて蒸れを防止でき、ある程度可撓性を備えている材質を選択する。これにより失禁パッド20の内側の内容物(汚物である固形物や尿、血液等)が外側に漏れ出ないようになっている。
 さらに、図3において、ティシュ34と第1の積層体21の各サイド表面材29,30との間には、股ギャザー不織布32,35が固定されている。つまり、股ギャザー不織布32,35は、それぞれ帯状の形態で、製品の両サイドの長手方向Lに沿って配置固定され、これら股ギャザー不織布32,35の間は開口41とされることで、第1の積層体21側からの液体等が、第2の積層体22側へ通過することができるようにされている。なお、図3に示されている開口41の厚さは理解の便宜のため表されているものであり、実際はティッシュ27と第2の吸収体層は接合されている。
 これら股ギャザー不織布32,35の各外側側縁部は、バックシート39の各側縁部と接着されることにより、股ギャザー部31,31とされている。すなわち、各股ギャザー不織布32,35の各外側側縁部とバックシート39の各側縁部との接着部には、それぞれ、例えば、紐状の弾性体15,15を挿通させることにより、立体ギャザー部26と同様に、ギャザー構造とされている。
股ギャザー部31は、立体ギャザー部26と協働して、失禁パッド20の股にあたる短手方向両端部を弾性力で引くことで、使用者の股へのフィット性を高め、使用者の排泄物もしくは液体成分が股部から漏れる事を防ぐ機能を発揮する。
さらに、バックシート39の外面には仮固定用の接着部37を設け、その上にハクリ紙36が貼られている。
これにより、失禁パッド20を使用する時には、このハクリ紙36を剥離して、ずれ防止用接着部37を露出することにより、このずれ防止用接着部37がたとえば下着等の内面に着脱可能に粘着して貼り付くことにより、失禁パッド20がパンツのような下着に対してずれないように固定することができることになる。なお、バックシート39の長手方向Lの中央領域における両端部を更に延伸させて、その下面に接着部を設け、延伸された部分を折り返して下着の外側面に固定するようにした、所謂ウイング部を設けてもよい。
 さらに、本実施形態の失禁パッド20では、図1及び図3に示されているように第1の吸収体層23は、液体の吸収拡散能力が高く、厚みが厚いことから、チャネルエンボス部42で区画された内側の領域が凸部47として、使用者の身体の局部に密着することができるようになっている。これにより、身体の局部に対する隙間をできるだけ形成しないようにして、排出された液体等を横漏れ等させないように、即座に吸収できるようにされている。特に、凸部47は、図1及び図2に示されているように、失禁パッド20の長手方向の中央付近で、縮幅された凹状部47a,47bが設けられ、チャネルエンボス部42も同様の形状とされている。また図2に示されてるように、これに対応して、第2の吸収体層33にも失禁パッド20の長手方向の中央付近で、縮幅された凹状部33a,33bが設けられている。このため、凸部47は、使用者の身体の股部の形状に合うようにされているから、より適切にフィトして、横漏れ等を生じないようにされている。
 また、この構造に対応して、図1及び図3に示されるように、この厚みの厚い第1の吸収体層23を備えた領域の両側部は、立体ギャザー部26,26の内側に位置しており、この立体ギャザー部26,26の起立作用により立ち上げられるサイドバリア部25,25とされている。これにより、立体ギャザー部26,26の上記作用に加えて、これらの内側で、横方向(図2の方向T)に漏れようとする液体等を効果的に吸収することで、さらに効果的に横漏れを阻止することができる。
 また、本実施形態の失禁パッド20では、図2の製品の長手方向Lの一端領域、例えば、図示の場合には、製品の後端部近傍に、上述した変形部51を備えている。変形部51は、図3及び図4に示されているように、失禁パッド20の後端の第2の吸収体層33の端部近傍から、チャネルエンボス部42の付近まで、所定幅で第2の吸収体層33に設けたスリット46,46を含んだ構造とされている。
 第2の吸収体層33に設けられるスリット46,46は、一本でもよいが、好ましくは、図示のように2本設けられる。
 これにより、弾性体45の収縮力を受けたスリット部分46,46が図1に示すように曲折する際に、変形部51は、図4に表れているように、弾性体45が固定された箇所が、上方に突出したゆるやかな曲面51aとなり、このゆるやかな曲面51aから徐々に下に拡がる形状となることで、型くずれしにくい立体形状を形成することができる。
 尚、スリット46,46は、第2の吸収体層33を完全に切断する切れ目である必要はなく、幅の狭い溝状のものや、ミシン目状のもの、その他第2の吸収体層33を完全に切断しない切れ目等で形成してもよい。
 図5は、弾性体45を固定する様子を示している。
 ここで、弾性体45としては、例えば、図示するように、主として長さ方向に収縮力を作用させる所定幅のフィルム状弾性体が適している。
 このフィルム状弾性体45を図示するように、矢印C,Cの方向に張力をかけた状態で、第2の吸収体層33に、ホットメルト等の接着剤を使用して貼ることで固定する。尚、図5は、説明図であり第2の吸収体層33の形状は実際と同一ではない。
 これにより、第2の吸収体層33においては、弾性体45が固定された箇所において、弾性体45は失禁パッド20の長方向Lに関して、矢印D,Dで示す収縮力を作用させ、この力がスリット46,46を上方に折り曲げる変形力として作用する。
 ここで、弾性体45として、ウレタンやポリエチレン、天然ゴム等でなるフィルム状弾性体を使用しているので、線状のゴム等を使用する場合と比較して、このような構造とすることで、失禁パッド20を身につけた使用者の肌に対して、弾性体45が配置された部分が面状に当接できるので、不必要な刺激を与えず、装着の違和感を低減できる。また、線状のゴム等を弾性体として使用する場合より強い収縮力を発揮することで、固定側である第2の吸収体層33吸収体を変形させる十分な力を付与することができる。
 また、スリット46,46は、互いに平行でもよいが、平行なスリットを形成しようとする場合には、製造工程において、図6(a)に示す不都合がある。図6(a)のローラカッターR1では、ローラの外周に互いに平行に配置された刃C1,C1が設けられている。このようなローラカッターR1で第2の吸収体層23をカットしてスリットを形成すると、下の図で示すような平行なスリット16,16が形成される。
 しかしながら、このような加工を続けるとローラカッターR1では、刃C1,C1を設けた一部の特定箇所だけに加工の負荷がかかることから、ローラカッターR1が損傷しやすく、交換の費用がかかるだけでなく、しばしば製造ラインを停止しなければならず、生産効率が悪い。
 これに対して、図6(b)のローラカッターR2では、ローラの外周に互いに接近,離間するように非平行に配置された刃C1,C1が設けられている。このようなローラカッターR2で第2の吸収体層23をカットしてスリットを形成すると、下の図で示すようなスリット46,46が形成される。すなわち、スリット46,46は、失禁パッド20の長さ方向Lに平行ではなく、少なくとも一端側が、スリット46,46の間に配置される弾性体45から離間するように設けられており、特に、この実施形態では、スリット46,46が、弾性体45の両側にひとつずつ設けられて、互いに対称の形態でなり、各スリット46,46の長さ方向の中央部では互いに近く、中央部から離れるにしたがって互いに離間するように、例えば、それぞれ弓型に形成されている。
 これにより、ローラカッターR2では、限られた箇所にだけ力が加わることを回避でき、スリット形成用のローラカッターR2の損傷を効果的に防止することができる。また、このような2本のスリットが弓型に形成された形状とすることで、幅の狭い中央部が突出した形に変形しやすくなり、身体の形状にフィットしやすい。
 そして、このように形成されるスリット46,46は、第2の吸収体層33に形成されている。この第2の吸収体層33は、ポリマーを多く含有するため、液体による影響を受けやすいだけでなく、比較的硬く変形しにくいので、この第2の吸収体層33にスリット46,46を設けることにより、変形しやすくし、立体形状を確実に形成することができる。
 さらに、図2に示すように、弾性体45が設けられた位置に対応して、第1の吸収体層23の後端部に切欠き部43が設けられている。このため、弾性体45の収縮力が作用して変形させる領域に関して、比較的厚みのある第1の吸収体層23を切欠き部43により除去することによって、弾性体45による変形が身体側に向かうことを促し、立体形状を形成するための変形をより確実に行うことができる。
 本実施形態の失禁パッド20は、以上のように構成されており、図7に示すように、下着PAの内側の股部に対応した箇所に、上述した仮固定用の接着部37(図3参照)を利用して変形部51が変形した状態で仮止めされる。尚、図7では、理解の便宜のため、パンツや紙オムツ等でなる下着Pの大きさに対して、失禁パッド20は実際よりも大きく表されている。そして、失禁パッド20は、後端付近に上述した変形部51を有している。この変形部51は、使用者の臀部の割れ目に入り込んで、その谷間となっている個所に充填され、隙間を無くすことができる。
 これにより、使用者は失禁パッド20を装着した状態において、立ち働いたり、あるいは、そのまま就寝しても、臀部の割れ目の個所にて、失禁パッド20との間に隙間がないことから、ここから尿等が漏れ出ることがなく、さらに、変形部51が臀部の割れ目に入り込むため、身体を動かした再のズレやヨレを防ぐことになり、確実に吸収性が発揮され、下着等の着衣を汚す心配がない。そして、変形部51は、上述したような立体形状を適切に形成できると共に、装着状態においても、あるいは製品の携行時においても、その立体形状を損なうことなく維持することができる。
 図8ないし図11は、第1の実施形態の各変形例を示しており、これらの図は、失禁パッド20の後端部付近だけを表している。これらの変形例において、上述した第1の実施形態の説明に用いた符号と同一の符号を付した箇所及び図示を省略した箇所は、第1の実施形態の説明と共通する構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
 図8及び図9にて示した変形例1と変形例2は、それぞれ、第2の吸収体層33に形成されるスリットの他の形成例であり、共に図において下が狭く上が拡がる形態である。
 すなわち、図8の変形例1においては、弾性体45を挟んで両側の位置に設けた各スリット53,54は、下部が一本で、上部が二本に分かれ、その延長方向も上方にいくに従い外側に開くようにされている。上述したようにスリットは、弾性体45の収縮力を受けて、曲折変形する箇所である。この場合、失禁パッド20を装着した使用者の臀部の外形は、下から上に向かって、ほぼ球面のような立体形状をしていることに対応して、各二本のスリット部が曲折することで、変形部51が、その臀部の曲面により適合するように、より立体的な形態に変形できるようにされている。
 図9の変形例2では、弾性体45を挟んで両側の位置に設けた各スリット55,56は、下部が一本で、上部が三本に分かれている。この場合にも、それぞれ三本に分かれたスリット部分が曲折することで、変形部51が、その臀部の曲面により適合するように、より立体的な形態に変形できるようにされている。しかも、三本のスリットは、根元が放射状態で、各先端付近がほぼ平行して斜め方向に向かって傾斜していることから、身体の前後方向の曲面にも適合した形態である。
 図10及び図11に示した変形例3及び変形例4は、共にスリットを失禁パッド20の長さ方向Lと直交する方向でる短手方向Tにそって形成した例を示している。
 図10の変形例3において、弾性体45を挟んで両側の位置に設けた各スリット57,58は、それぞれ図において水平な方向に沿った多数の短いスリットが、失禁パッド20の長手方向に並ぶように形成されている。
 これにより、各スリットが曲折することで、弾性体45の収縮による変形を阻害することなく、身体の前後方向の曲面に、特に適合するようにされている。
 図11の変形例4においては、弾性体45の両側の位置ではなく、弾性体45に重ねるようにして、その両端部が弾性体45よりもそれぞれ突出した形で、水平な方向に沿った多数の短いスリットが、失禁パッド20の長手方向に並ぶように形成されている。スリットは、このように弾性体45にかぶさる位置に設けてもよく、この場合にも変形例3とほぼ同等の作用効果が発揮される。
 図12は、本発明の吸収性製品の第2の実施形態としての失禁パッド60を示している。図12は、第1の実施形態の図2と対応するもので、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の符号を付した箇所は共通する構成であり、作用効果も同じであるから、重複する説明は省略し、相違点のみ説明する。
 図13(a)に示されているように、この実施形態においては、弾性体45に、例えば、ホットメルト等の接着剤62,62を塗布して、図13(b)に示されているように、接着剤が塗られた面を不織布61に貼る。この不織布61を第2の吸収体層33に貼るようにして、弾性体45を第2の吸収体層33側に固定するようにしている。
 図12の符号61で示した箇所に、上述した不織布61が固定されている。
 このような構成としたのは、第1の実施形態のように、第2の吸収体層33に直接、弾性体45を貼ると、弾性体45の収縮力によっては、あるいは、第2の吸収体層33の構造によっては、弾性体45と第2の吸収体層33との接着部が第2の吸収体層33の表面材料を剥がしてしまい、結局、弾性体45が第2の吸収体層33から剥がれてしまう場合があるからである。
 そこで、弾性体45をその収縮力に影響が出ない程度に剛性を弱めた薄い不織布61に貼り、さらに面積の大きな不織布61を第2の吸収体層33に貼ることで、弾性体45の収縮力が第2の吸収体層33の小さな面積に集中して、剥がれやすい表面層を剥がしてしまうことを有効に防止することができる。なお、この不織布61にも、第2の吸収体層33と同じスリットを設けてもよい。また、弾性体45を複数の線状ゴムが平行するように設けて配置したり、収縮力がL方向ではなく、短手方向Tの方向に働くように設けて不織布61を配置してもよい。本実施形態の他の作用効果は、第1の実施形態と同じである。
 また、糸状とされた複数本の弾性体を平行に不織布上に位置するように配置・接着し、弾性体45を不織布と複数の糸状の弾性体によって構成しても良い。
 次に、吸収性製品である失禁パッドの製造方法の実施形態を説明する。
 図14は、例えば図1ないし図4で説明した失禁パッド20を製造する製造工程の一例を示すフローチャートである。
 図において、この製造工程では、上層ユニットと下層ユニットとを別々に形成し、後で重ねて固定するようにしている。ここで上層ユニットと下層ユニットは、図3で説明した第1の積層体21と第2の積層体22とほぼ対応するが、相違する点は第1の積層体21に含まれる立体ギャザー部26の構成が上層ユニットには無く、第2の積層体22側である下層ユニットに含まれる点である。以下の説明は図1ないし図4の構造と付された符号を参照しながら説明する。
 先ず、上層ユニットは、ロール状のパルプ(ST11)を送り出しながら、粉砕し(ST12)、ポリマーを混入させて(ST13)、マット状の形態にして(ST14)、第1の吸収体層23を形成し、ティシュ27で包む(ST15)、これに、所定のロールから帯状のセンター表面材28を供給して(ST16)、サブレイヤー24をカットして重ね(ST17,ST18)、ピンエンボスを穿設した(ST19)後で、これらと上記マット状の材料を一体とする(ST20)。そして、図1に示されている形態にチャネルエンボス42を施す(ST21)。
 下層ユニットは、第2の吸収体層33となる材料を供給し(ST31)、供給の過程でエンボス処理などを行う。そして、これをティシュ34で包む(ST32)。そして、図5で説明したスリットを例えば図6で説明した手法により第2の吸収体層33であるポリマーシートに形成する(ST33)。その後、第2の吸収体層33の外形を図2の点線で示すような形状にカットする(ST34)。
 一方、これとは別にサイドギャザー不織布32となる材料を供給し(ST35)、図3の左右部分に相当するように2分割した(ST36)後で、ST34でカットした上記材料に接着する(ST37)。
 また、これらとは別に、帯状の剥離紙36が、所定のロールから供給され、バックシートに当接する面となる表面側にずれ止めのホットメルト接着剤が塗布され(ST39)て、製品毎の大きさにカットされた(ST40)後で、間欠的にバックシート39に貼り付けられる(ST41)。股ギャザー部31を構成する股ギャザー不織布32,35を送り出し(ST42)、ギャザー部に接着剤を塗布して(ST43)、バックシート39と一体とする。このように股ギャザー部と一体とされたバックシート39が、上記材料である第2の吸収体層33に固定される(ST44)。このように形成した第2の積層体22の部分に、以下のようにして形成する立体ギャザー部26を固定する。
 すなわち、立体ギャザー部26を作るための不織布である帯状のサイド表面材30を供給して(ST46)、図3に示す左右に二分割し(ST47)、これに対して、一方向に長い弾性体15(ST48)に、ホットメルト接着剤を塗布し(ST49)たものを、分割されたそれぞれのサイド表面材30に接着する。そして、これらをST45で外形を形成した第2の吸収体33に接着する(ST50)。
 次に図4の変形部51を形成する。すなわち、一方向に長い弾性体45をロールでテンションを付与しながら繰り出すようにして供給し(ST51)、ホットメルト接着剤を付与されて、例えばリピッチドラム外周に吸着される。次いで、個々の製品に対応してカット(伸長状態で)され、上記リピッチドラムの機能により、図6で形成したスリット46,46の間の空間に適合するように位置決めされて、第2の吸収体層33もしくは図13で説明した不織布61を介して第2の吸収体層33に貼り付けられる(ST52)。
 次いで、上層ユニットと下層ユニットを接着し(ST53)、製品の外周を加熱シール(ST54)して、最後に製品の外形に適合するように外周をカットする(ST55)することで、失禁パッド20が完成する。
 なお、上記製造工程では、ST33でスリットを形成した後で、ST52で、弾性体を貼り付けているが、弾性体の貼り付け工程をスリットの形成より先に設けてもよい。
ところで本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上述の実施の形態の吸収性製品の例として失禁パッドを図示しているが、これに限らず失禁パッド以外の吸収性製品、たとえば女性用生理用品や、オムツ等種々の製品に適用することができる。
 また、上述の実施形態では、層構造の2層の吸収体の例を説明したが、吸収体は単層でも、あるいは2層より多い多層の吸収体で構成してもよい。
 さらに、上述の実施形態では、変形部51を臀部に対応した位置に設けた例を説明したが、長手方向Lにおける中央領域である股間部に変形部51を形成してもよい。
 上述の各実施形態の個別の構成は、必要により省略したり、説明しない他の構成と組み合わせてもよい。
本発明の吸収性製品の第1の実施形態に係る失禁パッドの概略斜視図。 図1の失禁パッドの概略平面図。 図2のA−A線概略断面図。 図2のB−B線概略断面図。 図1の失禁パッドの弾性体の固定方法を示す説明図。 図1の失禁パッドのスリットの形成方法を示す説明図。 図1の失禁パッドの使用方法を示す説明図。 図1の失禁パッドの変形例1を示す要部拡大図。 図1の失禁パッドの変形例2を示す要部拡大図。 図1の失禁パッドの変形例3を示す要部拡大図。 図1の失禁パッドの変形例4を示す要部拡大図。 本発明の吸収性製品の第2の実施形態に係る失禁パッドの概略平面図。 図12の失禁パッドの弾性体を固定する方法を示す説明図。 失禁パッドの製造工程の一例を示すフローチャート。
符号の説明
 20,60・・・失禁パッド(吸収性製品)、21・・・第1の積層体、22・・・第2の積層体、23・・・第1の吸収体層、24・・・サブレイヤー、25,25・・・サイドバリア部、26,26・・・立体ギャザー部、27・・・ティッシュ、28・・・センター表面材、29,30・・・サイド表面材、31,31・・・股ギャザー部、33・・・第2の吸収体層、43・・・切欠き部、46,46・・・スリット、47・・・凸部、51・・・変形部、L・・・失禁パッドの長手方向、T・・・失禁パッドの短手方向。

Claims (10)

  1. 一方向に長い形状を有しており、
     液体の透過を防止するバックシートと、
    身体に接触する面側に配置される液体透過性の表面材と、
    前記バックシートと前記表面材との間に配置されて前記表面材を透過した液体を吸収して保持する吸収体と
    を備えていて、
     製品の短手方向の中央領域において、少なくとも、前記吸収体側に固定され、配置方向に関して収縮する力を付与する弾性体と、
     前記弾性体の前記収縮作用が働く領域の近傍において、前記吸収体に形成されたスリットと
     を有することを特徴とする、吸収性製品。
  2. 前記弾性体が、主として前記長手方向に沿って前記収縮力を作用させるように配置されており、前記スリットが、前記弾性体に対して、製品の短手方向の両側に位置するように、それぞれ設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性製品。
  3. 前記スリットが、その長さ方向の少なくとも一端側が、前記弾性体から離間するように設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の吸収性製品。
  4. 前記スリットが、前記弾性体の両側にひとつずつ設けられて、互いに対称の形態でなり、各スリットの長さ方向の中央部では互いに近く、中央部から離れるにしたがって互いに離間するように設けられていることを特徴とする、請求項2または3のいずれかに記載の吸収性製品。
  5. 前記弾性体が、主として長さ方向に収縮力を作用させる所定幅のフィルム状弾性体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の吸収性製品。
  6. 前記吸収体は、吸収した液体の液体拡散性が高い第1の吸収体層と、吸収した液体の液体保持性が高い第2の吸収体層を積層して形成されており、前記弾性体が前記第2の吸収体層側に固定されており、かつこの第2の吸収体層に前記スリットが設けられていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の吸収性製品。
  7. 前記弾性体が設けられた位置に対応して、前記第1の吸収体層に切欠き部が設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の吸収性製品。
  8. 吸収性製品に着用者の臀部の割れ目に沿って密着する変形部を形成する方法であって、一方向に長い形状を有しており、液体の透過を防止するバックシートと、身体に接触する面側に配置される液体透過性の表面材と、 前記バックシートと前記表面材との間に配置されて前記表面材を透過した液体を吸収して保持する吸収体とを備えていて、製品の短手方向の中央領域において、少なくとも、前記吸収体側に固定され、配置方向に関して収縮する力を付与する弾性体と、前記弾性体の前記収縮作用が働く領域の近傍において、前記吸収体に形成されたスリットとを有する吸収性製品に、変形部を形成する方法であって、
     前記吸収体の幅方向の中央領域に、前記スリットを形成する工程と、前記スリット近傍に、一方向に伸長された前記弾性体を貼り付ける工程とを行って、前記変形部を形成することを特徴とする、吸収性製品の変形部の形成方法。
  9. 前記吸収体に前記スリットを形成する工程の後で、前記弾性体を貼り付けることを特徴とする請求項8に記載の変形部の形成方法。
  10. 液体透過性の表面材と、液体の透過を防止するバックシートとをそれぞれ供給し、
     前記表面材と前記バックシートとの間に吸収体を供給してこれらの各材料による各層を一体に固定して形成する吸収性製品の製造方法であって、
     前記吸収体の幅方向の中央領域に、スリットを形成する工程と、前記スリット近傍に、一方向に伸長された弾性体を貼り付ける工程とを行って、前記変形部を形成することを特徴とする、吸収性製品の製造方法。
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