JP2004105627A - コーヒー供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】グラインド部の刃を取り替えることなく客の要求する味となるようなコーヒー粉の粒度分布を得ることができるコーヒー供給装置を提供する。
【解決手段】コーヒー供給装置1に、グラインド部3の刃の回転数を変更できるように、周波数インバータ8と、この周波数インバータ8の設定を行う操作部4とを設けた。操作部4を操作して周波数インバータ8の周波数を変更することで、グラインド部3の刃の回転数が変更されるから、単位時間当たりでコーヒー豆を挽けば、回転数に応じてコーヒー粉の粒度分布が変更され、従ってグラインド部3の刃を取り替えることなく客の要求する味となるようなコーヒー粉の粒度分布を得ることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】コーヒー供給装置1に、グラインド部3の刃の回転数を変更できるように、周波数インバータ8と、この周波数インバータ8の設定を行う操作部4とを設けた。操作部4を操作して周波数インバータ8の周波数を変更することで、グラインド部3の刃の回転数が変更されるから、単位時間当たりでコーヒー豆を挽けば、回転数に応じてコーヒー粉の粒度分布が変更され、従ってグラインド部3の刃を取り替えることなく客の要求する味となるようなコーヒー粉の粒度分布を得ることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラインド部の刃を取り替えることなく客の要求する味になるようにコーヒー豆を挽き、所望の粒度分布のコーヒー粉を得ることができるコーヒー供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コーヒーは、コーヒー豆の種類、焙煎条件、ドリップの手法、などによって多種多様の味が存在する。一般的に、喫茶店等では、種類の異なる焙煎済みのコーヒー豆をストックして、客の好みに応じて挽いたうえでドリップして提供するようにしている。
【0003】
一方、昨今のコーヒー専門店、いわゆるおいしいコーヒーを安価で提供するような店では、コストを削減するために、予め同じ種類の、極端に言えば一種類の焙煎済みのコーヒー豆を、複数種の所定の粒度分布となるように挽いた(コーヒー豆を挽いた状態を本願ではコーヒー粉という)うえで後述するコーヒー供給装置のホッパーにストックし、コーヒー供給装置によって種類毎に均質なコーヒーを提供できるようにしている。
【0004】
コーヒー供給装置は、複数種のコーヒー粉を各々別に収納し、注文に応じて選択されてコーヒー粉を所定量送り出すホッパーと、このホッパーから送り出されたコーヒー粉を湯でドリップするドリップ部とを有している。
【0005】
なお、一般的に「コーヒーマシン」とは、コーヒー粉をフィルター内で受けてフィルター内に湯を注いで、フィルターから自然落下させてコーヒーを抽出するものを言う。また、フィルターを有した空間にコーヒー粉と湯を挿入し、この空間内に圧力を加えてコーヒーを抽出するものを「エスプレッソマシン」という。本願では、これら「コーヒーマシン」と「エスプレッソマシン」を総括して、「コーヒー供給装置」ということとし、また、コーヒー粉と湯によってコーヒーを抽出することを全て「ドリップ」ということとする。
【0006】
ところがこのような構成のコーヒー供給装置は、予め複数種のコーヒー粉を各々のホッパーに収納しているため、ホッパーの数だけ装置が巨大化すると共に、ある程度の決められた状態の(要するにコーヒー粉の種類だけの)コーヒーしか提供することができず、客の本当の好みに応じたコーヒーを提供することができないといった問題があった。
【0007】
コーヒーの味を変えるには、上記したように様々な条件を変更することで可能であるが、その一つとしてコーヒー粉の粒度分布が変わることでも味が異なるといわれている。一般的に、粒径の大きいコーヒー粉が多い場合は、すっきり、さっぱりした味となり、また、粒径の小さいコーヒー粉が多い場合は、濃く、苦い味になると言われている。
【0008】
上記したような客の好みに応じた粒度分布を得るために、従来、コーヒー供給装置において、焙煎済みのコーヒー豆をホッパーに収納し、客の好みに応じて、つまりコーヒー粉が所定の粒度分布となるようにコーヒー豆を挽くグラインド部を有し、このグラインド部で挽いたコーヒー粉を用いてドリップ部でドリップするように構成したものが知られている。
【0009】
ちなみに、別の場所にストックした粒度分布の異なる複数種のコーヒー粉を客の注文に応じて単一のホッパーに供給するようにしてもよいが、このようにすると、種類によってはコーヒー粉が残って(日数が経過して賞味期限を過ぎて)、コーヒー豆が無駄になる可能性があると共に、変わる客の好みに応じた粒度分布のコーヒー粉を全てストックすること自体不可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のコーヒー供給装置は、客の好みに応じた粒度分布を得るべくコーヒー豆を挽くには、逐一グラインド部の刃を替える必要があり、手間がかかると共に、刃の種類に応じた粒度分布にしかコーヒー豆を挽けないため、客の要求に幅広く対応することができなかった。
【0011】
また、日本では家庭用電源で採用される周波数が50Hzと60Hzであるため、客の要求に応じてグラインド部の刃を取り替えて所定時間で挽いたコーヒー粉は、日本全国一律の装置とマニュアルであるにも拘わらず、上記した周波数の変動でグラインド部の回転数が変わり、その結果コーヒー粉の粒度分布に違いが生じ、味が異なってしまうといった問題があった。
【0012】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、グラインド部の刃を取り替えることなく客の要求する味となるようなコーヒー粉の粒度分布を得ることができるコーヒー供給装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、グラインド部の刃を替えずに、グラインド部の刃の回転数を変更できるように、周波数インバータと、この周波数インバータの設定を行う操作部とを設けたのである。このように、操作部を操作して周波数インバータの周波数を変更することで、グラインド部の回転数が変更されるから、単位時間当たりでコーヒー豆を挽けば、回転数に応じてコーヒー粉の粒度分布が変更され、従ってグラインド部の刃を取り替えることなく客の要求する味となるようなコーヒー粉の粒度分布を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のコーヒー供給装置は、焙煎済みのコーヒー豆を収納したホッパーと、このホッパーから送り出されたコーヒー豆を挽くグラインド部と、このグラインド部で挽いたコーヒー粉をドリップするドリップ部と、を備えたコーヒー供給装置において、グラインド部の刃の回転数を変更する周波数インバータを設けると共に、この周波数インバータの設定操作を行う操作部を設けたものである。
【0015】
コーヒー供給装置において、供給したコーヒーの味を変えるためにコーヒー粉の粒度分布を替えるには、刃の駆動時間又は回転数を一定にして刃自体を替える、刃を一定にして刃の駆動時間又は回転数を変えればよい。ここで、刃自体を替えることは、上記したように手間であり、そのように各種の刃を用意することはコスト的に無駄が多く、供給するコーヒーの低廉化を阻害することになる。
【0016】
刃を一定にして刃の駆動時間を変えた場合、例えば粒径の細かいコーヒー粉が多い粒度分布の種類を提供しようとすると、単純にコーヒーを供給するまでの時間が長くなり、コーヒー供給装置を備えた店においては多くのコーヒーを供給して利益を上げる営業手法を採るので、供給時間が変動することは(特に時間が長くなることは)非常に不利となる。
【0017】
また、本願で前提とするコーヒー供給装置は、ホッパーからコーヒー豆がグラインド部に自然落下するものであるから、グラインド部の刃の駆動時間を長くする又は短くするということは、その分グラインド部へ供給されるコーヒー豆の量が変動することになる。従って1杯のコーヒーに添加されるコーヒー豆の量が変動し、コーヒー豆(粉)の添加量で味が変わってしまい、客の好みに応じた味を出そうとしてコーヒー粉を所定の粒度分布としても意味がない。
【0018】
そこで、本発明では、刃と駆動時間を一定にして回転数を変動させるようにしたのである。このようにすることで、コーヒーが客に供給されるまでの時間が変動することがなく、つまり客にコーヒーが供給されるまでの時間が短くなることはないが長くなることもなく、安定した営業が行える。
【0019】
また、グラインド部にコーヒー豆が自然落下する装置では、刃の駆動時間分だけコーヒー豆が供給されるから、駆動時間を一定とすれば1杯のコーヒーに添加されるコーヒー豆が常に一定量となり、従って添加されるコーヒー豆の量によらず粒度分布によって味を変えることができるのである。
【0020】
グラインド部は、モータによって、60Hzの区域では刃が単位時間当たり1400rpm回転する。50Hzの区域では刃が単位時間当たり1167rpm回転する。このことは、同じ仕様のコーヒー供給装置であっても、50Hz区域と60Hz区域では、粒度分布が異なって味が違うことを意味する。
【0021】
本発明のコーヒー供給装置では、50Hz区域と60Hz区域における粒度分布を一定とするために、周波数の分解能を0.1Hz単位で変更させることができるようにしている。つまり、50Hz区域と60Hz区域とで粒度分布を均一にするには、50Hz区域で10Hz分周波数を高くするか、60Hz区域で10Hz分周波数を低くする設定をすればよい。このようにすることで、日本全国で均一な粒度分布を得ることができる。
【0022】
また、本発明のコーヒー供給装置は、上記構成に加えて、グラインド部の刃の回転数を、周波数インバータにより45Hz〜65Hzの間で変更すれば、装置の仕様上最も適切な周波数帯域で使用することができ、長寿命化が図れると共に制御プログラム等の無駄を無くすことができる。
【0023】
すなわち、上記したように周波数インバータは、操作部において0.1Hzずつの変更が可能である。0.1Hzは、単位時間当たり約2.33rpm回転する。よって45Hzは約1048rpm、65Hzでは約1516rpm回転する。
【0024】
ここで、周波数を45Hzより低くすることが可能であると、誤って45Hzより低い周波数に設定した場合、モータに高負荷がかかり加熱によって損傷する可能性がある。一方、周波数を65Hzより高くすることが可能であると、誤って65Hzより高い周波数に設定した場合、モータが動作しない可能性がある。
【0025】
また、周波数を45Hzより低くして単位時間だけ駆動した場合は、粗い粒度のコーヒー粉の多い粒度分布となり、一方、周波数を65Hzより高くして単位時間だけ駆動した場合は、細かい粒度のコーヒー粉の多い粒度分布となり、いずれにおいても、コーヒーとして商品にならないといった理由から、上記のように設定したのである。
【0026】
さらに、本発明のコーヒー供給装置は、上記した構成に加えて、操作部に、コーヒーの風味に応じて予め固定的に設定された操作ボタンと、回転数の微調整を行うべく周波数の値を変更する微調整ボタンとを備えることで、以下のように迅速に要求に対応することができる。
【0027】
例えば、客から特に要求がなく、所定の風味のコーヒーを普通に供給する場合は、固定的に設定された操作ボタンを操作する。また、所定の風味のコーヒーに対して客から要求があった場合は、微調整ボタンを操作する。このように、操作ボタンと微調整ボタンを操作部に設けることで、1台で客の幅広い要求に的確にかつ迅速に応えることができる。
【0028】
【実施例】
以下に本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明のコーヒー供給装置の外部を概略的に示す。図2は、本発明のコーヒー供給装置の概略構成を示す。図3は、本発明のコーヒー供給装置における操作部の状況を示す。図4は、本発明のコーヒー供給装置のグラインド部における刃を示す。
【0029】
図1において、1は、焙煎済みのコーヒー豆を挽いて、ドリップしてカップにコーヒーを供給するコーヒー供給装置であり、以下の構成とされる。2は、焙煎済みのコーヒー豆を収納したホッパーであり、ホッパー2は、例えば本実施例では2個備え、異なる種類のコーヒー豆を収納している。
【0030】
3は、2個のホッパー2のそれぞれの下部に設けられた開口から自然落下させたコーヒー豆を挽くグラインド部であり、このグラインド部3は、例えば図4に示す刃3Aを備えている。このグラインド部3では、刃3Aを回転させて図示する面でコーヒー豆を挽く。
【0031】
4は、コーヒー供給装置1における正面に設けられた操作部であり、この操作部4は、例えば液晶タッチパネルとされ、画面を指で触って、画面を変えたり、各操作を行う。ここで、タッチパネル4を採用すれば、コーヒー供給装置1において各操作ボタンを点在させることなく集中的に全ての操作が行えるという利点があると共に、例えばホッパー2のコーヒー豆が無くなっている、湯温が低くなっているといった装置状況を表示させることができるといった利点がある。
【0032】
また、操作部4は、本実施例では、例えば図3に示す画面構成とされている。すなわち、図3(a)における画面4Aは操作部4の初期表示を示す。画面4Aにおいては、「ブレンド」、「エスプレッソ」、「スペシャル」といったコーヒーの風味に応じて予め固定的に設定された操作ボタン4a,4b,4cと、これら操作ボタン4a,4b,4cについて予め設定した回転数を変更する操作ボタン4dとが表示される。
【0033】
図3(b)における画面4Aでは、操作ボタン4dが押されたときに、「ブレンド」、「エスプレッソ」、「スペシャル」の各周波数設定をモニタ表示すると共に、表示された各々の周波数について微調整を要するときに押す変更ボタン4e,4f,4gを表示する。
【0034】
図3(c)における画面4Cでは、変更ボタン4e,4f,4gのいずれかが押されたときに、「0」〜「1」のテンキー及び「.」の小数点といった各微調整ボタン4hと、エンターキー4iとを表示する。この画面4Cにおいて、周波数の具体的な数値を微調整ボタン4hで入力し、エンターキー4iを押せば、図3(a)の画面4Aに戻るようになっている。
【0035】
また、本実施例では上記した図3(c)における画面4Cにおいて、各微調整ボタン4hによってグラインド部3の刃の回転数を変更する際、後述する周波数インバータ8の周波数は、45Hz〜65Hzの間で0.1Hz単位でしか変更することができないようになっている。
【0036】
このようにしているので、誤って極端に高い又は低い周波数を設定する可能性はなく、また、グラインド部3の刃3Aを回転駆動させるモータの使用許容範囲内でしか設定を受け付けないから、誤作動や故障を防止することができる。
【0037】
5は、コーヒー供給装置1内に設けられ、例えばグラインド部3で挽いたコーヒー粉を不図示のフィルター内に受けて不図示の注湯部から注がれる湯によりコーヒーをドリップするドリップ部である。6は、ドリップ部5を経たコーヒーをカップCに注ぐ注出部である。
【0038】
図2において、7は、コーヒー供給装置1内に設けられ、装置全体の動作を制御するシーケンサであり、本実施例では、主として操作部4の操作に基づいて後述する周波数インバータ8を制御する状態を示す。8は、コーヒー供給装置1内に設けられ、グラインド部3の単位時間当たりの回転数を変更するために、周波数を変更する周波数インバータであり、本実施例では1台で2つのグラインド部3,3の周波数を変更することができるものを示す。
【0039】
次に本発明のコーヒー供給装置1における動作を説明する。
まず、例えば所定量のコーヒー豆を55Hzで刃3Aを3秒間回転駆動すると、表1に示す粒度分布となる。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示すように、種類Aは粒径の大きいコーヒー粉を意味し、全割合が2.84%であり、種類Bは粒径の普通のコーヒー粉を意味し、全割合が35.68%であり、種類Cは粒径が小さいコーヒー粉を意味し、全割合が61.48%である。そして、この周波数を中心として、上限(65Hz)又は下限(45Hz)に周波数を変更すると、種類A,B,Cは、以下の表2のように粒度分布が変化する。
【0042】
【表2】
【0043】
表2において、種類Aが増加するとコーヒーがすっきり、さっぱりした味となる。種類Aが増加すると共に、種類Bが増加して種類Cが減少するとコーヒーがすっきり、さっぱりしたまま濃い味となり、種類Bが減少して種類Cが増加するとコーヒーが濃くなって非常に苦い味になる。
【0044】
以上の特性を考慮して、客の注文を聞いたときに、例えば「スペシャル」であっても、「通常」という注文であればそのまま操作ボタン4cを押すが、「濃くて苦い味」という注文であれば、次のように操作部4を操作する。
【0045】
まず、画面4Aにおいて操作ボタン4dを押し、画面4Bに表示が切り替わったときに、「スペシャル」の周波数を確認した後に変更ボタン4gを押し、画面4Cに画面が切り替わったときに微調整ボタン4hで例えば周波数を58.5Hzとし、エンターキー4iを押す。
【0046】
画面4Aに戻ってから、「スペシャル」の操作ボタン4cを押すことで、客の好みに応じた味となるように、グラインド部3において設定した周波数で刃3Aが3秒だけ回転し、所定の粒度分布でコーヒー豆が挽かれる。
【0047】
グラインド部3で挽かれたコーヒー粉は、ドリップ部5のフィルター内に送られる。そして、フィルター内に湯を注ぎ、ドリップされたコーヒーが注出部6よりカップCへ供給される。
【0048】
また、本発明のコーヒー供給装置1は、そのマニュアルが日本国内において50Hz区域を基準にしている場合、60Hz区域においては周波数を10Hz分低くした状態を初期設定にしておき、一方、そのマニュアルが日本国内において60Hz区域を基準にしている場合、50Hz区域においては周波数を10Hz分高くした状態を初期設定にしておけば、日本全国どこにおいても均質な味のコーヒーを供給することができる。
【0049】
なお、本発明のコーヒー供給装置1は、周波数自体を変更することでコーヒー粉の粒度分布を変更するようにしているので、特定の粒度分布を得るための周波数をマニュアルで定めておけば、上記したように50Hz区域と60Hz区域とにおいて差が生じることがない。
【0050】
上記した実施例では、固定的に予め設けた操作ボタン4a〜4cが「ブレンド」、「エスプレッソ」、「スペシャル」の3種類であったが、その他のコーヒーの風味を用意しておいてもよく、また、その場合、それぞれのコーヒーの風味において客の好みによって周波数を微調整するようにしてもよい。さらに、微調整ボタン4hは、単純に0.1Hz毎に変更することができる上下ボタンであってもよい。
【0051】
さらに、コーヒー供給装置1において、客と周波数とを関連づけて記憶する記憶部と、例えば客に渡すIDカードを識別する識別部とを備えおくことで、次のような作用効果を得ることも可能である。
【0052】
客のIDカードをコーヒー供給装置1に挿入すると、コーヒー供給装置1は、IDカード内の情報を読み取って客であることを認識し、その後、その客に関連付けて記憶した周波数を読み出し、周波数インバータ8の周波数を変更する。このようにすることで、より迅速かつ確実に客の本当に要求する味となるような粒度分布を得ることができる。
【0053】
また、上記実施例では、一般的に言う「コーヒーマシン」、すなわち湯をフィルターに注いでフィルターから自然落下させてコーヒーを抽出するもので説明したが、湯とコーヒー粉をフィルターを有した空間内に挿入し、該空間内に圧力を加えてコーヒーを抽出する通常「エスプレッソマシン」と言われるものにおいて採用しても上記と同等の作用効果を得られることは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明のコーヒー供給装置は、グラインド部の刃の回転数を変更する周波数インバータを設けると共に、この周波数インバータの設定操作を行う操作部を設けたので、グラインド部の刃を取り替えることなく客の要求する味となるようなコーヒー粉の粒度分布を得ることができ、また、日本全国で均一な粒度分布を得ることができる。
【0055】
また、本発明のコーヒー供給装置は、上記構成に加えて、グラインド部の刃の回転数を、周波数インバータにより45Hz〜65Hzの間で変更するようにしたので、装置の仕様上最も適切な周波数帯域で使用することができ、長寿命化が図れると共に制御プログラム等の無駄を無くすことができる。
【0056】
また、本発明のコーヒー供給装置は、上記した構成に加えて、操作部に、コーヒーの風味に応じて予め固定的に設定された操作ボタンと、回転数の微調整を行うべく周波数の値を変更する微調整ボタンとを備えたので、1台で客の幅広い要求に的確にかつ迅速に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコーヒー供給装置の外観を概略的に示す図である。
【図2】本発明のコーヒー供給装置の操作部と周波数インバータとグラインド部との関係を概略的に示す図である。
【図3】本発明のコーヒー供給装置における操作部の画面構成例であり、(a)は初期の画面、(b)は周波数を確認する画面、(c)は周波数を変更する画面、を各々示す図である。
【図4】本発明のコーヒー供給装置におけるグラインド部の刃を示す。
【符号の説明】
1 コーヒー供給装置
2 ホッパー
3 グラインド部
3A 刃
4 操作部
4a〜4c 操作ボタン
4h 微調整ボタン
5 ドリップ部
8 周波数インバータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラインド部の刃を取り替えることなく客の要求する味になるようにコーヒー豆を挽き、所望の粒度分布のコーヒー粉を得ることができるコーヒー供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コーヒーは、コーヒー豆の種類、焙煎条件、ドリップの手法、などによって多種多様の味が存在する。一般的に、喫茶店等では、種類の異なる焙煎済みのコーヒー豆をストックして、客の好みに応じて挽いたうえでドリップして提供するようにしている。
【0003】
一方、昨今のコーヒー専門店、いわゆるおいしいコーヒーを安価で提供するような店では、コストを削減するために、予め同じ種類の、極端に言えば一種類の焙煎済みのコーヒー豆を、複数種の所定の粒度分布となるように挽いた(コーヒー豆を挽いた状態を本願ではコーヒー粉という)うえで後述するコーヒー供給装置のホッパーにストックし、コーヒー供給装置によって種類毎に均質なコーヒーを提供できるようにしている。
【0004】
コーヒー供給装置は、複数種のコーヒー粉を各々別に収納し、注文に応じて選択されてコーヒー粉を所定量送り出すホッパーと、このホッパーから送り出されたコーヒー粉を湯でドリップするドリップ部とを有している。
【0005】
なお、一般的に「コーヒーマシン」とは、コーヒー粉をフィルター内で受けてフィルター内に湯を注いで、フィルターから自然落下させてコーヒーを抽出するものを言う。また、フィルターを有した空間にコーヒー粉と湯を挿入し、この空間内に圧力を加えてコーヒーを抽出するものを「エスプレッソマシン」という。本願では、これら「コーヒーマシン」と「エスプレッソマシン」を総括して、「コーヒー供給装置」ということとし、また、コーヒー粉と湯によってコーヒーを抽出することを全て「ドリップ」ということとする。
【0006】
ところがこのような構成のコーヒー供給装置は、予め複数種のコーヒー粉を各々のホッパーに収納しているため、ホッパーの数だけ装置が巨大化すると共に、ある程度の決められた状態の(要するにコーヒー粉の種類だけの)コーヒーしか提供することができず、客の本当の好みに応じたコーヒーを提供することができないといった問題があった。
【0007】
コーヒーの味を変えるには、上記したように様々な条件を変更することで可能であるが、その一つとしてコーヒー粉の粒度分布が変わることでも味が異なるといわれている。一般的に、粒径の大きいコーヒー粉が多い場合は、すっきり、さっぱりした味となり、また、粒径の小さいコーヒー粉が多い場合は、濃く、苦い味になると言われている。
【0008】
上記したような客の好みに応じた粒度分布を得るために、従来、コーヒー供給装置において、焙煎済みのコーヒー豆をホッパーに収納し、客の好みに応じて、つまりコーヒー粉が所定の粒度分布となるようにコーヒー豆を挽くグラインド部を有し、このグラインド部で挽いたコーヒー粉を用いてドリップ部でドリップするように構成したものが知られている。
【0009】
ちなみに、別の場所にストックした粒度分布の異なる複数種のコーヒー粉を客の注文に応じて単一のホッパーに供給するようにしてもよいが、このようにすると、種類によってはコーヒー粉が残って(日数が経過して賞味期限を過ぎて)、コーヒー豆が無駄になる可能性があると共に、変わる客の好みに応じた粒度分布のコーヒー粉を全てストックすること自体不可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のコーヒー供給装置は、客の好みに応じた粒度分布を得るべくコーヒー豆を挽くには、逐一グラインド部の刃を替える必要があり、手間がかかると共に、刃の種類に応じた粒度分布にしかコーヒー豆を挽けないため、客の要求に幅広く対応することができなかった。
【0011】
また、日本では家庭用電源で採用される周波数が50Hzと60Hzであるため、客の要求に応じてグラインド部の刃を取り替えて所定時間で挽いたコーヒー粉は、日本全国一律の装置とマニュアルであるにも拘わらず、上記した周波数の変動でグラインド部の回転数が変わり、その結果コーヒー粉の粒度分布に違いが生じ、味が異なってしまうといった問題があった。
【0012】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、グラインド部の刃を取り替えることなく客の要求する味となるようなコーヒー粉の粒度分布を得ることができるコーヒー供給装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、グラインド部の刃を替えずに、グラインド部の刃の回転数を変更できるように、周波数インバータと、この周波数インバータの設定を行う操作部とを設けたのである。このように、操作部を操作して周波数インバータの周波数を変更することで、グラインド部の回転数が変更されるから、単位時間当たりでコーヒー豆を挽けば、回転数に応じてコーヒー粉の粒度分布が変更され、従ってグラインド部の刃を取り替えることなく客の要求する味となるようなコーヒー粉の粒度分布を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のコーヒー供給装置は、焙煎済みのコーヒー豆を収納したホッパーと、このホッパーから送り出されたコーヒー豆を挽くグラインド部と、このグラインド部で挽いたコーヒー粉をドリップするドリップ部と、を備えたコーヒー供給装置において、グラインド部の刃の回転数を変更する周波数インバータを設けると共に、この周波数インバータの設定操作を行う操作部を設けたものである。
【0015】
コーヒー供給装置において、供給したコーヒーの味を変えるためにコーヒー粉の粒度分布を替えるには、刃の駆動時間又は回転数を一定にして刃自体を替える、刃を一定にして刃の駆動時間又は回転数を変えればよい。ここで、刃自体を替えることは、上記したように手間であり、そのように各種の刃を用意することはコスト的に無駄が多く、供給するコーヒーの低廉化を阻害することになる。
【0016】
刃を一定にして刃の駆動時間を変えた場合、例えば粒径の細かいコーヒー粉が多い粒度分布の種類を提供しようとすると、単純にコーヒーを供給するまでの時間が長くなり、コーヒー供給装置を備えた店においては多くのコーヒーを供給して利益を上げる営業手法を採るので、供給時間が変動することは(特に時間が長くなることは)非常に不利となる。
【0017】
また、本願で前提とするコーヒー供給装置は、ホッパーからコーヒー豆がグラインド部に自然落下するものであるから、グラインド部の刃の駆動時間を長くする又は短くするということは、その分グラインド部へ供給されるコーヒー豆の量が変動することになる。従って1杯のコーヒーに添加されるコーヒー豆の量が変動し、コーヒー豆(粉)の添加量で味が変わってしまい、客の好みに応じた味を出そうとしてコーヒー粉を所定の粒度分布としても意味がない。
【0018】
そこで、本発明では、刃と駆動時間を一定にして回転数を変動させるようにしたのである。このようにすることで、コーヒーが客に供給されるまでの時間が変動することがなく、つまり客にコーヒーが供給されるまでの時間が短くなることはないが長くなることもなく、安定した営業が行える。
【0019】
また、グラインド部にコーヒー豆が自然落下する装置では、刃の駆動時間分だけコーヒー豆が供給されるから、駆動時間を一定とすれば1杯のコーヒーに添加されるコーヒー豆が常に一定量となり、従って添加されるコーヒー豆の量によらず粒度分布によって味を変えることができるのである。
【0020】
グラインド部は、モータによって、60Hzの区域では刃が単位時間当たり1400rpm回転する。50Hzの区域では刃が単位時間当たり1167rpm回転する。このことは、同じ仕様のコーヒー供給装置であっても、50Hz区域と60Hz区域では、粒度分布が異なって味が違うことを意味する。
【0021】
本発明のコーヒー供給装置では、50Hz区域と60Hz区域における粒度分布を一定とするために、周波数の分解能を0.1Hz単位で変更させることができるようにしている。つまり、50Hz区域と60Hz区域とで粒度分布を均一にするには、50Hz区域で10Hz分周波数を高くするか、60Hz区域で10Hz分周波数を低くする設定をすればよい。このようにすることで、日本全国で均一な粒度分布を得ることができる。
【0022】
また、本発明のコーヒー供給装置は、上記構成に加えて、グラインド部の刃の回転数を、周波数インバータにより45Hz〜65Hzの間で変更すれば、装置の仕様上最も適切な周波数帯域で使用することができ、長寿命化が図れると共に制御プログラム等の無駄を無くすことができる。
【0023】
すなわち、上記したように周波数インバータは、操作部において0.1Hzずつの変更が可能である。0.1Hzは、単位時間当たり約2.33rpm回転する。よって45Hzは約1048rpm、65Hzでは約1516rpm回転する。
【0024】
ここで、周波数を45Hzより低くすることが可能であると、誤って45Hzより低い周波数に設定した場合、モータに高負荷がかかり加熱によって損傷する可能性がある。一方、周波数を65Hzより高くすることが可能であると、誤って65Hzより高い周波数に設定した場合、モータが動作しない可能性がある。
【0025】
また、周波数を45Hzより低くして単位時間だけ駆動した場合は、粗い粒度のコーヒー粉の多い粒度分布となり、一方、周波数を65Hzより高くして単位時間だけ駆動した場合は、細かい粒度のコーヒー粉の多い粒度分布となり、いずれにおいても、コーヒーとして商品にならないといった理由から、上記のように設定したのである。
【0026】
さらに、本発明のコーヒー供給装置は、上記した構成に加えて、操作部に、コーヒーの風味に応じて予め固定的に設定された操作ボタンと、回転数の微調整を行うべく周波数の値を変更する微調整ボタンとを備えることで、以下のように迅速に要求に対応することができる。
【0027】
例えば、客から特に要求がなく、所定の風味のコーヒーを普通に供給する場合は、固定的に設定された操作ボタンを操作する。また、所定の風味のコーヒーに対して客から要求があった場合は、微調整ボタンを操作する。このように、操作ボタンと微調整ボタンを操作部に設けることで、1台で客の幅広い要求に的確にかつ迅速に応えることができる。
【0028】
【実施例】
以下に本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明のコーヒー供給装置の外部を概略的に示す。図2は、本発明のコーヒー供給装置の概略構成を示す。図3は、本発明のコーヒー供給装置における操作部の状況を示す。図4は、本発明のコーヒー供給装置のグラインド部における刃を示す。
【0029】
図1において、1は、焙煎済みのコーヒー豆を挽いて、ドリップしてカップにコーヒーを供給するコーヒー供給装置であり、以下の構成とされる。2は、焙煎済みのコーヒー豆を収納したホッパーであり、ホッパー2は、例えば本実施例では2個備え、異なる種類のコーヒー豆を収納している。
【0030】
3は、2個のホッパー2のそれぞれの下部に設けられた開口から自然落下させたコーヒー豆を挽くグラインド部であり、このグラインド部3は、例えば図4に示す刃3Aを備えている。このグラインド部3では、刃3Aを回転させて図示する面でコーヒー豆を挽く。
【0031】
4は、コーヒー供給装置1における正面に設けられた操作部であり、この操作部4は、例えば液晶タッチパネルとされ、画面を指で触って、画面を変えたり、各操作を行う。ここで、タッチパネル4を採用すれば、コーヒー供給装置1において各操作ボタンを点在させることなく集中的に全ての操作が行えるという利点があると共に、例えばホッパー2のコーヒー豆が無くなっている、湯温が低くなっているといった装置状況を表示させることができるといった利点がある。
【0032】
また、操作部4は、本実施例では、例えば図3に示す画面構成とされている。すなわち、図3(a)における画面4Aは操作部4の初期表示を示す。画面4Aにおいては、「ブレンド」、「エスプレッソ」、「スペシャル」といったコーヒーの風味に応じて予め固定的に設定された操作ボタン4a,4b,4cと、これら操作ボタン4a,4b,4cについて予め設定した回転数を変更する操作ボタン4dとが表示される。
【0033】
図3(b)における画面4Aでは、操作ボタン4dが押されたときに、「ブレンド」、「エスプレッソ」、「スペシャル」の各周波数設定をモニタ表示すると共に、表示された各々の周波数について微調整を要するときに押す変更ボタン4e,4f,4gを表示する。
【0034】
図3(c)における画面4Cでは、変更ボタン4e,4f,4gのいずれかが押されたときに、「0」〜「1」のテンキー及び「.」の小数点といった各微調整ボタン4hと、エンターキー4iとを表示する。この画面4Cにおいて、周波数の具体的な数値を微調整ボタン4hで入力し、エンターキー4iを押せば、図3(a)の画面4Aに戻るようになっている。
【0035】
また、本実施例では上記した図3(c)における画面4Cにおいて、各微調整ボタン4hによってグラインド部3の刃の回転数を変更する際、後述する周波数インバータ8の周波数は、45Hz〜65Hzの間で0.1Hz単位でしか変更することができないようになっている。
【0036】
このようにしているので、誤って極端に高い又は低い周波数を設定する可能性はなく、また、グラインド部3の刃3Aを回転駆動させるモータの使用許容範囲内でしか設定を受け付けないから、誤作動や故障を防止することができる。
【0037】
5は、コーヒー供給装置1内に設けられ、例えばグラインド部3で挽いたコーヒー粉を不図示のフィルター内に受けて不図示の注湯部から注がれる湯によりコーヒーをドリップするドリップ部である。6は、ドリップ部5を経たコーヒーをカップCに注ぐ注出部である。
【0038】
図2において、7は、コーヒー供給装置1内に設けられ、装置全体の動作を制御するシーケンサであり、本実施例では、主として操作部4の操作に基づいて後述する周波数インバータ8を制御する状態を示す。8は、コーヒー供給装置1内に設けられ、グラインド部3の単位時間当たりの回転数を変更するために、周波数を変更する周波数インバータであり、本実施例では1台で2つのグラインド部3,3の周波数を変更することができるものを示す。
【0039】
次に本発明のコーヒー供給装置1における動作を説明する。
まず、例えば所定量のコーヒー豆を55Hzで刃3Aを3秒間回転駆動すると、表1に示す粒度分布となる。
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示すように、種類Aは粒径の大きいコーヒー粉を意味し、全割合が2.84%であり、種類Bは粒径の普通のコーヒー粉を意味し、全割合が35.68%であり、種類Cは粒径が小さいコーヒー粉を意味し、全割合が61.48%である。そして、この周波数を中心として、上限(65Hz)又は下限(45Hz)に周波数を変更すると、種類A,B,Cは、以下の表2のように粒度分布が変化する。
【0042】
【表2】
【0043】
表2において、種類Aが増加するとコーヒーがすっきり、さっぱりした味となる。種類Aが増加すると共に、種類Bが増加して種類Cが減少するとコーヒーがすっきり、さっぱりしたまま濃い味となり、種類Bが減少して種類Cが増加するとコーヒーが濃くなって非常に苦い味になる。
【0044】
以上の特性を考慮して、客の注文を聞いたときに、例えば「スペシャル」であっても、「通常」という注文であればそのまま操作ボタン4cを押すが、「濃くて苦い味」という注文であれば、次のように操作部4を操作する。
【0045】
まず、画面4Aにおいて操作ボタン4dを押し、画面4Bに表示が切り替わったときに、「スペシャル」の周波数を確認した後に変更ボタン4gを押し、画面4Cに画面が切り替わったときに微調整ボタン4hで例えば周波数を58.5Hzとし、エンターキー4iを押す。
【0046】
画面4Aに戻ってから、「スペシャル」の操作ボタン4cを押すことで、客の好みに応じた味となるように、グラインド部3において設定した周波数で刃3Aが3秒だけ回転し、所定の粒度分布でコーヒー豆が挽かれる。
【0047】
グラインド部3で挽かれたコーヒー粉は、ドリップ部5のフィルター内に送られる。そして、フィルター内に湯を注ぎ、ドリップされたコーヒーが注出部6よりカップCへ供給される。
【0048】
また、本発明のコーヒー供給装置1は、そのマニュアルが日本国内において50Hz区域を基準にしている場合、60Hz区域においては周波数を10Hz分低くした状態を初期設定にしておき、一方、そのマニュアルが日本国内において60Hz区域を基準にしている場合、50Hz区域においては周波数を10Hz分高くした状態を初期設定にしておけば、日本全国どこにおいても均質な味のコーヒーを供給することができる。
【0049】
なお、本発明のコーヒー供給装置1は、周波数自体を変更することでコーヒー粉の粒度分布を変更するようにしているので、特定の粒度分布を得るための周波数をマニュアルで定めておけば、上記したように50Hz区域と60Hz区域とにおいて差が生じることがない。
【0050】
上記した実施例では、固定的に予め設けた操作ボタン4a〜4cが「ブレンド」、「エスプレッソ」、「スペシャル」の3種類であったが、その他のコーヒーの風味を用意しておいてもよく、また、その場合、それぞれのコーヒーの風味において客の好みによって周波数を微調整するようにしてもよい。さらに、微調整ボタン4hは、単純に0.1Hz毎に変更することができる上下ボタンであってもよい。
【0051】
さらに、コーヒー供給装置1において、客と周波数とを関連づけて記憶する記憶部と、例えば客に渡すIDカードを識別する識別部とを備えおくことで、次のような作用効果を得ることも可能である。
【0052】
客のIDカードをコーヒー供給装置1に挿入すると、コーヒー供給装置1は、IDカード内の情報を読み取って客であることを認識し、その後、その客に関連付けて記憶した周波数を読み出し、周波数インバータ8の周波数を変更する。このようにすることで、より迅速かつ確実に客の本当に要求する味となるような粒度分布を得ることができる。
【0053】
また、上記実施例では、一般的に言う「コーヒーマシン」、すなわち湯をフィルターに注いでフィルターから自然落下させてコーヒーを抽出するもので説明したが、湯とコーヒー粉をフィルターを有した空間内に挿入し、該空間内に圧力を加えてコーヒーを抽出する通常「エスプレッソマシン」と言われるものにおいて採用しても上記と同等の作用効果を得られることは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明のコーヒー供給装置は、グラインド部の刃の回転数を変更する周波数インバータを設けると共に、この周波数インバータの設定操作を行う操作部を設けたので、グラインド部の刃を取り替えることなく客の要求する味となるようなコーヒー粉の粒度分布を得ることができ、また、日本全国で均一な粒度分布を得ることができる。
【0055】
また、本発明のコーヒー供給装置は、上記構成に加えて、グラインド部の刃の回転数を、周波数インバータにより45Hz〜65Hzの間で変更するようにしたので、装置の仕様上最も適切な周波数帯域で使用することができ、長寿命化が図れると共に制御プログラム等の無駄を無くすことができる。
【0056】
また、本発明のコーヒー供給装置は、上記した構成に加えて、操作部に、コーヒーの風味に応じて予め固定的に設定された操作ボタンと、回転数の微調整を行うべく周波数の値を変更する微調整ボタンとを備えたので、1台で客の幅広い要求に的確にかつ迅速に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコーヒー供給装置の外観を概略的に示す図である。
【図2】本発明のコーヒー供給装置の操作部と周波数インバータとグラインド部との関係を概略的に示す図である。
【図3】本発明のコーヒー供給装置における操作部の画面構成例であり、(a)は初期の画面、(b)は周波数を確認する画面、(c)は周波数を変更する画面、を各々示す図である。
【図4】本発明のコーヒー供給装置におけるグラインド部の刃を示す。
【符号の説明】
1 コーヒー供給装置
2 ホッパー
3 グラインド部
3A 刃
4 操作部
4a〜4c 操作ボタン
4h 微調整ボタン
5 ドリップ部
8 周波数インバータ
Claims (3)
- 焙煎済みのコーヒー豆を収納したホッパーと、このホッパーから送り出されたコーヒー豆を挽くグラインド部と、このグラインド部で挽いたコーヒー粉をドリップするドリップ部と、を備えたコーヒー供給装置において、前記グラインド部の刃の回転数を変更する周波数インバータを設けると共に、この周波数インバータの設定操作を行う操作部を設けたことを特徴とするコーヒー供給装置。
- グラインド部の刃の回転数を、周波数インバータにより45Hz〜65Hzの間で変更することを特徴とする請求項1記載のコーヒー供給装置。
- 操作部に、コーヒーの風味に応じて予め固定的に設定された操作ボタンと、回転数の微調整を行うべく周波数の値を変更する微調整ボタンとを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のコーヒー供給装置。
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Cited By (3)
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JP2022089050A (ja) * | 2020-12-03 | 2022-06-15 | 株式会社大都技研 | コーヒー豆挽き装置 |
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