JP2004105604A - 頭部x線規格画像の計測処理方法および計測処理装置ならびに計測処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

頭部x線規格画像の計測処理方法および計測処理装置ならびに計測処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】初心者であっても簡単に精度良く短時間で、コンピュータのディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像中に計測ポイントを指定入力できる方法を提供する。
【解決手段】コンピュータのディスプレイ画面に計測用セファロ画像を表示するステップと、セファロ画像中に計測ポイントを指定入力するステップと、指定入力された計測ポイントをセファロ画像中に標示するステップと、指定入力された計測ポイントの座標値を記憶するステップとを備え、指定入力し標示し記憶する各ステップを、全ての計測ポイントの指定入力が終了するまで繰り返す方法であって、セファロ画像中に計測ポイントを指定入力する前に、指定入力の操作を容易にするための補助線を、計測ポイントの種類に応じて適宜セファロ画像中に標示するステップを有する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、歯科矯正の診断や治療に役立てるための患者の情報を得る際に用いられる頭部X線規格画像の計測処理方法、および、その計測処理方法を実施するために使用される頭部X線規格画像の計測処理装置、ならびに、前記計測処理方法をコンピュータに実行させるための計測処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯科矯正の分野において行われている頭部X線規格写真計測法は、頭部X線規格写真上に所定の各種の点を標示させ、それらの点同士を結ぶ直線を引いて相互の関係を調べたり、写真上で点同士の実際の距離を計測したり、点同士を結ぶ各直線の交叉する角度を測定したりするなどして、顎や顔面頭蓋の特徴を把握し、歯科矯正の診断や治療に役立てようとするものである(例えば、非特許文献1参照。)。ここで、頭部X線規格写真計測法において計測平面、例えばフランクフルト平面、下顎下縁平面などと呼ばれているものは、写真上では2つの点を結ぶ直線で表される。そして、現在では、スキャナを使用して頭部X線規格写真をデジタル画像とし、あるいは、X線フィルムの代わりにX線撮像素子やイメージ管を用いてデジタル画像を得て、その頭部X線規格画像(以下、「セファロ画像」という)をディスプレイ画面に表示させ、コンピュータ(パソコン)を使用してセファロ画像の計測処理が行われている。
【0003】
パソコンを使用してセファロ画像の計測処理を行う場合、ディスプレイ画面に表示されたセファロ画像中に所定の各計測ポイントを所定の順番に従って順次指定入力していくが、指定入力しようとする計測ポイントの種類によっては、計測ポイントを指定入力する前に、セファロ画像中に補助線を引くようにしている。この補助線は、従来、任意の位置に直線を引くことができるパソコンの機能(ソフトウェア)を使ってユーザ自身により、既に指定入力され画像中に標示された計測ポイントを基準にして描出されている。
【0004】
【非特許文献1】
桑原洋助、酒井信夫著,「歯科矯正」,第1版,医歯薬出版株式会社,1988年1月,p.138−149
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、セファロ画像中に補助線を引く操作は、歯科矯正の分野における知識や経験が豊富な者でなければ困難である。また、セファロ画像中に補助線を引く操作には手間がかかり、セファロ画像中に全ての計測ポイントを指定入力し終わるまでに多くの時間が費やされることになる。さらに、補助線に基づいて指定入力される計測ポイントの位置精度も低くなる、といった問題点がある。
【0006】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、初心者であっても簡単にかつ精度良く短時間でセファロ画像中に計測ポイントを指定入力することが可能になるセファロ画像の計測処理方法を提供すること、および、その計測処理方法を好適に実施することができるセファロ画像の計測処理装置を提供すること、ならびに、前記計測処理方法をコンピュータに実行させるための計測処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、コンピュータのディスプレイ画面に計測用セファロ画像を表示する画像表示ステップと、前記ディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する指定入力ステップと、前記ディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像中に、指定入力された所定の計測ポイントを標示する標示ステップと、指定入力された所定の計測ポイントの座標値を記憶する記憶ステップと、を備え、前記指定入力ステップと前記標示ステップと前記記憶ステップとを、全ての計測ポイントの指定入力が終了するまで繰り返すセファロ画像の計測処理方法において、前記ディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、計測ポイントの指定入力の操作を容易にするための補助線を、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、既に座標値が記憶された計測ポイントを基準にして計測用セファロ画像中に標示するステップを有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の計測処理方法において、前記ディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、前記ディスプレイ画面を白黒反転させるステップを有することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の計測処理方法において、前記ディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの付近における画像の濃淡度を測定し、その濃淡度に応じて適宜、前記ディスプレイ画面を白黒反転させるステップを有することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、計測用セファロ画像を画面に表示する表示装置と、この表示装置の画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する指定入力手段と、前記表示装置の画面に計測用セファロ画像を表示させ、前記表示装置の画面に表示された計測用セファロ画像中に、前記指定入力手段によって順次指定入力された所定の計測ポイントをそれぞれ標示させ、前記指定入力手段によって順次指定入力された所定の計測ポイントの座標値を順次記憶する中央処理装置と、を備えたセファロ画像の計測処理装置において、前記中央処理装置は、前記表示装置の画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、計測ポイントの指定入力の操作を容易にするための補助線を、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、既に座標値が記憶された計測ポイントを基準にして計測用セファロ画像中に標示させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項4記載の計測処理装置において、前記中央処理装置は、前記表示装置の画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、前記表示装置の画面を白黒反転させることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項4記載の計測処理装置において、前記中央処理装置は、前記表示装置の画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの付近における画像の濃淡度を測定し、その濃淡度に応じて適宜、前記表示装置の画面を白黒反転させることを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、計測処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、コンピュータのディスプレイ画面に計測用セファロ画像を表示させ、前記ディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像の領域内に所定の計測ポイントが指定入力されるごとに、前記ディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像中に、指定入力された所定の計測ポイントをそれぞれ標示させるとともに、指定入力された所定の計測ポイントの座標値をそれぞれ記憶させ、前記ディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像の領域内に所定の計測ポイントが指定入力される前に、計測ポイントの指定入力の操作を容易にするための補助線を、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、既に座標値が記憶された計測ポイントを基準にして計測用セファロ画像中に標示させるようにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項7記載の記録媒体において、前記ディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、前記ディスプレイ画面の表示を白黒反転させるようにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項7記載の記録媒体において、前記ディスプレイ画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの付近における画像の濃淡度を測定し、その濃淡度に応じて適宜、前記ディスプレイ画面の表示を白黒反転させるようにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
請求項1に係る発明のセファロ画像の計測処理方法においては、計測ポイントの指定入力の操作を容易にするための補助線が計測用セファロ画像中に標示されるので、その補助線上に計測ポイントを指定入力するようにすればよく、セファロ画像中に計測ポイントを指定入力する操作が簡単になり、補助線を引く手間が不要で、指定入力される計測ポイントの位置精度も高くなる。
【0017】
請求項2に係る発明の計測処理方法では、計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じてディスプレイ画面が白黒反転することにより、セファロ画像中において計測ポイントの標示を視認し易くなり、指定入力する操作が容易になる。
【0018】
請求項3に係る発明の計測処理方法では、計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの付近における画像の濃淡度が測定されて、その濃淡度に応じてディスプレイ画面が白黒反転することにより、セファロ画像中において計測ポイントの標示を視認し易くなり、指定入力する操作が容易になる。
【0019】
請求項4に係る発明のセファロ画像の計測処理装置においては、中央処理装置の制御動作により、表示装置の画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、計測ポイントの指定入力の操作を容易にするための補助線が計測用セファロ画像中に標示されるので、指定入力手段によってその補助線上に計測ポイントを指定入力するようにすればよく、セファロ画像中に計測ポイントを指定入力する操作が簡単になり、補助線を引く手間が不要で、指定入力される計測ポイントの位置精度も高くなる。
【0020】
請求項5に係る発明の計測処理装置では、中央処理装置の制御動作により、表示装置の画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じてディスプレイ画面が白黒反転させられるので、セファロ画像中において計測ポイントの標示を視認し易くなり、指定入力する操作が容易になる。
【0021】
請求項6に係る発明の計測処理装置では、中央処理装置の制御動作により、表示装置の画面に表示された計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの付近における画像の濃淡度が測定されて、その濃淡度に応じてディスプレイ画面が白黒反転させられるので、セファロ画像中において計測ポイントの標示を視認し易くなり、指定入力する操作が容易になる。
【0022】
請求項7に係る発明の、計測処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、計測ポイントの指定入力の操作を容易にするための補助線が計測用セファロ画像中に標示されるようにコンピュータに実行させるので、その補助線上に計測ポイントを指定入力するようにすればよく、セファロ画像中に計測ポイントを指定入力する操作が簡単になり、補助線を引く手間が不要で、指定入力される計測ポイントの位置精度も高くなる。
【0023】
請求項8に係る発明の記録媒体は、計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じてディスプレイ画面が白黒反転するようにコンピュータに実行させることにより、セファロ画像中において計測ポイントの標示を視認し易くなり、指定入力する操作が容易になる。
【0024】
請求項9に係る発明の記録媒体では、計測用セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの付近における画像の濃淡度が測定されて、その濃淡度に応じてディスプレイ画面が白黒反転するようにコンピュータに実行させることにより、セファロ画像中において計測ポイントの標示を視認し易くなり、指定入力する操作が容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、この発明に係るセファロ画像の計測処理方法を実施するために使用される計測処理装置のハードウェア構成の1例を示す図である。この計測処理装置は、システム全体を統括的に制御し必要な演算処理を行う中央処理装置(CPU)10、このCPU10に接続された記憶装置12、CPU10へのデータの入出力を管理する入出力制御部14、ならびに、入出力制御部14にそれぞれ接続された入力装置16、スキャナ(画像入力装置)18、LCDやCRTディスプレイ等の表示装置20およびプリンタ等の出力装置22から構成されるコンピュータ(パソコン)システムである。
【0027】
CPU10は、OS(基本ソフトウェア)等の制御プログラム、後述する計測処理手順を規定し補助線の標示を行わせる計測処理プログラム、および、計測ポイントの座標値等のデータを格納するための内部メモリを有している。記憶装置12は、ハードディスクやフレキシブルディスク、コンパクトディスク、光ディスクなどにより構成される。入力装置16は、キーボードやマウス等のポインティングデバイスから構成されている。スキャナ18は、前もってセファロX線撮影装置を使用してX線撮影された患者の頭部X線規格写真をパソコンにデジタル画像として取り込むためのものである。X線フィルムの代わりにX線撮像素子やイメージ管を用いたセファロX線撮影装置により直接にデジタル画像を得るなどして、セファロ画像のファイルがハードディスク等の記憶装置12に保存されている場合には、スキャナ18は特に備えていなくてもよい。
【0028】
ここで、この計測処理方法は、歯科矯正の分野において利用されるものであって、顎や顔面頭蓋の特徴を把握して歯科矯正の診断や治療に役立てるために実施するものである。図5は、セファロ画像を略図化して示す図である。図5中にS、N、Or、Po等の符号で示したものは、それぞれ所定の計測ポイントの例であり、また、1〜8の符号で示したものは、各ポイント同士を結ぶ補助線であって、顎や顔面頭蓋の特徴を把握するための所定の各種平面に相当する。具体的に説明すると、補助線1がSN平面に、補助線2がフランクフルト平面に、補助線3が下顎下縁平面に、補助線4が咬合平面に、補助線5がパラタル平面に、補助線6が顔面平面に、補助線7がY軸に、補助線8が下顎後縁平面にそれぞれ相当する。
【0029】
セファロ画像の分析に際しては、予め決まっている順番通りに各種の計測ポイントをセファロ画像中に順次指定入力していく。そして、この発明に係る計測処理方法では、計測ポイントうちの幾つかのもの、例えば14種の計測ポイントについては、計測ポイントを指定入力する前に、その計測ポイントの種類に応じた形態の補助線が、既に指定入力された計測ポイントを基準にしてセファロ画像中に標示される。オペレータは、そのセファロ画像中に標示された補助線を利用して計測ポイントを指定入力する。図6に、6種類の補助線の形態を示す。
【0030】
図6の(a)に示したものは、指定入力済みの計測ポイント(以下、「基準点」という)Aを通る直線を補助線Iとしてディスプレイ画面上に標示する例であり、補助線Iをセファロ画像中の曲線部位に対する接線として利用し、画面上でマウスカーソルを矢印方向へ動かすことにより補助線Iが基準点Aを中心として回動し、マウスボタンをクリックすることにより補助線I上に計測ポイントaが指定入力されるようにしたものである(直線の移動の形態)。図6の(b)に示したものは、2つの基準点B1、B2を通る直線を補助線IIとしてディスプレイ画面上に標示する例であり、画面上でマウスカーソルを矢印方向へ動かしマウスボタンをクリックすることにより、補助線II上に計測ポイントbが指定入力されるようにしたものである(直線上の移動の形態)。図6の(c)に示したものは、2つの基準点C1、C2を通る直線の垂線を補助線IIIとしてディスプレイ画面上に標示する例であり、画面上でマウスカーソルを矢印方向へ動かしマウスボタンをクリックすることにより、2つの基準点C1、C2を通る直線に対して垂線を引ける位置に計測ポイントcが指定入力されるようにしたものである(垂線の移動の形態)。また、図6の(d)に示したものは、2つの基準点D1、D2を通る直線に対して垂直で基準点D3を通る直線を補助線IVとしてディスプレイ画面上に標示する例であり、画面上でマウスカーソルを矢印方向へ動かしマウスボタンをクリックすることにより、補助線IV上に計測ポイントdが指定入力されるようにしたものである(垂線上の移動の形態)。
【0031】
図6の(e)に示したものは、2つの基準点E1、E2を通る直線と2つの基準点E3、E4を通る直線とがなす角度の二等分線を補助線Vとしてディスプレイ画面上に標示する例であり、画面上でマウスカーソルを矢印方向へ動かしマウスボタンをクリックすることにより、補助線V上に計測ポイントeが指定入力されるようにしたものである(二等分線上の移動の形態)。また、図6の(f)に示したものは、2つの基準点F1、F2を通る直線と平行で基準点F3を通る直線を補助線VIとしてディスプレイ画面上に標示する例であり、画面上でマウスカーソルを矢印方向へ動かしマウスボタンをクリックすることにより、補助線VI上に計測ポイントfが指定入力されるようにしたものである(平行線上の移動の形態)。
【0032】
次に、図1に示したコンピュータシステムに計測処理プログラムを実行させて計測処理を行う手順を、図2ないし図4に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0033】
システムを起動させ、記憶装置12に保存された画像ファイルを開いたりスキャナ18から画像データを取り込んだりするなどして、表示装置20の画面に計測用セファロ画像が表示されると(ステップ1)、そのセファロ画像についてポイント入力開始のメニューを選択し(ステップ2)、まず、2つのキャリブレーション(較正)ポイントを入力する(ステップ3)。キャリブレーションポイントの入力が完了すると、最初の計測ポイント(Po)がセファロ画像中にマウスカーソルによって標示される(ステップS4)。最初の計測ポイント(Po)が標示されると、オペレータは、マウスカーソルをドラッグしてセファロ画像中の適正位置に移動させた後、マウスボタンをクリックすることにより、最初の計測ポイント(Po)を指定入力する(ステップS5)。最初の計測ポイント(Po)が指定入力されると、その座標値がCPU10の内部メモリに記憶され、次の計測ポイント(S)がセファロ画像中にマウスカーソルによって標示される(ステップS6)。計測ポイント(S)が標示されると、オペレータは、マウスカーソルをドラッグしてセファロ画像中の適正位置に移動させた後、マウスボタンをクリックすることにより、計測ポイント(S)を指定入力する(ステップS7)。そして、ステップ6およびステップ7が繰り返されて、所定の順番通りに所定の各計測ポイントが順次指定入力され、それぞれの座標値がCPU10の内部メモリに記憶されていく。
【0034】
計測ポイント(R)がセファロ画像中にマウスカーソルによって標示され(ステップS8)、オペレータが計測ポイント(R)を指定入力し(ステップS9)、その座標値がCPU10の内部メモリに記憶されると、次の計測ポイント(Or)がセファロ画像中にマウスカーソルによって標示されるとともに、計測ポイント(Or)の指定入力操作を容易にするための補助線がセファロ画像中に標示される(ステップS10)。この補助線は、計測ポイントの種類に応じて上記した6種類の補助線のうちから適当なものを選び、既に座標値が記憶された計測ポイントを基準にしてセファロ画像中に標示させるように、CPU10によって制御されることにより形成される。計測ポイント(Or)および補助線が標示されると、オペレータは、画面上でマウスカーソルを動かしマウスボタンをクリックすることにより、補助線上に計測ポイント(Or)を指定入力する(ステップS11)。そして、ステップ8〜ステップS11が繰り返されて、所定の順番通りに所定の各計測ポイントが順次指定入力され、それぞれの座標値がCPU10の内部メモリに記憶されていく。
【0035】
以上のような操作が繰り返されて、所定の各計測ポイントが順次指定入力され、それぞれの座標値がCPU10の内部メモリに記憶されていく(ステップS12〜S15)。そして、最終の計測ポイント(PG’)がセファロ画像中にマウスカーソルによって標示されるとともに、最終の計測ポイント(PG’)に対応した所要の補助線がセファロ画像中に標示されると(ステップS16)、オペレータが最終の計測ポイント(PG’)を指定入力し(ステップS17)、その座標値がCPU10の内部メモリに記憶される。このようにして最終の計測ポイント(PG’)が指定入力されると、全ての計測ポイントの指定入力操作が終了する(ステップS18)。
【0036】
以上のようにして得られた各計測ポイントの座標値データは、各ポイント間の距離や各ポイント同士を結ぶ各直線のなす角度を算出したり、複数の計測ポイント同士を順次各直線で結んだプロフィログラムと呼ばれる画像を作成して画面に表示させたり、ポリゴン表と呼ばれる分析表を画面に表示させたりするなどして、顎や顔面頭蓋の特徴を把握するのに用いられ、歯科矯正の診断や治療に役立てられる。
【0037】
なお、セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、表示装置20の画面を白黒反転させるように、CPU10によるプログラム制御を行うようにしてもよい。あるいは、セファロ画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの付近における画像の濃淡度を測定し、その濃淡度に応じて適宜、表示装置20の画面を白黒反転させるように、CPU10によるプログラム制御を行うようにしてもよい。このようにしたときは、セファロ画像中において計測ポイントのカーソル標示を視認し易くなり、計測ポイントを指定入力する操作が容易になる。
【0038】
以上のような計測処理プログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録され、コンピュータシステムにインストールされて、コンピュータシステムにより実行される。
【発明の効果】
請求項1に係る発明のセファロ画像の計測処理方法によると、初心者であっても簡単にかつ精度良く短時間でセファロ画像中に計測ポイントを指定入力することができる。
【0039】
請求項2および請求項3に係る各発明の計測処理方法では、セファロ画像中に計測ポイントを指定入力する操作を容易に行うことができる。
【0040】
請求項4に係る発明のセファロ画像の計測処理装置を使用すると、請求項1に係る発明の計測処理方法を好適に実施することができ、初心者であっても簡単にかつ精度良く短時間でセファロ画像中に計測ポイントを指定入力することができる。
【0041】
請求項5および請求項6に係る各発明の計測処理装置では、請求項2および請求項3に係る各発明の計測処理方法を好適に実施することができ、セファロ画像中に計測ポイントを指定入力する操作を容易に行うことができる。
【0042】
請求項7に係る発明の、計測処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、請求項1に係る発明の計測処理方法をコンピュータに実行させて、初心者であっても簡単にかつ精度良く短時間でセファロ画像中に計測ポイントを指定入力することができるようにする。
【0043】
請求項8および請求項9に係る各発明の記録媒体は、請求項2および請求項3に係る各発明の計測処理方法をコンピュータに実行させて、セファロ画像中に計測ポイントを指定入力する操作を容易に行うことができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るセファロ画像の計測処理方法を実施するために使用される計測処理装置のハードウェア構成の1例を示す図である。
【図2】図1に示した計測処理装置により計測処理プログラムを実行させて計測処理を行う手順を説明するためのフローチャートの一部である。
【図3】同じくフローチャートの一部である。
【図4】同じくフローチャートの一部である。
【図5】セファロ画像を略図化して示す図であって、画像中に計測ポイントおよび補助線を併せて標示した図である。
【図6】6種類の補助線の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 中央処理装置(CPU)
12 記憶装置
14 入出力制御部
16 入力装置
18 スキャナ(画像入力装置)
20 表示装置
22 出力装置
A、B1、B2、C1、C2、D1、D2、D3、E1、E2、E3、E4、F1、F2、F3 基準点(指定入力済みの計測ポイント)
I、II、III、IV、V、VI 補助線
a、b、c、d、e、f 計測ポイント

Claims (9)

  1. コンピュータのディスプレイ画面に計測用頭部X線規格画像を表示する画像表示ステップと、
    前記ディスプレイ画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に所定の計測ポイントを指定入力する指定入力ステップと、
    前記ディスプレイ画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に、指定入力された所定の計測ポイントを標示する標示ステップと、
    指定入力された所定の計測ポイントの座標値を記憶する記憶ステップと、を備え、
    前記指定入力ステップと前記標示ステップと前記記憶ステップとを、全ての計測ポイントの指定入力が終了するまで繰り返す頭部X線規格画像の計測処理方法において、
    前記ディスプレイ画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、計測ポイントの指定入力の操作を容易にするための補助線を、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、既に座標値が記憶された計測ポイントを基準にして計測用頭部X線規格画像中に標示するステップを有することを特徴とする頭部X線規格画像の計測処理方法。
  2. 前記ディスプレイ画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、前記ディスプレイ画面を白黒反転させるステップを有する請求項1記載の頭部X線規格画像の計測処理方法。
  3. 前記ディスプレイ画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの付近における画像の濃淡度を測定し、その濃淡度に応じて適宜、前記ディスプレイ画面を白黒反転させるステップを有する請求項1記載の頭部X線規格画像の計測処理方法。
  4. 計測用頭部X線規格画像を画面に表示する表示装置と、
    この表示装置の画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に所定の計測ポイントを指定入力する指定入力手段と、
    前記表示装置の画面に計測用頭部X線規格画像を表示させ、前記表示装置の画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に、前記指定入力手段によって順次指定入力された所定の計測ポイントをそれぞれ標示させ、前記指定入力手段によって順次指定入力された所定の計測ポイントの座標値を順次記憶する中央処理装置と、
    を備えた頭部X線規格画像の計測処理装置において、
    前記中央処理装置は、前記表示装置の画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、計測ポイントの指定入力の操作を容易にするための補助線を、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、既に座標値が記憶された計測ポイントを基準にして計測用頭部X線規格画像中に標示させることを特徴とする頭部X線規格画像の計測処理装置。
  5. 前記中央処理装置は、前記表示装置の画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、前記表示装置の画面を白黒反転させる請求項4記載の頭部X線規格画像の計測処理装置。
  6. 前記中央処理装置は、前記表示装置の画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの付近における画像の濃淡度を測定し、その濃淡度に応じて適宜、前記表示装置の画面を白黒反転させる請求項4記載の頭部X線規格画像の計測処理装置。
  7. コンピュータのディスプレイ画面に計測用頭部X線規格画像を表示させ、
    前記ディスプレイ画面に表示された計測用頭部X線規格画像の領域内に所定の計測ポイントが指定入力されるごとに、前記ディスプレイ画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に、指定入力された所定の計測ポイントをそれぞれ標示させるとともに、指定入力された所定の計測ポイントの座標値をそれぞれ記憶させ、
    前記ディスプレイ画面に表示された計測用頭部X線規格画像の領域内に所定の計測ポイントが指定入力される前に、計測ポイントの指定入力の操作を容易にするための補助線を、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、既に座標値が記憶された計測ポイントを基準にして計測用頭部X線規格画像中に標示させるようにコンピュータに実行させるための、計測処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  8. 前記ディスプレイ画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの種類に応じて適宜、前記ディスプレイ画面の表示を白黒反転させるようにコンピュータに実行させるための請求項7記載の、計測処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  9. 前記ディスプレイ画面に表示された計測用頭部X線規格画像中に所定の計測ポイントを指定入力する前に、指定入力しようとする計測ポイントの付近における画像の濃淡度を測定し、その濃淡度に応じて適宜、前記ディスプレイ画面の表示を白黒反転させるようにコンピュータに実行させるための請求項7記載の、計測処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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