JP2004105599A - 加温器 - Google Patents

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山岸 秀雄
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Abstract

【課題】点滴液、血液のような非経口性流体の加温器において加温器本体へのカートリッジの装着性を改善する。
【解決手段】加温器本体又はカートリッジのいずれか一方に設けた支点と他方に設けた支点に係合するフック部とを有し、前記支点とフック部を係合させた状態で支点を中心にカートリッジを旋回させて加温器本体にカートリッジを挿入する。そして加温器本体に設けたストッパでカートリッジを本体の所定の位置に固定する。
支点とフック部の係合はフック部に楔形の開口を設けてあるので正確な位置合せを必要としない。また、支点とフック部が係合することで加温器本体とカートリッジの相対的な位置関係が規定されるので従来技術のように2ヶ所以上の位置決めピンへの位置合せに注意を払う必要が無く取付けが容易に行なえる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は点滴液、血液のような非経口性流体の加温器において加温器本体へのカートリッジの装着性を改善した加温器に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液、及びその他の非経口的流体は、鮮度及び活性を保つため、一般に約4℃の低温で貯蔵される。かかる流体を患者に注入する前には患者の苦痛、肉体的負担を軽減するために流入する液体の温度を患者の体温に近い36℃乃至38℃に上げることが一般に行なわれる。
ここで患者への輸血は病院内で手術中に行なわれる他、患者を病院まで搬送する救急車両内でも行なわれることがある。このような緊急を要する場合には輸血を行なう看護士は患者の容態、例えば患部の状態、血圧、脈拍数等多くの事に注意を払う必要がある。そこで加温器は看護士に負担がかからないよう操作が極力容易である事が望ましい。
また、救急車両が病院に到着した際や、病室で患者の容態が急変した場合など点滴を継続したまま患者を手術室等に搬送する必要がある。この場合に加温器は搬送の邪魔にならない構成である必要がある。
【0003】
これに対し従来の加温器は軟質プラスチック材料、例えば軟質の塩化ビニール等のシートを少なくとも2枚重ねて、液体の流路の輪郭となる部分をシールすることによって形成されるバッグが用いられていた。ビニールシートのバッグは柔軟であり加温器本体への取り付け性は考慮されておらず操作性はかなり悪いものが多かった(例えば、特許文献1−3参照。)。
【0004】
近年、加温器の操作性の改善が考慮され始め、血液の流路となる熱交換部をビニールシートのバッグに代わり剛性の高いカートリッジとする事が検討されている(例えば、特許文献4−5参照。)。ここでは特許文献4に開示され、その発明に基きAMT社より市販されているMAX ONE IV WARMERを図10に示す。この加温器ではカートリッジ2はポリカーボネート等の樹脂で形成した板状のスペーサ部材の両面にポリカーボネート等の樹脂フィルムを貼り付けた構造である。カートリッジ2は幅51mm、厚さ4mm、長さ200mm程度の略長方形状で一対の短辺にはカテーテルを接続し血液を流入、又は流出させる接続部を有するものである。このカートリッジ2ではスペーサ部材が剛性を有しているので形状が安定し、カートリッジ2を容易に取り扱うことができる。
加温器本体1は上面が開口したカートリッジ収容室を有する長方形状のケース体3と、その上面側に一方の長辺をヒンジによりケース体に係合し開閉可能に連結された蓋体4より構成される。そしてヒンジにより係合された長辺の反対側にはケース体3にスライド可能な突起が、蓋体4にはフックが設けられ、両者が係合することで蓋体4が閉じられる。
【0005】
この加温器は、外形が幅65mm、厚さ50mm、長さ240mm程度の略直方体のコンパクトなものである。そのため救急車両、手術室等にそれぞれ加温器本体を設けることも可能である。
従ってこの加温器では輸血を継続したまま患者を手術室等に搬送する必要がある場合に、加温器本体1からカートリッジ2をとり外しカテーテルに接続したまま患者と共に搬送することがでる。そして手術室等に到着次第、手術室等に設置された加温機本体1にカートリッジ2を取付けて血液の加温を再開することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−115576号公報 (第3項、第3図)
【特許文献2】
実開平07−021057号公報 (第1−2項、第1−2図)
【特許文献3】
特表2000−502938号公報 (第9−14項、第6図)
【特許文献4】
米国特許第6336003号明細書 (第10−12項、第3図、第8図)
【特許文献5】
米国特許第4847470号明細書 (第6−7項、第1−2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカートリッジタイプの加温器においてもその操作性に以下のような問題点があった。例えばカートリッジ2を加温器本体1に取付ける際にはまずケース体3を片手で支持し、もう一方の手でカートリッジ2をケース体3に設けた2ヶ所以上の位置決めピン5に位置合せして挿入し、その後に蓋体4を閉めてカートリッジ2の取付けを行なう必要があった。従ってカートリッジ2を加温器本体1に取付ける際には両手で作業を行なう必要があり、緊急を要する医療現場ではカートリッジ2の加温器本体1への取付けは煩雑な作業であった。
特にカートリッジ2にカテーテルが接続されている状態ではカテーテルが静脈点滴用バッグを吊るすためのフックを備えた枢動型の静脈点滴用ポール(以下、IVポール)やベッドに引っ掛かる等のためにカートリッジが引っ張られる等の問題があった。この場合には位置合せがより煩雑となり、時にはカートリッジ2の取付けを中止して引っ掛かりを除いて再度取付け作業を行なうか、他の看護士の助けを求める必要も生じた。このような問題は一刻を争う緊急医療の現場では重大な問題となり得るものであった。
【0008】
本発明はこのような問題点を解決するためのものであり、加温器本体へのカートリッジの装着性を改善した加温器を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された加温器は点滴液、輸血液等の非経口性流体の加温器において、
加温器本体又はカートリッジのいずれか一方に設けた支点と、他方に設けた前記支点に係合する係合部とを有し、前記支点と係合部を係合させた状態で支点を中心にカートリッジを旋回させて加温器本体にカートリッジを挿入し、加温器本体に設けたストッパでカートリッジを本体の所定の位置に固定することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載された加温器は点滴液、輸血液等の非経口性流体の加温器において、
スリット状の開口を有する加温器本体又は板状のカートリッジのいずれか一方に設けた支点と、他方に設けた前記支点に係合する係合部とを有し、前記支点と係合部を係合させた状態で支点を中心に板状のカートリッジを旋回させて加温器本体のスリット状の開口部にカートリッジを挿入して、加温器本体に設けたストッパでカートリッジを加温器本体の所定の位置に固定した後、加温器本体に設けた加熱板をカートリッジに密着させることを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載された加温器は請求項1又は請求項2に記載の加温器において、
前記係合部が半円状の頂点から楔形に開口した切欠を有するフック部であることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載された加温器は請求項1又は請求項2に記載の加温器において、
前記支点が加温器本体に設けたガイドピンであり、係合部がカートリッジに設けられたフック部であることを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載された加温器は請求項1又は請求項2に記載の加温器において、
前記加温器本体に設けたストッパがボールプランジャであることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る加温器の外形図を図1に示す。図1において加温器本体1はコーナー部に丸みを付けた略直方体状であり、開閉可能に連結されたケース体3と蓋体4より構成される。加温器本体1は高さ250mm、幅110mmで、ケース体3の厚さ40mm、蓋体4の厚さ30mm程度である。蓋体4を閉じた際にケース体3と蓋体4が対面する内表面は端部を除いてそれぞれ加熱板11で覆われる。加温器本体1の長さ方向の一端でケース体3の内表面の加熱板11の外側位置にはケース体内表面に対し垂直に樹脂製又は金属製のガイドピン12が設けられる。また、長さ方向の他端で蓋体4の内表面の加熱板外側にはボールプランジャ13が設けられる。
【0015】
加温器本体1のケース体3背面にはクランプ機構14が設けられており、加温器本体1は当該機構を動作させてIVポール200に固定される。ここでケース体3、蓋体4は一般的にはそれぞれ樹脂の射出成形により形成され、加熱板11には熱伝導性を考慮して銅板等の金属板が用いられる。
尚、図1ではカートリッジ2がケース体3に対し使用時の位置関係、具体的にはガイドピン12にカートリッジ2のフック部26が係合し、ケース体3の加熱板11にカートリッジ2が密着した位置に組合わせた状態で示してある。実際の使用時には蓋体4が閉じられ、蓋体4の加熱板11にカートリッジ2が密着して使用される。
尚、以下では加温器本体1とカートリッジ2を組合わせたものを加温器100とする。
【0016】
図2に加温器本体1の蓋体4を閉じた状態を示す。上面図(b)から明らかなようにケース体3と蓋体4は連結部15に近い一部を除いて密着せず、ケース体3と蓋体4は2.5mm程度の間隔を隔ててスリット状の空間を形成する。また、ケース体3のガイドピン12はスリット状の空間を横切るよう伸び蓋体4に当接する。正面図(a)において蓋体4の表面には加熱設定温度等を表示する表示部16、ガイドピン位置の目印となる矢印型のマーク17が設けられる。また、側面図(c)においてケース体3の長辺側面で連結部の反対端には上下方向の中央付近にレバー18が設けられる。
【0017】
尚、加温器本体1は通常は図2に示すように蓋体4を閉じたままの状態で使用するよう設計されている。図1に示すように蓋体4を開くのはクリーニング等のメンテナンス時のみである。
また、ここでは図示しないがケース体3、蓋体4の加熱板11の背後には電熱ヒータが設けられ、加熱板11の所定の位置には温度センサが配置され、ケース体の内部にはレバー18の動作に連動する加熱板の移動機構、電源回路、制御部が納められている。また、ケース体3裏面側には電源コードが接続される。
【0018】
図3にカートリッジ2の外形図を示す。カートリッジ2は長さ230mm、幅80mm、厚さ2mm程度の板状であり、ポリカーボネート等の樹脂で形成した板状のスペーサ部材21の両面にポリカーボネート等の樹脂フィルム22を貼り付けた構造である。スペーサ部材21は長方形状の枠体で、その一対の短辺にはそれぞれ血液の流入と流出のための開口を有し、当該開口は長方形状の枠体の外側に設けられたカテーテルとの流入側接続部23、流出側接続部24に連通する。また、一対の長辺には枠と同じ厚さの流路仕切り25が櫛歯状に一方の長辺の内壁から他方の長辺の内壁近くまで交互に伸長して、流体通路を分離し且つ効果的に長さを延長させる。ポリカーボネート等の樹脂フィルム22は予めスペーサ部材21の流路を覆うように流路に対応する外形に切断され、熱溶着等の方法でスペーサ部材21の両面に接合される。そしてスペーサ部材21と樹脂フィルム22で囲まれた血液の流路が形成される。
カートリッジの流入側接続部23の側方には半円状の頂点からカートリッジの長手方向に対し垂直方向若しくは垂直方向からやや流出側方向に楔形に開口した切欠を有するフック部26が設けられる。またカートリッジの流出側接続部24の側方には貫通穴27が設けられる。
【0019】
本発明に係る加温器100のカートリッジ装着手順を図4、5に基づいて説明する。ここで図4で外観上の位置関係を示し、図5(a)、(b)では加温器本体1とカートリッジ2の装着状態を明示するためケース体3とカートリッジ2の位置関係のみを示す。図4において加温器本体1はガイドピン12を上側、スリットの開口部を右側にした状態で裏面のクランプ機構14を動作させて垂直に立てたIVポール200に固定される。カートリッジ2はフック部26が上側に来る向きとし、上下のカテーテル接続部23、24にはカテーテル300が接続されている。そしてカートリッジ下部の流出側接続部24付近を手で保持する。
次に図5(a)において、まず加温器本体1のスリット上部にカートリッジ2を挿入する。そしてカートリッジ2のフック部26を加温器本体1のガイドピン12に接近する様にカートリッジ2の流出側接続部24付近を中心にカートリッジ2を傾ける。そして、カートリッジ2のフック部26をガイドピン12に係合させる。この際にはカートリッジ2のフック部26が楔形に開口しているため、正確な位置合せを要することなく両者を係合できる。更に、図示しない加温器本体1正面の矢印17をガイドピン位置の目印とすることができる。
次に図5(b)においてガイドピン12とフック部26の係合状態を維持したまま、ガイドピン12を支点としてカートリッジ2の下側を加温器本体1のスリットに挿入する方向に旋回する。そしてカートリッジの流出側接続部24側方の貫通穴27にボールプランジャ13が係合して加温器本体1に対するカートリッジ2の位置決めが完了する。
そしてレバー18を垂直位置から水平位置に旋回させると、それに連動して加熱板11がカートリッジ2に密着する。これにより加熱時には加熱板11からカートリッジ2への熱伝導が安定し、カートリッジ2内を通過する血液が均一に所定温度まで加熱される。
【0020】
本発明に係る加温器100の第2の実施例を図6、7に基づいて説明する。なお、以下の各実施例の説明において、前記第1実施例と対応する部分には同一符号を付し、第1実施例と同様の部分については説明を省く。図6に第2の実施例における加温器本体1の構造を示す。正面図(a)に示すようにケース体3及び蓋体4の内表面には上記実施例1のガイドピン位置に相当する位置に内表面に垂直に円筒状の窪み31が設けられ、当該窪み31を頂点として上方に楔状に開口したテーパー部32が設けてある。ここで側面図(c)に示すテーパー部32の内表面からの深さは、前記円筒状の窪みと同じ深さとするか、若しくは楔の開口に連れて円筒状の窪みより深くして、テーパー部32におけるケース体3と蓋体4の間隔を広げても良い。図7に第2の実施例におけるカートリッジ2の構造を示す。ここでカートリッジの流入側接続部23の側方には上記第1の実施例の半円状の切欠きに相当する位置にガイドピン41が設けてある。従って第2の実施例では第1の実施例と同様の操作により加温器本体1の円筒状の窪み31にカートリッジ2のガイドピン41を係合させ、その後は円筒状の窪み31とカートリッジ2のガイドピン41を支点として第1の実施例と同様の操作により加温器本体1へのカートリッジ2の取付け作業を容易に行なうことができる。
カートリッジ2のガイドピン41はスペーサ部材21を成形する際に一体に形成することが望ましいが、金属製、プラスチック製のロッドを圧入又は接着する等の方法で形成しても良い。
【0021】
本発明に係る加温器100の第3の実施例を説明する。第3の実施例の加温器本体1は第1の実施例と同様の構造であるが、カートリッジの構造が異なるものである。次に図8に第3の実施例におけるカートリッジ2の構造を具体的に示す。ここでカートリッジの流入側接続部23の側方には半円状の頂点からカートリッジの長手方向に対し平行に流入側に向けて楔状に開口した切欠きを有するフック部51が設けられる。
本実施例ではまず、加温器本体1のスリット上部にカートリッジ2を挿入しカートリッジのフック部51を加温器本体1のガイドピン12に接近する様にカートリッジ2の流出側接続部24付近を中心にカートリッジ2を傾ける。そして、カートリッジ2のフック部51をガイドピン12に下側から斜め上方に押し当てて係合させる。この際、加温器本体1正面の矢印17をガイドピン位置の目印とすることができる。
次にガイドピン12とフック部51の係合状態を維持したまま、ガイドピン12を支点としてカートリッジ2の流出側を加温器本体1のスリットに挿入する方向に旋回する。そしてカートリッジの流出側の接続部24側方の貫通穴27にボールプランジャ13が係合して加温器本体1に対するカートリッジ2の位置決めが完了する。
【0022】
次に本発明に係る加温器100の第4の実施例を説明する。第4の実施例は第3の実施例でカートリッジを装着する際に支点となる位置が下方に設けられた場合である。具体的には第4の実施例では加温器本体1は第3の実施例においてボールプランジャ13に相当する位置にガイドピン12を設け、また、ガイドピン12に相当する位置にボールプランジャ13を設けたものである。ここで蓋体4正面の矢印17もガイドピン位置に合せ位置を変更する。
図9に第4の実施例におけるカートリッジ2の構造を具体的に示す。ここでカートリッジ2の流入側接続部23の側方には貫通穴61が設けられ、流出側接続部24の側方には半円状の頂点からカートリッジの長手方向に平行に流出側に向けて楔状に開口した切欠きを有するフック部62が設けられる。
本実施例では、カートリッジ2の流入側接続部23付近を手で保持し、加温器本体1のスリット下部にカートリッジ2を挿入し、カートリッジ2のフック部62を加温器本体1のガイドピン12に接近する様にカートリッジ2の流入側接続部23付近を中心にカートリッジ2を傾ける。そして、カートリッジ2のフック部62をガイドピン12に押し当てて係合させる。この際も本体正面の矢印17をガイドピン位置の目印とすることができる。次にガイドピン12とフック部62の係合状態を維持したまま、ガイドピン12を支点としてカートリッジ62の流入側を加温器本体1のスリットに挿入する方向に旋回する。そしてカートリッジの流入側の接続部23側方の貫通穴61にボールプランジャ13が係合して加温器本体1に対するカートリッジ2の位置決めが完了する。
【0023】
以上の実施例ではカートリッジ2の固定はボールプランジャ13により行なうこととしたが、カートリッジ2の固定方法はこれに限らず以下に示すような一般的な固定機構を採用することも可能である。例えばボールプランジャ13の代わりに本体のレバー操作に連動してケース体3の内表面内から突出するストッパピンを設けても良い。
またカートリッジ2を外形固定するため、加温器本体1にカートリッジ2の旋回方向の限度を規定するカートリッジ2の長辺側面に当接するストッパ部を設け、加温器本体1のレバー18をスリットに対し直交する位置に操作した際に当該ストッパ部とレバー18でカートリッジ2の幅方向を押さえ込むようにしても良い。
【0024】
【発明の効果】
本発明の加温器は加温器本体又はカートリッジのいずれか一方に設けた支点と他方に設けた支点に係合するフック部とを有し、前記支点とフック部を係合させた状態で支点を中心にカートリッジを旋回させて加温器本体にカートリッジを挿入し、加温器本体に設けたストッパでカートリッジを本体の所定の位置に固定するようにしたので加温器本体へのカートリッジの取付け作業が極めて容易に行なえる。
支点とフック部の係合はフック部に楔形の開口を設けてあるので正確な位置合せを必要としない。また、支点とフック部が係合することで加温器本体とカートリッジの相対的な位置関係が規定されるので従来技術のように2ヶ所以上の位置決めピンへの位置合せに注意を払う必要が無い。
カートリッジにカテーテルが接続されている状態でカテーテルがIVポールやベッドに引っ掛かる等のためにカートリッジが引っ張られる等の問題が生じたとしても片手でカートリッジを保持したまま、他方の手でカテーテルの引っ掛かりを解くことができる。従って看護士が一人で迅速に対応が可能であり緊急医療の現場で簡易且つ迅速な作業が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加温器の第1実施例を示す加温器の外形図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る加温器本体の正面図(a)、および上面図(b)、および側面図(c)である。
【図3】本発明の第1実施例に係るカートリッジの正面図(a)、および上面図(b)、および側面図(c)である。
【図4】本発明の第1実施例に係る加温器本体へのカートリッジの装着手順を示す外形図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る加温器本体へのカートリッジの装着手順を示す中間手順図(a)、および最終手順図(b)である。
【図6】本発明の第2実施例に係る加温器本体の正面図(a)、および上面図(b)、および側面図(c)である。
【図7】本発明の第2実施例に係るカートリッジの正面図(a)、および上面図(b)、および側面図(c)である。
【図8】本発明の第3実施例に係るカートリッジの正面図(a)、および上面図(b)、および側面図(c)である。
【図9】本発明の第4実施例に係るカートリッジの正面図(a)、および上面図(b)、および側面図(c)である。
【図10】従来技術の加温器の外形図である。
【符号の説明】
1  加温器本体
2  カートリッジ
3  ケース体
4  蓋体
11 加熱板
12 ガイドピン
13 ボールプランジャ
14 クランプ機構
15 連結部
16 表示部
17 矢印型のマーク
18 レバー
21 スペーサ部材
22 樹脂フィルム
23 流入側接続部
24 流出側接続部
25 流路仕切り
26 フック部
27 貫通穴
31 円筒状の窪み
32 テーパー部
41 ガイドピン
51 フック部
61 貫通穴
62 フック部
100 加温器
200 IVポール
300 カテーテル

Claims (5)

  1. 点滴液、輸血液等の非経口性流体の加温器において、
    加温器本体又はカートリッジのいずれか一方に設けた支点と、他方に設けた前記支点に係合する係合部とを有し、前記支点と係合部を係合させた状態で支点を中心にカートリッジを旋回させて加温器本体にカートリッジを挿入し、加温器本体に設けたストッパでカートリッジを本体の所定の位置に固定することを特徴とする加温器。
  2. 点滴液、輸血液等の非経口性流体の加温器において、
    スリット状の開口を有する加温器本体又は板状のカートリッジのいずれか一方に設けた支点と、他方に設けた支点に係合する係合部とを有し、前記支点と係合部を係合させた状態で支点を中心に板状のカートリッジを旋回させて加温器本体のスリット状の開口部にカートリッジを挿入して、加温器本体に設けたストッパでカートリッジを加温器本体の所定の位置に固定した後、加温器本体に設けた加熱板をカートリッジに密着させることを特徴とする加温器。
  3. 前記係合部が半円状の頂点から楔形に開口した切欠を有するフック部であることを特徴とする請求項1又は2記載の加温器。
  4. 前記支点が加温器本体に設けたガイドピンであり、係合部がカートリッジに設けられたフック部であることを特徴とする請求項1又は2記載の加温器。
  5. 前記加温器本体に設けたストッパがボールプランジャであることを特徴とする請求項1又は2記載の加温器。
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