JP2004105008A - 油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鶏肉に、(A)大豆水抽出粉末と、(B)32メッシュの篩を通過し、80メッシュの篩上に残留するものを60質量%以上含有するトウモロコシ粗粒物と、(C)膨張剤と、(D)グリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルとを含むブレダーを付着させた後、油ちょうし、続いて蒸煮し、その後冷凍する。前記ブレダーとして、前記(A)大豆水抽出粉末を1〜20質量%、前記(B)トウモロコシ粗粒物を2〜20質量%含有するものを用いることが好ましい。また、蒸煮した後、更にオーブン又はスチームオーブンで加熱してから冷凍することが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油ちょうし、続いて蒸煮した後、冷凍して所望の期間冷凍保存した後、再加熱して喫食する油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、油ちょう済みの鶏肉を冷凍し、喫食直前に再加熱するようにした冷凍カラ揚げが普及しており、一般家庭だけでなく、ファーストフード店やレストラン等で多く採用されている。しかしながら、このような冷凍カラ揚げにおいては、鶏肉に一般的な方法で衣付けし、油ちょうしたものをそのまま凍結して冷凍保存した場合、再加熱した際に、鶏肉のドリップが衣にしみでて、▲1▼鶏肉の風味、旨味が損なわれる、▲2▼パサついた食感となる、▲3▼肉が縮んでボリューム感に欠ける、▲4▼衣のクリスピーさが損なわれる、▲5▼揚げムラが生じてしまう、などといった問題があった。
【0003】
これまでに、カラ揚げなどの油ちょう食品における衣の食感の改善に関する多くの技術が提案されており、例えば、特許文献1には、難水和性粒状物質と、高蛋白質粉末と、穀粉および/または澱粉類と、着色料とを含有することを特徴とする唐揚げ用ミックス粉が開示されている。
【0004】
特許文献2には、粒度が32メッシュスルー80メッシュオーバーの強力系硬質小麦粉砕物を5重量%以上含有することを特徴とするフライ用衣ミックスが開示されている。
【0005】
特許文献3には、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびレシチンから選ばれる乳化剤の少なくとも1種をカラ揚げ粉全重量に基づいて0.5〜5重量%含有していることを特徴とするカラ揚げ粉が開示されている。
【0006】
そして、特に、冷凍カラ揚げに関する技術として、特許文献4には、畜肉又は魚介類に、米粉を50重量%以上含有する打粉を付着させた後、蒸煮し、次いで衣付けし、続いて油ちょうし、その後冷凍することを特徴とする冷凍唐揚げの製造法が開示されている。
【0007】
特許文献5には、コーングリッツ及び/又は小麦セモリナと、α化澱粉及び/又はα化穀粉と、酵素失活小麦粉とを含有し、酵素活性の存在する小麦粉は含有しないことを特徴とする電子レンジ、オーブン又は湯煎調理用の油ちょう済フライ食品用衣材が開示されている。
【0008】
特許文献6には、脱脂大豆の水抽出画分を粉末化した脱脂豆乳粉末を含有することを特徴とするフライ用衣材が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開昭63−233751号公報
【特許文献2】
特許第2995489号公報
【特許文献3】
特許第3243490号公報
【特許文献4】
特許第3272868号公報
【特許文献5】
特開平4−40870号公報
【特許文献6】
特開2002−65194号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このようにカラ揚げや冷凍カラ揚げの食感を改善するために様々な技術が提案されているが、冷凍保存後に再加熱した場合における鶏肉の食味及び食感、衣の食感、外観等において、充分満足できるものではなかった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、冷凍保存後、再加熱した際の鶏肉の食味及び食感、衣の食感、外観等に優れた油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法は、鶏肉に、(A)大豆水抽出粉末と、(B)32メッシュの篩を通過し、80メッシュの篩上に残留するものを60質量%以上含有するトウモロコシ粗粒物と、(C)膨脹剤と、(D)グリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルとを含むブレダーを付着させた後、油ちょうし、続いて蒸煮し、その後冷凍することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、鶏肉に、上記(A)〜(D)の各材料を含むブレダーを付着させた後、油ちょうし、続いて蒸煮し、その後冷凍することにより、冷凍保存後、再加熱した際に、鶏肉の風味、旨味が充分にあり、柔らかくてジューシーな食感となり、衣の食感もクリスピーで、揚げムラや焦げがなく外観に優れたものとなる油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品を得ることができる。
【0014】
本発明においては、前記(A)大豆水抽出粉末を1〜20質量%、前記(B)トウモロコシ粗粒物を2〜20質量%含有するブレダーを用いることが好ましい。これにより、冷凍保存後に再加熱した際の鶏肉の食味及び食感をより良好にできると共によりクリスピーな衣とすることができる。
【0015】
また、蒸煮した後、更にオーブン又はスチームオーブンで加熱してから冷凍することが好ましい。オーブンとしては、内部の加熱温度を一定に設定できるように熱風を吹き付けたり循環させたりするジェットオーブン、コンベンショナルオーブン、コンベクションオーブンなどを用いることができ、スチームオーブンでも同様に加湿タイプのジェットオーブン或いはコンベンショナルオーブン、コンベクションオーブンなどを用いることができる。これにより、蒸煮によってベタつきやすくなった衣の水分を飛ばすことができるので、衣の剥がれ等を防止でき、後工程における作業性を向上することができる。
【0016】
更に、前記蒸煮を、90〜110℃で1〜20分間行うことが好ましい。これにより、鶏肉の縮みを抑制しながら加熱することができると共に、揚げムラや衣の焦げを防止して骨内部の骨髄まで充分に加熱することができる。
【0017】
更にまた、前記オーブン又はスチームオーブンでの加熱を、115〜280℃で1〜10分間行うことが好ましい。これにより、蒸煮によってふやけウエットな状態の衣から余分な水分を飛ばし、平坦な状態から凹凸感のある衣とすることができ、衣のクリスピー感が増すと共に鶏肉の脂肪分が適度に落ちて油っぽさを低減し、鶏皮のパリパリ感を増加させることができる。
【0018】
更にまた、骨付き鶏肉を用いることが好ましい。これにより、骨髄まで充分に火が通っていて、鶏肉の風味、旨味が充分にあって、その食感も柔らかくてジューシーで、衣の食感もクリスピーで、揚げムラや焦げがなく外観に優れたフライドチキンを得ることができる。
【0019】
更にまた、前記油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品は、オーブンで再加熱して喫食されるものであることが好ましい。これにより、衣の油っぽさをより少なくすることができると共に、フライした時の衣とは異なる食感の衣を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明において、油ちょう済み鶏肉加工食品とは、カラ揚げや骨付き鶏肉のカラ揚げであるフライドチキンを含むものである。
【0021】
鶏肉は、手羽元、手羽先、手羽中、むね肉、もも肉、ささみ等を用いることができる。本発明においては、蒸煮の工程において内部まで熱を加えることができるので、火の通りの悪い骨付きのものや、例えば、100〜200g程度のサイズの大きいものにも適用することができ、例えば、大型の骨付き鶏肉を用いることもできる。なお、鶏肉は、塩、糖、香辛料、ハーブ、グルタミン酸ソーダなど粉末状の調味料などを直接ふりかけよくすり込み味をなじませたもの、もしくはグルタミン酸ナトリウム、塩類、香辛料、香辛料抽出物、トレハロース、ショ糖などの糖類、ステビア、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、カンゾウなどの甘味料、醤油、味噌、魚醤などの発酵調味料、椎茸エキス、チキンエキス、昆布エキス、鰹エキスなど動植物から得られる調味エキス、澱粉、乳、脱脂粉乳等の乳製品、乳蛋白、卵白や大豆蛋白などの蛋白質、pH調整剤、酸味料、柚子、レモン、リンゴなどの果汁などを水に加えたマリネード液に漬けて味を付けておいたものを用いてもよい。またマリネード液を肉に吸収させる為に混転装置内で混転させてもよく、また混転装置内を減圧してもよい。さらにはマリネード液をインジェクターで鶏肉に注入したもの、或いは注入後混転装置内で混転させたものを用いてもよい。また、鶏肉は、生のものを用いるのが好ましいが、冷凍されたものをそのまま、あるいはそれを解凍したものを用いてもよい。
【0022】
本発明において用いられるブレダーは、粉末状のまま用いられるいわゆるまぶしタイプの衣材であり、(A)大豆水抽出粉末と、(B)32メッシュの篩を通過し、80メッシュの篩上に残留するものを60質量%以上含有するトウモロコシ粗粒物と、(C)膨脹剤と、(D)グリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルとを含むものである。本発明においては、上記(A)〜(D)成分を併用することが重要であり、いずれか一つが欠けても目的とする油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品を得ることができない。
【0023】
上記(A)大豆水抽出粉末とは、脱脂大豆を水で抽出して残渣を除去して得られる水抽出溶液を乾燥、粉末化したものであり、例えば、脱脂大豆に10倍量の水を加えて、水溶解成分を抽出し、残渣を遠心分離等により除去して得られる豆乳を乾燥、粉末化することにより調製できる。
【0024】
また、(B)トウモロコシ粗粒物は、32メッシュの篩を通過し、80メッシュの篩上に残留するものを60質量%以上含有するように粉砕されたトウモロコシの粉砕物である。本発明においては、32メッシュの篩を通過し、80メッシュの篩上に残留するトウモロコシ粉砕物を75質量%以上含有するものが好ましく用いられ、32メッシュの篩を通過し、60メッシュの篩上に残留するトウモロコシ粉砕物が70質量%以下であって、かつ80メッシュの篩上に残留するトウモロコシ粉砕物を75質量%以上含有するものが特に好ましく用いられる。トウモロコシ粗粒物の粒度が32メッシュより大きいと、衣の食感が硬くなると共にブレディング時のブレダーの付着性が悪くなって均一に付着しにくくなる。また、80メッシュの篩上に残留するトウモロコシ粉砕物の含有率が低過ぎると目的とする食感の衣を得ることが出来ない。
【0025】
また、(C)膨脹剤としては、特に制限なく用いることができるが、膨脹剤4gを50℃の水100mLに加えて撹拌した時に、累積ガス量が、撹拌開始から30秒で5〜45mL、60秒で50〜100mL、90秒で100〜150mLとなるように、炭酸水素ナトリウム、油脂及び酸性剤を配合したものが好ましく用いられる。なお、必要に応じて賦形剤として澱粉や小麦粉等が含まれていてもよい。このような膨脹剤を用いることにより、衣の食感をよりクリスピーにすることができる。
【0026】
上記油脂としては、常温で固形の食用油脂が好ましく用いられ、例えば、ヘット、ラード、バター等の固形油脂、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、サフラワー油、ヒマワリ油、落花生油、グレープシード油等の植物油脂や魚鯨油等の液状油脂を、水素添加して得られる固形油脂等が挙げられる。また、酸性剤としては、例えば、酒石酸、酒石酸水素カリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、焼ミョウバン、焼アンモニウムミョウバン、グルコノデルタラクトン、グルコン酸塩等が好ましく用いられる。
【0027】
膨脹剤における上記各成分の配合割合は、目的とする発泡特性が得られるように調整された配合であれば特に限定されないが、炭酸水素ナトリウム20〜55質量%、油脂1〜20質量%、酸性剤20〜60質量%が好ましい。
【0028】
なお、膨脹剤のガス発生量は、食品衛生法第7条第1項及び第10条の規定に基づき定められた食品、添加物等の規格基準に記載の発生ガス測定法に準じて測定すればよい。すなわち、50℃の水100mlと撹拌子を入れたフラスコを50℃の水浴中に入れ、このフラスコに、正確に計り取った膨脹剤4gをオブラートに包んで投入する。投入後速やかに三方コック(開放にした状態)でフラスコと外とう管付きガスビュレットとをつなぎ、ガスビュレットの液面が0の目盛りに合うように水準瓶の位置を調整する。そして、三方コックをフラスコ側に開けて撹拌子を回して反応を開始させ、反応開始から30秒後、60秒後、90秒後に水準瓶とガスビュレットの液面の高さを合わせてその目盛りV(ml)を読み、また、そのときの発生ガスの温度t(℃)を温度計で読む。そして、下記式により標準状態における発生ガス量Vo(ml)を求める。別に空実験値v(ml)を求め補正する。
【0029】
【数1】
Vo=(V−v)×{(P−p)/101}×{273/(273+t)}
ただし、P:測定時における大気圧(kPa)、p:t℃における水の水蒸気圧(kPa)。
【0030】
また、(D)グリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルは、乳化剤として食品に添加可能なものであれば特に制限なく用いることができる。なお、グリセリン脂肪酸エステルには、ポリグリセリン脂肪酸エステルや有機酸モノグリセリド等が含まれる。
【0031】
本発明で用いられるブレダーにおける上記各成分の配合割合は、ブレダー全体に対して、上記(A)成分を1〜20質量%(より好ましくは1〜10質量%)、上記(B)成分を2〜20質量%(より好ましくは2〜15質量%)、上記(C)成分を0.1〜5質量%(より好ましくは0.3〜3質量%)、上記(D)成分を0.1〜5質量%(より好ましくは0.2〜4質量%)であることが好ましい。
【0032】
また、ブレダーは、他の成分として、一般に衣材に使用されている成分を含むことができる。例えば、小麦粉、米粉、コーンフラワー、ライ麦粉、エンバク粉、そば粉や、粟、黍、稗等の粉末等の穀粉類、大豆粉、緑豆粉、小豆粉等の豆粉末、馬鈴薯粉末、さつまいも粉末などのイモ類粉末、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉等の澱粉類やそれらの化工澱粉、澱粉加水分解物(デキストリン)、クラッカー粉末、ナッツ粉砕物、卵黄粉末、卵白粉末、全卵粉末等の卵粉末、大豆蛋白質、エンドウ蛋白質、油脂類、乳化剤、グルコース、フラクトース、キシロース等の単糖類、トレハロース、グラニュー糖、マルトース、ラクトース等の二糖類、オリゴ糖、転化糖等の糖類、糖アルコール、増粘多糖類、卵殻粉末、貝殻粉末、食塩、グルタミン酸ナトリウム、粉末醤油、畜肉、魚介類及び植物のエキス粉末、アミノ酸、有機酸及びその塩、核酸及びその塩等の調味料類、香辛料及び香辛料抽出物、着色料、ビタミン、ミネラル類、野菜、海藻、果実の砕片又は粉末などを適宜含むことができる。
【0033】
本発明の油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法は、鶏肉に、上記ブレダーを均一に付着させた後、油ちょうし、続いて蒸煮し、その後冷凍するものである。なお、鶏肉に、バッター液を絡めてから、上記ブレダーを付着させてもよい。
【0034】
また、蒸煮した後、更にオーブン又はスチームオーブンで加熱してから冷凍してもよく、これにより、衣の余分な水分を飛ばして、衣のベタつきを抑えることができ、鶏肉の中心部まで充分に熱を通すことができる。
【0035】
油ちょう条件は、鶏肉の大きさなどによって適宜設定できるが、通常、160〜190℃の油で20秒〜3分間油ちょうすればよい。油ちょう条件が上記範囲外であると、ブレダーが充分に固まらず衣が形成されなかったり、衣に揚げムラや焦げがみられたり、ガリガリとした硬い食感の衣となり、肉も硬くてジューシー感の乏しいパサついたものになってしまう。
【0036】
また、蒸煮条件も同様に適宜設定できるが、好ましくは90〜110℃で1〜20分間行う。このことにより衣の揚げムラや焦げの発生を抑えることができる。蒸煮条件が上記範囲外であると、鶏肉の中心部まで充分に熱が通らなかったり、逆に熱がかかりすぎて鶏肉の縮みが大きくなったり、衣の水分が多くなり、ベタついて後工程のハンドリングが悪くなる場合がある。
【0037】
また、オーブン又はスチームオーブンの加熱条件も同様に適宜設定できるが、好ましくは、115〜280℃で1〜10分間行う。加熱条件が上記範囲外であると、衣から適切に水分を飛ばしたり、鶏肉の余分な脂肪を落とすことができなかったり、衣の焦げやガリガリとした硬い食感の衣となり、肉も硬くてジューシー感の乏しいパサついたものになってしまう。
【0038】
蒸煮が終了、あるいは蒸煮後オーブンまたはスチームオーブンによる加熱が終了した鶏肉は、必要に応じて冷却した後、冷凍する。冷凍は急速冷凍により行うのが好ましく、例えば、エアブラストフリージング等により行うことができる。
【0039】
このようにして製造された油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品は、所望期間冷凍保存され、冷凍状態で運搬することもできる。
【0040】
そして、冷凍保存後、所望のときに再加熱することにより、鶏肉の食味及び食感、衣の食感、外観に優れ、油ちょう直後の揚げたての状態と類似の状態にすることができる。再加熱は、油ちょう、電子レンジ加熱、オーブン加熱等の方法により行うことができるが、オーブン加熱することにより、衣の油っぽさをより少なくできるので好ましい。
【0041】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、以下の例において、トウモロコシ粗粒物及びデュラムセモリナは表1に示すものを用いた。
【0042】
【表1】
【0043】
試験例1(鶏もも肉のカラ揚げ)
鶏もも正肉(30g)に、表2に示す配合の各フライ用ブレダーをまぶして175℃で1分間油ちょうしてから、96℃にて4分間蒸煮し、190℃のオーブンで2分間加熱した後、速やかに−30℃にて急速凍結し、−20℃にて14日間保存した。この冷凍保存した鶏もも肉のカラ揚げを175℃で4分間油ちょうした。なお、実施例2は、冷凍保存後、200℃のオーブンで8分間加熱した。そして、油ちょう後又はオーブン加熱後、保温庫(75℃、以下、同じ。)内に10分間放置したものについて、経験豊かなパネラー10名で試食し、評価を行った。評価は、歯切れがとても良く、カラッとしていて油のベタつき感がないものを5点として、食感が悪くなるにしたがって点数を低くし、歯切れが非常に悪く、カラッとした感じがなく油のベタつき感がひどいものを0点とし、その平均で表した。その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
表2に示されるように、実施例1、2は、大豆水抽出粉末を含有しない比較例1、トウモロコシ粗粒物を含有しない比較例2、膨脹剤を含有しない比較例3、乳化剤を含有しない比較例4、乳化剤としてレシチンを用いた比較例5などに比べて、冷凍保存後、油ちょうした際に良好な食感を有していることが分かる。特に、オーブン加熱した実施例2は、油ちょうした実施例1に比べてより良好な食感を有していることが分かる。
【0046】
試験例2(鶏手羽元のフライ)
鶏手羽元に、バッター液をからめ、余分なバッター液を切ってから表3に示す配合の各フライ用ブレダーをまぶして175℃で1分間油ちょうしてから、97℃にて7分間蒸煮し、210℃のスチームオーブンで2分間加熱した後、速やかに−30℃にて急速凍結し、−20℃にて14日間保存した。この冷凍保存した鶏手羽元のフライを200℃のオーブンにて10分間加熱した後、保温庫内に10分間放置したもの、及び保温庫内に1時間放置ものについて、経験豊かなパネラー10名で試食し、試験例1と同様の基準で評価を行った。その結果を表3に示す。なお、上記バッター液は、澱粉47g、小麦粉25g、油脂25g、乳化剤1g、増粘多糖類1g、膨脹剤0.5g、セルロース0.5gに、水250mLを加えて調製した。
【0047】
【表3】
【0048】
表3に示されるように、実施例3は、大豆水抽出粉末の代わりに分離大豆蛋白質を用いた比較例6、粒度の大きなトウモロコシ粗粒物を含む比較例7、粒度の小さなトウモロコシ粉末を含む比較例8、デュラムセモリナを含む比較例9、膨脹剤を含まない比較例10、乳化剤を含まない比較例11などに比べて、加熱直後の食感に優れ、加熱後時間が経過しても良好な食感を維持していることが分かる。
【0049】
試験例3(骨付き鶏もも肉のフライ)
骨付き鶏もも肉に、表4に示す配合のフライ用ブレダーをまぶして、表5に示す調理方法にしたがって加熱調理した後、−30℃にて急速凍結し、−20℃にて14日間保存した。この冷凍保存した鶏骨付きもも肉の加工品を200℃のオーブンにて15分間加熱した後、保温庫内に15分間放置したものについて、経験豊かなパネラー10名で試食し、表6に示す基準で評価を行った。その結果を表5に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
表5に示されるように、実施例4〜6は、油ちょう工程のない比較例12、蒸煮工程のない比較例13、14などに比べて、外観、鶏肉の食味、食感、衣の食感等に優れていることが分かる。特に、蒸煮を10分間行った実施例4は、蒸煮を30分間行った実施例5に比べて、鶏肉の食味、食感及び衣の食感に優れていることが分かる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、鶏肉に、(A)大豆水抽出粉末と、(B)32メッシュの篩を通過し、80メッシュの篩上に残留するものを60質量%以上含有するトウモロコシ粗粒物と、(C)膨脹剤と、(D)グリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルとを含むブレダーを付着させた後、油ちょうし、続いて蒸煮し、その後冷凍することにより、冷凍保存後、再加熱した際の鶏肉の食味及び食感、衣の食感、外観等に優れた油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品を得ることができる。
Claims (7)
- 鶏肉に、(A)大豆水抽出粉末と、(B)32メッシュの篩を通過し、80メッシュの篩上に残留するものを60質量%以上含有するトウモロコシ粗粒物と、(C)膨脹剤と、(D)グリセリン脂肪酸エステル及び/又はショ糖脂肪酸エステルとを含むブレダーを付着させた後、油ちょうし、続いて蒸煮し、その後冷凍することを特徴とする油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法。
- 前記(A)大豆水抽出粉末を1〜20質量%、前記(B)トウモロコシ粗粒物を2〜20質量%含有するブレダーを用いる、請求項1記載の油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法。
- 蒸煮した後、更にオーブン又はスチームオーブンで加熱してから冷凍する、請求項1又は2記載の油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法。
- 前記蒸煮を、90〜110℃で1〜20分間行う、請求項1〜3のいずれか一つに記載の油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法。
- 前記オーブン又はスチームオーブンでの加熱を、115〜280℃で1〜10分間行う、請求項1〜4のいずれか1つに記載の油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法。
- 骨付き鶏肉を用いる、請求項1〜5のいずれか1つに記載の油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品の製造方法。
- 前記油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品は、オーブンで再加熱して喫食されるものである、請求項1〜6のいずれか一つに記載の油ちょう済み冷凍鶏肉加工食品。
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