JP2004104590A - 音声伝送システム及び音声伝送方法 - Google Patents

音声伝送システム及び音声伝送方法 Download PDF

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Akihiro Yamamoto
山本 章裕
Toshikazu Hattori
服部 敏和
Susumu Ibaraki
茨木 晋
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】複数の音声信号の伝送に使用する伝送帯域を、各音声信号の内容に依存することなく抑えて、限られた伝送帯域容量を効率良く利用する音声伝送システム及び音声伝送方法を提供する。
【解決手段】通話音声信号を出力するハンズフリー装置100と、ガイド音声信号を出力するカーナビ装置200と、スピーカ421〜424と、通話音声信号及びガイド音声信号に示される音声の波形が重畳された波形を表す多重化音声信号を作成することで、通話音声信号及びガイド音声信号を多重化し、その多重化音声信号をネットワーク500を介してスピーカ421〜424に送信して、スピーカ421〜424から前記多重化音声信号に示される音声を出力させる多重化ユニット300とを備える。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音声を示す音声信号をネットワークを介して伝送する音声伝送システム及び音声伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の音声信号を多重化して伝送する音声伝送システム(音声多重化システム)が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような音声伝送システムは、複数の音声信号を伝送するときには、各音声信号に対して伝送帯域を確保するが、伝送帯域の容量を越える複数の音声信号を伝送しようとする場合には、各音声信号において最も音質に影響を及ぼすことが少ないと推定される音声情報を削除することにより、使用する伝送帯域を抑えて複数の音声信号を同時に伝送するものである。
【0003】
一方、自動車内には、音楽を出力したりテレビ画像を表示したりするオーディオ機器や、目的地までの案内を行うカーナビゲーションシステムや、運転者がハンズフリー通話を行うためのハンズフリーシステムなどの電子機器が数多く搭載されるようになり、これら電子機器のネットワーク化が図られている。
【0004】
上記従来の音声伝送システムは、このような自動車内においても用いられ、例えばハンズフリーシステムによる通話音声、及びカーナビゲーションシステムによるガイド音声などを示す複数の音声信号の不要と思われる音声情報を削除することにより、これらの複数の音声信号を、伝送帯域を抑えて同時に伝送する。
【0005】
【特許文献1】
特許第2692104号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の音声伝送システムでは、各音声信号の中から不要と推定される音声情報を削除することで、複数の音声信号の伝送に使用する伝送帯域を抑えようとするため、音声情報が不要と推定されない場合は、その伝送帯域をあまり抑えることができないといった問題がある。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、複数の音声信号の内容に依存することなく、その複数の音声信号の伝送に使用する伝送帯域を抑えて、限られた伝送帯域容量を効率良く利用する音声伝送システム及び音声伝送方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る音声伝送システムは、音声を示す音声信号をネットワークを介して伝送する音声伝送システムであって、音声を示す第1の音声信号を出力する第1の音声信号出力手段と、音声を示す第2の音声信号を出力する第2の音声信号出力手段と、スピーカと、前記第1及び第2の音声信号に示される音声の波形が重畳された波形を表す多重化音声信号を作成することで、前記第1及び第2の音声信号を多重化し、前記多重化音声信号を前記ネットワークを介して前記スピーカに送信して、前記スピーカから前記多重化音声信号に示される音声を出力させる多重化手段とを備える。
【0008】
ここで、前記音声伝送システムは、さらに、前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度を把握し、それぞれの重要度に差があるときには、重要度の高い方の音声信号に示される音声の音圧レベルが、重要度の低い方の音声信号に示される音声の音圧レベルよりも大きくなるように、前記多重化手段に多重化音声信号を作成させる制御手段を備えても良い。
【0009】
また、本発明に係る音声伝送システムは、音声を示す音声信号をネットワークを介して伝送する音声伝送システムであって、音声を示す第1の音声信号を出力する第1の音声信号出力手段と、音声を示す第2の音声信号を出力する第2の音声信号出力手段と、複数のスピーカと、前記第1及び第2の音声信号を時分割し、時系列に従って各音声信号の分割された成分を順に含ませることで、前記第1及び第2の音声信号を多重化した多重化音声信号を作成し、前記ネットワークを介して送信する多重化手段と、前記多重化音声信号を受信して、前記多重化音声信号から前記成分を前記音声信号ごとに時系列に従って分離する分離処理手段と、前記音声信号ごとに分離された成分間の時間的な隙間を補間することで、前記第1及び第2の音声信号のそれぞれに対応する第1及び第2の再生音声信号を作成し、前記第1及び第2の再生音声信号に示される音声を前記複数のスピーカから各別に出力させる補間処理手段とを備えても良い。
【0010】
ここで、前記補間処理手段は、ホワイトノイズを挿入して前記隙間を補間する。
また、前記音声伝送システムは、さらに、前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度を把握し、それぞれの重要度に差があるときには、重要度の高い方の音声信号の成分が、重要度の低い方の音声信号の成分よりも多く含まれるように、前記多重化手段に多重化音声信号を作成させる制御手段を備えても良い。
【0011】
さらに、本発明は、音声を示す音声信号をネットワークを介して送信する音声伝送方法として実現したり、コンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態における音声伝送システムについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における音声伝送システムの外観図である。
【0013】
本実施の形態における音声伝送システムは、自動車内に構築されて、伝送帯域の使用を抑えて複数の音声信号を伝送するものであって、運転者に対してハンズフリー通話を可能ならしめるハンズフリー制御ユニット110及び携帯電話130並びにマイク120と、現在地から目的地までの道案内などを行うカーナビ制御ユニット210及び位置情報受信機220と、それぞれ互いに異なる音声を示す複数の音声信号を多重化する多重化ユニット300と、多重化ユニット300を制御する多重化制御ユニット310と、入力信号を信号処理してその信号に応じた音を出力するサウンド処理ユニット410及びスピーカ421〜424とを備え、上記ハンズフリー制御ユニット110、カーナビ制御ユニット210、多重化ユニット300、多重化制御ユニット310、及びサウンド処理ユニット410はそれぞれ例えばMOST(Media Oriented System Transport)などによるリング型のネットワーク500を介して相互に接続されている。
【0014】
ここで、ハンズフリー制御ユニット110及び携帯電話130並びにマイク120からハンズフリー装置100を構成し、カーナビ制御ユニット210及び位置情報受信機220からカーナビ装置200を構成し、サウンド処理ユニット410及びスピーカ421〜424からサウンド装置400を構成している。また、ネットワーク500を介して送受信される信号は、このネットワーク500のリングを時計回りの方向に伝送される。
【0015】
ハンズフリー装置100のハンズフリー制御ユニット110は、例えば自動車のフロントパネルやコンソールボックスに組み込まれており、自動車内に持ち込まれた運転者の携帯電話である携帯電話130と、例えばBluetooth([ザ ブルートゥース エスアイジー インコーポレーテッド」の登録商標)の通信規格に準じて無線通信を行う。またマイク120は、例えば自動車のルームミラーに取り付けられ、運転者の音声を集音してハンズフリー制御ユニット110に運転者音声信号を出力する。
【0016】
カーナビ装置200のカーナビ制御ユニット210は、上記ハンズフリー制御ユニット110と同様、例えば自動車のフロントパネル又はコンソールボックスに組み込まれ、位置情報受信器220は、GPS衛星からの電波を受信できるようにフロントガラス付近に配置されて、そのGPS衛星から自らの位置を示す内容の位置情報を受信する。
【0017】
サウンド装置400の4つのスピーカ421〜424は、それぞれサウンド処理ユニット410からの出力信号に応じて音を出力し、その音が自動車内に広く伝播するように配設されている。即ち、スピーカ421は前方の運転席側に配設され、スピーカ422は前方の助手席側に配設され、スピーカ423は後方の運転席側に配設され、スピーカ424は後方の助手席側に配設されている。
【0018】
また、本実施の形態では、ハンズフリー装置100、カーナビ装置200、多重化ユニット300、多重化制御ユニット310、及びサウンド装置400を、上述のようにネットワーク500を介して接続することにより、各々を互いにケーブル接続する場合と比べて配線の数及び量を削減して、音声伝送システムの軽量化を図っている。
【0019】
図2は、本実施の形態における音声伝送システムのブロック図である。
ハンズフリー制御ユニット110は、携帯電話130と通信してこれを制御するとともに、マイク120からの運転者音声信号を受信する通信制御部111と、通話相手からの通話音声を示す通話音声信号をパケット化し、ネットワーク500を介して多重化ユニット300に出力する通話音声出力部112とを備えている。
【0020】
上記通信制御部111は、マイク120から出力される運転者音声信号を取得して、携帯電話130へ送信するとともに、携帯電話130から上記通話音声信号を取得して通話音声出力部112に出力する。
【0021】
一方、通話音声出力部112は、通信制御部111から取得した通話音声信号を多重化ユニット300に出力するときには、その通話音声信号の内容の緊急性や重要性を示す重要度情報Aをパケット化し、ネットワーク500を介して多重化制御ユニット310に出力する。
【0022】
この重要度情報Aは、パケットのヘッダー部に割り当てられたビットに含まれて、例えば通話音声信号の内容の重要度を「大」、「中」、又は「小」で表し、通常「中」に設定されている。そして、例えば、ユーザがハンズフリー制御ユニット110に具備された操作ボタンを操作することで、重要度情報Aの表す重要度は「大」又は「小」に切り換えられる。
【0023】
またカーナビ制御ユニット210は、入力信号に応じて例えば地図などの文字や図形を表示する表示部212と、位置情報受信器220により受信された位置情報に基づき、自らの位置を把握し、例えば指定された目的地までのルートの検索を行って表示部212に前記ルートを表示させる制御部211と、制御部211からの制御に基づき、目的地を案内するガイド音声を示す内容のガイド音声信号をパケット化し、ネットワーク500を介して多重化ユニット300に出力するガイド音声出力部213とを備えている。
【0024】
ここでガイド音声出力部213は、上記通話音声出力部112と同様、ガイド音声信号を多重化ユニット300に出力するときには、ガイド音声信号の内容の緊急性や重要性を示す重要度情報Bをパケット化し、ネットワーク500を介して多重化制御ユニット310に出力する。
【0025】
この重要度情報Bは、パケットのヘッダー部に割り当てられたビットに含まれて、例えばガイド音声信号の内容の重要度を「大」、「中」、又は「小」で表し、これらの重要度はガイド音声信号の内容に応じて予め設定されている。例えば、ユーザがスピードを出し過ぎていたり、表示部212の案内と全くことなるような進路を選択して運転した場合に、「スピードを落としてください」、「危険な道を走行しています」などといった事故を未然に防ぐためのガイド音声を示す内容のガイド音声信号に対しては、重要度「大」が設定され、「次の信号を左折してください」などといった単に案内を行うガイド音声を示す内容のガイド音声信号に対しては、重要度「中」が設定され、「目的地を選択してください」などといった操作案内を行うガイド音声を示す内容のガイド音声信号に対しては、重要度「小」が設定されている。
【0026】
また、サウンド装置400のサウンド処理ユニット410は、ネットワーク500を介して取得した信号をD/A変換するD/A変換部411と、D/A変換部411からのアナログ信号を増幅する増幅部412とを備えている。そして4つのスピーカ421〜424は、それぞれ増幅部412からの出力信号に応じて音を出力する。
【0027】
多重化制御ユニット310は、上記重要度情報A及び重要度情報Bを受信したときには、重要度情報Aの示す重要度及び重要度情報Bの示す重要度を比較する。そして、多重化制御ユニット310は、両重要度が共に等しければ、通話音声信号とガイド音声信号を多重化するように指示し、何れか一方の重要度が高ければ、その重要度に対応する通話音声信号又はガイド音声信号を優先して出力するように指示する指示情報を、ネットワーク500を介して多重化ユニット300に出力する。
【0028】
多重化ユニット300は、ハンズフリー制御ユニット110の通話音声出力部112から通話音声信号を受信するとともに、カーナビ制御ユニット210のガイド音声出力部213からガイド音声信号を受信したときには、上記指示情報に応じて、通話音声信号とガイド音声信号とを多重化する。
【0029】
ここで本実施の形態における多重化ユニット300が行う上記多重化について、図3及び図4を用いて詳細に説明する。
図3は、通話音声信号とガイド音声信号との多重化の一例を説明する説明図である。
この図3に示すように、通話音声信号は、通話音声出力部112からパケット化されて出力されており、一連の通話パケットa1,a2,a3,…から構成される。これと同様に、ガイド音声信号も、ガイド音声出力部213からパケット化されて出力されており、一連のガイドパケットb1,b2,b3,…から構成されている。
【0030】
多重化ユニット300は、パケットごとに通話音声信号とガイド音声信号とを多重化することで、複数の多重化パケットc1,c2,c3から構成される多重化音声信号を作成する。例えば、図3に示すように、通話パケットa1とガイドパケットb1とを多重化して、多重化パケットc1を作成し、同様に、通話パケットa2とガイドパケットb2とを多重化して、多重化パケットc2を作成する。
【0031】
ここで本実施の形態において多重化するとは、通話パケットのデータにより示される通話音声の波形と、ガイドパケットのデータにより示されるガイド音声の波形とを重畳し、これによって表される波形を示すデータを多重化パケットとして生成することをいう。また、上記重畳により表される波形は、後述する多重化音声を示す。
【0032】
図4は、通話音声及びガイド音声並びに多重化音声の各波形の一例を示す波形図である。この図4に示すように、多重化ユニット300は、各時間のガイド音声の強度に、その時間に対応する通話音声の強度を足し合わせることで、通話音声の波形をガイド音声の波形に重畳し、これによって表される多重化音声の波形を示すデータを一連の多重化パケットとして生成する。そして多重化ユニット300は、その一連の多重化パケットからなる多重化音声信号を、ネットワーク500を介してサウンド処理ユニット410のD/A変換部411に出力する。
【0033】
このように本実施の形態の多重化ユニット300は、通話音声信号及びガイド音声信号の示す音声の波形が重畳するように上記両音声信号を足し合わせて1つの音声信号に多重化し、この多重化された多重化音声信号を出力することにより、通話音声信号及びガイド音声信号の伝送に使用する伝送帯域を、その両音声信号の内容に依存することなく抑えることができ、限られた伝送帯域の容量を効率良く利用することができる。
【0034】
このような多重化ユニット300が通話音声信号及びガイド音声信号を受信して多重化音声信号を出力するまでの一連の動作について、図5を参照して説明する。
図5は、多重化ユニット300の動作の一例を示す動作フロー図である。
まず、多重化ユニット300は、通話音声出力部112からの通話音声信号と、ガイド音声出力部213からのガイド音声信号を受信する(ステップS100)。
【0035】
また、上記通話音声信号及びガイド音声信号が出力されたときには、通話音声出力部112からの重要度情報Aとガイド音声出力部213からの重要度情報Bとが出力されるため、多重化制御ユニット310は、重要度情報A及び重要度情報Bに基づいて、上述のように指示情報を多重化ユニット300に出力する。
【0036】
そして、多重化ユニット300は、上記指示情報を取得すると(ステップS102)、指示情報により指示される内容から通話音声信号とガイド音声信号を多重化するか否かを判別する(ステップS104)。
ここで多重化ユニット300は、多重化すると判別すると(ステップS104のY)、通話音声信号とガイド音声信号とを上述のように多重化して多重化音声信号を作成し(ステップS106)、この多重化音声信号を、ネットワーク500を介してサウンド処理ユニット410のD/A変換部411に出力する(ステップS108)。
【0037】
一方、多重化ユニット300が多重化することを要しないと判別すると(ステップS104のN)、多重化ユニット300は、指示情報で指示される内容に基づいて、通話音声信号又はガイド音声信号を選択し(ステップS110)、選択された通話音声信号又はガイド音声信号を、ネットワーク500を介してサウンド処理ユニット410のD/A変換部411に出力する(ステップS112)。
【0038】
また、多重化ユニット300は、通話音声信号のみを受信してガイド音声信号を受信していないときには、受信した通話音声信号のみをサウンド処理ユニット410のD/A変換部411に出力し、ガイド音声信号のみを受信して通話音声信号を受信していないときには、受信したガイド音声信号のみをサウンド処理ユニット410のD/A変換部411に出力する。
【0039】
ここで、上述のような本実施の形態における音声伝送システムの全体的な動作の一例について、図6を参照して説明する。
図6は、音声伝送システムの全体的な動作の一例を示すシーケンス図である。まず、運転者が自動車の中でハンズフリー通話を開始するためにハンズフリー装置100を操作すると、ハンズフリー装置100の携帯電話130は、他の電話器と電話回線網を介して通信して、通話相手からの通話音声を示す通話音声信号を上記電話器から受信する。これにより、ハンズフリー装置100は、その通話音声信号を通話音声出力部112からネットワーク500を介して多重化ユニット300に出力し(ステップS200)、これと略同時に、重要度情報Aを通話音声出力部112からネットワーク500を介して多重化制御ユニット310に出力する(ステップS202)。
【0040】
ここで多重化ユニット300は、カーナビ装置200のガイド音声出力部213からガイド音声信号を受信していなければ、ステップS200で受信した通話音声信号を、ネットワーク500を介してサウンド装置400に出力する(ステップS204)。
【0041】
通話音声信号を受信したサウンド装置400は、その通話音声信号をD/A変換した後に増幅して(ステップS206)、4つのスピーカ421〜424から通話音声を出力する(ステップS208)。
これにより、運転者は、通話相手からの通話音声を4つのスピーカ421〜424から聞いてハンズフリー通話を行う。
【0042】
ここで、運転者がカーナビ装置200を操作して、カーナビ装置200に目的地までの案内を開始させると、カーナビ装置200は、ガイド音声出力部213からガイド音声信号を、ネットワーク500を介して多重化ユニット300に出力する(ステップS210)。そしてこれと略同時に、カーナビ装置200は、ガイド音声出力部213から重要度情報Bを、ネットワーク500を介して多重化制御ユニット310に出力する(ステップS212)。
【0043】
ステップS202で重要度情報Aを取得し、ステップS212で重要度情報Bを取得した多重化制御ユニット310は、重要度情報Aにより示される重要度と、重要度情報Bにより示される重要度とを比較する(ステップS214)。例えば、重要度情報Aにより示される重要度が「中」であり、重要度情報Bにより示される重要度が「中」である場には、重要度情報Aの重要度と、重要度情報Bの重要度とは略等しいと判別し、通話音声信号とガイド音声信号とを多重化するように指示する内容の指示情報を、ネットワーク500を介して多重化ユニット300へ出力する(ステップS216)。
【0044】
この指示情報を取得した多重化ユニット300は、その指示情報の内容、つまり通話音声信号とガイド音声信号とを多重化するように指示する内容を把握する(ステップS218)。そして多重化ユニット300は、通話音声信号とガイド音声信号とを多重化して多重化音声信号を作成し(ステップS220)、その多重化音声信号を、ネットワーク500を介してサウンド装置400へ出力する(ステップS222)。
【0045】
上記多重化音声信号を受信したサウンド装置400は、その多重化音声信号をD/A変換した後に増幅し(ステップS224)、通話音声とガイド音声とが重畳して1つの音声とされた多重化音声を、4つのスピーカ421〜424から出力する(ステップS226)。その結果、ユーザは通話音声とガイド音声を同時に聞くことができる。
【0046】
このように本実施の形態では、通話音声信号及びガイド音声信号が出力されたときには、これらの音声信号をその内容に依存することなく伝送帯域を抑えて送信することができるとともに、さらに、多重化制御ユニット310が重要度情報A及び重要度情報Bに基づき多重化ユニット300に多重化するか否かを判別して指示し、通話音声及びガイド音声のうち重要度の高い音声のみを出力させるため、ユーザに対して重要度の高い音声のみを聞かせることができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、重要度情報Aの示す重要度及び重要度情報Bの示す重要度のうち何れか一方の重要度が高い場合は、その重要度に対応する通話音声信号又はガイド音声信号を優先してサウンド装置400に出力させたが、重要度の高い方の音声信号に示される音声の音圧レベルが、重要度の低い方の音声信号に示される音声の音圧レベルよりも大きくなるように通話音声信号及びガイド音声信号を多重化し、その多重化された多重化音声信号をサウンド装置400に出力させても良い。
【0048】
例えば、重要度情報Aの示す重要度が重要度情報Bに示す重要度よりも高い場合には、多重化制御ユニット310は、通話音声の音圧レベルをガイド音声の音圧レベルよりも大きくして多重化するように指示する指示情報を出力する。そして、その指示情報を取得した多重化ユニット300は、上記指示に従って多重化する。具体的には、多重化ユニット300は、通話音声信号の示す通話音声の振幅(強度)が所定の増幅率で大きくなるように、通話音声信号を信号処理した後に、その通話音声信号とガイド音声信号とを上述と同様に多重化する。その結果、スピーカ421〜424からは通話音声とガイド音声とが合成された形で出力されるが、通話音声の方がガイド音声よりも音圧レベルを高くして出力される。
【0049】
これにより、ユーザに対して重要度の高い音声のみを聞こえ易くすることができながらも、重要度の低い音声も出力されるので、ユーザは、通話音声とガイド音声とを聞き取ることができ、且つ何れの音声が重要であるかを把握して、重要な音声に注意を傾けて聞き取ることができる。
【0050】
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施の形態における音声伝送システムについて図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態における音声伝送システムのブロック図である。
【0051】
本実施の形態における音声伝送システムは、リング型のネットワーク500を介して互いに接続されたハンズフリー装置100と、カーナビ装置200と、多重化制御ユニット310と、多重化ユニット301と、サウンド装置401とを備え、通話音声信号とガイド音声信号の各成分が時系列に従って交互に入り混じる多重化音声信号を作成して、これをネットワーク500を介して伝送することに特徴がある。なお、第1の実施の形態と同一の構成要素については、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
上述のように構成される本実施の形態における音声伝送システムの全体的な動作は、実施の形態1と基本的に同じであり、図5及び図6と同様の動作をする。
【0052】
ここで本実施の形態における多重化ユニット301は、通話音声信号及びガイド音声信号を受信するとともに、多重化制御ユニット310から多重化するように指示する指示情報を取得したときには、実施の形態1のように、通話音声の波形にガイド音声の波形が重畳された波形を表す多重化音声信号を作成することなく、通話音声信号及びガイド音声信号を、それぞれが所定時間ごとに単独で交互に含まれるように多重化して多重化音声信号を作成し、その多重化音声信号を、ネットワーク500を介してサウンド装置401のサウンド処理ユニット430に出力する。
【0053】
図8は、多重化ユニット301が通話音声信号及びガイド音声信号から多重化音声信号を作成する様子を説明するための説明図である。
この図8に示すように、多重化ユニット301は、通話音声信号とガイド音声信号とを多重化するように指示する指示情報を取得すると、ハンズフリー装置100から時系列に従って連続的に出力される通話音声信号と、カーナビ装置200から時系列に従って連続的に出力されるガイド音声信号とを、50[ms]ごとに時分割する。そして、多重化ユニット301は、時系列に従って各音声信号の分割された成分を交互に含ませることで、通話音声信号及びガイド音声信号を多重化した多重化音声信号を作成する。
【0054】
その結果、連続的に作成される多重化音声信号のうちの時間50[ms]には、通話音声信号の成分が含まれ、次の時間50[ms]にはガイド音声信号の成分が含まれ、さらに次の時間50[ms]には通話音声信号の成分が含まれるように、多重化音声信号には所定時間ごとに通話音声信号とガイド音声信号の各成分が交互に含まれることとなる。
【0055】
一方、本実施の形態におけるサウンド処理ユニット430は、上記多重化音声信号を、ネットワーク500を介して多重化ユニット301から受信したときには、その多重化音声信号に含まれる通話音声信号の成分とガイド音声信号の成分とを時系列に従って分離して出力する分離部431と、分離部431から出力される通話音声信号の欠落部分を補間する補間部A432と、同じく分離部431から出力されるガイド音声信号の欠落部分を補間する補間部B433と、補間部A432により補間された通話音声信号をD/A変換するD/A変換部434と、補間部B433により補間されたガイド音声信号をD/A変換するD/A変換部435と、各変換部434,435から出力される信号をそれぞれ増幅する増幅部436,437とを備えている。
【0056】
また、サウンド処理ユニット430の分離部431は、多重化音声信号ではなく通話音声信号を受信したときには、その通話音声信号を補間部A432に出力し、ガイド音声信号を受信したときには、そのガイド音声信号を補間部B433に出力する。このような通話音声信号を受信した補間部A432、及びガイド音声信号を受信した補間部B433は、それぞれ上記補間等を行うことなくその受信した通話音声信号又はガイド音声信号を、D/A変換部434又はD/A変換部435に出力する。
【0057】
このようなサウンド処理ユニット430の動作について、図9を参照して説明する。
図9は、サウンド処理ユニット430の動作を説明するための説明図であって、(a)は、多重化音声信号を示す信号表示図であり、(b)は分離後の通話音声信号及びガイド音声信号を示す信号表示図であり、(c)は補間後の通話音声信号及びガイド音声信号を示す信号表示図である。
【0058】
サウンド処理ユニットの分離部431は、図9(a)に示すに通話音声信号とガイド音声信号の各成分が交互に入り混じる多重化音声信号を受信すると、図9(b)に示すように、その多重化音声信号に含まれるガイド音声信号の成分と通話音声信号の成分とを分離する。
これにより、多重化前の元の通話音声信号が、上記分離された通話音声信号の複数の成分から再生されたこととなるが、その成分間には時間的な隙間つまり成分の欠落部分があって、多重化前の元の通話音声信号と全く同一の信号が再生されたこととはならない。これと同様に、多重化前の元のガイド音声信号が、上記分離されたガイド音声信号の複数の成分から再生されたこととなるが、欠落部分があるため、多重化前の元の通話音声信号と全く同一の信号が再生されたこととはならない。
【0059】
そして、サウンド処理ユニット430の補間部A432は、図9(c)に示すように、再生された通話音声信号の欠落部分にホワイトノイズを挿入してその欠落部分を補間し、100[ms]ごとに50[ms]分のホワイトノイズを含む通話音声信号をD/A変換部434に出力する。これと同様に、サウンド処理ユニット430の補間部B433は、図9(c)に示すように、生成されたガイド音声信号の欠落部分にホワイトノイズを挿入してその欠落部分を補間し、100[ms]ごとに50[ms]分のホワイトノイズを含むガイド音声信号をD/A変換部435に出力する。
【0060】
このように欠落部分が補間された通話音声信号は、D/A変換部434でアナログ信号に変換され、さらに増幅部436で増幅されてスピーカ421,423に出力され、同じく欠落部分が補間されたガイド音声信号は、D/A変換部435でアナログ信号に変換され、さらに増幅部437で増幅されてスピーカ422,424に出力される。
【0061】
その結果、スピーカ421,423からは通話音声が、100[ms]ごとに50[ms]間だけノイズを含んで出力され、同様に、スピーカ422,424からはガイド音声が、100[ms]ごとに50[ms]間だけノイズを含んで出力される。このように周期的にノイズを含んで出力される通話音声やガイド音声は、人間の聴覚の補完特性によりノイズが出力されているときにも、音声が出力されているように知覚されるため、ユーザは、スピーカ421,423から出力される通話音声と、スピーカ422,424から出力されるガイド音声とを違和感なく聞き取ることができる。なお、この聴覚の補完特性については、日本音響学会54巻7号(1998年)p508〜514に記載されている。
また、助手席から離れたスピーカ421,423から通話相手からの通話音声が出力されるため、助手席の同乗者に対して通話音声を聞こえ難くし、プライバシーの保護を図ることができる。
【0062】
このように本実施の形態では、多重化ユニット301が、通話音声信号及びガイド音声信号をこれらの各成分が所定時間ごとに交互に含まれるように多重化して多重化音声信号を作成する結果、多重化音声信号は、通話音声信号及びガイド音声信号が含まれるような形でありながらも、音声信号の1つ分の伝送帯域だけを使用して、ネットワーク500を介して伝送されるため、通話音声信号及びガイド音声信号の伝送に使用する伝送帯域を、各音声信号の内容に依存することなく抑えて、限られた伝送帯域容量を効率良く利用することができる。
【0063】
また、サウンド処理ユニット430が、多重化音声信号から通話音声信号及びガイド音声信号の各成分を分離してホワイトノイズで補間し、スピーカ421,423から通話音声を出力させ、スピーカ422,424からガイド音声を出力させるため、ユーザに対して通話音声及びガイド音声を違和感なく聞き取らせることができる。
【0064】
なお、本実施の形態ではホワイトノイズを挿入したが、上記聴覚補完特性により人に対して音声が聞こえ易くなれば、例えば音声信号の周波数領域を含むようなノイズなど他のノイズを挿入しても良く、いわゆる0補間(無音信号)を挿入しても良い。
【0065】
以上、本発明に係る音声伝送システムについて、実施の形態1及び2を用いて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、実施の形態1及び2では、本発明に係る音声伝送システムを自動車内に備えたが、飛行機の機内や船舶の船内などの他の空間に備えても良い。
【0066】
また、実施の形態1及び2では、ハンズフリー装置100及びカーナビ装置200を備えて通話音声信号とガイド音声信号とを多重化させたが、ハンズフリー装置100又はカーナビ装置200の代わりに、他の音声信号を出力する装置を備えて、その音声信号を多重化ユニット300で多重化させても良い。さらに、実施の形態1及び2では、2つの音声信号を多重化させたが、3つ以上の音声信号を多重化させても良い。この場合、ユーザには多くの音声が入り混じって聞こえるが、個々の音声は音楽ほど音質を要求するものではないため、ユーザに対して不快感を与えることはない。
【0067】
ここで、実施の形態1及び2では、ネットワーク500をリング型としたが、例えばスター型など他の型であっても良く、さらに、実施の形態1及び2では信号の伝送する向きを、リングの時計回りの向きとしたが、逆回りの向きであっても良い。
【0068】
また、実施の形態1及び2では、多重化ユニット300,301を独立して備えたが、このような多重化ユニット300,301を独立させずに、ハンズフリー装置100の通話音声出力部112やカーナビ装置200のガイド音声出力部213に備えても良く、通話音声出力部112及びガイド音声出力部213の双方に多重化ユニット300,301を備えても良い。通話音声出力部112及びガイド音声出力部213の双方に多重化ユニット300,301を備える場合には、多重化制御ユニット310は、通話音声出力部112及びガイド音声出力部213のそれぞれに備えられた多重化ユニット300,301に指示情報を出力する。
【0069】
さらに、実施の形態1及び2では、多重化ユニット300,301と同様、多重化制御ユニット310を独立して備えたが、このような多重化制御ユニット310を、独立させずにハンズフリー装置100の通話音声出力部112やカーナビ装置200のガイド音声出力部213に備えても良い。
【0070】
しかも、実施の形態1及び2では、音声を示す複数の音声信号を多重化させたが、音楽や警告音を示す複数の信号を多重化させても良い。これにより伝送帯域の容量をさらに効率良く利用することができる。
【0071】
また、実施の形態1及び2では、ハンズフリー装置100及びカーナビ装置200に通話音声信号及びガイド音声信号並びに重要度情報をパケット化して伝送させたが、パケット化することなく伝送させても良く、伝送路プロトコルに応じた態様で伝送させれば良い。
【0072】
さらに、実施の形態1では、4つのスピーカを備えたが、スピーカを1つ、2つ、又は3つ備えても良く、さらに5つ以上のスピーカを備えても良い。また、実施の形態2では、増幅部436からの出力信号に応じて通話音声を出力するスピーカを2つ備え、増幅部437からの出力信号に応じてガイド音声を出力するスピーカを2つ備えたが、通話音声を出力するスピーカを1つ又は3つ以上備え、ガイド音声を出力するスピーカを1つ又は3つ以上備えても良い。
【0073】
またさらに実施の形態2では、多重化ユニット300に対して、通話音声信号とガイド音声信号とを、それぞれの成分が交互に50[ms]分だけ含まれるように多重化して多重化音声信号を作成させたが、上記50[ms]に限定することなく、例えば通話音声信号とガイド音声信号とを、それぞれの成分が交互に20[ms]分だけ含まれるように多重化させても良い。
【0074】
そして、実施の形態2では、実施の形態1と同様、重要度情報Aの示す重要度及び重要度情報Bの示す重要度のうち何れか一方の重要度が高かれば、その重要度に対応する通話音声信号又はガイド音声信号を優先してサウンド装置401に出力させたが、通話音声信号及びガイド音声信号を、重要度の高い音声信号の成分が長時間含まれるように多重化し、その多重化された多重化音声信号をサウンド装置401に出力させても良い。
【0075】
例えば、重要度情報Aの示す重要度が重要度情報Bに示す重要度よりも高い場合には、多重化制御ユニット310は、通話音声信号を多く含んで多重化するように指示する指示情報を出力する。そして、その指示情報を取得した多重化ユニット301は、上記指示に従って多重化する。例えば、80[ms]分の通話音声信号の成分と、20[ms]分のガイド音声信号の成分とが交互に含まれるように通話音声信号とガイド音声信号とを多重化させる。これにより、重要度の低い音声も出力されるので、ユーザは、重要度が互いに異なっていても通話音声とガイド音声とを聞き取ることができるとともに、何れの音声が重要であるかを把握して、重要な音声に注意を傾けて聞き取ることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る音声伝送システムによれば、音声を示す音声信号をネットワークを介して伝送する音声伝送システムであって、音声を示す第1の音声信号を出力する第1の音声信号出力手段と、音声を示す第2の音声信号を出力する第2の音声信号出力手段と、スピーカと、前記第1及び第2の音声信号に示される音声の波形が重畳された波形を表す多重化音声信号を作成することで、前記第1及び第2の音声信号を多重化し、前記多重化音声信号を前記ネットワークを介して前記スピーカに送信して、前記スピーカから前記多重化音声信号に示される音声を出力させる多重化手段とを備える。
【0077】
これによって、多重化音声信号は、その中に第1及び第2の音声信号が含まれるような形でありながらも、音声信号の1つ分の伝送帯域だけを使用して、ネットワークを介してスピーカに伝送され、前記スピーカからは前記多重化音声信号に基づき第1及び第2の音声信号に示される音声が、ユーザに同時に聞こえるように重畳して出力されるため、第1及び第2の音声信号の伝送に使用する伝送帯域を、各音声信号の内容に依存することなく抑えて、限られた伝送帯域容量を効率良く利用することができる。
【0078】
ここで、前記音声伝送システムは、さらに、前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度を把握し、それぞれの重要度に差があるときには、重要度の高い方の音声信号に示される音声の音圧レベルが、重要度の低い方の音声信号に示される音声の音圧レベルよりも大きくなるように、前記多重化手段に多重化音声信号を作成させる制御手段を備えても良い。
【0079】
これによって、例えば、第1及び第2の音声信号の中で警告を促すような重要度の高い音声を示す音声信号があれば、スピーカからはその警告を促す音声が、音圧レベルが大きい状態で出力されるため、ユーザに対して重要度の高い音声を聞こえ易くすることができる。
【0080】
また、本発明に係る音声伝送システムによれば、音声を示す音声信号をネットワークを介して伝送する音声伝送システムであって、音声を示す第1の音声信号を出力する第1の音声信号出力手段と、音声を示す第2の音声信号を出力する第2の音声信号出力手段と、複数のスピーカと、前記第1及び第2の音声信号を時分割し、時系列に従って各音声信号の分割された成分を順に含ませることで、前記第1及び第2の音声信号を多重化した多重化音声信号を作成し、前記ネットワークを介して送信する多重化手段と、前記多重化音声信号を受信して、前記多重化音声信号から前記成分を前記音声信号ごとに時系列に従って分離する分離処理手段と、前記音声信号ごとに分離された成分間の時間的な隙間を補間することで、前記第1及び第2の音声信号のそれぞれに対応する第1及び第2の再生音声信号を作成し、前記第1及び第2の再生音声信号に示される音声を前記複数のスピーカから各別に出力させる補間処理手段とを備える。
【0081】
これによって、多重化音声信号は、その中に第1及び第2の音声信号が含まれるような形でありながらも、音声信号の1つ分の伝送帯域だけを使用して、ネットワークを介して伝送され、前記各スピーカからは、第1又は第2の音声信号に対応する第1又は第2の再生音声信号に示される音声が同時に出力されるため、第1及び第2の音声信号の伝送に使用する伝送帯域を、各音声信号の内容に依存することなく抑えて、限られた伝送帯域容量を効率良く利用することができる。
ここで、前記補間処理手段は、ホワイトノイズを挿入して前記隙間を補間する。
これによって、人間の聴覚補完特性によりユーザは各スピーカから出力される音声を違和感なく聞き取ることができる。
【0082】
また、前記音声伝送システムは、さらに、前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度を把握し、それぞれの重要度に差があるときには、重要度の高い方の音声信号の成分が、重要度の低い方の音声信号の成分よりも多く含まれるように、前記多重化手段に多重化音声信号を作成させる制御手段を備えても良い。
【0083】
これによって、例えば、第1及び第2の音声信号の中で警告を促すような重要度の高い音声を示す音声信号があれば、スピーカからはその警告を促す音声が多く出力されるため、ユーザに対して重要度の高い音声を聞こえ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における音声伝送システムの外観図である。
【図2】同上の音声伝送システムのブロック図である。
【図3】同上の通話音声信号とガイド音声信号との多重化の一例を説明するための説明図である。
【図4】同上の通話音声及びガイド音声並びに多重化音声の各波形の一例を示す波形図である。
【図5】同上の多重化ユニットの通話音声信号及びガイド音声信号を受信したときの動作の一例を示す動作フロー図である。
【図6】同上の音声伝送システムの全体的な動作の一例を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における音声伝送システムのブロック図である。
【図8】同上の通話音声信号及びガイド音声信号から多重化音声信号が作成されるのを説明するための説明図である。
【図9】(a)は、同上の多重化音声信号を示す信号表示図であり、(b)は、同上の分離後の通話音声信号及びガイド音声信号を示す信号表示図であり、(c)は、同上の補間後の通話音声信号及びガイド音声信号を示す信号表示図である。
【符号の説明】
100 ハンズフリー装置
110 ハンズフリー制御ユニット
111 通信制御部
112 通話音声出力部
120 マイク
130 携帯電話
200 カーナビ装置
210 カーナビ制御ユニット
211 制御部
212 表示部
213 ガイド音声出力部
220 位置情報受信器
300,301 多重化ユニット
310 多重化制御ユニット
400,401 サウンド装置
410 サウンド制御ユニット
411 D/A変換部
412 増幅部
421〜424 スピーカ
430 サウンド制御ユニット
431 分離部
432 補間部A
433 補間部B
434,435 D/A変換部
436,437 増幅部
500 ネットワーク

Claims (20)

  1. 音声を示す音声信号をネットワークを介して伝送する音声伝送システムであって、
    音声を示す第1の音声信号を出力する第1の音声信号出力手段と、
    音声を示す第2の音声信号を出力する第2の音声信号出力手段と、
    スピーカと、
    前記第1及び第2の音声信号に示される音声の波形が重畳された波形を表す多重化音声信号を作成することで、前記第1及び第2の音声信号を多重化し、前記多重化音声信号を前記ネットワークを介して前記スピーカに送信して、前記スピーカから前記多重化音声信号に示される音声を出力させる多重化手段と
    を備えることを特徴とする音声伝送システム。
  2. 前記音声伝送システムは、さらに、
    前記第1及び第2の音声信号の内容に応じて多重化すべきか否かを判別し、多重化すべきと判別したときには、前記多重化手段に前記多重化音声信号を作成させて、前記多重化音声信号に示される音声を前記スピーカから出力させ、多重化すべきでないと判別したときには、前記第1及び第2の音声信号のうち最も重要度の高い方の音声信号に示される音声を前記スピーカから出力させる制御手段
    を備えることを特徴とする請求項1記載の音声伝送システム。
  3. 前記音声伝送システムは、さらに、
    前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度を把握し、それぞれの重要度に差があるときには、重要度の高い方の音声信号に示される音声の音圧レベルが、重要度の低い方の音声信号に示される音声の音圧レベルよりも大きくなるように、前記多重化手段に多重化音声信号を作成させる制御手段
    を備えることを特徴とする請求項1記載の音声伝送システム。
  4. 音声を示す音声信号をネットワークを介して伝送する音声伝送システムであって、
    音声を示す第1の音声信号を出力する第1の音声信号出力手段と、
    音声を示す第2の音声信号を出力する第2の音声信号出力手段と、
    複数のスピーカと、
    前記第1及び第2の音声信号を時分割し、時系列に従って各音声信号の分割された成分を順に含ませることで、前記第1及び第2の音声信号を多重化した多重化音声信号を作成し、前記ネットワークを介して送信する多重化手段と、
    前記多重化音声信号を受信して、前記多重化音声信号から前記成分を前記音声信号ごとに時系列に従って分離する分離処理手段と、
    前記音声信号ごとに分離された成分間の時間的な隙間を補間することで、前記第1及び第2の音声信号のそれぞれに対応する第1及び第2の再生音声信号を作成し、前記第1及び第2の再生音声信号に示される音声を前記複数のスピーカから各別に出力させる補間処理手段と
    を備えることを特徴とする音声伝送システム。
  5. 前記補間処理手段は、
    ホワイトノイズを挿入して前記隙間を補間する
    ことを特徴とする請求項4記載の音声伝送システム。
  6. 前記多重化手段は、
    前記第1及び第2の音声信号を約50[ms]ごとに時分割する
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の音声伝送システム。
  7. 前記音声伝送システムは、さらに、
    前記第1及び第2の音声信号の内容に応じて多重化すべきか否かを判別し、多重化すべきと判別したときには、前記多重化手段に前記多重化音声信号を作成させてこれを前記ネットワークを介して送信させ、多重化すべきでないと判別したときには、前記第1及び第2の音声信号のうち最も重要度の高い方の音声信号に示される音声を、前記複数のスピーカのうち少なくとも1つから出力させる制御手段
    を備えることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の音声伝送システム。
  8. 前記音声伝送システムは、さらに、
    前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度を把握し、それぞれの重要度に差があるときには、重要度の高い方の音声信号の成分が、重要度の低い方の音声信号の成分よりも多く含まれるように、前記多重化手段に多重化音声信号を作成させる制御手段
    を備えることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の音声伝送システム。
  9. 前記第1及び第2の音声信号出力手段は、
    それぞれ自らが出力する第1又は第2の音声信号の内容の重要度を示す重要度情報を前記制御手段に出力し、
    前記制御手段は、
    前記第1及び第2の音声信号出力手段からの重要度情報の示す重要度を比較し、全ての重要度が略等しいときに、多重化すべきと判別する
    ことを特徴とする請求項2又は7記載の音声伝送システム。
  10. 前記第1及び第2の音声信号出力手段は、
    それぞれ自らが出力する第1又は第2の音声信号の内容の重要度を示す重要度情報を前記制御手段に出力し、
    前記制御手段は、
    前記第1及び第2の音声信号出力手段からの重要度情報に基づいて、前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度を把握する
    ことを特徴とする請求項3又は8記載の音声伝送システム。
  11. 前記音声伝送システムは自動車内に配設されている
    ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の音声伝送システム。
  12. 前記第1の音声信号出力手段は、
    運転者がハンズフリー通話するためのハンズフリー装置であって、前記第1の音声信号は、通話相手からの通話音声を示す
    ことを特徴とする請求項11記載の音声伝送システム。
  13. 前記第2の音声信号出力手段は、
    目的地への案内を行うカーナビゲーション装置であって、前記第2の音声信号は、前記案内を行うためのガイド音声を示す
    ことを特徴とする請求項11又は12記載の音声伝送システム。
  14. 音声を示す音声信号をネットワークを介して伝送する音声伝送方法であって、
    それぞれ音声を示す第1及び第2の音声信号を出力する音声信号出力ステップと、
    前記第1及び第2の音声信号に示される音声の波形が重畳された波形を表す多重化音声信号を作成することで、前記第1及び第2の音声信号を多重化する多重化ステップと、
    前記多重化音声信号を前記ネットワークを介してスピーカに送信する伝送ステップと、
    前記スピーカから前記多重化音声信号に示される音声を出力させる多重化音声出力ステップと
    を含むことを特徴とする音声伝送方法。
  15. 前記音声伝送方法は、さらに、
    前記第1及び第2の音声信号の内容に応じて多重化すべきか否かを判別する判別ステップと、
    前記判別ステップにおいて、多重化すべきでないと判別したときには、前記第1及び第2の音声信号のうち最も重要度の高い方の音声信号に示される音声を前記スピーカから出力させる音声出力ステップと
    を含むことを特徴とする請求項14記載の音声伝送方法。
  16. 前記音声伝送方法は、さらに、
    前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度を把握する重要度把握ステップを含み、
    前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度に差があるときには、前記多重化ステップにおいて、重要度の高い方の音声信号に示される音声の音圧レベルが、重要度の低い方の音声信号に示される音声の音圧レベルよりも大きくなるように、前記多重化音声信号を作成する
    ことを特徴とする請求項14記載の音声伝送方法。
  17. 音声を示す音声信号をネットワークを介して伝送する音声伝送方法であって、
    それぞれ音声を示す第1及び第2の音声信号を出力する音声信号出力ステップと、
    前記第1及び第2の音声信号を時分割し、時系列に従って各音声信号の分割された成分を順に含ませることで、前記第1及び第2の音声信号を多重化した多重化音声信号を作成する多重化ステップと、
    前記多重化音声信号を前記ネットワークを介して送信する伝送ステップと、
    前記多重化音声信号を受信して、前記多重化音声信号から前記成分を前記音声信号ごとに時系列に従って分離する分離処理ステップと、
    前記音声信号ごとに分離された成分間の時間的な隙間を補間することで、前記第1及び第2の音声信号のそれぞれに対応する第1及び第2の再生音声信号を作成する補間処理ステップと、
    前記第1及び第2の再生音声信号に示される音声を複数のスピーカから各別に出力させる再生音声出力ステップと
    を含むことを特徴とする音声伝送方法。
  18. 前記音声伝送方法は、さらに、
    前記第1及び第2の音声信号の内容に応じて多重化すべきか否かを判別する判別ステップと、
    前記判別ステップにおいて、多重化すべきでないと判別したときには、前記第1及び第2の音声信号のうち最も重要度の高い方の音声信号に示される音声を前記複数のスピーカの少なくとも1つから出力させる音声出力ステップと
    を含むことを特徴とする請求項17記載の音声伝送方法。
  19. 前記音声伝送方法は、さらに、
    前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度を把握する重要度把握ステップを含み、
    前記第1及び第2の音声信号の内容の重要度に差があるときには、前記多重化ステップにおいて、重要度の高い方の音声信号の成分が、重要度の低い方の音声信号の成分よりも多く含まれるように、前記多重化音声信号を作成する
    ことを特徴とする請求項17記載の音声伝送方法。
  20. 請求項14〜19の何れか1項に記載の音声伝送方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラム。
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