JP2004104530A - 券類発行装置、券類発行方法および利用者確認装置、利用者確認方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】券類のセキュリティ性をより高めることが可能となる券類発行装置を提供する。
【解決手段】利用者が所定のサービスを受けるための券の発行に必要な情報を入力するとともに、当該利用者の少なくとも顔を含む画像を取込み、この取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知する。そして、利用者により入力された情報に基づき、発行する券の券面情報およびそれに対する領収書の券面情報を作成し、この作成した券の券面情報と上記検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成し、この作成した券記録画像を可視画像として記録することにより所定の券を発行するとともに、顔画像が合成されなかった領収書の券面情報を可視画像として記録することにより領収書を発行する。
【選択図】 図1
【解決手段】利用者が所定のサービスを受けるための券の発行に必要な情報を入力するとともに、当該利用者の少なくとも顔を含む画像を取込み、この取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知する。そして、利用者により入力された情報に基づき、発行する券の券面情報およびそれに対する領収書の券面情報を作成し、この作成した券の券面情報と上記検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成し、この作成した券記録画像を可視画像として記録することにより所定の券を発行するとともに、顔画像が合成されなかった領収書の券面情報を可視画像として記録することにより領収書を発行する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、交通機関の乗車券、コンサートなどのイベントのチケット、その他サービスを受けるために必要な情報が記録されているカードなどの券、および、それらの券購入に対する購入履歴(発行履歴)などを記録した領収書やレシートなどの券類を発行する券類発行装置、券類発行方法に関する。
また、本発明は、上記発行された券類を用いて遊園地などの施設を利用する利用者を確認する利用者確認装置、利用者確認方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動化や省力化のために、購入者(以下、利用者とも言う)が直接操作して券類(乗車券やチケットなど)を購入したり、サービスを受けるシステムが増加している。たとえば、鉄道の駅の定期券自動発行機やコンビニエンスストアに設置されているいわゆるマルチメディアステーション(以下、単にMMSと略称する)などがある。
【0003】
また、人の特徴量を用いて入退室管理などを行なう技術開発や製品化も盛んになっている。これらは、たとえば、指紋や虹彩、顔の特徴量を用いて本人かどうかを特定し、入退室管理などを行なう場合が多い。たとえば、あらかじめ特定して記憶しておいた特定者の画像取得データと照合させて特定者か否かを自動的に判別する技術がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、顧客の購買意欲を促進させる画像や店舗に対するイメージを向上させる画像を印刷したレシートを発行する取引処理装置が提示されている(たとえば、特許文献2参照)。
さらに、撮影手段により撮影された買い上げ客の画像情報を買い上げ場所を特定するマークに加えて印字してレシートとして発行する商品販売登録データ処理装置が提示されている(たとえば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−161790号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平11−306442号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2001−118148号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
MMSなどでは、省力化のため(管理者が近くにいないという意味で)無人で、購入者自身が操作を行なうことが多いため、会員制のサービスなどを行なう場合など、「なりすまし」などの問題があり、本人確認が難しいという問題がある。
【0009】
また、人の特徴量を用いて本人判別を行なう特許文献1などの技術では、購入者は本人が行なっても、悪意が有る/無しに係わらず第3者の手に渡る場合もあり、やはり購入者と利用者との一致が判断できないという問題がある。また、正規に入手した券類でも、現在のシステムにおいては再発行などはシステム上難しいものがある。
【0010】
特許文献2では、顧客の購買意欲を促進させる画像や店舗に対するイメージを向上させる画像を印刷したレシートを発行する取引処理装置が提示されているが、購入者自身の似顔絵をレシートに記録する記載はあるものの、詳細な技術的記載がなく、また顔検知に係る技術が記載されていない。
【0011】
特許文献3でも、撮影手段により撮影された買い上げ客の画像情報を買い上げ場所を特定するマークに加えて印字してレシートとして発行する商品販売登録データ処理装置が提示されているが、上記同様に顔検知に係る技術が記載されていない。
【0012】
これらの技術では顔検知に係る技術がないので、本当に顔画像が取得できているかわからない、たとえ取得できていたとしても、最適な顔画像が得られているかどうかわからないといった問題がある。
【0013】
そこで、本発明は、券類のセキュリティ性をより高めることが可能となる券類発行装置、券類発行方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊園地などの施設を利用する利用者を簡易的な方法で確認することができる利用者確認装置、利用者確認方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の券類発行装置は、利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力手段と、前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段と、この画像取込手段により取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知手段と、前記入力手段により入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成手段と、この券面情報作成手段により作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記顔検知手段により検知された顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成手段と、この記録画像作成手段により作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録手段と、前記記録画像作成手段において顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録手段とを具備している。
【0015】
また、本発明の券類発行装置は、利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力手段と、前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段と、この画像取込手段により取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知手段と、この顔検知手段により検知された顔画像から顔領域を切出す顔領域切出手段と、この顔領域切出手段により切出された顔領域があらかじめ定められたサイズに収まるように当該顔領域の大きさを正規化することにより正規化顔画像を作成する顔画像正規化手段と、この顔画像正規化手段により作成された正規化顔画像に対しあらかじめ定められた輝度値範囲内に収まるように輝度補正することにより輝度補正顔画像を作成する輝度補正手段と、この輝度補正手段により作成された輝度補正顔画像に対し疑似階調処理を行なうことにより疑似階調顔画像を作成する疑似階調手段と、前記入力手段により入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成手段と、この券面情報作成手段により作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記疑似階調手段により作成された疑似階調顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成手段と、この記録画像作成手段により作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録手段と、前記記録画像作成手段において疑似階調顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録手段とを具備している。
【0016】
また、本発明の利用者確認装置は、施設を利用する利用者が提示する、必要な券面情報および利用条件等の利用管理情報とともに当該利用者の顔画像が可視画像として記録されている利用券から少なくとも前記顔画像を読取り入力する画像入力手段と、前記利用者の少なくとも顔画像を取込む画像取込手段と、この画像取込手段により取込まれた利用者の顔画像と前記画像入力手段により入力された利用券の顔画像とを照合することにより当該利用者が正規の利用者であるか否かを確認する確認手段とを具備している。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、たとえば、MMS(マルチメディアステーション)などに適用される券類発行装置の場合について説明するが、乗車券や定期券のみを発行(販売)する券類発行装置、あるいは、遊園地などの施設の利用券を発行(販売)する券類発行装置などにも適用できることは勿論である。
【0018】
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示すものである。この券類発行装置102は、購入者(利用者)101に対しサービスの提供状況を表示する情報表示部103、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段としての画像入力部104、購入者101が券類の購入に必要な情報を入力する入力手段としての情報入力部105、画像入力部104により入力された画像から顔の領域を顔画像として検知する顔検知手段としての顔検知部106、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)を作成し、この作成した券情報および領収書情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報、この例では券情報と顔検知部106により検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成する券面情報作成手段および記録画像作成手段としての記録画像作成部107、記録画像作成部107により作成された券記録画像を可視画像として記録することにより第1の券類として券110を発行する記録手段としての第1記録部108、記録画像作成部107により作成された領収書情報を可視画像として記録することにより第2の券類として領収書111を発行する記録手段としての第2記録部109により構成されている。
【0019】
なお、実際には、情報表示部103は液晶ディスプレイやCRT表示装置などを用いることが多く、情報入力部105としてはキーボードやタッチボタン、液晶ディスプレイと一体になったタッチパネルなどが適している。
また、あらかじめ利用者の個人情報が記憶されている磁気カードやICカードのリーダなどを情報入力部105として適用することもできる。
画像入力部104としては、CCD形カメラやCMOS形カメラを用いることができ、できれば高解像度の方が望ましい。
【0020】
第1記録部106および第2記録部107は、組込み型のプリンタがよく使用されるが、券を発行する第1記録部106に用いるプリンタの方が仕様が高いものを要求されることが多く(白黒プリンタでも勿論構わないが)、カラー記録できるほうが望ましい。
領収書を発行する第2記録部107は、一般的にはコスト低減のため、低価格のサーマルプリンタが用いられる場合が多いが、他の記録方式(たとえば、インクジェット記録方式)でも構わない。本実施の形態で用いるには、最低解像度が4本/mmが必要であり、勿論、解像度が高いほうが望ましく、第1記録部106と兼用であっても構わない。
【0021】
次に、上記のような構成において、処理の流れについて図2に示すフローチャートを参照して説明する。まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ201)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ202)。
【0022】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部106へ送る(ステップ203)。顔検知部106は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し(ステップ204)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔画像が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0023】
顔検知部106の検知結果は記録画像作成部107に送られる。記録画像作成部107は、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成し、この作成した券情報と顔検知部106により検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成する(ステップ205)。
【0024】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して券110を発行する(ステップ206)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書情報を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書111を発行する(ステップ206)。
【0025】
なお、領収書111が必要ない場合は、購入者101が情報入力部105でその旨を指定することにより、記録画像作成部107における領収書情報の作成、および、第2記録部109における領収書の発行処理は行なわれないようになっている。
【0026】
本実施の形態では、鉄道機関の乗車券や定期券、コンサートなどのイベントのチケット、その他サービスを受けるために必要な情報が記されている紙類やプラスチックベースのカード類を券(第1の券類)と総称している。また、本実施の形態では、一般に言われている領収書やスーパなどのレジで発行されるレシートやその他購入履歴を記したものを領収書(第2の券類)と総称している。
【0027】
図3に、本実施の形態で発行された券301の例を示している。この例では、鉄道機関の乗車券を東京から広島まで購入した場合で、かつ、領収書302が兼用されている場合を示している。
この券301は、購入者の顔画像303、券情報304、ロゴマーク305などが表面に印刷記録されている。ロゴマーク305は、管理上の問題やセキュリティ上の問題で、一般的には券や領収書の台紙にプレ印刷されている場合が多いが、券発行時にその他の情報と一緒に可視記録しても差し支えない。購入者の顔記録画像303は、購入時に図1で示した画像入力部104を用いて購入者101の顔を含む画像を取込んだものを画像処理して可視記録したものである。また、券情報304は、同じく購入時に図1で示した情報入力部105に入力した情報に基づいて作成された項目を記録したものである。
【0028】
図4は、本実施の形態で発行された券401および領収書402の別の例を示している。この例では、レース観戦チケットを購入した場合で、このようなチケットはセキュリティを高めるために特殊な材料の用紙や特殊なインクを用いて印刷する場合があるので、チケット自体に購入者の顔画像を記録することが困難な場合がある。そのような場合は、図4(b)のように領収書402の方に顔画像403を記録することにより対処できる。
【0029】
上述した第1の実施の形態のような券301および領収書302を発行することにより、それらのセキュリティ性をより高めることが可能になる。
すなわち、券301の表面に購入者101の顔画像303が可視的に記録されているので、券301の盗難や紛失が生じても、第3者が2次利用できにくいためである。
また、会員制のサービスで未成年者を対象外している場合などで、未成年者が自分の親の会員証でサービスを受ける心配がある。勿論、対人応対処理の場合はある程度防ぐことが可能であるが、今後、コンビニエンスストアなどように全国展開されている店舗に、この種のサービスを普及させるには非対人(=無人)応対できなければ難しい。そこで、本実施の形態のように、券301や領収書302に購入者101の顔画像303を可視記録することにより、抑止力となり、なりすましを防ぐことになる。
【0030】
なお、図3の例では、券301と領収書302とが兼用されている場合を示しているが、勿論、券301と領収書302とが別々で、図3のように券301の方に購入者101の顔画像303が可視的に記録されていて、領収書302の方はスーパのレジで発行されるような数字の羅列でも同じように適用できる。勿論、券301と領収書302の両方にそれぞれ購入者101の顔画像303が可視的に記録されていても構わない。
【0031】
次に、上記した第1の実施の形態において、さらに券や領収書のセキュリティ性を高める手法について説明する。この手法は、画像入力部104を用いて取込んだ購入者101の顔画像にセキュリティデータを不可視状態で埋込むものであり、図5を用いて概略を説明する。
【0032】
図5において、取込んだ顔画像501と、発行側が設定するセキュリティデータ(たとえば、企業のロゴマークなど)502とを用いて、セキュリティ画像処理503を行なうことにより、セキュリティ入り顔画像504を作成する。このセキュリティ入り顔画像504をディスプレイ上で表示したり、プリンタなどの記録装置で記録出力した場合に、取込んだ顔画像501の部分は可視状態になり、セキュリティデータ502の部分は不可視状態になることに特徴がある。
【0033】
このセキュリティ画像処理の詳細な手法は、たとえば、特開平11−168616号公報に記述されており、これを応用することが可能である。以下、図6を用いてその内容について簡単に説明するが、詳細は特開平11−168616号公報を参照されたい。
【0034】
図6において、被埋込み画像情報601は、埋込み情報602が埋込まれる画像情報で、図5の取込んだ顔画像501に相当し、これは1画素当たり24ビット(RGB各8ビット)の情報を持っている。埋込み画像情報602は、被埋込み画像情報601に埋込む情報で、図5のセキュリティデータ502に相当し、これは1画素あたり1ビットの情報を持っている。マスク画像情報603は、合成処理時および埋込み画像情報602の復元時に用いる画像情報で、1画素あたり1ビットの情報を持っている。
【0035】
最初に、平滑化処理ステップ604において、埋込み画像情報602の黒画素を「1」、白画素を「0」として平滑化処理を行なう。ここでは、x方向について注目画素の両端の画素を3×1画素の領域を切り出し、下記式(1)のように重み平均を取る。
【0036】
W(i)=(STL(i−1)+2・STL(i)+STL(i+1))/4……(1)
W(i) :x=i画素の重み平均値
STL(i):x=i画素の埋込み画像情報=1 or 0
次に、位相変調ステップ605において、平滑化処理ステップ604における平滑化処理の結果を基に、下記式(2−1)〜(2−3)の規則にしたがい、マスク画像情報603の位相変調を行なう。
【0037】
W(i)=0の場合→DES(i)=MSK(i) ……(2−1)
W(i)=1の場合→DES(i)=MSK(i+2)……(2−2)
上記以外の場合 →DES(i)=MSK(i+1)……(2−3)
DES(i):x=i画素の位相変調結果=1 or 0
MSK(i):x=i画素のマスク画像情報=1 or 0
ここで、x=0列およびx=15列は、画像情報の端のため平滑化処理できず、そのため位相変調もできない。そこで、端部ではマスク画像情報と埋込み画像情報との排他的論理和を取る。
【0038】
次に、色差変調ステップ606において、位相変調ステップ605における位相変調結果を基に、下記式(3−1)〜(3−6)の規則にしたがい、色差変調処理を行なう。この場合、R(赤)、G(緑)、B(青)の3成分を別々に計算する。
【0039】
なお、色差量ΔVは、あらかじめ設定してある「0〜255」の範囲の整数である。色差量ΔVは、大きいほど埋込み画像情報の復元時の可視化のコントラストが高くなり、再生が容易ではあるが、あまり大きくしすぎると埋込み情報が露見しやすくなる。したがって、色差量ΔVは、「16〜96」くらいが望ましいが、ここではΔV=48を用いている。
【0040】
最後に、重畳処理ステップ607において、色差変調ステップ606における色差変調結果と被埋込み画像情報601とから、下記式(4−1)〜(4−3)で示される重畳処理を行なうことにより、合成画像情報608(図5のセキュリティ入り顔画像504に相当)を作成する。
【0041】
なお、DESR(i)、DESG(i)、DESB(i)は、それぞれ「0〜255」の範囲の整数なので、計算結果が「0」以下の場合は「0」に設定し、「255」以上の場合は「255」に設定する。
【0042】
前記式(3−1)〜(3−3)または前記式(3−4)〜(3−6)の通り、赤色と緑色、青色の色差量の符号が反転している。したがって、赤色成分の多い画素では緑色と青色が少なくなっていて、赤色成分の少ない画素では他の成分が多くなっている。赤色と(緑色、青色)=シアン色は補色の関係にあり、赤色とシアン色が隣り合っていても人間の目には判別しにくく、無彩色に見える。2画素単位で赤色リッチな画素とシアン色リッチな画素とが繰り返し配置されているため、人間の目では、これらの細かな色差の違いを識別できず、色差量はプラスマイナス「0」と判断してしまう。
【0043】
たとえば、前記式(4−1)では、
DESR(i)≒SRCR(i) …… (5)
と間違って判断してしまい、画像情報が埋込まれていることを区別できなくなる。したがって、この原理により埋込み画像情報602を不可視状態で被埋込み画像情報601に埋込んだ合成画像情報608を作成することが可能になる。
【0044】
このように作成した合成画像情報608から埋込み画像情報602を復元して可視状態にする再生方法については、ここでは説明を省略するが、詳細は特開平11−168616号公報に記載されているのでそれを参照されたい。
【0045】
なお、上記説明は、被埋込み画像情報601がカラー画像であることを前提にしているが、白黒画像に対しても同様にセキュリティデータを不可視状態で埋込むことが可能である。
【0046】
次に、第2の実施の形態について説明する。
前記第1の実施の形態では、券または領収書に記録する画像に購入者101の顔画像を比較的写実的に記録することについて説明したが、第2の実施の形態では、相対的にあまり写実的ではなく、購入者101の似顔絵を券または領収書に記録する場合を説明する。なお、購入者101の似顔絵は、記録画像作成部107において作成されるものであり、したがって、第2の実施の形態では記録画像作成部107が似顔絵作成手段としても機能する。
【0047】
図7は、第2の実施の形態における処理の流れを示すフローチャートであり、以下、このフローチャートを参照して処理の流れを説明する。まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ701)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ702)。
【0048】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部106へ送る(ステップ703)。顔検知部106は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し(ステップ704)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔画像が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0049】
顔検知部106の検知結果は記録画像作成部107に送られる。記録画像作成部107は、顔検知部106により検知された顔画像から顔の特徴量を抽出することにより似顔絵情報を作成する(ステップ705)。
次に、記録画像作成部107は、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成し、この作成した券情報と先に作成した似顔絵情報とを合成して券記録画像を作成する(ステップ706)。
【0050】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して券110を発行する(ステップ707)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書情報を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書111を発行する(ステップ707)。
【0051】
なお、記録画像作成部107における似顔絵の作成方法としては、
(1)広域フィルタによる輪郭抽出
(2)2値画像化
という手順を踏むのが一般的である。
【0052】
上記(1)の輪郭抽出に関しては、たとえば、周知のソーベル(Sobel)変換を用いることができ、以下、それについて簡単に説明する。
【0053】
図8に示すような3×3のマトリクスを用いて、下方向から上方向へ対象の画像をスキャンして畳み込み演算を行ない、さらに、今度は図8のマトリクスを時計方向に90°回転させたマトリクスを用いて、左方向から右方向へ対象の画像をスキャンして畳み込み演算を行なうことにより、輝度の差分により輪郭が抽出される。白黒画像の場合はそのまま適用し、カラー画像の場合は、たとえば、R、G、Bの3プレーンに色分解した後に行なう。
【0054】
上記(2)の2値画像化については、適当な閾値(たとえば、127)を設定し、その閾値よりも輝度が高いならば、元の輝度値を255(8ビットの場合)に変更し、閾値よりも輝度が低いならば、元の輝度値を0に変更することで実現できる。
【0055】
なお、ソフトウェア処理を簡単に済ませるならば、適応2値化処理だけでもパラメータ選択により、不完全ではあるが似顔絵のような画像が作成できる。また、より効果的な手法として、「ペン画による似顔絵生成システムの構築」(北大工、電子情報通信学会北海道支部インターネットシンポジウム2001)などが提案されているので、それらを用いることも可能である。
【0056】
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、前述した第1の実施の形態に対し、さらに、購入者101の顔画像を照合する顔照合手段を追加したものであり、以下、詳細に説明する。
【0057】
図9は、第3の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示すものである。なお、前述した第1の実施の形態(図1)と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略し、異なる部分についてだけ詳細に説明する。
【0058】
この券類発行装置102は、購入者101に対しサービスの提供状況を表示する情報表示部103、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込む画像入力部104、購入者101が券類の購入に必要な情報を入力する情報入力部105、画像入力部104により入力された画像から顔の領域を顔画像として検知する顔検知部106、顔照合用の顔画像情報(辞書情報)があらかじめ登録されている顔画像情報データベース112、顔検知部106により検知された顔画像を顔画像情報データベース112内の顔画像情報と照合することにより、当該購入者が本人であるか否かを判定する照合手段としての顔照合部113、顔照合部113により当該購入者が本人であると判定されると、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)を作成し、この作成した券情報と顔検知部106により検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成する記録画像作成部107、記録画像作成部107により作成された券記録画像を可視画像として記録することにより券110を発行する第1記録部108、記録画像作成部107により作成された領収書情報を可視画像として記録することにより領収書111を発行する第2記録部109により構成されている。
【0059】
次に、上記のような構成において、処理の流れについて図10に示すフローチャートを参照して説明する。まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ1001)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ1002)。
【0060】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部106へ送る(ステップ1003)。顔検知部106は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し(ステップ1004)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔画像が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0061】
顔検知部106の検知結果は、顔照合部113および記録画像作成部107にそれぞれ送られる。顔照合部113は、顔検知部106により検知された顔画像を顔画像情報データベース112内の顔画像情報と照合することにより、当該購入者101が本人であるか否かを判定し(ステップ1005)、その判定結果を記録画像作成部107に送る。
【0062】
記録画像作成部107は、顔照合部113からの判定結果が本人である場合、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成し、この作成した券情報と顔検知部106により検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成する(ステップ1006)。
【0063】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して券110を発行する(ステップ1007)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書情報を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書111を発行する(ステップ1007)。
【0064】
上述した第3の実施の形態のように顔照合機能を持つことにより、券および領収書のセキュリティ性をより高めることが可能となる。この第3の実施の形態では、特に事前に個人情報を登録するような会員制のシステムに対して会員のなりすましを防ぐことができ、非常に有効である。
【0065】
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、前述した第1の実施の形態に対し、さらに、購入者101の複数の顔画像を取込み、それらの中から一番良い状態の顔画像を選択するようにしたものであり、以下、詳細に説明する。
【0066】
図11は、第4の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示すものである。なお、前述した第1の実施の形態(図1)と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略し、異なる部分についてだけ詳細に説明する。
【0067】
図11において、券類発行装置102は、購入者101に対しサービスの提供状況を表示する情報表示部103、購入者101の少なくとも顔を含む複数の画像をあらかじめ設定された取込み時間間隔(取込み条件)で順次取込む画像入力部104、購入者101が券類の購入に必要な情報を入力する情報入力部105、画像入力部104により入力された複数の画像からそれぞれ顔の領域を顔画像として検知する顔検知部106、顔検知部106により検知された複数の顔画像を保存する顔画像保存手段としての顔画像保存部114、顔画像保存部114に保存された複数の顔画像の中から所望の顔画像を選択する顔画像選択手段としての顔画像選択部115、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)を作成し、この作成した券情報と顔画像選択部115により選択された顔画像とを合成して券記録画像を作成する記録画像作成部107、記録画像作成部107により作成された券記録画像を可視画像として記録することにより券110を発行する第1記録部108、記録画像作成部107により作成された領収書情報を可視画像として記録することにより領収書111を発行する第2記録部109により構成されている。
【0068】
顔画像選択部115は、たとえば、図12に示すように、顔画像保存部114に保存された複数の顔画像に対しそれぞれ瞳を含んだ目の領域を検出する瞳領域検出手段としての瞳領域検出部1201、あらかじめ人物の目の基本的(平均的)な瞳パターンが登録されている瞳辞書としての顔画像情報データベース1202、瞳領域検出部1201により検出された領域内の瞳パターンと顔画像情報データベース1202内の瞳パターンとを照合して、当該購入者の瞳が瞬きをしているか否かを判定することにより、取込んだ複数の顔画像それぞれに対し点数付けを行ない、この付けた点数に基づき最適な顔画像を出力する判定手段としての判定部1203によって構成されている。
【0069】
判定部1203は、図13に示すように、目を閉じているときを一番点数を低くし、目が開いているときを一番点数を高くするように設定してあって、その点数が一番高い顔画像を最適な顔画像として出力するようになっている。
【0070】
次に、上記のような構成において、処理の流れについて図14に示すフローチャートを参照して説明する。まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ1401)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ1402)。
【0071】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む複数の画像を順次取込み、顔検知部106へ送る(ステップ1403)。顔検知部106は、取込んだ複数の画像からそれぞれ顔の領域を顔画像として検知し(ステップ1404)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔画像が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0072】
顔検知部106の各検知結果は顔画像保存部114へ送られ、そこに保存される(ステップ1405)。次に、顔画像選択部115は、顔画像保存部114に保存された複数の顔画像の中から所望の顔画像を選択し、その選択結果を記録画像作成部107に送る(ステップ1406)。
【0073】
記録画像作成部107は、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成し、この作成した券情報と顔画像選択部115により選択された顔画像とを合成して券記録画像を作成する(ステップ1407)。
【0074】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して券110を発行する(ステップ1408)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書情報を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書111を発行する(ステップ1408)。
【0075】
次に、第5の実施の形態について説明する。
図15は、第5の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示すものである。なお、前述した第1の実施の形態(図1)と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略し、異なる部分についてだけ詳細に説明する。
【0076】
図15において、券類発行装置102は、購入者(利用者)101に対しサービスの提供状況を表示する情報表示部103、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込む画像入力部104、購入者101が券類の購入に必要な情報を入力する情報入力部105、画像入力部104により入力された画像から顔の領域を顔画像として検知する顔検知部106、顔検知部106により検知された顔画像から顔領域を切出す顔領域切出手段としての顔領域切出部116、顔領域切出部116により切出された顔領域があらかじめ定められたサイズに収まるように当該顔領域の大きさを正規化することにより正規化顔画像を作成する顔画像正規化手段としての顔画像正規化部117、顔画像正規化部117により作成された正規化顔画像に対しあらかじめ定められた輝度値範囲内に収まるように輝度補正することにより輝度補正顔画像を作成する輝度補正手段としての輝度補正部118、輝度補正部118により作成された輝度補正顔画像に対し疑似階調処理を行なうことにより疑似階調顔画像を作成する疑似階調手段としての疑似階調部119、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)を作成し、この作成した券情報と疑似階調部119により作成された疑似階調顔画像とを合成して券記録画像を作成する記録画像作成部107、記録画像作成部107により作成された券記録画像を可視画像として記録することにより券110を発行する第1記録部108、記録画像作成部107により作成された領収書情報を可視画像として記録することにより領収書111を発行する第2記録部109により構成されている。
【0077】
顔検知部106および顔領域切出部116の処理について図16を参照して説明する。なお、図16において、(EyeLx,EyeLy)(EyeRx,EyeRy)は目の検出座標(瞳の中心点で定義する)、(NoseLx,NoseLy)(NoseRx,NoseRy)は鼻孔の検出座標(鼻孔の中心点で定義する)、fwは顔の横幅、fhは顔の縦幅、(fx,fy)は顔検出中心座標、をそれぞれ示している。
【0078】
まず、色情報(たとえば、髪の毛は黒、顔は肌色)を用いて顔領域を検知する。次に、検知した顔領域内において、黒目(瞳)と白目とのコントラストにより目の位置を検知する。この場合、左目、右目の座標値はそれぞれの瞳の中心点を用いる。次に、検出した顔領域内において、顔の中心付近にある黒い2つの孔を鼻の孔として検知する。この場合、鼻孔の座標値はそれぞれの鼻孔の中心点を用いる。
【0079】
次に、顔検出中心座標を計算する。すなわち、左目と右目との瞳の中心点の中間、すなわち、検出座標の中間で線を引く(縦線、x座標が決まる)。次に、鼻孔の左と右の中心点を結ぶように(左と右の検出座標を結ぶように)線を引き、その中央点を見つける。次に、左右の目の中央点と鼻孔の左右の中央点との中央点を通過する線を引く(横線、y座標が決まる)。そして、これら2つの線(縦線、横線)が交わった点を顔検出中心座標(fx,fy)とする。こうして求めた顔検出中心座標(fx,fy)を基に横幅fw、縦幅fhの顔領域を切出す。
【0080】
顔画像正規化部117の処理について図17を参照して説明する。なお、図17において、(fx,fy)は顔検出中心座標、LBーEyeは両目の間隔(左右の目の検出したx座標間の長さ)、Crは画像入力部104の画像領域(入力画像領域)、Frは正規化後に切出す画像領域、Iwnは画像領域Frの横幅、Ihnは画像領域Frの縦幅、をそれぞれ示している。
【0081】
顔画像正規化部117は、顔領域切出部116により切出された顔領域内における顔の両目の間隔を基準単位として当該顔領域の大きさを正規化する。すなわち、左目と右目との間の距離LBーEyeを単位として、LBーEyeのN倍(N=3〜6程度が望ましい)に切出し幅を設定し、この切出し幅で切出すことにより正規化を行なう。ここに、各画像パラメータの関係は次式となる。
【0082】
Iwn:LBーEyeー2=1:N
LBーEyeー2=Iwn/N
Amp=LBーEyeー2/LBーEye
Ihn=M×Iwn
LBーEye:正規化前の両目の間隔
LBーEyeー2:正規化後の両目の間隔
Iwn:記録する画像幅
Amp:画像正規化のための倍率
Ihn:記録する画像高さ
M:画像正規化後の縦と横の比率(=1.0〜2.0が望ましい)
輝度補正部118の処理について図18および図19を参照して説明する。なお、図18および図19において、(fx,fy)は顔検出中心座標、Iwnは正規化後の画像の横幅、Ihnは正規化後の画像の縦幅、をそれぞれ示している。
【0083】
まず、第1の方法について説明すると、顔画像正規化部117により作成された正規化顔画像のあらかじめ定められた領域内(図中の破線内)の輝度値の平均値を計算し、この計算した平均値に基づき全体の輝度補正値を決定して補正を行なう。これにより、顔領域の平均的な輝度値を計算することにより、個人の顔色の違いや顔への照明光の当たり具合などの影響を排除することができる。
【0084】
次に、第2の方法について説明すると、顔画像正規化部117により作成された正規化顔画像の顔領域切出部116により切出された顔領域以外(図中の破線外の領域)の画像の平均値を計算し、この計算した平均値に基づき全体の輝度補正値を決定して補正を行なう。
【0085】
なお、ここでの顔領域以外とは、正規化後の画像の顔領域部分を取り除いた残りの部分、つまり、背景部分のことを示す。この背景部分の輝度値を基に補正することにより、1日の日光の変化や天候の状態、室内全体の明るさの影響を排除することが可能となる。
【0086】
疑似階調部119の処理について説明する。疑似階調部119は、単純2値化処理、適応2値化処理、パターンディザ処理、誤差拡散処理、ハーフトーンスクリーン処理のうち少なくともいずれか1つの処理を行なうことにより疑似階調処理を行なう。
すなわち、疑似階調処理としては、単純2値化処理、適応2値化処理、パターンディザ処理、誤差拡散処理、ハーフトーンスクリーン処理などが一般的であるが、ここでは擬似階調処理の代表例として誤差拡散法について簡単に説明する。
【0087】
誤差拡散法は、記録画像情報の輝度値の差を周辺画素に拡散して、実際の記録画像の濃度情報を保存していく方法である。本実施の形態で用いる2値誤差拡散処理の場合には、記録画像情報の輝度値をIxy(0〜255の範囲)、記録濃度をPxy(0〜255の範囲)、誤差をExyとすると、
Exy=Ixy−Pxy
x、yは画素の座標値を示す
この誤差を拡散マトリクスaijにより2次元的に拡散する。拡散誤差eijは、
eij=aij×Eij (Σaij=255)
i,jはマトリクス内の相対座標
であり、本実施の形態で使用する拡散マトリクスaij(16進数表示)は次のようになる。
【0088】
【数1】
この拡散マトリクスaijを用いて、記録画像情報をスキャンして、注目画素の2値化(本例の場合、閾値=127)および周辺画素への誤差値を決定することにより擬似階調処理がなされる。
なお、この例では、2値化の場合を説明したが、多階調化の場合は、閾値を複数用意して、拡散マトリクスなどは共通に使用することで、同様に行なえる。また、この例は白黒画像の場合であるが、カラー画像の場合でも、たとえば、R(赤)、G(緑)、B(青)に色分解して、その色プレーンに関して上記処理を行なうことにより、同様な手順が適用できる。
【0089】
次に、上記のような構成において、処理の流れについて図20に示すフローチャートを参照して説明する。まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ2001)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ2002)。
【0090】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部106へ送る(ステップ2003)。顔検知部106は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し(ステップ2004)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔画像が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0091】
顔検知部106の検知結果は顔領域切出部116に送られる。顔領域切出部116は、顔検知部106により検知された顔画像から顔領域を切出し(ステップ2005)、その切出し結果を顔画像正規化部117へ送る。顔画像正規化部117は、顔領域切出部116により切出された顔領域があらかじめ定められたサイズに収まるように当該顔領域の大きさを正規化することにより正規化顔画像を作成し(ステップ2006)、輝度補正部118へ送る。
【0092】
次に、輝度補正部118は、顔画像正規化部117により作成された正規化顔画像に対しあらかじめ定められた輝度値範囲内に収まるように輝度補正することにより輝度補正顔画像を作成し(ステップ2007)、疑似階調部119へ送る。疑似階調部119は、輝度補正部118により作成された輝度補正顔画像に対し疑似階調処理を行なうことにより疑似階調顔画像を作成し(ステップ2008)、記録画像作成部107へ送る。
【0093】
記録画像作成部107は、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成し、この作成した券情報と疑似階調部119により作成された疑似階調顔画像とを合成して券記録画像を作成する(ステップ2009)。
【0094】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して券110を発行する(ステップ2010)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書情報を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書111を発行する(ステップ2010)。
【0095】
なお、疑似階調部119において、疑似階調処理の内容を、購入者が情報入力部105で入力した情報の内容によって選択的に単純2値化処理、適応2値化処理、パターンディザ処理、誤差拡散処理、ハーフトーンスクリーン処理に切換えることにより、特に領収書に対しより高いセキュリティ性を付加することができる。
【0096】
たとえば、サービスAからサービスEまで存在するときには、次のように行なう。
(1)購入者がサービスAを選択した場合は、単純2値化処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(2)購入者がサービスBを選択した場合は、適応2値化処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(3)購入者がサービスCを選択した場合は、パターンディザ処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(4)購入者がサービスDを選択した場合は、誤差拡散処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(5)購入者がサービスEを選択した場合は、ハーフトーンスクリーン処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
【0097】
また、たとえば、サービスの価格がFからJまで存在するときには、次のように行なう。
(1)購入者が価格Fを選択した場合は、単純2値化処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(2)購入者が価格Gを選択した場合は、適応2値化処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(3)購入者が価格Hを選択した場合は、パターンディザ処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(4)購入者が価格Iを選択した場合は、誤差拡散処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(5)購入者が価格Jを選択した場合は、ハーフトーンスクリーン処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
【0098】
なお、サービスの数量がさらに多い場合は、各疑似階調処理における閾値や、ディザや誤差のマトリクスなどのパラメータを変更することにより対応可能である。
【0099】
このように、疑似階調処理の内容を購入者が入力した情報の内容によって選択的に変更することにより、購入者の顔画像の記録の様子が変化するので、どのサービスを選択したのかが目視で簡単に確認できるようになる。
【0100】
次に、第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態は、前述した券類発行装置102により発行(購入)された券110および領収書111を遊園地などの施設の入場券に適用し、この入場券を用いて遊園地などの施設を利用する利用者を確認する利用者確認装置に適用したものであり、以下、詳細に説明する。
【0101】
図21は、発行(購入)された遊園地の入場券2101の一例を示すもので、購入者(利用者)の顔画像2102、券情報2103、ロゴマーク2104などが表面に印刷記録されていて、一見すると図3で説明した券301と同じように見えるが、効果が異なっている。すなわち、図21の例では、券情報2103の中に、「△△遊園地 1日入場券 入退場自由」のような入退場管理情報2103aが含まれている。
【0102】
図22は、上記入場券2101の購入に対し発行された領収書2201の一例を示すもので、領収書情報2202などが表面に印刷記録されている。この領収書2201の場合も、領収書情報2202の中に、「△△遊園地 1日入場券 入退場自由」のような入退場管理情報2202aが含まれている。
【0103】
以下、上記入場券2101および領収書2201の発行処理について図23に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この発行処理は、たとえば、前述した図1の券類発行装置102により行なうことができる。
まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ2301)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ2302)。
【0104】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部106へ送る(ステップ2303)。顔検知部106は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し(ステップ2304)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0105】
顔検知部106の検知結果は記録画像作成部107に送られる。記録画像作成部107は、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成するとともに、入退場管理情報をも作成する。そして、作成した券情報と入退場管理情報と顔検知部106により検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成するとともに、作成した領収書情報と入退場管理情報とを合成して領収書記録画像を作成する(ステップ2305)。
【0106】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して入場券2101を発行する(ステップ2306)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書2201を発行する(ステップ2306)。
【0107】
次に、このようにして発行された入場券2101を用いて遊園地を利用する利用者を確認する利用者確認装置について説明する。
図24は、第6の実施の形態に係る利用者確認装置の構成を概略的に示すものである。この利用者確認装置2402は、利用者2401に対し各種操作情報などを表示する情報表示部2403、利用者2401の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段としての画像入力部2404、利用者2401が提示する入場券2101を受入れて、当該入場券2101上の顔画像2102を読取り入力する画像入力手段としての券読取部2405、画像入力部2404により入力された画像から顔の領域を顔画像として検知する顔検知手段としての顔検知部2406、顔検知部2406により検知された顔画像と券読取部2405により入力された顔画像とを照合することにより、当該利用者2401が正規の利用者であるか否かを確認する確認手段としての顔確認部2407、顔確認部2407の確認結果に基づき当該遊園地に対する入退場を制御する入退場制御手段としての入退場制御部2408により構成されている。
【0108】
次に、上記のような構成において、利用者確認処理の流れについて図25に示すフローチャートを参照して説明する。まず、利用者2401が利用者確認装置2402の前に立つと、操作案内が情報表示部2403に表示されるので、それを見て、利用者2401は所持する入場券2101を券読取部2405に挿入することにより、券読取部2405は当該入場券2101上の顔画像2102を読取り入力し、顔確認部2407へ送る(ステップ2501)。
【0109】
このとき、画像入力部2404は、利用者2401の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部2406へ送る(ステップ2502)。顔検知部2406は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し、顔確認部2407へ送る。顔確認部2407は、顔検知部2406により検知された顔画像と券読取部2405により入力された顔画像とを照合することにより(ステップ2503)、当該利用者2401が正規の利用者(本人)であるか否かを確認し(ステップ2504)、その確認結果を入退場制御部2408へ送る。
【0110】
入退場制御部2408は、顔確認部2407の確認結果に基づき当該遊園地に対する入退場を制御する。たとえば、確認結果が正規の利用者(本人)であれば入退場が許可され、確認結果が正規の利用者(本人)でなければ入退場が不許可となり、入退場が拒絶される。
【0111】
なお、上記説明では、入場券2101に利用者2401の顔画像を記録しておき、この入場券2101を用いて利用者を確認する場合について説明したが、これに限らず、たとえば、領収書2201に利用者2401の顔画像を記録しておき、この領収書2201を用いて利用者を確認する場合も同様に適用できる。また、入場券2101および領収書2201の両方に利用者2401の顔画像を記録しておいてもよい。
【0112】
このように、第6の実施の形態では、利用者の顔画像および入退場管理情報を1枚の入場券または領収書に可視的に記録することにより、その入場券または領収書を簡易的な身分証明書として用いて、指定期間中、サービスなどを自由に受けられるように、簡単にチェックできるようにすることができる。
【0113】
従来、遊園地などの施設では、用事などで管理区域外に出る場合は、係員にスタンプなどを押してもらったり、再入場券のようなものをもらう必要があったが、本実施の形態を適用することで、それらの問題を簡単に解決することができる。また、遊園地だけでなく、企業内やその他の施設の見学者への一時的な身分証明書の発行に用いるのも有効である。
【0114】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、券類のセキュリティ性をより高めることが可能となる券類発行装置、券類発行方法を提供できる。
また、本発明によれば、遊園地などの施設を利用する利用者を簡易的な方法で確認することができる利用者確認装置、利用者確認方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示す模式図。
【図2】券発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図3】発行された券の例を示す平面図。
【図4】発行された券の別の例を示す平面図。
【図5】顔画像にセキュリティデータを不可視状態で埋込む例を説明するための図。
【図6】顔画像にセキュリティデータを不可視状態で埋込む具体例を説明するためのブロック図。
【図7】第2の実施の形態に係る券発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図8】似顔絵の作成方法を説明するための図。
【図9】第3の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示す模式図。
【図10】券発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図11】第4の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示す模式図。
【図12】顔画像選択部の構成を示すブロック図。
【図13】顔画像選択部の動作を説明するための図。
【図14】券発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図15】第5の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示す模式図。
【図16】顔検知部および顔領域切出部の処理を説明するための図。
【図17】顔画像正規化部の処理を説明するための図。
【図18】輝度補正部の第1の処理方法を説明するための図。
【図19】輝度補正部の第2の処理方法を説明するための図。
【図20】券発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図21】第6の実施の形態に係る入場券の例を示す平面図。
【図22】第6の実施の形態に係る領収書の例を示す平面図。
【図23】入場券および領収書の発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図24】第6の実施の形態に係る利用者確認装置の構成を概略的に示す模式図。
【図25】利用者確認処理の流れを説明するフローチャート。
【符号の説明】
101…購入者(利用者)、102…券類発行装置、103…情報表示部、104…画像入力部(画像取込手段)、105…情報入力部(入力手段)、106…顔検知部(顔検知手段)、107…記録画像作成部(券面情報作成手段、記録画像作成手段)、108…第1記録部(記録手段)、109…第2記録部(記録手段)、110…券(第1の券類)、111…領収書(第2の券類)、301…券、302…領収書、303…購入者の顔画像、304…券情報、305…ロゴマーク、501…取込んだ顔画像、502…セキュリティデータ、503…セキュリティ画像処理、504…セキュリティ入り顔画像、112…顔画像情報データベース、113…顔照合部(照合手段)、114…顔画像保存部(顔画像保存手段)、115…顔画像選択部(顔画像選択手段)、1201…瞳領域検出部(瞳領域検出手段)、1202…顔画像情報データベース(瞳辞書)、1203…判定部(判定手段)、116…顔領域切出部(顔領域切出手段)、117…顔画像正規化部(顔画像正規化手段)、118…輝度補正部(輝度補正手段)、119…疑似階調部(疑似階調手段)、2101…入場券、2102…利用者の顔画像、2103…券情報、2103a…入退場管理情報、2104…ロゴマーク、2201…領収書、2202…領収書情報、2202a…入退場管理情報、2401…利用者、2402…利用者確認装置、2403…情報表示部3、2404…画像入力部(画像取込手段)、2405…券読取部(画像入力手段)、2406…顔検知部(顔検知手段)、2407…顔確認部(確認手段)、2408…入退場制御部(入退場制御手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、交通機関の乗車券、コンサートなどのイベントのチケット、その他サービスを受けるために必要な情報が記録されているカードなどの券、および、それらの券購入に対する購入履歴(発行履歴)などを記録した領収書やレシートなどの券類を発行する券類発行装置、券類発行方法に関する。
また、本発明は、上記発行された券類を用いて遊園地などの施設を利用する利用者を確認する利用者確認装置、利用者確認方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動化や省力化のために、購入者(以下、利用者とも言う)が直接操作して券類(乗車券やチケットなど)を購入したり、サービスを受けるシステムが増加している。たとえば、鉄道の駅の定期券自動発行機やコンビニエンスストアに設置されているいわゆるマルチメディアステーション(以下、単にMMSと略称する)などがある。
【0003】
また、人の特徴量を用いて入退室管理などを行なう技術開発や製品化も盛んになっている。これらは、たとえば、指紋や虹彩、顔の特徴量を用いて本人かどうかを特定し、入退室管理などを行なう場合が多い。たとえば、あらかじめ特定して記憶しておいた特定者の画像取得データと照合させて特定者か否かを自動的に判別する技術がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、顧客の購買意欲を促進させる画像や店舗に対するイメージを向上させる画像を印刷したレシートを発行する取引処理装置が提示されている(たとえば、特許文献2参照)。
さらに、撮影手段により撮影された買い上げ客の画像情報を買い上げ場所を特定するマークに加えて印字してレシートとして発行する商品販売登録データ処理装置が提示されている(たとえば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−161790号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平11−306442号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2001−118148号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
MMSなどでは、省力化のため(管理者が近くにいないという意味で)無人で、購入者自身が操作を行なうことが多いため、会員制のサービスなどを行なう場合など、「なりすまし」などの問題があり、本人確認が難しいという問題がある。
【0009】
また、人の特徴量を用いて本人判別を行なう特許文献1などの技術では、購入者は本人が行なっても、悪意が有る/無しに係わらず第3者の手に渡る場合もあり、やはり購入者と利用者との一致が判断できないという問題がある。また、正規に入手した券類でも、現在のシステムにおいては再発行などはシステム上難しいものがある。
【0010】
特許文献2では、顧客の購買意欲を促進させる画像や店舗に対するイメージを向上させる画像を印刷したレシートを発行する取引処理装置が提示されているが、購入者自身の似顔絵をレシートに記録する記載はあるものの、詳細な技術的記載がなく、また顔検知に係る技術が記載されていない。
【0011】
特許文献3でも、撮影手段により撮影された買い上げ客の画像情報を買い上げ場所を特定するマークに加えて印字してレシートとして発行する商品販売登録データ処理装置が提示されているが、上記同様に顔検知に係る技術が記載されていない。
【0012】
これらの技術では顔検知に係る技術がないので、本当に顔画像が取得できているかわからない、たとえ取得できていたとしても、最適な顔画像が得られているかどうかわからないといった問題がある。
【0013】
そこで、本発明は、券類のセキュリティ性をより高めることが可能となる券類発行装置、券類発行方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、遊園地などの施設を利用する利用者を簡易的な方法で確認することができる利用者確認装置、利用者確認方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の券類発行装置は、利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力手段と、前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段と、この画像取込手段により取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知手段と、前記入力手段により入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成手段と、この券面情報作成手段により作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記顔検知手段により検知された顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成手段と、この記録画像作成手段により作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録手段と、前記記録画像作成手段において顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録手段とを具備している。
【0015】
また、本発明の券類発行装置は、利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力手段と、前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段と、この画像取込手段により取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知手段と、この顔検知手段により検知された顔画像から顔領域を切出す顔領域切出手段と、この顔領域切出手段により切出された顔領域があらかじめ定められたサイズに収まるように当該顔領域の大きさを正規化することにより正規化顔画像を作成する顔画像正規化手段と、この顔画像正規化手段により作成された正規化顔画像に対しあらかじめ定められた輝度値範囲内に収まるように輝度補正することにより輝度補正顔画像を作成する輝度補正手段と、この輝度補正手段により作成された輝度補正顔画像に対し疑似階調処理を行なうことにより疑似階調顔画像を作成する疑似階調手段と、前記入力手段により入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成手段と、この券面情報作成手段により作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記疑似階調手段により作成された疑似階調顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成手段と、この記録画像作成手段により作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録手段と、前記記録画像作成手段において疑似階調顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録手段とを具備している。
【0016】
また、本発明の利用者確認装置は、施設を利用する利用者が提示する、必要な券面情報および利用条件等の利用管理情報とともに当該利用者の顔画像が可視画像として記録されている利用券から少なくとも前記顔画像を読取り入力する画像入力手段と、前記利用者の少なくとも顔画像を取込む画像取込手段と、この画像取込手段により取込まれた利用者の顔画像と前記画像入力手段により入力された利用券の顔画像とを照合することにより当該利用者が正規の利用者であるか否かを確認する確認手段とを具備している。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明では、たとえば、MMS(マルチメディアステーション)などに適用される券類発行装置の場合について説明するが、乗車券や定期券のみを発行(販売)する券類発行装置、あるいは、遊園地などの施設の利用券を発行(販売)する券類発行装置などにも適用できることは勿論である。
【0018】
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示すものである。この券類発行装置102は、購入者(利用者)101に対しサービスの提供状況を表示する情報表示部103、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段としての画像入力部104、購入者101が券類の購入に必要な情報を入力する入力手段としての情報入力部105、画像入力部104により入力された画像から顔の領域を顔画像として検知する顔検知手段としての顔検知部106、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)を作成し、この作成した券情報および領収書情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報、この例では券情報と顔検知部106により検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成する券面情報作成手段および記録画像作成手段としての記録画像作成部107、記録画像作成部107により作成された券記録画像を可視画像として記録することにより第1の券類として券110を発行する記録手段としての第1記録部108、記録画像作成部107により作成された領収書情報を可視画像として記録することにより第2の券類として領収書111を発行する記録手段としての第2記録部109により構成されている。
【0019】
なお、実際には、情報表示部103は液晶ディスプレイやCRT表示装置などを用いることが多く、情報入力部105としてはキーボードやタッチボタン、液晶ディスプレイと一体になったタッチパネルなどが適している。
また、あらかじめ利用者の個人情報が記憶されている磁気カードやICカードのリーダなどを情報入力部105として適用することもできる。
画像入力部104としては、CCD形カメラやCMOS形カメラを用いることができ、できれば高解像度の方が望ましい。
【0020】
第1記録部106および第2記録部107は、組込み型のプリンタがよく使用されるが、券を発行する第1記録部106に用いるプリンタの方が仕様が高いものを要求されることが多く(白黒プリンタでも勿論構わないが)、カラー記録できるほうが望ましい。
領収書を発行する第2記録部107は、一般的にはコスト低減のため、低価格のサーマルプリンタが用いられる場合が多いが、他の記録方式(たとえば、インクジェット記録方式)でも構わない。本実施の形態で用いるには、最低解像度が4本/mmが必要であり、勿論、解像度が高いほうが望ましく、第1記録部106と兼用であっても構わない。
【0021】
次に、上記のような構成において、処理の流れについて図2に示すフローチャートを参照して説明する。まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ201)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ202)。
【0022】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部106へ送る(ステップ203)。顔検知部106は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し(ステップ204)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔画像が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0023】
顔検知部106の検知結果は記録画像作成部107に送られる。記録画像作成部107は、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成し、この作成した券情報と顔検知部106により検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成する(ステップ205)。
【0024】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して券110を発行する(ステップ206)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書情報を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書111を発行する(ステップ206)。
【0025】
なお、領収書111が必要ない場合は、購入者101が情報入力部105でその旨を指定することにより、記録画像作成部107における領収書情報の作成、および、第2記録部109における領収書の発行処理は行なわれないようになっている。
【0026】
本実施の形態では、鉄道機関の乗車券や定期券、コンサートなどのイベントのチケット、その他サービスを受けるために必要な情報が記されている紙類やプラスチックベースのカード類を券(第1の券類)と総称している。また、本実施の形態では、一般に言われている領収書やスーパなどのレジで発行されるレシートやその他購入履歴を記したものを領収書(第2の券類)と総称している。
【0027】
図3に、本実施の形態で発行された券301の例を示している。この例では、鉄道機関の乗車券を東京から広島まで購入した場合で、かつ、領収書302が兼用されている場合を示している。
この券301は、購入者の顔画像303、券情報304、ロゴマーク305などが表面に印刷記録されている。ロゴマーク305は、管理上の問題やセキュリティ上の問題で、一般的には券や領収書の台紙にプレ印刷されている場合が多いが、券発行時にその他の情報と一緒に可視記録しても差し支えない。購入者の顔記録画像303は、購入時に図1で示した画像入力部104を用いて購入者101の顔を含む画像を取込んだものを画像処理して可視記録したものである。また、券情報304は、同じく購入時に図1で示した情報入力部105に入力した情報に基づいて作成された項目を記録したものである。
【0028】
図4は、本実施の形態で発行された券401および領収書402の別の例を示している。この例では、レース観戦チケットを購入した場合で、このようなチケットはセキュリティを高めるために特殊な材料の用紙や特殊なインクを用いて印刷する場合があるので、チケット自体に購入者の顔画像を記録することが困難な場合がある。そのような場合は、図4(b)のように領収書402の方に顔画像403を記録することにより対処できる。
【0029】
上述した第1の実施の形態のような券301および領収書302を発行することにより、それらのセキュリティ性をより高めることが可能になる。
すなわち、券301の表面に購入者101の顔画像303が可視的に記録されているので、券301の盗難や紛失が生じても、第3者が2次利用できにくいためである。
また、会員制のサービスで未成年者を対象外している場合などで、未成年者が自分の親の会員証でサービスを受ける心配がある。勿論、対人応対処理の場合はある程度防ぐことが可能であるが、今後、コンビニエンスストアなどように全国展開されている店舗に、この種のサービスを普及させるには非対人(=無人)応対できなければ難しい。そこで、本実施の形態のように、券301や領収書302に購入者101の顔画像303を可視記録することにより、抑止力となり、なりすましを防ぐことになる。
【0030】
なお、図3の例では、券301と領収書302とが兼用されている場合を示しているが、勿論、券301と領収書302とが別々で、図3のように券301の方に購入者101の顔画像303が可視的に記録されていて、領収書302の方はスーパのレジで発行されるような数字の羅列でも同じように適用できる。勿論、券301と領収書302の両方にそれぞれ購入者101の顔画像303が可視的に記録されていても構わない。
【0031】
次に、上記した第1の実施の形態において、さらに券や領収書のセキュリティ性を高める手法について説明する。この手法は、画像入力部104を用いて取込んだ購入者101の顔画像にセキュリティデータを不可視状態で埋込むものであり、図5を用いて概略を説明する。
【0032】
図5において、取込んだ顔画像501と、発行側が設定するセキュリティデータ(たとえば、企業のロゴマークなど)502とを用いて、セキュリティ画像処理503を行なうことにより、セキュリティ入り顔画像504を作成する。このセキュリティ入り顔画像504をディスプレイ上で表示したり、プリンタなどの記録装置で記録出力した場合に、取込んだ顔画像501の部分は可視状態になり、セキュリティデータ502の部分は不可視状態になることに特徴がある。
【0033】
このセキュリティ画像処理の詳細な手法は、たとえば、特開平11−168616号公報に記述されており、これを応用することが可能である。以下、図6を用いてその内容について簡単に説明するが、詳細は特開平11−168616号公報を参照されたい。
【0034】
図6において、被埋込み画像情報601は、埋込み情報602が埋込まれる画像情報で、図5の取込んだ顔画像501に相当し、これは1画素当たり24ビット(RGB各8ビット)の情報を持っている。埋込み画像情報602は、被埋込み画像情報601に埋込む情報で、図5のセキュリティデータ502に相当し、これは1画素あたり1ビットの情報を持っている。マスク画像情報603は、合成処理時および埋込み画像情報602の復元時に用いる画像情報で、1画素あたり1ビットの情報を持っている。
【0035】
最初に、平滑化処理ステップ604において、埋込み画像情報602の黒画素を「1」、白画素を「0」として平滑化処理を行なう。ここでは、x方向について注目画素の両端の画素を3×1画素の領域を切り出し、下記式(1)のように重み平均を取る。
【0036】
W(i)=(STL(i−1)+2・STL(i)+STL(i+1))/4……(1)
W(i) :x=i画素の重み平均値
STL(i):x=i画素の埋込み画像情報=1 or 0
次に、位相変調ステップ605において、平滑化処理ステップ604における平滑化処理の結果を基に、下記式(2−1)〜(2−3)の規則にしたがい、マスク画像情報603の位相変調を行なう。
【0037】
W(i)=0の場合→DES(i)=MSK(i) ……(2−1)
W(i)=1の場合→DES(i)=MSK(i+2)……(2−2)
上記以外の場合 →DES(i)=MSK(i+1)……(2−3)
DES(i):x=i画素の位相変調結果=1 or 0
MSK(i):x=i画素のマスク画像情報=1 or 0
ここで、x=0列およびx=15列は、画像情報の端のため平滑化処理できず、そのため位相変調もできない。そこで、端部ではマスク画像情報と埋込み画像情報との排他的論理和を取る。
【0038】
次に、色差変調ステップ606において、位相変調ステップ605における位相変調結果を基に、下記式(3−1)〜(3−6)の規則にしたがい、色差変調処理を行なう。この場合、R(赤)、G(緑)、B(青)の3成分を別々に計算する。
【0039】
なお、色差量ΔVは、あらかじめ設定してある「0〜255」の範囲の整数である。色差量ΔVは、大きいほど埋込み画像情報の復元時の可視化のコントラストが高くなり、再生が容易ではあるが、あまり大きくしすぎると埋込み情報が露見しやすくなる。したがって、色差量ΔVは、「16〜96」くらいが望ましいが、ここではΔV=48を用いている。
【0040】
最後に、重畳処理ステップ607において、色差変調ステップ606における色差変調結果と被埋込み画像情報601とから、下記式(4−1)〜(4−3)で示される重畳処理を行なうことにより、合成画像情報608(図5のセキュリティ入り顔画像504に相当)を作成する。
【0041】
なお、DESR(i)、DESG(i)、DESB(i)は、それぞれ「0〜255」の範囲の整数なので、計算結果が「0」以下の場合は「0」に設定し、「255」以上の場合は「255」に設定する。
【0042】
前記式(3−1)〜(3−3)または前記式(3−4)〜(3−6)の通り、赤色と緑色、青色の色差量の符号が反転している。したがって、赤色成分の多い画素では緑色と青色が少なくなっていて、赤色成分の少ない画素では他の成分が多くなっている。赤色と(緑色、青色)=シアン色は補色の関係にあり、赤色とシアン色が隣り合っていても人間の目には判別しにくく、無彩色に見える。2画素単位で赤色リッチな画素とシアン色リッチな画素とが繰り返し配置されているため、人間の目では、これらの細かな色差の違いを識別できず、色差量はプラスマイナス「0」と判断してしまう。
【0043】
たとえば、前記式(4−1)では、
DESR(i)≒SRCR(i) …… (5)
と間違って判断してしまい、画像情報が埋込まれていることを区別できなくなる。したがって、この原理により埋込み画像情報602を不可視状態で被埋込み画像情報601に埋込んだ合成画像情報608を作成することが可能になる。
【0044】
このように作成した合成画像情報608から埋込み画像情報602を復元して可視状態にする再生方法については、ここでは説明を省略するが、詳細は特開平11−168616号公報に記載されているのでそれを参照されたい。
【0045】
なお、上記説明は、被埋込み画像情報601がカラー画像であることを前提にしているが、白黒画像に対しても同様にセキュリティデータを不可視状態で埋込むことが可能である。
【0046】
次に、第2の実施の形態について説明する。
前記第1の実施の形態では、券または領収書に記録する画像に購入者101の顔画像を比較的写実的に記録することについて説明したが、第2の実施の形態では、相対的にあまり写実的ではなく、購入者101の似顔絵を券または領収書に記録する場合を説明する。なお、購入者101の似顔絵は、記録画像作成部107において作成されるものであり、したがって、第2の実施の形態では記録画像作成部107が似顔絵作成手段としても機能する。
【0047】
図7は、第2の実施の形態における処理の流れを示すフローチャートであり、以下、このフローチャートを参照して処理の流れを説明する。まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ701)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ702)。
【0048】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部106へ送る(ステップ703)。顔検知部106は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し(ステップ704)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔画像が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0049】
顔検知部106の検知結果は記録画像作成部107に送られる。記録画像作成部107は、顔検知部106により検知された顔画像から顔の特徴量を抽出することにより似顔絵情報を作成する(ステップ705)。
次に、記録画像作成部107は、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成し、この作成した券情報と先に作成した似顔絵情報とを合成して券記録画像を作成する(ステップ706)。
【0050】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して券110を発行する(ステップ707)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書情報を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書111を発行する(ステップ707)。
【0051】
なお、記録画像作成部107における似顔絵の作成方法としては、
(1)広域フィルタによる輪郭抽出
(2)2値画像化
という手順を踏むのが一般的である。
【0052】
上記(1)の輪郭抽出に関しては、たとえば、周知のソーベル(Sobel)変換を用いることができ、以下、それについて簡単に説明する。
【0053】
図8に示すような3×3のマトリクスを用いて、下方向から上方向へ対象の画像をスキャンして畳み込み演算を行ない、さらに、今度は図8のマトリクスを時計方向に90°回転させたマトリクスを用いて、左方向から右方向へ対象の画像をスキャンして畳み込み演算を行なうことにより、輝度の差分により輪郭が抽出される。白黒画像の場合はそのまま適用し、カラー画像の場合は、たとえば、R、G、Bの3プレーンに色分解した後に行なう。
【0054】
上記(2)の2値画像化については、適当な閾値(たとえば、127)を設定し、その閾値よりも輝度が高いならば、元の輝度値を255(8ビットの場合)に変更し、閾値よりも輝度が低いならば、元の輝度値を0に変更することで実現できる。
【0055】
なお、ソフトウェア処理を簡単に済ませるならば、適応2値化処理だけでもパラメータ選択により、不完全ではあるが似顔絵のような画像が作成できる。また、より効果的な手法として、「ペン画による似顔絵生成システムの構築」(北大工、電子情報通信学会北海道支部インターネットシンポジウム2001)などが提案されているので、それらを用いることも可能である。
【0056】
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、前述した第1の実施の形態に対し、さらに、購入者101の顔画像を照合する顔照合手段を追加したものであり、以下、詳細に説明する。
【0057】
図9は、第3の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示すものである。なお、前述した第1の実施の形態(図1)と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略し、異なる部分についてだけ詳細に説明する。
【0058】
この券類発行装置102は、購入者101に対しサービスの提供状況を表示する情報表示部103、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込む画像入力部104、購入者101が券類の購入に必要な情報を入力する情報入力部105、画像入力部104により入力された画像から顔の領域を顔画像として検知する顔検知部106、顔照合用の顔画像情報(辞書情報)があらかじめ登録されている顔画像情報データベース112、顔検知部106により検知された顔画像を顔画像情報データベース112内の顔画像情報と照合することにより、当該購入者が本人であるか否かを判定する照合手段としての顔照合部113、顔照合部113により当該購入者が本人であると判定されると、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)を作成し、この作成した券情報と顔検知部106により検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成する記録画像作成部107、記録画像作成部107により作成された券記録画像を可視画像として記録することにより券110を発行する第1記録部108、記録画像作成部107により作成された領収書情報を可視画像として記録することにより領収書111を発行する第2記録部109により構成されている。
【0059】
次に、上記のような構成において、処理の流れについて図10に示すフローチャートを参照して説明する。まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ1001)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ1002)。
【0060】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部106へ送る(ステップ1003)。顔検知部106は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し(ステップ1004)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔画像が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0061】
顔検知部106の検知結果は、顔照合部113および記録画像作成部107にそれぞれ送られる。顔照合部113は、顔検知部106により検知された顔画像を顔画像情報データベース112内の顔画像情報と照合することにより、当該購入者101が本人であるか否かを判定し(ステップ1005)、その判定結果を記録画像作成部107に送る。
【0062】
記録画像作成部107は、顔照合部113からの判定結果が本人である場合、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成し、この作成した券情報と顔検知部106により検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成する(ステップ1006)。
【0063】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して券110を発行する(ステップ1007)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書情報を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書111を発行する(ステップ1007)。
【0064】
上述した第3の実施の形態のように顔照合機能を持つことにより、券および領収書のセキュリティ性をより高めることが可能となる。この第3の実施の形態では、特に事前に個人情報を登録するような会員制のシステムに対して会員のなりすましを防ぐことができ、非常に有効である。
【0065】
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、前述した第1の実施の形態に対し、さらに、購入者101の複数の顔画像を取込み、それらの中から一番良い状態の顔画像を選択するようにしたものであり、以下、詳細に説明する。
【0066】
図11は、第4の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示すものである。なお、前述した第1の実施の形態(図1)と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略し、異なる部分についてだけ詳細に説明する。
【0067】
図11において、券類発行装置102は、購入者101に対しサービスの提供状況を表示する情報表示部103、購入者101の少なくとも顔を含む複数の画像をあらかじめ設定された取込み時間間隔(取込み条件)で順次取込む画像入力部104、購入者101が券類の購入に必要な情報を入力する情報入力部105、画像入力部104により入力された複数の画像からそれぞれ顔の領域を顔画像として検知する顔検知部106、顔検知部106により検知された複数の顔画像を保存する顔画像保存手段としての顔画像保存部114、顔画像保存部114に保存された複数の顔画像の中から所望の顔画像を選択する顔画像選択手段としての顔画像選択部115、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)を作成し、この作成した券情報と顔画像選択部115により選択された顔画像とを合成して券記録画像を作成する記録画像作成部107、記録画像作成部107により作成された券記録画像を可視画像として記録することにより券110を発行する第1記録部108、記録画像作成部107により作成された領収書情報を可視画像として記録することにより領収書111を発行する第2記録部109により構成されている。
【0068】
顔画像選択部115は、たとえば、図12に示すように、顔画像保存部114に保存された複数の顔画像に対しそれぞれ瞳を含んだ目の領域を検出する瞳領域検出手段としての瞳領域検出部1201、あらかじめ人物の目の基本的(平均的)な瞳パターンが登録されている瞳辞書としての顔画像情報データベース1202、瞳領域検出部1201により検出された領域内の瞳パターンと顔画像情報データベース1202内の瞳パターンとを照合して、当該購入者の瞳が瞬きをしているか否かを判定することにより、取込んだ複数の顔画像それぞれに対し点数付けを行ない、この付けた点数に基づき最適な顔画像を出力する判定手段としての判定部1203によって構成されている。
【0069】
判定部1203は、図13に示すように、目を閉じているときを一番点数を低くし、目が開いているときを一番点数を高くするように設定してあって、その点数が一番高い顔画像を最適な顔画像として出力するようになっている。
【0070】
次に、上記のような構成において、処理の流れについて図14に示すフローチャートを参照して説明する。まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ1401)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ1402)。
【0071】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む複数の画像を順次取込み、顔検知部106へ送る(ステップ1403)。顔検知部106は、取込んだ複数の画像からそれぞれ顔の領域を顔画像として検知し(ステップ1404)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔画像が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0072】
顔検知部106の各検知結果は顔画像保存部114へ送られ、そこに保存される(ステップ1405)。次に、顔画像選択部115は、顔画像保存部114に保存された複数の顔画像の中から所望の顔画像を選択し、その選択結果を記録画像作成部107に送る(ステップ1406)。
【0073】
記録画像作成部107は、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成し、この作成した券情報と顔画像選択部115により選択された顔画像とを合成して券記録画像を作成する(ステップ1407)。
【0074】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して券110を発行する(ステップ1408)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書情報を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書111を発行する(ステップ1408)。
【0075】
次に、第5の実施の形態について説明する。
図15は、第5の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示すものである。なお、前述した第1の実施の形態(図1)と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略し、異なる部分についてだけ詳細に説明する。
【0076】
図15において、券類発行装置102は、購入者(利用者)101に対しサービスの提供状況を表示する情報表示部103、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込む画像入力部104、購入者101が券類の購入に必要な情報を入力する情報入力部105、画像入力部104により入力された画像から顔の領域を顔画像として検知する顔検知部106、顔検知部106により検知された顔画像から顔領域を切出す顔領域切出手段としての顔領域切出部116、顔領域切出部116により切出された顔領域があらかじめ定められたサイズに収まるように当該顔領域の大きさを正規化することにより正規化顔画像を作成する顔画像正規化手段としての顔画像正規化部117、顔画像正規化部117により作成された正規化顔画像に対しあらかじめ定められた輝度値範囲内に収まるように輝度補正することにより輝度補正顔画像を作成する輝度補正手段としての輝度補正部118、輝度補正部118により作成された輝度補正顔画像に対し疑似階調処理を行なうことにより疑似階調顔画像を作成する疑似階調手段としての疑似階調部119、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)を作成し、この作成した券情報と疑似階調部119により作成された疑似階調顔画像とを合成して券記録画像を作成する記録画像作成部107、記録画像作成部107により作成された券記録画像を可視画像として記録することにより券110を発行する第1記録部108、記録画像作成部107により作成された領収書情報を可視画像として記録することにより領収書111を発行する第2記録部109により構成されている。
【0077】
顔検知部106および顔領域切出部116の処理について図16を参照して説明する。なお、図16において、(EyeLx,EyeLy)(EyeRx,EyeRy)は目の検出座標(瞳の中心点で定義する)、(NoseLx,NoseLy)(NoseRx,NoseRy)は鼻孔の検出座標(鼻孔の中心点で定義する)、fwは顔の横幅、fhは顔の縦幅、(fx,fy)は顔検出中心座標、をそれぞれ示している。
【0078】
まず、色情報(たとえば、髪の毛は黒、顔は肌色)を用いて顔領域を検知する。次に、検知した顔領域内において、黒目(瞳)と白目とのコントラストにより目の位置を検知する。この場合、左目、右目の座標値はそれぞれの瞳の中心点を用いる。次に、検出した顔領域内において、顔の中心付近にある黒い2つの孔を鼻の孔として検知する。この場合、鼻孔の座標値はそれぞれの鼻孔の中心点を用いる。
【0079】
次に、顔検出中心座標を計算する。すなわち、左目と右目との瞳の中心点の中間、すなわち、検出座標の中間で線を引く(縦線、x座標が決まる)。次に、鼻孔の左と右の中心点を結ぶように(左と右の検出座標を結ぶように)線を引き、その中央点を見つける。次に、左右の目の中央点と鼻孔の左右の中央点との中央点を通過する線を引く(横線、y座標が決まる)。そして、これら2つの線(縦線、横線)が交わった点を顔検出中心座標(fx,fy)とする。こうして求めた顔検出中心座標(fx,fy)を基に横幅fw、縦幅fhの顔領域を切出す。
【0080】
顔画像正規化部117の処理について図17を参照して説明する。なお、図17において、(fx,fy)は顔検出中心座標、LBーEyeは両目の間隔(左右の目の検出したx座標間の長さ)、Crは画像入力部104の画像領域(入力画像領域)、Frは正規化後に切出す画像領域、Iwnは画像領域Frの横幅、Ihnは画像領域Frの縦幅、をそれぞれ示している。
【0081】
顔画像正規化部117は、顔領域切出部116により切出された顔領域内における顔の両目の間隔を基準単位として当該顔領域の大きさを正規化する。すなわち、左目と右目との間の距離LBーEyeを単位として、LBーEyeのN倍(N=3〜6程度が望ましい)に切出し幅を設定し、この切出し幅で切出すことにより正規化を行なう。ここに、各画像パラメータの関係は次式となる。
【0082】
Iwn:LBーEyeー2=1:N
LBーEyeー2=Iwn/N
Amp=LBーEyeー2/LBーEye
Ihn=M×Iwn
LBーEye:正規化前の両目の間隔
LBーEyeー2:正規化後の両目の間隔
Iwn:記録する画像幅
Amp:画像正規化のための倍率
Ihn:記録する画像高さ
M:画像正規化後の縦と横の比率(=1.0〜2.0が望ましい)
輝度補正部118の処理について図18および図19を参照して説明する。なお、図18および図19において、(fx,fy)は顔検出中心座標、Iwnは正規化後の画像の横幅、Ihnは正規化後の画像の縦幅、をそれぞれ示している。
【0083】
まず、第1の方法について説明すると、顔画像正規化部117により作成された正規化顔画像のあらかじめ定められた領域内(図中の破線内)の輝度値の平均値を計算し、この計算した平均値に基づき全体の輝度補正値を決定して補正を行なう。これにより、顔領域の平均的な輝度値を計算することにより、個人の顔色の違いや顔への照明光の当たり具合などの影響を排除することができる。
【0084】
次に、第2の方法について説明すると、顔画像正規化部117により作成された正規化顔画像の顔領域切出部116により切出された顔領域以外(図中の破線外の領域)の画像の平均値を計算し、この計算した平均値に基づき全体の輝度補正値を決定して補正を行なう。
【0085】
なお、ここでの顔領域以外とは、正規化後の画像の顔領域部分を取り除いた残りの部分、つまり、背景部分のことを示す。この背景部分の輝度値を基に補正することにより、1日の日光の変化や天候の状態、室内全体の明るさの影響を排除することが可能となる。
【0086】
疑似階調部119の処理について説明する。疑似階調部119は、単純2値化処理、適応2値化処理、パターンディザ処理、誤差拡散処理、ハーフトーンスクリーン処理のうち少なくともいずれか1つの処理を行なうことにより疑似階調処理を行なう。
すなわち、疑似階調処理としては、単純2値化処理、適応2値化処理、パターンディザ処理、誤差拡散処理、ハーフトーンスクリーン処理などが一般的であるが、ここでは擬似階調処理の代表例として誤差拡散法について簡単に説明する。
【0087】
誤差拡散法は、記録画像情報の輝度値の差を周辺画素に拡散して、実際の記録画像の濃度情報を保存していく方法である。本実施の形態で用いる2値誤差拡散処理の場合には、記録画像情報の輝度値をIxy(0〜255の範囲)、記録濃度をPxy(0〜255の範囲)、誤差をExyとすると、
Exy=Ixy−Pxy
x、yは画素の座標値を示す
この誤差を拡散マトリクスaijにより2次元的に拡散する。拡散誤差eijは、
eij=aij×Eij (Σaij=255)
i,jはマトリクス内の相対座標
であり、本実施の形態で使用する拡散マトリクスaij(16進数表示)は次のようになる。
【0088】
【数1】
この拡散マトリクスaijを用いて、記録画像情報をスキャンして、注目画素の2値化(本例の場合、閾値=127)および周辺画素への誤差値を決定することにより擬似階調処理がなされる。
なお、この例では、2値化の場合を説明したが、多階調化の場合は、閾値を複数用意して、拡散マトリクスなどは共通に使用することで、同様に行なえる。また、この例は白黒画像の場合であるが、カラー画像の場合でも、たとえば、R(赤)、G(緑)、B(青)に色分解して、その色プレーンに関して上記処理を行なうことにより、同様な手順が適用できる。
【0089】
次に、上記のような構成において、処理の流れについて図20に示すフローチャートを参照して説明する。まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ2001)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ2002)。
【0090】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部106へ送る(ステップ2003)。顔検知部106は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し(ステップ2004)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔画像が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0091】
顔検知部106の検知結果は顔領域切出部116に送られる。顔領域切出部116は、顔検知部106により検知された顔画像から顔領域を切出し(ステップ2005)、その切出し結果を顔画像正規化部117へ送る。顔画像正規化部117は、顔領域切出部116により切出された顔領域があらかじめ定められたサイズに収まるように当該顔領域の大きさを正規化することにより正規化顔画像を作成し(ステップ2006)、輝度補正部118へ送る。
【0092】
次に、輝度補正部118は、顔画像正規化部117により作成された正規化顔画像に対しあらかじめ定められた輝度値範囲内に収まるように輝度補正することにより輝度補正顔画像を作成し(ステップ2007)、疑似階調部119へ送る。疑似階調部119は、輝度補正部118により作成された輝度補正顔画像に対し疑似階調処理を行なうことにより疑似階調顔画像を作成し(ステップ2008)、記録画像作成部107へ送る。
【0093】
記録画像作成部107は、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成し、この作成した券情報と疑似階調部119により作成された疑似階調顔画像とを合成して券記録画像を作成する(ステップ2009)。
【0094】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して券110を発行する(ステップ2010)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書情報を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書111を発行する(ステップ2010)。
【0095】
なお、疑似階調部119において、疑似階調処理の内容を、購入者が情報入力部105で入力した情報の内容によって選択的に単純2値化処理、適応2値化処理、パターンディザ処理、誤差拡散処理、ハーフトーンスクリーン処理に切換えることにより、特に領収書に対しより高いセキュリティ性を付加することができる。
【0096】
たとえば、サービスAからサービスEまで存在するときには、次のように行なう。
(1)購入者がサービスAを選択した場合は、単純2値化処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(2)購入者がサービスBを選択した場合は、適応2値化処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(3)購入者がサービスCを選択した場合は、パターンディザ処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(4)購入者がサービスDを選択した場合は、誤差拡散処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(5)購入者がサービスEを選択した場合は、ハーフトーンスクリーン処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
【0097】
また、たとえば、サービスの価格がFからJまで存在するときには、次のように行なう。
(1)購入者が価格Fを選択した場合は、単純2値化処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(2)購入者が価格Gを選択した場合は、適応2値化処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(3)購入者が価格Hを選択した場合は、パターンディザ処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(4)購入者が価格Iを選択した場合は、誤差拡散処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
(5)購入者が価格Jを選択した場合は、ハーフトーンスクリーン処理により顔画像に疑似階調化を行なう。
【0098】
なお、サービスの数量がさらに多い場合は、各疑似階調処理における閾値や、ディザや誤差のマトリクスなどのパラメータを変更することにより対応可能である。
【0099】
このように、疑似階調処理の内容を購入者が入力した情報の内容によって選択的に変更することにより、購入者の顔画像の記録の様子が変化するので、どのサービスを選択したのかが目視で簡単に確認できるようになる。
【0100】
次に、第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態は、前述した券類発行装置102により発行(購入)された券110および領収書111を遊園地などの施設の入場券に適用し、この入場券を用いて遊園地などの施設を利用する利用者を確認する利用者確認装置に適用したものであり、以下、詳細に説明する。
【0101】
図21は、発行(購入)された遊園地の入場券2101の一例を示すもので、購入者(利用者)の顔画像2102、券情報2103、ロゴマーク2104などが表面に印刷記録されていて、一見すると図3で説明した券301と同じように見えるが、効果が異なっている。すなわち、図21の例では、券情報2103の中に、「△△遊園地 1日入場券 入退場自由」のような入退場管理情報2103aが含まれている。
【0102】
図22は、上記入場券2101の購入に対し発行された領収書2201の一例を示すもので、領収書情報2202などが表面に印刷記録されている。この領収書2201の場合も、領収書情報2202の中に、「△△遊園地 1日入場券 入退場自由」のような入退場管理情報2202aが含まれている。
【0103】
以下、上記入場券2101および領収書2201の発行処理について図23に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この発行処理は、たとえば、前述した図1の券類発行装置102により行なうことができる。
まず、購入者101が券発行装置102の前に立つと、サービスの提供状況が情報表示部103に表示され(ステップ2301)、それを見て、購入者101は購入するサービスを決定し、情報入力部105から必要な情報を入力して券の購入操作を行なう(ステップ2302)。
【0104】
このとき、画像入力部104は、購入者101の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部106へ送る(ステップ2303)。顔検知部106は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し(ステップ2304)、正しく顔画像が取得できているか判定する。また、顔検知部106の検知結果を情報表示部103にフィードバックして表示し、購入者101に正しく顔が検知されていることを情報表示部103の表示画面(図示しない)上で通知する。
【0105】
顔検知部106の検知結果は記録画像作成部107に送られる。記録画像作成部107は、情報入力部105により入力された情報に基づき券情報および領収書情報(券面情報)をそれぞれ作成するとともに、入退場管理情報をも作成する。そして、作成した券情報と入退場管理情報と顔検知部106により検知された顔画像とを合成して券記録画像を作成するとともに、作成した領収書情報と入退場管理情報とを合成して領収書記録画像を作成する(ステップ2305)。
【0106】
第1記録部108は、記録画像作成部107から券記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して入場券2101を発行する(ステップ2306)。また、第2記録部109は、記録画像作成部107から領収書記録画像を受取り、それを記録紙上に可視像として記録して領収書2201を発行する(ステップ2306)。
【0107】
次に、このようにして発行された入場券2101を用いて遊園地を利用する利用者を確認する利用者確認装置について説明する。
図24は、第6の実施の形態に係る利用者確認装置の構成を概略的に示すものである。この利用者確認装置2402は、利用者2401に対し各種操作情報などを表示する情報表示部2403、利用者2401の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段としての画像入力部2404、利用者2401が提示する入場券2101を受入れて、当該入場券2101上の顔画像2102を読取り入力する画像入力手段としての券読取部2405、画像入力部2404により入力された画像から顔の領域を顔画像として検知する顔検知手段としての顔検知部2406、顔検知部2406により検知された顔画像と券読取部2405により入力された顔画像とを照合することにより、当該利用者2401が正規の利用者であるか否かを確認する確認手段としての顔確認部2407、顔確認部2407の確認結果に基づき当該遊園地に対する入退場を制御する入退場制御手段としての入退場制御部2408により構成されている。
【0108】
次に、上記のような構成において、利用者確認処理の流れについて図25に示すフローチャートを参照して説明する。まず、利用者2401が利用者確認装置2402の前に立つと、操作案内が情報表示部2403に表示されるので、それを見て、利用者2401は所持する入場券2101を券読取部2405に挿入することにより、券読取部2405は当該入場券2101上の顔画像2102を読取り入力し、顔確認部2407へ送る(ステップ2501)。
【0109】
このとき、画像入力部2404は、利用者2401の少なくとも顔を含む画像を取込み、顔検知部2406へ送る(ステップ2502)。顔検知部2406は、取込んだ画像から顔の領域を顔画像として検知し、顔確認部2407へ送る。顔確認部2407は、顔検知部2406により検知された顔画像と券読取部2405により入力された顔画像とを照合することにより(ステップ2503)、当該利用者2401が正規の利用者(本人)であるか否かを確認し(ステップ2504)、その確認結果を入退場制御部2408へ送る。
【0110】
入退場制御部2408は、顔確認部2407の確認結果に基づき当該遊園地に対する入退場を制御する。たとえば、確認結果が正規の利用者(本人)であれば入退場が許可され、確認結果が正規の利用者(本人)でなければ入退場が不許可となり、入退場が拒絶される。
【0111】
なお、上記説明では、入場券2101に利用者2401の顔画像を記録しておき、この入場券2101を用いて利用者を確認する場合について説明したが、これに限らず、たとえば、領収書2201に利用者2401の顔画像を記録しておき、この領収書2201を用いて利用者を確認する場合も同様に適用できる。また、入場券2101および領収書2201の両方に利用者2401の顔画像を記録しておいてもよい。
【0112】
このように、第6の実施の形態では、利用者の顔画像および入退場管理情報を1枚の入場券または領収書に可視的に記録することにより、その入場券または領収書を簡易的な身分証明書として用いて、指定期間中、サービスなどを自由に受けられるように、簡単にチェックできるようにすることができる。
【0113】
従来、遊園地などの施設では、用事などで管理区域外に出る場合は、係員にスタンプなどを押してもらったり、再入場券のようなものをもらう必要があったが、本実施の形態を適用することで、それらの問題を簡単に解決することができる。また、遊園地だけでなく、企業内やその他の施設の見学者への一時的な身分証明書の発行に用いるのも有効である。
【0114】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、券類のセキュリティ性をより高めることが可能となる券類発行装置、券類発行方法を提供できる。
また、本発明によれば、遊園地などの施設を利用する利用者を簡易的な方法で確認することができる利用者確認装置、利用者確認方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示す模式図。
【図2】券発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図3】発行された券の例を示す平面図。
【図4】発行された券の別の例を示す平面図。
【図5】顔画像にセキュリティデータを不可視状態で埋込む例を説明するための図。
【図6】顔画像にセキュリティデータを不可視状態で埋込む具体例を説明するためのブロック図。
【図7】第2の実施の形態に係る券発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図8】似顔絵の作成方法を説明するための図。
【図9】第3の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示す模式図。
【図10】券発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図11】第4の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示す模式図。
【図12】顔画像選択部の構成を示すブロック図。
【図13】顔画像選択部の動作を説明するための図。
【図14】券発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図15】第5の実施の形態に係るMMSとして使用される券類発行装置の構成を概略的に示す模式図。
【図16】顔検知部および顔領域切出部の処理を説明するための図。
【図17】顔画像正規化部の処理を説明するための図。
【図18】輝度補正部の第1の処理方法を説明するための図。
【図19】輝度補正部の第2の処理方法を説明するための図。
【図20】券発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図21】第6の実施の形態に係る入場券の例を示す平面図。
【図22】第6の実施の形態に係る領収書の例を示す平面図。
【図23】入場券および領収書の発行処理の流れを説明するフローチャート。
【図24】第6の実施の形態に係る利用者確認装置の構成を概略的に示す模式図。
【図25】利用者確認処理の流れを説明するフローチャート。
【符号の説明】
101…購入者(利用者)、102…券類発行装置、103…情報表示部、104…画像入力部(画像取込手段)、105…情報入力部(入力手段)、106…顔検知部(顔検知手段)、107…記録画像作成部(券面情報作成手段、記録画像作成手段)、108…第1記録部(記録手段)、109…第2記録部(記録手段)、110…券(第1の券類)、111…領収書(第2の券類)、301…券、302…領収書、303…購入者の顔画像、304…券情報、305…ロゴマーク、501…取込んだ顔画像、502…セキュリティデータ、503…セキュリティ画像処理、504…セキュリティ入り顔画像、112…顔画像情報データベース、113…顔照合部(照合手段)、114…顔画像保存部(顔画像保存手段)、115…顔画像選択部(顔画像選択手段)、1201…瞳領域検出部(瞳領域検出手段)、1202…顔画像情報データベース(瞳辞書)、1203…判定部(判定手段)、116…顔領域切出部(顔領域切出手段)、117…顔画像正規化部(顔画像正規化手段)、118…輝度補正部(輝度補正手段)、119…疑似階調部(疑似階調手段)、2101…入場券、2102…利用者の顔画像、2103…券情報、2103a…入退場管理情報、2104…ロゴマーク、2201…領収書、2202…領収書情報、2202a…入退場管理情報、2401…利用者、2402…利用者確認装置、2403…情報表示部3、2404…画像入力部(画像取込手段)、2405…券読取部(画像入力手段)、2406…顔検知部(顔検知手段)、2407…顔確認部(確認手段)、2408…入退場制御部(入退場制御手段)。
Claims (20)
- 利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力手段と、
前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段と、
この画像取込手段により取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知手段と、
前記入力手段により入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成手段と、
この券面情報作成手段により作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記顔検知手段により検知された顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成手段と、
この記録画像作成手段により作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録手段と、
前記記録画像作成手段において顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録手段と、
を具備したことを特徴とする券類発行装置。 - 利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力手段と、
前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段と、
この画像取込手段により取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知手段と、
この顔検知手段により検知された顔画像に対しセキュリティデータを不可視状態で埋め込むことによりセキュリティ入り顔画像を作成する画像処理手段と、
前記入力手段により入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成手段と、
この券面情報作成手段により作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記画像処理手段により作成されたセキュリティ入り顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成手段と、
この記録画像作成手段により作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録手段と、
前記記録画像作成手段においてセキュリティ入り顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録手段と、
を具備したことを特徴とする券類発行装置。 - 利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力手段と、
前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段と、
この画像取込手段により取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知手段と、
この顔検知手段により検知された顔画像から顔の特徴量を抽出することにより似顔絵情報を作成する似顔絵作成手段と、
前記入力手段により入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成手段と、
この券面情報作成手段により作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記似顔絵作成手段により作成された似顔絵情報とを合成して記録画像を作成する記録画像作成手段と、
この記録画像作成手段により作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録手段と、
前記記録画像作成手段において似顔絵情報が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録手段と、
を具備したことを特徴とする券類発行装置。 - 利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力手段と、
前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段と、
この画像取込手段により取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知手段と、
この顔検知手段により検知された顔画像をあらかじめ登録されている辞書情報と照合することにより当該利用者が本人であるか否かを判定する照合手段と、
この照合手段により当該利用者が本人であると判定されると、前記入力手段により入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成手段と、
この券面情報作成手段により作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記顔検知手段により検知された顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成手段と、
この記録画像作成手段により作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録手段と、
前記記録画像作成手段において顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録手段と、
を具備したことを特徴とする券類発行装置。 - 利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力手段と、
前記利用者の少なくとも顔を含む複数の画像をあらかじめ定められた取込条件で取込む画像取込手段と、
この画像取込手段により取込まれた前記利用者の少なくとも顔を含む複数の画像からそれぞれ前記利用者の顔画像を検知する顔検知手段と、
この顔検知手段により検知された複数の顔画像を保存する顔画像保存手段と、
この顔画像保存手段に保存された複数の顔画像の中から所望の顔画像を選択する顔画像選択手段と、
前記入力手段により入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成手段と、
この券面情報作成手段により作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記顔画像選択手段により選択された顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成手段と、
この記録画像作成手段により作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録手段と、
前記記録画像作成手段において顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録手段と、
を具備したことを特徴とする券類発行装置。 - 前記顔画像選択手段は、
前記顔画像保存手段に保存された複数の顔画像に対しそれぞれ瞳を含んだ目の領域を検出する瞳領域検出手段と、
あらかじめ人物の目の瞳パターンが登録されている瞳辞書と、
前記瞳領域検出手段により検出された領域内の瞳パターンと前記辞書内の瞳パターンとを照合して、当該利用者の瞳が瞬きをしているか否かを判定することにより、前記複数の顔画像それぞれに対し点数付けを行ない、この付けた点数に基づき最適な顔画像を出力する判定手段と、
を具備したことを特徴とする請求項5記載の券類発行装置。 - 前記判定手段は、目を閉じているときを一番点数を低くし、目が開いているときを一番点数を高くするように設定してあって、その点数が一番高い顔画像を最適な顔画像として出力することを特徴とする請求項5記載の券類発行装置。
- 利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力手段と、
前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込手段と、
この画像取込手段により取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知手段と、
この顔検知手段により検知された顔画像から顔領域を切出す顔領域切出手段と、
この顔領域切出手段により切出された顔領域があらかじめ定められたサイズに収まるように当該顔領域の大きさを正規化することにより正規化顔画像を作成する顔画像正規化手段と、
この顔画像正規化手段により作成された正規化顔画像に対しあらかじめ定められた輝度値範囲内に収まるように輝度補正することにより輝度補正顔画像を作成する輝度補正手段と、
この輝度補正手段により作成された輝度補正顔画像に対し疑似階調処理を行なうことにより疑似階調顔画像を作成する疑似階調手段と、
前記入力手段により入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成手段と、
この券面情報作成手段により作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記疑似階調手段により作成された疑似階調顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成手段と、
この記録画像作成手段により作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録手段と、
前記記録画像作成手段において疑似階調顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録手段と、
を具備したことを特徴とする券類発行装置。 - 前記顔領域切出手段は、前記顔検知手段により検知された顔画像から目、鼻、口等に基づく顔の特徴量を検知することにより顔領域を切出すことを特徴とする請求項8記載の券類発行装置。
- 前記顔画像正規化手段は、前記顔領域切出手段により切出された顔領域内における顔の両目の間隔を基準単位として当該顔領域の大きさを正規化することを特徴とする請求項8記載の券類発行装置。
- 前記輝度補正手段は、前記顔画像正規化手段により作成された正規化顔画像のあらかじめ定められた領域内の輝度値の平均値を計算し、この計算した平均値に基づき全体の輝度補正値を決定することことを特徴とする請求項8記載の券類発行装置。
- 前記輝度補正手段は、前記顔画像正規化手段により作成された正規化顔画像の前記顔領域切出手段により切出された顔領域以外の画像を参照することにより全体の輝度補正値を決定することことを特徴とする請求項8記載の券類発行装置。
- 前記疑似階調手段は、単純2値化処理、適応2値化処理、パターンディザ処理、誤差拡散処理、ハーフトーンスクリーン処理のうち少なくともいずれか1つの処理を行なうことにより疑似階調処理を行なうことを特徴とする請求項8記載の券類発行装置。
- 前記疑似階調手段は、前記入力手段により入力された情報の内容により選択的に単純2値化処理、適応2値化処理、パターンディザ処理、誤差拡散処理、ハーフトーンスクリーン処理の単独もしくは組合わせた処理を行なうことにより疑似階調処理を行なうことを特徴とする請求項8記載の券類発行装置。
- 利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力ステップと、
前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込ステップと、
この画像取込ステップにより取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知ステップと、
前記入力ステップにより入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成ステップと、
この券面情報作成ステップにより作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記顔検知ステップにより検知された顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成ステップと、
この記録画像作成ステップにより作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録ステップと、
前記記録画像作成ステップにおいて顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録ステップと、
を具備したことを特徴とする券類発行方法。 - 利用者が券類の発行に必要な情報を入力する入力ステップと、
前記利用者の少なくとも顔を含む画像を取込む画像取込ステップと、
この画像取込ステップにより取込まれた画像から前記利用者の顔画像を検知する顔検知ステップと、
この顔検知ステップにより検知された顔画像から顔領域を切出す顔領域切出ステップと、
この顔領域切出ステップにより切出された顔領域があらかじめ定められたサイズに収まるように当該顔領域の大きさを正規化することにより正規化顔画像を作成する顔画像正規化ステップと、
この顔画像正規化ステップにより作成された正規化顔画像に対しあらかじめ定められた輝度値範囲内に収まるように輝度補正することにより輝度補正顔画像を作成する輝度補正ステップと、
この輝度補正ステップにより作成された輝度補正顔画像に対し疑似階調処理を行なうことにより疑似階調顔画像を作成する疑似階調ステップと、
前記入力ステップにより入力された情報に基づき前記利用者が所定のサービスを受けるための第1の券類の券面情報を作成し、かつ、必要に応じて、前記第1の券類に対する発行履歴等を記録した第2の券類の券面情報を作成する券面情報作成ステップと、
この券面情報作成ステップにより作成された第1の券類の券面情報、第2の券類の券面情報のうち少なくともいずれか一方の券面情報と前記疑似階調ステップにより作成された疑似階調顔画像とを合成して記録画像を作成する記録画像作成ステップと、
この記録画像作成ステップにより作成された記録画像を可視画像として記録する第1の記録ステップと、
前記記録画像作成ステップにおいて疑似階調顔画像が合成されなかった他方の券面情報を可視画像として記録する第2の記録ステップと、
を具備したことを特徴とする券類発行方法。 - 施設を利用する利用者が提示する、必要な券面情報および利用条件等の利用管理情報とともに当該利用者の顔画像が可視画像として記録されている利用券から少なくとも前記顔画像を読取り入力する画像入力手段と、
前記利用者の少なくとも顔画像を取込む画像取込手段と、
この画像取込手段により取込まれた利用者の顔画像と前記画像入力手段により入力された利用券の顔画像とを照合することにより当該利用者が正規の利用者であるか否かを確認する確認手段と、
を具備したことを特徴とする利用者確認装置。 - 施設を利用する利用者が提示する、必要な券面情報および利用条件等の利用管理情報とともに当該利用者の顔画像が可視画像として記録されている当該施設の利用券の購入に対する領収書から少なくとも前記顔画像を読取り入力する画像入力手段と、
前記利用者の少なくとも顔画像を取込む画像取込手段と、
この画像取込手段により取込まれた利用者の顔画像と前記画像入力手段により入力された領収書の顔画像とを照合することにより当該利用者が正規の利用者であるか否かを確認する確認手段と、
を具備したことを特徴とする利用者確認装置。 - 施設を利用するための利用券にあらかじめ当該利用券の所持者の少なくとも顔画像および利用条件等の利用管理情報を可視画像として記録しておき、
施設を利用する際に利用者が提示する前記利用券から少なくとも前記顔画像を読取り入力するとともに、
前記利用者の少なくとも顔画像を取込み、
この取込んだ利用者の顔画像と前記入力された利用券の顔画像とを照合することにより当該利用者が正規の利用者であるか否かを確認する、
ことを特徴とする利用者確認方法。 - 施設を利用するための利用券の購入に対する領収書にあらかじめ当該領収書の所持者の少なくとも顔画像および利用条件等の利用管理情報を可視画像として記録しておき、
施設を利用する際に利用者が提示する前記領収書から少なくとも前記顔画像を読取り入力するとともに、
前記利用者の少なくとも顔画像を取込み、
この取込んだ利用者の顔画像と前記入力された領収書の顔画像とを照合することにより当該利用者が正規の利用者であるか否かを確認する、
ことを特徴とする利用者確認方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002264726A JP2004104530A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 券類発行装置、券類発行方法および利用者確認装置、利用者確認方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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2002
- 2002-09-10 JP JP2002264726A patent/JP2004104530A/ja active Pending
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