JP2004104340A - 無線受信方法、無線送信方法、および無線受信装置 - Google Patents
無線受信方法、無線送信方法、および無線受信装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】従来のダイバーシティ方式では、伝播特性が比較的良好で複数の伝播パスを生成する必要がない場合でも複数のアンテナを使用して受信を行うため、効率的ではないという問題がある。
【解決手段】無線通信チャネルの受信レベルから伝播特性の良否を検出し、伝播特性が良好である場合には、複数チャネルを使用して高レートで通信し、伝播特性が劣悪である場合には、周波数又はスペースダイバーシティ方式に従って最適な伝播パスを選択する。
【選択図】 図1
【解決手段】無線通信チャネルの受信レベルから伝播特性の良否を検出し、伝播特性が良好である場合には、複数チャネルを使用して高レートで通信し、伝播特性が劣悪である場合には、周波数又はスペースダイバーシティ方式に従って最適な伝播パスを選択する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の無線通信チャネルを用いて通信することが出来る無線通信方式において、電波の伝播特性の変化に応じて複数のアンテナ及び通信チャネルを効率よく用いることによって、高い伝送レートや受信特性を確保することが出来る無線受信方法、無線送信方法、および無線受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無線通信では、通信機器の設置場所や機器間の障害物などによって、電波の伝播路の条件が変化する。その結果、伝播路の障害によって電波が干渉し、受信する信号レベルが変動する現象が発生する。受信レベルの変動には振幅歪や位相歪があり、正常な通信を妨げる原因となる。
【0003】
これらの受信レベルの変動の影響をなくすための方法としては、複数の独立した伝播パスを作り、それらの中から最適なパスを選択する方法が用いられている。この技術をダイバーシティ技術と呼んでいる。
【0004】
ダイバーシティ技術について説明する。図4はダイバーシティ技術の原理を示した図である。アンテナ401及び402で送信側からのデータを受信する。2本のアンテナを用意することにより、2種類の伝播パスを生成する。RF処理部403及び404は、送信するデータを決められた無線周波数(無線通信チャネル)で変調し、電波に乗せて送信したり、アンテナから受信した電波から必要な無線通信チャネルを取り出し、受信データを復調する。スイッチ405は、RF処理部403あるいは404で受信したデータのどちらかを受信データとして選択する。受信レベル比較部406は、受信した無線通信チャネルの受信レベル(例えば受信電力)を比較し、受信レベルの高い伝播パスを選択してスイッチ405に指示を出す。PHY処理部407は、受信した無線通信チャネルのデータに対して物理層の処理を行う。MAC処理部408は、MAC層の処理を行う。
【0005】
図4の動作を説明する。アンテナ401及び402は、送信側から伝送されたデータを受信する。アンテナ401及び402が受信する電波の伝播特性は異なっており、受信レベルは異なる。受信レベル比較部406は、アンテナ401及び402が受信したデータの受信レベルを比較する。受信レベル比較部406は、受信レベルの高い方のアンテナからの受信データを選択するようスイッチ405に対して指示する。選択されたデータはPHY処理部407及びMAC処理部408で各通信レイヤの処理が行われる。同じ周波数(チャネル)で複数のパスを生成する方式をスペース・ダイバーシティと呼び、異なる周波数(チャネル)で複数のパスを生成する方式を周波数ダイバーシティと呼ぶ。
【0006】
このようにダイバーシティ技術を用いることにより、反射波や回折波による干渉によって伝播路に障害が発生し、受信波に振幅歪や位相歪が発生するような環境であっても、複数の伝播パスを生成してその中から最適なパスを選択することによって、影響を低減することが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のダイバーシティ方式では、伝播特性が比較的良好で複数の伝播パスを生成する必要がない場合でも複数のアンテナを使用して受信を行う。各アンテナは同じデータを違う伝播パスで受信するため、他の通信にアンテナを使用することが出来ない。このため、効率的ではないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するために、伝播特性を監視し、伝播特性が良好である場合には複数のアンテナを独立に使用して異なるデータを受信することにより、ダイバーシティ方式による通信時よりも高い伝送レートで受信したり、複数の機器との通信を行うことができる無線通信方式及び無線通信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために第1の発明は、複数の無線通信チャネルを用いてデータを受信することが出来る無線受信方法において、前記無線通信チャネルの受信レベルから伝播特性を検出し、伝播特性が所定値以上である場合には、複数のRF処理部で異なるデータを受信し、伝播特性が所定値以下である場合には、前記複数のRF処理部で同一のデータを受信し、ダイバーシティ方式に従って最適な伝播パスを選択する事を特徴とする無線受信方法である。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に記載の無線受信方法を用いた無線受信装置に対して、伝播特性が所定値以上であるときは、送信するデータを複数の無線チャネルに分散して伝送することを特徴とする無線送信方法である。
【0011】
第3の発明は、第1の発明に記載の無線受信方法を用いた無線受信装置に対して、伝播特性が所定値以上であるときは、複数の無線送信装置がそれぞれ個別の通信チャネルを用いてデータを伝送することを特徴とする無線送信方法である。
【0012】
第4の発明は、データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、伝播特性が所定値以下の通信チャネルはデータ伝送を中止して休止状態にすることを特徴とする第1の発明に記載の無線受信方法。
【0013】
第5の発明は、データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、全ての無線通信チャネルの伝播特性が所定値以下である場合には、前記無線通信チャネルのうち、最も伝播特性が良好なチャネルを選択してダイバーシティ方式で受信することを特徴とする第1の発明に記載の無線受信方法。
【0014】
第6の発明は、複数の無線通信チャネルを用いてデータを受信することが出来る無線受信装置において、前記無線通信チャネルの受信レベルから伝播特性を検出し、前記複数の無線通信チャネルで異なるデータを受信するか、或いは、前記複数の無線通信チャネルで同一のデータを受信し、ダイバーシティ方式に従って最適な伝播パスを選択するかを選択して他の手段に指示を出すレート制御手段と、前記レート制御手段からの指示により、前記複数の無線通信チャネルで受信したデータを多重してPHY処理部に転送するか、別々のデータとしてPHY処理部に転送するか、或いは前記複数の無線通信チャネルで受信したデータのうち、最適なものを選択してPHY処理部に転送するI/O制御部を有することを特徴とする無線受信装置である。
【0015】
第7の発明は、前記レート制御手段は、伝播特性が所定値以上であるときには、送信するデータを前記複数の無線通信チャネルに分散して伝送するよう無線送信装置に要求すると共に、前記I/O制御部に対して前記複数の無線通信チャネルで受信したデータを多重して同一データとしてPHY処理部に転送するよう指示することを特徴とする第6の発明に記載の無線受信装置である。
【0016】
第8の発明は、前記レート制御手段は、伝播特性が所定値以上であるときは、複数の無線送信装置に対してそれぞれ個別の通信チャネルを用いてデータを伝送するよう要求すると共に、前記I/O制御部に対して前記複数の無線通信チャネルで受信したデータを個別のデータとしてPHY処理部に転送するよう指示することを特徴とする第6の発明に記載の無線受信装置。
【0017】
第9の発明は、データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、特定の無線通信チャネルの伝播特性が所定値以下である場合には、前記レート制御手段は前記特定の無線通信チャネルの伝送を行っているRF処理部を休止状態にするよう指示することを特徴とする第6の発明に記載の無線受信装置。
【0018】
第10の発明は、データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、全ての無線通信チャネルの伝播特性が所定値以下である場合には、前記レート制御手段は前記無線通信チャネルのうち、最も伝播特性が良好なチャネルを選択し、RF処理部に対して当該無線通信チャネルで送受信するよう指示すると共に、前記I/O制御手段に対してどの無線通信チャネルで受信したデータを選択するかを指示することを特徴とする第6の発明に記載の無線受信装置。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明の第一の実施の形態を示す無線通信装置の構成図である。図中の無線通信装置100において、アンテナ101及び102で送信側からのデータを受信する。2本のアンテナを用意することにより、2種類の伝播パスを生成する。RF処理部103及び104は、送信するデータを決められた無線周波数(無線通信チャネル)で変調し、電波に乗せて送信したり、アンテナから受信した電波から必要な無線通信チャネルを取り出し、受信データを復調する。I/O制御部105は、レート制御部106からの指示に従って、RF処理部103及び104が受信したデータの両方か、或いは何れかを選択したものをPHY処理部107に転送する。レート制御部106は、アンテナ101及び102の受信レベルを監視し、受信レベルの状態に応じてダイバーシティ方式で受信するか、又は各アンテナで独立にデータを受信するかを判断して各機能部に指示を出す。PHY処理部107は、受信した無線通信チャネルのデータに対して物理層の処理を行う。MAC処理部108は、MAC層の処理を行う。
【0021】
図1の動作について説明する。まず、高レートで伝送しているときに伝播特性が悪化し、周波数ダイバーシティ方式に切り替える動作について図2を用いて説明する。
【0022】
伝播特性が良好である場合は、送信側機器は2つの無線通信チャネルch1及びch2を用いてデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートは2Rとなる。即ち、通常の2倍のレートで伝送を行っている。レート制御部106は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。受信レベルが下がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が困難であると判断すると、レート制御部106はダイバーシティ方式によるデータ受信に切り替えるため、レート切換処理を行う。
【0023】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部106は、伝播特性が悪化したことを検出すると、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、現在伝送に使用している2つの無線通信チャネルのうち、一方のチャネルの伝送を停止する。本実施の形態ではch2の伝送を停止するとする。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器100に伝送する。
【0024】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部106に通知する。レート制御部106は、I/O制御部105に対してアンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードから、ダイバーシティ方式でアンテナ101及び102のうち、指定された方の伝送データを選択してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。そして、レート制御部106は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0025】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2の送信を再開する。このとき、ch2はch1と同じデータを伝送する。即ち、周波数ダイバーシティ方式で伝送する。レート制御部106は、アンテナ101及び102が受信したデータの受信レベルを比較し、受信レベルの高い方のデータを選択してI/O制御部105に指示する。I/O制御部105は、レート制御部106に指示された方のデータを選択し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは1ch分になるため、データ伝送レートはRとなる。
【0026】
次に、ダイバーシティ方式で受信しているときに伝播特性が良好になり、高レート伝送に切り替える動作について図3を用いて説明する。
【0027】
伝播特性が劣悪である場合は、送信側機器は2つの無線通信チャネルch1及びch2を用いて周波数ダイバーシティ方式でデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートはRとなる。レート制御部106は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。受信レベルが上がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が可能であると判断すると、レート制御部106は高レートによるデータ受信に切り替えるため、レート切換処理を行う。
【0028】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部106は、伝播特性が良好になったことを検出すると、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、現在伝送に使用している2つの無線通信チャネルのうち、一方のチャネルの伝送を停止する。本実施の形態ではch2の伝送を停止するとする。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器100に伝送する。
【0029】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部106に通知する。レート制御部106は、I/O制御部105に対してダイバーシティ方式でアンテナ101及び102のうち、指定された方の伝送データを選択してPHY処理部107に転送するモードから、アンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。そして、レート制御部106は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0030】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2を用いたデータ送信を再開する。このとき、ch2はch1と異なるデータを伝送する。即ち、ch1とch2とを用いた高レートで伝送する。I/O制御部105は、受信したデータを多重し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは2ch分になるため、データ伝送レートは2Rとなる。
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、伝播特性が良好である場合には、複数のチャネルを独立に使用してデータを伝送することが出来る。本実施の形態の場合では、通常の2倍のレートでデータを伝送することが出来る。このため、ダイバーシティ方式による通信が不要な場合にもアンテナや通信チャネルを効率よく使用することが出来る。一方、伝播特性が劣悪な場合にはダイバーシティ方式を用いることによって、振幅歪や位相歪による障害の影響を低減することが出来る。
【0032】
なお、本実施の形態では、伝播特性が良好な場合には、1種類の伝送データを2つの無線通信チャネルを使って2倍のレートで伝送するとしたが、2つの無線通信チャネルを2種類のデータ伝送に用いても良い。この場合、1つのデータ伝送レートはダイバーシティ方式使用時と同じであるが、複数種類のデータを伝送することが出来る。また、2種類のデータを受信する機器は同じ機器でも良いし、違う機器を伝送に使用しても良い。
【0033】
また、本実施の形態ではアンテナの数を2本としたが、3本以上のアンテナを使用した場合でも同様の効果が得られる。
【0034】
(実施の形態2)
図5は本発明の第二の実施の形態における無線通信装置の構成図である。図中の無線通信装置500において、第一の実施の形態と同じ機能の機能部については同じ番号を用い、説明を省略する。RF処理部503及び504は、第一の実施の形態で示した機能に加えて、レート制御部506からの指示によって自身の状態を動作状態から送信回路及び受信回路を停止し、休止状態にする機能を持つ。レート制御部506は、第一の実施の形態で示した機能に加えて、アンテナ101及び102の受信レベルに応じてRF処理部503及び504を休止状態にするかどうかを判断する機能を有する。
【0035】
図5の構成における動作を説明する。まず、高レートで伝送しているときにch2の伝播特性が悪化し、ch1のみによる標準レート伝送に切り替える動作について図6を用いて説明する。
【0036】
伝播特性が良好である場合は、送信側機器は2つの無線通信チャネルch1及びch2を用いてデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートは2Rとなる。即ち、通常の2倍のレートで伝送を行っている。レート制御部506は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。アンテナ102(ch2を受信しているとする)の受信レベルが下がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が困難であると判断すると、レート制御部506は標準レートによるデータ受信に切り替えるため、レート切換処理を行う。
【0037】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部506は、ch2の伝播特性が悪化したことを検出すると、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、現在伝送に使用している2つの無線通信チャネルのうち、伝播特性が悪化したch2の伝送を停止する。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器500に伝送する。
【0038】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部506に通知する。レート制御部506は、I/O制御部105に対してアンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードから、アンテナ101(ch1を受信している)からのデータを選択してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。また、レート制御部506は、ch2の受信を行っているRF処理部504に対して休止状態に変更するように指示する。そして、レート制御部506は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0039】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2の送信を再開する。但し、この送信はレート制御部506で伝播特性の状態を監視するためであり、データの通信そのものには使用しない。I/O制御部105は、レート制御部506に指示された方のデータを選択し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは1ch分になるため、データ伝送レートはRとなる。
【0040】
次に、ch1のみを用いて受信しているときにch2の伝播特性が良好になり、高レート伝送に切り替える動作について図7を用いて説明する。
【0041】
伝播特性が劣悪である場合は、送信側機器はch1のみを用いてデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートはRとなる。レート制御部506は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。受信レベルが上がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が可能であると判断すると、レート制御部506は高レートによるデータ受信に切り替えるため、レート切換処理を行う。
【0042】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部506は、伝播特性が良好になったことを検出すると、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、伝播特性の監視用に送信していたch2の送信を停止する。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器500に伝送する。
【0043】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部506に通知する。レート制御部506は、I/O制御部105に対してアンテナ101が受信した伝送データを選択してPHY処理部107に転送するモードから、アンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。また、レート制御部506は、ch2の受信を行っているRF処理部504に対して動作状態に変更するように指示する。そして、レート制御部506は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0044】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2のデータ送信を再開する。このとき、ch2はch1と異なるデータを伝送する。即ち、ch1とch2とを用いた高レートで伝送する。I/O制御部105は、受信したデータを多重し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは2ch分になるため、データ伝送レートは2Rとなる。
【0045】
以上説明したように、本発明によれば、複数の無線通信チャネルを使用して通信中にあるチャネルの伝播特性が悪化した場合、悪化した通信チャネルを用いた通信を中止し、そのチャネルの送受信機能(RF処理部)を休止状態にする。このため、無駄なチャネルの通信のために電力が消費されることを防ぐことが出来る。
【0046】
(実施の形態3)
図8は本発明の第三の実施の形態における無線通信装置の構成図である。図中の無線通信装置800において、第一及び第二の実施の形態と同じ機能の機能部については同じ番号を用い、説明を省略する。RF処理部803及び804は、第二の実施の形態で示した機能に加えて、レート制御部806からの指示によって自身が受信する無線通信チャネルを変更する機能を持つ。レート制御部806は、第二の実施の形態で示した機能に加えて、アンテナ101及び102の受信レベルに応じてRF処理部803及び804が使用する無線通信チャネルを判断する機能を有する。
【0047】
図8の構成における動作を説明する。まず、高レートで伝送しているときにch1及びch2の伝播特性が悪化し、受信レベル比較の結果、ch1によるスペース・ダイバーシティ方式に切り替える動作について図9を用いて説明する。
【0048】
伝播特性が良好である場合は、送信側機器は2つの無線通信チャネルch1及びch2を用いてデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートは2Rとなる。即ち、通常の2倍のレートで伝送を行っている。レート制御部806は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。アンテナ101(ch1を受信しているとする)及び102(ch2を受信しているとする)の受信レベルが下がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が困難であると判断すると、レート制御部806は、ch1とch2の受信レベルの比較を行う。本実施の形態では、ch1とch2の両方の伝播特性が悪化しているが、ch1の伝播特性がch2よりも悪化の度合いが小さいとする。レート制御部806は、ch1によるスペース・ダイバーシティ方式による伝送に切り替える必要があることを検出し、レート切換処理を行う。
【0049】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部806は、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、現在伝送に使用している2つの無線通信チャネルのうち、伝播特性がch1よりも悪化したch2の伝送を停止する。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器800に伝送する。
【0050】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部806に通知する。レート制御部806は、I/O制御部105に対してアンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードから、ダイバーシティ方式でアンテナ101及び102のうち、指定された方の伝送データを選択してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。また、レート制御部806は、ch2の受信を行っているRF処理部804に対して対応する無線通信チャネルをch1に変更するように指示する。そして、レート制御部806は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0051】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2のデータ送信を再開する。但し、この送信はレート制御部806で伝播特性の状態を監視するためであり、データ通信そのものには使用しない。レート制御部806は、アンテナ101及び102が受信したデータの受信レベルを比較し、受信レベルの高い方のデータを選択してI/O制御部105に指示する。I/O制御部105は、レート制御部806に指示された方のデータを選択し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは1ch分になるため、データ伝送レートはRとなる。
【0052】
次に、ダイバーシティ方式で受信しているときに伝播特性が良好になり、高レート伝送に切り替える動作について図10を用いて説明する。
【0053】
送信側機器は1つの無線通信チャネルch1を用いてスペース・ダイバーシティ方式でデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートはRとなる。レート制御部806は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。ch1及びch2の受信レベルが上がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が可能であると判断すると、レート制御部806は高レートによるデータ受信に切り替えるため、レート切換処理を行う。
【0054】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部806は、伝播特性が良好になったことを検出すると、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、伝播特性の監視用に送信していたch2の送信を停止する。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器800に伝送する。
【0055】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部806に通知する。レート制御部806は、I/O制御部105に対してダイバーシティ方式でアンテナ101及び102のうち、指定された方の伝送データを選択してPHY処理部107に転送するモードから、アンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。そして、レート制御部806は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0056】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2の送信を再開する。このとき、ch2はch1と異なるデータを伝送する。即ち、ch1とch2とを用いた高レートで伝送する。I/O制御部105は、受信したデータを多重し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは2ch分になるため、データ伝送レートは2Rとなる。
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、通信で使用している無線通信チャネルの全ての伝播特性が悪化した場合、その中で最も伝播特性の悪化の小さい無線通信チャネルを選択し、当該無線通信チャネルを用いたスペース・ダイバーシティ方式でデータ伝送を行う。このため、伝播特性の悪化の大きい無線通信チャネルを用いた周波数ダイバーシティ方式を用いるよりも受信特性を改善することが出来る。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0059】
まず、伝播特性が良好である場合には、複数のアンテナを異なるデータの通信に使用する。一方、伝播特性が劣悪である場合には、複数のアンテナを同一データの通信に使用し、ダイバーシティ方式で通信を行う。従って、伝播特性に応じてアンテナを効率的に使用することが出来る。
【0060】
また、伝播特性が良好である場合には、1つのデータを伝送するために複数の無線通信チャネルを使用する。従って、通常よりも高レートのデータ通信を行うことが出来る。
【0061】
また、伝播特性が良好である場合には、複数の無線通信チャネルを異なる機器が通信を可能にする。従って、複数のアンテナを使用して複数の機器との通信が可能になる。
【0062】
また、特定の無線通信チャネルの伝播特性が悪化した場合には、当該チャネルの使用を中止し、RF処理回路を休止状態にする。従って、未使用のRF回路による電力消費を防止することが出来る。
【0063】
また、通信中の全ての無線通信チャネルの伝播特性が悪化した場合には、当該無線通信チャネルのうち、最も伝播特性の悪化が小さいチャネルを選択し、選択したチャネルを用いたスペースダイバーシティ方式で通信を行う。従って、全ての無線通信チャネルの伝播特性が悪化した場合でも受信特性の悪化を低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における無線通信装置の構成図
【図2】本発明の第一の実施の形態における無線通信装置で、高レートでの通信から周波数ダイバーシティ方式による通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【図3】本発明の第一の実施の形態における無線通信装置で、周波数ダイバーシティ方式による通信から高レートでの通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【図4】従来のダイバーシティ方式による無線通信装置の構成図
【図5】本発明の第二の実施の形態における無線通信装置の構成図
【図6】本発明の第二の実施の形態における無線通信装置で、高レートでの通信から標準レートでの通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【図7】本発明の第二の実施の形態における無線通信装置で、標準レートでの通信から高レートでの通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【図8】本発明の第三の実施の形態における無線通信装置の構成図
【図9】本発明の第三の実施の形態における無線通信装置で、高レートでの通信からスペース・ダイバーシティ方式による通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【図10】本発明の第三の実施の形態における無線通信装置で、スペース・ダイバーシティ方式による通信から高レートでの通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【符号の説明】
100 無線通信装置
101、102 アンテナ
103、104 RF処理部
105 I/O制御部
106 レート制御部
107 PHY処理部
108 MAC処理部
401、402 アンテナ
403、404 RF処理部
405 スイッチ
406 受信レベル比較部
407 PHY処理部
408 MAC処理部
500 無線通信装置
503、504 RF処理部
506 レート制御部
800 無線通信装置
803、804 RF処理部
806 レート制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の無線通信チャネルを用いて通信することが出来る無線通信方式において、電波の伝播特性の変化に応じて複数のアンテナ及び通信チャネルを効率よく用いることによって、高い伝送レートや受信特性を確保することが出来る無線受信方法、無線送信方法、および無線受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無線通信では、通信機器の設置場所や機器間の障害物などによって、電波の伝播路の条件が変化する。その結果、伝播路の障害によって電波が干渉し、受信する信号レベルが変動する現象が発生する。受信レベルの変動には振幅歪や位相歪があり、正常な通信を妨げる原因となる。
【0003】
これらの受信レベルの変動の影響をなくすための方法としては、複数の独立した伝播パスを作り、それらの中から最適なパスを選択する方法が用いられている。この技術をダイバーシティ技術と呼んでいる。
【0004】
ダイバーシティ技術について説明する。図4はダイバーシティ技術の原理を示した図である。アンテナ401及び402で送信側からのデータを受信する。2本のアンテナを用意することにより、2種類の伝播パスを生成する。RF処理部403及び404は、送信するデータを決められた無線周波数(無線通信チャネル)で変調し、電波に乗せて送信したり、アンテナから受信した電波から必要な無線通信チャネルを取り出し、受信データを復調する。スイッチ405は、RF処理部403あるいは404で受信したデータのどちらかを受信データとして選択する。受信レベル比較部406は、受信した無線通信チャネルの受信レベル(例えば受信電力)を比較し、受信レベルの高い伝播パスを選択してスイッチ405に指示を出す。PHY処理部407は、受信した無線通信チャネルのデータに対して物理層の処理を行う。MAC処理部408は、MAC層の処理を行う。
【0005】
図4の動作を説明する。アンテナ401及び402は、送信側から伝送されたデータを受信する。アンテナ401及び402が受信する電波の伝播特性は異なっており、受信レベルは異なる。受信レベル比較部406は、アンテナ401及び402が受信したデータの受信レベルを比較する。受信レベル比較部406は、受信レベルの高い方のアンテナからの受信データを選択するようスイッチ405に対して指示する。選択されたデータはPHY処理部407及びMAC処理部408で各通信レイヤの処理が行われる。同じ周波数(チャネル)で複数のパスを生成する方式をスペース・ダイバーシティと呼び、異なる周波数(チャネル)で複数のパスを生成する方式を周波数ダイバーシティと呼ぶ。
【0006】
このようにダイバーシティ技術を用いることにより、反射波や回折波による干渉によって伝播路に障害が発生し、受信波に振幅歪や位相歪が発生するような環境であっても、複数の伝播パスを生成してその中から最適なパスを選択することによって、影響を低減することが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のダイバーシティ方式では、伝播特性が比較的良好で複数の伝播パスを生成する必要がない場合でも複数のアンテナを使用して受信を行う。各アンテナは同じデータを違う伝播パスで受信するため、他の通信にアンテナを使用することが出来ない。このため、効率的ではないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するために、伝播特性を監視し、伝播特性が良好である場合には複数のアンテナを独立に使用して異なるデータを受信することにより、ダイバーシティ方式による通信時よりも高い伝送レートで受信したり、複数の機器との通信を行うことができる無線通信方式及び無線通信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために第1の発明は、複数の無線通信チャネルを用いてデータを受信することが出来る無線受信方法において、前記無線通信チャネルの受信レベルから伝播特性を検出し、伝播特性が所定値以上である場合には、複数のRF処理部で異なるデータを受信し、伝播特性が所定値以下である場合には、前記複数のRF処理部で同一のデータを受信し、ダイバーシティ方式に従って最適な伝播パスを選択する事を特徴とする無線受信方法である。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に記載の無線受信方法を用いた無線受信装置に対して、伝播特性が所定値以上であるときは、送信するデータを複数の無線チャネルに分散して伝送することを特徴とする無線送信方法である。
【0011】
第3の発明は、第1の発明に記載の無線受信方法を用いた無線受信装置に対して、伝播特性が所定値以上であるときは、複数の無線送信装置がそれぞれ個別の通信チャネルを用いてデータを伝送することを特徴とする無線送信方法である。
【0012】
第4の発明は、データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、伝播特性が所定値以下の通信チャネルはデータ伝送を中止して休止状態にすることを特徴とする第1の発明に記載の無線受信方法。
【0013】
第5の発明は、データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、全ての無線通信チャネルの伝播特性が所定値以下である場合には、前記無線通信チャネルのうち、最も伝播特性が良好なチャネルを選択してダイバーシティ方式で受信することを特徴とする第1の発明に記載の無線受信方法。
【0014】
第6の発明は、複数の無線通信チャネルを用いてデータを受信することが出来る無線受信装置において、前記無線通信チャネルの受信レベルから伝播特性を検出し、前記複数の無線通信チャネルで異なるデータを受信するか、或いは、前記複数の無線通信チャネルで同一のデータを受信し、ダイバーシティ方式に従って最適な伝播パスを選択するかを選択して他の手段に指示を出すレート制御手段と、前記レート制御手段からの指示により、前記複数の無線通信チャネルで受信したデータを多重してPHY処理部に転送するか、別々のデータとしてPHY処理部に転送するか、或いは前記複数の無線通信チャネルで受信したデータのうち、最適なものを選択してPHY処理部に転送するI/O制御部を有することを特徴とする無線受信装置である。
【0015】
第7の発明は、前記レート制御手段は、伝播特性が所定値以上であるときには、送信するデータを前記複数の無線通信チャネルに分散して伝送するよう無線送信装置に要求すると共に、前記I/O制御部に対して前記複数の無線通信チャネルで受信したデータを多重して同一データとしてPHY処理部に転送するよう指示することを特徴とする第6の発明に記載の無線受信装置である。
【0016】
第8の発明は、前記レート制御手段は、伝播特性が所定値以上であるときは、複数の無線送信装置に対してそれぞれ個別の通信チャネルを用いてデータを伝送するよう要求すると共に、前記I/O制御部に対して前記複数の無線通信チャネルで受信したデータを個別のデータとしてPHY処理部に転送するよう指示することを特徴とする第6の発明に記載の無線受信装置。
【0017】
第9の発明は、データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、特定の無線通信チャネルの伝播特性が所定値以下である場合には、前記レート制御手段は前記特定の無線通信チャネルの伝送を行っているRF処理部を休止状態にするよう指示することを特徴とする第6の発明に記載の無線受信装置。
【0018】
第10の発明は、データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、全ての無線通信チャネルの伝播特性が所定値以下である場合には、前記レート制御手段は前記無線通信チャネルのうち、最も伝播特性が良好なチャネルを選択し、RF処理部に対して当該無線通信チャネルで送受信するよう指示すると共に、前記I/O制御手段に対してどの無線通信チャネルで受信したデータを選択するかを指示することを特徴とする第6の発明に記載の無線受信装置。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明の第一の実施の形態を示す無線通信装置の構成図である。図中の無線通信装置100において、アンテナ101及び102で送信側からのデータを受信する。2本のアンテナを用意することにより、2種類の伝播パスを生成する。RF処理部103及び104は、送信するデータを決められた無線周波数(無線通信チャネル)で変調し、電波に乗せて送信したり、アンテナから受信した電波から必要な無線通信チャネルを取り出し、受信データを復調する。I/O制御部105は、レート制御部106からの指示に従って、RF処理部103及び104が受信したデータの両方か、或いは何れかを選択したものをPHY処理部107に転送する。レート制御部106は、アンテナ101及び102の受信レベルを監視し、受信レベルの状態に応じてダイバーシティ方式で受信するか、又は各アンテナで独立にデータを受信するかを判断して各機能部に指示を出す。PHY処理部107は、受信した無線通信チャネルのデータに対して物理層の処理を行う。MAC処理部108は、MAC層の処理を行う。
【0021】
図1の動作について説明する。まず、高レートで伝送しているときに伝播特性が悪化し、周波数ダイバーシティ方式に切り替える動作について図2を用いて説明する。
【0022】
伝播特性が良好である場合は、送信側機器は2つの無線通信チャネルch1及びch2を用いてデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートは2Rとなる。即ち、通常の2倍のレートで伝送を行っている。レート制御部106は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。受信レベルが下がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が困難であると判断すると、レート制御部106はダイバーシティ方式によるデータ受信に切り替えるため、レート切換処理を行う。
【0023】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部106は、伝播特性が悪化したことを検出すると、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、現在伝送に使用している2つの無線通信チャネルのうち、一方のチャネルの伝送を停止する。本実施の形態ではch2の伝送を停止するとする。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器100に伝送する。
【0024】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部106に通知する。レート制御部106は、I/O制御部105に対してアンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードから、ダイバーシティ方式でアンテナ101及び102のうち、指定された方の伝送データを選択してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。そして、レート制御部106は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0025】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2の送信を再開する。このとき、ch2はch1と同じデータを伝送する。即ち、周波数ダイバーシティ方式で伝送する。レート制御部106は、アンテナ101及び102が受信したデータの受信レベルを比較し、受信レベルの高い方のデータを選択してI/O制御部105に指示する。I/O制御部105は、レート制御部106に指示された方のデータを選択し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは1ch分になるため、データ伝送レートはRとなる。
【0026】
次に、ダイバーシティ方式で受信しているときに伝播特性が良好になり、高レート伝送に切り替える動作について図3を用いて説明する。
【0027】
伝播特性が劣悪である場合は、送信側機器は2つの無線通信チャネルch1及びch2を用いて周波数ダイバーシティ方式でデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートはRとなる。レート制御部106は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。受信レベルが上がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が可能であると判断すると、レート制御部106は高レートによるデータ受信に切り替えるため、レート切換処理を行う。
【0028】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部106は、伝播特性が良好になったことを検出すると、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、現在伝送に使用している2つの無線通信チャネルのうち、一方のチャネルの伝送を停止する。本実施の形態ではch2の伝送を停止するとする。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器100に伝送する。
【0029】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部106に通知する。レート制御部106は、I/O制御部105に対してダイバーシティ方式でアンテナ101及び102のうち、指定された方の伝送データを選択してPHY処理部107に転送するモードから、アンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。そして、レート制御部106は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0030】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2を用いたデータ送信を再開する。このとき、ch2はch1と異なるデータを伝送する。即ち、ch1とch2とを用いた高レートで伝送する。I/O制御部105は、受信したデータを多重し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは2ch分になるため、データ伝送レートは2Rとなる。
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、伝播特性が良好である場合には、複数のチャネルを独立に使用してデータを伝送することが出来る。本実施の形態の場合では、通常の2倍のレートでデータを伝送することが出来る。このため、ダイバーシティ方式による通信が不要な場合にもアンテナや通信チャネルを効率よく使用することが出来る。一方、伝播特性が劣悪な場合にはダイバーシティ方式を用いることによって、振幅歪や位相歪による障害の影響を低減することが出来る。
【0032】
なお、本実施の形態では、伝播特性が良好な場合には、1種類の伝送データを2つの無線通信チャネルを使って2倍のレートで伝送するとしたが、2つの無線通信チャネルを2種類のデータ伝送に用いても良い。この場合、1つのデータ伝送レートはダイバーシティ方式使用時と同じであるが、複数種類のデータを伝送することが出来る。また、2種類のデータを受信する機器は同じ機器でも良いし、違う機器を伝送に使用しても良い。
【0033】
また、本実施の形態ではアンテナの数を2本としたが、3本以上のアンテナを使用した場合でも同様の効果が得られる。
【0034】
(実施の形態2)
図5は本発明の第二の実施の形態における無線通信装置の構成図である。図中の無線通信装置500において、第一の実施の形態と同じ機能の機能部については同じ番号を用い、説明を省略する。RF処理部503及び504は、第一の実施の形態で示した機能に加えて、レート制御部506からの指示によって自身の状態を動作状態から送信回路及び受信回路を停止し、休止状態にする機能を持つ。レート制御部506は、第一の実施の形態で示した機能に加えて、アンテナ101及び102の受信レベルに応じてRF処理部503及び504を休止状態にするかどうかを判断する機能を有する。
【0035】
図5の構成における動作を説明する。まず、高レートで伝送しているときにch2の伝播特性が悪化し、ch1のみによる標準レート伝送に切り替える動作について図6を用いて説明する。
【0036】
伝播特性が良好である場合は、送信側機器は2つの無線通信チャネルch1及びch2を用いてデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートは2Rとなる。即ち、通常の2倍のレートで伝送を行っている。レート制御部506は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。アンテナ102(ch2を受信しているとする)の受信レベルが下がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が困難であると判断すると、レート制御部506は標準レートによるデータ受信に切り替えるため、レート切換処理を行う。
【0037】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部506は、ch2の伝播特性が悪化したことを検出すると、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、現在伝送に使用している2つの無線通信チャネルのうち、伝播特性が悪化したch2の伝送を停止する。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器500に伝送する。
【0038】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部506に通知する。レート制御部506は、I/O制御部105に対してアンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードから、アンテナ101(ch1を受信している)からのデータを選択してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。また、レート制御部506は、ch2の受信を行っているRF処理部504に対して休止状態に変更するように指示する。そして、レート制御部506は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0039】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2の送信を再開する。但し、この送信はレート制御部506で伝播特性の状態を監視するためであり、データの通信そのものには使用しない。I/O制御部105は、レート制御部506に指示された方のデータを選択し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは1ch分になるため、データ伝送レートはRとなる。
【0040】
次に、ch1のみを用いて受信しているときにch2の伝播特性が良好になり、高レート伝送に切り替える動作について図7を用いて説明する。
【0041】
伝播特性が劣悪である場合は、送信側機器はch1のみを用いてデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートはRとなる。レート制御部506は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。受信レベルが上がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が可能であると判断すると、レート制御部506は高レートによるデータ受信に切り替えるため、レート切換処理を行う。
【0042】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部506は、伝播特性が良好になったことを検出すると、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、伝播特性の監視用に送信していたch2の送信を停止する。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器500に伝送する。
【0043】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部506に通知する。レート制御部506は、I/O制御部105に対してアンテナ101が受信した伝送データを選択してPHY処理部107に転送するモードから、アンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。また、レート制御部506は、ch2の受信を行っているRF処理部504に対して動作状態に変更するように指示する。そして、レート制御部506は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0044】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2のデータ送信を再開する。このとき、ch2はch1と異なるデータを伝送する。即ち、ch1とch2とを用いた高レートで伝送する。I/O制御部105は、受信したデータを多重し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは2ch分になるため、データ伝送レートは2Rとなる。
【0045】
以上説明したように、本発明によれば、複数の無線通信チャネルを使用して通信中にあるチャネルの伝播特性が悪化した場合、悪化した通信チャネルを用いた通信を中止し、そのチャネルの送受信機能(RF処理部)を休止状態にする。このため、無駄なチャネルの通信のために電力が消費されることを防ぐことが出来る。
【0046】
(実施の形態3)
図8は本発明の第三の実施の形態における無線通信装置の構成図である。図中の無線通信装置800において、第一及び第二の実施の形態と同じ機能の機能部については同じ番号を用い、説明を省略する。RF処理部803及び804は、第二の実施の形態で示した機能に加えて、レート制御部806からの指示によって自身が受信する無線通信チャネルを変更する機能を持つ。レート制御部806は、第二の実施の形態で示した機能に加えて、アンテナ101及び102の受信レベルに応じてRF処理部803及び804が使用する無線通信チャネルを判断する機能を有する。
【0047】
図8の構成における動作を説明する。まず、高レートで伝送しているときにch1及びch2の伝播特性が悪化し、受信レベル比較の結果、ch1によるスペース・ダイバーシティ方式に切り替える動作について図9を用いて説明する。
【0048】
伝播特性が良好である場合は、送信側機器は2つの無線通信チャネルch1及びch2を用いてデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートは2Rとなる。即ち、通常の2倍のレートで伝送を行っている。レート制御部806は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。アンテナ101(ch1を受信しているとする)及び102(ch2を受信しているとする)の受信レベルが下がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が困難であると判断すると、レート制御部806は、ch1とch2の受信レベルの比較を行う。本実施の形態では、ch1とch2の両方の伝播特性が悪化しているが、ch1の伝播特性がch2よりも悪化の度合いが小さいとする。レート制御部806は、ch1によるスペース・ダイバーシティ方式による伝送に切り替える必要があることを検出し、レート切換処理を行う。
【0049】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部806は、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、現在伝送に使用している2つの無線通信チャネルのうち、伝播特性がch1よりも悪化したch2の伝送を停止する。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器800に伝送する。
【0050】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部806に通知する。レート制御部806は、I/O制御部105に対してアンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードから、ダイバーシティ方式でアンテナ101及び102のうち、指定された方の伝送データを選択してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。また、レート制御部806は、ch2の受信を行っているRF処理部804に対して対応する無線通信チャネルをch1に変更するように指示する。そして、レート制御部806は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0051】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2のデータ送信を再開する。但し、この送信はレート制御部806で伝播特性の状態を監視するためであり、データ通信そのものには使用しない。レート制御部806は、アンテナ101及び102が受信したデータの受信レベルを比較し、受信レベルの高い方のデータを選択してI/O制御部105に指示する。I/O制御部105は、レート制御部806に指示された方のデータを選択し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは1ch分になるため、データ伝送レートはRとなる。
【0052】
次に、ダイバーシティ方式で受信しているときに伝播特性が良好になり、高レート伝送に切り替える動作について図10を用いて説明する。
【0053】
送信側機器は1つの無線通信チャネルch1を用いてスペース・ダイバーシティ方式でデータを送信する。1chで送信可能なデータの伝送レートをRとすると、このときの伝送レートはRとなる。レート制御部806は、アンテナ101及び102が受信している電波の受信レベルを監視している。ch1及びch2の受信レベルが上がり、アンテナを独立に使用したデータ伝送が可能であると判断すると、レート制御部806は高レートによるデータ受信に切り替えるため、レート切換処理を行う。
【0054】
レート切換処理の内容を説明する。レート制御部806は、伝播特性が良好になったことを検出すると、MAC処理部108に対してレート切換を要求する。MAC処理部108は、送信レートの切換が必要であることを送信側に通知するために、レート切換要求パケットを送信側に転送する。MAC処理部108からのレート切換要求パケットを受信した送信側機器は、伝播特性の監視用に送信していたch2の送信を停止する。送信側機器は、レート切換要求を受信したことを示すレート切換応答パケットを受信側機器800に伝送する。
【0055】
MAC処理部108は、レート切換応答パケットを受信すると、そのことをレート制御部806に通知する。レート制御部806は、I/O制御部105に対してダイバーシティ方式でアンテナ101及び102のうち、指定された方の伝送データを選択してPHY処理部107に転送するモードから、アンテナ101及び102から受信したデータを多重してPHY処理部107に転送するモードに切り替えるように指示する。そして、レート制御部806は、MAC処理部108に対してレート切換処理が完了したことを通知する。
【0056】
MAC処理部108は、切換完了通知パケットを送信側機器に対して伝送する。送信側機器は、ch2の送信を再開する。このとき、ch2はch1と異なるデータを伝送する。即ち、ch1とch2とを用いた高レートで伝送する。I/O制御部105は、受信したデータを多重し、PHY処理部107に転送する。このとき、伝送されるデータは2ch分になるため、データ伝送レートは2Rとなる。
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、通信で使用している無線通信チャネルの全ての伝播特性が悪化した場合、その中で最も伝播特性の悪化の小さい無線通信チャネルを選択し、当該無線通信チャネルを用いたスペース・ダイバーシティ方式でデータ伝送を行う。このため、伝播特性の悪化の大きい無線通信チャネルを用いた周波数ダイバーシティ方式を用いるよりも受信特性を改善することが出来る。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0059】
まず、伝播特性が良好である場合には、複数のアンテナを異なるデータの通信に使用する。一方、伝播特性が劣悪である場合には、複数のアンテナを同一データの通信に使用し、ダイバーシティ方式で通信を行う。従って、伝播特性に応じてアンテナを効率的に使用することが出来る。
【0060】
また、伝播特性が良好である場合には、1つのデータを伝送するために複数の無線通信チャネルを使用する。従って、通常よりも高レートのデータ通信を行うことが出来る。
【0061】
また、伝播特性が良好である場合には、複数の無線通信チャネルを異なる機器が通信を可能にする。従って、複数のアンテナを使用して複数の機器との通信が可能になる。
【0062】
また、特定の無線通信チャネルの伝播特性が悪化した場合には、当該チャネルの使用を中止し、RF処理回路を休止状態にする。従って、未使用のRF回路による電力消費を防止することが出来る。
【0063】
また、通信中の全ての無線通信チャネルの伝播特性が悪化した場合には、当該無線通信チャネルのうち、最も伝播特性の悪化が小さいチャネルを選択し、選択したチャネルを用いたスペースダイバーシティ方式で通信を行う。従って、全ての無線通信チャネルの伝播特性が悪化した場合でも受信特性の悪化を低減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における無線通信装置の構成図
【図2】本発明の第一の実施の形態における無線通信装置で、高レートでの通信から周波数ダイバーシティ方式による通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【図3】本発明の第一の実施の形態における無線通信装置で、周波数ダイバーシティ方式による通信から高レートでの通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【図4】従来のダイバーシティ方式による無線通信装置の構成図
【図5】本発明の第二の実施の形態における無線通信装置の構成図
【図6】本発明の第二の実施の形態における無線通信装置で、高レートでの通信から標準レートでの通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【図7】本発明の第二の実施の形態における無線通信装置で、標準レートでの通信から高レートでの通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【図8】本発明の第三の実施の形態における無線通信装置の構成図
【図9】本発明の第三の実施の形態における無線通信装置で、高レートでの通信からスペース・ダイバーシティ方式による通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【図10】本発明の第三の実施の形態における無線通信装置で、スペース・ダイバーシティ方式による通信から高レートでの通信に切り替える手順を示したシーケンス図
【符号の説明】
100 無線通信装置
101、102 アンテナ
103、104 RF処理部
105 I/O制御部
106 レート制御部
107 PHY処理部
108 MAC処理部
401、402 アンテナ
403、404 RF処理部
405 スイッチ
406 受信レベル比較部
407 PHY処理部
408 MAC処理部
500 無線通信装置
503、504 RF処理部
506 レート制御部
800 無線通信装置
803、804 RF処理部
806 レート制御部
Claims (10)
- 複数の無線通信チャネルを用いてデータを受信することが出来る無線受信方法において、
前記無線通信チャネルの受信レベルから伝播特性を検出し、
伝播特性が所定値以上である場合には、複数のRF処理部で異なるデータを受信し、
伝播特性が所定値以下である場合には、前記複数のRF処理部で同一のデータを受信し、ダイバーシティ方式に従って最適な伝播パスを選択する事を特徴とする無線受信方法。 - 請求項1記載の無線受信方法を用いた無線受信装置に対して、伝播特性が所定値以上であるときは、送信するデータを複数の無線チャネルに分散して伝送することを特徴とする無線送信方法。
- 請求項1記載の無線受信方法を用いた無線受信装置に対して、伝播特性が所定値以上であるときは、複数の無線送信装置がそれぞれ個別の通信チャネルを用いてデータを伝送することを特徴とする無線送信方法。
- データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、伝播特性が所定値以下の通信チャネルはデータ伝送を中止して休止状態にすることを特徴とする請求項1記載の無線受信方法。
- データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、全ての無線通信チャネルの伝播特性が所定値以下である場合には、前記無線通信チャネルのうち、最も伝播特性が良好なチャネルを選択してダイバーシティ方式で受信することを特徴とする請求項1記載の無線受信方法。
- 複数の無線通信チャネルを用いてデータを受信することが出来る無線受信装置において、
前記無線通信チャネルの受信レベルから伝播特性を検出し、
前記複数の無線通信チャネルで異なるデータを受信するか、或いは、前記複数の無線通信チャネルで同一のデータを受信し、ダイバーシティ方式に従って最適な伝播パスを選択するかを選択して他の手段に指示を出すレート制御手段と、
前記レート制御手段からの指示により、前記複数の無線通信チャネルで受信したデータを多重してPHY処理部に転送するか、別々のデータとしてPHY処理部に転送するか、或いは前記複数の無線通信チャネルで受信したデータのうち、最適なものを選択してPHY処理部に転送するI/O制御部を有することを特徴とする無線受信装置。 - 前記レート制御手段は、伝播特性が所定値以上であるときには、送信するデータを前記複数の無線通信チャネルに分散して伝送するよう無線送信装置に要求すると共に、前記I/O制御部に対して前記複数の無線通信チャネルで受信したデータを多重して同一データとしてPHY処理部に転送するよう指示することを特徴とする請求項6記載の無線受信装置。
- 前記レート制御手段は、伝播特性が所定値以上であるときは、複数の無線送信装置に対してそれぞれ個別の通信チャネルを用いてデータを伝送するよう要求すると共に、前記I/O制御部に対して前記複数の無線通信チャネルで受信したデータを個別のデータとしてPHY処理部に転送するよう指示することを特徴とする請求項6記載の無線受信装置。
- データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、特定の無線通信チャネルの伝播特性が所定値以下である場合には、前記レート制御手段は前記特定の無線通信チャネルの伝送を行っているRF処理部を休止状態にするよう指示することを特徴とする請求項6記載の無線受信装置。
- データを伝送するために使用している無線通信チャネルのうち、全ての無線通信チャネルの伝播特性が所定値以下である場合には、前記レート制御手段は前記無線通信チャネルのうち、最も伝播特性が良好なチャネルを選択し、RF処理部に対して当該無線通信チャネルで送受信するよう指示すると共に、前記I/O制御手段に対してどの無線通信チャネルで受信したデータを選択するかを指示することを特徴とする請求項6記載の無線受信装置。
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JP2002261592A JP2004104340A (ja) | 2002-09-06 | 2002-09-06 | 無線受信方法、無線送信方法、および無線受信装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008537672A (ja) * | 2005-04-04 | 2008-09-18 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | ワイヤレス通信システムにおけるマルチキャリア通信の管理のための方法および装置 |
JP2017212590A (ja) * | 2016-05-25 | 2017-11-30 | 大井電気株式会社 | 無線装置 |
-
2002
- 2002-09-06 JP JP2002261592A patent/JP2004104340A/ja active Pending
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