JP2004103886A - 電子装置 - Google Patents
電子装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004103886A JP2004103886A JP2002264888A JP2002264888A JP2004103886A JP 2004103886 A JP2004103886 A JP 2004103886A JP 2002264888 A JP2002264888 A JP 2002264888A JP 2002264888 A JP2002264888 A JP 2002264888A JP 2004103886 A JP2004103886 A JP 2004103886A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- band
- electronic device
- heat
- liquid
- flexible tube
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
- Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
【課題】本発明の目的は、電子装置の液冷システムにおいて、小型化、薄型化に適した液冷構造の各要素を接続する方法を提供することである。
【解決手段】電子装置の液冷システムは受熱ジャケット、放熱パイプ、ポンプおよびタンク等の各要素をフレキシブルチューブで接続することにより構成される。ここで、各要素とフレキシブルチューブの接続部、すなわち継手部にストッパー付きのチューブバンドをはめ込むことにより、液体のシール性向上と接続部の離脱防止を考慮した構成の継手を構成することで信頼性の向上が計られる。
【選択図】 図3
【解決手段】電子装置の液冷システムは受熱ジャケット、放熱パイプ、ポンプおよびタンク等の各要素をフレキシブルチューブで接続することにより構成される。ここで、各要素とフレキシブルチューブの接続部、すなわち継手部にストッパー付きのチューブバンドをはめ込むことにより、液体のシール性向上と接続部の離脱防止を考慮した構成の継手を構成することで信頼性の向上が計られる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平6−266474号公報(第6頁、第9図)
【特許文献2】
特開平7−142886号公報(第3頁、第1図)
特開平6−266474号公報の例では、発熱素子を搭載した配線基板を収容した本体筐体と、ディスプレイパネルを備え本体筐体に回転可動に取り付けられた表示装置筐体からなる電子装置で、発熱素子に取り付けられた受熱ジャケット、表示装置筐体に設置した放熱パイプ及び液駆動機構がフレキシブルチューブで接続された構造が示されている。
さらに、特開平7−142886では、特開平6−266474号公報の例において、筐体を金属製とした例が示されている。
【0003】
これらの例では、発熱素子で発生した熱を受熱ジャケットに伝え、その熱を、受熱ジャケットから放熱パイプまで液駆動機構によって液を輸送することによって伝え、外気に放熱している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
携帯型パーソナルコンピュータなどに代表される電子装置では、性能の向上による素子の高発熱化が著しい。
これに対して、上記従来技術のように液循環による液冷技術は冷却効率が高く、半導体素子の冷却には非常に有効である。
【0005】
ところが、今後パーソナルコンピュータは高速処理と大容量化とが予想され、半導体素子は益々高温化する可能性がる。従って、上記液冷技術は更なる冷却効果の向上と高い安全性が要求されている。
【0006】
また、パーソナルコンピュータは携帯に適した筐体サイズの小型化、薄型化が要求されているため、狭い空間内でも効率良く冷却でき、安全面でも高い信頼性を有する冷却システムを備えた電子装置が期待されている。
【0007】
本発明の目的は、信頼性の高い液冷システムを備えた電子装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
電子装置の液冷システムは受熱ジャケット、放熱パイプ、ポンプおよびタンク等の各要素をフレキシブルチューブで接続することにより構成される。ここで、各要素とフレキシブルチューブの接続部、すなわち継手部にストッパー付きのチューブバンドをはめ込むことにより、液体のシール性向上と接続部の離脱防止を考慮した構成の継手を構成することで信頼性の向上が計られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
そもそも、電子装置の発熱する半導体素子を冷却するために液体を循環させて冷却する技術は従来から行われていた。ただし、それは携帯を前提としたノート型パソコンではなく、企業や銀行など大量のデータを取り扱う大型コンピュータで行われていた。
その液冷技術は、液媒体をポンプで被冷却部分(発熱部分)に輸送し、暖められた液媒体を専用の放熱器で放熱するものである。
【0010】
この液冷技術をノート型パソコンに採用することについて種々検討した結果、熱伝導性が高い筐体の開発、薄型ポンプの開発、水分透過の少ないフレキシブルチューブ等の開発によってノート型パソコンへの搭載が可能となった。
【0011】
ところが、ノート型パソコンで問題になるのは携帯時の衝撃等或いは圧力変動によって各部品とフレキシブルチューブとの継手部分からフレキシブルチューブが離脱して液漏れが発生しないとも言い切れないため、液漏れには万全を期さなくてはならない。
【0012】
そこで、本発明の発明者らはこの点を種々検討した結果、以下のような実施例を得た。
【0013】
以下、本発明の一実施例を図を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例を備えた電子装置の斜視図である。
図1おいて、電子装置は、本体ケース1とディスプレイ5を備えたディスプレイケース2とからなり、本体ケース1に設置されるキーボード3、複数の素子を搭載した配線基板4、ハードディスクドライブ10、補助記憶装置(たとえば、フロッピーディスクドライブ、CDドライブ等)6、バッテリー13等が設置されている。
なお、説明のためにキーボード3は取り外した状態を示している。
【0014】
配線基板4上には、CPU(中央演算処理ユニット)7等の特に発熱量の大きい素子(以下、CPUと記載)が搭載される。このCPU7には、受熱ジャケット8が取り付けられており、両者は柔軟熱伝導部材(たとえばSiゴムに酸化アルミなどの熱伝導性のフィラーを混入したもの。ただし、図示せず。)を介して接続されている。
また、ディスプレイケース2の背面(ケース内側)には、放熱パイプ9が設置されている。また、液輸送手段であるポンプ11が本体ケース1内に設置されている。受熱ジャケット8、放熱パイプ9、ポンプ11は、フレキシブルチューブ12で接続され、ポンプ11によって内部に封入した、例えば、水、不凍液等の冷媒液15が循環する。CPU7で発生する熱は、受熱ジャケット8内を流通する冷媒液15に伝えられ、放熱パイプ9を通過する間にディスプレイ5の背面に設置した放熱パイプ9からディスプレイケース2の表面を介して外気に放熱される。
【0015】
これにより温度の下がった冷媒液は、ポンプ11を介して再び受熱ジャケット8に送出される。また、ディスプレイケース2の背面上部には放熱パイプ9に接続されたタンク14が設置されており、このタンク14内には冷媒液15が入っている。タンク14、放熱パイプ9、フレキシブルチューブ12、ポンプ11及び受熱ジャケット8は閉じた冷媒液15の循環回路であり、ポンプ11を運転して冷媒液15を循環させている。
【0016】
図1に示したように通常、運転時には内部の冷媒液15が密閉された状態で循環されているが、この循環回路を構成しているタンク14、放熱パイプ9、フレキシブルチューブ12、ポンプ11及び受熱ジャケット8などや、フレキシブルチューブ12と各構成要素との継手部の液体のシール性向上と接続部の離脱防止を図る方法として、次のような手段を講じている。
なお、フレキシブルチューブ12の材質は、水分透過の少ないブチルゴムなどが用いられている。
【0017】
図2は液冷システムの斜視図である。
図2において、本実施例では受熱ジャケット8、ポンプ11、放熱パイプ9およびタンク14等の各要素間をフレキシブルチューブ12a〜12eが接続しており、その箇所は受熱ジャケット8とポンプ11のフレキシブルチューブ12a、ポンプ11と放熱パイプ9の間のフtレキシブルチューブ12b、放熱パイプ9とタンク14の間のフレキシブルチューブ12c、タンク14と放熱パイプ9の間のフレキシブチューブ12d、放熱パイプ9と受熱ジャケット8の間のフレキシブルチューブ12eである。
【0018】
図3は継手部の構造を模式的に示した斜視図である。
図3において、301は上記各要素に接続されたパイプ状の剛体管である。この剛体管301の一端にはフレキシブルチューブ302が接続される。303は剛体管301にフレキシブルチューブ302が被さる部分を締め付ける主バンドである。304は主バンド303を更に締め付ける補助バンドである。305は主バンド303に設けられた第1のツメであり、306は同じく第2のツメである。307は補助バンド304に設けられた複数個の穴である。この穴307に主バンド303のツメ305、306が挿入される。これらの継手個所を210〜219で示している。
【0019】
図3(a)(b)は、これらの継手個所に取り付けるバンドの斜視図である。
図3(a)において、各継手210〜219部分にはパイプ状の剛体管301が取付けられている。この剛体301にフレキシブルチューブ12が挿入されている。このフレキシブルチューブ12と剛体管30とが重なる部分に主バンド303および補助バンド304が取付けられる。
【0020】
第1のツメ305と第2のツメ306をつまむことで内径が広げられて主バンド303がフレキシブルチューブ12に実装され、つまみ動作を解除すると、主バンド303自身の弾性力で接続部を締め付けることができる。その後図3(b)に示すように、補助バンド304を被せ、補助バンド304の穴307に第2のツメ306を挿入することによって主バンド303の緩みを防止している。このとき、補助バンド304は自身の弾性力で主バンド303を抱き込むように覆っているので、主バンド303のフレキシブチューブ12に対する拘束力を保持することができる。
【0021】
ここで、バンドの役割は循環系内の液体の圧力に対するシール性向上と接続部の離脱防止である。したがって、主バンド303は装着後もそれ自身の弾性変形により継手部を締め付けるこのとのできるバネ材が好ましく、ステンレス材等が適している。また、補助バンド304は主バンド303のツメ305とツメ306の間に装着され、ツメ306が動かないようにするためのストッパーの役割をしている。
【0022】
このように、補助バンドを装着することにより、主バンドだけよりもより強固にシール性向上と接続部の離脱防止が可能となる。
【0023】
図4は、本実施例の主バンドを設計するにあたっての基礎データを示すグラフ図である。
図4において、最小内径dminとツメ間の角度θにより、ツメを摘んだときの最大内径dmaxが定まる。本実施例では最小内径dminを4.6mmとし、ツメ間の角度θを125degとした。なお、バンドの肉厚は0.3mmとした。これにより、継手部の外径がφ4.6〜φ6.2mmのものについて主バンドが装着可能となる。
【0024】
図5は、補助バンドの設計工程を示す断面図である。
【0025】
図5において、内径dは主バンドの最小内径時の外径とし、バンドの角度ωは主バンドのツメ間の角度θ以上とした。さらに、補助バンドにはスリット状に穴307を複数個加工した。
【0026】
本実施例では、補助バンドの内径をφ5.2mm、バンドの角度ωを125degとし、幅0.4mmのスリットを間隔0.7mmで配置した。これにより、補助バンドは継手部の外径φ4.6〜φ6.2mmへ装着した主バンドに対応可能となる。
【0027】
尚、補助バンド304の周長は、継手の外径が最大のφ6.2mmのときの周長21.2mmの半分以上とした。
本実施例の主バンド303及び補助バンド304を肉厚の違うフレキシブルチューブ12で構成される継手部に装着した場合を図6に示す。
【0028】
図6(a)(b)は継手部の断面図である。
図6(a)において、継手の外径が最小のφ4.6mmに装着した場合で、主バンド303のツメ305に補助バンド304の複数の穴307を形成した側の一端が接し、かつ複数の穴307の内、主バンド303のツメ305より最も離れた位置に存在する穴307に主バンド303のツメ306を通した場合である。
図6(b)において、継手の外径が最大のφ6.2mmに装着した場合で、主バンド303のツメ305に補助バンド304の複数の穴307を形成した側の一端が接し、かつ複数の穴307の内、主バンド303のツメ305より最も近い位置に存在する穴307に主バンド303のツメ306を通した場合である。
【0029】
このように、図4及び図5に示した内容で設計した主バンドおよび補助バンドにより、継手部の外径がφ4.6〜φ6.2mmのものについて主バンド及び補助バンドが装着可能となる。
【0030】
以上のごとく、各要素とフレキシブルチューブの接続部、すなわち継手部にストッパー付きのチューブバンドをはめ込むことにより、液体のシール性向上と接続部の離脱防止を考慮した構成の継手を構成することで液漏れに対する信頼性の向上を計ることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、信頼性の高い液冷システムを備えた電子装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施例を備えた電子装置の斜視図である。
【図2】図2は、本実施例を備えた冷却装置の冷媒液循環回路を示す斜視図である。
【図3】図3は、本実施例を備えた主バンドと補助バンドの斜視図である。
【図4】図4は、本実施例の主バンドを設計するための基礎データを示すグラフ図である。
【図5】図5は、本実施例の補助バンドの断面図である。
【図6】図6は、本実施例を備えたバンドの装着例を示す継手部の断面図である。
【符号の説明】
1…本体ケース、2…ディスプレイケース、3…キーボード、4…配線基板、5…ディスプレイ、7…CPU、8…受熱ジャケット、9…放熱パイプ、10…ハードディスクドライブ、11…ポンプ、12…フレキシブルチューブ、14…タンク、201…フレキシブルチューブ、202…フレキシブルチューブ、203…フレキシブルチューブ、204…フレキシブルチューブ、301…剛体管、302…フレキシブルチューブ、303…主バンド、304…補助バンド、305…ツメ、306…ツメ、307…穴。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平6−266474号公報(第6頁、第9図)
【特許文献2】
特開平7−142886号公報(第3頁、第1図)
特開平6−266474号公報の例では、発熱素子を搭載した配線基板を収容した本体筐体と、ディスプレイパネルを備え本体筐体に回転可動に取り付けられた表示装置筐体からなる電子装置で、発熱素子に取り付けられた受熱ジャケット、表示装置筐体に設置した放熱パイプ及び液駆動機構がフレキシブルチューブで接続された構造が示されている。
さらに、特開平7−142886では、特開平6−266474号公報の例において、筐体を金属製とした例が示されている。
【0003】
これらの例では、発熱素子で発生した熱を受熱ジャケットに伝え、その熱を、受熱ジャケットから放熱パイプまで液駆動機構によって液を輸送することによって伝え、外気に放熱している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
携帯型パーソナルコンピュータなどに代表される電子装置では、性能の向上による素子の高発熱化が著しい。
これに対して、上記従来技術のように液循環による液冷技術は冷却効率が高く、半導体素子の冷却には非常に有効である。
【0005】
ところが、今後パーソナルコンピュータは高速処理と大容量化とが予想され、半導体素子は益々高温化する可能性がる。従って、上記液冷技術は更なる冷却効果の向上と高い安全性が要求されている。
【0006】
また、パーソナルコンピュータは携帯に適した筐体サイズの小型化、薄型化が要求されているため、狭い空間内でも効率良く冷却でき、安全面でも高い信頼性を有する冷却システムを備えた電子装置が期待されている。
【0007】
本発明の目的は、信頼性の高い液冷システムを備えた電子装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
電子装置の液冷システムは受熱ジャケット、放熱パイプ、ポンプおよびタンク等の各要素をフレキシブルチューブで接続することにより構成される。ここで、各要素とフレキシブルチューブの接続部、すなわち継手部にストッパー付きのチューブバンドをはめ込むことにより、液体のシール性向上と接続部の離脱防止を考慮した構成の継手を構成することで信頼性の向上が計られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
そもそも、電子装置の発熱する半導体素子を冷却するために液体を循環させて冷却する技術は従来から行われていた。ただし、それは携帯を前提としたノート型パソコンではなく、企業や銀行など大量のデータを取り扱う大型コンピュータで行われていた。
その液冷技術は、液媒体をポンプで被冷却部分(発熱部分)に輸送し、暖められた液媒体を専用の放熱器で放熱するものである。
【0010】
この液冷技術をノート型パソコンに採用することについて種々検討した結果、熱伝導性が高い筐体の開発、薄型ポンプの開発、水分透過の少ないフレキシブルチューブ等の開発によってノート型パソコンへの搭載が可能となった。
【0011】
ところが、ノート型パソコンで問題になるのは携帯時の衝撃等或いは圧力変動によって各部品とフレキシブルチューブとの継手部分からフレキシブルチューブが離脱して液漏れが発生しないとも言い切れないため、液漏れには万全を期さなくてはならない。
【0012】
そこで、本発明の発明者らはこの点を種々検討した結果、以下のような実施例を得た。
【0013】
以下、本発明の一実施例を図を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例を備えた電子装置の斜視図である。
図1おいて、電子装置は、本体ケース1とディスプレイ5を備えたディスプレイケース2とからなり、本体ケース1に設置されるキーボード3、複数の素子を搭載した配線基板4、ハードディスクドライブ10、補助記憶装置(たとえば、フロッピーディスクドライブ、CDドライブ等)6、バッテリー13等が設置されている。
なお、説明のためにキーボード3は取り外した状態を示している。
【0014】
配線基板4上には、CPU(中央演算処理ユニット)7等の特に発熱量の大きい素子(以下、CPUと記載)が搭載される。このCPU7には、受熱ジャケット8が取り付けられており、両者は柔軟熱伝導部材(たとえばSiゴムに酸化アルミなどの熱伝導性のフィラーを混入したもの。ただし、図示せず。)を介して接続されている。
また、ディスプレイケース2の背面(ケース内側)には、放熱パイプ9が設置されている。また、液輸送手段であるポンプ11が本体ケース1内に設置されている。受熱ジャケット8、放熱パイプ9、ポンプ11は、フレキシブルチューブ12で接続され、ポンプ11によって内部に封入した、例えば、水、不凍液等の冷媒液15が循環する。CPU7で発生する熱は、受熱ジャケット8内を流通する冷媒液15に伝えられ、放熱パイプ9を通過する間にディスプレイ5の背面に設置した放熱パイプ9からディスプレイケース2の表面を介して外気に放熱される。
【0015】
これにより温度の下がった冷媒液は、ポンプ11を介して再び受熱ジャケット8に送出される。また、ディスプレイケース2の背面上部には放熱パイプ9に接続されたタンク14が設置されており、このタンク14内には冷媒液15が入っている。タンク14、放熱パイプ9、フレキシブルチューブ12、ポンプ11及び受熱ジャケット8は閉じた冷媒液15の循環回路であり、ポンプ11を運転して冷媒液15を循環させている。
【0016】
図1に示したように通常、運転時には内部の冷媒液15が密閉された状態で循環されているが、この循環回路を構成しているタンク14、放熱パイプ9、フレキシブルチューブ12、ポンプ11及び受熱ジャケット8などや、フレキシブルチューブ12と各構成要素との継手部の液体のシール性向上と接続部の離脱防止を図る方法として、次のような手段を講じている。
なお、フレキシブルチューブ12の材質は、水分透過の少ないブチルゴムなどが用いられている。
【0017】
図2は液冷システムの斜視図である。
図2において、本実施例では受熱ジャケット8、ポンプ11、放熱パイプ9およびタンク14等の各要素間をフレキシブルチューブ12a〜12eが接続しており、その箇所は受熱ジャケット8とポンプ11のフレキシブルチューブ12a、ポンプ11と放熱パイプ9の間のフtレキシブルチューブ12b、放熱パイプ9とタンク14の間のフレキシブルチューブ12c、タンク14と放熱パイプ9の間のフレキシブチューブ12d、放熱パイプ9と受熱ジャケット8の間のフレキシブルチューブ12eである。
【0018】
図3は継手部の構造を模式的に示した斜視図である。
図3において、301は上記各要素に接続されたパイプ状の剛体管である。この剛体管301の一端にはフレキシブルチューブ302が接続される。303は剛体管301にフレキシブルチューブ302が被さる部分を締め付ける主バンドである。304は主バンド303を更に締め付ける補助バンドである。305は主バンド303に設けられた第1のツメであり、306は同じく第2のツメである。307は補助バンド304に設けられた複数個の穴である。この穴307に主バンド303のツメ305、306が挿入される。これらの継手個所を210〜219で示している。
【0019】
図3(a)(b)は、これらの継手個所に取り付けるバンドの斜視図である。
図3(a)において、各継手210〜219部分にはパイプ状の剛体管301が取付けられている。この剛体301にフレキシブルチューブ12が挿入されている。このフレキシブルチューブ12と剛体管30とが重なる部分に主バンド303および補助バンド304が取付けられる。
【0020】
第1のツメ305と第2のツメ306をつまむことで内径が広げられて主バンド303がフレキシブルチューブ12に実装され、つまみ動作を解除すると、主バンド303自身の弾性力で接続部を締め付けることができる。その後図3(b)に示すように、補助バンド304を被せ、補助バンド304の穴307に第2のツメ306を挿入することによって主バンド303の緩みを防止している。このとき、補助バンド304は自身の弾性力で主バンド303を抱き込むように覆っているので、主バンド303のフレキシブチューブ12に対する拘束力を保持することができる。
【0021】
ここで、バンドの役割は循環系内の液体の圧力に対するシール性向上と接続部の離脱防止である。したがって、主バンド303は装着後もそれ自身の弾性変形により継手部を締め付けるこのとのできるバネ材が好ましく、ステンレス材等が適している。また、補助バンド304は主バンド303のツメ305とツメ306の間に装着され、ツメ306が動かないようにするためのストッパーの役割をしている。
【0022】
このように、補助バンドを装着することにより、主バンドだけよりもより強固にシール性向上と接続部の離脱防止が可能となる。
【0023】
図4は、本実施例の主バンドを設計するにあたっての基礎データを示すグラフ図である。
図4において、最小内径dminとツメ間の角度θにより、ツメを摘んだときの最大内径dmaxが定まる。本実施例では最小内径dminを4.6mmとし、ツメ間の角度θを125degとした。なお、バンドの肉厚は0.3mmとした。これにより、継手部の外径がφ4.6〜φ6.2mmのものについて主バンドが装着可能となる。
【0024】
図5は、補助バンドの設計工程を示す断面図である。
【0025】
図5において、内径dは主バンドの最小内径時の外径とし、バンドの角度ωは主バンドのツメ間の角度θ以上とした。さらに、補助バンドにはスリット状に穴307を複数個加工した。
【0026】
本実施例では、補助バンドの内径をφ5.2mm、バンドの角度ωを125degとし、幅0.4mmのスリットを間隔0.7mmで配置した。これにより、補助バンドは継手部の外径φ4.6〜φ6.2mmへ装着した主バンドに対応可能となる。
【0027】
尚、補助バンド304の周長は、継手の外径が最大のφ6.2mmのときの周長21.2mmの半分以上とした。
本実施例の主バンド303及び補助バンド304を肉厚の違うフレキシブルチューブ12で構成される継手部に装着した場合を図6に示す。
【0028】
図6(a)(b)は継手部の断面図である。
図6(a)において、継手の外径が最小のφ4.6mmに装着した場合で、主バンド303のツメ305に補助バンド304の複数の穴307を形成した側の一端が接し、かつ複数の穴307の内、主バンド303のツメ305より最も離れた位置に存在する穴307に主バンド303のツメ306を通した場合である。
図6(b)において、継手の外径が最大のφ6.2mmに装着した場合で、主バンド303のツメ305に補助バンド304の複数の穴307を形成した側の一端が接し、かつ複数の穴307の内、主バンド303のツメ305より最も近い位置に存在する穴307に主バンド303のツメ306を通した場合である。
【0029】
このように、図4及び図5に示した内容で設計した主バンドおよび補助バンドにより、継手部の外径がφ4.6〜φ6.2mmのものについて主バンド及び補助バンドが装着可能となる。
【0030】
以上のごとく、各要素とフレキシブルチューブの接続部、すなわち継手部にストッパー付きのチューブバンドをはめ込むことにより、液体のシール性向上と接続部の離脱防止を考慮した構成の継手を構成することで液漏れに対する信頼性の向上を計ることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、信頼性の高い液冷システムを備えた電子装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施例を備えた電子装置の斜視図である。
【図2】図2は、本実施例を備えた冷却装置の冷媒液循環回路を示す斜視図である。
【図3】図3は、本実施例を備えた主バンドと補助バンドの斜視図である。
【図4】図4は、本実施例の主バンドを設計するための基礎データを示すグラフ図である。
【図5】図5は、本実施例の補助バンドの断面図である。
【図6】図6は、本実施例を備えたバンドの装着例を示す継手部の断面図である。
【符号の説明】
1…本体ケース、2…ディスプレイケース、3…キーボード、4…配線基板、5…ディスプレイ、7…CPU、8…受熱ジャケット、9…放熱パイプ、10…ハードディスクドライブ、11…ポンプ、12…フレキシブルチューブ、14…タンク、201…フレキシブルチューブ、202…フレキシブルチューブ、203…フレキシブルチューブ、204…フレキシブルチューブ、301…剛体管、302…フレキシブルチューブ、303…主バンド、304…補助バンド、305…ツメ、306…ツメ、307…穴。
Claims (5)
- 発熱素子に熱的に接続された受熱ジャケットと、この受熱ジャケットと駆動手段とを収容した本体ケースと、ディスプレイ及び放熱パイプを収容したディスプレイケースとを備え、前記受熱ジャケット、液駆動手段、放熱パイプを樹脂製配管で接続し、内部に冷媒液を封入して循環流を形成した電子装置において、前記樹脂製配管と前記受熱ジャケット、液駆動手段、放熱パイプとの継手部に第1のバンドを装着し、この第1のバンドの外周に第2のバンドを装着したことを特徴とする電子装置。
- 前記第1のバンドは前記継手部を拘束する弾性力を備えていることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
- 前記第1のバンドの外周には一対のツメを備え、この一対のツメを摘むことによって前記継手部を拘束を解除することを特徴とする請求項1記載の電子装置。
- 前記第1のバンドが一対のツメを有し、このツメが挿入される穴を前記第2のバンドが備えてなり、この第2のバンドは前記第1のバンドを拘束する弾性力を備えていることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
- 前記第1のバンドのツメ同士が取り得る角度の範囲で、第2のバンドにスリット状の複数の穴を形成したことを特徴とする請求項1記載の電子装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002264888A JP2004103886A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 電子装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002264888A JP2004103886A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 電子装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004103886A true JP2004103886A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32264177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002264888A Pending JP2004103886A (ja) | 2002-09-11 | 2002-09-11 | 電子装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004103886A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101432379B1 (ko) * | 2012-11-16 | 2014-08-20 | 삼성전기주식회사 | 냉각 시스템 |
CN106972221A (zh) * | 2017-05-18 | 2017-07-21 | 电子科技大学中山学院 | 一种液冷扁管连接结构 |
JP2021077824A (ja) * | 2019-11-13 | 2021-05-20 | Necプラットフォームズ株式会社 | 冷却システム、電子機器 |
WO2021095569A1 (ja) * | 2019-11-13 | 2021-05-20 | Necプラットフォームズ株式会社 | 冷却システム、電子機器 |
-
2002
- 2002-09-11 JP JP2002264888A patent/JP2004103886A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101432379B1 (ko) * | 2012-11-16 | 2014-08-20 | 삼성전기주식회사 | 냉각 시스템 |
CN106972221A (zh) * | 2017-05-18 | 2017-07-21 | 电子科技大学中山学院 | 一种液冷扁管连接结构 |
CN106972221B (zh) * | 2017-05-18 | 2023-08-04 | 电子科技大学中山学院 | 一种液冷扁管连接结构 |
JP2021077824A (ja) * | 2019-11-13 | 2021-05-20 | Necプラットフォームズ株式会社 | 冷却システム、電子機器 |
WO2021095572A1 (ja) * | 2019-11-13 | 2021-05-20 | Necプラットフォームズ株式会社 | 冷却システム、電子機器 |
WO2021095569A1 (ja) * | 2019-11-13 | 2021-05-20 | Necプラットフォームズ株式会社 | 冷却システム、電子機器 |
JP2021077825A (ja) * | 2019-11-13 | 2021-05-20 | Necプラットフォームズ株式会社 | 冷却システム、電子機器 |
JP7156706B2 (ja) | 2019-11-13 | 2022-10-19 | Necプラットフォームズ株式会社 | 冷却システム、電子機器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TW592027B (en) | Electronic device with liquid cooling system and method of manufacturing thereof | |
JP3725106B2 (ja) | 電子機器 | |
US6639797B2 (en) | Computer having cooling device | |
JP2006261457A (ja) | 受熱体、受熱装置及び電子機器 | |
US20050007730A1 (en) | Electronic apparatus | |
WO2003024177A1 (fr) | Appareil electronique | |
JP3629257B2 (ja) | 電子機器 | |
US20120293952A1 (en) | Heat transfer apparatus | |
JP2002189535A (ja) | 液冷システムおよびこれを用いたパーソナルコンピュータ | |
US7554808B2 (en) | Heat sink with thermoelectric module | |
JP2005229030A (ja) | 液冷システムを備えた電子機器 | |
JP2006053914A (ja) | 電子機器 | |
JPH11202978A (ja) | ノート形コンピュータ | |
JP2004111969A (ja) | 角度付きヒートパイプを備えたヒートシンク | |
TWI221399B (en) | Electronic apparatus | |
JP2004047842A (ja) | 電子機器の冷却装置 | |
JP2007281279A (ja) | 冷却装置及びそれを備えた電子機器 | |
JP2003258472A (ja) | 放熱装置及び情報処理装置 | |
JP2004103886A (ja) | 電子装置 | |
US12096598B2 (en) | Electronic apparatus | |
JP2010133642A (ja) | ラジエータ、冷却ユニット、冷却システム及び電子機器 | |
JPH09293985A (ja) | 電子機器 | |
JPH1195871A (ja) | 電子機器の放熱構造 | |
JP2004193438A (ja) | 電子機器用液冷モジュール | |
JP2003022148A (ja) | ノート型パソコンの液冷システム |