JP2004103789A - フェライト整合タイプ電波吸収体及び電波吸収壁 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で組立てが容易なフェライト整合タイプ電波吸収体及びこの電波吸収体を用いて組み立てた電波吸収壁を提供する。
【解決手段】自己保持性を有する等価抵抗皮膜を中空体に成形した電波吸収体1である。等価抵抗皮膜は、紙、布などのシートの少なくとも1面にカーボンなどの導電材を分散固着させたものであり、中空体の外形は、等価抵抗皮膜の折り曲げ加工による4面体である。電波吸収壁は、2以上の前記電波吸収体1、1、・・・を上下或いは左右に隣接してフェライト焼結体の全面に配列することによって形成される。
【選択図】図5
【解決手段】自己保持性を有する等価抵抗皮膜を中空体に成形した電波吸収体1である。等価抵抗皮膜は、紙、布などのシートの少なくとも1面にカーボンなどの導電材を分散固着させたものであり、中空体の外形は、等価抵抗皮膜の折り曲げ加工による4面体である。電波吸収壁は、2以上の前記電波吸収体1、1、・・・を上下或いは左右に隣接してフェライト焼結体の全面に配列することによって形成される。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波無響室に使用するフェライト整合タイプの電波吸収体及びこの電波吸収体を用いて形成する電波吸収壁に関する。
【0002】
【従来の技術】
電波無響室の中で、いわゆるEMC暗室(利用周波数30MHz〜1,000MHz)では、高透磁率を有するフェライト焼結体板の電波吸収体が利用されている。また、電波無響室特性をより良くする目的、あるいはマイクロ波帯(1,000MHz以上の周帯域)においても電波無響室として利用をする目的で、フェライト焼結体板の前面に整合タイプの電波吸収体を設置する方法が用いられる。
特に大型の電波無響室においては、ほとんど全ての場合この整合タイプの電波吸収体が用いられる。上記目的に使用されるフェライト焼結体板及び整合タイプの電波吸収体は、電波無響室の天井面と壁面に設置されるのが通例である。
【0003】
このような整合タイプ電波吸収体として、従来より発泡ウレタン、発泡エチレン、発泡スチレンなどの合成樹脂にカーボン等を混入した誘電損失体をピラミッド状あるいはクサビ状に成型した形態のものが用いられてきた。
【0004】
また、出願人は、シートにカーボンや金属粉末などの導電材を分散固着させた等価抵抗皮膜を提案した。(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−261182号公報(段落0007、段落0008、図1、図2)。
【0006】
特許文献1は、紙状または布状で厚さ0.01mm〜1.0mmの薄いシートにカーボンや金属微粉末など導電材を分散固着させ適当な面抵抗値を持たせた等価抵抗皮膜において、該導電材の濃度分をシート面方向に規則性を有せずに変化させた等価抵抗皮膜をピラミッド状またはクサビ状などの立体構造物に取り付けた電波吸収体およびこの電波吸収体を複数並べて配置することによって得られる電波吸収壁である。
【0007】
特許文献1の電波吸収体を複数個並べて電波吸収壁を形成する場合に、ピラミッド状あるいはクサビ状の電波吸収体をフェライト焼結体板表面に接着する方法のほか、フェライト焼結体板に貫通穴を設け、ボルト等を用いて電波吸収体を機械的に取り付ける方法が用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、ピラミッド状またはクサビ状などの電波吸収体は、等価抵抗皮膜を貼り付けた硬質発泡ウレタン等の板を用いて組立てたものであり、等価抵抗皮膜を貼り付ける工程、立体構造物に組立てる工程並びに立体構造物をフェライト焼結体板に取り付ける工程を要し、さらに保管および運搬時は広い空間が必要であり、そのために要する費用が高価になるという欠点があった。
【0009】
特に、電波吸収壁を設けるに際し、ピラミッド状あるいはクサビ状の電波吸収体を複数個並べてフェライト焼結体板に取り付ける工程において、接着剤を用いるときには、多量の接着剤が必要となるばかりでなく、不燃性の立体構造物を用いた電波吸収体では重量が大きくなり、安全な接着強度を得るため接着剤が硬化するまでの間、接着した電波吸収体を、支持治具等を用いて養生する必要があった。またフェライト焼結体板に貫通穴を設け、機械的に取り付ける場合は、フェライト焼結体板の穴あけ加工を要し、しかも取付位置決めが難しいという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、軽量で組立てが容易なフェライト整合タイプ電波吸収体及びこの電波吸収体を用いて組み立てた電波吸収壁を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によるフェライト整合タイプ電波吸収体においては、自己保持性を有する等価抵抗皮膜を中空体に成形した電波吸収体であって、
等価抵抗皮膜は、紙、布などのシートの少なくとも1面にカーボンなどの導電材を分散固着させたものであり、中空体の外形は、4面体または正4面体である。
【0012】
また、本発明による電波吸収壁においては、2つ以上の前記電波吸収体を上下或いは左右に隣接してフェライト焼結体の全面に配列することによって形成されたものであり、
各電波吸収体は、天井から垂下させた2本の線材に電波吸収体の4面体の2つの頂点が取り付けられ、両頂点を結ぶ稜線が天井または床面と平行になるように吊下げられているものである。
【0013】
また、各電波吸収体は正4面体からなり、上下左右に配列された電波吸収体は、正面あるいは上面から見て互いに密接して配列されているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について、具体的な例を挙げ、図を参照して説明する。
【0015】
本発明によるフェライト整合タイプの電波吸収体1は、図5に示すように、自己保持性を有する等価抵抗皮膜2を中空体に成形したものである。等価抵抗皮膜2は、紙、布などのシートの少なくとも1面にカーボンなどの導電材を分散固着させたものであり、中空体の外形は、等価抵抗皮膜2の折り曲げによる4面体の立体である。図1は、本発明のフェライト整合タイプ電波吸収体に加工する等価抵抗皮膜2の平面図である。
【0016】
等価抵抗皮膜2は、紙、布例えばケイ酸マグネシウムを主成分とする厚さ0.3mmの不燃性紙シート3に、導電材4としてカーボンをラテックスで固着させたものである。自己保持性は、シート自体が保有していても良いし、導電材の塗布によってシート3に保有させても良い
【0017】
シート1は長方形であり、例えは、その幅Wを734mm、長L1を1690mmの等価抵抗皮膜を用いて正4面体の中空体が得られる。なお、カーボンの固着量は3.0g/m2である。
【0018】
図1の等価抵抗皮膜2は、まず、その両端縁を接合して図2に示す両端開放の円筒体5に成形する。この円筒体5の両端の開口縁をそれぞれA,Bとする。図3において、円筒体5の両開口縁A,Bを互いに90°の角度をずらせて封止し、図5に示すように封止縁A1、B1を有する中空体6に成形する。前記中空体6の4面は、封止縁A1、B1のそれぞれの端を頂点とし、一方の封止縁A1の各一端と、他方の封止縁B1の両端とを相互に結ぶ線を稜線rとするものである。
【0019】
各封止縁A1,B1は、接着されて正4面体の電波吸収体1になるが、円筒体5は、封止縁A1、B1のそれぞれの端を頂点とし、一方の封止縁A1(B1)の各一端と、他方の封止縁B1(A1)の両端とを相互に結ぶ線を稜線rとして折癖を付したままで、例えば図4のように少なくとも一方の封止縁、例えばA1を接着せずに開放された状態のままにしておけば、円筒体5は、図4に示すように2つ折の扁平板6に折り畳むことができ、運搬、保管時にはかさばらない。開放された封止縁(開口縁B)は、施工現場で接着剤を塗布して封止すればよい。なお、前記寸法の等価抵抗皮膜の場合に、折り畳んだ状態で、幅Wは734mm、長さL2は848mmである。
【0020】
折り畳まれた扁平体6は、施工現場で広げ、円筒体の片方の開口部Bを接着して封止縁B1とし、これを図5に示す正4面体をなす中空体に組立てることによって本発明によるフェライト整合タイプ電波吸収体1となる。正四面体の1辺の長さTは848mmである。
【0021】
次に、図5に示す本発明の電波吸収体1と、比較例として、図7に示す本発明の工程途中であって、円筒の直径Dが300mm、長さLが600mm、等価抵抗皮膜のカーボン固着量が2.0g/m2の円筒体1aと、図6に示す従来例のクサビ型電波吸収体1bとをそれぞれフェライト焼結体板の前面に設置し、それぞれについて電波吸収特性を測定した。
【0022】
なお、図6に示す従来例のクサビ型フェライト整合タイプ電波吸収体1bは、本発明の電波吸収体1と同じ等価抵抗皮膜2と、ケイ酸カルシウムボード7との組合せによって作製したクサビ型構造体を使用して作製した。底面寸法W1×W2は30×30cmで高さHは1250mmである。
【0023】
測定に際しては、低周波数領域は図8に示すストリップライン方法を用い、高周波数領域の測定は図9に示すフリースペース方法により実施した。図8において、8は、ストリップライン測定装置、9は、ネットワークアナライザ、Mは、被測定物(1、1a又は1b)である。図9において、10は、送信アンテナ、11は受信アンテナ、12はネットワークアナライザ、Mは、被測定物(1、1a又は1b)である。電波吸収特性の測定要領はストリップライン方法、フリースペース方法ともに同様であり、まず被測定物として金属板を設置し、金属板からの反射の大きさをネットワークアナライザで計測し記録する。次に被測定物を設置し、被測定物からの反射の大きさをネットワークアナライザで計測し、金属板からの反射の大きさと比較計算することによって電波吸収量を求める。ストリップライン方法の場合は、ネットワークアナライザ9から発信された信号はストリップライン測定装置8内で反射し、同一の信号ラインを伝達してネットワークアナライザ9に戻り計測される。フリースペース方法の場合は、ネットワークアナライザ12から発信された信号が送信アンテナ10より自由空間に放射され、被測定物Mで反射した信号は受信アンテナ11で受信されてネットワークアナライザ12に戻り計測される。
【0024】
本発明の電波吸収体1のストリップライン方法による測定時の試料の設置状態を図10に示す。同じく円筒体1aの設置状況を図11に、クサビ型フェライト整合タイプ電波吸収体1bの設置状況を図12に示す。何れの場合にもストリップライン測定装置8内に複数の試料M(1、1a又は1b)を設置した。図10に示した本発明の電波吸収体の設置数量は上下2段で合計4個である。図11に示した円筒体1aの設置数量は上下方向に4段で合計16個であり、図12に示したクサビ型フェライト整合タイプ電波吸収体1bの設置数量は上下段数が1段で合計8個である。フリースペース方法による測定時の試料M(1、1a又は1b)の設置状態は、ストリップライン方法の場合と同様であるが、測定面積は600×600mmで、用いる試料の数は1/2である。
【0025】
測定結果を図13及び図14に示す。図13において、M1は、本発明の電波吸収体1をフェライト焼結体板13の前面に直接設置したもの、M3は、従来例のクサビ型電波吸収体1bをフェライト焼結体板13の前面に直接設置したもの、Eは、フェライト焼結体板単体の吸収特性を示す。
【0026】
図14において、M1は、本発明の電波吸収体1をフェライト焼結体板13の前面に直接設置したもの、M4は、本発明の電波吸収体1をフェライト焼結板13の前面に厚さ30cmの発泡ウレタンフォームを介して設置したもの(即ちフェライト前面から30cm離して設置したもの)、M2は、比較例として図7に示す本発明の電波吸収体(1)の組立て途中である円筒体1aをフェライト焼結板13の前面に直接設置したものである。
【0027】
その吸収特性値を表1に示す。
【表1】
(単位:dB)
【0028】
図15において、本発明による電波吸収壁においては、2つ以上の前記電波吸収体1、1、・・・を上下或いは左右に隣接してフェライト焼結体の全面に配列することによって形成されるものである。各電波吸収体1は、天井から垂下させた2本の線材(ケブラーワイヤー14)に電波吸収体1の4面体の2つの頂点が取り付けられ、両頂点を結ぶ稜線rが天井または床面と平行になるように吊下げられる。
【0029】
特に各電波吸収体が正4面体の時には、上下左右に配列された電波吸収体は、正面あるいは上面から見て互いに密接して配列される。電波吸収壁を構成するためにまず、取付施工用としてケブラーワイヤー14で作製した輪15を正四面体型電波吸収体の二つの頂点に取り付けた。
【0030】
一方、ケブラーワイヤー14の端部を天井に取付け下方に垂らし、このケブラーワイヤー14に電波吸収体取り付け用のプラスチックフック16を取り付けた。
電波吸収体1が、幅Wが34mm、長さL1が1690mmの等価抵抗皮膜を用いて成形された正4面体の中空体の場合に、天井に取り付けた複数のケブラーワイヤー14の間隔は、600mm、ケブラーワイヤーに取り付けたプラスチックフックの間隔は1200mmとした。ケブラーワイヤーの長さは天井面施工用を1.5m、壁面施工用を7.0mとした。プラスチックフック16は取付位置が調節出来るものを用いた。
【0031】
図16は、本発明による正四面体の電波吸収体1をケブラーワイヤー14に取り付けて上下4段に配列する要領を示している。図17は、その要領で天井面のフェライト焼結体板13に沿って本発明による正四面体型電波吸収体1、1,1・・・を上下2段に配置した状態を示す。この例では、天井面から200mm離して一段目の電波吸収体1を取付け、その下段にもう1列電波吸収体1を取付けた。従って天井面から1400mm下まで電波吸収体を配置されている。
【0032】
また、壁面の前面に設置されたフェライト焼結体板13に沿って本発明による正四面体の電波吸収体を配置した例を図18に示す。この例においては、壁面から50mm離して1列目の電波吸収体を取付け、その前にもう1列電波吸収体を取付けた。2列の電波吸収体によって、壁面の1250mm前方まで電波吸収体が配置される。
【0033】
図19は、本発明の電波吸収壁を正面から見たときの状態図である。天井面であっても、壁面であっても正四面体の電波吸収体を用いるかぎり、図示のように隣接する電波吸収体が互いに密接して縦横、或いは左右に密接して隙間なく配列される。電波吸収体が互いに密接して隙間なく配列されることは、電波吸収性能を上げる上に好ましいが、本発明による電波吸収壁は必ずしも電波吸収体が互いに密接して隙間なく配列される場合にかぎらない。即ち、正4面体の電波吸収体を用いる場合に限らず、4面体の電波吸収体を用いて所期の電波吸収性能が得られる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による正四面体形態のフェライト整合タイプ電波収体は、電波吸収性能を具現する等価抵抗皮膜シートのみで電波吸収体を構成し、その電波吸収性能は、従来例のクサビ型のものと比較しても遜色のない性能が得られる。また、使用する材料は、電波吸収特性を具現する抵抗皮膜シートと少量の接着剤のみで、それを支える構造物を必要としないため、材料費が節約でき、かつ軽量で組立費も安く出来る。かつ折り畳む事によって体積を非常に小さく出来るため保管費、運搬費を廉価にできる利点を有する。
【0035】
また、本発明による電波吸収体は、箱状の中空構造体となるので、厚さの薄いシートで構成されているものの、充分な強度が得られ、天井から吊すのみなので、接着施工する場合のように多量の接着剤を必要とせず、また養生の必要性もなく、施工足場も簡便となる。
【0036】
また、本発明によるときには、電波吸収体の天井からの吊す位置即ち電波吸収体のフェライト面からの距離を調節することによって、電波吸収の周波数特性を調整することができ、顧客の使用する主要の周波数帯域の特性を良くするような調整が可能である。更に吊り下げる電波吸収体の列数を増す事によって、電波無響室の性能を向上させるように調整する事が可能である。
【0037】
さらに、電波吸収体を縦横、あるいは左右に整列させて形成した電波吸収壁においては、何らかの原因でいくつかの電波吸収体が破損し、電波無響室の外観、性能が劣化した場合、簡単に新しい電波吸収体と交換する事が可能なので、メンテナンス性に優れる。特に正4面体の電波吸収体を用いたときいは、天井或いは壁面に隙間なく配列でき、電波吸収性能を高め、優れた意匠性が得られる。
【0038】
また、本発明において、フェライト焼結体板電波吸収体の前面に、ある高さで、ある確率で抵抗皮膜が存在すれば、整合タイプの電波吸収体になるという予測から類推すれば、正四面体型以外に円筒形でもサイコロ型でも紙ふうせん型でも同様の効果が予想されるが、面の数が増加することと、組み立てコストがアップすることと、強度が低下するという点から、考えると正四面体型が適切であろうと思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の基材である等価抵抗皮膜を示す図である。
【図2】本発明の電波吸収体の工程途中成形体で、等価抵抗皮膜シートを円筒状にしたものである。
【図3】本発明の電波吸収体の工程途中成形体で、図2の円筒状シートの両端を閉じて正四面体状になるように折り目をつけた扁平体である。
【図4】(a)は本発明の電波吸収体の保管、輸送時の形態で、図3成形体を折り畳んだ状態の平面図、(b)は同側面図である。
【図5】本発明の電波吸収体の1実施形態を示す図である。
【図6】(a)は従来例の、等価抵抗皮膜シートとクサビ型立体構造体を用いた電波吸収体の正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図7】本発明の電波吸収体の工程途中成形体で、等価抵抗皮膜シートを円筒状にしたもので、吸収特性評価に用いたものである
【図8】低周波数領域の電波吸収特性評価を行ったストリップライン測定方法の概略図である。
【図9】高周波数領域の電波吸収特性評価を行ったフリースペース測定方法の概略図である。
【図10】本発明の電波吸収体のストリップライン測定方法における試料設置状態図である。
【図11】本発明の電波吸収体の工程途中成形体で、等価抵抗皮膜シートを円筒状にしたもののストリップライン測定方法における試料設置状態図である。
【図12】従来例の等価抵抗皮膜シートとクサビ型立体構造体を用いた電波吸収体のストリップライン測定方法における試料設置状態図である。
【図13】本発明、従来例およびフェライトタイル電波吸収体単体の吸収性能の周波数特性である。
【図14】本発明に関わるものの吸収性能の周波数特性である。
【図15】本発明の電波吸収壁を構成するために、本発明電波吸収体一つを線材に取りけたときの状態図である。
【図16】本発明の電波吸収壁を構成するために、本発明電波吸収体複数個を線材に取り付けたときの状態図である
【図17】本発明の電波吸収壁を電波無響室天井面に構成したときの状態図である。
【図18】本発明の電波吸収壁を電波無響室壁面に構成したときの状態図である。
【図19】本発明の電波吸収壁を正面から見たときの状態図である。
【符号の説明】
1 電波吸収体
2 等価抵抗皮膜
3 シート
4 導電材
5 円筒体
6 扁平体
7 ケイ酸カルシウムボード
8 ストリップライン
9 ネットワークアナライザ
10 送信アンテナ
11 受信アンテナ
12 ネットワークアナライザ
13 フェライト焼結体板
14 ケブラーワイヤー
15 輪
16 フック
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波無響室に使用するフェライト整合タイプの電波吸収体及びこの電波吸収体を用いて形成する電波吸収壁に関する。
【0002】
【従来の技術】
電波無響室の中で、いわゆるEMC暗室(利用周波数30MHz〜1,000MHz)では、高透磁率を有するフェライト焼結体板の電波吸収体が利用されている。また、電波無響室特性をより良くする目的、あるいはマイクロ波帯(1,000MHz以上の周帯域)においても電波無響室として利用をする目的で、フェライト焼結体板の前面に整合タイプの電波吸収体を設置する方法が用いられる。
特に大型の電波無響室においては、ほとんど全ての場合この整合タイプの電波吸収体が用いられる。上記目的に使用されるフェライト焼結体板及び整合タイプの電波吸収体は、電波無響室の天井面と壁面に設置されるのが通例である。
【0003】
このような整合タイプ電波吸収体として、従来より発泡ウレタン、発泡エチレン、発泡スチレンなどの合成樹脂にカーボン等を混入した誘電損失体をピラミッド状あるいはクサビ状に成型した形態のものが用いられてきた。
【0004】
また、出願人は、シートにカーボンや金属粉末などの導電材を分散固着させた等価抵抗皮膜を提案した。(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−261182号公報(段落0007、段落0008、図1、図2)。
【0006】
特許文献1は、紙状または布状で厚さ0.01mm〜1.0mmの薄いシートにカーボンや金属微粉末など導電材を分散固着させ適当な面抵抗値を持たせた等価抵抗皮膜において、該導電材の濃度分をシート面方向に規則性を有せずに変化させた等価抵抗皮膜をピラミッド状またはクサビ状などの立体構造物に取り付けた電波吸収体およびこの電波吸収体を複数並べて配置することによって得られる電波吸収壁である。
【0007】
特許文献1の電波吸収体を複数個並べて電波吸収壁を形成する場合に、ピラミッド状あるいはクサビ状の電波吸収体をフェライト焼結体板表面に接着する方法のほか、フェライト焼結体板に貫通穴を設け、ボルト等を用いて電波吸収体を機械的に取り付ける方法が用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、ピラミッド状またはクサビ状などの電波吸収体は、等価抵抗皮膜を貼り付けた硬質発泡ウレタン等の板を用いて組立てたものであり、等価抵抗皮膜を貼り付ける工程、立体構造物に組立てる工程並びに立体構造物をフェライト焼結体板に取り付ける工程を要し、さらに保管および運搬時は広い空間が必要であり、そのために要する費用が高価になるという欠点があった。
【0009】
特に、電波吸収壁を設けるに際し、ピラミッド状あるいはクサビ状の電波吸収体を複数個並べてフェライト焼結体板に取り付ける工程において、接着剤を用いるときには、多量の接着剤が必要となるばかりでなく、不燃性の立体構造物を用いた電波吸収体では重量が大きくなり、安全な接着強度を得るため接着剤が硬化するまでの間、接着した電波吸収体を、支持治具等を用いて養生する必要があった。またフェライト焼結体板に貫通穴を設け、機械的に取り付ける場合は、フェライト焼結体板の穴あけ加工を要し、しかも取付位置決めが難しいという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、軽量で組立てが容易なフェライト整合タイプ電波吸収体及びこの電波吸収体を用いて組み立てた電波吸収壁を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によるフェライト整合タイプ電波吸収体においては、自己保持性を有する等価抵抗皮膜を中空体に成形した電波吸収体であって、
等価抵抗皮膜は、紙、布などのシートの少なくとも1面にカーボンなどの導電材を分散固着させたものであり、中空体の外形は、4面体または正4面体である。
【0012】
また、本発明による電波吸収壁においては、2つ以上の前記電波吸収体を上下或いは左右に隣接してフェライト焼結体の全面に配列することによって形成されたものであり、
各電波吸収体は、天井から垂下させた2本の線材に電波吸収体の4面体の2つの頂点が取り付けられ、両頂点を結ぶ稜線が天井または床面と平行になるように吊下げられているものである。
【0013】
また、各電波吸収体は正4面体からなり、上下左右に配列された電波吸収体は、正面あるいは上面から見て互いに密接して配列されているものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について、具体的な例を挙げ、図を参照して説明する。
【0015】
本発明によるフェライト整合タイプの電波吸収体1は、図5に示すように、自己保持性を有する等価抵抗皮膜2を中空体に成形したものである。等価抵抗皮膜2は、紙、布などのシートの少なくとも1面にカーボンなどの導電材を分散固着させたものであり、中空体の外形は、等価抵抗皮膜2の折り曲げによる4面体の立体である。図1は、本発明のフェライト整合タイプ電波吸収体に加工する等価抵抗皮膜2の平面図である。
【0016】
等価抵抗皮膜2は、紙、布例えばケイ酸マグネシウムを主成分とする厚さ0.3mmの不燃性紙シート3に、導電材4としてカーボンをラテックスで固着させたものである。自己保持性は、シート自体が保有していても良いし、導電材の塗布によってシート3に保有させても良い
【0017】
シート1は長方形であり、例えは、その幅Wを734mm、長L1を1690mmの等価抵抗皮膜を用いて正4面体の中空体が得られる。なお、カーボンの固着量は3.0g/m2である。
【0018】
図1の等価抵抗皮膜2は、まず、その両端縁を接合して図2に示す両端開放の円筒体5に成形する。この円筒体5の両端の開口縁をそれぞれA,Bとする。図3において、円筒体5の両開口縁A,Bを互いに90°の角度をずらせて封止し、図5に示すように封止縁A1、B1を有する中空体6に成形する。前記中空体6の4面は、封止縁A1、B1のそれぞれの端を頂点とし、一方の封止縁A1の各一端と、他方の封止縁B1の両端とを相互に結ぶ線を稜線rとするものである。
【0019】
各封止縁A1,B1は、接着されて正4面体の電波吸収体1になるが、円筒体5は、封止縁A1、B1のそれぞれの端を頂点とし、一方の封止縁A1(B1)の各一端と、他方の封止縁B1(A1)の両端とを相互に結ぶ線を稜線rとして折癖を付したままで、例えば図4のように少なくとも一方の封止縁、例えばA1を接着せずに開放された状態のままにしておけば、円筒体5は、図4に示すように2つ折の扁平板6に折り畳むことができ、運搬、保管時にはかさばらない。開放された封止縁(開口縁B)は、施工現場で接着剤を塗布して封止すればよい。なお、前記寸法の等価抵抗皮膜の場合に、折り畳んだ状態で、幅Wは734mm、長さL2は848mmである。
【0020】
折り畳まれた扁平体6は、施工現場で広げ、円筒体の片方の開口部Bを接着して封止縁B1とし、これを図5に示す正4面体をなす中空体に組立てることによって本発明によるフェライト整合タイプ電波吸収体1となる。正四面体の1辺の長さTは848mmである。
【0021】
次に、図5に示す本発明の電波吸収体1と、比較例として、図7に示す本発明の工程途中であって、円筒の直径Dが300mm、長さLが600mm、等価抵抗皮膜のカーボン固着量が2.0g/m2の円筒体1aと、図6に示す従来例のクサビ型電波吸収体1bとをそれぞれフェライト焼結体板の前面に設置し、それぞれについて電波吸収特性を測定した。
【0022】
なお、図6に示す従来例のクサビ型フェライト整合タイプ電波吸収体1bは、本発明の電波吸収体1と同じ等価抵抗皮膜2と、ケイ酸カルシウムボード7との組合せによって作製したクサビ型構造体を使用して作製した。底面寸法W1×W2は30×30cmで高さHは1250mmである。
【0023】
測定に際しては、低周波数領域は図8に示すストリップライン方法を用い、高周波数領域の測定は図9に示すフリースペース方法により実施した。図8において、8は、ストリップライン測定装置、9は、ネットワークアナライザ、Mは、被測定物(1、1a又は1b)である。図9において、10は、送信アンテナ、11は受信アンテナ、12はネットワークアナライザ、Mは、被測定物(1、1a又は1b)である。電波吸収特性の測定要領はストリップライン方法、フリースペース方法ともに同様であり、まず被測定物として金属板を設置し、金属板からの反射の大きさをネットワークアナライザで計測し記録する。次に被測定物を設置し、被測定物からの反射の大きさをネットワークアナライザで計測し、金属板からの反射の大きさと比較計算することによって電波吸収量を求める。ストリップライン方法の場合は、ネットワークアナライザ9から発信された信号はストリップライン測定装置8内で反射し、同一の信号ラインを伝達してネットワークアナライザ9に戻り計測される。フリースペース方法の場合は、ネットワークアナライザ12から発信された信号が送信アンテナ10より自由空間に放射され、被測定物Mで反射した信号は受信アンテナ11で受信されてネットワークアナライザ12に戻り計測される。
【0024】
本発明の電波吸収体1のストリップライン方法による測定時の試料の設置状態を図10に示す。同じく円筒体1aの設置状況を図11に、クサビ型フェライト整合タイプ電波吸収体1bの設置状況を図12に示す。何れの場合にもストリップライン測定装置8内に複数の試料M(1、1a又は1b)を設置した。図10に示した本発明の電波吸収体の設置数量は上下2段で合計4個である。図11に示した円筒体1aの設置数量は上下方向に4段で合計16個であり、図12に示したクサビ型フェライト整合タイプ電波吸収体1bの設置数量は上下段数が1段で合計8個である。フリースペース方法による測定時の試料M(1、1a又は1b)の設置状態は、ストリップライン方法の場合と同様であるが、測定面積は600×600mmで、用いる試料の数は1/2である。
【0025】
測定結果を図13及び図14に示す。図13において、M1は、本発明の電波吸収体1をフェライト焼結体板13の前面に直接設置したもの、M3は、従来例のクサビ型電波吸収体1bをフェライト焼結体板13の前面に直接設置したもの、Eは、フェライト焼結体板単体の吸収特性を示す。
【0026】
図14において、M1は、本発明の電波吸収体1をフェライト焼結体板13の前面に直接設置したもの、M4は、本発明の電波吸収体1をフェライト焼結板13の前面に厚さ30cmの発泡ウレタンフォームを介して設置したもの(即ちフェライト前面から30cm離して設置したもの)、M2は、比較例として図7に示す本発明の電波吸収体(1)の組立て途中である円筒体1aをフェライト焼結板13の前面に直接設置したものである。
【0027】
その吸収特性値を表1に示す。
【表1】
(単位:dB)
【0028】
図15において、本発明による電波吸収壁においては、2つ以上の前記電波吸収体1、1、・・・を上下或いは左右に隣接してフェライト焼結体の全面に配列することによって形成されるものである。各電波吸収体1は、天井から垂下させた2本の線材(ケブラーワイヤー14)に電波吸収体1の4面体の2つの頂点が取り付けられ、両頂点を結ぶ稜線rが天井または床面と平行になるように吊下げられる。
【0029】
特に各電波吸収体が正4面体の時には、上下左右に配列された電波吸収体は、正面あるいは上面から見て互いに密接して配列される。電波吸収壁を構成するためにまず、取付施工用としてケブラーワイヤー14で作製した輪15を正四面体型電波吸収体の二つの頂点に取り付けた。
【0030】
一方、ケブラーワイヤー14の端部を天井に取付け下方に垂らし、このケブラーワイヤー14に電波吸収体取り付け用のプラスチックフック16を取り付けた。
電波吸収体1が、幅Wが34mm、長さL1が1690mmの等価抵抗皮膜を用いて成形された正4面体の中空体の場合に、天井に取り付けた複数のケブラーワイヤー14の間隔は、600mm、ケブラーワイヤーに取り付けたプラスチックフックの間隔は1200mmとした。ケブラーワイヤーの長さは天井面施工用を1.5m、壁面施工用を7.0mとした。プラスチックフック16は取付位置が調節出来るものを用いた。
【0031】
図16は、本発明による正四面体の電波吸収体1をケブラーワイヤー14に取り付けて上下4段に配列する要領を示している。図17は、その要領で天井面のフェライト焼結体板13に沿って本発明による正四面体型電波吸収体1、1,1・・・を上下2段に配置した状態を示す。この例では、天井面から200mm離して一段目の電波吸収体1を取付け、その下段にもう1列電波吸収体1を取付けた。従って天井面から1400mm下まで電波吸収体を配置されている。
【0032】
また、壁面の前面に設置されたフェライト焼結体板13に沿って本発明による正四面体の電波吸収体を配置した例を図18に示す。この例においては、壁面から50mm離して1列目の電波吸収体を取付け、その前にもう1列電波吸収体を取付けた。2列の電波吸収体によって、壁面の1250mm前方まで電波吸収体が配置される。
【0033】
図19は、本発明の電波吸収壁を正面から見たときの状態図である。天井面であっても、壁面であっても正四面体の電波吸収体を用いるかぎり、図示のように隣接する電波吸収体が互いに密接して縦横、或いは左右に密接して隙間なく配列される。電波吸収体が互いに密接して隙間なく配列されることは、電波吸収性能を上げる上に好ましいが、本発明による電波吸収壁は必ずしも電波吸収体が互いに密接して隙間なく配列される場合にかぎらない。即ち、正4面体の電波吸収体を用いる場合に限らず、4面体の電波吸収体を用いて所期の電波吸収性能が得られる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による正四面体形態のフェライト整合タイプ電波収体は、電波吸収性能を具現する等価抵抗皮膜シートのみで電波吸収体を構成し、その電波吸収性能は、従来例のクサビ型のものと比較しても遜色のない性能が得られる。また、使用する材料は、電波吸収特性を具現する抵抗皮膜シートと少量の接着剤のみで、それを支える構造物を必要としないため、材料費が節約でき、かつ軽量で組立費も安く出来る。かつ折り畳む事によって体積を非常に小さく出来るため保管費、運搬費を廉価にできる利点を有する。
【0035】
また、本発明による電波吸収体は、箱状の中空構造体となるので、厚さの薄いシートで構成されているものの、充分な強度が得られ、天井から吊すのみなので、接着施工する場合のように多量の接着剤を必要とせず、また養生の必要性もなく、施工足場も簡便となる。
【0036】
また、本発明によるときには、電波吸収体の天井からの吊す位置即ち電波吸収体のフェライト面からの距離を調節することによって、電波吸収の周波数特性を調整することができ、顧客の使用する主要の周波数帯域の特性を良くするような調整が可能である。更に吊り下げる電波吸収体の列数を増す事によって、電波無響室の性能を向上させるように調整する事が可能である。
【0037】
さらに、電波吸収体を縦横、あるいは左右に整列させて形成した電波吸収壁においては、何らかの原因でいくつかの電波吸収体が破損し、電波無響室の外観、性能が劣化した場合、簡単に新しい電波吸収体と交換する事が可能なので、メンテナンス性に優れる。特に正4面体の電波吸収体を用いたときいは、天井或いは壁面に隙間なく配列でき、電波吸収性能を高め、優れた意匠性が得られる。
【0038】
また、本発明において、フェライト焼結体板電波吸収体の前面に、ある高さで、ある確率で抵抗皮膜が存在すれば、整合タイプの電波吸収体になるという予測から類推すれば、正四面体型以外に円筒形でもサイコロ型でも紙ふうせん型でも同様の効果が予想されるが、面の数が増加することと、組み立てコストがアップすることと、強度が低下するという点から、考えると正四面体型が適切であろうと思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の基材である等価抵抗皮膜を示す図である。
【図2】本発明の電波吸収体の工程途中成形体で、等価抵抗皮膜シートを円筒状にしたものである。
【図3】本発明の電波吸収体の工程途中成形体で、図2の円筒状シートの両端を閉じて正四面体状になるように折り目をつけた扁平体である。
【図4】(a)は本発明の電波吸収体の保管、輸送時の形態で、図3成形体を折り畳んだ状態の平面図、(b)は同側面図である。
【図5】本発明の電波吸収体の1実施形態を示す図である。
【図6】(a)は従来例の、等価抵抗皮膜シートとクサビ型立体構造体を用いた電波吸収体の正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図7】本発明の電波吸収体の工程途中成形体で、等価抵抗皮膜シートを円筒状にしたもので、吸収特性評価に用いたものである
【図8】低周波数領域の電波吸収特性評価を行ったストリップライン測定方法の概略図である。
【図9】高周波数領域の電波吸収特性評価を行ったフリースペース測定方法の概略図である。
【図10】本発明の電波吸収体のストリップライン測定方法における試料設置状態図である。
【図11】本発明の電波吸収体の工程途中成形体で、等価抵抗皮膜シートを円筒状にしたもののストリップライン測定方法における試料設置状態図である。
【図12】従来例の等価抵抗皮膜シートとクサビ型立体構造体を用いた電波吸収体のストリップライン測定方法における試料設置状態図である。
【図13】本発明、従来例およびフェライトタイル電波吸収体単体の吸収性能の周波数特性である。
【図14】本発明に関わるものの吸収性能の周波数特性である。
【図15】本発明の電波吸収壁を構成するために、本発明電波吸収体一つを線材に取りけたときの状態図である。
【図16】本発明の電波吸収壁を構成するために、本発明電波吸収体複数個を線材に取り付けたときの状態図である
【図17】本発明の電波吸収壁を電波無響室天井面に構成したときの状態図である。
【図18】本発明の電波吸収壁を電波無響室壁面に構成したときの状態図である。
【図19】本発明の電波吸収壁を正面から見たときの状態図である。
【符号の説明】
1 電波吸収体
2 等価抵抗皮膜
3 シート
4 導電材
5 円筒体
6 扁平体
7 ケイ酸カルシウムボード
8 ストリップライン
9 ネットワークアナライザ
10 送信アンテナ
11 受信アンテナ
12 ネットワークアナライザ
13 フェライト焼結体板
14 ケブラーワイヤー
15 輪
16 フック
Claims (3)
- 自己保持性を有する等価抵抗皮膜を中空体に成形した電波吸収体であって、
等価抵抗皮膜は、紙、布などのシートの少なくとも1面にカーボンなどの導電材を分散固着させたものであり、
中空体の外形は、4面体または正4面体であることを特徴とする電波吸収体。 - 請求項1に記載された電波吸収体を2つ以上、上下或いは左右に隣接してフェライト焼結体の全面に配列することによって形成された電波吸収壁であって、
各電波吸収体は、天井から垂下させた2本の線材に電波吸収体の4面体の2つの頂点が取り付けられ、両頂点を結ぶ稜線が天井または床面と平行になるように吊下げられていることを特徴とする電波吸収壁。 - 各電波吸収体は正4面体からなり、上下左右に配列された電波吸収体は、正面あるいは上面から見て互いに密接して配列されていることを特徴とする請求項2に記載の電波吸収壁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002262942A JP2004103789A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | フェライト整合タイプ電波吸収体及び電波吸収壁 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002262942A JP2004103789A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | フェライト整合タイプ電波吸収体及び電波吸収壁 |
Publications (1)
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ID=32262838
Family Applications (1)
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JP2002262942A Pending JP2004103789A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | フェライト整合タイプ電波吸収体及び電波吸収壁 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007067395A (ja) * | 2005-08-05 | 2007-03-15 | Tdk Corp | 電波吸収体及びその製造方法、並びに電波暗室 |
-
2002
- 2002-09-09 JP JP2002262942A patent/JP2004103789A/ja active Pending
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