JP2004103553A - 電子管の埋め込み陰極用の陰極放射体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】陰極放射体は、厚みが小さく、利用可能な電子放射材料の量を制限し、そのために陰極の寿命を制限し、さらに、寿命はバリウムの蒸発率に依存し、陰極の反対側の冷却時に陰極の制御を損ない、陰極放射表面はイオン衝撃を受け、放射分布が不均一になる。これらを防止し、陰極の制御やその寿命を安価な方法で向上させる。
【解決手段】体部は、電子放射材料を埋め込んだ多孔性マトリックスを形成したおり、その粗さ(roughness)が0.2μm以内である外面(11、12、13)で定義される。 このような表面処理により、このような陰極放射体が提供した陰極の制御ならびに寿命は本質的に向上した。
【選択図】 図2
【解決手段】体部は、電子放射材料を埋め込んだ多孔性マトリックスを形成したおり、その粗さ(roughness)が0.2μm以内である外面(11、12、13)で定義される。 このような表面処理により、このような陰極放射体が提供した陰極の制御ならびに寿命は本質的に向上した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子銃用の「埋め込み」型陰極に関する。この陰極は、クライストロンやジャイロストロンなどの電子管が使用され、特に、画像表示用の陰極線管が使用されている。
【0002】
図2を参照すると、電子銃用の「埋め込み」型の陰極は、下記のもので構成されている:
―熱誘導性の電子放射を行う陰極部分であって、電子放射材料を埋め込んだ多孔性マトリックスで構成される多孔性の陰極放射体1;
―前記放射体1が挿入された中にある金属皿2
―金属スリーブ3、これは好ましくは、モリブデン、タンタル、又はタングステンなどの耐熱金属を用い、前記皿2の位置に接しており;このスリーブは一般に「陰極スカート(cathode skirt)」と呼ばれている;及び
―前記スリーブの内部に、皿2に接した地点から伸びた加熱フィラメント4を持ち、前記放射体1を、減圧下、周辺温度を1000度近くまで加熱するのに適する特徴を持っている。
【0003】
前記皿に接している面の反対側にある多孔性陰極放射体の表面は、陰極放射表面を形成している。
【0004】
このような埋め込まれた陰極は、以下の用途にて、電子供給源として使用されている。つまり、モニター型の画像表示用陰極線管、受像管(television tube)、高解像型管(HDTV、CDT、CRT)、カイロストロン型マイクロ波電子管、ジャイロストロン型、若しくは、レーザーやマグネトロンレーダー、増幅器、電源供給器、イオン発生器や衛星用推進装置などの他の型の電子管、などである。
【0005】
【従来の技術】
ヨーロッパ特許0,890,972(松下)が述べているのは、埋込型陰極の陰極放射体が、その中心部や底面部よりも放射表面近傍において低い間隙率を持つ、という内容である。
【0006】
その他の目的として、つまり、イオンの衝撃に対して埋込型陰極の持つ耐性を増加させるという目的で、ヨーロッパ特許0,831,512(東芝)が提供するのは、前記とは反対に、その中心部や底面部よりも、放射表面近くで高い間隙率を持つ、という文献である。
【0007】
さらに、日本国特許60−017831及び05−114352は、埋込型陰極用の陰極放射体の製造方法を述べている。これらは、電子放射材料を充填後、これら体部の放射表面を、特に研磨などの方法で磨くというステップで構成されている。この目的は、本質的に、この放射表面を磨き、表面から埋め込んだ材料の粒子を取り除くことである。このようにして得られた陰極放射体は、0.2乃至3.2μmという低い粗さ(roughness)のみを持ち、陰極放射体の中心部の持つ間隙率に対して、放射体表面直下の表面層の間隙を示さない。
【0008】
日本国特許06−103885(東芝)が示すのは、その粗さを減じるために、放射表面を研磨することにより、陰極制御中に起こる電子放射材料の蒸発を制限し、制御や寿命を向上できるということである。
【0009】
アメリカ国特許5,990,608が推奨するのは、表面の透過率を向上するためには、放射表面の粗さを10μm以下にすることである(当該特許図12参照)。
【0010】
放射表面にて放射材料を一枚のフィルムに形成させるより簡単な方法として、ヨーロッパ特許1,063,688が示すのは、表面の研磨によって、この粗さが3μmと同等かそれ以下、又はさらに1μmにできた、ということである。
【0011】
最後に、イギリス国特許1,522,387が示すのは、放射表面上に形成したフィルム上のバリウムを取り除くための研磨方法についてである。
【0012】
本発明の目的は、さらに、埋込型陰極の制御やその寿命を、特に安価な方法で向上させることである。
【0013】
【特許文献1】
ヨーロッパ特許0,890,972
【特許文献2】
ヨーロッパ特許0,831,512
【特許文献3】
日本国特許60−017831
【特許文献4】
日本国特許05−114352
【特許文献5】
日本国特許06−103885
【特許文献6】
アメリカ国特許5,990,608
【特許文献7】
ヨーロッパ特許1,063,688
【特許文献8】
イギリス国特許1,522,387
【非特許文献1】
フランス国標準法AFNOR E05.015/017/052
【発明が解決しようとする課題】
表示用陰極線管用の、埋込型陰極の陰極放射体は、小さな厚さを持ち、利用可能な電子放射材料の量を制限しており、陰極の寿命をも制限している;これまで構築されてきたのは、埋込型陰極の寿命特性は、電子放射材料、一般にバリウム、の主要成分の蒸発率に依存するということであり、さらに、蒸発したバリウムは、管の他の部分で再凝結する。冷却により、特に陰極の反対側で起こり、そこから、寄生的に電子が放射し、本管の制御を損ない、さらに、陰極の放射表面は、イオンの衝撃により制御時間が悪化するかもれない。また、表面の陰極放射分布が不均一になる。
【0014】
引用したいくつかの文献が示すのは、陰極放射体の放射表面(粗さ)、及び/又は、この表面直下の層(間隙率)に関してしてのみの形態学的改変が、埋込型陰極の制御やその寿命を向上させるということである。
【0015】
本発明の目的は、さらに、埋込型陰極の制御やその寿命を、特に安価な方法で向上させることである。
【課題を解決するための手段】
この目的のために、本発明の主題は、電子管に埋め込まれた陰極に使用する陰極放射体であり、電子放射材料が埋め込まれた多孔性マトリックスからなり、放射表面で構成される外面で定義され、その内部に、粗さが0.2μm以下の側面を含む前記外面を有することを特徴とするものである。
【0016】
本発明の実質的な特徴によれば、従前の既存記述とは反して、0.2μm以下の粗さを持たせるために放射表面を磨く、ということのみならず、少なくとも陰極放射体の側面;好ましくは放射体のすべての外面を研磨により表面処理するということである。
【0017】
面の粗さの測定は、従来法により行った。これは、これら面を垂直方向に側面計(profilometer)にて測定する方法である。測定で得られたプロファイルは、参照線(reference line;フランス国標準法AFNOR E05.015/017/052参照)の相対的な深さに対する分布として表現されるだろう。参照線(Ox)は本プロファイルの一般方向と平行にとられた直線であり、その上方点を通っており;鉛直上(Ox)の縦軸(ordinate axis; Oz)にプロットした点は、プロファイルを測定した深さである;この参照線Oxからくる粗さプロファイルの偏差は、は、正確な統計学的分散を持つ可変値として扱う;プロファイルに関するミーンライン(meanline)の位置はこのように計算され;このミーンラインに対する相対的な深さに関する算出された平均分散は、所望の粗さ値Raと一致する。
【0018】
本陰極放射体のすべての表面上の粗さ値Raは0.2μm以下であるので、電子管にあるこのような陰極放射体で供給される埋め込み方陰極のもつ制御及び寿命は、特に画像表示用陰極線管として、先行技術に比べ格段に向上している;いかなる最終的な解説を制限することもないが、この種の陰極型の制御の間における電子放射材料、特にバリウム、の蒸発が起こったのは、放射表面だけでなく陰極放射体のすべての外表面で起こったようである;先行技術では、電子放射材料の蒸発を制限するために、陰極放射体の放射表面のみ行われたが、(本発明では)他の面を介したこの材料の「漏洩」は阻止しなかった;本発明が提案したのは、いかなる「漏洩」も制限し、陰極放射体のすべての外面を処理し、その結果、放射表面のみならず、陰極放射体の側面をも電子管を大気に対し暴露される。
【0019】
この目的のために、発見されてきたのは、0.2μm以下の粗さを得る適当な表面処理方法は、本質的に、陰極の制御や寿命を著しく亢進させ;無処理の陰極に比較して、寿命に関する増加率は、約2倍になった。
【0020】
好ましくは、陰極放射体で定義される前記外面は、0.1μmと同等若しくは以下である。
【0021】
これと同等の低さを持つ粗さは、陰極放射体の埋め込み後、好ましくは、擦り切るなる方法、より特に研磨により得られる。この擦り切り処理は、高品質の擦り切り若しくは研磨用の粒(grit)を乾燥条件下、陰極放射体のすべての表面上に対し噴霧する方法により行われるかもしれないし、前記粒の懸濁液を湿潤条件下噴霧することにより行われるかもしれない;高品質の擦り切り若しくは研磨用の粒(grit)若しくはこの懸濁液を充填した研磨用布(polishing felt)に対し、これら面を摩擦する方法により行われるかもしれない;グライド用ディスクを用いたグライディングにより行われるかもしれない。
【0022】
好ましくは、大規模な擦り切り又は研磨技術が使われる;このような技術において、電子放射材料を埋め込んだ陰極放射体の一束が、ロータリーシャフト上に置かれた容器の中に置かれ、高品質の擦り切りまたは研磨用粒若しくはその懸濁液とともに置かれ、容器が、所望の粗さを得るための最適時間の間、回転される;このような方法の利点は、陰極放射体の持つすべての面に対し低い粗さが、直接かつ非常に安価に、得られる点である。
【0023】
好ましくは、マトリックスの孔の面積比、つまり、陰極放射体の外表面の全面積に対する間隙部の面積は、前記マトリックスの中心部に対する平均容量間隙率の半分であることである。
【0024】
このように、もし陰極放射体の平均容量間隙率が、埋め込み後、18%程度であるとすると、この放射体のもつ空隙の面積比、つまり、これら外面の全面積に対する外面が開いている面積は、例えば、9%以下である;容量間隙率は、埋め込み前の陰極放射体の持つ密度/容量率にて計算するという典型的な方法により測定する;空隙に関する面積は、陰極放射体の持つ様々な外表面に表現されるいくつかの画像を自動分析にて測定した。
【0025】
この条件が意味するのは、間隙表面がその深さに見合った間隙率よりも小さく、先行技術にあるような非放射表面上のみならず、陰極放射体のすべての外表面に対しても、ということである。
【0026】
実際には、擦り切りや研磨による表面処理は様々な面の粗さを軽減するだけでなく、これら表面に開放している空隙を部分的に近づけるという効果も有する。これにより、表面間隙率の減少をもたらす;これは、特に、化学―機械的研磨制御の場合である;陰極放射体のすべての表面にある空隙の部分的な接近は、電子放射材料、特にバリウムの蒸発による損失をさらに制限することを可能にしている。
【0027】
好ましくは、マトリックスに関する間隙の面積比率、つまり、これら外表面の総面積に対する陰極放射体の外表面の開放部分の比率は、4乃至9%程度であることである。
【0028】
陰極放射体中にあるマトリックスの中心付近での平均容量間隙率は、16乃至22%が好ましい;これが、埋め込み前の陰極放射体の間隙率である。
【0029】
好ましくは、マトリックスの空隙は、タングステンを基礎とすることであり、このタングステンの含量は、50重量百分率と同等かそれ以上であり、電子放射材料はバリウムを基礎とすることであり、その含量は50モル百分率であることである。空隙マトリックスは、タングステンーモリブデン混合物であるかもしれない。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の主題は、電子銃用の「埋め込み」型陰極をも含み、以下で構成されている;
―金属皿
―前記皿の一端に接した金属スリーブ
―前記スリーブ内部に加熱用フィラメント
この陰極は、本発明に従った陰極放射体で構成されており、前記金属皿の中に挿入されている。
【0031】
本発明の主題は、少なくとも本発明に従った一つの陰極を含む電子銃にもある;「着色」陰極線管の陰極三原色(three−color)銃なる典型的な場合、電子銃は三本の陰極を持ち、それぞれ一つの原色である。
【0032】
好ましくは、この銃のそれぞれの陰極は、対極(counterelectrode)G1は、前記陰極放射体の放射表面に面するよう配置され、前記表面の中央部付近に一つの穴(hole)を与えられ、前記穴周辺に面した放射表面の周辺領域の幅は、最小値Lminで200μmと同等かあるいはそれ以下である。
【0033】
本発明の主題は、本発明に従った、銃用に提供される陰極線管にも及ぶ。
【0034】
本発明の主題は、本発明に従い、陰極放射体の製造方法にも及ぶ。この方法は、その粗さをより低下させるため、及び、付加的に、表面間隙率、つまり、間隙面積比、いうなれば、全表面積に対するの開放部分の面積比を低下させるために、前記外表面に対する表面処理制御で構成されている。
【0035】
好ましくは、前記表面処理制御は研磨により行うことである。
【0036】
好ましくは、前記表面処理制御は大規模に行うことである。
【0037】
好ましくは、前記方法は、電子放射材料を用いたマトリックスの埋め込み制御を含み、前記表面処理制御は、前記埋め込み制御を行った後に実施することをも含むことである。
【0038】
好ましくは、陰極放射体の持つ前記外表面は、本体部のすべての外部面を参照することである。
【0039】
本発明は、以下の記述を読むことでさらに明快に理解されるだろう。これは、限定した例ではなく、以下に付された図に対する説明を有している:
―図1は、図2に示した形式の陰極用陰極放射体の透視図である;
―図2は、既に述べたが、陰極線管用の埋込型陰極を示している;
―図3A及び3Bは、本発明に従って行った表面処理前における、図1に示した陰極放射体の一つの表面図であって、それぞれ、図示的な部分図、及び顕微鏡図を示している;
―図4A及び4Bは、図3A及び3Bと同じ陰極放射体の表面に関して、本発明における研磨方法を実施した、非常に低い粗さ表面を持つ、それぞれ図示的な部分図、及び顕微鏡図を示している;
―図5及び6は、図1に示した陰極放射体の放射表面上部における顕微鏡図で、薄いオスミウム膜を配している。それぞれ、本発明の方法に従った、表面処理を行ったもの、及び行わなかったものを示している;及び
―図7は、陰極放射体と対極の相対的な配置を示しており、本発明の一つの具体例である。Aは、上方からの図、Bでは側方からの図である。
【0040】
【実施例】
記述を単純化するため、及び、本発明が先行技術に対して差異及び有利性を持つことを際立たせるため、同一の参照は、同じ機能を持たせた要素にて用いる。
【0041】
本発明に従った埋込型陰極に関する陰極放射体の製造方法の一つを最初に述べる。これは、電子放射材料を埋め込んだ多孔性マトリックスを形成しており、図1に示した一つのペレット(pellet)である;このペレットの外面は、放射上面11、放射面の反対側にある底面部12を陰極の前記皿2に底面で接するよう配し、前記上面と前記底面部に組み込んだ円形の側面13から構成されている。
【0042】
この多孔性マトリックスは、特定の例を取り上げると、ニッケルを基本とするかもしれないし、又は、セラミックスや耐熱性金属粉を圧縮や焼結することで得られるかもしれない;この陰極放射体の多孔性マトリックスの材料は、タングステン、モリブデン、レニウム、オスミウム、インジウム及びそれらの合金、及び酸化アルミニウムからのなるグループより選ばれるのが好ましい;例として、ここでは、タングステンを基本とした材料を選ぶ;圧縮圧力や焼結条件、特に、温度や処理時間であるが、は、埋め込み前の固体物に関し、容量間隙率は15乃至30%を持つよう調整する;この間隙率は、電子放射材料の受け皿として機能するよう調整する;高い間隙率は、ペレットに対し十分な機械的強度を与えることができない;低い間隙率は、電子放射材料の受け皿として、十分な寿命を得るのに不十分である。
【0043】
知られている方法を使用すると、例えば水素存在下高温なる条件など、このマトリックスは、電子放射材料を埋め込まれる;この電子放射材料は、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、アルミニウム、スカンジウム、そしてオスミウム、若しくは、これら要素の一つあるいはそれ以上を含んだ混合物からなるグループより選ぶのが好ましい;例として、例えば、「4/1/1」混液を埋め込み材料として使うと、よく知られる埋込型陰極が得られる。「4/1/1」溶液は、4モルの炭酸バリウム、1モルの炭酸カルシウム、及び1モルの酸化アルミニウムからなる混液である;埋込型又は受け皿型陰極を持つ陰極放射体の制御特性は、特に、マトリックスの持つ空隙容量又は受け皿の容量に依存し、空隙に埋め込む電子放射材料の性質に依存し、この陰極の制御温度に依存する;陰極線管の場合、電子放射材料は、この管の中に少なくとも20,000時間制御できる十分量の放射材料を含むべきである;マトリックス空隙に満たすために、これら空隙は互いに結合されなければならない、いうなれば、空隙は開放しなければならないし、埋め込み前に実際上マトリックスの中に持つ必要があるし、すべての空隙率は15%と同等かそれ以上である必要がある。
【0044】
陰極放射体の調整法として代替的なものは、マトリックスの材料及び電子放射材料を同時に焼結するというものである。
【0045】
「緑色」の電子放射ペレットは、本発明の方法を処理せずに得られる。
【0046】
陰極の制御中に起こる拡散や凝華による電子放射材料の損失、及び、消失率は、陰極を設置した電子管にあるペレットと吸引との間における交換面積に比例して起こるので、この交換面積を制限することが有用である。
【0047】
本発明に従ったこのペレットのすべての外表面において、この目的ために及び本工程のこの段階において可能なのは:
a)粗さや交換面積を減少させるために、表面処理を行うこと;又は
b)表面に対して開放している空隙のサイズを減少させること;又は
c)表面にある空隙の数を減らすこと;又は
d)上記a)、b)、及び/又はc)の組み合わせ
を行うことである。
【0048】
手段a)は、ペレットに存在する様々な外表面の粗さを減少させるのが狙いである;「緑色」のペレットの持つ算術された粗さRaは一般的には0.3μmである;本発明の処理の後、ペレットの持つすべての面に対して、狙いは、粗さが0.2μm以下であり、好ましくは、0.1μmと同等かそれ以下であるということである。
【0049】
ペレットの持つ面に関する粗さを測定するために、典型的な方法として、「レーザー」側面計又はニードルセンサー(needle sensor)を使用する。例えば、Mitutuyo社製の「SURFTEST」がある;後者の場合、ニードルのチップ(tip)は0.02 mmの径を持つものを使い、センサーの実行速度は、2 mm/s程度で、センサーのカットオフ値は0.8 mm程度である。
【0050】
手段b)及び/又はc)は、「表面間隙率」と呼ばれる値を減少することを狙っている;「緑色」ペレットの表面間隙率は、平均間隙率と同等がそれ以上であることが分かってきた;この表面間隙率は、例えば、すべての外表面にあり、ペレットの持つ表面が開放しているところの空隙に対する平均径及び平均表面密度によって特徴付けられている;上記手段b)は、この平均径の減少を狙っており、その一方、手段c)は空隙の持つ表面密度の減少を狙っている。
【0051】
これら基準を組み合わせることによって、可能なことは、表面間隙率を表現することである;表面間隙率とは、すべての外表面の持つ面積に対するペレットの持つすべての外表面が開放している面積の比である;本発明の処理後、この率に関し、好ましくは、マトリックスの持つすべての容量間隙率の半分であることを狙っており、特に、ペレットのすべての表面に対して、4乃至9%の値を持つことが好ましい。
【0052】
ペレット表面の持つ表面間隙率を測定するために、表面に対する顕微鏡図を使用する。測定位置は、ペレットの中央及び端部から1/3の場所である。顕微鏡の倍率は2,000程度で、顕微鏡図の画像解析処理を、ライカ社製のようなソフトウェアにて行う。例えば、デジタル顕微鏡図に対し、倍率2,000、解像度512×512ピクセル、256グレイレベルなる条件を使用する。解析ソフトは、撮影装置や表面の露光に合わせて調節する。
【0053】
緑色の埋め込まれたペレットに対する表面処理は、本発明に従った、埋め込み用ペレットを得るために、ペレットのすべての面に対して、grind、hone、やpolishといった化学的又は化学的―機械的制御から構成する。
【0054】
例として、続く三つの表面処理技術のうちの一つが使用されるだろう:
―酸化アルミニウムを基本とした研磨用粒を使い、乾燥又は湿潤条件下での研磨;
―グラインド用ディスク又は切断器具を使ったgrinding;
―穿孔機や道具によるペレット面の摩擦;
などである。
【0055】
好ましくは、研磨制御は、上記a)、b)、及びc)なる効果を有利に与えるために行われることである;好ましくは、大規模での研磨を、つまり、大量のペレットの持つ表面に関し、それらすべての面を同時に処理すること、を行うことが望ましい。
【0056】
表面処理、特に研磨、の条件は、ペレットの粗さに関しては、0.1μmと同等かそれ以下、表面間隙率に関しては、すべての面に対する上述間隙率を測定し、それらが4乃至9%程度であることが望ましい;マトリックスの持つ空隙容量は18%程度、表面間隙率は6%であった。
【0057】
図3及び4が示すのは、図示的には、図3A及び4Aであって、顕微鏡図としては図3B及び4Bである。これらは、ペレットの持つ一つの面に関して、そこに現れている表面部分の部分図である。本発明による処理を行う前に関する図が図3であり、処理後は図4である;これらの図は、特定された本発明における、表面に関する粗さは非常に顕著に減少したことを示している;Gsなる粒子が研磨により削られ、面Sにて平面化し、粗さが0.1μmと同等あるいはそれ以下に低下した。
【0058】
研磨は、ペレットのもつすべての外面における空隙の開放面積を減少させる効果も持ち合わせている;典型的な研磨技術分野においてもこれは、化学―機械的な効果的な疑いはない;表面間隙率は、本発明による二つの因子若しくは三つの因子により減少した。
【0059】
表面処理後、特に研磨処理の後、電子放射ペレットが得られる;図2に示すように、このペレットは、皿2に乗せられ、加熱用フィラメントを持つこれ自身が金属スリーブ3により支えられ;本発明による埋込型陰極が得られる。
【0060】
本発明に関する表面研磨処理なる手段により、その粗さは0.1μmと同等かそれ以下に、表面間隙率は、4乃至9%程度になり、もし、電子放射材料の埋め込みに、バリウムを基本とした上述の「4/1/1」型を用いた場合、陰極の通常制御条件下、又はそれ以上の加速された制御条件下における電子放射材料の消失は、同様の電子放射材料を用い本発明による研磨表面処理を行わなかった場合に比較して2倍に減少した;陰極用のペレットをその放射表面11にのみ表面処理を施した場合、つまり先行技術と同様の処理方法の場合、電子放射材料の損失が軽減したと考えられ、そのその寿命は、2倍に増加する;これは、寿命の減少関数は、時間の平方根と表される法則があるので、陰極の寿命が有意に伸びた結果が得られた。
【0061】
分かってきたのは、非常に好ましくは、すでに埋め込まれたペレットに対し上述の表面処理を行うことであり、もし、埋め込み前に多孔性マトリックスに対してこの処理を行っても同様の効果が得られないということである。
【0062】
本発明は、また、下記のような有用性がある:
―寄生的なコーティングの減少により、特に、対極における、電子銃における電子的な損失の軽減;
―本発明に従い行った表面処理に続き、いかなる表面欠損及びクラックも明らかにされることから、製造品質検査が向上することができる。
【0063】
パフォーマンスの向上は特に、特に陰極線管を低エネルギー消費にて使用した場合、小さなペレットで顕著である;これは、電子放射材料の消失や損失が放射表面上のエッジ効果に続くからである;ペレット1の放射表面11の全末端部全体で、陰極の寿命の全体で、多孔性マトリックスは電子放射材料からなくなっている。故に、放射表面は、幅の増加による末端領域の減少が起こっている;ペレットの径が小さくなると、無くなった領域により、放射表面部分が増加する;本発明の長所により、つまり、ペレットのすべての面、特に側面12、が研磨されているので、この欠失した末端部分は、先行技術に比較して、幅の面で、すぐにではないが、増加する;小さな径を持つペレットの寿命、特に1.1 mmと同等かそれ以下の径を持つもの、は、本質的に改善する。
【0064】
図7は、この点を図示的に示したものである;陰極放射体の末端部分が欠失した幅は、200μm以上であり、効果的な放射領域が400μm減少したことと一致する;第一対極にある穴の直径DT、又は粒G1は、大体500μmであるので、もし、ペレットの直径Dpが1.1 mmと同等かそれ以下であり、陰極に対するゲートにある穴を中央化することにより起こりうる必然的な誤差が一般的に200μmであるとすると、粒G1の中にある穴の周辺に面したペレット1の放射表面の末端部分は、その周辺部分において、Lminなる幅を持ち、それは、200μmと同等かそれ以下であることが分かるかもしれないし、この陰極が置かれた中にある電子管の盛業が決定的に混乱するというリスクとともに、粒の中にある穴が進入し末端領域が欠失するというリスクがあるということが分かるかもしれない;本発明及び陰極放射体の側面部分の研磨のおかげで、このリスクは限定される。
【0065】
埋込型陰極の陰極放射体に対するパフォーマンスの向上が知られているのは、オスミウム、ルテニウム及び/又はインジウムをその放射表面に配することである;本発明にある、陰極放射体を前もって 表面処理することは、表面処理をしないよりも、この向上が大きいことが知られている;図5及び6の示した顕微鏡図は、倍率5,000倍のペレット放射表面11の上面部であって、0.5μmなる薄いオスミウム膜を配した後、表面処理を行っていないのが図5、そして表面処理を本発明の方法に従い行ったのが図6である;図6は、粗さ及び表面間隙率が図5に比べ顕著に減少しており、部分的に、パフォーマンスにおいて観察された向上を説明している。
【0066】
本発明は、陰極線管にある陰極について述べてきた;明らかなのは、本技術分野における熟練者は、電子管の他のタイプに応用することができるということである。
【図面の簡単な説明】
【図1】陰極用陰極放射体の透視図である。
【図2】陰極線管用の埋込型陰極を示している。
【図3A】図1に示した陰極放射体の一つの表面図に関する図示的な部分図である。本発明に従った表面処理を行う前である。
【図3B】図1に示した陰極放射体の一つの表面図に関する顕微鏡図である。本発明に従った表面処理を行う前である。
【図4A】図3A及び3Bと同じ陰極放射体の表面に関する図示的な部分図である。本発明における研磨方法を実施している。
【図4B】図3A及び3Bと同じ陰極放射体の表面に関する顕微鏡図である。本発明における研磨方法を実施している。
【図5】本発明の方法に従い、表面処理を行っていない陰極放射体の放射表面上部における顕微鏡図で、薄いオスミウム膜を配している。
【図6】本発明の方法に従い、表面処理を行った陰極放射体の放射表面上部における顕微鏡図で、薄いオスミウム膜を配している。
【図7】陰極放射体と対極の相対的な配置を示しており、本発明の一つの具体例である。Aは、上方からの図、Bでは側方からの図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子銃用の「埋め込み」型陰極に関する。この陰極は、クライストロンやジャイロストロンなどの電子管が使用され、特に、画像表示用の陰極線管が使用されている。
【0002】
図2を参照すると、電子銃用の「埋め込み」型の陰極は、下記のもので構成されている:
―熱誘導性の電子放射を行う陰極部分であって、電子放射材料を埋め込んだ多孔性マトリックスで構成される多孔性の陰極放射体1;
―前記放射体1が挿入された中にある金属皿2
―金属スリーブ3、これは好ましくは、モリブデン、タンタル、又はタングステンなどの耐熱金属を用い、前記皿2の位置に接しており;このスリーブは一般に「陰極スカート(cathode skirt)」と呼ばれている;及び
―前記スリーブの内部に、皿2に接した地点から伸びた加熱フィラメント4を持ち、前記放射体1を、減圧下、周辺温度を1000度近くまで加熱するのに適する特徴を持っている。
【0003】
前記皿に接している面の反対側にある多孔性陰極放射体の表面は、陰極放射表面を形成している。
【0004】
このような埋め込まれた陰極は、以下の用途にて、電子供給源として使用されている。つまり、モニター型の画像表示用陰極線管、受像管(television tube)、高解像型管(HDTV、CDT、CRT)、カイロストロン型マイクロ波電子管、ジャイロストロン型、若しくは、レーザーやマグネトロンレーダー、増幅器、電源供給器、イオン発生器や衛星用推進装置などの他の型の電子管、などである。
【0005】
【従来の技術】
ヨーロッパ特許0,890,972(松下)が述べているのは、埋込型陰極の陰極放射体が、その中心部や底面部よりも放射表面近傍において低い間隙率を持つ、という内容である。
【0006】
その他の目的として、つまり、イオンの衝撃に対して埋込型陰極の持つ耐性を増加させるという目的で、ヨーロッパ特許0,831,512(東芝)が提供するのは、前記とは反対に、その中心部や底面部よりも、放射表面近くで高い間隙率を持つ、という文献である。
【0007】
さらに、日本国特許60−017831及び05−114352は、埋込型陰極用の陰極放射体の製造方法を述べている。これらは、電子放射材料を充填後、これら体部の放射表面を、特に研磨などの方法で磨くというステップで構成されている。この目的は、本質的に、この放射表面を磨き、表面から埋め込んだ材料の粒子を取り除くことである。このようにして得られた陰極放射体は、0.2乃至3.2μmという低い粗さ(roughness)のみを持ち、陰極放射体の中心部の持つ間隙率に対して、放射体表面直下の表面層の間隙を示さない。
【0008】
日本国特許06−103885(東芝)が示すのは、その粗さを減じるために、放射表面を研磨することにより、陰極制御中に起こる電子放射材料の蒸発を制限し、制御や寿命を向上できるということである。
【0009】
アメリカ国特許5,990,608が推奨するのは、表面の透過率を向上するためには、放射表面の粗さを10μm以下にすることである(当該特許図12参照)。
【0010】
放射表面にて放射材料を一枚のフィルムに形成させるより簡単な方法として、ヨーロッパ特許1,063,688が示すのは、表面の研磨によって、この粗さが3μmと同等かそれ以下、又はさらに1μmにできた、ということである。
【0011】
最後に、イギリス国特許1,522,387が示すのは、放射表面上に形成したフィルム上のバリウムを取り除くための研磨方法についてである。
【0012】
本発明の目的は、さらに、埋込型陰極の制御やその寿命を、特に安価な方法で向上させることである。
【0013】
【特許文献1】
ヨーロッパ特許0,890,972
【特許文献2】
ヨーロッパ特許0,831,512
【特許文献3】
日本国特許60−017831
【特許文献4】
日本国特許05−114352
【特許文献5】
日本国特許06−103885
【特許文献6】
アメリカ国特許5,990,608
【特許文献7】
ヨーロッパ特許1,063,688
【特許文献8】
イギリス国特許1,522,387
【非特許文献1】
フランス国標準法AFNOR E05.015/017/052
【発明が解決しようとする課題】
表示用陰極線管用の、埋込型陰極の陰極放射体は、小さな厚さを持ち、利用可能な電子放射材料の量を制限しており、陰極の寿命をも制限している;これまで構築されてきたのは、埋込型陰極の寿命特性は、電子放射材料、一般にバリウム、の主要成分の蒸発率に依存するということであり、さらに、蒸発したバリウムは、管の他の部分で再凝結する。冷却により、特に陰極の反対側で起こり、そこから、寄生的に電子が放射し、本管の制御を損ない、さらに、陰極の放射表面は、イオンの衝撃により制御時間が悪化するかもれない。また、表面の陰極放射分布が不均一になる。
【0014】
引用したいくつかの文献が示すのは、陰極放射体の放射表面(粗さ)、及び/又は、この表面直下の層(間隙率)に関してしてのみの形態学的改変が、埋込型陰極の制御やその寿命を向上させるということである。
【0015】
本発明の目的は、さらに、埋込型陰極の制御やその寿命を、特に安価な方法で向上させることである。
【課題を解決するための手段】
この目的のために、本発明の主題は、電子管に埋め込まれた陰極に使用する陰極放射体であり、電子放射材料が埋め込まれた多孔性マトリックスからなり、放射表面で構成される外面で定義され、その内部に、粗さが0.2μm以下の側面を含む前記外面を有することを特徴とするものである。
【0016】
本発明の実質的な特徴によれば、従前の既存記述とは反して、0.2μm以下の粗さを持たせるために放射表面を磨く、ということのみならず、少なくとも陰極放射体の側面;好ましくは放射体のすべての外面を研磨により表面処理するということである。
【0017】
面の粗さの測定は、従来法により行った。これは、これら面を垂直方向に側面計(profilometer)にて測定する方法である。測定で得られたプロファイルは、参照線(reference line;フランス国標準法AFNOR E05.015/017/052参照)の相対的な深さに対する分布として表現されるだろう。参照線(Ox)は本プロファイルの一般方向と平行にとられた直線であり、その上方点を通っており;鉛直上(Ox)の縦軸(ordinate axis; Oz)にプロットした点は、プロファイルを測定した深さである;この参照線Oxからくる粗さプロファイルの偏差は、は、正確な統計学的分散を持つ可変値として扱う;プロファイルに関するミーンライン(meanline)の位置はこのように計算され;このミーンラインに対する相対的な深さに関する算出された平均分散は、所望の粗さ値Raと一致する。
【0018】
本陰極放射体のすべての表面上の粗さ値Raは0.2μm以下であるので、電子管にあるこのような陰極放射体で供給される埋め込み方陰極のもつ制御及び寿命は、特に画像表示用陰極線管として、先行技術に比べ格段に向上している;いかなる最終的な解説を制限することもないが、この種の陰極型の制御の間における電子放射材料、特にバリウム、の蒸発が起こったのは、放射表面だけでなく陰極放射体のすべての外表面で起こったようである;先行技術では、電子放射材料の蒸発を制限するために、陰極放射体の放射表面のみ行われたが、(本発明では)他の面を介したこの材料の「漏洩」は阻止しなかった;本発明が提案したのは、いかなる「漏洩」も制限し、陰極放射体のすべての外面を処理し、その結果、放射表面のみならず、陰極放射体の側面をも電子管を大気に対し暴露される。
【0019】
この目的のために、発見されてきたのは、0.2μm以下の粗さを得る適当な表面処理方法は、本質的に、陰極の制御や寿命を著しく亢進させ;無処理の陰極に比較して、寿命に関する増加率は、約2倍になった。
【0020】
好ましくは、陰極放射体で定義される前記外面は、0.1μmと同等若しくは以下である。
【0021】
これと同等の低さを持つ粗さは、陰極放射体の埋め込み後、好ましくは、擦り切るなる方法、より特に研磨により得られる。この擦り切り処理は、高品質の擦り切り若しくは研磨用の粒(grit)を乾燥条件下、陰極放射体のすべての表面上に対し噴霧する方法により行われるかもしれないし、前記粒の懸濁液を湿潤条件下噴霧することにより行われるかもしれない;高品質の擦り切り若しくは研磨用の粒(grit)若しくはこの懸濁液を充填した研磨用布(polishing felt)に対し、これら面を摩擦する方法により行われるかもしれない;グライド用ディスクを用いたグライディングにより行われるかもしれない。
【0022】
好ましくは、大規模な擦り切り又は研磨技術が使われる;このような技術において、電子放射材料を埋め込んだ陰極放射体の一束が、ロータリーシャフト上に置かれた容器の中に置かれ、高品質の擦り切りまたは研磨用粒若しくはその懸濁液とともに置かれ、容器が、所望の粗さを得るための最適時間の間、回転される;このような方法の利点は、陰極放射体の持つすべての面に対し低い粗さが、直接かつ非常に安価に、得られる点である。
【0023】
好ましくは、マトリックスの孔の面積比、つまり、陰極放射体の外表面の全面積に対する間隙部の面積は、前記マトリックスの中心部に対する平均容量間隙率の半分であることである。
【0024】
このように、もし陰極放射体の平均容量間隙率が、埋め込み後、18%程度であるとすると、この放射体のもつ空隙の面積比、つまり、これら外面の全面積に対する外面が開いている面積は、例えば、9%以下である;容量間隙率は、埋め込み前の陰極放射体の持つ密度/容量率にて計算するという典型的な方法により測定する;空隙に関する面積は、陰極放射体の持つ様々な外表面に表現されるいくつかの画像を自動分析にて測定した。
【0025】
この条件が意味するのは、間隙表面がその深さに見合った間隙率よりも小さく、先行技術にあるような非放射表面上のみならず、陰極放射体のすべての外表面に対しても、ということである。
【0026】
実際には、擦り切りや研磨による表面処理は様々な面の粗さを軽減するだけでなく、これら表面に開放している空隙を部分的に近づけるという効果も有する。これにより、表面間隙率の減少をもたらす;これは、特に、化学―機械的研磨制御の場合である;陰極放射体のすべての表面にある空隙の部分的な接近は、電子放射材料、特にバリウムの蒸発による損失をさらに制限することを可能にしている。
【0027】
好ましくは、マトリックスに関する間隙の面積比率、つまり、これら外表面の総面積に対する陰極放射体の外表面の開放部分の比率は、4乃至9%程度であることである。
【0028】
陰極放射体中にあるマトリックスの中心付近での平均容量間隙率は、16乃至22%が好ましい;これが、埋め込み前の陰極放射体の間隙率である。
【0029】
好ましくは、マトリックスの空隙は、タングステンを基礎とすることであり、このタングステンの含量は、50重量百分率と同等かそれ以上であり、電子放射材料はバリウムを基礎とすることであり、その含量は50モル百分率であることである。空隙マトリックスは、タングステンーモリブデン混合物であるかもしれない。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の主題は、電子銃用の「埋め込み」型陰極をも含み、以下で構成されている;
―金属皿
―前記皿の一端に接した金属スリーブ
―前記スリーブ内部に加熱用フィラメント
この陰極は、本発明に従った陰極放射体で構成されており、前記金属皿の中に挿入されている。
【0031】
本発明の主題は、少なくとも本発明に従った一つの陰極を含む電子銃にもある;「着色」陰極線管の陰極三原色(three−color)銃なる典型的な場合、電子銃は三本の陰極を持ち、それぞれ一つの原色である。
【0032】
好ましくは、この銃のそれぞれの陰極は、対極(counterelectrode)G1は、前記陰極放射体の放射表面に面するよう配置され、前記表面の中央部付近に一つの穴(hole)を与えられ、前記穴周辺に面した放射表面の周辺領域の幅は、最小値Lminで200μmと同等かあるいはそれ以下である。
【0033】
本発明の主題は、本発明に従った、銃用に提供される陰極線管にも及ぶ。
【0034】
本発明の主題は、本発明に従い、陰極放射体の製造方法にも及ぶ。この方法は、その粗さをより低下させるため、及び、付加的に、表面間隙率、つまり、間隙面積比、いうなれば、全表面積に対するの開放部分の面積比を低下させるために、前記外表面に対する表面処理制御で構成されている。
【0035】
好ましくは、前記表面処理制御は研磨により行うことである。
【0036】
好ましくは、前記表面処理制御は大規模に行うことである。
【0037】
好ましくは、前記方法は、電子放射材料を用いたマトリックスの埋め込み制御を含み、前記表面処理制御は、前記埋め込み制御を行った後に実施することをも含むことである。
【0038】
好ましくは、陰極放射体の持つ前記外表面は、本体部のすべての外部面を参照することである。
【0039】
本発明は、以下の記述を読むことでさらに明快に理解されるだろう。これは、限定した例ではなく、以下に付された図に対する説明を有している:
―図1は、図2に示した形式の陰極用陰極放射体の透視図である;
―図2は、既に述べたが、陰極線管用の埋込型陰極を示している;
―図3A及び3Bは、本発明に従って行った表面処理前における、図1に示した陰極放射体の一つの表面図であって、それぞれ、図示的な部分図、及び顕微鏡図を示している;
―図4A及び4Bは、図3A及び3Bと同じ陰極放射体の表面に関して、本発明における研磨方法を実施した、非常に低い粗さ表面を持つ、それぞれ図示的な部分図、及び顕微鏡図を示している;
―図5及び6は、図1に示した陰極放射体の放射表面上部における顕微鏡図で、薄いオスミウム膜を配している。それぞれ、本発明の方法に従った、表面処理を行ったもの、及び行わなかったものを示している;及び
―図7は、陰極放射体と対極の相対的な配置を示しており、本発明の一つの具体例である。Aは、上方からの図、Bでは側方からの図である。
【0040】
【実施例】
記述を単純化するため、及び、本発明が先行技術に対して差異及び有利性を持つことを際立たせるため、同一の参照は、同じ機能を持たせた要素にて用いる。
【0041】
本発明に従った埋込型陰極に関する陰極放射体の製造方法の一つを最初に述べる。これは、電子放射材料を埋め込んだ多孔性マトリックスを形成しており、図1に示した一つのペレット(pellet)である;このペレットの外面は、放射上面11、放射面の反対側にある底面部12を陰極の前記皿2に底面で接するよう配し、前記上面と前記底面部に組み込んだ円形の側面13から構成されている。
【0042】
この多孔性マトリックスは、特定の例を取り上げると、ニッケルを基本とするかもしれないし、又は、セラミックスや耐熱性金属粉を圧縮や焼結することで得られるかもしれない;この陰極放射体の多孔性マトリックスの材料は、タングステン、モリブデン、レニウム、オスミウム、インジウム及びそれらの合金、及び酸化アルミニウムからのなるグループより選ばれるのが好ましい;例として、ここでは、タングステンを基本とした材料を選ぶ;圧縮圧力や焼結条件、特に、温度や処理時間であるが、は、埋め込み前の固体物に関し、容量間隙率は15乃至30%を持つよう調整する;この間隙率は、電子放射材料の受け皿として機能するよう調整する;高い間隙率は、ペレットに対し十分な機械的強度を与えることができない;低い間隙率は、電子放射材料の受け皿として、十分な寿命を得るのに不十分である。
【0043】
知られている方法を使用すると、例えば水素存在下高温なる条件など、このマトリックスは、電子放射材料を埋め込まれる;この電子放射材料は、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、アルミニウム、スカンジウム、そしてオスミウム、若しくは、これら要素の一つあるいはそれ以上を含んだ混合物からなるグループより選ぶのが好ましい;例として、例えば、「4/1/1」混液を埋め込み材料として使うと、よく知られる埋込型陰極が得られる。「4/1/1」溶液は、4モルの炭酸バリウム、1モルの炭酸カルシウム、及び1モルの酸化アルミニウムからなる混液である;埋込型又は受け皿型陰極を持つ陰極放射体の制御特性は、特に、マトリックスの持つ空隙容量又は受け皿の容量に依存し、空隙に埋め込む電子放射材料の性質に依存し、この陰極の制御温度に依存する;陰極線管の場合、電子放射材料は、この管の中に少なくとも20,000時間制御できる十分量の放射材料を含むべきである;マトリックス空隙に満たすために、これら空隙は互いに結合されなければならない、いうなれば、空隙は開放しなければならないし、埋め込み前に実際上マトリックスの中に持つ必要があるし、すべての空隙率は15%と同等かそれ以上である必要がある。
【0044】
陰極放射体の調整法として代替的なものは、マトリックスの材料及び電子放射材料を同時に焼結するというものである。
【0045】
「緑色」の電子放射ペレットは、本発明の方法を処理せずに得られる。
【0046】
陰極の制御中に起こる拡散や凝華による電子放射材料の損失、及び、消失率は、陰極を設置した電子管にあるペレットと吸引との間における交換面積に比例して起こるので、この交換面積を制限することが有用である。
【0047】
本発明に従ったこのペレットのすべての外表面において、この目的ために及び本工程のこの段階において可能なのは:
a)粗さや交換面積を減少させるために、表面処理を行うこと;又は
b)表面に対して開放している空隙のサイズを減少させること;又は
c)表面にある空隙の数を減らすこと;又は
d)上記a)、b)、及び/又はc)の組み合わせ
を行うことである。
【0048】
手段a)は、ペレットに存在する様々な外表面の粗さを減少させるのが狙いである;「緑色」のペレットの持つ算術された粗さRaは一般的には0.3μmである;本発明の処理の後、ペレットの持つすべての面に対して、狙いは、粗さが0.2μm以下であり、好ましくは、0.1μmと同等かそれ以下であるということである。
【0049】
ペレットの持つ面に関する粗さを測定するために、典型的な方法として、「レーザー」側面計又はニードルセンサー(needle sensor)を使用する。例えば、Mitutuyo社製の「SURFTEST」がある;後者の場合、ニードルのチップ(tip)は0.02 mmの径を持つものを使い、センサーの実行速度は、2 mm/s程度で、センサーのカットオフ値は0.8 mm程度である。
【0050】
手段b)及び/又はc)は、「表面間隙率」と呼ばれる値を減少することを狙っている;「緑色」ペレットの表面間隙率は、平均間隙率と同等がそれ以上であることが分かってきた;この表面間隙率は、例えば、すべての外表面にあり、ペレットの持つ表面が開放しているところの空隙に対する平均径及び平均表面密度によって特徴付けられている;上記手段b)は、この平均径の減少を狙っており、その一方、手段c)は空隙の持つ表面密度の減少を狙っている。
【0051】
これら基準を組み合わせることによって、可能なことは、表面間隙率を表現することである;表面間隙率とは、すべての外表面の持つ面積に対するペレットの持つすべての外表面が開放している面積の比である;本発明の処理後、この率に関し、好ましくは、マトリックスの持つすべての容量間隙率の半分であることを狙っており、特に、ペレットのすべての表面に対して、4乃至9%の値を持つことが好ましい。
【0052】
ペレット表面の持つ表面間隙率を測定するために、表面に対する顕微鏡図を使用する。測定位置は、ペレットの中央及び端部から1/3の場所である。顕微鏡の倍率は2,000程度で、顕微鏡図の画像解析処理を、ライカ社製のようなソフトウェアにて行う。例えば、デジタル顕微鏡図に対し、倍率2,000、解像度512×512ピクセル、256グレイレベルなる条件を使用する。解析ソフトは、撮影装置や表面の露光に合わせて調節する。
【0053】
緑色の埋め込まれたペレットに対する表面処理は、本発明に従った、埋め込み用ペレットを得るために、ペレットのすべての面に対して、grind、hone、やpolishといった化学的又は化学的―機械的制御から構成する。
【0054】
例として、続く三つの表面処理技術のうちの一つが使用されるだろう:
―酸化アルミニウムを基本とした研磨用粒を使い、乾燥又は湿潤条件下での研磨;
―グラインド用ディスク又は切断器具を使ったgrinding;
―穿孔機や道具によるペレット面の摩擦;
などである。
【0055】
好ましくは、研磨制御は、上記a)、b)、及びc)なる効果を有利に与えるために行われることである;好ましくは、大規模での研磨を、つまり、大量のペレットの持つ表面に関し、それらすべての面を同時に処理すること、を行うことが望ましい。
【0056】
表面処理、特に研磨、の条件は、ペレットの粗さに関しては、0.1μmと同等かそれ以下、表面間隙率に関しては、すべての面に対する上述間隙率を測定し、それらが4乃至9%程度であることが望ましい;マトリックスの持つ空隙容量は18%程度、表面間隙率は6%であった。
【0057】
図3及び4が示すのは、図示的には、図3A及び4Aであって、顕微鏡図としては図3B及び4Bである。これらは、ペレットの持つ一つの面に関して、そこに現れている表面部分の部分図である。本発明による処理を行う前に関する図が図3であり、処理後は図4である;これらの図は、特定された本発明における、表面に関する粗さは非常に顕著に減少したことを示している;Gsなる粒子が研磨により削られ、面Sにて平面化し、粗さが0.1μmと同等あるいはそれ以下に低下した。
【0058】
研磨は、ペレットのもつすべての外面における空隙の開放面積を減少させる効果も持ち合わせている;典型的な研磨技術分野においてもこれは、化学―機械的な効果的な疑いはない;表面間隙率は、本発明による二つの因子若しくは三つの因子により減少した。
【0059】
表面処理後、特に研磨処理の後、電子放射ペレットが得られる;図2に示すように、このペレットは、皿2に乗せられ、加熱用フィラメントを持つこれ自身が金属スリーブ3により支えられ;本発明による埋込型陰極が得られる。
【0060】
本発明に関する表面研磨処理なる手段により、その粗さは0.1μmと同等かそれ以下に、表面間隙率は、4乃至9%程度になり、もし、電子放射材料の埋め込みに、バリウムを基本とした上述の「4/1/1」型を用いた場合、陰極の通常制御条件下、又はそれ以上の加速された制御条件下における電子放射材料の消失は、同様の電子放射材料を用い本発明による研磨表面処理を行わなかった場合に比較して2倍に減少した;陰極用のペレットをその放射表面11にのみ表面処理を施した場合、つまり先行技術と同様の処理方法の場合、電子放射材料の損失が軽減したと考えられ、そのその寿命は、2倍に増加する;これは、寿命の減少関数は、時間の平方根と表される法則があるので、陰極の寿命が有意に伸びた結果が得られた。
【0061】
分かってきたのは、非常に好ましくは、すでに埋め込まれたペレットに対し上述の表面処理を行うことであり、もし、埋め込み前に多孔性マトリックスに対してこの処理を行っても同様の効果が得られないということである。
【0062】
本発明は、また、下記のような有用性がある:
―寄生的なコーティングの減少により、特に、対極における、電子銃における電子的な損失の軽減;
―本発明に従い行った表面処理に続き、いかなる表面欠損及びクラックも明らかにされることから、製造品質検査が向上することができる。
【0063】
パフォーマンスの向上は特に、特に陰極線管を低エネルギー消費にて使用した場合、小さなペレットで顕著である;これは、電子放射材料の消失や損失が放射表面上のエッジ効果に続くからである;ペレット1の放射表面11の全末端部全体で、陰極の寿命の全体で、多孔性マトリックスは電子放射材料からなくなっている。故に、放射表面は、幅の増加による末端領域の減少が起こっている;ペレットの径が小さくなると、無くなった領域により、放射表面部分が増加する;本発明の長所により、つまり、ペレットのすべての面、特に側面12、が研磨されているので、この欠失した末端部分は、先行技術に比較して、幅の面で、すぐにではないが、増加する;小さな径を持つペレットの寿命、特に1.1 mmと同等かそれ以下の径を持つもの、は、本質的に改善する。
【0064】
図7は、この点を図示的に示したものである;陰極放射体の末端部分が欠失した幅は、200μm以上であり、効果的な放射領域が400μm減少したことと一致する;第一対極にある穴の直径DT、又は粒G1は、大体500μmであるので、もし、ペレットの直径Dpが1.1 mmと同等かそれ以下であり、陰極に対するゲートにある穴を中央化することにより起こりうる必然的な誤差が一般的に200μmであるとすると、粒G1の中にある穴の周辺に面したペレット1の放射表面の末端部分は、その周辺部分において、Lminなる幅を持ち、それは、200μmと同等かそれ以下であることが分かるかもしれないし、この陰極が置かれた中にある電子管の盛業が決定的に混乱するというリスクとともに、粒の中にある穴が進入し末端領域が欠失するというリスクがあるということが分かるかもしれない;本発明及び陰極放射体の側面部分の研磨のおかげで、このリスクは限定される。
【0065】
埋込型陰極の陰極放射体に対するパフォーマンスの向上が知られているのは、オスミウム、ルテニウム及び/又はインジウムをその放射表面に配することである;本発明にある、陰極放射体を前もって 表面処理することは、表面処理をしないよりも、この向上が大きいことが知られている;図5及び6の示した顕微鏡図は、倍率5,000倍のペレット放射表面11の上面部であって、0.5μmなる薄いオスミウム膜を配した後、表面処理を行っていないのが図5、そして表面処理を本発明の方法に従い行ったのが図6である;図6は、粗さ及び表面間隙率が図5に比べ顕著に減少しており、部分的に、パフォーマンスにおいて観察された向上を説明している。
【0066】
本発明は、陰極線管にある陰極について述べてきた;明らかなのは、本技術分野における熟練者は、電子管の他のタイプに応用することができるということである。
【図面の簡単な説明】
【図1】陰極用陰極放射体の透視図である。
【図2】陰極線管用の埋込型陰極を示している。
【図3A】図1に示した陰極放射体の一つの表面図に関する図示的な部分図である。本発明に従った表面処理を行う前である。
【図3B】図1に示した陰極放射体の一つの表面図に関する顕微鏡図である。本発明に従った表面処理を行う前である。
【図4A】図3A及び3Bと同じ陰極放射体の表面に関する図示的な部分図である。本発明における研磨方法を実施している。
【図4B】図3A及び3Bと同じ陰極放射体の表面に関する顕微鏡図である。本発明における研磨方法を実施している。
【図5】本発明の方法に従い、表面処理を行っていない陰極放射体の放射表面上部における顕微鏡図で、薄いオスミウム膜を配している。
【図6】本発明の方法に従い、表面処理を行った陰極放射体の放射表面上部における顕微鏡図で、薄いオスミウム膜を配している。
【図7】陰極放射体と対極の相対的な配置を示しており、本発明の一つの具体例である。Aは、上方からの図、Bでは側方からの図である。
Claims (14)
- 電子管の埋め込み陰極用の陰極放射体であって、電子放射材料を埋め込まれた多孔性マトリックスで形成され、放射表面(11)で構成される外面(11、12、13)で定義され、側面を含む前記外面が0.2μm以下の粗さを持つところの陰極放射体。
- 請求項1に記載された陰極放射体であって、前記外面が0.1μと同様又はそれ以下なる粗さを持つことで定義されるところの陰極放射体。
- 請求項1乃至2のいずれかに記載された陰極放射体であって、前記外面(11、12、13)の全面積に対する前記外面(11、12、13)に対し開放しているところの前記マトリックスの持つ空隙の面積の比率が、前記マトリックスの中心部における平均容量間隙率の半分と同等又はそれ以下であるところの陰極放射体。
- 請求項3に記載された陰極放射体であって、前記外面(11、12、13)の全面積に対する前記外面(11、12、13)に対し開放しているところの前記マトリックスの持つ空隙の面積の比率が4乃至9%であるところの陰極放射体。
- 請求項4に記載された陰極放射体であって、前記マトリックスの中心部における平均容量間隙率が16乃至22%であるところの陰極放射体。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載された陰極放射体であって、:
―前記多孔性マトリックスがタングステンを基本とし、並びに当該タングステンの含量が50重量百分率と同等又はそれ以上であり:及び
―前記電子放射材料がバリウムを基本とし、並びに当該バリウムの含量が50重量百分率以上:
であるところの陰極放射体。 - 電子銃用の「埋込」型陰極であって、当該陰極が;
―金属皿(2);
―前記皿(2)の一端に接している金属スリーブ(3);及び
―前記スリーブ(3)の内部にある加熱用フィラメント(4);
で構成され、当該陰極が、請求項1乃至6のいずれかに記載された陰極放射体(1)で構成され、前記金属皿(2)が挿入されるところの陰極。 - 請求項7に記載された陰極を少なくとも一つ有する電子銃。
- 請求項8に記載された電子銃であって、それぞれの陰極が、前記陰極放射体1の放射表面に面した対極(counterelectrode)G1で構成され、前記対極は前記表面の中心付近に穴を有し、前記穴付近に面した前記放射表面の末端領域の幅が最小なる値Lminを持ちそれが、200μmと同等又はそれ以下であるところの電子銃。
- 請求項8及び9のいずれかに記載された電子銃を有する陰極線管。
- 請求項1乃至6に記載された陰極放射体を製造する方法であって、前記外面の粗さを減ずること、及び、付加的に前記外面の全面積に対する前記外面に対し開放しているところの前記マトリックスの持つ空隙の面積の比率を減ずることを目的にしてする表面処理工程で構成されるところの方法。
- 請求項11に記載された方法であって、前記表面処理工程が研磨であるところの方法。
- 請求項11及び12のいずれかに記載された方法であって、前記表面処理が大規模に行われるところの方法。
- 請求項11乃至13のいずれかに記載された方法であって、さらに、前記電子放射材料を前記マトリックスに埋め込む工程を含み、前記表面処理工程が当該埋め込み工程の後に行われるところの方法。
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