JP2004103086A - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対物レンズ15を取り付けたレンズホルダ16の左右の側面16c,16d側と、ヨークベース11上に取り付けたサスペンション13の左右の側面13c,13d側との間に、弾性支持部材14を左右に3本づつ三対で合計6本掛け渡して、対物レンズ15に対してフォーカス制御,トラッキング制御,チルト制御を併せて行う際、レンズホルダ16の左右に取り付けた2系統のフォーカスコイル(FoC−L1,L2),(FoC−R1,R2)にそれぞれ接続する4本の弾性支持部材14と、レンズホルダ16に取り付けた1系統のトラッキングコイル(TrC−1〜4)に接続する2本の弾性支持部材14とをレンズホルダとサスペンションとの間に左右三対で合計6本掛け渡すと共に、左右三対の弾性支持部材14のうちの一対は他の二対よりもバネ定数を低く設定した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対物レンズを取り付けたレンズホルダの左右の側面側と、ヨークベース上に取り付けたサスペンションの左右の側面側との間に、導電性を有する弾性支持部材を左右に3本づつ三対で合計6本掛け渡すと共に、6本の弾性支持部材をレンズホルダに取り付けた3系統のコイルに接続してそれぞれ駆動電流を印加することで、レンズホルダと一体に対物レンズを光ディスクに対してフォーカス方向及びトラッキング方向に制御し、且つ、対物レンズからの光束が光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるようにチルト制御する対物レンズ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
音声信号,映像信号,データ信号などの各種の情報信号を高密度に記録及び/又は再生できる光ディスクは、光ディスクドライブ内に移動自在に設けた対物レンズ駆動装置により信号面上の所望の記録トラックを高速にアクセスできることから多用されている。
【0003】
この際、上記した対物レンズ駆動装置は、半導体レーザーから出射したレーザー光を対物レンズにより絞り込んでレーザービームを得て、このレーザービームを光ディスクの信号面上の記録トラックにスポッ状に照射し、且つ、信号面の反射膜で反射された戻り光を光センサにより検出して情報信号を再生している。
【0004】
尚、情報信号を光ディスクの信号面上に記録する場合にはレーザーパワーの強い記録用の光スポットを信号面上に照射して、信号面上に成膜した記録層に情報信号を記録する一方、記録済みの情報信号を再生する場合にはレーザーパワーの弱い再生用の光スポットを信号面上に照射して情報信号を読み取っている。
【0005】
ところで、CD(Compact Disc)より高密度なDVD(Digital Versatile Disc)とか、DVDより更に高密度なBlue−Ray Discなどの光ディスクでは、高密度化に伴って開口数(NA)の大きい対物レンズを使用することで、光ディスクに照射するレーザービームのスポット径を小さくできる。この際、光ディスクの反りや面振れなどにより対物レンズからの光束に対して光ディスクの信号面が傾いていると、対物レンズの開口数(NA)の3乗に比例して光学的な収差が発生するので必要な記録再生特性が得られなくなる。そこで、光ディスクにはラジアル方向(径方向)の傾きと、タンジェンシャル方向(接線方向)の傾きとがあるものの、ディスクの変動として大きいラジアル方向(径方向)の傾きに対して対物レンズからの光束が光ディスクの信号面に対して略垂直な姿勢を取るようにチルト制御している。
【0006】
上記のように、フォーカス制御,トラッキング制御,チルト制御とを併せて行う対物レンズ駆動装置には、可動側のレンズホルダに複数のコイルを取り付け且つ固定側のベースに複数のコイルと対向して複数のマグネットを取り付けるMC(Moving Coil)型と、可動側のレンズホルダに複数のマグネットを取り付け且つ固定側のベースに複数のマグネットと対向して複数のコイルを取り付けるMM(Moving Magnet)型とに大別できるが、この発明はMC(Moving Coil)型の対物レンズ駆動装置を対象としているので、以下、MC(Moving Coil)型についてのみ説明する。
【0007】
ここで、対物レンズを取り付けたレンズホルダの左右の側面側と、ヨークベース上に取り付けたサスペンションの左右の側面側との間に、導電性を有する弾性支持部材を左右に3本づつ三対で合計6本掛け渡して、レンズホルダに取り付けた対物レンズに対してフォーカス制御,トラッキング制御,チルト制御を併せて行う従来例の対物レンズ駆動装置がある(例えば特許文献1参照)。
【0008】
図9は従来の対物レンズ駆動装置を説明するための図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)中の▲1▼−▲1▼断面図であり、(c)は(a)中の▲2▼−▲2▼断面図である。
【0009】
図9(a)〜(c)に示した従来の対物レンズ駆動装置100は、上記した特許文献1(特開2000−93177号公報)に開示されているものであり、ここでは同号公報を参照して簡略に説明する。
【0010】
図9(a)〜(c)に示した従来の対物レンズ駆動装置100では、対物レンズ101を取り付けたレンズホルダ102の左右の側面側と、ヨークベース(図示せず)上に取り付けたサスペンション103の左右の側面側との間に、導電性を有する弾性支持部材104(104L1〜104L3,104R1〜104R3)が左右3本づつ3対で合計6本掛け渡されている。
【0011】
また、可動側のレンズホルダ102の外周にフォーカスコイル105が巻回しながら固着されている。また、光ディスク接線方向でレンズホルダ102の前後にトラッキングコイル106がそれぞれ2個づつ計4個固着されている。また、光ディスク半径方向でレンズホルダ102の左右に傾動コイル107が1個づつ計2個固着されており、これにより従来の対物レンズ駆動装置100がMC(Moving Coil)型に構成されている。
【0012】
そして、合計で6本の導電性を有する弾性支持部材104は、1個で1系統のフォーカスコイル105と、4個で1系統のトラッキングコイル106と、2個で1系統の傾動コイル107とにそれぞれ電気的に接続されており、固定側のサスペンション103から6本の弾性支持部材104を経由してフォーカスコイル105,トラッキングコイル106,傾動コイル107にそれぞれ駆動電流を供給することができるようになっている。
【0013】
また、合計で6本の導電性を有する弾性支持部材104は、光ディスクに接近した上側に左右2本(104L1,104L2,104R1,104R2)づつ配置され、且つ、光ディスクから離れた下側に左右1本(104L3,104R3)づつ配置されている。この際、6本の弾性支持部材104のうちで上側左右の2本の弾性支持部材104L1,104R1の一部にねじりバネ状部分T,Tを設け、これらのねじりバネ状部分T,Tで軸方向の剛性を小さくすることにより、6本の弾性支持部材104による過剰拘束の悪い影響を軽減し、安定した動作特性が得られるようになっている。
【0014】
また、固定側のサスペンション103を取り付けたヨークベース(図示せず)上に互いに対向して一対のヨーク部108a,108bが間隔を離して垂設されており、これらの一対のヨーク部108a,108bの内側に一対のマグネット109A,109Bが固着されて、レンズホルダ102に取り付けたフォーカスコイル105,トラッキングコイル106を挟んで2組の磁気回路が形成されている。また、傾動駆動用に2個のマグネット109C,109Dがレンズホルダ102に取り付けた傾動コイル107と対向して設けられている。
【0015】
ここで、上記のように構成した従来の対物レンズ駆動装置100の動作を説明すると、光ディスクからの戻り光を基にして生成したフォーカスエラー信号を2本の導電性弾性支持部材104を経由して1個で1系統のフォーカスコイル105に印加し、且つ、光ディスクからの戻り光を基にして生成したトラッキングエラー信号を2本の導電性弾性支持部材104を経由して4個で1系統のトラッキングコイル106に印加することで、レンズホルダ102と一体に対物レンズ101を光ディスクに対してフォーカス方向及びトラッキング方向に制御すると共に、光ディスクから読み取った信号からジッター量を算出し、このジッター量が最小になるように生成した傾動駆動信号を2本の導電性弾性支持部材104を経由して2個で1系統の傾動コイル107に印加することで、対物レンズ101からの光束が光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるようにチルト制御している。
【0016】
【特許文献1】
特開2001−93177号公報(第4頁、図1〜図3)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来の対物レンズ駆動装置100では、フォーカス制御,トラッキング制御,チルト制御を併せて行うにあたって、可動側のレンズホルダ102に、1個で1系統のフォーカスコイル105と、4個で1系統のトラッキングコイル106と、2個で1系統の傾動コイル107とを合計で7個取り付けている構成であるので、これに伴って固定側のヨークベース(図示せず)上にフォーカス制御及びトラッキング制御用の2個のマグネット109A,109Bと、傾動制御用の2個のマグネット109C,109Dとを合計で4個取り付けているために、固定側のヨークベース(図示せず)上に取り付けるマグネット数が多くなり、従来の対物レンズ駆動装置100の構成が複雑となっている。
【0018】
また、従来の対物レンズ駆動装置100において、6本の導電性弾性支持部材104のうちで上側左右の2本の導電性弾性支持部材104L1,104R1は、この一部にねじりバネ状部分T,Tを設けることでバネ定数を小さく設定できるものの、これらのねじりバネ状部分T,Tの形状が複雑になっている。
【0019】
そこで、フォーカス制御,トラッキング制御,チルト制御を併せて行うことができるMC型の対物レンズ駆動装置において、可動側のレンズホルダに取り付けた複数のコイル数に対して固定側のヨークベースに取り付けるマグネット数が少なく、しかも、6本の導電性弾性支持部材のうちで2本の導電性弾性支持部材のバネ定数を簡単な形状で小さく設定できる対物レンズ駆動装置が望まれている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、対物レンズを取り付けたレンズホルダの左右側を光ディスクのラジアル方向(径方向)に位置させて、前記レンズホルダの左右の側面側と、ヨークベース上に取り付けたサスペンションの左右の側面側との間に、導電性を有する弾性支持部材を左右に3本づつ三対で合計6本掛け渡すと共に、6本の前記弾性支持部材を前記レンズホルダに取り付けた3系統のコイルに接続してそれぞれ駆動電流を印加することで、前記レンズホルダと一体に前記対物レンズを前記光ディスクに対してフォーカス方向及びトラッキング方向に制御し、且つ、前記対物レンズからの光束が前記光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるようにチルト制御する対物レンズ駆動装置において、
前記レンズホルダの左右に取り付けた2系統のフォーカスコイルにそれぞれ接続する4本の弾性支持部材と、前記レンズホルダに取り付けた1系統のトラッキングコイルに接続する2本の弾性支持部材とを、前記レンズホルダの左右の側面側と、前記サスペンションの左右の側面側との間に左右三対で合計6本掛け渡すと共に、左右三対の前記弾性支持部材のうちの一対は他の二対よりもバネ定数を低く設定したことを特徴とする対物レンズ駆動装置である。
【0021】
また、第2の発明は、上記した第1の発明の対物レンズ駆動装置において、
一対の前記弾性支持部材は、前記サスペンション側の各一端側を屈曲させて該サスペンションに支持させるか、又は、前記サスペンション側の各一端を前記サスペンションに取り付けたフレキシブル配線基板に支持させるか、もしくは、前記サスペンション側の各一端側を柔らかな固定部材を介して該サスペンションに支持させることによりバネ定数を低く設定したことを特徴とする対物レンズ駆動装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る対物レンズ駆動装置の一実施例を図1乃至図8を参照して<第1実施例>〜<第4実施例>の順に詳細に説明する。
【0023】
本発明に係る第1〜第4実施例の対物レンズ駆動装置は、共通してMC(Moving Coil)型に構成されている。
【0024】
尚、以下の説明において、不図示の光ディスクのラジアル方向(径方向)と対応して光ディスクの中心と対物レンズの中心とを結ぶ直線をX軸に設定し、且つ、光ディスクのタンジェンシャル方向(接線方向)と対応し且つX軸と直交して対物レンズの中心を通る直線をY軸に設定すると共に、X軸及びY軸と直交して対物レンズの中心を通る直線をZ軸に設定する。
【0025】
<第1実施例>
図1は本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置の全体構成を示した斜視図、
図2は本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置において、6本の弾性支持部材を説明するための斜視図であり、(a)はサスペンション及びレンズホルダの上段左右に取り付ける弾性支持部材を示し、(b)はサスペンション及びレンズホルダの中段左右に取り付ける弾性支持部材を示し、(c)はサスペンション及びレンズホルダの下段左右に取り付ける弾性支持部材を示した図、
図3は本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置において、対物レンズを取り付けたレンズホルダの左右の側面側と、サスペンションの左右の側面側との間に、6本の弾性支持部材を掛け渡した状態を模式的に示した斜視図である。
【0026】
図1に示した如く、本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置10Aは、固定側となるヨークベース11が例えば軟磁性鋼板などを用いて剛性のある枠体に一体的に形成されており、このヨークベース11の幅方向がX軸方向に対応し、長手方向がY軸方向に対応し、更に、後述する対物レンズ15の光軸がZ軸方向に対応している。
【0027】
また、ヨークベース11には、後述する対物レンズ15への光通路用の孔11aが貫通して穿設されており、且つ、Y軸方向の前後で且つ孔11aを挟んで一対のヨーク部11b,11cが折り曲げ加工により上方に向かって垂設され、且つ、ヨーク部11cより後方にサスペンション支持部11dが折り曲げ加工により上方に向かって垂設されている。
【0028】
更に、ヨークベース11には、後方側のヨーク部11cの上部とサスペンション支持部11dの上部とに、一対のV溝11c1,11d1が互いに対向して後述するレンズホルダ16の幅方向の中央を通るY軸に沿って形成されている。
【0029】
そして、ヨークベース11上に垂設した一対のヨーク部11b,11cの各内側に一対のマグネット12A,12Bが接着剤を用いて固着されている。
【0030】
次に、固定側のヨークベース11上に取り付けられるサスペンション13は、非導電性を有する樹脂材を用いて一体的に形成されており、Y軸方向の前後の面の上部から半円弧状突起13a,13bがそれぞれ前後方向に向かって突出形成されており、これらの半円弧状突起13a,13bは後方側のヨーク部11cの上部とサスペンション支持部11dの上部とにそれぞれ形成した一対のV溝11c1,11d1上に回動可能に載置されるようになっている。また、サスペンション13の左右の側面13c,13dには、導電性を有する弾性支持部材14を左右に3本づつ三対で合計6本支持するバネ支持部(13c1〜13c3),(13d1〜13d3…図示せず)が左右に3か所づつ上段,中段,下段の順に形成されている。
【0031】
次に、対物レンズ15を上部に取り付けたレンズホルダ16は、非導電性を有する樹脂材を用いて形成されており、且つ、内部には対物レンズ15への光通路用の孔(図示せず)が貫通して穿設されている。
【0032】
また、レンズホルダ16の前後の面16a,16bに一対のプリントコイル基板17A,17Bが取り付けられた状態でレンズホルダ16を跨いで設けた接続線18により両基板17A,17B同士が電気的に接続されている。そして、レンズホルダ16はヨークベース11上の一対のヨーク部11b,11cに固着した一対のマグネット12A,12B間に挟まれて、一対のマグネット12A,12Bと一対のプリントコイル基板17A,17Bとが互いに対向することで、一方のマグネット12A(又は12B)から他方のマグネット12B(又は12A)に向かう磁力線による磁気回路中にレンズホルダ16に取り付けた一対のプリントコイル基板17A,17Bが位置することになる。
【0033】
また、レンズホルダ16の左右の側面16c,16dには、導電性を有する弾性支持部材14を左右に3本づつ三対で合計6本支持するバネ支持部(16c1〜16c3),(16d1〜16d3…図示せず)が左右に3か所づつ上段,中段,下段の順に外側に向かって突出形成されている。
【0034】
そして、対物レンズ15を取り付けたレンズホルダ16の左右側を光ディスク(図示せず)のラジアル方向(径方向)に位置させた際に、サスペンション13の左右の側面13c,13d側に形成したバネ支持部(13c1〜13c3),(13d1〜13d3…図示せず)と、レンズホルダ16の左右の側面16c,16d側に形成したバネ支持部(16c1〜16c3),(16d1〜16d3…図示せず)との間に、導電性を有する弾性支持部材14が左右に3本づつ三対で合計6本掛け渡されている。
【0035】
この際、第1実施例で用いられる6本の弾性支持部材14は、共に同じ厚みの薄い板バネ材を用いてプレス加工又はエッチング加工などによりバネ部分が略同一線幅に形成されている。
【0036】
より具体的に説明すると、図2(a)に示したように、サスペンション13及びレンズホルダ16の上段左右に支持される一対の弾性支持部材14L1,14R1は、1枚の板バネ材を用いて外枠部14aの内側に略左右対称に成形されており、弾性支持部材14L1,14R1の各一端側にサスペンション13の左右のバネ支持部13c1,13d1への接着部14b,14cを成形し、且つ、弾性支持部材14L1,14R1の各他端側にレンズホルダ16の左右のバネ支持部16c1,16d1への接着部14d,14eと後方のプリントコイル基板17Bへの基板接続部14f,14gとを成形し、更に、プリントコイル基板17A,17B間への接続線18を同時に成形した上で、弾性支持部材14L1,14R1の各両端を外枠部14aから切り離している。
【0037】
また、図2(b)に示したように、サスペンション13及びレンズホルダ16の中段左右に支持される一対の弾性支持部材14L2,14R2は、2枚の板バネ材を用いて各外枠部14h,14iの各内側に略左右対称に成形されており、弾性支持部材14L2,14R2の各一端側にサスペンション13の左右のバネ支持部13c2,13d2への接着部14j,14kを成形すると共に、接着部14j,14kよりも内側の各一端側に波状に屈曲した波状屈曲部W,Wを略左右対称に同時に成形し、この波状屈曲部W,Wにより上段左右の弾性支持部材14L1,14R1及び後述する下段左右の弾性支持部材14L3,14R3よりもバネ定数を低く設定し、更に、弾性支持部材14L2,14R2の各他端側にレンズホルダ16の左右のバネ支持部16c2,16d2への接着部14l,14mと前方のプリントコイル基板17Aへの基板接続部14n,14oとを成形した上で、弾性支持部材14L2,14R2の各両端を各外枠部14h,14iから切り離している。
【0038】
また、図2(c)に示したように、サスペンション13及びレンズホルダ16の下段左右に支持される一対の弾性支持部材14L3,14R3は、1枚の板バネ材を用いて外枠部14pの内側に略左右対称に成形されており、弾性支持部材14L3,14R3の各一端側にサスペンション13の左右のバネ支持部13c3,13d3への接着部14q,14rを成形し、且つ、各他端側にレンズホルダ16の左右のバネ支持部16c3,16d3への接着部14s,14tと後方のプリントコイル基板17Bへの基板接続部14uと前方のプリントコイル基板17Aへの基板接続部14vとを成形し、更に、プリントコイル基板17A,17B間への接続線18,18を同時に成形した上で、弾性支持部材14L3,14R3の各両端を外枠部14pから切り離している。
【0039】
上記のように、6本の弾性支持部材14は、板バネ材を用いてプレス加工又はエッチング加工などにより、左右の間隔を維持した状態のままサスペンション13側と、レンズホルダ16側とに寸法精度良く組み立てることができる。また、サスペンション13側と、レンズホルダ16側とを同時に一体的に成形できる可能性もある。
【0040】
そして、6本の弾性支持部材14をサスペンション13とレンズホルダ16との間に掛け渡すにあたって、図3に模式的に示した如く、上段左右一対の弾性支持部材14L1,14R1は、サスペンション13側の各一端部がサスペンション13の左右のバネ支持部13c1,13d1に接着剤19,19により固着され、且つ、各他端部はレンズホルダ16の左右のバネ支持部16c1,16d1に接着剤により固着されていると共に後方のプリントコイル基板17Bに電気的に接続されている。
【0041】
また、中段左右一対の弾性支持部材14L2,14R2は、サスペンション13側の各一端部側が波状屈曲部W,Wによりバネ定数が低く設定された状態でサスペンション13の左右のバネ支持部13c2,13d2に接着剤19,19により固着され、且つ、各他端部はレンズホルダ16の左右のバネ支持部16c2,16d2に接着剤により固着されていると共に前方のプリントコイル基板17Aに電気的に接続されている。
【0042】
また、下段左右一対の弾性支持部材14L3,14R3は、サスペンション13側の各一端部がサスペンション13の左右のバネ支持部13c3,13d3に接着剤19,19により固着され、且つ、各他端部はレンズホルダ16の左右のバネ支持部16c3,16d3に接着剤により固着されていると共に、弾性支持部材14L3の他端部が後方のプリントコイル基板17Bに、弾性支持部材14R3の他端部が前方のプリントコイル基板17Aにそれぞれ電気的に接続されている。
【0043】
尚、第1実施例では、6本の弾性支持部材14をレンズホルダ16の左右の側面側と、サスペンション13の左右の側面側と間で、上段,中段,下段の順に支持し、且つ、中段の弾性支持部材14のみをバネ定数を小さく設定することで、6本の弾性支持部材14をバランス良く配置したが、これに限ることなく、従来例で示したような配置関係でも可能である。
【0044】
図1に戻り、この後、サスペンション13に対して6本の弾性支持部材14により対物レンズ15を取り付けたレンズホルダ16を揺動可能に支持した状態で、サスペンション13の前後面に突出形成した半円弧状突起13a,13bを、ヨークベース11のヨーク部11cの上部とサスペンション支持部11dの上部とに形成した一対のV溝11c1,11d1上に載置し、サスペンション13をチルト調整用板バネ21によりヨーク部11cとサスペンション支持部11dとに押さえ付けている。この際、チルト調整用板バネ21は、厚みが薄いステンレス材などを用いてアーム状上面21aから垂直面21bを経て下面21cにかけて“略コ字状”に形成されており、アーム状上面21aをサスペンション13の上部に当接させ、且つ、垂直面21bをサスペンション支持部11dの後面に沿わせ、更に、下面21cをヨークベース11の裏面11eに当接させている。そして、ヨークベース11の裏面11eに設けたチルト調整用ネジ(図示せず)でサスペンション13をチルト調整用板バネ21のアーム状上面21aの付勢力に抗して押し上げて、不図示のチルト調整用光ディスクに対して対物レンズ15が略平行となるようにサスペンション13に対して予めチルト調整している。
【0045】
尚、サスペンション13を、チルト調整用板バネ21を用いることなく固定側のヨークベース11上に直接取り付ける場合もある。
【0046】
更に、チルト調整用板バネ21の垂直面21b側には、不図示のプリント配線基板が取り付けられ、このプリント配線基板に6本の弾性支持部材14の各一端側が半田付けされて、不図示の各コイル駆動回路に接続されている。
【0047】
ここで、レンズホルダ16に取り付けた対物レンズ15を光ディスクに対してフォーカス方向及びトラッキング方向に制御し、且つ、対物レンズ15からの光束が光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるようにチルト制御する際の構成部材及び動作について、図1,図4を併用して説明すると共に、第1実施例を一部変形させた変形列について図5を用いて説明する。
【0048】
図4は本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置において、一対のマグネットの磁化と、レンズホルダの前面及び後面に取り付けた一対のプリントコイル基板を説明するために模式的に示した斜視図、
図5は本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置を一部変形させた変形例において、レンズホルダの前面の左右及び後面の左右にフォーカスコイルとトラッキングコイルとを積層して取り付けた場合を説明するために模式的に示した斜視図である。
【0049】
図4に示した如く、レンズホルダ16の前面16a及び後面16bには、一対のプリントコイル基板17A,17Bが取り付けられ、これら一対のプリントコイル基板17A,17Bに一対のマグネット12A,12Bが対向している。
【0050】
上記した一対のプリントコイル基板17A,17Bは、共に薄い板厚のプリント配線基板を用いて略同じように矩形状に形成され、且つ、複数のコイルがそれぞれ印刷されている。
【0051】
ここで、レンズホルダ16の前面16aに取り付けたプリントコイル基板17A上には、レンズホルダ16の幅方向の中央を通るY軸を中心とした左右にフォーカスコイルFoC−L1,FoC−R1が略対称に2個設けられ、且つ、フォーカスコイルFoC−L1,FoC−R1間でY軸に沿った上下にトラッキングコイルTrC−1,TrC−2が2個設けられている。また、前側のプリントコイル基板17Aと同様に、レンズホルダ16の後面16bに取り付けたプリントコイル基板17B上にも、Y軸を中心とした左右にフォーカスコイルFoC−L2,FoC−R2が略対称に2個設けられ、且つ、フォーカスコイルFoC−L2,FoC−R2間でY軸に沿った上下にトラッキングコイルTrC−3,TrC−4が2個設けられている。
【0052】
そして、プリントコイル基板17A,17Bの左側の2個のフォーカスコイルFoC−L1,FoC−L2同士を結線して両端をレンズホルダ16の左側面16cに取り付けた例えば2本の弾性支持部材14L1,14L2に接続している。一方、プリントコイル基板17A,17Bの右側の2個のフォーカスコイルFoC−R1,FoC−R2同士を結線して両端をレンズホルダ16の右側面16dに取り付けた例えば2本の弾性支持部材14R1,14R2に接続している。更に、プリントコイル基板17A,17Bの中央の4個のトラッキングコイルTrC−1〜TrC−4同士を結線して両端をレンズホルダ16の左右の側面16c,16dに取り付けた例えば2本の弾性支持部材14L3,14R3に接続している。
【0053】
尚、1系統の左側のフォーカスコイルFoC−L1,FoC−L2と、1系統の右側のフォーカスコイルFoC−R1,FoC−R2と、1系統の中央のトラッキングコイルTrC−1〜TrC−4とに接続する6本の弾性支持部材14は、上記指定した各段に限定されるものでなく、プリントコイル基板17A,17Bの配線パターンに応じて適宜な段の弾性支持部材14を選択して接続すれば良いものである。
【0054】
更に、一対のプリントコイル基板17A,17Bと対向して設けた一対のマグネット12A,12Bは、それぞれ左右上下に4極に磁化されており、且つ、同一マグネット内で一方の対角同士がS極であれば他方の対角同士がN極となり、且つ、互いに対向するマグネット間では互いに対向する対角同士が逆転して磁化されている。
【0055】
上記により、光ディスクからの戻り光を基にして生成したフォーカスエラー信号と、光ディスクから読み取った信号からジッター量を算出してこのジッター量が最小になるように生成した傾動駆動信号とを、左右に2本づつ二対で合計4本の弾性支持部材14を経由して1系統の左側のフォーカスコイルFoC−L1,FoC−L2と、1系統の右側のフォーカスコイルFoC−R1,FoC−R2とに印加することで、磁界の向きに応じて各フォーカスコイルに矢印方向の電流が流れてY軸を中心とした左右に力(Fo−L),(Fo−R)が生じ、これによりレンズホルダ16に取り付けた対物レンズ15がフォーカス方向(Z軸方向)に制御されると共に、左右の力(Fo−L),(Fo−R)の差に応じて対物レンズ15からの光束が光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるようにチルト制御される。
【0056】
また、光ディスクからの戻り光を基にして生成したトラッキングエラー信号を、左右に1本づつ一対で合計2本の弾性支持部材14を経由して1系統の中央のトラッキングコイルTrC−1〜TrC−4に印加することで、X軸方向に沿って力(Tr)が生じ、これによりレンズホルダ16に取り付けた対物レンズ15がトラッキング方向(X軸方向)に制御される。
【0057】
この際、対物レンズ15を取り付けたレンズホルダ16が6本の弾性支持部材14を介して揺動する動作に伴って、6本の弾性支持部材14が略S字形に変形する過程でたわみモードの差による坐屈方向の応力を発生した時に、6本の弾性支持部材14のうちで中段に位置してバネ定数を小さく設定した一対の導電性弾性支持部材14L2,14R2の波状屈曲部W,Wが坐屈方向の応力を吸収するために、中段の弾性支持部材14L2,14R2はレンズホルダ16を引っ張ったり、押したりすることなく、傾きへの悪影響を発生しないので、レンズホルダ16に取り付けた対物レンズ15を光ディスクに対してフォーカス方向及びトラッキング方向に良好に制御でき、且つ、対物レンズ15からの光束が光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるように良好にチルト制御できる。
【0058】
また、上記に伴って磁気回路を形成するための一対のマグネット12A,12Bを、フォーカスコイルFoC−L1,FoC−L2,FoC−R1,FoC−R2と、トラッキングコイルTrC−1〜TrC−4とに共用して対向させることができるので、従来例よりもマグネットの個数を削減でき、対物レンズ駆動装置1Aを安価に提供できる。
【0059】
更に、中段の弾性支持部材14L2,14R2のバネ定数を小さく設定する際に、先に図9を用いて説明した従来例のような複雑な形状のねじりバネ状部分T,Tを設けずに、簡単に作製できる波状屈曲部W,Wとしたため、中段の弾性支持部材14L2,14R2の部品単価が安価となる。
【0060】
尚、上記した第1実施例では、レンズホルダ16の前面16a及び後面16bに一対のプリントコイル基板17A,17Bを取り付けた場合を説明したが、これら一対のプリントコイル基板17A,17Bに代えて、図5に示したように、レンズホルダ16の前面16aの左右及び後面16bの左右にフォーカスコイルとトラッキグコイルとを積層して取り付けても良い。
【0061】
即ち、図5に示したように、第1実施例を一部変形させて、レンズホルダ16の前面16aにY軸を中心として左右にフォーカスコイルFoC−L1,FoC−R1と、トラッキグコイルTrC−L1,TrC−R1とを積層して固着させ、且つ、レンズホルダ16の後面16bにY軸を中心として左右にフォーカスコイルFoC−L2,FoC−R2と、トラッキグコイルTrC−L2,TrC−R2とを積層して固着させている。この際、フォーカスコイルFoC−L1,FoC−R1,FoC−L2,FoC−R2は上方から見てリング状に巻回させる一方、トラッキグコイルTrC−L1,TrC−R1,TrC−L2,TrC−R2は横方から見てリング状に巻回させている。
【0062】
この第1実施例の変形例の場合でも、レンズホルダ16の左側の2個のフォーカスコイルFoC−L1,FoC−L2同士を結線して両端を2本の弾性支持部材14に接続している。一方、レンズホルダ16の右側の2個のフォーカスコイルFoC−R1,FoC−R2同士を結線して両端を2本の弾性支持部材14に接続している。更に、4個のトラッキングコイルTrC−L1,TrC−L2,TrC−R1,TrC−R2同士を結線して両端を2本の弾性支持部材14に接続することで、第1実施例と同様に、レンズホルダ16に取り付けた対物レンズ15を6本の弾性支持部材14を介してフォーカス方向及びトラッキング方向に良好に制御でき、且つ、対物レンズ15からの光束が光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるように良好にチルト制御できる。
【0063】
<第2実施例>
図6は本発明に係る第2実施例の対物レンズ駆動装置を模式的に示した斜視図である。
【0064】
図6に示した本発明に係る第2実施例の対物レンズ駆動装置10Bは、先に説明した第1実施例の対物レンズ駆動装置10Aに対して6本の弾性支持部材14が異なるだけであるので、この第2実施例では第1実施例に対して異なる点についてのみ説明する。
【0065】
図6に示した第2実施例の対物レンズ駆動装置10Bにおいて、対物レンズ15を取り付けたレンズホルダ16の左右の側面16c,16d側と、ヨークベース11(図1)上に取り付けたサスペンション13の左右の側面13c,13d側との間に、導電性を有する弾性支持部材14(14L1〜14L3,14R1〜14R3)を左右に3本づつ三対で合計6本掛け渡す際に、6本の弾性支持部材14は第1実施例と異なって線形バネ材を用いている。
【0066】
この第2実施例では、上記した6本の弾性支持部材14のうちで、サスペンション13及びレンズホルダ16の上段左右に支持する弾性支持部材14L1,14R1は線形バネ材を一直線状態で支持させ、且つ、サスペンション13及びレンズホルダ16の下段左右に支持する弾性支持部材14L3,14R3も線形バネ材を一直線状態で支持させている。
【0067】
また、サスペンション13及びレンズホルダ16の中段左右に支持する弾性支持部材14L2,14R2はサスペンション13側の一端側にキンク状(略V字状)に屈曲したキンク状屈曲部V,Vを略左右対称に成形し、このキンク状屈曲部V,Vにより上段左右の弾性支持部材14L1,14R1及び下段左右の弾性支持部材14L3,14R3よりもバネ定数を低く設定している。
【0068】
この際、対物レンズ15を取り付けたレンズホルダ16が6本の弾性支持部材14を介して揺動する動作に伴って、6本の弾性支持部材14が略S字形に変形する過程でたわみモードの差による坐屈方向の応力を発生した時に、6本の弾性支持部材14のうちで中段に位置してバネ定数を小さく設定した一対の導電性弾性支持部材14L2,14R2のキンク状屈曲部V,Vが坐屈方向の応力を吸収するために、中段の弾性支持部材14L2,14R2はレンズホルダ16を引っ張ったり、押したりすることなく、傾きへの悪影響を発生しないので、第1実施例と同様に、レンズホルダ16に取り付けた対物レンズ15を光ディスクに対してフォーカス方向及びトラッキング方向に良好に制御でき、且つ、対物レンズ15からの光束が光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるように良好にチルト制御できる。
【0069】
また、中段の弾性支持部材14L2,14R2のバネ定数を小さく設定する際に、先に図9を用いて説明した従来例のような複雑な形状のねじりバネ状部分T,Tを設けずに、簡単に作製できるキンク状屈曲部V,Vとしたため、中段の弾性支持部材14L2,14R2の部品単価が安価となる。
【0070】
<第3実施例>
図7は本発明に係る第3実施例の対物レンズ駆動装置を模式的に示した斜視図である。
【0071】
図7に示した本発明に係る第3実施例の対物レンズ駆動装置10Cも、先に説明した第1実施例の対物レンズ駆動装置10Aに対して6本の弾性支持部材14と、6本の弾性支持部材14のうちで中段の2本の弾性支持部材14のサスペンション13への支持方法が異なるだけであるので、この第3実施例でも第1実施例に対して異なる点についてのみ説明する。
【0072】
図7に示した第3実施例の対物レンズ駆動装置10Cにおいて、対物レンズ15を取り付けたレンズホルダ16の左右の側面16c,16d側と、ヨークベース11(図1)上に取り付けたサスペンション13の左右の側面13c,13d側との間に、導電性を有する弾性支持部材14(14L1〜14L3,14R1〜14R3)を左右に3本づつ三対で合計6本掛け渡す際に、6本の弾性支持部材14は第1実施例と異なって線形バネ材を用いて全て一直線状に形成している。
【0073】
この第3実施例では、上段左右の弾性支持部材14L1,14R1と、下段左右の弾性支持部材14L3,14R3はサスペンション13及びレンズホルダ16の左右にそれぞれ接着剤を用いて支持されている。
【0074】
一方、中段左右の弾性支持部材14L2,14R2は、サスペンション13側の一端側がサスペンション13の左右の側面13c,13dの中段に形成した逃げ溝13c4,13d4を通り抜けてサスペンション13の後面に取り付けた柔らかなフレキシブル配線基板31に半田付けにより支持され、一方、レンズホルダ16側の他端側はレンズホルダ16の左右に接着剤を用いて支持されているため、中段左右の弾性支持部材14L2,14R2は上段左右の弾性支持部材14L1,14R1及び下段左右の弾性支持部材14L3,14R3よりも柔らかなフレキシブル配線基板31を介してバネ定数を低く設定することができる。
【0075】
この第3実施例でも6本の弾性支持部材14が略S字形に変形する過程でたわみモードの差による坐屈方向の応力を発生した時に、6本の弾性支持部材14のうちで中段に位置してバネ定数を小さく設定した一対の導電性弾性支持部材14L2,14R2はサスペンション13の後面に取り付けたフレキシブル配線基板31の撓みよって応力を吸収することができるので、第1,第2実施例と同様に、レンズホルダ16に取り付けた対物レンズ15を光ディスクに対してフォーカス方向及びトラッキング方向に良好に制御でき、且つ、対物レンズ15からの光束が光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるように良好にチルト制御できる。
【0076】
更に、サスペンション13の後面に取り付けたフレキシブル配線基板31は中段左右の弾性支持部材14L2,14R2を支持するだけでなく、6本の弾性支持部材14の各一端側を電気的に接続する機能を兼務できるので、対物レンズ駆動装置1Cを安価に提供できる。
【0077】
<第4実施例>
図8は本発明に係る第4実施例の対物レンズ駆動装置を模式的に示した斜視図である。
【0078】
図8に示した本発明に係る第4実施例の対物レンズ駆動装置10Dも、先に説明した第1実施例の対物レンズ駆動装置10Aに対して6本の弾性支持部材14と、6本の弾性支持部材14のサスペンション13への支持方法が異なるだけであるので、この第3実施例でも第1実施例に対して異なる点についてのみ説明する。
【0079】
図8に示した第4実施例の対物レンズ駆動装置10Dにおいて、対物レンズ15を取り付けたレンズホルダ16の左右の側面16c,16d側と、ヨークベース11(図1)上に取り付けたサスペンション13の左右の側面13c,13d側との間に、導電性を有する弾性支持部材14(14L1〜14L3,14R1〜14R3)を左右に3本づつ三対で合計6本掛け渡す際に、6本の弾性支持部材14は第1実施例と異なって線形バネ材を用いて全て一直線状に形成している。
【0080】
この第4実施例の対物レンズ駆動装置10Dでは、とくに、6本の弾性支持部材14の各一端側をサスペンション13の左右の側面13c,13dに形成したバネ支持部13c1〜13c3,13d1〜13d3に支持する際に、上段左右の弾性支持部材14L1,14R1と、下段左右の弾性支持部材14L3,14R3とは、接着剤41によりバネ支持部(13c1,13d1),(13c3,13d3)に支持させる一方、中段左右の弾性支持部材14L2,14R2は柔らかな固定部材42によりバネ支持部(13c2,13d2)に支持させている。これにより、中段左右の弾性支持部材14L2,14R2は上段左右の弾性支持部材14L1,14R1及び下段左右の弾性支持部材14L3,14R3よりも柔らかな固定部材42を介してバネ定数を低く設定することができる。
【0081】
この第4実施例でも6本の弾性支持部材14が略S字形に変形する過程でたわみモードの差による坐屈方向の応力を発生した時に、6本の弾性支持部材14のうちで中段に位置してバネ定数を小さく設定した一対の導電性弾性支持部材14L2,14R2は柔らかな固定部材42によって応力を吸収することができるので、第1〜第3実施例と同様に、レンズホルダ16に取り付けた対物レンズ15を光ディスクに対してフォーカス方向及びトラッキング方向に良好に制御でき、且つ、対物レンズ15からの光束が光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるように良好にチルト制御できる。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る対物レンズ駆動装置において、請求項1記載によると、対物レンズを取り付けたレンズホルダの左右側を光ディスクのラジアル方向(径方向)に位置させて、レンズホルダの左右の側面側と、ヨークベース上に取り付けたサスペンションの左右の側面側との間に、導電性を有する弾性支持部材を左右に3本づつ三対で合計6本掛け渡して、対物レンズに対してフォーカス制御,トラッキング制御,チルト制御を併せて行う際、レンズホルダの左右に取り付けた2系統のフォーカスコイルにそれぞれ接続する4本の弾性支持部材と、レンズホルダに取り付けた1系統のトラッキングコイルに接続する2本の弾性支持部材とをレンズホルダの左右の側面側と、サスペンションの左右の側面側との間に左右三対で合計6本掛け渡すと共に、左右三対の弾性支持部材のうちの一対は他の二対よりもバネ定数を低く設定したため、6本の弾性支持部材が略S字形に変形する過程でたわみモードの差による坐屈方向の応力を発生した時に、6本の弾性支持部材のうちでバネ定数を小さく設定した一対の導電性弾性支持部材が坐屈方向の応力を吸収するために、バネ定数を小さく設定した一対の導電性弾性支持部材はレンズホルダを引っ張ったり、押したりすることなく、傾きへの悪影響を発生しないので、レンズホルダに取り付けた対物レンズを光ディスクに対してフォーカス方向及びトラッキング方向に良好に制御でき、且つ、対物レンズからの光束が光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるように良好にチルト制御できる。
【0083】
また、上記に伴って磁気回路を形成するための一対のマグネットを、レンズホネダに取り付けたフォーカスコイルと、トラッキングコイルとに共用して対向させることができるので、従来例よりもマグネットの個数を削減でき、対物レンズ駆動装置を安価に提供できる。
【0084】
更に、請求項2記載によると、上記した請求項1記載の対物レンズ駆動装置において、一対の前記弾性支持部材は、サスペンション側の各一端側を屈曲させてサスペンションに支持させるか、又は、サスペンション側の各一端をサスペンションに取り付けたフレキシブル配線基板に支持させるか、もしくは、サスペンション側の各一端側を柔らかな固定部材を介してサスペンションに支持させることによりバネ定数を低く設定したため、簡単な構造で一対の弾性支持部材のバネ定数を低くできるので、一対の弾性支持部材の部品単価が安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置において、6本の弾性支持部材を説明するための斜視図であり、(a)はサスペンション及びレンズホルダの上段左右に取り付ける弾性支持部材を示し、(b)はサスペンション及びレンズホルダの中段左右に取り付ける弾性支持部材を示し、(c)はサスペンション及びレンズホルダの下段左右に取り付ける弾性支持部材を示した図である。
【図3】本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置において、対物レンズを取り付けたレンズホルダの左右の側面側と、サスペンションの左右の側面側との間に、6本の弾性支持部材を掛け渡した状態を模式的に示した斜視図である。
【図4】本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置において、一対のマグネットの磁化と、レンズホルダの前面及び後面に取り付けた一対のプリントコイル基板を説明するために模式的に示した斜視図である。
【図5】本発明に係る第1実施例の対物レンズ駆動装置を一部変形させた変形例において、レンズホルダの前面の左右及び後面の左右にフォーカスコイルとトラッキングコイルとを積層して取り付けた場合を説明するために模式的に示した斜視図である。
【図6】本発明に係る第2実施例の対物レンズ駆動装置を模式的に示した斜視図である。
【図7】本発明に係る第3実施例の対物レンズ駆動装置を模式的に示した斜視図である。
【図8】本発明に係る第4実施例の対物レンズ駆動装置を模式的に示した斜視図である。
【図9】従来の対物レンズ駆動装置を説明するための図であり、(a)は上面図であり、(b)は(a)中の▲1▼−▲1▼断面図であり、(c)は(a)中の▲2▼−▲2▼断面図である。
【符号の説明】
10A…第1実施例の対物レンズ駆動装置、
10B…第2実施例の対物レンズ駆動装置、
10C…第3実施例の対物レンズ駆動装置、
10D…第4実施例の対物レンズ駆動装置、
11…ヨークベース、11b,11c…一対のヨーク部、
11d…サスペンション支持部、
12A,12B…一対のマグネット、
13…サスペンション、
13c…左側面、13c1〜13c3…バネ支持部、
13d…右側面、13d1〜13d3…バネ支持部、
14(14L1〜14L3,14R1〜14R3)…弾性支持部材、
15…対物レンズ、
16…レンズホルダ、16a…前面、16b…後面、
16c…左側面、16c1〜16c3…バネ支持部、
16d…右側面、16d1〜16d3…バネ支持部、
17A,17B…プリントコイル基板、
18…接続線、19…接着剤、
21…チルト調整用板バネ、
31…フレキシブル配線基板、
41…接着剤、42…柔らかな固定部材、
FoC−L1,FoC−L2…1系統の左側のフォーカスコイル、
FoC−R1,FoC−R2…1系統の右側のフォーカスコイル、
TrC−1〜TrC−4…1系統のトラッキグコイル。
Claims (2)
- 対物レンズを取り付けたレンズホルダの左右側を光ディスクのラジアル方向(径方向)に位置させて、前記レンズホルダの左右の側面側と、ヨークベース上に取り付けたサスペンションの左右の側面側との間に、導電性を有する弾性支持部材を左右に3本づつ三対で合計6本掛け渡すと共に、6本の前記弾性支持部材を前記レンズホルダに取り付けた3系統のコイルに接続してそれぞれ駆動電流を印加することで、前記レンズホルダと一体に前記対物レンズを前記光ディスクに対してフォーカス方向及びトラッキング方向に制御し、且つ、前記対物レンズからの光束が前記光ディスクのラジアル方向(径方向)に対して略垂直となるようにチルト制御する対物レンズ駆動装置において、
前記レンズホルダの左右に取り付けた2系統のフォーカスコイルにそれぞれ接続する4本の弾性支持部材と、前記レンズホルダに取り付けた1系統のトラッキングコイルに接続する2本の弾性支持部材とを、前記レンズホルダの左右の側面側と、前記サスペンションの左右の側面側との間に左右三対で合計6本掛け渡すと共に、左右三対の前記弾性支持部材のうちの一対は他の二対よりもバネ定数を低く設定したことを特徴とする対物レンズ駆動装置。 - 請求項1記載の対物レンズ駆動装置において、
一対の前記弾性支持部材は、前記サスペンション側の各一端側を屈曲させて該サスペンションに支持させるか、又は、前記サスペンション側の各一端を前記サスペンションに取り付けたフレキシブル配線基板に支持させるか、もしくは、前記サスペンション側の各一端側を柔らかな固定部材を介して該サスペンションに支持させることによりバネ定数を低く設定したことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
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