JP2004102627A - 文書管理システムおよび文書管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】遺伝子型文書IDを用いてコピーされた複数の文書間での相対関係を判定し、コピー経路の判定や管理を分散的に行うことのできる文書管理システムおよび方法を提供する。
【解決手段】文書が複製(コピー)される毎に変化する遺伝子型IDを上記文書に付加することにより種々の形態の文書管理、すなわち紙文書のコピーや配付の管理、電子的文書のコピーや配付の管理、マルチメディア・プレゼンテーション文書(MM−Handler文書)の 文書間アクセス管理、電子的データ(静止画、音楽、動画、etc.)の コピーや配付の管理(著作権管理)、原本性保証や認証やセキュリティの管理、電子メールの受信管理、ネットワークのトラフィック管理、ネットワークゲームのアクセス管理等を行う文書管理システム。
【選択図】 図1
【解決手段】文書が複製(コピー)される毎に変化する遺伝子型IDを上記文書に付加することにより種々の形態の文書管理、すなわち紙文書のコピーや配付の管理、電子的文書のコピーや配付の管理、マルチメディア・プレゼンテーション文書(MM−Handler文書)の 文書間アクセス管理、電子的データ(静止画、音楽、動画、etc.)の コピーや配付の管理(著作権管理)、原本性保証や認証やセキュリティの管理、電子メールの受信管理、ネットワークのトラフィック管理、ネットワークゲームのアクセス管理等を行う文書管理システム。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、現在使用されている多種多様の形態の文書を管理する文書管理システムおよび文書管理方法に関し、特に、文書が複製(コピー)される毎に変化する遺伝子型IDを上記文書に付加することにより種々の形態の文書管理、すなわち紙文書のコピーや配付の管理、電子的文書のコピーや配付の管理、マルチメディア・プレゼンテーション文書(MM−Handler文書)の文書間アクセス管理、電子的データ(静止画、音楽、動画、etc.)のコピーや配付の管理(著作権管理)、原本性保証や認証やセキュリティの管理、電子メールの受信管理、ネットワークのトラフィック管理、ネットワークゲームのアクセス管理等を行う文書管理システムおよび文書管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、多種多様の形態の文書が色々な電子ツールによって扱われており、その際、文書を複製(コピー)する処理が頻繁におこなわれる。
文書の一形態としての紙文書のコピーや配付の管理としては、紙文書に番号やバーコードを印刷することにより文書IDを付与し、それによって集中的に文書管理を行うという発想の従来技術・商品がいくつか提供されている。
一例として挙げると、Panasonicデジタル複合機Hyper Papyrusシリーズ1998/5発売(URL=http://www.panafax.co.jp/products/hyper/index.html)でDDメモリー機能(DDコード、2次元バーコード)を有しているもの(カタログより抜粋:コピー・FAX・プリントアウトと同時に書類内容を自動的に保存、同時に一枚目にDDコード(書類管理文書)を付与:保存した書類の取り出しや管理はDDコード付き表紙一枚だけで行う)(URL=http://www.panafax.co.jp/products/hyper/dd−memory.html)。
上記商品の場合、文書に2次元バーコード形式の文書IDが印刷され、この文書IDを手がかりにして、文書サーバーに格納されたオリジナルの電子的文書にアクセスし、再プリント(コピー)するという機能が説明されている。ただし、この場合、再プリント(コピー)の際に付与される文書IDは同じものである。すなわち、中心となる文書サーバーに電子的オリジナル文書を蓄積し、それを中心として、文書IDによって紙文書との関係をつなぐという意図の装置である。
【非特許文献1】Panasonicデジタル複合機Hyper Papyrusシリーズ(1998/5発売)カタログ
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の文書管理装置では、文書文書に文書IDが付与されるが、上記文書文書の再プリント(コピー)時には、そのコピーに同じ文書IDが付与されるため、上記文書IDを用いてコピーされた複数の文書間での相対関係を判定し、コピー経路の判定や管理を行うことは難しかった。
本発明は、上述のごとき問題点を解決するためになされたもので、コピー(再プリント)されてゆく文書にオリジナルに付与された遺伝子型文書IDと異なる遺伝子型文書ID(遺伝子型ID)を付与し、その遺伝子型文書IDを用いてコピーされた複数の文書間での相対関係を判定し、コピー経路の判定や管理を分散的に行うことのできる文書管理システムおよび文書管理方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、文書を管理する文書管理システムであって、遺伝子型文書IDを生成し上記文書に付与するID生成付与部と、上記遺伝子型文書IDを記憶する記憶部と、上記遺伝子型文書IDを含む文書をスキャンあるいはプリントアウトするスキャン・プリントアウト部と、上記スキャンされた文書から遺伝子型文書IDを認識する認識部と、遺伝子型文書IDを含む文書の複製(コピー)時にその遺伝子型文書IDに変異を加える変異処理部と、2つの文書の遺伝子型文書IDを比較して、その相違を判定する判定処理部と、判定された相違に応じて種々の操作をコントロールする操作コントロール部とを有することを特徴とする。
したがって、その遺伝子型文書IDを用いてコピーされた複数の文書間での相対関係を判定し、コピー経路の判定や管理を分散的に行うことができる。
また、請求項2記載の発明は、文書を管理する文書管理方法であって、遺伝子型文書IDを生成し上記文書に付与するステップと、上記遺伝子型文書IDを記憶するステップと、上記遺伝子型文書IDを含む文書をスキャンあるいはプリントアウトするステップと、上記スキャンされた文書から遺伝子型文書IDを認識するステップと、遺伝子型文書IDを含む文書の複製(コピー)時にその遺伝子型文書IDに変異を加えるステップと、2つの文書の遺伝子型文書IDを比較して、その相違を判定するステップと、判定された相違に応じて種々の操作をコントロールするステップとを有することを特徴とする。
したがって、2つの文書について遺伝子型文書IDを比較し、異なるビット数を数えることで、2つの文書間のコピーされた回数を知ることができ、2つの文書についての「相対的な関係」がわかることとなる。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の文書管理方法であって、上記遺伝子型IDは、1列に並んだ白黒のパターンであること特徴とする。
したがって、コピー回数が少ないものを正確に判定し、それ以外のものと確実に区別することができる。
【0005】
また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の文書管理方法であって、上記遺伝子型IDは、2次元マトリクス状に並んだ白黒のパターンであることを特徴とする。
したがって、コピー回数が少ないものを正確に判定し、それ以外のものと確実に区別することができる。
また、請求項5記載の発明は、文書間で通信が可能な電子文書(MM−Handler文書)を管理する文書管理方法であって、上記文書内に遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、文書作成時に遺伝子型IDを生成し上記文書に付与するステップと、上記文書の配付時に、その遺伝子型IDに変異を加えて配付するステップと、上記文書から文書へアクセス要求があった場合、アクセス元とアクセス先の文書間の遺伝子型IDを比較して違いを解析するステップと、上記遺伝子型IDの違いに基づいて文書間のアクセスの可否を制御するステップとを有することを特徴とする。
したがって、2つの遺伝子型文書IDの比較により得られる違いの文書から相対的な文書間の配付経路距離(近縁度)がわかり、その値を利用して所望のアクセス制御が実現される。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の文書管理方法であって、上記遺伝子型IDは電子的なデータ形式によって表現されることを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、請求項5記載の文書管理方法であって、文書の編集時に、その遺伝子型IDに変異を加えるステップとを有することを特徴とする。
したがって、編集を重ねることにより遠くなってゆく文書間の相対的な近縁度がわかる。すなわち、2つの文書間でどれだけの編集・改変処理が行われたかの手の加わり度がわかるようになる。
また、請求項8記載の発明は、請求項2あるいは5記載の文書管理方法であって、変異しない固定式の文書IDを、遺伝子型文書IDと併用することを特徴とする。
したがって、より幅の広い文書管理を実現できる。
【0006】
また、請求項9記載の発明は、電子メールの送受信ネットワークにおける文書管理方法であって、上記電子メールのメールアドレスに遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、そのメールアドレスを他者に通知する際に、自分の遺伝子型IDに変異を加えてから他者に送信するステップと、他者からメール送信があった場合、送信元から送られて来たメールアドレス内の遺伝子型IDと、自分が持っている遺伝子型IDを比較して、違いを解析するステップと、上記遺伝子型IDの違いに基づいて、何人を経由してメールアドレスが伝達されて行ったかを判定し、電子メールの受信の可否を制御するステップとを有することを特徴とする。
したがって、次に誰かから電子メールを受信した際、受信した遺伝子型IDが、誰に教えた遺伝子型IDに近いかを解析することで、誰を通して自分のメールアドレスが伝わって行ったかを判定することができる。
また、請求項10記載の発明は、電子メールの送受信ネットワークにおける文書管理方法であって、上記電子メールのメールアドレスに遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、複数の他者にメールアドレスを教える際、相手ごとに、異なる変異を与えた遺伝子IDを教えるステップと、教えた相手と変異した遺伝子IDを組みにして記録するステップと、他者からメール送信があった場合、送信元から送られて来たメールアドレス内の遺伝子型IDと、他者に教えた遺伝子型IDの記録を比較して、違いを解析するステップと、遺伝子型IDの違いに基づいて、誰を経由して何人を経由してメールアドレスが伝達されて行ったかを判定し、電子メールの受信の可否を制御するステップとを有することを特徴とする。
したがって、次に誰かから電子メールを受信した際、受信した遺伝子型IDが、誰に教えた遺伝子型IDに近いかを解析することで、誰を通して自分のメールアドレスが伝わって行ったかを判定することができる。
また、請求項11記載の発明は、電子メールの送受信ネットワークにおける文書管理方法であって、上記電子メールのメールアドレスに遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、他者にメールアドレスを教える際、日時によって異なる変異を与えた遺伝子型IDを教えるステップと、教えた相手と変異した遺伝子IDを組みにして記録するステップと、他者からメール送信があった場合、送信元から送られて来たメールアドレス内の遺伝子型IDと、他者に教えた遺伝子型IDの記録を比較して、違いを解析するステップと、他者から受信した遺伝子型IDを解析することにより、いつ教えたメールアドレスが伝達されていったかを判定し、電子メールの受信の可否を制御するステップとを有することを特徴とする。したがって、「日時」によって教える遺伝子型IDを変えることにより、受信した遺伝子型IDは、どの時期に教えたメールアドレスが使われているかを判定することができる。
【0007】
また、請求項12記載の発明は、ノードとリンクからなるネットワークにおける文書管理方法であって、自分のネットワークアドレスを他ノードに通知する際、相手ノードごとに異なる変異を与えた遺伝子型IDを付加して通知するステップと、自分にとって優先するノードのみにネットワークアドレスを通知するステップと、ノードからノードへとネットワークアドレスが通知されてゆく際、遺伝子型IDに変異を与えるステップと、他ノードからアクセス要求があった場合、他ノードから送られて来たネットワークアドレスの遺伝子型IDと、自分が持っている遺伝子型IDを比較して、違いを解析するステップと、遺伝子型IDの違いに基づいて、ノード間アクセスの可否を制御するステップとを有することを特徴とする。
したがって、ノードは自分の遺伝子型IDと、送信されて来た遺伝子型IDを比較することによって相手ノードの近縁度を判断し、相手の近縁度に応じてアクセスを許可するかどうかを制御することができる。
また、請求項13記載の発明は、ネットワークを利用したゲームやコミュニケーションツールにおける文書管理方法であって、自分の仮想的な「名刺」を持つステップと、上記名刺に、遺伝子型IDを埋め込むステップと、上記名刺を渡す際、遺伝子型IDに変異を与えるステップと、信用できる相手にのみ自分の仮想的な名刺を渡すステップと、人から人へと名刺が受け渡される際、ランダムな変異を与えるステップと、ネットワーク内で他者と出会った際、相手が自分の名刺を持っているかをチェックするステップと、相手が自分の名刺を持っている場合、その遺伝子的IDと、自分が持っている遺伝子的IDを比較するステップと、遺伝子型IDの違いに基づいて、相手の友人関係距離を判定するステップとを有することを特徴とする。
したがって、ネットワークに参加している任意の相手と対戦したり協力したりする場合、その相手が自分とどれだけ友人関係が近いかを知ることができ、有効な文書を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による文書管理システムの一実施形態の構成図である。
図1に示すように、この文書管理システム10は、遺伝子型文書IDを生成し文書に付与するID生成付与部1と、遺伝子型文書IDを記憶する記憶部3と、遺伝子型文書IDを含む文書をスキャンあるいはプリントアウトするスキャン・プリントアウト部(複写機に相当)5と、文書画像から遺伝子型文書IDを認識する認識部7と、遺伝子型文書IDを含む文書の複製(コピー)時にその遺伝子型文書IDにランダムな変異を加える変異処理部9と、2つの文書の遺伝子型文書IDを比較して、その文書間の近縁度を判定する判定処理部11と、判定された文書間の近縁度に応じて操作をコントロールする操作コントロール部13とを有している。
ここで、上記遺伝子型文書IDは、白または黒のビット列として表現され、紙の文書の一部に印刷される。例えば、10ビットの桁を持つ遺伝子型文書IDは、図2に示すようになる。
図2の例では規則的に白黒が繰り返し並んだパターンとしたが、これは以後の説明で差異部がわかりやすくなるように選んだためであり、実際の遺伝子型文書IDは、新たなオリジナル文書に対する遺伝子型文書IDを生成する度にランダムなパターンを生成する。
【0009】
次に、上記構成の文書管理システムの動作について説明する。
文書が最初に作成される時、遺伝子型文書IDが、文書管理システムのID生成付与部1によりオリジナル文書の上に付与・印刷される(図2参照)。
そして、上記遺伝子型文書IDが付与された文書が、文書管理システムのスキャン・プリントアウト部(複写機)5によってコピー(複製)される際、スキャン・プリントアウト部(複写機)5は文書上に印刷された遺伝子型文書IDを読み取り認識部7へ送り、認識部7により認識し、変異処理部9によって遺伝子型文書IDの10ビットのうちどれか1ビットをランダムに選び、白/黒を反転させて変異させ(図3参照)、ID生成付与部1によりコピーされた文書上に付与・印刷される。これにより、遺伝子型文書IDは「変異」する。従って、オリジナルの文書と1回コピーされた文書の遺伝子型文書IDを比べた場合、どこか1ヶ所が異なっていることになる。
次に、1回コピーされた文書を、同じ文書管理システムの複写機5(同じ複写機である必要は無い)でもう一度コピーすると、同じように1回コピーされた文書の遺伝子型文書IDに対して、またどこかランダムな1ビットの白/黒を反転させ変異させた遺伝子型文書ID(図4参照)がコピーされた文書上に付与・印刷される。従って、オリジナルの文書と、2回コピーされた文書の遺伝子型文書IDを比較した場合、どこか2ヶ所が異なっていることになる。
ここで、1回目のコピーで反転したビットが、2回目のコピーで反転して元に戻る場合が低い確率でありうるが、遺伝子型文書IDのビット桁数を大きくすればするほどその確率は低下する。すなわち、実装時に桁数を大きくすれば上記問題を抑えることができる。例えば遺伝子型文書IDが1000ビットの桁数を持つならば、2回目のコピー後にオリジナル遺伝子型文書IDと同じになってしまう確率は1/1000となる。
【0010】
また、コピー回数が多くなり、文書の総数が多くなると、文書間のどれか2つが一致する確率が大きくなったり、2つの文書間の相違度がコピー回数から正確に予測できなくなる。しかし、本発明の主目的・用途は、コピー回数が少ないものを正確に判定し、それ以外のものと確実に区別するということを主とするので、コピー回数が大きい場合精度が悪くなるということは、発明の有効性には影響を与えない。
この時、当然ながら、1回コピーされた文書と、2回コピーされた文書の遺伝子型文書IDを比較すると、1ヶ所の違いがある。
何回コピーした文書でも、そのコピー前後の文書間では遺伝子型文書IDが1ヶ所異なっているという関係が成立する。また、2つの文書間のコピー回数が多いほど、その遺伝子型文書IDの違いが大きくなるという関係が成立する。
【0011】
ここで、コピー操作を行う複写機5は、必ずしも同じ複写機でなくても良いし、集中管理された文書にアクセスしてコピーのたびに遺伝子型文書IDを管理する必要が無い。
この文書管理システムの複写機5は、入力された遺伝子型文書IDに対してどれかランダムに1個変更して出力するという操作を行うだけで良く、いちいち集中管理するサーバー複写機で操作をする必要が無いし、スタンドアロンで良いので、ネットワークにつながっている必要さえもない。これは文書管理のシステムが全体として軽いものになるという利点をもたらす。
また、図1に示した実施形態では、文書管理システム10に複写機5が含まれる形態となっていたが、上記複写機5以外の部分(遺伝子型文書IDを生成し文書に付与するID生成付与部1と、遺伝子型文書IDを記憶する記憶部3と、文書画像から遺伝子型文書IDを認識する認識部7と、遺伝子型文書IDにランダムな変異を加える変異処理部9と、2つの文書の遺伝子型文書IDを比較して、その文書間の近縁度を判定する判定処理部11と、判定された文書間の近縁度に応じて操作をコントロールする操作コントロール部13)を文書管理システム10として上記複写機5に備えるようにしても良い。
【0012】
以上の様に、本文書管理システムにおいては基本的に、コピーされたものでも任意の2文書間で遺伝子型文書IDが一致することはない。また、同じ文書に対しても、コピーごとに変異されるビットはランダムに異なる。つまり親文書からコピーされた子文書の兄弟関係にある文書間にも遺伝子型文書IDの違いが生じる。図5に示すように、兄弟間で比較した場合の遺伝子型文書IDの違いは2ヶ所となる。違いの数は、図6に示すように、コピー親対子の関係をたどった経路の長さ(遺伝的に言うと「近縁度」に対応する)となる。
従って、この関係を利用し、2つの文書について遺伝子型文書IDを比較し、異なるビット数を数えることで、2つの文書間のコピーされた回数を知ることができ、2つの文書についての「相対的な関係」がわかることとなる。
すなわち、上記認識部7において認識された遺伝子型文書IDと上記記憶部3に記憶された遺伝子型文書IDとが上記判定処理部11により比較されて、その文書間の近縁度が判定され、判定された文書間の近縁度に応じて上記操作コントロール部13により種々の文書管理操作がコントロールされる。
【0013】
上記の文書管理システムの複写機と、遺伝子型文書IDを持つ文書によって、文書の配付関係やコピー回数を把握した文書管理を行うことができる。例えば、文書管理システム側にオリジナル文書の遺伝子型文書IDを保存しておき、それに対して、提示された文書の遺伝子型文書IDの差異数(つまり、コピー回数・世代数・近縁度)が指定値を超えた場合には、その文書は無効とし、コピーしないとか、プリントしないとか、FAX送信しないとかという文書管理操作をコントロールすることができる。
また、オリジナル遺伝子型文書IDが保存されていない場合でも、提示された2つの文書の遺伝子型文書ID間の違いが小さい場合のみその文書を有効とするというような判断もできる。これにより、重要文書のセキュリティなどに有効な文書管理ができる。すなわち、他文書と比較して初めて文書が得られるという点がポイントとなり、遺伝子型IDを入手しても、それ単体では解読も偽装もできないため、セキュリティ上の優位性がある。
なお、上記遺伝子型文書IDの表現形式としては、以下に説明する様にさまざまな変形例がある。
紙の文書上に印刷された遺伝子型文書IDとして、上記実施形態1では、1次元に並んだ白黒のパターンを遺伝子型文書IDとしたが、図7に示すように、2次元のマトリクス形式に並んだ白黒のパターンを遺伝子型文書IDとしても良い。この形式のパターンは「2次元バーコード」などとして知られており、通常は数字列や文字列などを暗号化して2値白黒パターンに変換しているが、ここでは白黒のパターンそのものが、他の遺伝子型文書IDと比較されることとなる。
【0014】
上記遺伝子型文書IDの本質は「ビット列」であるので、その表現のしかたはさまざまな形式が可能となる。
すなわち、
(1)白黒の2値画像の1次元/2次元の並びでも良いし、
(2)1/0の数値列でも良い(例:0011000101)し、
(3)1/0の数値列を10進数や16進数にコード化した数字列でも良い(10進数例:42899103、16進数例:8AEE0734)し、さらに
(4)変換や圧縮処理を行ったものでも良いし、
(5)白から黒への多値のグレイレベルで印刷された、1次元または2次元のパッチ状パターンでも良いし、(例えばグレイレベルが8階調を表現可能ならば、ひとつの印刷領域(パッチ)あたり3ビットの文書を持つことができ、白黒2値の場合に比べて同じ面積に4倍のID文書を埋め込むことができる)
(6)色に数値を割り当てた2色またはそれ以上のカラーを用いた、1次元または2次元のパッチ状パターンでも良いし、(例えばカラーが64色を表現可能ならば、ひとつの印刷領域(パッチ)あたり6ビットの文書を持つことができ、白黒2値の場合に比べて同じ面積に6倍のID文書を埋め込むことができる)
(7)デジタルデータを埋め込んだホログラムを印刷または張り付けるようにしても良いし、
(8)デジタルデータを埋め込んだ微小ICチップを紙に張り付けるまたは埋め込むようにしても良い。(暗号化(エンコード)されたものは、復号化(デコード)して2値ビットに展開してから、2文書間で比較を行いビットの違いを数える)
【0015】
また、電子文書の遺伝子型文書IDとしては、以降の実施例に示すように、パソコンなど電子機器を用いて閲覧する形式の電子文書(電子ファイル)の場合には、目に見えない形で、電子的に遺伝子型文書IDを埋め込むが、その電子遺伝子型文書IDに「遺伝子型文書ID」を用いる。
原理的には、前記実施形態にあるような、1/0のビット列やそれをコード化した数字列などの遺伝子型文書IDを電子文書の「遺伝子型文書ID」フィールドに書き込み、コピーの時に変異させる。
本発明の「遺伝子型ID」の「遺伝子型」というもうひとつの重要なポイントは、複製や伝達される際に、「IDにランダムな変異が加えられる」という点である。変異の与え方には、さまざまな実現方法が可能だが、本発明の実施形態ではもっとも単純な「2値ビット列の遺伝子」と「ビット反転による変異」を用いた。また、変異が与えられても、IDのビット数が変わらないという点も文書処理上は扱いやすい。なぜなら、従来方法で実現する場合のひとつの方法として、変異して来た過去の遺伝子型文書IDを全て記録するという方法が考えられるが、この場合、文書の世代が進むに従って過去の記録が蓄積される分のメモリ領域が増大するからである。
【0016】
次に、第2の実施形態として、MM−Handlerを用いた電子的文書間でのアクセス制御に「遺伝子型文書ID」を用いる場合について説明する。
本願の出願人の有する技術で「MM−Handler」というシステムがあるが、これは、マルチメディアコンテンツを複数含む電子文書の一形態であり、「MM−Handler文書」は複数ユーザに配付され、各人それぞれのPC上で閲覧され、そのどれかひとつの文書上でプレゼンテーションや編集などの操作を行うと、その操作文書が他のMM−Handler文書に対してもほぼ同時に反映されるという機能を持つ。
上記MM−Handler(あるいは、文書間での相互認証とアクセスを行うような電子文書、文書ファイル)においては、電子文書間でお互いにアクセスして文書交換するということがひとつの技術ポイントである。
その際、ひとつの文書から、アクセスするべき他の文書へとアクセス経路を確立するには、以下の手順で行う(図8参照)。
1.MM−Handler文書(1)がPCなどでオープン(起動)された際、ネットワークに自身の遺伝子型文書IDをブロードキャスト発信する。
2.ネットワーク内に、別に既にオープンされたMM−Handler文書(2)がある場合、そのMM−Handler文書(2)はブロードキャストされてきた遺伝子型文書IDを受信し、その遺伝子型文書IDが「自分とアクセス可能」なものであるかどうかを判定する。
3.判定結果が「自分とアクセス可能」である場合、発信元のMM−Handler文書(1)に対し、自分の遺伝子型文書IDを発信する。判定結果が「自分とアクセス不可」である場合、何もしない。
4.MM−Handler文書(1)は送信されて来たMM−Handler文書(2)の遺伝子型文書IDを受信し、それが「自分とアクセス可能」であるかどうかを判定する。
5.判定結果が「自分とアクセス可能」である場合、発信元のMM−Handler文書(2)に対し「アクセス可能」の信号を発信する。判定結果が「自分とアクセス不可」である場合、発信元のMM−Handler文書(2)に対し「アクセス不可」の信号を発信する。
6.MM−Handler文書(2)がMM−Handler文書(1)からの「アクセス可能」信号を受信すると、これでお互いにアクセス可能の確認がとれたことになり、ここでアクセス経路が確立する。
【0017】
上記処理手順の際、「自分とアクセス可能かどうか」の判定は、遺伝子型文書IDを用いて行われるが、その際の判定基準は現在のところ明確ではない。簡便な実現方法として、コピーし配付されたMM−Handlerの遺伝子型文書IDは同一であるので、アクセス対象の遺伝子型文書IDが同一の場合にアクセスを許可するという手法がある。
この実施形態によれば、MM−Handler文書の文書IDに「遺伝子型文書ID」を用いることによってさまざまな機能を付加・実現できる。
この際のポイントは「自分との相対的な近縁度に応じてアクセス制御ができる」と言うことである。
なお、図8に示したMM−Handler文書の一例としては、図9に示すようなものがある。すなわち、このMM−Handler文書101は、図9に示すように、文書全体の構造、配置等の表示状態を表す表示文書ファイルとしての文書配置文書102と、文書内のテキスト内容を表すデジタル文書ファイルとしてのテキスト文書103と、その他の静止画像や動画画像を表すデジタル文書ファイルとしてのメディア文書104と、文書内容を表示したりユーザ操作を検出したりする複数の動作プログラムファイルとしてのプログラム105とから構築されている。これらの文書は、それぞれ一般的なパーソナルコンピュータのオペレーションシステムが管理できる個別のファイル単位の構造となっている。
【0018】
次に、MM−Handlerに付加できる機能について説明する。
配付経路距離(近縁度)判定によるアクセス制御機能
MM−Handlerの文書IDに、遺伝子型文書IDを用いる。すなわち、MM−Handler文書の作成者またはMM−Handler文書を持っているユーザが、別のユーザにMM−Handler文書を(電子的にコピーし同じものを)配付する際、遺伝子型文書IDのビット列にランダムな変異(ビット反転)を1ヶ所加える。また別のユーザにMM−Handler文書を配付する際にも遺伝子型文書IDのビット列にランダムな変異を1ヶ所加える(同じ文書からの配付でも、配付するごとに異なる変異が与えられる)。
次に、この操作をした後、あるMM−Handler文書に注目すると、その文書の配付元(親)と、自分から配付した先(子供達)のMM−Handler文書の遺伝子型文書IDは、自分の遺伝子型文書IDに対して1ヶ所だけ異なっている。この違いのビット個数が、配付経路に沿った配付の回数(配付経路距離、近縁度)となる。
従って、相対的な配付経路距離(近縁度)が長くなると、遺伝子型文書IDの違いのビット数が大きくなる。つまり、自分から数えて2つ前の配付元(祖父)の遺伝子型文書IDの違いのビット個数は2、自分から数えて2つ先の配付先(孫たち)の遺伝子型文書IDの違いのビット個数は2、ひとつ前の配付元(親)から配付された別の遺伝子型文書ID(兄弟たち)の違いは2となる。
【0019】
この、遺伝子型文書IDの違いビット個数を判定の手がかりとして、例えば「遺伝子型文書IDの違いビット数が『1』の文書とのみアクセス可能」と決めておくと、自分に文書を配付した元文書(親)と、自分から文書を配付した先の文書(子供たち)とのみがアクセス可能となる。それより配付経路が先の遠い文書とはアクセスが不可となる。言い方を変えると「自分が直接知っている相手とはアクセスするが、それ以外とはアクセスしない」というアクセス制御をしていることになる。
また、「遺伝子型文書IDの違いビット数が『1と2』の文書とのみアクセス可能」とすれば、2つ前までの配付元文書(親と祖父)と、ひとつ前の配付元から配付された別文書(兄弟たち)と、自分からの配付先(子供たち)と、そのもう一段先の配付先(孫たち)までの文書とのアクセスが可能となる。この場合、遺伝子型文書ID違いビット数が1から2に増えたことで、アクセス範囲が少し広がる。
また、「遺伝子型文書IDの違いビット数が『1より大きい』文書とのみアクセス可能」とすれば、「遺伝子型文書IDの違いビット数が『1』の文書とのみアクセス可能」の逆となり、「自分が直接知らない相手とのみアクセスする」というアクセス制御をしていることになる。
これらの例で示されたように、2つの遺伝子型文書IDの比較により得られる違いビット数の文書から相対的な文書間の配付経路距離(近縁度)がわかり、その値を利用して所望のアクセス制御が実現される。
また、上記第2の実施形態の電子的文書において、文書に編集(変更)を加えるたびに、遺伝子型文書IDに変異を加えるようにしても良い。この場合、編集を重ねることにより遠くなってゆく文書間の相対的な近縁度がわかる。別の言い方をすれば、2つの文書間でどれだけの編集・改変処理が行われたかの手の加わり度がわかるようになる。
また、当然ながら、上述してきた遺伝子型文書IDを従来の文書IDの付与方法と併用して使うことも可能である。ここで、従来方法とは「文書が作成された時に文書IDが付与され、それは文書がコピー・配付されても同一のままであるという方法」である。したがって、より幅の広い文書管理を実現できる。
【0020】
次に、通信ネットワークにおける「遺伝子型ID」の応用としては以下に挙げるようなものがある。
1.電子メール配付経路ネットワーク
2.携帯電話のネットワーク
3.計算機(PC,WS)のネットワーク
4.ゲーム機のネットワーク
上記のように、メディアはいろいろ考えられるが、ネットワーク状の接続関係があり、その中でアクセス相手を制御したいという場合に、遺伝子型IDを用いることで通信経路距離に応じたアクセス制御ができるようになる。
以下に、各実施形態について説明する。
電子メールの通信相手のアクセス制御:第3実施形態
PCや携帯電話で使用される電子メールツールにおいて、知らない人から広告など突然不要な電子メールが送り付けられるというのは大きな問題となっている。現状では、何らかの手段でメールアドレスが知られてしまえば、誰でもそのメールアドレスにメールを送信することができ、受信側はそれを拒否できないし、メールアドレス以外送信元相手についての文書もほとんど提示されない状態である。
最近(2001年)携帯電話向けに実施された、NTTの迷惑メール防止方法「メール指定受信、メール指定拒否、ドメイン指定受信機能」http://www.nttdocomo.co.jp/mc−user/i/meiwaku/index.htmlは、受信を許可する相手のメールアドレスやドメインをユーザが設定するというものであるが、これはユーザがいちいち入力することになり面倒である。
そこで、自分がメールアドレスを教えた「友人」や「友人の友人」からなら電子メールを受け取っても良いが、それ以外からは受け取らない、というアクセス制御ができるととても便利である。また、送信者が「友人の友人の友人…」関係の何段階離れた人かという文書が提示されれば、受信の判定に有効な文書となる。
現状ではそのようなことを簡便に実現する手段は提供されていない。特に「友人の友人」は直接知らない相手であるが、そこからのメール受信を可能にする、という点がポイントとなる。
【0021】
そこで、本発明による遺伝子型IDを用いた実現方法について以下に説明する。
1.まず、自分(ユーザA)の「遺伝子型ID」を決める。
2.(メール送信などによって)他人に自分のメールアドレスを教える場合、メールアドレス文書に、隠された「遺伝子型ID」文書を付加する。ただし、他人に教える遺伝子型IDは、教えるたびごとに1ビットだけランダムな変異を加える。ここで、遺伝子型IDは隠されているので、受信ユーザが直接それを見たり操作することはできない。もし見ることができたとしても、それは既に変異を与えられた遺伝子型IDなので、オリジナルのユーザAの遺伝子型IDを正確に知ることはできない。
3.メールアドレスを教えられた人が、さらに別の人にユーザAのメールアドレスを教える場合、更にランダムに1ビットの変異が遺伝子型IDに加えられる(この操作は教えるたびに同様に何回も繰り返される)。
4.何らかの経路でユーザAのメールアドレスを入手したユーザBが、ユーザAにメールを送信する際、ユーザAのメールアドレスとともに、ユーザBが入手した「ユーザAの遺伝子型ID」が付加されて送信される。
5.ユーザAがユーザBからのメールを受信すると、自分の持っている遺伝子型IDと、ユーザBから送られて来た「ユーザAの遺伝子型ID」を比較する。その違いを解析することで、ユーザBが「メールアドレスを教える」という関係においてどれだけ離れている相手かを推定することができる。
6.それは「友達の友達の…」という関係でどれだけ離れているか、という意味に近い。例えば、
「メール友達度:1」(自分が直接教えた人)
「メール友達度:3」(友達の友達の友達)
「メール友達度:10」(ほとんど他人)
というように数値化するなどして、相手との関係を受信時に提示すれば、ユーザAがそのメールを受信するかどうかに有効な文書となる。
7.予め「メール友達度が3以上の相手からのメールは受信しない」などと指定することによって、迷惑メールである可能性の高い不要なメール受信を排除することができる。
8.ユーザAから関係の遠いユーザBが、ユーザAに近い友人であるように偽装しようとしても、ユーザBが手に入れたユーザAの遺伝子型IDはすでに変異が累積されたものであるので、ユーザAのオリジナルの遺伝子型IDや、ユーザAの近い友人が持っている遺伝子型IDは知りようがない。よって偽装は不可能となる(セキュリティの有効性)。
【0022】
この実現方法は、中央集権的ではない。すなわち、全ユーザのメールアドレスやIDを中央の管理サーバーが持ち、アクセスの際に中央サーバーが判断する、というやり方ではない。従って、ユーザAとユーザBそれぞれでの処理で済み、よって処理量が少なく簡便に実現することができる。
なお、上記第3実施形態において、複数の相手にメールアドレスを教える際、相手ごとに異なる変異を加えた遺伝子型IDを生成し、どの変異を加えた遺伝子型IDを誰に教えたかを記録しておくと、次に誰かから電子メールを受信した際、受信した遺伝子型IDが、誰に教えた遺伝子型IDに近いかを解析することで、誰を通して自分のメールアドレスが伝わって行ったかを判定することができる。
また、上記第3実施形態において、自分の遺伝子型IDを「場合に応じて」変えて生成することにより、さらに詳しい文書を得ることができる。例えば、「日時」によって教える遺伝子型IDを変えることにより、受信した遺伝子型IDは、どの時期に教えたメールアドレスが使われているかを判定することができる。また、例えば、「発信先相手のグループ」によって教える遺伝子型IDを変えることにより、受信した遺伝子型IDは、どのグループに教えたメールアドレスが使われているかを判定することができる。
【0023】
次に、第4実施形態として、本発明による遺伝子型IDを用いたネットワークトラフィックのアクセス制御について図10を参照して説明する。
図10において、通信ネットワークはノードとリンクからなる。ノードはPC等の信号を送受信する機器で、リンクはノード間を繋ぐ信号経路(ハードウェアのケーブルではなくソフト的に信号をやりとりする経路を考える)とする。
各ノード間では、相手のネットワークアドレスを知っていればどこでもデータを送信することができる。つまり任意の2つのノードをどこでも結ぶことができる。極端な場合、ひとつのノードに対して他の全てが同時に信号を送ることができる。
ネットワーク内で、特定のノードにアクセスが集中した場合、集中のターゲットとなったノードは信号を処理しきれなくなり、ネットワークが低速となったりダウンしたりする。この現象を利用して、「Dos攻撃(アクセス拒否攻撃)」と呼ばれる、サーバーへの悪意あるハッキングが行われることもある。
この問題を解決するネットワークを安全に運営する方法として、各ノードが、アクセスする相手の「ノードの近縁度」を認識し、トラフィックが増えて処理量が増えた場合、ノードの近縁度の近いものを優先し、遠いものから順番にアクセスを拒否する、という制御ができると良い。
その実現方法としては、「電子メールのアクセス制御」とほぼ同じようにする。
【0024】
すなわち、ノードAが他のノードへ自分のネットワークアドレスを教える際、ネットワークアドレスの他に、変異を加えた「遺伝子型ID」文書を付加する。ネットワークアドレスを教える相手ノードは、優先的にアクセスを受け付けるノード(優先ノードB)に限定する。それ以外のノードへは、ノードBからそのノードが優先するノードへと間接的に教えることによって、ネットワークアドレスを伝える。複数経路から、同じノードAのネットワークアドレスと遺伝子型IDを得た場合には、先に得た方を使用する(近い方の経路から先に届くとの仮定から)。
ノードAのネットワークアドレスが十分ネットワーク内に行き渡った後で、あるノードCがノードAにアクセスを行う場合、ノードCはノードAのネットワークアドレスを元にノードAにアクセスし、その際ノードCが持っているノードAの遺伝子型IDを送信する。ノードAは自分の遺伝子型IDと、送信されて来た遺伝子型IDを比較することによって相手ノードの近縁度を判断し、相手の近縁度に応じてアクセスを許可するかどうかを制御する。
相手ノードの近縁度と、自分の処理容量とを考慮して、余裕がない場合には、近縁度の遠いノードからのアクセスを拒否するようにする。
【0025】
次に、第5実施形態として、「遺伝子型ID」をネットワークを利用したゲーム(やコミュニケーションツール)に応用した例について説明する。
ネットワークを利用したゲーム(やコミュニケーションツール)おいて、ネットワークに参加している任意の相手と対戦したり協力したりする場合、その相手が自分とどれだけ友人関係が近いかが分かれば、有効な文書となる(近い友人とは戦いたくない、近い友人と協力したい、など)。
そこで、友人関係を知るための方法として、
仮想的な自分の「名刺」を作成し、名刺文書には隠された「遺伝子型ID」を付加する。ネットワークゲームの中で、自分と友人関係となった相手には名刺を配付する。その際、遺伝子型IDには変異を加えてから配付する。
配付した相手からその先の友人に名刺が再配付される際にはさらに遺伝子型IDに変異が加えられる。
例えば「君は僕の友達だから、僕の友達の名刺をコピーして君にあげよう。」
ネットワークゲーム内で、相手と出会った場合、相手が自分の名刺を持っているかどうかをチェックする。
自分:「君は僕のことを知っているか?」
相手:「君のことは友人Aから名刺をもらったので知っているよ。」
自分:「どれどれ。その名刺を見せてくれ。」
自分の名刺を持っている場合には、その中の遺伝子型IDが自分の遺伝子型IDとどれだけ異なっているかを調べ、異なり具合から相手の友人関係の近さを判定する。
ユーザは「友人関係の近さ文書」を用いて参考とし、協力したり敵対したりする戦略をたてる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、この発明による遺伝子型IDを用いることによって、文書のコピー・配付関係を知ることができ、その関係に応じた文書管理が可能となる。
また、その遺伝子型文書IDを用いてコピーされた複数の文書間での相対関係を判定し、コピー経路の判定や管理を分散的に行うことができる。
また、2つの文書について遺伝子型文書IDを比較し、異なるビット数を数えることで、2つの文書間のコピーされた回数を知ることができ、2つの文書についての「相対的な関係」がわかることとなる。
また、コピー回数が少ないものを正確に判定し、それ以外のものと確実に区別することができる。
また、2つの遺伝子型文書IDの比較により得られる違いの文書から相対的な文書間の配付経路距離(近縁度)がわかり、その値を利用して所望のアクセス制御が実現される。
また、編集を重ねることにより遠くなってゆく文書間の相対的な近縁度がわかるようになるので、2つの文書間でどれだけの編集・改変処理が行われたかの手の加わり度がわかるようになる。
また、変異しない固定式の文書IDを、遺伝子型文書IDと併用することで、より幅の広い文書管理を実現できる。
また、次に誰かから電子メールを受信した際、受信した遺伝子型IDが、誰に教えた遺伝子型IDに近いかを解析することで、誰を通して自分のメールアドレスが伝わって行ったかを判定することができる。
また、次に誰かから電子メールを受信した際、受信した遺伝子型IDが、誰に教えた遺伝子型IDに近いかを解析することで、誰を通して自分のメールアドレスが伝わって行ったかを判定することができる。
また、「日時」によって教える遺伝子型IDを変えることにより、受信した遺伝子型IDは、どの時期に教えたメールアドレスが使われているかを判定することができる。
また、ノードは自分の遺伝子型IDと、送信されて来た遺伝子型IDを比較することによって相手ノードの近縁度を判断し、相手の近縁度に応じてアクセスを許可するかどうかを制御することができる。
また、ネットワークに参加している任意の相手と対戦したり協力したりする場合、その相手が自分とどれだけ友人関係が近いかを知ることができ、有効な文書を得ることができる。
また、ネットワークのトラフィック管理において、局所的に負荷がかからない、安定な管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による文書管理システムの一実施形態の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態の遺伝子型文書IDを持つ文書を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態の遺伝子型文書IDの変異の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態の遺伝子型文書IDの変異の説明図である。
【図5】親文書からコピーされた子文書の兄弟関係にある文書間にも遺伝子型文書IDの違いを示す説明図である。
【図6】文書配布経路と近縁度との説明図である。
【図7】本発明の他の実施形態の遺伝子型文書IDを示す図である。
【図8】MM−Handlerにおいてアクセスするべき他の文書へとアクセス経路を確立する方法の説明図である。
【図9】図8に示したMM−Handler文書の一例を示す図である。
【図10】本発明による遺伝子型IDを用いたネットワークトラフィックのアクセス制御についての説明図である。
【符号の説明】
1 ID生成付与部、3 記憶部、5 スキャン・プリントアウト部、7 認識部、9 変異処理部、10 文書管理システム、11 判定処理部、13 操作コントロール部
【発明の属する技術分野】
この発明は、現在使用されている多種多様の形態の文書を管理する文書管理システムおよび文書管理方法に関し、特に、文書が複製(コピー)される毎に変化する遺伝子型IDを上記文書に付加することにより種々の形態の文書管理、すなわち紙文書のコピーや配付の管理、電子的文書のコピーや配付の管理、マルチメディア・プレゼンテーション文書(MM−Handler文書)の文書間アクセス管理、電子的データ(静止画、音楽、動画、etc.)のコピーや配付の管理(著作権管理)、原本性保証や認証やセキュリティの管理、電子メールの受信管理、ネットワークのトラフィック管理、ネットワークゲームのアクセス管理等を行う文書管理システムおよび文書管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、多種多様の形態の文書が色々な電子ツールによって扱われており、その際、文書を複製(コピー)する処理が頻繁におこなわれる。
文書の一形態としての紙文書のコピーや配付の管理としては、紙文書に番号やバーコードを印刷することにより文書IDを付与し、それによって集中的に文書管理を行うという発想の従来技術・商品がいくつか提供されている。
一例として挙げると、Panasonicデジタル複合機Hyper Papyrusシリーズ1998/5発売(URL=http://www.panafax.co.jp/products/hyper/index.html)でDDメモリー機能(DDコード、2次元バーコード)を有しているもの(カタログより抜粋:コピー・FAX・プリントアウトと同時に書類内容を自動的に保存、同時に一枚目にDDコード(書類管理文書)を付与:保存した書類の取り出しや管理はDDコード付き表紙一枚だけで行う)(URL=http://www.panafax.co.jp/products/hyper/dd−memory.html)。
上記商品の場合、文書に2次元バーコード形式の文書IDが印刷され、この文書IDを手がかりにして、文書サーバーに格納されたオリジナルの電子的文書にアクセスし、再プリント(コピー)するという機能が説明されている。ただし、この場合、再プリント(コピー)の際に付与される文書IDは同じものである。すなわち、中心となる文書サーバーに電子的オリジナル文書を蓄積し、それを中心として、文書IDによって紙文書との関係をつなぐという意図の装置である。
【非特許文献1】Panasonicデジタル複合機Hyper Papyrusシリーズ(1998/5発売)カタログ
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の文書管理装置では、文書文書に文書IDが付与されるが、上記文書文書の再プリント(コピー)時には、そのコピーに同じ文書IDが付与されるため、上記文書IDを用いてコピーされた複数の文書間での相対関係を判定し、コピー経路の判定や管理を行うことは難しかった。
本発明は、上述のごとき問題点を解決するためになされたもので、コピー(再プリント)されてゆく文書にオリジナルに付与された遺伝子型文書IDと異なる遺伝子型文書ID(遺伝子型ID)を付与し、その遺伝子型文書IDを用いてコピーされた複数の文書間での相対関係を判定し、コピー経路の判定や管理を分散的に行うことのできる文書管理システムおよび文書管理方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、文書を管理する文書管理システムであって、遺伝子型文書IDを生成し上記文書に付与するID生成付与部と、上記遺伝子型文書IDを記憶する記憶部と、上記遺伝子型文書IDを含む文書をスキャンあるいはプリントアウトするスキャン・プリントアウト部と、上記スキャンされた文書から遺伝子型文書IDを認識する認識部と、遺伝子型文書IDを含む文書の複製(コピー)時にその遺伝子型文書IDに変異を加える変異処理部と、2つの文書の遺伝子型文書IDを比較して、その相違を判定する判定処理部と、判定された相違に応じて種々の操作をコントロールする操作コントロール部とを有することを特徴とする。
したがって、その遺伝子型文書IDを用いてコピーされた複数の文書間での相対関係を判定し、コピー経路の判定や管理を分散的に行うことができる。
また、請求項2記載の発明は、文書を管理する文書管理方法であって、遺伝子型文書IDを生成し上記文書に付与するステップと、上記遺伝子型文書IDを記憶するステップと、上記遺伝子型文書IDを含む文書をスキャンあるいはプリントアウトするステップと、上記スキャンされた文書から遺伝子型文書IDを認識するステップと、遺伝子型文書IDを含む文書の複製(コピー)時にその遺伝子型文書IDに変異を加えるステップと、2つの文書の遺伝子型文書IDを比較して、その相違を判定するステップと、判定された相違に応じて種々の操作をコントロールするステップとを有することを特徴とする。
したがって、2つの文書について遺伝子型文書IDを比較し、異なるビット数を数えることで、2つの文書間のコピーされた回数を知ることができ、2つの文書についての「相対的な関係」がわかることとなる。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の文書管理方法であって、上記遺伝子型IDは、1列に並んだ白黒のパターンであること特徴とする。
したがって、コピー回数が少ないものを正確に判定し、それ以外のものと確実に区別することができる。
【0005】
また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の文書管理方法であって、上記遺伝子型IDは、2次元マトリクス状に並んだ白黒のパターンであることを特徴とする。
したがって、コピー回数が少ないものを正確に判定し、それ以外のものと確実に区別することができる。
また、請求項5記載の発明は、文書間で通信が可能な電子文書(MM−Handler文書)を管理する文書管理方法であって、上記文書内に遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、文書作成時に遺伝子型IDを生成し上記文書に付与するステップと、上記文書の配付時に、その遺伝子型IDに変異を加えて配付するステップと、上記文書から文書へアクセス要求があった場合、アクセス元とアクセス先の文書間の遺伝子型IDを比較して違いを解析するステップと、上記遺伝子型IDの違いに基づいて文書間のアクセスの可否を制御するステップとを有することを特徴とする。
したがって、2つの遺伝子型文書IDの比較により得られる違いの文書から相対的な文書間の配付経路距離(近縁度)がわかり、その値を利用して所望のアクセス制御が実現される。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の文書管理方法であって、上記遺伝子型IDは電子的なデータ形式によって表現されることを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、請求項5記載の文書管理方法であって、文書の編集時に、その遺伝子型IDに変異を加えるステップとを有することを特徴とする。
したがって、編集を重ねることにより遠くなってゆく文書間の相対的な近縁度がわかる。すなわち、2つの文書間でどれだけの編集・改変処理が行われたかの手の加わり度がわかるようになる。
また、請求項8記載の発明は、請求項2あるいは5記載の文書管理方法であって、変異しない固定式の文書IDを、遺伝子型文書IDと併用することを特徴とする。
したがって、より幅の広い文書管理を実現できる。
【0006】
また、請求項9記載の発明は、電子メールの送受信ネットワークにおける文書管理方法であって、上記電子メールのメールアドレスに遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、そのメールアドレスを他者に通知する際に、自分の遺伝子型IDに変異を加えてから他者に送信するステップと、他者からメール送信があった場合、送信元から送られて来たメールアドレス内の遺伝子型IDと、自分が持っている遺伝子型IDを比較して、違いを解析するステップと、上記遺伝子型IDの違いに基づいて、何人を経由してメールアドレスが伝達されて行ったかを判定し、電子メールの受信の可否を制御するステップとを有することを特徴とする。
したがって、次に誰かから電子メールを受信した際、受信した遺伝子型IDが、誰に教えた遺伝子型IDに近いかを解析することで、誰を通して自分のメールアドレスが伝わって行ったかを判定することができる。
また、請求項10記載の発明は、電子メールの送受信ネットワークにおける文書管理方法であって、上記電子メールのメールアドレスに遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、複数の他者にメールアドレスを教える際、相手ごとに、異なる変異を与えた遺伝子IDを教えるステップと、教えた相手と変異した遺伝子IDを組みにして記録するステップと、他者からメール送信があった場合、送信元から送られて来たメールアドレス内の遺伝子型IDと、他者に教えた遺伝子型IDの記録を比較して、違いを解析するステップと、遺伝子型IDの違いに基づいて、誰を経由して何人を経由してメールアドレスが伝達されて行ったかを判定し、電子メールの受信の可否を制御するステップとを有することを特徴とする。
したがって、次に誰かから電子メールを受信した際、受信した遺伝子型IDが、誰に教えた遺伝子型IDに近いかを解析することで、誰を通して自分のメールアドレスが伝わって行ったかを判定することができる。
また、請求項11記載の発明は、電子メールの送受信ネットワークにおける文書管理方法であって、上記電子メールのメールアドレスに遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、他者にメールアドレスを教える際、日時によって異なる変異を与えた遺伝子型IDを教えるステップと、教えた相手と変異した遺伝子IDを組みにして記録するステップと、他者からメール送信があった場合、送信元から送られて来たメールアドレス内の遺伝子型IDと、他者に教えた遺伝子型IDの記録を比較して、違いを解析するステップと、他者から受信した遺伝子型IDを解析することにより、いつ教えたメールアドレスが伝達されていったかを判定し、電子メールの受信の可否を制御するステップとを有することを特徴とする。したがって、「日時」によって教える遺伝子型IDを変えることにより、受信した遺伝子型IDは、どの時期に教えたメールアドレスが使われているかを判定することができる。
【0007】
また、請求項12記載の発明は、ノードとリンクからなるネットワークにおける文書管理方法であって、自分のネットワークアドレスを他ノードに通知する際、相手ノードごとに異なる変異を与えた遺伝子型IDを付加して通知するステップと、自分にとって優先するノードのみにネットワークアドレスを通知するステップと、ノードからノードへとネットワークアドレスが通知されてゆく際、遺伝子型IDに変異を与えるステップと、他ノードからアクセス要求があった場合、他ノードから送られて来たネットワークアドレスの遺伝子型IDと、自分が持っている遺伝子型IDを比較して、違いを解析するステップと、遺伝子型IDの違いに基づいて、ノード間アクセスの可否を制御するステップとを有することを特徴とする。
したがって、ノードは自分の遺伝子型IDと、送信されて来た遺伝子型IDを比較することによって相手ノードの近縁度を判断し、相手の近縁度に応じてアクセスを許可するかどうかを制御することができる。
また、請求項13記載の発明は、ネットワークを利用したゲームやコミュニケーションツールにおける文書管理方法であって、自分の仮想的な「名刺」を持つステップと、上記名刺に、遺伝子型IDを埋め込むステップと、上記名刺を渡す際、遺伝子型IDに変異を与えるステップと、信用できる相手にのみ自分の仮想的な名刺を渡すステップと、人から人へと名刺が受け渡される際、ランダムな変異を与えるステップと、ネットワーク内で他者と出会った際、相手が自分の名刺を持っているかをチェックするステップと、相手が自分の名刺を持っている場合、その遺伝子的IDと、自分が持っている遺伝子的IDを比較するステップと、遺伝子型IDの違いに基づいて、相手の友人関係距離を判定するステップとを有することを特徴とする。
したがって、ネットワークに参加している任意の相手と対戦したり協力したりする場合、その相手が自分とどれだけ友人関係が近いかを知ることができ、有効な文書を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による文書管理システムの一実施形態の構成図である。
図1に示すように、この文書管理システム10は、遺伝子型文書IDを生成し文書に付与するID生成付与部1と、遺伝子型文書IDを記憶する記憶部3と、遺伝子型文書IDを含む文書をスキャンあるいはプリントアウトするスキャン・プリントアウト部(複写機に相当)5と、文書画像から遺伝子型文書IDを認識する認識部7と、遺伝子型文書IDを含む文書の複製(コピー)時にその遺伝子型文書IDにランダムな変異を加える変異処理部9と、2つの文書の遺伝子型文書IDを比較して、その文書間の近縁度を判定する判定処理部11と、判定された文書間の近縁度に応じて操作をコントロールする操作コントロール部13とを有している。
ここで、上記遺伝子型文書IDは、白または黒のビット列として表現され、紙の文書の一部に印刷される。例えば、10ビットの桁を持つ遺伝子型文書IDは、図2に示すようになる。
図2の例では規則的に白黒が繰り返し並んだパターンとしたが、これは以後の説明で差異部がわかりやすくなるように選んだためであり、実際の遺伝子型文書IDは、新たなオリジナル文書に対する遺伝子型文書IDを生成する度にランダムなパターンを生成する。
【0009】
次に、上記構成の文書管理システムの動作について説明する。
文書が最初に作成される時、遺伝子型文書IDが、文書管理システムのID生成付与部1によりオリジナル文書の上に付与・印刷される(図2参照)。
そして、上記遺伝子型文書IDが付与された文書が、文書管理システムのスキャン・プリントアウト部(複写機)5によってコピー(複製)される際、スキャン・プリントアウト部(複写機)5は文書上に印刷された遺伝子型文書IDを読み取り認識部7へ送り、認識部7により認識し、変異処理部9によって遺伝子型文書IDの10ビットのうちどれか1ビットをランダムに選び、白/黒を反転させて変異させ(図3参照)、ID生成付与部1によりコピーされた文書上に付与・印刷される。これにより、遺伝子型文書IDは「変異」する。従って、オリジナルの文書と1回コピーされた文書の遺伝子型文書IDを比べた場合、どこか1ヶ所が異なっていることになる。
次に、1回コピーされた文書を、同じ文書管理システムの複写機5(同じ複写機である必要は無い)でもう一度コピーすると、同じように1回コピーされた文書の遺伝子型文書IDに対して、またどこかランダムな1ビットの白/黒を反転させ変異させた遺伝子型文書ID(図4参照)がコピーされた文書上に付与・印刷される。従って、オリジナルの文書と、2回コピーされた文書の遺伝子型文書IDを比較した場合、どこか2ヶ所が異なっていることになる。
ここで、1回目のコピーで反転したビットが、2回目のコピーで反転して元に戻る場合が低い確率でありうるが、遺伝子型文書IDのビット桁数を大きくすればするほどその確率は低下する。すなわち、実装時に桁数を大きくすれば上記問題を抑えることができる。例えば遺伝子型文書IDが1000ビットの桁数を持つならば、2回目のコピー後にオリジナル遺伝子型文書IDと同じになってしまう確率は1/1000となる。
【0010】
また、コピー回数が多くなり、文書の総数が多くなると、文書間のどれか2つが一致する確率が大きくなったり、2つの文書間の相違度がコピー回数から正確に予測できなくなる。しかし、本発明の主目的・用途は、コピー回数が少ないものを正確に判定し、それ以外のものと確実に区別するということを主とするので、コピー回数が大きい場合精度が悪くなるということは、発明の有効性には影響を与えない。
この時、当然ながら、1回コピーされた文書と、2回コピーされた文書の遺伝子型文書IDを比較すると、1ヶ所の違いがある。
何回コピーした文書でも、そのコピー前後の文書間では遺伝子型文書IDが1ヶ所異なっているという関係が成立する。また、2つの文書間のコピー回数が多いほど、その遺伝子型文書IDの違いが大きくなるという関係が成立する。
【0011】
ここで、コピー操作を行う複写機5は、必ずしも同じ複写機でなくても良いし、集中管理された文書にアクセスしてコピーのたびに遺伝子型文書IDを管理する必要が無い。
この文書管理システムの複写機5は、入力された遺伝子型文書IDに対してどれかランダムに1個変更して出力するという操作を行うだけで良く、いちいち集中管理するサーバー複写機で操作をする必要が無いし、スタンドアロンで良いので、ネットワークにつながっている必要さえもない。これは文書管理のシステムが全体として軽いものになるという利点をもたらす。
また、図1に示した実施形態では、文書管理システム10に複写機5が含まれる形態となっていたが、上記複写機5以外の部分(遺伝子型文書IDを生成し文書に付与するID生成付与部1と、遺伝子型文書IDを記憶する記憶部3と、文書画像から遺伝子型文書IDを認識する認識部7と、遺伝子型文書IDにランダムな変異を加える変異処理部9と、2つの文書の遺伝子型文書IDを比較して、その文書間の近縁度を判定する判定処理部11と、判定された文書間の近縁度に応じて操作をコントロールする操作コントロール部13)を文書管理システム10として上記複写機5に備えるようにしても良い。
【0012】
以上の様に、本文書管理システムにおいては基本的に、コピーされたものでも任意の2文書間で遺伝子型文書IDが一致することはない。また、同じ文書に対しても、コピーごとに変異されるビットはランダムに異なる。つまり親文書からコピーされた子文書の兄弟関係にある文書間にも遺伝子型文書IDの違いが生じる。図5に示すように、兄弟間で比較した場合の遺伝子型文書IDの違いは2ヶ所となる。違いの数は、図6に示すように、コピー親対子の関係をたどった経路の長さ(遺伝的に言うと「近縁度」に対応する)となる。
従って、この関係を利用し、2つの文書について遺伝子型文書IDを比較し、異なるビット数を数えることで、2つの文書間のコピーされた回数を知ることができ、2つの文書についての「相対的な関係」がわかることとなる。
すなわち、上記認識部7において認識された遺伝子型文書IDと上記記憶部3に記憶された遺伝子型文書IDとが上記判定処理部11により比較されて、その文書間の近縁度が判定され、判定された文書間の近縁度に応じて上記操作コントロール部13により種々の文書管理操作がコントロールされる。
【0013】
上記の文書管理システムの複写機と、遺伝子型文書IDを持つ文書によって、文書の配付関係やコピー回数を把握した文書管理を行うことができる。例えば、文書管理システム側にオリジナル文書の遺伝子型文書IDを保存しておき、それに対して、提示された文書の遺伝子型文書IDの差異数(つまり、コピー回数・世代数・近縁度)が指定値を超えた場合には、その文書は無効とし、コピーしないとか、プリントしないとか、FAX送信しないとかという文書管理操作をコントロールすることができる。
また、オリジナル遺伝子型文書IDが保存されていない場合でも、提示された2つの文書の遺伝子型文書ID間の違いが小さい場合のみその文書を有効とするというような判断もできる。これにより、重要文書のセキュリティなどに有効な文書管理ができる。すなわち、他文書と比較して初めて文書が得られるという点がポイントとなり、遺伝子型IDを入手しても、それ単体では解読も偽装もできないため、セキュリティ上の優位性がある。
なお、上記遺伝子型文書IDの表現形式としては、以下に説明する様にさまざまな変形例がある。
紙の文書上に印刷された遺伝子型文書IDとして、上記実施形態1では、1次元に並んだ白黒のパターンを遺伝子型文書IDとしたが、図7に示すように、2次元のマトリクス形式に並んだ白黒のパターンを遺伝子型文書IDとしても良い。この形式のパターンは「2次元バーコード」などとして知られており、通常は数字列や文字列などを暗号化して2値白黒パターンに変換しているが、ここでは白黒のパターンそのものが、他の遺伝子型文書IDと比較されることとなる。
【0014】
上記遺伝子型文書IDの本質は「ビット列」であるので、その表現のしかたはさまざまな形式が可能となる。
すなわち、
(1)白黒の2値画像の1次元/2次元の並びでも良いし、
(2)1/0の数値列でも良い(例:0011000101)し、
(3)1/0の数値列を10進数や16進数にコード化した数字列でも良い(10進数例:42899103、16進数例:8AEE0734)し、さらに
(4)変換や圧縮処理を行ったものでも良いし、
(5)白から黒への多値のグレイレベルで印刷された、1次元または2次元のパッチ状パターンでも良いし、(例えばグレイレベルが8階調を表現可能ならば、ひとつの印刷領域(パッチ)あたり3ビットの文書を持つことができ、白黒2値の場合に比べて同じ面積に4倍のID文書を埋め込むことができる)
(6)色に数値を割り当てた2色またはそれ以上のカラーを用いた、1次元または2次元のパッチ状パターンでも良いし、(例えばカラーが64色を表現可能ならば、ひとつの印刷領域(パッチ)あたり6ビットの文書を持つことができ、白黒2値の場合に比べて同じ面積に6倍のID文書を埋め込むことができる)
(7)デジタルデータを埋め込んだホログラムを印刷または張り付けるようにしても良いし、
(8)デジタルデータを埋め込んだ微小ICチップを紙に張り付けるまたは埋め込むようにしても良い。(暗号化(エンコード)されたものは、復号化(デコード)して2値ビットに展開してから、2文書間で比較を行いビットの違いを数える)
【0015】
また、電子文書の遺伝子型文書IDとしては、以降の実施例に示すように、パソコンなど電子機器を用いて閲覧する形式の電子文書(電子ファイル)の場合には、目に見えない形で、電子的に遺伝子型文書IDを埋め込むが、その電子遺伝子型文書IDに「遺伝子型文書ID」を用いる。
原理的には、前記実施形態にあるような、1/0のビット列やそれをコード化した数字列などの遺伝子型文書IDを電子文書の「遺伝子型文書ID」フィールドに書き込み、コピーの時に変異させる。
本発明の「遺伝子型ID」の「遺伝子型」というもうひとつの重要なポイントは、複製や伝達される際に、「IDにランダムな変異が加えられる」という点である。変異の与え方には、さまざまな実現方法が可能だが、本発明の実施形態ではもっとも単純な「2値ビット列の遺伝子」と「ビット反転による変異」を用いた。また、変異が与えられても、IDのビット数が変わらないという点も文書処理上は扱いやすい。なぜなら、従来方法で実現する場合のひとつの方法として、変異して来た過去の遺伝子型文書IDを全て記録するという方法が考えられるが、この場合、文書の世代が進むに従って過去の記録が蓄積される分のメモリ領域が増大するからである。
【0016】
次に、第2の実施形態として、MM−Handlerを用いた電子的文書間でのアクセス制御に「遺伝子型文書ID」を用いる場合について説明する。
本願の出願人の有する技術で「MM−Handler」というシステムがあるが、これは、マルチメディアコンテンツを複数含む電子文書の一形態であり、「MM−Handler文書」は複数ユーザに配付され、各人それぞれのPC上で閲覧され、そのどれかひとつの文書上でプレゼンテーションや編集などの操作を行うと、その操作文書が他のMM−Handler文書に対してもほぼ同時に反映されるという機能を持つ。
上記MM−Handler(あるいは、文書間での相互認証とアクセスを行うような電子文書、文書ファイル)においては、電子文書間でお互いにアクセスして文書交換するということがひとつの技術ポイントである。
その際、ひとつの文書から、アクセスするべき他の文書へとアクセス経路を確立するには、以下の手順で行う(図8参照)。
1.MM−Handler文書(1)がPCなどでオープン(起動)された際、ネットワークに自身の遺伝子型文書IDをブロードキャスト発信する。
2.ネットワーク内に、別に既にオープンされたMM−Handler文書(2)がある場合、そのMM−Handler文書(2)はブロードキャストされてきた遺伝子型文書IDを受信し、その遺伝子型文書IDが「自分とアクセス可能」なものであるかどうかを判定する。
3.判定結果が「自分とアクセス可能」である場合、発信元のMM−Handler文書(1)に対し、自分の遺伝子型文書IDを発信する。判定結果が「自分とアクセス不可」である場合、何もしない。
4.MM−Handler文書(1)は送信されて来たMM−Handler文書(2)の遺伝子型文書IDを受信し、それが「自分とアクセス可能」であるかどうかを判定する。
5.判定結果が「自分とアクセス可能」である場合、発信元のMM−Handler文書(2)に対し「アクセス可能」の信号を発信する。判定結果が「自分とアクセス不可」である場合、発信元のMM−Handler文書(2)に対し「アクセス不可」の信号を発信する。
6.MM−Handler文書(2)がMM−Handler文書(1)からの「アクセス可能」信号を受信すると、これでお互いにアクセス可能の確認がとれたことになり、ここでアクセス経路が確立する。
【0017】
上記処理手順の際、「自分とアクセス可能かどうか」の判定は、遺伝子型文書IDを用いて行われるが、その際の判定基準は現在のところ明確ではない。簡便な実現方法として、コピーし配付されたMM−Handlerの遺伝子型文書IDは同一であるので、アクセス対象の遺伝子型文書IDが同一の場合にアクセスを許可するという手法がある。
この実施形態によれば、MM−Handler文書の文書IDに「遺伝子型文書ID」を用いることによってさまざまな機能を付加・実現できる。
この際のポイントは「自分との相対的な近縁度に応じてアクセス制御ができる」と言うことである。
なお、図8に示したMM−Handler文書の一例としては、図9に示すようなものがある。すなわち、このMM−Handler文書101は、図9に示すように、文書全体の構造、配置等の表示状態を表す表示文書ファイルとしての文書配置文書102と、文書内のテキスト内容を表すデジタル文書ファイルとしてのテキスト文書103と、その他の静止画像や動画画像を表すデジタル文書ファイルとしてのメディア文書104と、文書内容を表示したりユーザ操作を検出したりする複数の動作プログラムファイルとしてのプログラム105とから構築されている。これらの文書は、それぞれ一般的なパーソナルコンピュータのオペレーションシステムが管理できる個別のファイル単位の構造となっている。
【0018】
次に、MM−Handlerに付加できる機能について説明する。
配付経路距離(近縁度)判定によるアクセス制御機能
MM−Handlerの文書IDに、遺伝子型文書IDを用いる。すなわち、MM−Handler文書の作成者またはMM−Handler文書を持っているユーザが、別のユーザにMM−Handler文書を(電子的にコピーし同じものを)配付する際、遺伝子型文書IDのビット列にランダムな変異(ビット反転)を1ヶ所加える。また別のユーザにMM−Handler文書を配付する際にも遺伝子型文書IDのビット列にランダムな変異を1ヶ所加える(同じ文書からの配付でも、配付するごとに異なる変異が与えられる)。
次に、この操作をした後、あるMM−Handler文書に注目すると、その文書の配付元(親)と、自分から配付した先(子供達)のMM−Handler文書の遺伝子型文書IDは、自分の遺伝子型文書IDに対して1ヶ所だけ異なっている。この違いのビット個数が、配付経路に沿った配付の回数(配付経路距離、近縁度)となる。
従って、相対的な配付経路距離(近縁度)が長くなると、遺伝子型文書IDの違いのビット数が大きくなる。つまり、自分から数えて2つ前の配付元(祖父)の遺伝子型文書IDの違いのビット個数は2、自分から数えて2つ先の配付先(孫たち)の遺伝子型文書IDの違いのビット個数は2、ひとつ前の配付元(親)から配付された別の遺伝子型文書ID(兄弟たち)の違いは2となる。
【0019】
この、遺伝子型文書IDの違いビット個数を判定の手がかりとして、例えば「遺伝子型文書IDの違いビット数が『1』の文書とのみアクセス可能」と決めておくと、自分に文書を配付した元文書(親)と、自分から文書を配付した先の文書(子供たち)とのみがアクセス可能となる。それより配付経路が先の遠い文書とはアクセスが不可となる。言い方を変えると「自分が直接知っている相手とはアクセスするが、それ以外とはアクセスしない」というアクセス制御をしていることになる。
また、「遺伝子型文書IDの違いビット数が『1と2』の文書とのみアクセス可能」とすれば、2つ前までの配付元文書(親と祖父)と、ひとつ前の配付元から配付された別文書(兄弟たち)と、自分からの配付先(子供たち)と、そのもう一段先の配付先(孫たち)までの文書とのアクセスが可能となる。この場合、遺伝子型文書ID違いビット数が1から2に増えたことで、アクセス範囲が少し広がる。
また、「遺伝子型文書IDの違いビット数が『1より大きい』文書とのみアクセス可能」とすれば、「遺伝子型文書IDの違いビット数が『1』の文書とのみアクセス可能」の逆となり、「自分が直接知らない相手とのみアクセスする」というアクセス制御をしていることになる。
これらの例で示されたように、2つの遺伝子型文書IDの比較により得られる違いビット数の文書から相対的な文書間の配付経路距離(近縁度)がわかり、その値を利用して所望のアクセス制御が実現される。
また、上記第2の実施形態の電子的文書において、文書に編集(変更)を加えるたびに、遺伝子型文書IDに変異を加えるようにしても良い。この場合、編集を重ねることにより遠くなってゆく文書間の相対的な近縁度がわかる。別の言い方をすれば、2つの文書間でどれだけの編集・改変処理が行われたかの手の加わり度がわかるようになる。
また、当然ながら、上述してきた遺伝子型文書IDを従来の文書IDの付与方法と併用して使うことも可能である。ここで、従来方法とは「文書が作成された時に文書IDが付与され、それは文書がコピー・配付されても同一のままであるという方法」である。したがって、より幅の広い文書管理を実現できる。
【0020】
次に、通信ネットワークにおける「遺伝子型ID」の応用としては以下に挙げるようなものがある。
1.電子メール配付経路ネットワーク
2.携帯電話のネットワーク
3.計算機(PC,WS)のネットワーク
4.ゲーム機のネットワーク
上記のように、メディアはいろいろ考えられるが、ネットワーク状の接続関係があり、その中でアクセス相手を制御したいという場合に、遺伝子型IDを用いることで通信経路距離に応じたアクセス制御ができるようになる。
以下に、各実施形態について説明する。
電子メールの通信相手のアクセス制御:第3実施形態
PCや携帯電話で使用される電子メールツールにおいて、知らない人から広告など突然不要な電子メールが送り付けられるというのは大きな問題となっている。現状では、何らかの手段でメールアドレスが知られてしまえば、誰でもそのメールアドレスにメールを送信することができ、受信側はそれを拒否できないし、メールアドレス以外送信元相手についての文書もほとんど提示されない状態である。
最近(2001年)携帯電話向けに実施された、NTTの迷惑メール防止方法「メール指定受信、メール指定拒否、ドメイン指定受信機能」http://www.nttdocomo.co.jp/mc−user/i/meiwaku/index.htmlは、受信を許可する相手のメールアドレスやドメインをユーザが設定するというものであるが、これはユーザがいちいち入力することになり面倒である。
そこで、自分がメールアドレスを教えた「友人」や「友人の友人」からなら電子メールを受け取っても良いが、それ以外からは受け取らない、というアクセス制御ができるととても便利である。また、送信者が「友人の友人の友人…」関係の何段階離れた人かという文書が提示されれば、受信の判定に有効な文書となる。
現状ではそのようなことを簡便に実現する手段は提供されていない。特に「友人の友人」は直接知らない相手であるが、そこからのメール受信を可能にする、という点がポイントとなる。
【0021】
そこで、本発明による遺伝子型IDを用いた実現方法について以下に説明する。
1.まず、自分(ユーザA)の「遺伝子型ID」を決める。
2.(メール送信などによって)他人に自分のメールアドレスを教える場合、メールアドレス文書に、隠された「遺伝子型ID」文書を付加する。ただし、他人に教える遺伝子型IDは、教えるたびごとに1ビットだけランダムな変異を加える。ここで、遺伝子型IDは隠されているので、受信ユーザが直接それを見たり操作することはできない。もし見ることができたとしても、それは既に変異を与えられた遺伝子型IDなので、オリジナルのユーザAの遺伝子型IDを正確に知ることはできない。
3.メールアドレスを教えられた人が、さらに別の人にユーザAのメールアドレスを教える場合、更にランダムに1ビットの変異が遺伝子型IDに加えられる(この操作は教えるたびに同様に何回も繰り返される)。
4.何らかの経路でユーザAのメールアドレスを入手したユーザBが、ユーザAにメールを送信する際、ユーザAのメールアドレスとともに、ユーザBが入手した「ユーザAの遺伝子型ID」が付加されて送信される。
5.ユーザAがユーザBからのメールを受信すると、自分の持っている遺伝子型IDと、ユーザBから送られて来た「ユーザAの遺伝子型ID」を比較する。その違いを解析することで、ユーザBが「メールアドレスを教える」という関係においてどれだけ離れている相手かを推定することができる。
6.それは「友達の友達の…」という関係でどれだけ離れているか、という意味に近い。例えば、
「メール友達度:1」(自分が直接教えた人)
「メール友達度:3」(友達の友達の友達)
「メール友達度:10」(ほとんど他人)
というように数値化するなどして、相手との関係を受信時に提示すれば、ユーザAがそのメールを受信するかどうかに有効な文書となる。
7.予め「メール友達度が3以上の相手からのメールは受信しない」などと指定することによって、迷惑メールである可能性の高い不要なメール受信を排除することができる。
8.ユーザAから関係の遠いユーザBが、ユーザAに近い友人であるように偽装しようとしても、ユーザBが手に入れたユーザAの遺伝子型IDはすでに変異が累積されたものであるので、ユーザAのオリジナルの遺伝子型IDや、ユーザAの近い友人が持っている遺伝子型IDは知りようがない。よって偽装は不可能となる(セキュリティの有効性)。
【0022】
この実現方法は、中央集権的ではない。すなわち、全ユーザのメールアドレスやIDを中央の管理サーバーが持ち、アクセスの際に中央サーバーが判断する、というやり方ではない。従って、ユーザAとユーザBそれぞれでの処理で済み、よって処理量が少なく簡便に実現することができる。
なお、上記第3実施形態において、複数の相手にメールアドレスを教える際、相手ごとに異なる変異を加えた遺伝子型IDを生成し、どの変異を加えた遺伝子型IDを誰に教えたかを記録しておくと、次に誰かから電子メールを受信した際、受信した遺伝子型IDが、誰に教えた遺伝子型IDに近いかを解析することで、誰を通して自分のメールアドレスが伝わって行ったかを判定することができる。
また、上記第3実施形態において、自分の遺伝子型IDを「場合に応じて」変えて生成することにより、さらに詳しい文書を得ることができる。例えば、「日時」によって教える遺伝子型IDを変えることにより、受信した遺伝子型IDは、どの時期に教えたメールアドレスが使われているかを判定することができる。また、例えば、「発信先相手のグループ」によって教える遺伝子型IDを変えることにより、受信した遺伝子型IDは、どのグループに教えたメールアドレスが使われているかを判定することができる。
【0023】
次に、第4実施形態として、本発明による遺伝子型IDを用いたネットワークトラフィックのアクセス制御について図10を参照して説明する。
図10において、通信ネットワークはノードとリンクからなる。ノードはPC等の信号を送受信する機器で、リンクはノード間を繋ぐ信号経路(ハードウェアのケーブルではなくソフト的に信号をやりとりする経路を考える)とする。
各ノード間では、相手のネットワークアドレスを知っていればどこでもデータを送信することができる。つまり任意の2つのノードをどこでも結ぶことができる。極端な場合、ひとつのノードに対して他の全てが同時に信号を送ることができる。
ネットワーク内で、特定のノードにアクセスが集中した場合、集中のターゲットとなったノードは信号を処理しきれなくなり、ネットワークが低速となったりダウンしたりする。この現象を利用して、「Dos攻撃(アクセス拒否攻撃)」と呼ばれる、サーバーへの悪意あるハッキングが行われることもある。
この問題を解決するネットワークを安全に運営する方法として、各ノードが、アクセスする相手の「ノードの近縁度」を認識し、トラフィックが増えて処理量が増えた場合、ノードの近縁度の近いものを優先し、遠いものから順番にアクセスを拒否する、という制御ができると良い。
その実現方法としては、「電子メールのアクセス制御」とほぼ同じようにする。
【0024】
すなわち、ノードAが他のノードへ自分のネットワークアドレスを教える際、ネットワークアドレスの他に、変異を加えた「遺伝子型ID」文書を付加する。ネットワークアドレスを教える相手ノードは、優先的にアクセスを受け付けるノード(優先ノードB)に限定する。それ以外のノードへは、ノードBからそのノードが優先するノードへと間接的に教えることによって、ネットワークアドレスを伝える。複数経路から、同じノードAのネットワークアドレスと遺伝子型IDを得た場合には、先に得た方を使用する(近い方の経路から先に届くとの仮定から)。
ノードAのネットワークアドレスが十分ネットワーク内に行き渡った後で、あるノードCがノードAにアクセスを行う場合、ノードCはノードAのネットワークアドレスを元にノードAにアクセスし、その際ノードCが持っているノードAの遺伝子型IDを送信する。ノードAは自分の遺伝子型IDと、送信されて来た遺伝子型IDを比較することによって相手ノードの近縁度を判断し、相手の近縁度に応じてアクセスを許可するかどうかを制御する。
相手ノードの近縁度と、自分の処理容量とを考慮して、余裕がない場合には、近縁度の遠いノードからのアクセスを拒否するようにする。
【0025】
次に、第5実施形態として、「遺伝子型ID」をネットワークを利用したゲーム(やコミュニケーションツール)に応用した例について説明する。
ネットワークを利用したゲーム(やコミュニケーションツール)おいて、ネットワークに参加している任意の相手と対戦したり協力したりする場合、その相手が自分とどれだけ友人関係が近いかが分かれば、有効な文書となる(近い友人とは戦いたくない、近い友人と協力したい、など)。
そこで、友人関係を知るための方法として、
仮想的な自分の「名刺」を作成し、名刺文書には隠された「遺伝子型ID」を付加する。ネットワークゲームの中で、自分と友人関係となった相手には名刺を配付する。その際、遺伝子型IDには変異を加えてから配付する。
配付した相手からその先の友人に名刺が再配付される際にはさらに遺伝子型IDに変異が加えられる。
例えば「君は僕の友達だから、僕の友達の名刺をコピーして君にあげよう。」
ネットワークゲーム内で、相手と出会った場合、相手が自分の名刺を持っているかどうかをチェックする。
自分:「君は僕のことを知っているか?」
相手:「君のことは友人Aから名刺をもらったので知っているよ。」
自分:「どれどれ。その名刺を見せてくれ。」
自分の名刺を持っている場合には、その中の遺伝子型IDが自分の遺伝子型IDとどれだけ異なっているかを調べ、異なり具合から相手の友人関係の近さを判定する。
ユーザは「友人関係の近さ文書」を用いて参考とし、協力したり敵対したりする戦略をたてる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、この発明による遺伝子型IDを用いることによって、文書のコピー・配付関係を知ることができ、その関係に応じた文書管理が可能となる。
また、その遺伝子型文書IDを用いてコピーされた複数の文書間での相対関係を判定し、コピー経路の判定や管理を分散的に行うことができる。
また、2つの文書について遺伝子型文書IDを比較し、異なるビット数を数えることで、2つの文書間のコピーされた回数を知ることができ、2つの文書についての「相対的な関係」がわかることとなる。
また、コピー回数が少ないものを正確に判定し、それ以外のものと確実に区別することができる。
また、2つの遺伝子型文書IDの比較により得られる違いの文書から相対的な文書間の配付経路距離(近縁度)がわかり、その値を利用して所望のアクセス制御が実現される。
また、編集を重ねることにより遠くなってゆく文書間の相対的な近縁度がわかるようになるので、2つの文書間でどれだけの編集・改変処理が行われたかの手の加わり度がわかるようになる。
また、変異しない固定式の文書IDを、遺伝子型文書IDと併用することで、より幅の広い文書管理を実現できる。
また、次に誰かから電子メールを受信した際、受信した遺伝子型IDが、誰に教えた遺伝子型IDに近いかを解析することで、誰を通して自分のメールアドレスが伝わって行ったかを判定することができる。
また、次に誰かから電子メールを受信した際、受信した遺伝子型IDが、誰に教えた遺伝子型IDに近いかを解析することで、誰を通して自分のメールアドレスが伝わって行ったかを判定することができる。
また、「日時」によって教える遺伝子型IDを変えることにより、受信した遺伝子型IDは、どの時期に教えたメールアドレスが使われているかを判定することができる。
また、ノードは自分の遺伝子型IDと、送信されて来た遺伝子型IDを比較することによって相手ノードの近縁度を判断し、相手の近縁度に応じてアクセスを許可するかどうかを制御することができる。
また、ネットワークに参加している任意の相手と対戦したり協力したりする場合、その相手が自分とどれだけ友人関係が近いかを知ることができ、有効な文書を得ることができる。
また、ネットワークのトラフィック管理において、局所的に負荷がかからない、安定な管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による文書管理システムの一実施形態の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態の遺伝子型文書IDを持つ文書を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態の遺伝子型文書IDの変異の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態の遺伝子型文書IDの変異の説明図である。
【図5】親文書からコピーされた子文書の兄弟関係にある文書間にも遺伝子型文書IDの違いを示す説明図である。
【図6】文書配布経路と近縁度との説明図である。
【図7】本発明の他の実施形態の遺伝子型文書IDを示す図である。
【図8】MM−Handlerにおいてアクセスするべき他の文書へとアクセス経路を確立する方法の説明図である。
【図9】図8に示したMM−Handler文書の一例を示す図である。
【図10】本発明による遺伝子型IDを用いたネットワークトラフィックのアクセス制御についての説明図である。
【符号の説明】
1 ID生成付与部、3 記憶部、5 スキャン・プリントアウト部、7 認識部、9 変異処理部、10 文書管理システム、11 判定処理部、13 操作コントロール部
Claims (13)
- 文書を管理する文書管理システムであって、
遺伝子型文書IDを生成し前記文書に付与するID生成付与部と、
前記遺伝子型文書IDを記憶する記憶部と、
前記遺伝子型文書IDを含む文書をスキャンあるいはプリントアウトするスキャン・プリントアウト部と、
前記スキャンされた文書から遺伝子型文書IDを認識する認識部と、
前記遺伝子型文書IDを含む文書の複製時にその遺伝子型文書IDに変異を加える変異処理部と、
2つの文書の遺伝子型文書IDを比較して、その相違を判定する判定処理部と、
判定された相違に応じて種々の操作をコントロールする操作コントロール部と、を備えたことを特徴とする文書管理システム。 - 文書を管理する文書管理方法であって、
遺伝子型文書IDを生成し前記文書に付与するステップと、
前記遺伝子型文書IDを記憶するステップと、
前記遺伝子型文書IDを含む文書をスキャンあるいはプリントアウトするステップと、
前記スキャンされた文書から遺伝子型文書IDを認識するステップと、
前記遺伝子型文書IDを含む文書の複製時にその遺伝子型文書IDに変異を加えるステップと、
2つの文書の遺伝子型文書IDを比較して、その相違を判定するステップと、
判定された相違に応じて種々の操作をコントロールするステップと、備えたことを特徴とする文書管理方法。 - 前記遺伝子型IDは、1列に並んだ白黒のパターンであることを特徴とする請求項2に記載の文書管理方法。
- 前記遺伝子型IDは、2次元マトリクス状に並んだ白黒のパターンであることを特徴とする請求項2に記載の文書管理方法。
- 文書間で通信が可能な電子文書(MM−Handler文書)を管理する文書管理方法であって、
前記文書内に遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、文書作成時に遺伝子型IDを生成し前記文書に付与するステップと、
前記文書の配付時に、その遺伝子型IDに変異を加えて配付するステップと、
前記文書から文書へアクセス要求があった場合、アクセス元とアクセス先の文書間の遺伝子型IDを比較して違いを解析するステップと、
前記遺伝子型IDの違いに基づいて、文書間のアクセスの可否を制御するステップと、を備えたことを特徴とする文書管理方法。 - 前記遺伝子型IDは電子的なデータ形式によって表現されることを特徴とする請求項5に記載の文書管理方法。
- 文書の編集時に、その遺伝子型IDに変異を加えるステップを備えたことを特徴とする請求項5に記載の文書管理方法。
- 変異しない固定式の文書IDを、遺伝子型文書IDと併用することを特徴とする請求項2あるいは5に記載の文書管理方法。
- 電子メールの送受信ネットワークにおける文書管理方法であって、
前記電子メールのメールアドレスに遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、そのメールアドレスを他者に通知する際に、自分の遺伝子型IDに変異を加えてから他者に送信するステップと、
他者からメール送信があった場合、送信元から送られて来たメールアドレス内の遺伝子型IDと、自分が持っている遺伝子型IDを比較して、違いを解析するステップと、
前記遺伝子型IDの違いに基づいて、何人を経由してメールアドレスが伝達されて行ったかを判定し、電子メールの受信の可否を制御するステップを備えたことを特徴とする文書管理方法。 - 電子メールの送受信ネットワークにおける文書管理方法であって、
前記電子メールのメールアドレスに遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、複数の他者にメールアドレスを教える際、相手ごとに、異なる変異を与えた遺伝子IDを教えるステップと、
教えた相手と変異した遺伝子IDを組みにして記録するステップと、
他者からメール送信があった場合、送信元から送られて来たメールアドレス内の遺伝子型IDと、他者に教えた遺伝子型IDの記録を比較して、違いを解析するステップと、
遺伝子型IDの違いに基づいて、誰を経由して何人を経由してメールアドレスが伝達されて行ったかを判定し、電子メールの受信の可否を制御するステップと、を備えたことを特徴とする文書管理方法。 - 電子メールの送受信ネットワークにおける文書管理方法であって、
前記電子メールのメールアドレスに遺伝子型IDを格納するフィールドを持ち、他者にメールアドレスを教える際、日時によって異なる変異を与えた遺伝子型IDを教えるステップと、
教えた相手と変異した遺伝子IDを組みにして記録するステップと、
他者からメール送信があった場合、送信元から送られて来たメールアドレス内の遺伝子型IDと、他者に教えた遺伝子型IDの記録を比較して、違いを解析するステップと、
他者から受信した遺伝子型IDを解析することにより、いつ教えたメールアドレスが伝達されていったかを判定し、電子メールの受信の可否を制御するステップと、を備えたことを特徴とする文書管理方法。 - ノードとリンクからなるネットワークにおける文書管理方法であって、
自分のネットワークアドレスを他ノードに通知する際、相手ノードごとに異なる変異を与えた遺伝子型IDを付加して通知するステップと、
自分にとって優先するノードのみにネットワークアドレスを通知するステップと、
ノードからノードへとネットワークアドレスが通知されてゆく際、遺伝子型IDに変異を与えるステップと、
他ノードからアクセス要求があった場合、他ノードから送られて来たネットワークアドレスの遺伝子型IDと、自分が持っている遺伝子型IDを比較して、違いを解析するステップと、
遺伝子型IDの違いに基づいて、ノード間アクセスの可否を制御するステップとを有することを特徴とする文書管理方法。 - ネットワークを利用したゲームやコミュニケーションツールにおける文書管理方法であって、
自分の仮想的な「名刺」を持つステップと、
前記名刺に、遺伝子型IDを埋め込むステップと、
前記名刺を渡す際、遺伝子型IDに変異を与えるステップと、
信用できる相手にのみ自分の仮想的な名刺を渡すステップと、
人から人へと名刺が受け渡される際、ランダムな変異を与えるステップと、
ネットワーク内で他者と出会った際、相手が自分の名刺を持っているかをチェックするステップと、
相手が自分の名刺を持っている場合、その遺伝子的IDと、自分が持っている遺伝子的IDを比較するステップと、
遺伝子型IDの違いに基づいて、相手の友人関係距離を判定するステップとを有することを特徴とする文書管理方法。
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