JP2004102326A - 工場診断方法及びその装置、工場診断プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】現状評価結果を経営指標への影響度により提示し、企業経営者によって現状把握を容易に判断すること。
【解決手段】診断対象である工場の現状を工場管理指標により提示される現状情報に基づいて工場に対する評価を行い、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策を決定する工場診断装置に、工場に対する評価結果を経営指標で提示される評価結果に変換する指標変換システム22を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】診断対象である工場の現状を工場管理指標により提示される現状情報に基づいて工場に対する評価を行い、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策を決定する工場診断装置に、工場に対する評価結果を経営指標で提示される評価結果に変換する指標変換システム22を備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場に設置されている生産ライン等の製造現場における改善点を抽出し、その改善策を提案する工場診断方法及びその装置、工場診断プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
会社における経営指標により表わされる各項目の診断結果を良くするため、及び企業業績を向上させるために企業診断が行われている。この企業診断は、例えば財務諸表などの経営情報を基にして経営リスクの指摘を行う。
【0003】
製造業においては、企業診断とは別に製造工場の製造現場(例えば生産ライン)の現状評価を基にして生産性の向上や効率化を図るために改善案を立案し、それを実施して経営指標や企業実績を向上させる工場診断が行われている。
【0004】
この工場診断方法では、製造リードタイム、効率、品質、環境、設備管理などの工場管理指標により提示される現状情報を入力し、診断結果として現状評価、改善案及びこの改善案を実施した場合の予想効果を提示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現状評価及び予想効果は、入力される現状情報と同じ工場管理指標により提示されているために、企業経営者にとっては、現状評価や予想効果がどのように会社の経営に影響するのか分りずらく、現状把握や改善案の実施の可否を判断することが難しい。
【0006】
そこで本発明は、現状評価結果を経営指標への影響度により提示し、企業経営者によって現状把握を容易に判断できる工場診断方法及びその装置、工場診断プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、工場管理指標により提示される工場の現状情報に基づいて工場に対する診断の評価を行い、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策を決定する工場診断方法において、工場管理指標により提示される工場の評価結果を、経営指標により提示される評価結果に変換することを特徴とする工場診断方法である。
【0008】
本発明の工場診断方法において、経営指標で提示される評価結果は、工場に対する診断の評価結果に対して経営指標の重要度を反映させ、かつ重要度は任意に変更可能である。
【0009】
本発明の工場診断方法は、改善策を実施した後の工場に対する予想評価を経営指標への影響度で提示する。
【0010】
本発明は、診断対象である工場の現状を工場管理指標により提示される現状情報に基づいて工場に対する診断の評価を行い、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策を決定する工場診断装置において、工場に対する評価結果を、工場管理指標から経営指標への影響度を加味した評価結果に変換する指標変換手段を具備したことを特徴とする工場診断装置である。
【0011】
本発明の工場診断装置における指標変換手段は、工場に対する診断の評価を経営指標で提示される評価結果に変換する過程において経営指標の重要度を反映させる。
【0012】
本発明の工場診断装置における指標変換手段は、工場に対する少なくとも1つの評価項目の経営指標における少なくとも1つの項目に対する影響度と、経営指標の項目に対する重要度とを表わした指標変換マトリクスを有し、工場に対する診断の評価結果に対して影響度を反映させて経営指標の評価に変換し、この評価に対して重要度を反映させて経営指標で提示される評価結果に変換する機能を有する。
【0013】
本発明の工場診断装置における重要度は任意に変更可能である。
【0014】
本発明の工場診断装置における工場の評価項目と経営指標の項目とは、それぞれ各業種の工場毎に設定される。
【0015】
本発明の工場診断装置において改善策を実施した後の工場に対する予想評価を経営指標への影響度で提示する効果予想手段を備えた。
【0016】
本発明は、診断対象である工場の現状を工場管理指標により提示される現状情報に基づいて工場に対する評価を行わさせるステップと、工場に対する評価結果を経営指標で提示される評価結果に変換させるステップと、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策を決定させるステップとを有することを特徴とする工場診断プログラムである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本発明の工場診断装置は、製造業の業種に対してどのような業種における工場にも適用できるもので、例えば食品業、建築業、石油業、化学業、鉱工業、製糸業、窯業、機械業、電気業、輸送業、その他の処々の鉱業など幅広い業種に適用できる。本発明の一実施の形態では、電化製品の組立検査工程に適用した場合について説明する。
【0019】
図1は工場診断装置の構成図である。コンピュータ等により構成される演算装置1には、キーボード及びマウス等からなる入力装置2と、外部記憶装置3と、当該診断装置を動作させるための工場診断プログラム4を記憶した内部記憶装置5と、工場の診断結果及び改善策を表示するための表示装置6とが接続されている。なお、表示装置6は、工場の診断結果及び改善策を印刷出力したり、音声等により報知する機能を備えてもよい。
【0020】
入力装置2からは、オペレータの操作によって診断対象となる工場の現状情報7と、経営指標の重要度(重み)8とが入力される。工場の現状情報7は、例えば5段階(0〜4点)で評価した点数として入力されるもので、0点が評価として最も低く、4点が最も高い評価である。なお、工場の現状情報7の評価点数は、5段階(0〜4点)に限らず、任意の段階の点数にしてよい。
【0021】
外部記憶装置3には、チェック項目データベース9と、改善策データベース10と、指標変換マトリクス11とが形成されている。このうちチェック項目データベース9には、図2に示すように工場管理指標による評価項目(診断項目)12が記憶されている。この評価項目12は、電化製品の組立検査工程において例えば工数能率、多能工化の体制、作業の標準化などである。これら評価項目12に対しては、それぞれ評価方法13と、評価指標と評価点14と、重要度(重み)15との各情報が記憶されている。
【0022】
改善策データベース10には、図3に示すように診断した工場(例えば、電化製品の組立検査工程)の現状評価に応じた改善策(改善内容)16と、この改善策16を実施した場合の各診断項目の一次評価向上値17と、経営指標改善影響度18とが定義されている。
【0023】
指標変換マトリクス11には、図4に示すようにチェック項目データベース9で定義されている工場管理指標による評価項目12の評価結果を経営指標への影響度に変換する指標変換マトリクスデータ19と、各経営指標の各項目の重要度(重み)8とが記憶されている。例えば、評価項目12として工場管理指標の「スペース生産性」「工数能率」「設備稼働率」などの5項目が設定され、経営指標として「固定費」「直接人件費(直接費)」「間接人件費(間接費)」などの5項目が設定されている。なお、これら評価項目12及び経営指標の各項目は、それぞれ他の項目を追加したり、変更してもよい。
【0024】
これら工場管理指標の評価項目12と経営指標の項目との関連(影響度)は、工場管理指標と経営指標との双方の項目が交わる部分のマスに表示される数値(指標変換マトリクスデータ19)により表わされ、その数値が高いほど関連性が高い。
【0025】
例えば工場管理指標の「スペース生産性」に対して経営指標の「固定費」の関連度は「3」であり、「直接人件費」は関連なし、「間接人件費」の関連度は「1」、「棚卸」の関連度は「1」、「納期」の関連度は「2」である。これにより、「スペース生産性の改善」は、「固定費」の削減に最も影響があるということになる。さらに、経営指標「固定費」は、工場管理指標「多能工化の体制」にも評価「1」の関連性があることを示す。
【0026】
経営指標の重要度8は、上記の如く例えば評価として1点が最も低く、5点が最も高い評価となる5段階(1〜5点)の評価点数として入力される。
【0027】
内部記憶装置5に記憶されている工場診断プログラム4は、診断対象である工場の現状を工場管理指標により提示される現状情報7に基づいて工場に対する評価を行わさせるステップと、工場に対する評価結果を経営指標で提示される評価結果に変換させるステップと、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策16を決定させるステップとを有する。
【0028】
演算装置1は、内部記憶装置5に記憶されている工場診断プログラム4を実行することにより以下の機能を有する。先ず、演算装置1は、表示装置6に工場管理指標による評価項目12を順次表示し、入力装置2から入力された評価項目12毎の工場の現状情報7と、外部記憶装置3のチェック項目データベース9に予め記憶されている評価指標及び評価点14とに基づいて一次評価を行う。
【0029】
次に、演算装置1は、一次評価の結果を指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重要度8と、指標変換マトリクスデータ19とに基づいて経営指標への影響度へ変換し、現状の評価結果を求める。
【0030】
最後に、演算装置1は、一次評価結果と経営指標の重要度8と改善策データベース10に記憶されている経営指標改善影響度18とに基づいて改善策16を決定すると共に、改善策データベース10に記憶されている一次評価向上値17と現状の評価結果と指標変換マトリクスデータ19とを使用して上記改善策16を実施した場合に予想される経営指標への影響度を提示する機能を有する。
【0031】
このような機能を実行するために演算装置1は、診断項目評価システム21と、指標変換システム22と、改善策抽出システム23と、効果予想システム24とを有する。
【0032】
診断項目評価システム21は、チェック項目データベース9に記憶されている各評価項目12を順次読み出して、これら評価項目12を図5に示すように表示装置6に順次表示し、入力装置2から各評価項目の5段階評価された工場管理評価による工場の現状情報7を受け取り、各評価項目12毎に一次評価を行う機能を有する。
【0033】
指標変換システム22は、診断項目評価システム21により行われた一次評価結果を受け取り、図4に示す指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重要度8と指標変換マトリクスデータ19とに基づいて工場管理指標の一次評価結果を経営指標への影響度の評価に変換する機能を有する。
【0034】
改善策抽出システム23は、診断項目評価システム21により行われた一次評価結果と、指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重要度8と、改善策データベース10に記憶されている経営指標改善影響度18とに応じて改善策データベース10に記憶されている複数の改善策16から該当する改善策16を抽出し、改善策16をまとめる機能を有する。
【0035】
効果予想システム24は、改善策16を実施した場合の改善策データベース10に記憶されている一次評価向上値17と現状評価値とに基づいて改善策16を実施した場合の経営指標への影響度を予測する機能を有する。
【0036】
次に、上記の如く構成された装置の作用について説明する。
【0037】
入力装置2からは、オペレータの操作によって診断対象となる工場の現状情報7と、経営指標の重要度8とが入力される。工場の現状情報7は、工場管理指標により提示させるもので、例えば5段階(0〜4点)で評価した点数として入力される。
【0038】
先ず、診断項目評価システム21は、チェック項目データベース9に記憶されている各評価項目12を順次読み出して、これら評価項目12を図5に示すように表示装置6に順次表示する。図5では評価項目として組立作業の効率の多能工化の体制に対する評価方法13及び評価指標14が表示されている。そして、診断項目評価システム21は、入力装置2から各評価項目の5段階評価された工場管理評価による工場の現状情報7を受け取り、各評価項目12毎に一次評価を行う。
【0039】
例えば、図5に示すように評価項目として組立作業の効率の多能工化の体制では、オペレータが評価点「3」を入力すると、図2に示すように多能工化の体制に対する評価点「3」に対する評価指標は、「多能工化の体制が優れている。バックアップ体制不備。」であり、かつ多能工化の体制の重みは「0.2」であることが分る。なお、表示装置6の表示画面には、オペレータが評価点を入力するためのデータ入力欄Wが表示されている。
【0040】
従って、多能工化の体制では、オペレータが評価点「3」を入力すると、評価点は、多能工化の体制に対する評価点「3」に重み「0.2」を乗算した「0.6」となる。
【0041】
以下、同様に、表示装置6に評価項目12として工数能率、作業の標準化、スペース生産性、設備稼働率などが順次表示され、これら評価項目12に対する評価点がオペレータによりその都度入力されることにより、各評価項目12毎の評価点が求められる。
【0042】
次に、指標変換システム22は、診断項目評価システム21により行われた一次評価結果を受け取り、図4に示す指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重み8と指標変換マトリクスデータ19とに基づいて工場管理指標の一次評価結果を経営指標への影響度の評価に変換する。
【0043】
例えば、経営指標「固定費」への影響度の評価は、図4に示すように工場管理指標「スペース生産性」の一次評価結果に指標変換マトリクスデータ「3」を乗算した数値と、工場管理指標「多能工化の体制」の一次評価結果に指標変換マトリクスデータ「1」を乗算した数値とを加算した数値になる。
【0044】
なお、仮に工場管理指標「スペース生産性」の一次評価結果が「2」、工場管理指標「多能工化の体制」の一次評価結果が「1」であれば、「スペース生産性」要因の評価値は、2×3=6、「多能工化の体制」の評価値は、1×1=1となり、経営指標「固定費」への影響度の評価は、6+1=7になる。
【0045】
次に、経営指標「固定費」への影響度の評価に対して経営指標の重要度8を反映させる。例えば、経営指標において重視する項目「直接人件費」の重要度8を「3」、特に重視しない「固定費」の重要度8を「1」として、「直接人件費」「固定費」の評価を「7」とすると、重要度8による重み付けにより最終評価値は、「直接人件費」が7/3=2.3となり、「固定費」が7/1=7となる。
【0046】
最後に、上記の通り求めた最終評価値を、重要度8が最大の場合に各経営指標が獲得できる最大の評価値を100%として割合に変換して最終評価結果とする。ここでは、経営指標の重要度8が最大値(5点)で、全ての現状評価値が最大値(4点)のときの各経営指標の評価値を100%として割合により表わす。又、重要度8が最高値でなく、評価結果が100%を超える場合は、超過分を切り捨てて100%とする。
【0047】
又、企業経営者は、会社の経営等を考慮して例えば経営指標「直接人件費」の削減を重視した改善策の提示を希望することがある。この場合、オペレータは、入力装置2を操作して、「直接人件費」の経営指標の重要度8を変更する。
【0048】
例えば、企業経営者が重視する経営指標の項目で評価結果100%を獲得するために、例えば経営指標「直接人件費」の重要度8を最高点「5」すると、この経営指標「直接人件費」に対して指標変換マトリクスにおいて関連付けられている工場管理指標の現状情報7を評価する全ての評価項目12、例えばスペース生産性、工数能率、多能工化の体制、作業の標準化など最高点「4」にする必要がある。これら評価項目12を最高点「4」にするには、企業経営者が重視したい項目で多くの改善が必要になる。
【0049】
これとは反対に経営指標の重要度8を低くすると、比較的容易に評価結果100%を達成できるようになるので、改善の必然性が低下する。
【0050】
次に、改善策抽出システム23は、診断項目評価システム21により行われた一次評価結果と、指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重要度8と、改善策データベース10に記憶されている経営指標改善影響度18とに応じて改善策データベース10に記憶されている複数の改善策16から該当する改善策16を抽出し、改善策をまとめる。
【0051】
例えば、評価項目、工数能率の評価値が「1.4」、多能工化の体制の評価値が「0.4」、作業の標準化の評価値が「0.3」、経営指標「直接人件費」の重み8が「5」の場合、例えば図3に示すように「作業の標準化はほぼ出来ている、多能工化の育成計画・ルールを作成し、多能工化の制度を創設することが急務」という改善策を改善策データベース10の改善策16に加える。
【0052】
次に、効果予想システム24は、改善策16を実施した場合の改善策データベース10に記憶されている一次評価向上値17と現状評価値とに基づいて改善策16を実施した場合の経営指標への影響度を予測する。
【0053】
例えば、図3に示す「多能工化の育成計画・ルールを作成し、多能工化の制度を創設することが急務」という改善策には、この改善策を実施した場合の一次評価の向上値17として例えば多能工化の育成計画・ルールの項目に改善効果「+1.5」、作業の標準化項目に改善効果「×1.1」が定義されている。
【0054】
多能工化の育成計画・ルールの項目を「0.4」、作業の標準化を「0.3」とすると、改善策の実施後の予想一次評価値は、多能工化の育成計画・ルールの評価値が0.4+1.5=1.9、作業の標準化の評価値が0.3×11=0.33になる。
【0055】
この結果を基に、再度、指標変換システム22は、図4に示す指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重要度8と指標変換マトリクスデータ19とに基づいて工場管理指標の一次評価結果を経営指標への影響度の評価に変換し、図6に示すような改善策を実施した場合に予想される経営指標への影響度を提示する。
【0056】
このように上記一実施の形態においては、工場管理指標により提示される工場の現状情報に基づいて工場に対する評価を行い、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策を決定する場合、工場に対する評価結果を、経営指標への影響度で提示させる評価結果に変換するので、現状評価結果を経営指標への影響度により提示し、企業経営者にとっては、現状評価や予想効果がどのように会社の経営に影響するのかがよく分り、現状把握や改善案の実施の判断を的確かつ容易にできる。
【0057】
具体的には、工場管理指標、例えば製造リードタイム、効率、品質、環境、設備管理などの製造現場(生産ライン)の現状情報7を基に、工場管理指標による一次評価を行い、知識データベースである例えば指標変換マトリクス11を利用して、経営指標、例えば棚卸、直接人件費、間接人件費、固定費、納期などの項目に、どのように影響しているかを推論し、最終評価を提示できる。これにより、企業経営者は、診断結果により工場の現状が経営にどのような影響を及ぼしているかを容易に知ることができる。
【0058】
又、工場管理指標から経営指標への影響度を推論する過程において、診断後提示される各経営指標に対する重要度8による重み付けを任意に変更できるので、企業経営者がある経営指標を改善したい場合、この改善したい経営指標の重み付けを重くしたり、軽くしたりすることで、経営者の意図を反映した改善策を提示することができる。
【0059】
又、各製造工場の個別の条件を反映させることができるので、より精度の高い改善策を提示できる。例えば、人件費の安い海外工場の工場診断を行う場合には、直接人件費の重要度8による重み付けを軽くすることにより、より精度の高い評価及び改善策を提示できる。
【0060】
又、評価結果に基づいて改善策を提示する際に、経営指標のどの項目がどのように改善されるか予想される効果を提示するので、企業経営者にとって改善策の可否を容易に判断できる。
【0061】
なお、本発明は、上記一実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0062】
さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0063】
例えば、上記一実施の形態では、電化製品の組立検査工程に適用した場合について説明したが、本発明の工場診断装置は、製造業の業種に対してどのような業種における工場にも適用できるもので、例えば食品業、建築業、石油業、化学業、鉱工業、製糸業、窯業、機械業、電気業、輸送業、その他の処々の鉱業など幅広い業種にも適用できる。これら業種の工場に適用した場合は、例えば図4に示す指標変換マトリクス11に記憶される工場に対する評価項目の各内容や、経営指標の各項目の内容もその業種に応じた内容に変更すればよい。
【0064】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、現状評価結果を経営指標への影響度により提示し、企業経営者によって現状把握を容易に判断できる工場診断方法及びその装置、工場診断プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態におけるチェック項目データベースの模式図。
【図3】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態における改善策データベースの模式図。
【図4】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態における指標変換マトリクスの摸式図。
【図5】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態における診断項目評価システムによる工場診断の表示例を示す図。
【図6】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態による現状評価と改善策実施後の予想評価とを示す図。
【符号の説明】
1:演算装置
2:入力装置
3:外部記憶装置
4:工場診断プログラム
5:内部記憶装置
6:表示装置
9:チェック項目データベース
10:改善策データベース
11:指標変換マトリクス
21:診断項目評価システム
22:指標変換システム
23:改善策抽出システム
24:効果予想システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場に設置されている生産ライン等の製造現場における改善点を抽出し、その改善策を提案する工場診断方法及びその装置、工場診断プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
会社における経営指標により表わされる各項目の診断結果を良くするため、及び企業業績を向上させるために企業診断が行われている。この企業診断は、例えば財務諸表などの経営情報を基にして経営リスクの指摘を行う。
【0003】
製造業においては、企業診断とは別に製造工場の製造現場(例えば生産ライン)の現状評価を基にして生産性の向上や効率化を図るために改善案を立案し、それを実施して経営指標や企業実績を向上させる工場診断が行われている。
【0004】
この工場診断方法では、製造リードタイム、効率、品質、環境、設備管理などの工場管理指標により提示される現状情報を入力し、診断結果として現状評価、改善案及びこの改善案を実施した場合の予想効果を提示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現状評価及び予想効果は、入力される現状情報と同じ工場管理指標により提示されているために、企業経営者にとっては、現状評価や予想効果がどのように会社の経営に影響するのか分りずらく、現状把握や改善案の実施の可否を判断することが難しい。
【0006】
そこで本発明は、現状評価結果を経営指標への影響度により提示し、企業経営者によって現状把握を容易に判断できる工場診断方法及びその装置、工場診断プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、工場管理指標により提示される工場の現状情報に基づいて工場に対する診断の評価を行い、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策を決定する工場診断方法において、工場管理指標により提示される工場の評価結果を、経営指標により提示される評価結果に変換することを特徴とする工場診断方法である。
【0008】
本発明の工場診断方法において、経営指標で提示される評価結果は、工場に対する診断の評価結果に対して経営指標の重要度を反映させ、かつ重要度は任意に変更可能である。
【0009】
本発明の工場診断方法は、改善策を実施した後の工場に対する予想評価を経営指標への影響度で提示する。
【0010】
本発明は、診断対象である工場の現状を工場管理指標により提示される現状情報に基づいて工場に対する診断の評価を行い、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策を決定する工場診断装置において、工場に対する評価結果を、工場管理指標から経営指標への影響度を加味した評価結果に変換する指標変換手段を具備したことを特徴とする工場診断装置である。
【0011】
本発明の工場診断装置における指標変換手段は、工場に対する診断の評価を経営指標で提示される評価結果に変換する過程において経営指標の重要度を反映させる。
【0012】
本発明の工場診断装置における指標変換手段は、工場に対する少なくとも1つの評価項目の経営指標における少なくとも1つの項目に対する影響度と、経営指標の項目に対する重要度とを表わした指標変換マトリクスを有し、工場に対する診断の評価結果に対して影響度を反映させて経営指標の評価に変換し、この評価に対して重要度を反映させて経営指標で提示される評価結果に変換する機能を有する。
【0013】
本発明の工場診断装置における重要度は任意に変更可能である。
【0014】
本発明の工場診断装置における工場の評価項目と経営指標の項目とは、それぞれ各業種の工場毎に設定される。
【0015】
本発明の工場診断装置において改善策を実施した後の工場に対する予想評価を経営指標への影響度で提示する効果予想手段を備えた。
【0016】
本発明は、診断対象である工場の現状を工場管理指標により提示される現状情報に基づいて工場に対する評価を行わさせるステップと、工場に対する評価結果を経営指標で提示される評価結果に変換させるステップと、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策を決定させるステップとを有することを特徴とする工場診断プログラムである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本発明の工場診断装置は、製造業の業種に対してどのような業種における工場にも適用できるもので、例えば食品業、建築業、石油業、化学業、鉱工業、製糸業、窯業、機械業、電気業、輸送業、その他の処々の鉱業など幅広い業種に適用できる。本発明の一実施の形態では、電化製品の組立検査工程に適用した場合について説明する。
【0019】
図1は工場診断装置の構成図である。コンピュータ等により構成される演算装置1には、キーボード及びマウス等からなる入力装置2と、外部記憶装置3と、当該診断装置を動作させるための工場診断プログラム4を記憶した内部記憶装置5と、工場の診断結果及び改善策を表示するための表示装置6とが接続されている。なお、表示装置6は、工場の診断結果及び改善策を印刷出力したり、音声等により報知する機能を備えてもよい。
【0020】
入力装置2からは、オペレータの操作によって診断対象となる工場の現状情報7と、経営指標の重要度(重み)8とが入力される。工場の現状情報7は、例えば5段階(0〜4点)で評価した点数として入力されるもので、0点が評価として最も低く、4点が最も高い評価である。なお、工場の現状情報7の評価点数は、5段階(0〜4点)に限らず、任意の段階の点数にしてよい。
【0021】
外部記憶装置3には、チェック項目データベース9と、改善策データベース10と、指標変換マトリクス11とが形成されている。このうちチェック項目データベース9には、図2に示すように工場管理指標による評価項目(診断項目)12が記憶されている。この評価項目12は、電化製品の組立検査工程において例えば工数能率、多能工化の体制、作業の標準化などである。これら評価項目12に対しては、それぞれ評価方法13と、評価指標と評価点14と、重要度(重み)15との各情報が記憶されている。
【0022】
改善策データベース10には、図3に示すように診断した工場(例えば、電化製品の組立検査工程)の現状評価に応じた改善策(改善内容)16と、この改善策16を実施した場合の各診断項目の一次評価向上値17と、経営指標改善影響度18とが定義されている。
【0023】
指標変換マトリクス11には、図4に示すようにチェック項目データベース9で定義されている工場管理指標による評価項目12の評価結果を経営指標への影響度に変換する指標変換マトリクスデータ19と、各経営指標の各項目の重要度(重み)8とが記憶されている。例えば、評価項目12として工場管理指標の「スペース生産性」「工数能率」「設備稼働率」などの5項目が設定され、経営指標として「固定費」「直接人件費(直接費)」「間接人件費(間接費)」などの5項目が設定されている。なお、これら評価項目12及び経営指標の各項目は、それぞれ他の項目を追加したり、変更してもよい。
【0024】
これら工場管理指標の評価項目12と経営指標の項目との関連(影響度)は、工場管理指標と経営指標との双方の項目が交わる部分のマスに表示される数値(指標変換マトリクスデータ19)により表わされ、その数値が高いほど関連性が高い。
【0025】
例えば工場管理指標の「スペース生産性」に対して経営指標の「固定費」の関連度は「3」であり、「直接人件費」は関連なし、「間接人件費」の関連度は「1」、「棚卸」の関連度は「1」、「納期」の関連度は「2」である。これにより、「スペース生産性の改善」は、「固定費」の削減に最も影響があるということになる。さらに、経営指標「固定費」は、工場管理指標「多能工化の体制」にも評価「1」の関連性があることを示す。
【0026】
経営指標の重要度8は、上記の如く例えば評価として1点が最も低く、5点が最も高い評価となる5段階(1〜5点)の評価点数として入力される。
【0027】
内部記憶装置5に記憶されている工場診断プログラム4は、診断対象である工場の現状を工場管理指標により提示される現状情報7に基づいて工場に対する評価を行わさせるステップと、工場に対する評価結果を経営指標で提示される評価結果に変換させるステップと、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策16を決定させるステップとを有する。
【0028】
演算装置1は、内部記憶装置5に記憶されている工場診断プログラム4を実行することにより以下の機能を有する。先ず、演算装置1は、表示装置6に工場管理指標による評価項目12を順次表示し、入力装置2から入力された評価項目12毎の工場の現状情報7と、外部記憶装置3のチェック項目データベース9に予め記憶されている評価指標及び評価点14とに基づいて一次評価を行う。
【0029】
次に、演算装置1は、一次評価の結果を指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重要度8と、指標変換マトリクスデータ19とに基づいて経営指標への影響度へ変換し、現状の評価結果を求める。
【0030】
最後に、演算装置1は、一次評価結果と経営指標の重要度8と改善策データベース10に記憶されている経営指標改善影響度18とに基づいて改善策16を決定すると共に、改善策データベース10に記憶されている一次評価向上値17と現状の評価結果と指標変換マトリクスデータ19とを使用して上記改善策16を実施した場合に予想される経営指標への影響度を提示する機能を有する。
【0031】
このような機能を実行するために演算装置1は、診断項目評価システム21と、指標変換システム22と、改善策抽出システム23と、効果予想システム24とを有する。
【0032】
診断項目評価システム21は、チェック項目データベース9に記憶されている各評価項目12を順次読み出して、これら評価項目12を図5に示すように表示装置6に順次表示し、入力装置2から各評価項目の5段階評価された工場管理評価による工場の現状情報7を受け取り、各評価項目12毎に一次評価を行う機能を有する。
【0033】
指標変換システム22は、診断項目評価システム21により行われた一次評価結果を受け取り、図4に示す指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重要度8と指標変換マトリクスデータ19とに基づいて工場管理指標の一次評価結果を経営指標への影響度の評価に変換する機能を有する。
【0034】
改善策抽出システム23は、診断項目評価システム21により行われた一次評価結果と、指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重要度8と、改善策データベース10に記憶されている経営指標改善影響度18とに応じて改善策データベース10に記憶されている複数の改善策16から該当する改善策16を抽出し、改善策16をまとめる機能を有する。
【0035】
効果予想システム24は、改善策16を実施した場合の改善策データベース10に記憶されている一次評価向上値17と現状評価値とに基づいて改善策16を実施した場合の経営指標への影響度を予測する機能を有する。
【0036】
次に、上記の如く構成された装置の作用について説明する。
【0037】
入力装置2からは、オペレータの操作によって診断対象となる工場の現状情報7と、経営指標の重要度8とが入力される。工場の現状情報7は、工場管理指標により提示させるもので、例えば5段階(0〜4点)で評価した点数として入力される。
【0038】
先ず、診断項目評価システム21は、チェック項目データベース9に記憶されている各評価項目12を順次読み出して、これら評価項目12を図5に示すように表示装置6に順次表示する。図5では評価項目として組立作業の効率の多能工化の体制に対する評価方法13及び評価指標14が表示されている。そして、診断項目評価システム21は、入力装置2から各評価項目の5段階評価された工場管理評価による工場の現状情報7を受け取り、各評価項目12毎に一次評価を行う。
【0039】
例えば、図5に示すように評価項目として組立作業の効率の多能工化の体制では、オペレータが評価点「3」を入力すると、図2に示すように多能工化の体制に対する評価点「3」に対する評価指標は、「多能工化の体制が優れている。バックアップ体制不備。」であり、かつ多能工化の体制の重みは「0.2」であることが分る。なお、表示装置6の表示画面には、オペレータが評価点を入力するためのデータ入力欄Wが表示されている。
【0040】
従って、多能工化の体制では、オペレータが評価点「3」を入力すると、評価点は、多能工化の体制に対する評価点「3」に重み「0.2」を乗算した「0.6」となる。
【0041】
以下、同様に、表示装置6に評価項目12として工数能率、作業の標準化、スペース生産性、設備稼働率などが順次表示され、これら評価項目12に対する評価点がオペレータによりその都度入力されることにより、各評価項目12毎の評価点が求められる。
【0042】
次に、指標変換システム22は、診断項目評価システム21により行われた一次評価結果を受け取り、図4に示す指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重み8と指標変換マトリクスデータ19とに基づいて工場管理指標の一次評価結果を経営指標への影響度の評価に変換する。
【0043】
例えば、経営指標「固定費」への影響度の評価は、図4に示すように工場管理指標「スペース生産性」の一次評価結果に指標変換マトリクスデータ「3」を乗算した数値と、工場管理指標「多能工化の体制」の一次評価結果に指標変換マトリクスデータ「1」を乗算した数値とを加算した数値になる。
【0044】
なお、仮に工場管理指標「スペース生産性」の一次評価結果が「2」、工場管理指標「多能工化の体制」の一次評価結果が「1」であれば、「スペース生産性」要因の評価値は、2×3=6、「多能工化の体制」の評価値は、1×1=1となり、経営指標「固定費」への影響度の評価は、6+1=7になる。
【0045】
次に、経営指標「固定費」への影響度の評価に対して経営指標の重要度8を反映させる。例えば、経営指標において重視する項目「直接人件費」の重要度8を「3」、特に重視しない「固定費」の重要度8を「1」として、「直接人件費」「固定費」の評価を「7」とすると、重要度8による重み付けにより最終評価値は、「直接人件費」が7/3=2.3となり、「固定費」が7/1=7となる。
【0046】
最後に、上記の通り求めた最終評価値を、重要度8が最大の場合に各経営指標が獲得できる最大の評価値を100%として割合に変換して最終評価結果とする。ここでは、経営指標の重要度8が最大値(5点)で、全ての現状評価値が最大値(4点)のときの各経営指標の評価値を100%として割合により表わす。又、重要度8が最高値でなく、評価結果が100%を超える場合は、超過分を切り捨てて100%とする。
【0047】
又、企業経営者は、会社の経営等を考慮して例えば経営指標「直接人件費」の削減を重視した改善策の提示を希望することがある。この場合、オペレータは、入力装置2を操作して、「直接人件費」の経営指標の重要度8を変更する。
【0048】
例えば、企業経営者が重視する経営指標の項目で評価結果100%を獲得するために、例えば経営指標「直接人件費」の重要度8を最高点「5」すると、この経営指標「直接人件費」に対して指標変換マトリクスにおいて関連付けられている工場管理指標の現状情報7を評価する全ての評価項目12、例えばスペース生産性、工数能率、多能工化の体制、作業の標準化など最高点「4」にする必要がある。これら評価項目12を最高点「4」にするには、企業経営者が重視したい項目で多くの改善が必要になる。
【0049】
これとは反対に経営指標の重要度8を低くすると、比較的容易に評価結果100%を達成できるようになるので、改善の必然性が低下する。
【0050】
次に、改善策抽出システム23は、診断項目評価システム21により行われた一次評価結果と、指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重要度8と、改善策データベース10に記憶されている経営指標改善影響度18とに応じて改善策データベース10に記憶されている複数の改善策16から該当する改善策16を抽出し、改善策をまとめる。
【0051】
例えば、評価項目、工数能率の評価値が「1.4」、多能工化の体制の評価値が「0.4」、作業の標準化の評価値が「0.3」、経営指標「直接人件費」の重み8が「5」の場合、例えば図3に示すように「作業の標準化はほぼ出来ている、多能工化の育成計画・ルールを作成し、多能工化の制度を創設することが急務」という改善策を改善策データベース10の改善策16に加える。
【0052】
次に、効果予想システム24は、改善策16を実施した場合の改善策データベース10に記憶されている一次評価向上値17と現状評価値とに基づいて改善策16を実施した場合の経営指標への影響度を予測する。
【0053】
例えば、図3に示す「多能工化の育成計画・ルールを作成し、多能工化の制度を創設することが急務」という改善策には、この改善策を実施した場合の一次評価の向上値17として例えば多能工化の育成計画・ルールの項目に改善効果「+1.5」、作業の標準化項目に改善効果「×1.1」が定義されている。
【0054】
多能工化の育成計画・ルールの項目を「0.4」、作業の標準化を「0.3」とすると、改善策の実施後の予想一次評価値は、多能工化の育成計画・ルールの評価値が0.4+1.5=1.9、作業の標準化の評価値が0.3×11=0.33になる。
【0055】
この結果を基に、再度、指標変換システム22は、図4に示す指標変換マトリクス11に記憶されている経営指標の重要度8と指標変換マトリクスデータ19とに基づいて工場管理指標の一次評価結果を経営指標への影響度の評価に変換し、図6に示すような改善策を実施した場合に予想される経営指標への影響度を提示する。
【0056】
このように上記一実施の形態においては、工場管理指標により提示される工場の現状情報に基づいて工場に対する評価を行い、この評価結果に基づいて工場の改善箇所に対する改善策を決定する場合、工場に対する評価結果を、経営指標への影響度で提示させる評価結果に変換するので、現状評価結果を経営指標への影響度により提示し、企業経営者にとっては、現状評価や予想効果がどのように会社の経営に影響するのかがよく分り、現状把握や改善案の実施の判断を的確かつ容易にできる。
【0057】
具体的には、工場管理指標、例えば製造リードタイム、効率、品質、環境、設備管理などの製造現場(生産ライン)の現状情報7を基に、工場管理指標による一次評価を行い、知識データベースである例えば指標変換マトリクス11を利用して、経営指標、例えば棚卸、直接人件費、間接人件費、固定費、納期などの項目に、どのように影響しているかを推論し、最終評価を提示できる。これにより、企業経営者は、診断結果により工場の現状が経営にどのような影響を及ぼしているかを容易に知ることができる。
【0058】
又、工場管理指標から経営指標への影響度を推論する過程において、診断後提示される各経営指標に対する重要度8による重み付けを任意に変更できるので、企業経営者がある経営指標を改善したい場合、この改善したい経営指標の重み付けを重くしたり、軽くしたりすることで、経営者の意図を反映した改善策を提示することができる。
【0059】
又、各製造工場の個別の条件を反映させることができるので、より精度の高い改善策を提示できる。例えば、人件費の安い海外工場の工場診断を行う場合には、直接人件費の重要度8による重み付けを軽くすることにより、より精度の高い評価及び改善策を提示できる。
【0060】
又、評価結果に基づいて改善策を提示する際に、経営指標のどの項目がどのように改善されるか予想される効果を提示するので、企業経営者にとって改善策の可否を容易に判断できる。
【0061】
なお、本発明は、上記一実施の形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0062】
さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0063】
例えば、上記一実施の形態では、電化製品の組立検査工程に適用した場合について説明したが、本発明の工場診断装置は、製造業の業種に対してどのような業種における工場にも適用できるもので、例えば食品業、建築業、石油業、化学業、鉱工業、製糸業、窯業、機械業、電気業、輸送業、その他の処々の鉱業など幅広い業種にも適用できる。これら業種の工場に適用した場合は、例えば図4に示す指標変換マトリクス11に記憶される工場に対する評価項目の各内容や、経営指標の各項目の内容もその業種に応じた内容に変更すればよい。
【0064】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、現状評価結果を経営指標への影響度により提示し、企業経営者によって現状把握を容易に判断できる工場診断方法及びその装置、工場診断プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態におけるチェック項目データベースの模式図。
【図3】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態における改善策データベースの模式図。
【図4】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態における指標変換マトリクスの摸式図。
【図5】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態における診断項目評価システムによる工場診断の表示例を示す図。
【図6】本発明に係わる工場診断装置の一実施の形態による現状評価と改善策実施後の予想評価とを示す図。
【符号の説明】
1:演算装置
2:入力装置
3:外部記憶装置
4:工場診断プログラム
5:内部記憶装置
6:表示装置
9:チェック項目データベース
10:改善策データベース
11:指標変換マトリクス
21:診断項目評価システム
22:指標変換システム
23:改善策抽出システム
24:効果予想システム
Claims (10)
- 工場管理指標により提示される工場の現状情報に基づいて前記工場に対する診断の評価を行い、この評価結果に基づいて前記工場の改善箇所に対する改善策を決定する工場診断方法において、
前記工場管理指標により提示される前記工場の前記評価結果を、経営指標により提示される評価結果に変換することを特徴とする工場診断方法。 - 前記経営指標で提示される前記評価結果は、前記工場に対する診断の評価結果に対して前記経営指標の重要度を反映させ、かつ前記重要度は任意に変更可能であることを特徴とする請求項1記載の工場診断方法。
- 前記改善策を実施した後の前記工場に対する予想評価を前記経営指標への影響度で提示することを特徴とする請求項1記載の工場診断方法。
- 診断対象である工場の現状を工場管理指標により提示される現状情報に基づいて前記工場に対する診断の評価を行い、この評価結果に基づいて前記工場の改善箇所に対する改善策を決定する工場診断装置において、
前記工場に対する前記評価結果を、前記工場管理指標から経営指標への影響度を加味した前記評価結果に変換する指標変換手段、
を具備したことを特徴とする工場診断装置。 - 前記指標変換手段は、前記工場に対する診断の評価を経営指標で提示される評価結果に変換する過程において前記経営指標の重要度を反映させることを特徴とする請求項4記載の工場診断装置。
- 前記指標変換手段は、前記工場に対する少なくとも1つの評価項目の前記経営指標における少なくとも1つの項目に対する影響度と、前記経営指標の項目に対する重要度とを表わした指標変換マトリクスを有し、
前記工場に対する診断の評価結果に対して前記影響度を反映させて前記経営指標の評価に変換し、この評価に対して前記重要度を反映させて前記経営指標で提示される前記評価結果に変換する機能を有する、
ことを特徴とする請求項4記載の工場診断装置。 - 前記重要度は任意に変更可能であることを特徴とする請求項5又は6記載の工場診断装置。
- 前記工場の前記評価項目と前記経営指標の前記項目とは、それぞれ各業種の前記工場毎に設定されることを特徴とする請求項6記載の工場診断装置。
- 前記改善策を実施した後の前記工場に対する予想評価を前記経営指標への影響度で提示する効果予想手段、
を備えたことを特徴とする請求項4記載の工場診断装置。 - 診断対象である工場の現状を工場管理指標により提示される現状情報に基づいて前記工場に対する評価を行わさせるステップと、
前記工場に対する前記評価結果を経営指標で提示される評価結果に変換させるステップと、
この評価結果に基づいて前記工場の改善箇所に対する改善策を決定させるステップと、
を有することを特徴とする工場診断プログラム。
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