JP2004101953A - グランドピアノのアクション - Google Patents

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Atsushi Komiyama
小宮山 淳
Hirotaka Hikasa
日笠 博隆
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Abstract

【課題】必要な剛性を確保しながら、より軽量で、鍵の連打性を向上させることができるグランドピアノのアクションを提供する。
【解決手段】鍵2の押鍵に伴って作動し、ハンマー3を回動させることにより、打弦を行わせるピアノのアクションであって、鍵2で突き上げられることにより上方に回動するウィッペン4と、ウィッペン4に回動自在に取り付けられた基部31、および基部31からそれぞれ延びるとともに、先端側に向かうにしたがって単位長さ当りの重量が小さくなるハンマー突き上げ部32およびレギュレーティングボタン当接部33を有するジャックと、を備えている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鍵の押鍵に伴って作動し、ハンマーを回動させることによって打弦を行わせるグランドピアノのアクションに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の一般的なグランドピアノのアクション51を鍵2の離鍵状態において示している。このアクション51は、後端部(同図の左端部)を中心に回動自在で、鍵2の後部に載置されたウィッペン4と、ウィッペン4に回動自在に取り付けられたレペティションレバー5およびジャック56と、両者5、56を復帰方向(同図の反時計方向)に付勢するレペティションスプリング7とを備えている。
【0003】
これらのウィッペン4、レペティションレバー5およびジャック56は、いずれも木材または合成樹脂で構成されている。また、鍵2の前部には、図示しない鍵重りが取り付けられており、この鍵重りとアクション51の重さとのバランスによって、鍵2のタッチ重さが調整される。レペティションレバー5の前部には、上下方向に貫通するジャック案内孔5cが形成されており、このジャック案内孔5cの付近に、シャンクローラ8を介してハンマー3が載置されている。
【0004】
一方、図6に示すように、ジャック56は、ウィッペン4の前端部に回動自在に取り付けられた基部56aと、基部56aから互いにほぼ直角に延びるハンマー突上げ部56bおよびレギュレーティングボタン当接部56cなどからL字状に形成されており、上下に延びるハンマー突上げ部56bの先端部が、レペティションレバー5のジャック案内孔5cに、これに沿って移動自在に係合している。また、ジャック56は、ABSやポリアセタールのような合成樹脂によって構成されている。これは、合成樹脂は木材と比較して、耐摩耗性に優れ、温湿度変化に伴う寸法の変化がより小さいことによる。
【0005】
また、ハンマー突上げ部56bの長さ方向の中央部には、ジャック56の角度位置を調整するためのジャックボタンスクリュー11が、前後方向に貫通した状態で進退自在に螺合している。ジャックボタンスクリュー11の先端部には、ジャックボタン12が一体に設けられており、このジャックボタン12は、ウィッペン4に立設されたスプーン13に当接している。
【0006】
この離鍵状態から、鍵2が押鍵されると、ウィッペン4が突き上げられることにより回動し、レペティションレバー5およびジャック56がウィッペン4と一緒に上方に移動する。これらの移動に伴い、まず、レペティションレバー5が、シャンクローラ8を摺動させながらこれを介してハンマー3を押し上げ、上方に回動させる。次いで、レペティションレバー5がドロップスクリュー9に係合することにより、ジャック56のハンマー突上げ部56bがシャンクローラ8を介してハンマー3を突き上げる。その後、ハンマー3が、上方に張られた弦Sを打弦する直前まで回動した時点で、ジャック56のレギュレーティングボタン当接部56cが、レギュレーティングボタン10に係合することによって回動し、シャンクローラ8から離れる。これにより、ハンマー3は、アクション51および鍵2との連結を解かれ、自由回動状態で弦Sを打弦する。
【0007】
その後、鍵2が離鍵され、ある程度まで戻されたタイミングで、レペティションレバー5が作動し始め、レペティションスプリング7のばね力で反時計方向に復帰回動することによって、シャンクローラ8を摺動させながら押し上げる。これにより、ジャック56が、レペティションスプリング7のばね力で反時計方向に復帰回動し、元の位置に戻ることによって、鍵2が完全に戻らなくても、次の打弦を行うことが可能になり、同じ弦Sをハンマー3で連打することができるので、トリルを行う場合のような同じ鍵2を連続して速く叩く連打を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のグランドピアノのアクション51には、以下のような問題がある。アクション51の主要な部品であるジャック56を構成するABSやポリアセタールなどの合成樹脂は、木材と比較して比重が大きいことから、これらの合成樹脂によって、木材の場合と同じ寸法でジャック56を作製すると、ジャック56の重量が増加する。それに伴って、その回動時にジャック56自体に作用する慣性力が増大するため、鍵2を離鍵した後のジャック56の復帰回動が遅延してしまう。すなわち、鍵2の動作に対するジャック56の追随性が低下することによって、特に、同じ鍵2を連打する際のハンマー3による弦Sの連打性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0009】
また、ジャック56の重量が増加する分、アクション51全体としての重量が増加する。その結果、鍵2のタッチ重さを調整するために鍵2に取り付ける重りの量が増加するため、その分、コストが増大してしまう。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、必要な剛性を確保しながら、より軽量で、鍵の連打性を向上させることができるグランドピアノのアクションを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に係る発明は、鍵の押鍵に伴って作動し、ハンマーを回動させることにより、打弦を行わせるピアノのアクションであって、鍵で突き上げられることにより上方に回動するウィッペンと、ウィッペンに回動自在に取り付けられた基部、および基部からそれぞれ延びるとともに、先端側に向かうにしたがって単位長さ当りの重量が小さくなるハンマー突き上げ部およびレギュレーティングボタン当接部を有するジャックと、を備えていることを特徴とする。
【0012】
このグランドピアノのアクションによれば、ジャックのハンマー突上げ部およびレギュレ−ティングボタン当接部は、先端側に向かうにしたがって、その単位長さ当りの重量が小さくなるように構成されている。それにより、ハンマー突上げ部およびレギュレーティングボタン当接部の重量がそれぞれ削減されるとともに、両者の重心の位置が、従来よりもそれぞれ基部側に位置する。これらの重量の削減および重心の移動により、ジャックの回動に伴って、基部の回動軸回りに作用する慣性モーメントを減少させることができ、鍵の動作に対するジャックの追随性を向上させ、それにより、鍵の連打性を向上させることができる。また、ジャックの重量が削減されていることにより、アクション全体としても重量が削減されるため、鍵のタッチ重さを調整するための鍵重りの量を削減することができ、その分、コストを削減することができる。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のグランドピアノのアクションにおいて、ハンマー突上げ部およびレギュレーティングボタン当接部は、先端側に向かうにしたがって、テーパ状にそれぞれ狭くなっていることを特徴とする。
【0014】
このグランドピアノのアクションによれば、ハンマー突上げ部およびレギュレ−ティングボタン当接部は、先端側に向かうにしたがって、テーパ状にそれぞれ狭くなっている。それにより、単位長さ当りの重量が、先端側に向かって徐々に小さくなるため、上述した請求項1による作用を得ることができる。また、ハンマー突上げ部およびレギュレーティングボタン当接部が、それぞれテーパ状に形成されていることによって、ジャックを、例えば合成樹脂の成形品で一体に構成する場合に、容易に作製することができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のグランドピアノのアクションにおいて、基部、ハンマー突上げ部およびレギュレーティングボタン当接部のそれぞれに、重量を低減させるための孔および凹部の少なくとも一方が形成されていることを特徴とする。
【0016】
このグランドピアノのアクションによれば、基部、ハンマー突き上げ部およびレギュレーティングボタン当接部のそれぞれに、孔および凹部の少なくとも一方が形成されていることによって、これら3者の重量がそれぞれ削減されている。それにより、ジャック全体の重量がさらに削減されるため、ジャックの回動に伴って、回動軸回りに作用する慣性モーメントをさらに減少させることができ、上述した請求項1による作用をより良好に得ることができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3に記載のグランドピアノのアクションにおいて、ウィッペンに取り付けられた当接部材と、ハンマー突上げ部の長さ方向の中心よりも基部側に取り付けられ、当接部材に当接することによってジャックの回動を阻止するためのジャックボタンと、をさらに備えていることを特徴とする。
【0018】
このグランドピアノのアクションによれば、ジャックボタンは、ハンマー突上げ部の長さ方向の中心よりも基部側に取り付けられている。それにより、基部の回動軸とジャックボタンとの間の距離が小さくなることによって、ジャックの回動に伴って、ジャックの回動軸回りに作用する、ジャックボタンの重量による慣性モーメントを減少させることができ、鍵の動作に対するジャックの追随性をさらに向上させることができる。
【0019】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態によるグランドピアノのアクションを示している。このアクション1は、すでに説明した従来のアクション51と比較して、基本的な構成は同じで、ジャック30の構成のみが異なるものであるため、その他の部品については同じ符号を用いて説明を行うものとする。
【0020】
このアクション1は、鍵2を載置する筬(図示せず)の左右端部にそれぞれ設けたブラケット21(図1に一方のみ図示)に取り付けられている。左右のブラケット21、21間には、ウィッペンレール22およびハンマーシャンクレール23が渡されており、このウィッペンレール22にねじ止めした各ウィッペンフレンジ24に、ウィッペン4の後端部が回動自在に取り付けられている。
【0021】
各ウィッペン4は、例えばABS樹脂によって所定の形状に形成されており、対応する鍵2の上面後部に設けられたキャプスタンボタン25にヒール部4cを介して載置されている。また、レペティションレバー5は、その中央部でウィッペン4に回動自在に連結されており、前後方向に延びる本体部5aの上面前部には、ハンマー3のシャンクローラ8が摺接している。
【0022】
本体部5aは、例えばABSの成形品で構成されており、断面が矩形状で、斜め前上がりに前後方向に延びている。この本体部5aには、前部の所定位置に、上下方向に貫通するジャック案内孔5cが前後方向に延びるように形成されており、このジャック案内孔5cよりも前側の上面に、レバースキン29が貼り付けられている。本体部5aの後端部には、レバースクリュー27が上下方向に貫通した状態で進退自在に螺合しており、レバースクリュー27の下端部にはレバーボタン28が一体に設けられている。また、レペティションレバー5は、ウィッペン4に取り付けられたレペティションスプリング7によって、復帰方向(図1の時計方向)に付勢されている。
【0023】
図2、3に示すように、ジャック30は、ウィッペン4の前端部に取り付けられた基部31、基部31から上方に延びるハンマー突上げ部32、および基部31から前方(図2の右方)に延びるレギュレーティングボタン当接部33を有している。このジャック30は、例えばポリアセタールによって一体に形成されている。基部31は、軸孔31aを介してウィッペン4の前部に回動自在に取り付けられており、軸孔31aの周囲に、基部31の厚さ方向(図2の奥行き方向)に貫通する複数(例えば3つ)の貫通孔31b(孔)が形成されている。
【0024】
ハンマー突上げ部32は、上方の先端側に向かうにしたがって、厚さおよび前後方向の幅が、ともにテーパ状に狭くなっている。それにより、単位長さ当りの重量が、先端側に向かって徐々に小さくなるため、ハンマー突上げ部32の重心が、従来よりも基部31側に位置している。また、ハンマー突上げ部32の下端部には、厚さ方向に貫通する下貫通孔32a(孔)が形成されている。また、中央部から先端部にわたって、厚さ方向に貫通する上貫通孔32b(孔)が形成されている。これらの下貫通孔32aおよび上貫通孔32bによって、ハンマー突上げ部32は大幅に軽量化されている。また、上貫通孔32b内には、前壁部32cと後壁部32dとを連結する3つのリブ32eが等間隔で並ぶように設けられている。各リブ32eは、上貫通孔32bを形成したことによる、ハンマー突上げ部32の剛性および強度の低下を補うためのものである。
【0025】
ハンマー突上げ部32には、下貫通孔32aと上貫通孔32bの間に、すなわち、ハンマー突上げ部32の長さ方向の中心よりも基部31側に、ジャック30の角度位置を調整するためのジャックボタンスクリュー11が、前後方向に貫通した状態で進退自在に螺合している。ジャックボタンスクリュー11の先端部には、ジャックボタン12が一体に設けられており、このジャックボタン12は、離鍵状態では、ウィッペン4に立設されたスプーン13(当接部材)に当接している。ジャックボタン12のスプーン13に当接している側はフェルト12aで構成されており、その厚さは、ジャックボタン12の前後方向の全体長さの大部分を占めている。
【0026】
レギュレーティングボタン当接部33は、基部31側の基端部から前方に向かうにしたがって、上方に湾曲するとともに、ハンマー突上げ部32と同様に、厚さおよび上下方向の幅が、ともにテーパ状に狭くなっている。それにより、単位長さ当りの重量が、先端側に向かって徐々に小さくなるため、レギュレーティングボタン当接部33の重心もまた、従来よりも基部31側に位置している。また、レギュレーティングボタン当接部33には、そのほぼ全体にわたり、厚さ方向に貫通する貫通孔33a(孔)が形成されており、この貫通孔33aによって、レギュレーティングボタン当接部33は大幅に軽量化されている。また、貫通孔33a内には、上壁部33bと下壁部33cを連結する2つのリブ33d、33dが並んで形成されている。これらのリブ33d、33dは、貫通孔33aを形成したことによる、レギュレーティングボタン当接部33の剛性および強度の低下を補うためのものである。
【0027】
ハンマー突上げ部32の先端部は、レペティションレバー5のジャック案内孔5cに、前後方向に移動自在に係合するとともに、離鍵状態においては、シャンクローラ8と微小な間隔を存して対向している。また、ジャック30は、レペティションレバー5を付勢するレペティションスプリング7によって、復帰方向(図1の反時計方向)に付勢されている。
【0028】
一方、ハンマー3は、前後方向に延びるハンマーシャンク14と、その先端に取り付けたハンマーヘッド15などで構成されており、ハンマーシャンク14の基端部において、ハンマーシャンクレール23にねじ止めしたハンマーシャンクフレンジ16に回動自在に取り付けられている。ハンマーシャンク14の下面前部の所定位置には、シャンクローラ8が取り付けられている。このシャンクローラ8は、例えば内側のクロスとその外側に巻いたスキンとから円柱状に形成されており、レペティションレバー5の前端部と所定の間隔をもって対向している。
【0029】
ハンマーシャンクレール23の下面には、レギュレーティングレール17がねじ止めされている。また、このレギュレーティングレール17の下面に、ジャック30の上方への回動を規制するレギュレーティングボタン10が、進退自在に螺合しており、ジャック30のレギュレーティングボタン当接部33の先端部と所定の間隔をもって対向している。
【0030】
以上の構成のアクション1の動作は、前述したアクション51の動作と基本的に同じである。すなわち、図1の離鍵状態から鍵2が押鍵されると、レペティションレバー5およびジャック30がウィッペン4と一緒に上方に移動し、この移動に伴い、レペティションレバー5の本体部5aが、シャンクローラ8を摺動させながらハンマー3を突き上げる。その後、ハンマー3が上方に張られた弦Sを打弦する直前まで回動した時点で、ジャック30のレギュレーティングボタン当接部33の先端部が、レギュレーティングボタン10に係合することによって回動し、ジャック30がシャンクローラ8から抜ける。これにより、ハンマー3は、アクション1および鍵2との連結を解かれ、自由回動状態で弦Sを打弦する。
【0031】
その後、鍵2が離鍵され、ある程度の深さまで戻されると、レペティションスプリング7により、レペティションレバー5が反時計方向に復帰回動し、レペティションレバー5がシャンクローラ8を摺動させながらこれを押し上げる。これにより、ジャック6が、レペティションスプリング7のばね力によって、反時計方向に復帰回動し、もとの位置に戻ることによって、鍵2が完全に戻らなくても、次の打弦を確実に行うことが可能になる。
【0032】
以上のように、本実施形態のアクション1は、主要な構成部品であるジャック30に貫通孔31b、32a、32b、33aが形成されていることによって、大幅に軽量化されている。また、ハンマー突上げ部32およびレギュレーティングボタン当接部33の重心の位置が、従来よりもそれぞれ基部31側に位置している。さらに、ジャックボタン12が、ハンマー突上げ部32の長さ方向の中心よりも基部31側に位置している。したがって、これらの理由により、ジャック30の回動に伴って、その回動軸回りに作用する慣性モーメントを減少させることができ、鍵2の動作に対するジャック30の追随性を向上させ、それにより、鍵2の連打性を向上させることができる。また、ジャック30の重量が削減されていることにより、アクション1全体としても重量が削減されているため、鍵2のタッチ重さを調整するための鍵重りの量を削減することができ、その分、コストを削減することができる。
【0033】
また、ジャックボタン12のフェルト12aが十分な厚さを有していることによって、ジャック30の復帰回動の際、ジャックボタン12がスプーン13に当接する時の衝撃を効果的に吸収することができ、反動によって、ジャック30が時計方向に回動するのを防止することができる。
【0034】
図4は、上述したアクション1のジャック30の変形例を示している。このジャック40には、上述したジャック30の貫通孔32a、32b、33aに代えて、複数の貫通孔40aが形成されている。これらの貫通孔40aは、基部31の軸孔31aから、ハンマー突上げ部32およびレギュレーティングボタン当接部33のそれぞれの長さ方向に沿って並ぶとともに、ジャック40の厚さ方向に貫通するように、互いに同じ径で、形成されている。その他の構成は、前述したジャック30と同様である。
【0035】
上述したジャック40は、ジャック30の場合に補強用のリブ32e、33dなどを設けることなく、複数の同一径の貫通孔40aを形成したものであるので、容易に加工することができ、ジャック40を容易に軽量化することができる。その他、ジャック30と同様の効果を得ることができる。
【0036】
なお、上述した実施形態では、ジャック30および40に貫通孔を形成することによって、それらの重量を削減しているが、貫通孔に代えて、貫通しない凹部を形成することによって、あるいは貫通孔と凹部を組み合わせることによって、軽量化を図ってもよい。また、貫通孔の形状や数は、実施形態に示したものに限らず、ジャック30および40の剛性を損なわない限り、自由に設定することができる。また、実施形態で示したアクション1の各構成要素の材質などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨に合致する限り、他の適当な材質を採用することが可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明のグランドピアノのアクションは、必要な剛性を確保しながら、より軽量で、鍵の連打性を向上させることができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したグランドピアノのアクションを含む鍵盤装置の側面図である。
【図2】図1のジャックの側面図である。
【図3】図2の線I―Iに沿う断面図である。
【図4】ジャックの変形例を示す側面図である。
【図5】従来のグランドピアノのアクションを含む鍵盤装置の側面図である。
【図6】図5の従来のジャックの側面図である。
【符号の説明】
1   アクション
2   鍵
3   ハンマー
4   ウィッペン
12   ジャックボタン
13   スプーン(当接部材)
30   ジャック
31   基部
31b  貫通孔(孔)
32   ハンマー突上げ部
32a  下貫通孔(孔)
32b  上貫通孔(孔)
33   レギュレーティングボタン当接部
33a  貫通孔(孔)
40   ジャック
40a  貫通孔(孔)

Claims (4)

  1. 鍵の押鍵に伴って作動し、ハンマーを回動させることにより、打弦を行わせるピアノのアクションであって、
    前記鍵で突き上げられることにより上方に回動するウィッペンと、
    当該ウィッペンに回動自在に取り付けられた基部、および当該基部からそれぞれ延びるとともに、先端側に向かうにしたがって単位長さ当りの重量が小さくなるハンマー突き上げ部およびレギュレーティングボタン当接部を有するジャックと、
    を備えていることを特徴とするグランドピアノのアクション。
  2. 前記ハンマー突上げ部および前記レギュレーティングボタン当接部は、先端側に向かうにしたがって、テーパ状にそれぞれ狭くなっていることを特徴とする請求項1に記載のグランドピアノのアクション。
  3. 前記基部、前記ハンマー突上げ部および前記レギュレーティングボタン当接部のそれぞれに、重量を低減させるための孔および凹部の少なくとも一方が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のグランドピアノのアクション。
  4. 前記ウィッペンに取り付けられた当接部材と、
    前記ハンマー突上げ部の長さ方向の中心よりも前記基部側に取り付けられ、前記当接部材に当接することによって前記ジャックの回動を阻止するためのジャックボタンと、
    をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のグランドピアノのアクション。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016200811A (ja) * 2015-04-10 2016-12-01 カシオ計算機株式会社 鍵盤装置および鍵盤楽器

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