JP2004101947A - ポジ型感光性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像欠陥が抑制され、且つ引きおき経時による線幅変動が改善されたポジ型感光性組成物を提供する。
【解決手段】(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤、
(B)ポリマー骨格の主鎖及び/又は側鎖にフッ素原子が置換した構造を有し、且つ酸の作用により分解し、アルカリ現像液に対する溶解度を増大する基を有するフッ素基含有樹脂、及び
(C)構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物
を含有するポジ型感光性組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤、
(B)ポリマー骨格の主鎖及び/又は側鎖にフッ素原子が置換した構造を有し、且つ酸の作用により分解し、アルカリ現像液に対する溶解度を増大する基を有するフッ素基含有樹脂、及び
(C)構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物
を含有するポジ型感光性組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超LSI、高容量マイクロチップの製造などのマイクロリソグラフィープロセスや、その他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられるポジ型感光性組成物に関するものである。更に詳しくは、180nm以下の
遠紫外光を使用して高精細化したパターンを形成し得るポジ型感光性組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】
集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造においては、クオーターミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。パターンの微細化を図る手段の一つとして、レジストのパターン形成の際に使用される露光光源の短波長化が知られている。
【0003】
例えば64Mビットまでの集積度の半導体素子の製造には、現在まで高圧水銀灯のi線(365nm)が光源として使用されてきた。この光源に対応するポジ型レジストとしては、ノボラック樹脂と感光物としてのナフトキノンジアジド化合物を含む組成物が、数多く開発され、0.3μm程度までの線幅の加工においては十分な成果をおさめてきた。また256Mビット以上集積度の半導体素子の製造には、i線に代わりKrFエキシマレーザー光(248nm)が露光光源として採用されてきた。
更に1Gビット以上の集積度の半導体製造を目的として、近年より短波長の光源であるArFエキシマレーザー光(193nm)の使用、更には0.1μm以下のパターンを形成する為にF2エキシマレーザー光(157nm)の使用が検討されている。
【0004】
これら光源の短波長化に合わせ、レジスト材料の構成成分及びその化合物構造も大きく変化している。即ち従来のノボラック樹脂とナフトキノンジアジド化合物を含むレジストでは、248nmの遠紫外領域における吸収が大きいため、光がレジスト底部まで十分に到達しにくくなり、低感度でテーパー形状のパターンしか得られなかった。
このような問題を解決する為、248nm領域での吸収の小さいポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とし酸分解基で保護した樹脂を主成分として用い、遠紫外光の照射で酸を発生する化合物(光酸発生剤)を組み合わせた組成物、所謂化学増幅型レジストが開発されるに至った。化学増幅型レジストは露光部に発生した酸の触媒分解反応により、現像液に対する溶解性を変化させる為、高感度で高解像度なパターンを形成することができる。
【0005】
しかしながら、ArFエキシマレーザー光(193nm)を使用した場合、芳香族基を有する化合物が本質的に193nm波長領域に大きな吸収を有する為、上記化学増幅型レジストでも十分な性能は得られなかった。
【0006】
この問題に対し、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする酸分解性樹脂を、193nmに吸収を持たない脂環式構造をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した酸分解性樹脂に代え、化学増幅型レジストの改良が図られている。
【0007】
しかしながら、F2エキシマレーザー光(157nm)に対しては、上記脂環型樹脂においても157nm領域の吸収が大きく、目的とする0.1μm以下のパターンを得るには不十分であることが判明した。これに対し、フッ素原子(パーフルオロ構造)を導入した樹脂が157nmに十分な透明性を有することが非特許文献1(Proc. SPIE.、 1999、Vol.3678、 13頁)にて報告されており、更に有効なフッ素樹脂の構造も提案されている。(例えば、非特許文献2〜4及び特許文献1参照。)。しかしながら、これらフッ素樹脂を有するレジストにおいても現像欠陥の問題に関して未だ不充分であった。
【0008】
また、近年、半導体チップの微細化の要求に伴い、その微細な半導体の設計パターンは、0.13〜0.35μmの微細領域に達している。しかしながら、従来のレジスト組成物では、ラインパターンのエッジラフネス等の要因によって、パターンの解像力が妨げられる問題があった。ここで、エッジラフネスとは、レジストのラインパターンの頂部及び底部のエッジが、レジストの特性に起因して、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動するために、パターンを真上から見たときにエッジが凹凸に見えることをいう。
【0009】
更に、従来のレジスト組成物は、引きおき経時による線幅変動の改善も望まれていた。
【0010】
【非特許文献1】
Proc. SPIE.、1999、Vol.3678、13頁
【非特許文献2】
Proc. SPIE.、2000、Vol.3999、330頁
【非特許文献3】
Proc. SPIE.、2000、Vol.3999、357頁
【非特許文献4】
Proc. SPIE.、2000、Vol.3999、365頁
【特許文献1】
国際公開第00/17712号パンフレット
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のフォトレジスト組成物の公知技術では、安定なパターンが得られず、また現像欠陥の問題が見られるため、更なる改良が望まれていた。従って、本発明の目的は、現像欠陥が抑制され、且つ引きおき経時による線幅変動が改善されたポジ型感光性組成物を提供することにある。本発明の別の目的は、180nm以下、特にF2エキシマレーザー光(157nm)の露光光源の使用に好適なポジ型感光性組成物を提供することであり、具体的には157nmの光源使用時に生じる現像欠陥等の問題が改善されたポジ型感光性組成物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、特定のフッ素含有酸分解性樹脂と複数種の塩基性化合物とを組み合わせることによって上記目的が達
成されることを見出し、本発明に至った。
即ち、上記目的は下記構成によって達成される。
【0013】
(1) (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤、
(B)ポリマー骨格の主鎖及び/又は側鎖にフッ素原子が置換した構造
を有し、且つ酸の作用により分解し、アルカリ現像液に対する溶解度を増大する基を有するフッ素基含有樹脂、及び
(C)構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
【0014】
(2) (B)の樹脂が、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアリーレン基から選択される部位を、ポリマー骨格の主鎖に少なくとも一つ有するか、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、ヘキサフルオロ−2−プロパノ−ル基、及びヘキサフルオロ−2−プロパノ−ル基のOH基を保護した基から選択される部位を、ポリマー骨格の側鎖に少なくとも一つ有するフッ素基含有樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載のポジ型感光性組成物。
【0015】
(3)180nm以下の波長の遠紫外光による露光用組成物であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
(4) 更に、(D)フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)の何れかに記載のポジ型感光性組成物。
(5) 更に、(F)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解性を増大させる基を有し、分子量3000以下の溶解阻止低分子化合物を含有することを特徴とする前記(1)〜(4)の何れかに記載のポジ型感光性組成物。
(6) 更に、(E)水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)の何れかに記載のポジ型感光性組成物。
【0016】
【発明の実施の形態】
≪(A)酸発生剤≫
本発明に用いられる酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。
本発明に於いて使用可能な酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0017】
たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物を挙げることができる。
【0018】
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038 号、特開昭63−163452 号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0019】
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0020】
上記使用可能な活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
【0021】
(1)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩。
【0022】
【化1】
【0023】
ここで式Ar1、Ar2は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メルカプト基及びハロゲン原子が挙げられる。
【0024】
R203、R204、R205は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基及びそれらの置換誘導体である。
好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒロドキシ基及びハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコシキカルボニル基である。
【0025】
Z−は対アニオンを示し、例えばBF4 −、AsF6 −、PF6 −、SbF6 −、SiF6 2−、ClO4 −、CF3SO3 −等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0026】
またR203、R204、R205のうちの2つ及びAr1、Ar2はそれぞれの単結合又は置換基を介して結合してもよい。
【0027】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、例えば米国特許第2,807,648 号及び同4,247,473号、特開昭53−101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0038】
(2)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0039】
【化11】
【0040】
式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。
R206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
(3)下記一般式(PAG7)で表されるジアゾジスルホン誘導体。
【0045】
【化15】
【0046】
ここでRは、直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、あるいは置換していてもよいアリール基を表す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
【化16】
【0048】
(4)また、酸発生剤(A)として、下記一般式(I)で表されるフェナシルスルホニウム誘導体も使用することができる。
【0049】
【化17】
【0050】
一般式式(I)中、
R1〜R5は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表し、R1〜R5のうち少なくとも2つ以上が結合して環構造を形成してもよい。
R6及びR7は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はアリール基を表す。
Y1及びY2は、アルキル基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ原子を含む芳香族基を表し、Y1とY2とが結合して環を形成してもよい。
Y3は、単結合または2価の連結基を表す。
X−は、非求核性アニオンを表す。
但し、R1からR5の少なくとも1つとY1又はY2の少なくとも一つが結合して環を形成するか、若しくは、R1からR5の少なくとも1つとR6又はR7の少なくとも1つが結合して環を形成する。
尚、R1からR7のいずれか、若しくは、Y1又はY2のいずれかの位置で、連結基を介して結合し、式(I)の構造を2つ以上有していてもよい。
【0051】
以下に、上記式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
【化18】
【0053】
【化19】
【0054】
【化20】
【0055】
【化21】
【0056】
【化22】
【0057】
【化23】
【0058】
【化24】
【0059】
【化25】
【0060】
【化26】
【0061】
上記酸発生剤の内で、(I−1)〜(I−14)及び(I−21)〜(I−27)がより好ましい。
【0062】
式(IA)に示す化合物は、対応するα−ハロ環状ケトンとスルフィド化合物を反応させる方法、或いは対応する環状ケトンをシリルエノールエーテルに変換した後、スルホキシドと反応させることにより得ることができる。式(IB)に示す化合物は、アリールアルキルスルフィドにα−又はβ−ハロゲン化ハライドを反応させることにより得ることができる。
【0063】
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する上記化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
【0064】
【化27】
【0065】
【化28】
【0066】
【化29】
【0067】
【化30】
【0068】
【化31】
【0069】
(A)成分の化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0070】
(A)成分の化合物の本発明のポジ型感光性組成物中の含量は、組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
【0071】
≪(B)フッ素基含有樹脂 ≫
本発明(B)におけるフッ素基含有樹脂は、フッ素原子が置換した構造をポリマーの主鎖及び/又は側鎖に有し、且つ酸の作用により分解し、アルカリ現像液に対する溶解度を増大する基を有することを特徴とする樹脂であり、好ましくはパーフルオロアルキレン基、パーフルオロアリーレン基から選択される部位を、ポリマー骨格の主鎖に少なくとも一つ有するか、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、ヘキサフルオロ−2−プロパノ−ル基、及びヘキサフルオロ−2−プロパノ−ル基のOH基を保護した基から選択される部位を、ポリマー骨格の側鎖に少なくとも一つ有するフッ素基含有樹脂である。
【0072】
具体的には、下記一般式(I)〜(X)で示される繰り返し単位を少なくとも一つ有する樹脂である。
【0073】
【化32】
【0074】
一般式中、R0、R1は水素原子、フッ素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、シクロアルキル基もしくはアリール基を表す。
R2〜R4は置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、シクロアルキル基もしくはアリール基を表す。またR0とR1、R0とR2、R3とR4が結合し環を形成してもよい。
R5は水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、単環又は多環のシクロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基を表す。
R6、R7、R8は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基を表す。
【0075】
R9、R10は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基又はハロアルキル基を表す。
R11、R12は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アシル基又は置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。
R13、R14は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基又はハロアルキル基を表す。
【0076】
R15はフッ素原子を有する、アルキル基、単環又は多環のシクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。
R16、R17、R18は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基、−CO−O−R15を表す。
R19、R20、R21は同じでも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、フッ素原子を有する、アルキル基、単環又は多環のシクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基もしくはアルコキシ基を表す。但しR19、R20、R21の少なくとも一つは水素原子以外の基である。
【0077】
A1、A2は、単結合、置換基を有してもよい、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基もしくはアリーレン基、又は−O−CO−R22−、−CO−O−R23−、−CO−N(R24)−R25−を表す。
R22、R23、R25は同じでも異なっていてもよく、単結合、又はエーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基もしくはウレイド基を有してもよい、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表す。R24は水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
nは0又は1を表し、x、y、zは0〜4の整数を表す。
【0078】
本発明において(B)の樹脂は、好ましくは更に下記一般式(XI)〜(XIII)で示される繰り返し単位を少なくとも一つ有する酸分解性基を有するフッ素基含有樹脂である。
【0079】
【化33】
【0080】
式中、R26、R27、R32は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基又はハロアルキル基を表す。
R28、R33は−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、もしくは下記一般式(XIV)の基を表す。
【0081】
【化34】
【0082】
式中、R29、R30、R31は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基、−CO−O−R28を表す。
【0083】
R34、R35は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アシル基、又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。
R36、R37、R38、R39は同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。R36、R37、R38の内の2つ、又はR36、R37、R39の内の2つが結合して環を形成してもよい。また、形成された環には、オキソ基を含有していてもよい。
R40は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。
【0084】
A3〜A4は、単結合、置換基を有してもよい、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基もしくはアリーレン基、又は−O−CO−R22−、−CO−O−R23−、−CO−N(R24)−R25−を表す。
R22〜R25は上記と同義である。Zは炭素原子と共に単環又は多環の脂環式基を構成する原子団を表す。nは0又は1を表す。
【0085】
また本発明においては、フッ素基含有樹脂の親疎水性、ガラス転移点、露光光に対する透過率等の物性を制御する為、あるいはポリマー合成時の重合性を制御する為に、下記一般式(XV)〜(XVII)で示される無水マレイン酸、ビニルエーテル又はシアノ基を含有するビニル化合物から由来される繰り返し単位を少なくとも一つ有してもよい。
【0086】
【化35】
【0087】
式中、R41は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。
R42は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基又はハロアルキル基を表す。
A5は単結合、置換基を有してもよい、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基もしくはアリーレン基、又は−O−CO−R22−、−CO−O−R23−、−CO−N(R24)−R25−を表す。
R22〜R25は上記と同義である。
【0088】
また、本発明における更に好ましいフッ素基含有樹脂(B)として、下記一般式(IA)及び(IIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂、並びに下記一般式(IIA)及び(VIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂を挙げることができる。
これら、下記一般式(IA)及び(IIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂、並びに下記一般式(IIA)及び(VIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂(B)は、更に前記一般式(I)〜(V)で示される繰り返し単位を有していてもよい。
【0089】
【化36】
【0090】
【化37】
【0091】
一般式(IA)及び(IIA)中、R1a及びR5aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
R2a、R3a、R6a及びR7aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アルケニル基、アリール基若しくはアラルキル基を表す。
R50a〜R55aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。但し、R50a〜R55aの内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R56aは、水素原子又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基若しくはアルコキシカルボニル基を表し、水素原子であることが好ましい。
R4aは、下記一般式(IVA)又は(VA)の基を表す。
【0092】
【化38】
【0093】
一般式(IVA)中、R11a、R12a及びR13aは、同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
一般式(VA)中、R14a及びR15aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R16aは、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。R14a〜R16aの内の2つが結合し、環を形成してもよい。
【0094】
【化39】
【0095】
一般式(VIA)中、R17a1及びR17a2は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R18aは、−C(R18a1)(R18a2)(R18a3)又は−C(R18a1)(R18a2)(OR18a4)を表す。R18a1〜R18a4は、同じでも異なっていてもよく、水素原子又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。R18a1、R18a2、R18a3の内の2つ又はR18a1、R18a2、R18a4の内の2つが結合して環を形成してもよい。A0は、単結合又は置換基を有していてもよい2価の連結基を表すが、単結合であることが好ましい。
【0096】
これらのフッ素基含有樹脂(B)は、一般式(VIA)中のR18aが下記一般式(VIA−A)又は一般式(VIA−B)で表される基であるのが好ましい。また、これらのフッ素基含有樹脂(B)は、一般式(IA)中のR1a、一般式(IIA)中のR5a及び一般式(VIA)中のR17a2の少なくとも1つが、トリフルオロメチル基であることが好ましい。
【0097】
【化40】
【0098】
【化41】
【0099】
一般式(VIA−A)中、R18a5及びR18a6は、同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R18a7は、置換基を有していてもよいシクロアルキル基を表す。
【0100】
一般式(VIA−B)中、R18a8は、置換基を有していてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
【0101】
また、上記一般式(IA)及び(IIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂、並びに上記一般式(IIA)及び(VIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂(B)は、更に下記一般式(IIIA)又は(VIIA)で表される繰り返し単位を少なくとも1つ有していてもよい。
【0102】
【化42】
【0103】
一般式(IIIA)中、R8aは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R9a及びR10aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アルケニル基、アリール基若しくはアラルキル基を表す。
一般式(VIIA)中、R19a及びR20aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R21aは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は−A1−CN基を表す。A1は、単結合又は2価の連結基を表す。
【0104】
上記アルキル基としては、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。
シクロアルキル基としては単環型でもよく、多環型でもよい。単環型としては炭素数3〜8個のものであって、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基を好ましく挙げることができる。多環型としては炭素数6〜20個のものであって、例えばアダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、a−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を好ましく挙げることができる。但し、上記の単環又は多環のシクロアルキル基中の炭素原子が、酸素原子等のヘテロ原子に置換されていてもよい。
【0105】
パーフルオロアルキル基としては、例えば炭素数4〜12個のものであって、具体的にはパーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロオクチルエチル基、パーフルオロドデシル基等を好ましくあげることができる。
ハロアルキル基としては、例えば炭素数1〜4個のハロアルキル基であって、具体的にはクロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、クロロブチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基等を好ましく挙げることができる。
【0106】
アリール基としては、例えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基等を好ましく挙げることができる。
アラルキル基としては、例えば炭素数7〜12個のアラルキル基であって、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を好ましく挙げることができる。
アルケニル基としては、例えば炭素数2〜8個のアルケニル基であって、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基を好ましく挙げることができる。
【0107】
アルコキシ基としては、例えば炭素数1〜8個のアルコキシ基であって、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、アリルオキシ基、オクトキシ基等を好ましく挙げることができる。
アシル基としては、例えば炭素数1〜10個のアシル基であって、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基等を好ましく挙げることができる。
アシロキシ基としては、炭素数2〜12個のアシロキシ基が好ましく、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等を挙げることができる。
アルキニル基としては、炭素数2〜5のアルキニル基が好ましく、例えばエチニル基、プロピニル基、ブチニル基等を挙げることができる。
アルコキシカルボニル基としては、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、t−アミロキシカルボニル基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシカルボニル基等、好ましくは2級、より好ましくは3級のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0108】
アルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
アルケニレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいエテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6個のものが挙げられる。
シクロアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜8個のものが挙げられる。
アリーレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15個のものが挙げられる。
【0109】
2価の連結基とは、置換基を有していてもよい、2価の、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基若しくはアリーレン基又は−O−CO−R22a−、−CO−O−R23a−若しくは−CO−N(R24a)−R25a−を表す。R22a、R23a及びR25aは、同じでも異なっていてもよく、単結合又はエーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基若しくはウレイド基を有していてもよい、2価の、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基若しくはアリーレン基を表す。R24aは、水素原子又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。
【0110】
R0とR1、R0とR2、R3とR4が結合して形成した環としては、例えば5〜7員環であり、具体的にはフッ素が置換したペンタン環、ヘキサン環、フラン環、ジオキソノール環、1,3−ジオキソラン環等が挙げられる。
R36〜R38の内の2つ、又はR36〜R37とR39の内の2つが結合して形成した環としては、例えば3〜8員環であり、具体的にはシクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、フラン環、ピラン環等を好ましく挙げることができる。
【0111】
R14a〜R16aの内の2つ、R18a1〜R18a3の内の2つ又はR18a1、R18a2、R18a4の内の2つが結合して形成する環としては、3〜8員環が好ましく、例えばシクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラメチレンオキシド環、ペンタメチレンオキシド環、ヘキサメチレンオキシド環、フラン環、ピラン環、ジオキソノール環、1,3−ジオキソラン環等を挙げることができる。
【0112】
Zは単環又は多環の脂環式基を構成する原子団を表し、形成される脂環式基としては、単環型として炭素数3〜8個のものであって、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基を好ましく挙げることができる。多環型としては炭素数6〜20個のものであって、例えばアダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、a−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を好ましく挙げることができる。
【0113】
またこれらの基に置換される置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するものや、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、チオエーテル基、アシル基(アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等)、アシロキシ基(アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
ここで、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基は上記で示したものが挙げられるが、アルキル基は、更にフッソ原子、シクロアルキル基で置換されていてもよい。
【0114】
本発明のフッ素基含有樹脂に含まれる、酸の作用により分解しアルカリ可溶性を示す基としては、例えば−O−C(R36)(R37)(R38)、−O−C(R36)(R37)(OR39)、−O−COO−C(R36)(R37)(R38)、−O−C(R01)(R02)COO−C(R36)(R37)(R38)、−COO−C(R36)(R37)(R38)、−COO−C(R36)(R37)(OR39)等が挙げられる。R36〜R39は上記と同義であり、R01、R02は水素原子、上記で示した置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、もしくはアリール基を表す。
【0115】
好ましい具体例としては、t−ブチル基、t−アミル基、1−アルキル−1−シクロヘキシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、2−アダマンチル−2−プロピル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−プロピル基等の3級アルキル基のエーテル基又はエステル基、1−アルコキシ−1−エトキシ基、テトラヒドロピラニル基等のアセタール基又はアセタールエステル基、t−アルキルカーボネート基、t−アルキルカルボニルメトキシ基等が好ましく挙げられる。
【0116】
一般式(I)〜(X)で示される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に10〜80モル%、好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは35〜65モル%の範囲で使用される。
一般式(XI)〜(XIII)で表される繰り返し単位の含量は、全ポリマー組成中において、一般的に0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%の範囲で使用される。
一般式(XV)〜(XVII)で表される繰り返し単位の含量は、全ポリマー組成中において、一般的に0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%の範囲で使用される。
【0117】
本発明の(B)の樹脂としては、一般式(I)〜(III)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(IV)〜(VI)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有することが更に好ましい。
また、本発明の(B)の樹脂としては、一般式(IV)〜(VI)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(VIII)〜(X)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有することが上記と同様に更に好ましい。
【0118】
更に、本発明の(B)の樹脂としては、一般式(IV)〜(VII)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(XV)〜(XVII)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有することが上記と同様に更に好ましい。
これにより、樹脂における157nmの透過性を十分に高め、且つ耐ドライエッチング性の低下を抑えることができる。
【0119】
本発明の(B)の樹脂が、一般式(I)〜(III)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(IV)〜(VI)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有する場合、一般式(I)〜(III)で示される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%の範囲で使用される。
一般式(IV)〜(VI)で表される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に10〜80モル%、好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは35〜65モル%の範囲で使用される。
【0120】
本発明の(B)の樹脂が、一般式(IV)〜(VI)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(VIII)〜(X)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有する場合、一般式(IV)〜(VI)で示される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に10〜80モル%、好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは35〜65モル%の範囲で使用される。
一般式(VIII)〜(X)で表される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%の範囲で使用される。
【0121】
本発明の(B)の樹脂が、一般式(IV)〜(VII)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(XV)〜(XVII)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有する場合、一般式(IV)〜(VII)で示される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に10〜80モル%、好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは35〜65モル%の範囲で使用される。
一般式(XV)〜(XVII)で表される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%の範囲で使用される。
【0122】
一般式(IA)及び(IIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有するフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(IA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に5〜80モル%、好ましくは10〜75モル%、更に好ましくは20〜70モル%である。
一般式(IA)及び(IIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有するフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(IIA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%、更に好ましくは20〜65モル%である。
一般式(IIA)及び(VIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有するフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(IIA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%、更に好ましくは20〜65モル%である。
一般式(IIA)及び(VIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有するフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(VIA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%、更に好ましくは20〜65モル%である。
これらのフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(IIIA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に1〜40モル%、好ましくは3〜35モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
これらのフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(VIIA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に1〜40モル%、好ましくは3〜35モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
【0123】
本発明(B)の樹脂は、上記のような繰り返し構造単位以外にも、更に本発明の組成物の性能を向上させる目的で、他の重合性モノマーを共重合させてもよい。
【0124】
使用することができる共重合モノマーとしては、以下に示すものが含まれる。例えば、上記以外のアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
【0125】
具体的には、例えばアクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)アクリレート(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、など)アリールアクリレート(例えばフェニルアクリレートなど);
【0126】
メタクリル酸エステル類、例えば、アルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)メタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど)、アリールメタクリレート(例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなど);
【0127】
アクリルアミド類、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基などがある。)、N−アリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがある。)、N,N−ジアリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基などがある。)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど;
【0128】
メタクリルアミド類、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基などがある。)、N−アリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基などがある。)、N,N−ジアリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基などがある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなど;アリル化合物、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど;
【0129】
ビニルエーテル類、例えば、アルキルビニルエーテル(例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど)、ビニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルなど);
【0130】
ビニルエステル類、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サルチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルなど;
【0131】
スチレン類、例えば、スチレン、アルキルスチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えば、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、カルボキシスチレン、ビニルナフタレン;
【0132】
クロトン酸エステル類、例えば、クロトン酸アルキル(例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネートなど);イタコン酸ジアルキル類(例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど);マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキルエステル類(例えば、ジメチルマレレート、ジブチルフマレートなど)、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等がある。その他、一般的には共重合可能である付加重合性不飽和化合物であればよい。
【0133】
以下に一般式(I)〜(X)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0134】
【化43】
【0135】
【化44】
【0136】
【化45】
【0137】
【化46】
【0138】
【化47】
【0139】
【化48】
【0140】
【化49】
【0141】
また一般式(XI)〜(XIII)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0142】
【化50】
【0143】
【化51】
【0144】
【化52】
【0145】
【化53】
【0146】
また一般式(XVI)〜(XVII)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0147】
【化54】
【0148】
以下に、一般式(IA)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0149】
【化55】
【0150】
【化56】
【0151】
【化57】
【0152】
【化58】
【0153】
【化59】
【0154】
【化60】
【0155】
【化61】
【0156】
【化62】
【0157】
【化63】
【0158】
以下に、一般式(IIA)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0159】
【化64】
【0160】
【化65】
【0161】
【化66】
【0162】
【化67】
【0163】
更に、一般式(IIA)で表される繰り返し単位の具体例として、先に例示した(F−40)〜(F−45)を挙げることができる。
【0164】
以下に、一般式(VIA)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0165】
【化68】
【0166】
【化69】
【0167】
【化70】
【0168】
【化71】
【0169】
【化72】
【0170】
更に、一般式(VIA)で表される繰り返し単位の具体例として先に例示した(F−29)〜(F−38)及び(F−47)〜(F−54)を挙げることができる。
【0171】
以下に、一般式(IIIA)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0172】
【化73】
【0173】
【化74】
【0174】
以下に、一般式(VIIA)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0175】
【化75】
【0176】
上記具体例で表される繰り返し構造単位は、各々1種で使用してもよいし、複数を混合して用いてもよい。
上記繰り返し構造単位を有する本発明の樹脂(B)の好ましい分子量は、重量平均で1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000の範囲で使用される。分子量分布は1〜10であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状、及びレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
【0177】
本発明の樹脂(B)の添加量は組成物の全固形分を基準として、一般的に50〜100質量%、好ましくは60〜98質量%、更に好ましくは65〜95質量%の範囲で使用される。
【0178】
≪(C)塩基性化合物≫
本発明のポジ型感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物(C)を用いるが、更に現像欠陥を抑制する為に構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物(C)を併用する。
塩基性化合物(C)の好ましい構造として、下記式(A)〜(E)で示される構造を挙げることができる。
【0179】
【化76】
【0180】
ここでR250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基であり、ここでR250とR251は互いに結合して環を形成してもよい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
【0181】
【化77】
【0182】
(式中、R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示す)。
好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられ、モノ、ジ、トリアルキルアミン、置換もしくは未置換のアニリン、置換もしくは未置換のピペリジン、モノあるいはジエタノールアミン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0183】
好ましい化合物としては、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルピペリジン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N−シクロヘキシル−N’−モルホリノエチルチオ尿素等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0184】
更に好ましい化合物として、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルホリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン、置換もしくは未置換のピペリジン、更に、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、またはアニリン構造を有する化合物を挙げることができる。
【0185】
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等があげられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナー5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エンなどがあげられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドなどがあげられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタンー1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等があげられる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。いずれも例示の具体例に限定されるものではない。
【0186】
本発明に於いては、塩基性化合物(C)として、例えば、上記の塩基性化合物(C)の内から任意に構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物(C)、例えば、構造の異なる2種類の塩基性化合物(C)、構造の異なる3種類の塩基性化合物(C)又は構造の異なる4種類以上の塩基性化合物(C)を使用する。構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物(C)を使用する際に、最も少量使用する塩基性化合物(C)の使用割合は、塩基性化合物(C)全体の10質量%以上とすることが好ましい。本発明においては、塩基性化合物(C)として、構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物(C)を使用することにより、現像欠陥を抑制し、且つ引きおき経時による線幅変動を改善することができる。
【0187】
本発明に於いて、構造の異なる2種類の塩基性化合物を混合することは、異なる物性を有する塩基性化合物を混合することを意味する。
その物性とは、例えば、pKa、分子サイズ(分子の大きさ)、融点、沸点、蒸気圧、logPなどが挙げられる。ここでいうpKaは共役酸のpKaを表す。
【0188】
異なるpKaを有する塩基性化合物を混合する場合、高いpKaを有するものと低いpKaを有するものを混ぜることが想像されるが、必ずしもそれには限らず、高いpKaだが若干異なるものや、低いpKaだが若干異なるものなどを混合させることも可能である。すなわち2種の有機塩基性化合物のpKa差が0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。
pKaは、塩基性窒素の塩基性度を表す尺度であり、窒素上の電荷密度と相関することが知られている。窒素上の電荷密度は、分子軌道計算を用いて計算することが出来る。例えば、分子軌道計算としては、MOPACなどを用いることが出来、それにより求めた値をpKaと同様、塩基性を示す尺度として用いることが出来る。その計算方法は、様々な方法が知られているが、一般的には、分子を分子力学計算(例えばMM2パラメーターを使用)により立体的に分子構造を最適化した後、分子の電子状態を加味した方法である分子軌道計算としてMOPAC(パラメーターはAM1を使用)で計算し、その電荷密度を得ることが出来る。それにより求めた場合、窒素上の電荷の値が、0.01以上離れた2種を混合することが好ましく、0.02以上離れた2種を混合することがより好ましい。
【0189】
分子サイズは、主として拡散性を制御する因子として考えられる。分子サイズは分子の大きさを表しており、様々な方法でそれを数値化することが出来る。例えば、分子を分子力学計算(例えばMM2パラメーターを使用)により立体的に分子構造を最適化した後、分子の電子状態を加味した方法である分子軌道計算としてMOPAC(パラメーターはPM3を使用)で計算し、その分子の表面積、体積を求めることが出来る。一般に表面積よりも体積を使用するのが好ましい。その組成物に応じて必要な拡散性、すなわち大きさが変化するため、一概に理想的な大きさを規定することは出来ないが、通常分子サイズが大きいものと小さいものを混合させることにより、その拡散性を制御することが可能となる。先の方法で算出した分子の体積値を使用すると、好ましい分子サイズ差は、10A3以上であり、さらに好ましくは15A3以上である。
【0190】
融点、沸点あるいは蒸気圧は、その分子の揮発性や相溶性を左右する物性であり、時にはレジスト膜中での分布をも左右する。融点、沸点はそれぞれ10℃以上離れていることが好ましく、より好ましくは20℃以上離れている。
【0191】
logPは、分子の親疎水性を表す指標として知られており、膜中での相溶性などの観点で重要な因子である。異なるlogPを有する有機塩基性化合物を混合することで、膜内の分布を制御することができる。logPの値は、0.2以上離れていることが好ましく、0.4以上離れていることがより好ましい。
【0192】
以上示したように、構造の異なる2種類の有機塩基性化合物を混合することは、必ずしも一つのパラメーターにのみ支配されないため、通常二つ以上の条件を満たす。しかしながら、条件は一つ満たせば十分で、かつ、その値は上記好ましい範囲には限定されない。
【0193】
本発明における塩基性化合物(C)の好ましい組合せとしては、トリ(n−ブチル)アミンとジイソプロピルアニリン、トリ(n−ブチル)アミンとN,N−ジメチルピリジン、トリ(n−ブチル)アミンと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリ(n−ブチル)アミンとトリフェニルイミダゾール、ジイソプロピルアニリンとN,N−ジメチルピリジン、ジイソプロピルアニリンと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ジイソプロピルアニリンとトリフェニルイミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンとアンチピリン、ジイソプロピルアニリンとジシクロヘキシルメチルアミン、アンチピリンとトリ(n−ブチル)アミン、ヒドロキシアンチピリンとアンチピリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドとジイソピロピルアニリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドとテトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドとトリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルアニリンとジシクロヘキシルメチルアミンとトリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−ブチル)アミンと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンとジイソプロピルアニリン、トリ(n−ブチル)アミンと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンとジイソプロピルアニリン、等を挙げることができる。
【0194】
(C)塩基性化合物の使用量は、少なくとも2種類の塩基性化合物(C)を合計して、ポジ型感光性組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
0.001質量%未満では上記塩基性化合物の添加の効果が得られない。一方、10質量%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0195】
≪(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、少なくとも上記成分(A)〜(C)を含有するが、更に(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物が上記(D)界面活性剤とを含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
これらの(D)界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同 5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0196】
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
【0197】
(D)界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
【0198】
≪(E)有機溶剤≫
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0199】
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用することが好ましい。これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減することができる。
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、一般的に1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
【0200】
≪(F)酸分解性溶解阻止化合物≫
本発明のポジ型感光性組成物は、更に(F)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解性を増大させる基を有し、分子量3000以下の溶解阻止低分子化合物(以下、「(F)酸分解性溶解阻止化合物」ともいう)を含有することが好ましい。
特に220nm以下の透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の様な、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が(F)酸分解性溶解阻止化合物として好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、上記酸分解性樹脂のところで説明したものと同様のものが挙げられる。酸分解性溶解阻止化合物(F)の分子量は、100〜3000とすることが好ましい。
(F)酸分解性溶解阻止化合物の添加量は、ポジ型感光性組成物の全組成物の固形分に対し、好ましくは3〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。
以下に(F)酸分解性溶解阻止化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
【0201】
【化78】
【0202】
≪(G)アルカリ可溶性樹脂≫
本発明のポジ型感光性組成物は、酸分解性基を含有していない、(G)水に不溶でアルカリ現像液に可溶な樹脂を含有することができ、これにより感度が向上する。
本発明においては、分子量1000〜20000程度のノボラック樹脂類、分子量3000〜50000程度のポリヒドロキシスチレン誘導体をこのような樹脂として用いることができるが、これらは250nm以下の光に対して吸収が大きいため、一部水素添加して用いるか、又は全樹脂量の30質量%以下の量で使用するのが好ましい。
また、カルボキシル基をアルカリ可溶性基として含有する樹脂も用いることができる。カルボキシル基を含有する樹脂中にはドライエッチング耐性向上のために単環、又は多環の脂環炭化水素基を有していることが好ましい。具体的には酸分解性を示さない脂環式炭化水素構造を有するメタクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体あるいは末端にカルボキシル基を有する脂環炭化水素基の(メタ)アクリル酸エステルの樹脂などを挙げることができる。
【0203】
≪その他の添加剤≫
本発明のポジ型感光性組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記(D)成分以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明で使用できる現像液に対する溶解促進性化合物は、フェノール性OH基を2個以上、又はカルボキシ基を1個以上有する分子量1,000以下の低分子化合物である。カルボキシ基を有する場合は上記と同じ理由で脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。
これら溶解促進性化合物の好ましい添加量は、(B)ポリマー骨格の主鎖及び/又は側鎖にフッ素原子が置換した構造を有し、且つ酸の作用により分解し、アルカリ現像液に対する溶解度を増大する基を有するフッ素基含有樹脂に対して一般的に2〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。50質量%を越えた添加量では、現像残渣が悪化し、また現像時にパターンが変形するという新たな欠点が発生して好ましくない。
【0204】
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938、特開平2−28531、米国特許第4916210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0205】
本発明においては、上記(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0206】
≪使用方法≫
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
すなわち、上記ポジ型感光性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布する。
塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像する。このようにすると、良好なレジストパターンを得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等が挙げられる。これらの中でも、180nm以下、特にF2エキシマレーザー光(157nm)の露光光源の使用が好適である。
【0207】
現像工程では、現像液を次のように用いる。ポジ型感光性組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0208】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容はこれにより限定されるものではない。
【0209】
[合成例1]
1Lオートクレーブ中にノルボルネン9.4g(0.10モル)、ノルボルネン−2−カルボン酸t−ブチルエステル19.4g(0.10モル)の1,1,2−トリクロロ−トリフルオロエチレン150ml溶液を入れ、窒素雰囲気下200psiに加圧した。更にテトラフロオロエチレン20g(0.20モル)を注入し、攪拌下、50℃に加熱した。この反応液にジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート1.2gの1,1,2−トリクロロ−トリフルオロエチレン15ml溶液を20分かけて注入し、更に20時間攪拌を続けた。反応終了後、反応液をメタノール2L中に激しく攪拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別、真空下乾燥後、本発明の樹脂(1)23.5gを得た。
GPC測定により、樹脂(1)の分子量は重量平均(Mw)で6,200であった。またC13−NMR測定により、樹脂(1)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−1)/ノルボルネン/(B−16)=45/30/25であった。
【0210】
[合成例2]
下記モノマー(a)14.3g(0.04モル)、無水マレイン酸3.9g(0.04モル)、t−ブチルアクリレート2.6g(0.02モル)をMEK100mlに溶解し、窒素気流下、70℃に加熱した。重合開始剤として、V−601(和光純薬工業(株)製)0.2gを加え、3時間攪拌した。更にV−601を0.2g追加し、4時間攪拌を続けた。その後、反応液をt−ブチルメチルエーテル1L中に激しく攪拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別、真空下乾燥後、本発明の樹脂(2)12.1gを得た。
GPC測定により、樹脂(2)の分子量は重量平均(Mw)で8,900であった。またC13−NMR測定により、樹脂(2)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−21)/無水マレイン酸/(B−4)=39/38/23であった。
【0211】
【化79】
【0212】
[合成例3]
下記モノマー(b)6.7g(0.015モル)、2−メチル−2−アダマンタンメタクリレート1.4g(0.006モル)、メバロニックラクトンメタクリレート1.8g(0.009モル)を1−メトキシ−2−プロパノール30mlに溶解し、窒素気流及び撹拌下、70℃にて重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製;商品名V−65)0.1gとモノマー(b)15.6g(0.035モル)、2−メチル−2−アダマンタンメタクリレート3.3g(0.014モル)、メバロニックラクトンメタクリレート4.2g(0.021モル)の1−メトキシ−2−プロパノール70ml溶液を2時間かけて滴下した。2時間後開始剤0.1gを追加し、更に2時間反応を行った。その後90℃に昇温し撹拌を1時間続けた。反応液を放冷後、イオン交換水/メタノール(1/1)1Lに激しく撹拌しながら投入することにより、白色樹脂を析出させた。得られた樹脂を減圧下で乾燥後、本発明の樹脂(3)15.8gを得た。
GPCにて分子量を測定したところ、重量平均(Mw)で10,200であった。またC13−NMR測定により、樹脂(3)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−30)/(B−7)/(B−11)=48/21/31であった。
【0213】
【化80】
【0214】
[合成例4〜12]
以下、同様にして表1に示す本発明(B)の樹脂を合成した。
【0215】
【表1】
【0216】
[合成例13]
1Lオートクレーブ中にノルボルネン9.4g(0.10モル)、下記モノマー(a)35.8g(0.10モル)の1,1,2−トリクロロ−トリフルオロエチレン150ml溶液を入れ、窒素雰囲気下200psiに加圧した。更にテトラフロオロエチレン20g(0.20モル)を注入し、攪拌下、50℃に加熱した。この反応液にジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート1.2gの1,1,2−トリクロロ−トリフルオロエチレン15ml溶液を20分かけて注入し、更に20時間攪拌を続けた。反応終了後、反応液をメタノール2L中に激しく攪拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別、真空下乾燥後、本発明の樹脂(13)37.4gを得た。
GPC測定により、樹脂(13)の分子量は重量平均(Mw)で8,800であった。またC13−NMR測定により、樹脂(13)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−1)/(F−21)/ノルボルネン=48/30/22であった。
【0217】
【化81】
【0218】
[合成例14]
合成例13のモノマー(a)の代わりに、下記モノマー(c)32.2g(0.04モル)を用い、以下合成例13と同様にして、本発明の樹脂(14)34.1gを合成した。
GPC測定により、樹脂(14)の分子量は重量平均(Mw)で7,400であった。またC13−NMR測定により、樹脂(14)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−1)/(F−15)/ノルボルネン=49/25/26であった。
【0219】
【化82】
【0220】
[合成例15〜22]
以下、同様にして表2に示す本発明(B)の樹脂を合成した。
【0221】
【表2】
【0222】
[合成例23]
下記モノマー(a)14.3g(0.04モル)、無水マレイン酸3.9g(0.04モル)、ノルボルネン−2−カルボン酸パーフルオロオクチルエチル11.7g(0.02モル)をMEK100mlに溶解し、窒素気流下、70℃に加熱した。重合開始剤として、V−601(和光純薬工業(株)製)0.2gを加え、3時間攪拌した。更にV−601を0.2g追加し、4時間攪拌を続けた。その後、反応液をt−ブチルメチルエーテル1L中に激しく攪拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別、真空下乾燥後、本発明の樹脂(23)16.2gを得た。
GPC測定により、樹脂(23)の分子量は重量平均(Mw)で8,700であった。またC13−NMR測定により、樹脂(23)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−21)/(F−55)/無水マレイン酸=42/18/40であった。
【0223】
【化83】
【0224】
[合成例24]
下記モノマー(b)6.7g(0.015モル)、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート2.7g(0.005モル)、2−メチル−2−アダマンタンメタクリレート1.2g(0.005モル)、メバロニックラクトンメタクリレート1.0g(0.005モル)を1−メトキシ−2−プロパノール30mlに溶解し、窒素気流及び撹拌下、70℃にて重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製;商品名V−65)0.1gとモノマー(b)15.6g(0.035モル)、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート6.4g(0.012モル)、2−メチル−2−アダマンタンメタクリレート2.8g(0.012モル)、メバロニックラクトンメタクリレート2.4g(0.012モル)の1−メトキシ−2−プロパノール70ml溶液を2時間かけて滴下した。2時間後開始剤0.1gを追加し、更に2時間反応を行った。その後90℃に昇温し撹拌を1時間続けた。反応液を放冷後、イオン交換水/メタノール(1/1)1Lに激しく撹拌しながら投入することにより、白色樹脂を析出させた。得られた樹脂を減圧下で乾燥後、本発明の樹脂(24)21.5gを得た。
GPCにて分子量を測定したところ、重量平均(Mw)で10,500であった。またC13−NMR測定により、樹脂(24)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−30)/(F−48)/(B−7)/(B−11)=48/15/18/19であった。
【0225】
【化84】
【0226】
[合成例25〜32]
以下、同様にして表3に示す本発明の樹脂(B)を合成した。
【0227】
【表3】
【0228】
[合成例33]
4−[ビス(トリフルオロメチル)−ヒドロキシメチル]スチレン13.5g(0.05モル)、メタクリロニトリル3.4g(0.05モル)をN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解し、窒素気流下、70℃に加熱した。重合開始剤として2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製;商品名V−65)0.1gを加え、3時間攪拌した。更にV−65を0.1g追加し、4時間攪拌を続けた。その後、反応液をメタノール/t−ブチルメチルエーテル1L中に激しく攪拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別、真空下乾燥後、THF100mlに溶解し、エチルビニルエーテル2.9g(0.04モル)を加え、p−トルエンスルホン酸を触媒量添加して、室温にて8時間攪拌した。反応液にトリエチルアミンをp−トルエンスルホン酸触媒の2倍量加えて反応を停止させ、超純水3L中に激しく攪拌しながら投入した。析出した樹脂を濾別、乾燥して本発明の樹脂(33)14.1gを得た。
GPC測定により、樹脂(33)の分子量は重量平均(Mw)で10,900であった。またC13−NMR、IR測定により、樹脂(33)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−39)/(F−42)/(C−10)=16/36/48であった。
【0229】
[合成例34〜40]
以下同様にして、表4に示す本発明の樹脂(B)を合成した。
【0230】
【表4】
【0231】
[合成例41〜68]
樹脂(42)の合成
還流管及び窒素導入管を備えた100mlの3つ口フラスコ中に、4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレン(セントラル硝子社製)、4−(1−メトキシエトキシ)スチレン(東ソー社製)を各々モル比50/50の割合で仕込んだ後、テトラヒドロフランを加え、モノマー濃度30質量%の反応液全30gを調整した。それを攪拌及び窒素気流下65℃まで加熱した。アゾ系重合開始剤V−65(和光純薬工業社製)を前記2つのモノマー合計のモル数に対して5.0モル%添加し、窒素気流下攪拌しながら8時間反応させた。得られた反応液にヘキサン200mlを添加し、生成したポリマーを溶液から沈殿させて未反応モノマーを分離精製した。C13−NMRから求めたポリマー組成は、49/51であった。
得られたポリマーをGPC(THF溶媒中、標準ポリスチレン換算)にて分析したところ、重量平均分子量10,200、分散度2.20、ポリマー中に含まれる分子量1000以下の割合は15質量%であった。
以下、同様にして表5に示す本発明の樹脂(B)を合成した。
【0232】
【表5】
【0233】
<レジスト調製>
〔実施例1〜34及び比較例1〜4〕
表6〜7に示す素材を溶解させ固形分濃度12質量%の溶液を調整し、これを0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターでろ過してポジ型感光性組成物を調製した。調製した組成物を下記方法で評価を行い、結果を表9〜10に示した。
【0234】
【表6】
【0235】
【表7】
【0236】
表6〜7における略号は以下のとおりである。
LCB;リトコール酸t−ブチル
【0237】
塩基性化合物についての略号は、以下の通りである。尚、表6〜7における塩基性化合物の比率は、質量比であり、塩基性化合物の合計質量を0.03gとした。
1:トリ(n−ブチル)アミン
2:トリフェニルイミダゾール
3:ジイソプロピルアニリン
4:アンチピリン
5:ヒドロキシアンチピリン
6:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
7:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
8:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
9:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
10:ジシクロヘキシルメチルアミン
【0238】
W−1:メガファックF176(大日本インキ(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W‐4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:メガファックF−475(大日本インキ化学工業(株)製)
W−6:C6F13基を有するアクリレートと(ポリ(オキシプロピレン))アクリレートと(ポリ(オキシエチレン))メタクリレートとの共重合体
W−7:C6F13基を有するアクリレートと(ポリ(エチレンオキシとプロピレンオキシとエチレンオキシとのブロック))アクリレート
【0239】
溶剤についての略号は以下のとおりである。尚、表6〜7における複数使用の場合の比は質量比である。
A1;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
A2;2−ヘプタノン
A3;エチルエトキシプロピオネート
A4;γ−ブチロラクトン
A5;シクロヘキサノン
B1;プロピレングリコールメチルエーテル
B2;乳酸エチル
【0240】
上記塩基性化合物は、下記表8に示す物性を有する。
表8と上記実施例を照合することにより、各実施例では各種異なる物性の2種の塩基性化合物を混合していることが分かる。
尚、本発明に於いて、塩基性化合物の構造が異なるとは、必ずしもすべての項目において物性が異なるわけではなく、少なくとも一つの物性が異なれば良いことを意味する。
また、指標の一つであるpKaの値は、測定溶媒などにより異なるため、表8には記載せず、その代用指標として電荷密度を記載した。アミンの場合は、基本的にN上の電荷密度がpKaと対応し、ヒドロキシイオンを有する化合物(8および9)の場合は、OH−の酸素上の電荷密度がpKaと対応する。
【0241】
【表8】
【0242】
a):CACheシステムを使用し、MM2パラメーターを用い分子力学的に初期構造を最適化した後、PM3パラメーターを用いて二次構造最適化及び体積をMOPAC計算にて算出。
b):一般的な原子算出方法により算出。
c):CACheシステムを使用し、MM2パラメーターを用い分子力学的に初期構造を最適化した後、AM1パラメーターを用いて二次構造最適化及び体積をMOPAC計算にて算出。
d):c)と同様。ただし、分子内に2つの窒素原子を有する場合のみ。
e):塩基性がOH−である分子にのみ適用。計算方法は、c)、d)と同様。
f):使用したlogP算出方法のパラメーターに含まれない原子を含んだ化合物であり、算出不能。
【0243】
<画像評価法>
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV−30Jを85オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加熱乾燥を行った。その後、各感光性樹脂組成物をスピンコーターで塗布し120℃で90秒乾燥を行い0.30μmのレジスト膜を形成させた。このレジスト膜に対し、マスクを通してKrFエキシマレーザーステッパー(CANON社製 Ex−5 NA=0.63)で露光し、露光後直ぐに120℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、0.15μmのL/Sのパターンを形成させた。
【0244】
(1)現像欠陥評価
上記のようにして得られたレジストパターンについて、ケーエルエー・テンコール(株)製KLA−2112機により現像欠陥数を測定し、得られた1次データ値を現像欠陥数とした。
【0245】
(2)引きおき経時による線幅変動
引きおき経時による線幅変動とは、露光直後に後加熱をして画像形成したときの線幅と、露光後1時間放置後に後加熱をして画像形成したときの線幅の差を表す。
即ち、上記画像露光法により得た0.15μmのL/Sパターンに対し、露光後1時間放置後に後加熱して画像形成したときの同じ場所のL/Sパターンの線幅を測長SEMにより測定し、0.15μmからその値を引いて線幅変動とした。値が小さいほど好ましい。
評価結果を下記表9〜10に示す。
【0246】
【表9】
【0247】
【表10】
【0248】
表9〜10に示される結果より以下のことが明らかである。
実施例1〜34の組成物は、現像欠陥が抑制され、且つ引きおき経時による線幅変動が小さい。
一方、比較例1〜4の組成物は、現像欠陥、引きおき経時による線幅変動において、実施例の組成物と比較して劣る。
【0249】
【発明の効果】
本発明に係わるポジ型感光性組成物は、現像欠陥が抑制され、且つ引きおき経時による線幅変動が小さい。
【発明の属する技術分野】
本発明は、超LSI、高容量マイクロチップの製造などのマイクロリソグラフィープロセスや、その他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられるポジ型感光性組成物に関するものである。更に詳しくは、180nm以下の
遠紫外光を使用して高精細化したパターンを形成し得るポジ型感光性組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】
集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造においては、クオーターミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。パターンの微細化を図る手段の一つとして、レジストのパターン形成の際に使用される露光光源の短波長化が知られている。
【0003】
例えば64Mビットまでの集積度の半導体素子の製造には、現在まで高圧水銀灯のi線(365nm)が光源として使用されてきた。この光源に対応するポジ型レジストとしては、ノボラック樹脂と感光物としてのナフトキノンジアジド化合物を含む組成物が、数多く開発され、0.3μm程度までの線幅の加工においては十分な成果をおさめてきた。また256Mビット以上集積度の半導体素子の製造には、i線に代わりKrFエキシマレーザー光(248nm)が露光光源として採用されてきた。
更に1Gビット以上の集積度の半導体製造を目的として、近年より短波長の光源であるArFエキシマレーザー光(193nm)の使用、更には0.1μm以下のパターンを形成する為にF2エキシマレーザー光(157nm)の使用が検討されている。
【0004】
これら光源の短波長化に合わせ、レジスト材料の構成成分及びその化合物構造も大きく変化している。即ち従来のノボラック樹脂とナフトキノンジアジド化合物を含むレジストでは、248nmの遠紫外領域における吸収が大きいため、光がレジスト底部まで十分に到達しにくくなり、低感度でテーパー形状のパターンしか得られなかった。
このような問題を解決する為、248nm領域での吸収の小さいポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とし酸分解基で保護した樹脂を主成分として用い、遠紫外光の照射で酸を発生する化合物(光酸発生剤)を組み合わせた組成物、所謂化学増幅型レジストが開発されるに至った。化学増幅型レジストは露光部に発生した酸の触媒分解反応により、現像液に対する溶解性を変化させる為、高感度で高解像度なパターンを形成することができる。
【0005】
しかしながら、ArFエキシマレーザー光(193nm)を使用した場合、芳香族基を有する化合物が本質的に193nm波長領域に大きな吸収を有する為、上記化学増幅型レジストでも十分な性能は得られなかった。
【0006】
この問題に対し、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする酸分解性樹脂を、193nmに吸収を持たない脂環式構造をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した酸分解性樹脂に代え、化学増幅型レジストの改良が図られている。
【0007】
しかしながら、F2エキシマレーザー光(157nm)に対しては、上記脂環型樹脂においても157nm領域の吸収が大きく、目的とする0.1μm以下のパターンを得るには不十分であることが判明した。これに対し、フッ素原子(パーフルオロ構造)を導入した樹脂が157nmに十分な透明性を有することが非特許文献1(Proc. SPIE.、 1999、Vol.3678、 13頁)にて報告されており、更に有効なフッ素樹脂の構造も提案されている。(例えば、非特許文献2〜4及び特許文献1参照。)。しかしながら、これらフッ素樹脂を有するレジストにおいても現像欠陥の問題に関して未だ不充分であった。
【0008】
また、近年、半導体チップの微細化の要求に伴い、その微細な半導体の設計パターンは、0.13〜0.35μmの微細領域に達している。しかしながら、従来のレジスト組成物では、ラインパターンのエッジラフネス等の要因によって、パターンの解像力が妨げられる問題があった。ここで、エッジラフネスとは、レジストのラインパターンの頂部及び底部のエッジが、レジストの特性に起因して、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動するために、パターンを真上から見たときにエッジが凹凸に見えることをいう。
【0009】
更に、従来のレジスト組成物は、引きおき経時による線幅変動の改善も望まれていた。
【0010】
【非特許文献1】
Proc. SPIE.、1999、Vol.3678、13頁
【非特許文献2】
Proc. SPIE.、2000、Vol.3999、330頁
【非特許文献3】
Proc. SPIE.、2000、Vol.3999、357頁
【非特許文献4】
Proc. SPIE.、2000、Vol.3999、365頁
【特許文献1】
国際公開第00/17712号パンフレット
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のフォトレジスト組成物の公知技術では、安定なパターンが得られず、また現像欠陥の問題が見られるため、更なる改良が望まれていた。従って、本発明の目的は、現像欠陥が抑制され、且つ引きおき経時による線幅変動が改善されたポジ型感光性組成物を提供することにある。本発明の別の目的は、180nm以下、特にF2エキシマレーザー光(157nm)の露光光源の使用に好適なポジ型感光性組成物を提供することであり、具体的には157nmの光源使用時に生じる現像欠陥等の問題が改善されたポジ型感光性組成物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記諸特性に留意し鋭意検討した結果、特定のフッ素含有酸分解性樹脂と複数種の塩基性化合物とを組み合わせることによって上記目的が達
成されることを見出し、本発明に至った。
即ち、上記目的は下記構成によって達成される。
【0013】
(1) (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤、
(B)ポリマー骨格の主鎖及び/又は側鎖にフッ素原子が置換した構造
を有し、且つ酸の作用により分解し、アルカリ現像液に対する溶解度を増大する基を有するフッ素基含有樹脂、及び
(C)構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。
【0014】
(2) (B)の樹脂が、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアリーレン基から選択される部位を、ポリマー骨格の主鎖に少なくとも一つ有するか、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、ヘキサフルオロ−2−プロパノ−ル基、及びヘキサフルオロ−2−プロパノ−ル基のOH基を保護した基から選択される部位を、ポリマー骨格の側鎖に少なくとも一つ有するフッ素基含有樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載のポジ型感光性組成物。
【0015】
(3)180nm以下の波長の遠紫外光による露光用組成物であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
(4) 更に、(D)フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)の何れかに記載のポジ型感光性組成物。
(5) 更に、(F)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解性を増大させる基を有し、分子量3000以下の溶解阻止低分子化合物を含有することを特徴とする前記(1)〜(4)の何れかに記載のポジ型感光性組成物。
(6) 更に、(E)水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を含有することを特徴とする前記(1)〜(5)の何れかに記載のポジ型感光性組成物。
【0016】
【発明の実施の形態】
≪(A)酸発生剤≫
本発明に用いられる酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。
本発明に於いて使用可能な酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0017】
たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物を挙げることができる。
【0018】
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038 号、特開昭63−163452 号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0019】
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0020】
上記使用可能な活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
【0021】
(1)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩。
【0022】
【化1】
【0023】
ここで式Ar1、Ar2は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メルカプト基及びハロゲン原子が挙げられる。
【0024】
R203、R204、R205は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基及びそれらの置換誘導体である。
好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒロドキシ基及びハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコシキカルボニル基である。
【0025】
Z−は対アニオンを示し、例えばBF4 −、AsF6 −、PF6 −、SbF6 −、SiF6 2−、ClO4 −、CF3SO3 −等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0026】
またR203、R204、R205のうちの2つ及びAr1、Ar2はそれぞれの単結合又は置換基を介して結合してもよい。
【0027】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、例えば米国特許第2,807,648 号及び同4,247,473号、特開昭53−101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0038】
(2)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0039】
【化11】
【0040】
式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。
R206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
(3)下記一般式(PAG7)で表されるジアゾジスルホン誘導体。
【0045】
【化15】
【0046】
ここでRは、直鎖状、分岐状又は環状アルキル基、あるいは置換していてもよいアリール基を表す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0047】
【化16】
【0048】
(4)また、酸発生剤(A)として、下記一般式(I)で表されるフェナシルスルホニウム誘導体も使用することができる。
【0049】
【化17】
【0050】
一般式式(I)中、
R1〜R5は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキルオキシカルボニル基又はアリール基を表し、R1〜R5のうち少なくとも2つ以上が結合して環構造を形成してもよい。
R6及びR7は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はアリール基を表す。
Y1及びY2は、アルキル基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ原子を含む芳香族基を表し、Y1とY2とが結合して環を形成してもよい。
Y3は、単結合または2価の連結基を表す。
X−は、非求核性アニオンを表す。
但し、R1からR5の少なくとも1つとY1又はY2の少なくとも一つが結合して環を形成するか、若しくは、R1からR5の少なくとも1つとR6又はR7の少なくとも1つが結合して環を形成する。
尚、R1からR7のいずれか、若しくは、Y1又はY2のいずれかの位置で、連結基を介して結合し、式(I)の構造を2つ以上有していてもよい。
【0051】
以下に、上記式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
【化18】
【0053】
【化19】
【0054】
【化20】
【0055】
【化21】
【0056】
【化22】
【0057】
【化23】
【0058】
【化24】
【0059】
【化25】
【0060】
【化26】
【0061】
上記酸発生剤の内で、(I−1)〜(I−14)及び(I−21)〜(I−27)がより好ましい。
【0062】
式(IA)に示す化合物は、対応するα−ハロ環状ケトンとスルフィド化合物を反応させる方法、或いは対応する環状ケトンをシリルエノールエーテルに変換した後、スルホキシドと反応させることにより得ることができる。式(IB)に示す化合物は、アリールアルキルスルフィドにα−又はβ−ハロゲン化ハライドを反応させることにより得ることができる。
【0063】
活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する上記化合物の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
【0064】
【化27】
【0065】
【化28】
【0066】
【化29】
【0067】
【化30】
【0068】
【化31】
【0069】
(A)成分の化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0070】
(A)成分の化合物の本発明のポジ型感光性組成物中の含量は、組成物の固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
【0071】
≪(B)フッ素基含有樹脂 ≫
本発明(B)におけるフッ素基含有樹脂は、フッ素原子が置換した構造をポリマーの主鎖及び/又は側鎖に有し、且つ酸の作用により分解し、アルカリ現像液に対する溶解度を増大する基を有することを特徴とする樹脂であり、好ましくはパーフルオロアルキレン基、パーフルオロアリーレン基から選択される部位を、ポリマー骨格の主鎖に少なくとも一つ有するか、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、ヘキサフルオロ−2−プロパノ−ル基、及びヘキサフルオロ−2−プロパノ−ル基のOH基を保護した基から選択される部位を、ポリマー骨格の側鎖に少なくとも一つ有するフッ素基含有樹脂である。
【0072】
具体的には、下記一般式(I)〜(X)で示される繰り返し単位を少なくとも一つ有する樹脂である。
【0073】
【化32】
【0074】
一般式中、R0、R1は水素原子、フッ素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、シクロアルキル基もしくはアリール基を表す。
R2〜R4は置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、シクロアルキル基もしくはアリール基を表す。またR0とR1、R0とR2、R3とR4が結合し環を形成してもよい。
R5は水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、単環又は多環のシクロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基を表す。
R6、R7、R8は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基を表す。
【0075】
R9、R10は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基又はハロアルキル基を表す。
R11、R12は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アシル基又は置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。
R13、R14は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基又はハロアルキル基を表す。
【0076】
R15はフッ素原子を有する、アルキル基、単環又は多環のシクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。
R16、R17、R18は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基、−CO−O−R15を表す。
R19、R20、R21は同じでも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、フッ素原子を有する、アルキル基、単環又は多環のシクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基もしくはアルコキシ基を表す。但しR19、R20、R21の少なくとも一つは水素原子以外の基である。
【0077】
A1、A2は、単結合、置換基を有してもよい、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基もしくはアリーレン基、又は−O−CO−R22−、−CO−O−R23−、−CO−N(R24)−R25−を表す。
R22、R23、R25は同じでも異なっていてもよく、単結合、又はエーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基もしくはウレイド基を有してもよい、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表す。R24は水素原子、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
nは0又は1を表し、x、y、zは0〜4の整数を表す。
【0078】
本発明において(B)の樹脂は、好ましくは更に下記一般式(XI)〜(XIII)で示される繰り返し単位を少なくとも一つ有する酸分解性基を有するフッ素基含有樹脂である。
【0079】
【化33】
【0080】
式中、R26、R27、R32は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基又はハロアルキル基を表す。
R28、R33は−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、もしくは下記一般式(XIV)の基を表す。
【0081】
【化34】
【0082】
式中、R29、R30、R31は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アルコキシ基、−CO−O−R28を表す。
【0083】
R34、R35は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アシル基、又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。
R36、R37、R38、R39は同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。R36、R37、R38の内の2つ、又はR36、R37、R39の内の2つが結合して環を形成してもよい。また、形成された環には、オキソ基を含有していてもよい。
R40は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。
【0084】
A3〜A4は、単結合、置換基を有してもよい、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基もしくはアリーレン基、又は−O−CO−R22−、−CO−O−R23−、−CO−N(R24)−R25−を表す。
R22〜R25は上記と同義である。Zは炭素原子と共に単環又は多環の脂環式基を構成する原子団を表す。nは0又は1を表す。
【0085】
また本発明においては、フッ素基含有樹脂の親疎水性、ガラス転移点、露光光に対する透過率等の物性を制御する為、あるいはポリマー合成時の重合性を制御する為に、下記一般式(XV)〜(XVII)で示される無水マレイン酸、ビニルエーテル又はシアノ基を含有するビニル化合物から由来される繰り返し単位を少なくとも一つ有してもよい。
【0086】
【化35】
【0087】
式中、R41は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基もしくはアリール基を表す。
R42は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい、アルキル基又はハロアルキル基を表す。
A5は単結合、置換基を有してもよい、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基もしくはアリーレン基、又は−O−CO−R22−、−CO−O−R23−、−CO−N(R24)−R25−を表す。
R22〜R25は上記と同義である。
【0088】
また、本発明における更に好ましいフッ素基含有樹脂(B)として、下記一般式(IA)及び(IIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂、並びに下記一般式(IIA)及び(VIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂を挙げることができる。
これら、下記一般式(IA)及び(IIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂、並びに下記一般式(IIA)及び(VIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂(B)は、更に前記一般式(I)〜(V)で示される繰り返し単位を有していてもよい。
【0089】
【化36】
【0090】
【化37】
【0091】
一般式(IA)及び(IIA)中、R1a及びR5aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
R2a、R3a、R6a及びR7aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アルケニル基、アリール基若しくはアラルキル基を表す。
R50a〜R55aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。但し、R50a〜R55aの内、少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R56aは、水素原子又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基若しくはアルコキシカルボニル基を表し、水素原子であることが好ましい。
R4aは、下記一般式(IVA)又は(VA)の基を表す。
【0092】
【化38】
【0093】
一般式(IVA)中、R11a、R12a及びR13aは、同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
一般式(VA)中、R14a及びR15aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R16aは、置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。R14a〜R16aの内の2つが結合し、環を形成してもよい。
【0094】
【化39】
【0095】
一般式(VIA)中、R17a1及びR17a2は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R18aは、−C(R18a1)(R18a2)(R18a3)又は−C(R18a1)(R18a2)(OR18a4)を表す。R18a1〜R18a4は、同じでも異なっていてもよく、水素原子又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。R18a1、R18a2、R18a3の内の2つ又はR18a1、R18a2、R18a4の内の2つが結合して環を形成してもよい。A0は、単結合又は置換基を有していてもよい2価の連結基を表すが、単結合であることが好ましい。
【0096】
これらのフッ素基含有樹脂(B)は、一般式(VIA)中のR18aが下記一般式(VIA−A)又は一般式(VIA−B)で表される基であるのが好ましい。また、これらのフッ素基含有樹脂(B)は、一般式(IA)中のR1a、一般式(IIA)中のR5a及び一般式(VIA)中のR17a2の少なくとも1つが、トリフルオロメチル基であることが好ましい。
【0097】
【化40】
【0098】
【化41】
【0099】
一般式(VIA−A)中、R18a5及びR18a6は、同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R18a7は、置換基を有していてもよいシクロアルキル基を表す。
【0100】
一般式(VIA−B)中、R18a8は、置換基を有していてもよい、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
【0101】
また、上記一般式(IA)及び(IIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂、並びに上記一般式(IIA)及び(VIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有する樹脂(B)は、更に下記一般式(IIIA)又は(VIIA)で表される繰り返し単位を少なくとも1つ有していてもよい。
【0102】
【化42】
【0103】
一般式(IIIA)中、R8aは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R9a及びR10aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アルケニル基、アリール基若しくはアラルキル基を表す。
一般式(VIIA)中、R19a及びR20aは、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R21aは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は−A1−CN基を表す。A1は、単結合又は2価の連結基を表す。
【0104】
上記アルキル基としては、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。
シクロアルキル基としては単環型でもよく、多環型でもよい。単環型としては炭素数3〜8個のものであって、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基を好ましく挙げることができる。多環型としては炭素数6〜20個のものであって、例えばアダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、a−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を好ましく挙げることができる。但し、上記の単環又は多環のシクロアルキル基中の炭素原子が、酸素原子等のヘテロ原子に置換されていてもよい。
【0105】
パーフルオロアルキル基としては、例えば炭素数4〜12個のものであって、具体的にはパーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロオクチルエチル基、パーフルオロドデシル基等を好ましくあげることができる。
ハロアルキル基としては、例えば炭素数1〜4個のハロアルキル基であって、具体的にはクロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、クロロブチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基等を好ましく挙げることができる。
【0106】
アリール基としては、例えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、9,10−ジメトキシアントリル基等を好ましく挙げることができる。
アラルキル基としては、例えば炭素数7〜12個のアラルキル基であって、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を好ましく挙げることができる。
アルケニル基としては、例えば炭素数2〜8個のアルケニル基であって、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基を好ましく挙げることができる。
【0107】
アルコキシ基としては、例えば炭素数1〜8個のアルコキシ基であって、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、アリルオキシ基、オクトキシ基等を好ましく挙げることができる。
アシル基としては、例えば炭素数1〜10個のアシル基であって、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基等を好ましく挙げることができる。
アシロキシ基としては、炭素数2〜12個のアシロキシ基が好ましく、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等を挙げることができる。
アルキニル基としては、炭素数2〜5のアルキニル基が好ましく、例えばエチニル基、プロピニル基、ブチニル基等を挙げることができる。
アルコキシカルボニル基としては、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、t−アミロキシカルボニル基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシカルボニル基等、好ましくは2級、より好ましくは3級のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を挙げることができる。
【0108】
アルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
アルケニレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいエテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6個のものが挙げられる。
シクロアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜8個のものが挙げられる。
アリーレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15個のものが挙げられる。
【0109】
2価の連結基とは、置換基を有していてもよい、2価の、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基若しくはアリーレン基又は−O−CO−R22a−、−CO−O−R23a−若しくは−CO−N(R24a)−R25a−を表す。R22a、R23a及びR25aは、同じでも異なっていてもよく、単結合又はエーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基若しくはウレイド基を有していてもよい、2価の、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基若しくはアリーレン基を表す。R24aは、水素原子又は置換基を有していてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基若しくはアリール基を表す。
【0110】
R0とR1、R0とR2、R3とR4が結合して形成した環としては、例えば5〜7員環であり、具体的にはフッ素が置換したペンタン環、ヘキサン環、フラン環、ジオキソノール環、1,3−ジオキソラン環等が挙げられる。
R36〜R38の内の2つ、又はR36〜R37とR39の内の2つが結合して形成した環としては、例えば3〜8員環であり、具体的にはシクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、フラン環、ピラン環等を好ましく挙げることができる。
【0111】
R14a〜R16aの内の2つ、R18a1〜R18a3の内の2つ又はR18a1、R18a2、R18a4の内の2つが結合して形成する環としては、3〜8員環が好ましく、例えばシクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、テトラメチレンオキシド環、ペンタメチレンオキシド環、ヘキサメチレンオキシド環、フラン環、ピラン環、ジオキソノール環、1,3−ジオキソラン環等を挙げることができる。
【0112】
Zは単環又は多環の脂環式基を構成する原子団を表し、形成される脂環式基としては、単環型として炭素数3〜8個のものであって、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基を好ましく挙げることができる。多環型としては炭素数6〜20個のものであって、例えばアダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、a−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を好ましく挙げることができる。
【0113】
またこれらの基に置換される置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するものや、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、チオエーテル基、アシル基(アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等)、アシロキシ基(アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
ここで、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基は上記で示したものが挙げられるが、アルキル基は、更にフッソ原子、シクロアルキル基で置換されていてもよい。
【0114】
本発明のフッ素基含有樹脂に含まれる、酸の作用により分解しアルカリ可溶性を示す基としては、例えば−O−C(R36)(R37)(R38)、−O−C(R36)(R37)(OR39)、−O−COO−C(R36)(R37)(R38)、−O−C(R01)(R02)COO−C(R36)(R37)(R38)、−COO−C(R36)(R37)(R38)、−COO−C(R36)(R37)(OR39)等が挙げられる。R36〜R39は上記と同義であり、R01、R02は水素原子、上記で示した置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、もしくはアリール基を表す。
【0115】
好ましい具体例としては、t−ブチル基、t−アミル基、1−アルキル−1−シクロヘキシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、2−アダマンチル−2−プロピル基、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−プロピル基等の3級アルキル基のエーテル基又はエステル基、1−アルコキシ−1−エトキシ基、テトラヒドロピラニル基等のアセタール基又はアセタールエステル基、t−アルキルカーボネート基、t−アルキルカルボニルメトキシ基等が好ましく挙げられる。
【0116】
一般式(I)〜(X)で示される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に10〜80モル%、好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは35〜65モル%の範囲で使用される。
一般式(XI)〜(XIII)で表される繰り返し単位の含量は、全ポリマー組成中において、一般的に0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%の範囲で使用される。
一般式(XV)〜(XVII)で表される繰り返し単位の含量は、全ポリマー組成中において、一般的に0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%の範囲で使用される。
【0117】
本発明の(B)の樹脂としては、一般式(I)〜(III)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(IV)〜(VI)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有することが更に好ましい。
また、本発明の(B)の樹脂としては、一般式(IV)〜(VI)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(VIII)〜(X)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有することが上記と同様に更に好ましい。
【0118】
更に、本発明の(B)の樹脂としては、一般式(IV)〜(VII)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(XV)〜(XVII)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有することが上記と同様に更に好ましい。
これにより、樹脂における157nmの透過性を十分に高め、且つ耐ドライエッチング性の低下を抑えることができる。
【0119】
本発明の(B)の樹脂が、一般式(I)〜(III)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(IV)〜(VI)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有する場合、一般式(I)〜(III)で示される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%の範囲で使用される。
一般式(IV)〜(VI)で表される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に10〜80モル%、好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは35〜65モル%の範囲で使用される。
【0120】
本発明の(B)の樹脂が、一般式(IV)〜(VI)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(VIII)〜(X)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有する場合、一般式(IV)〜(VI)で示される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に10〜80モル%、好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは35〜65モル%の範囲で使用される。
一般式(VIII)〜(X)で表される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%の範囲で使用される。
【0121】
本発明の(B)の樹脂が、一般式(IV)〜(VII)で示される繰り返し単位を少なくとも一つと、一般式(XV)〜(XVII)で示される繰り返し単位を少なくとも一つを有する場合、一般式(IV)〜(VII)で示される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に10〜80モル%、好ましくは30〜70モル%、更に好ましくは35〜65モル%の範囲で使用される。
一般式(XV)〜(XVII)で表される繰り返し単位の含量の合計は、全ポリマー組成中において、一般的に0〜70モル%、好ましくは10〜60モル%、更に好ましくは20〜50モル%の範囲で使用される。
【0122】
一般式(IA)及び(IIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有するフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(IA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に5〜80モル%、好ましくは10〜75モル%、更に好ましくは20〜70モル%である。
一般式(IA)及び(IIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有するフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(IIA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%、更に好ましくは20〜65モル%である。
一般式(IIA)及び(VIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有するフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(IIA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%、更に好ましくは20〜65モル%である。
一般式(IIA)及び(VIA)で示される繰り返し単位を各々少なくとも1つ有するフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(VIA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に5〜80モル%、好ましくは10〜70モル%、更に好ましくは20〜65モル%である。
これらのフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(IIIA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に1〜40モル%、好ましくは3〜35モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
これらのフッ素基含有樹脂(B)に於いて、一般式(VIIA)で示される繰り返し単位の含量は、一般的に1〜40モル%、好ましくは3〜35モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
【0123】
本発明(B)の樹脂は、上記のような繰り返し構造単位以外にも、更に本発明の組成物の性能を向上させる目的で、他の重合性モノマーを共重合させてもよい。
【0124】
使用することができる共重合モノマーとしては、以下に示すものが含まれる。例えば、上記以外のアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
【0125】
具体的には、例えばアクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)アクリレート(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、など)アリールアクリレート(例えばフェニルアクリレートなど);
【0126】
メタクリル酸エステル類、例えば、アルキル(アルキル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)メタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど)、アリールメタクリレート(例えば、フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなど);
【0127】
アクリルアミド類、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基などがある。)、N−アリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがある。)、N,N−ジアリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基などがある。)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど;
【0128】
メタクリルアミド類、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基などがある。)、N−アリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基などがある。)、N,N−ジアリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基などがある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなど;アリル化合物、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど;
【0129】
ビニルエーテル類、例えば、アルキルビニルエーテル(例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど)、ビニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルなど);
【0130】
ビニルエステル類、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サルチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルなど;
【0131】
スチレン類、例えば、スチレン、アルキルスチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えば、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、カルボキシスチレン、ビニルナフタレン;
【0132】
クロトン酸エステル類、例えば、クロトン酸アルキル(例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネートなど);イタコン酸ジアルキル類(例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど);マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキルエステル類(例えば、ジメチルマレレート、ジブチルフマレートなど)、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等がある。その他、一般的には共重合可能である付加重合性不飽和化合物であればよい。
【0133】
以下に一般式(I)〜(X)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0134】
【化43】
【0135】
【化44】
【0136】
【化45】
【0137】
【化46】
【0138】
【化47】
【0139】
【化48】
【0140】
【化49】
【0141】
また一般式(XI)〜(XIII)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0142】
【化50】
【0143】
【化51】
【0144】
【化52】
【0145】
【化53】
【0146】
また一般式(XVI)〜(XVII)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0147】
【化54】
【0148】
以下に、一般式(IA)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0149】
【化55】
【0150】
【化56】
【0151】
【化57】
【0152】
【化58】
【0153】
【化59】
【0154】
【化60】
【0155】
【化61】
【0156】
【化62】
【0157】
【化63】
【0158】
以下に、一般式(IIA)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0159】
【化64】
【0160】
【化65】
【0161】
【化66】
【0162】
【化67】
【0163】
更に、一般式(IIA)で表される繰り返し単位の具体例として、先に例示した(F−40)〜(F−45)を挙げることができる。
【0164】
以下に、一般式(VIA)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0165】
【化68】
【0166】
【化69】
【0167】
【化70】
【0168】
【化71】
【0169】
【化72】
【0170】
更に、一般式(VIA)で表される繰り返し単位の具体例として先に例示した(F−29)〜(F−38)及び(F−47)〜(F−54)を挙げることができる。
【0171】
以下に、一般式(IIIA)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0172】
【化73】
【0173】
【化74】
【0174】
以下に、一般式(VIIA)で表される繰り返し構造単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0175】
【化75】
【0176】
上記具体例で表される繰り返し構造単位は、各々1種で使用してもよいし、複数を混合して用いてもよい。
上記繰り返し構造単位を有する本発明の樹脂(B)の好ましい分子量は、重量平均で1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜20,000の範囲で使用される。分子量分布は1〜10であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状、及びレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
【0177】
本発明の樹脂(B)の添加量は組成物の全固形分を基準として、一般的に50〜100質量%、好ましくは60〜98質量%、更に好ましくは65〜95質量%の範囲で使用される。
【0178】
≪(C)塩基性化合物≫
本発明のポジ型感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物(C)を用いるが、更に現像欠陥を抑制する為に構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物(C)を併用する。
塩基性化合物(C)の好ましい構造として、下記式(A)〜(E)で示される構造を挙げることができる。
【0179】
【化76】
【0180】
ここでR250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基であり、ここでR250とR251は互いに結合して環を形成してもよい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
【0181】
【化77】
【0182】
(式中、R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示す)。
好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダーゾル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられ、モノ、ジ、トリアルキルアミン、置換もしくは未置換のアニリン、置換もしくは未置換のピペリジン、モノあるいはジエタノールアミン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0183】
好ましい化合物としては、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−ヒドロキシエチルピペリジン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N−シクロヘキシル−N’−モルホリノエチルチオ尿素等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0184】
更に好ましい化合物として、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルホリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン、置換もしくは未置換のピペリジン、更に、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、またはアニリン構造を有する化合物を挙げることができる。
【0185】
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等があげられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナー5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エンなどがあげられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドなどがあげられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタンー1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等があげられる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。いずれも例示の具体例に限定されるものではない。
【0186】
本発明に於いては、塩基性化合物(C)として、例えば、上記の塩基性化合物(C)の内から任意に構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物(C)、例えば、構造の異なる2種類の塩基性化合物(C)、構造の異なる3種類の塩基性化合物(C)又は構造の異なる4種類以上の塩基性化合物(C)を使用する。構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物(C)を使用する際に、最も少量使用する塩基性化合物(C)の使用割合は、塩基性化合物(C)全体の10質量%以上とすることが好ましい。本発明においては、塩基性化合物(C)として、構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物(C)を使用することにより、現像欠陥を抑制し、且つ引きおき経時による線幅変動を改善することができる。
【0187】
本発明に於いて、構造の異なる2種類の塩基性化合物を混合することは、異なる物性を有する塩基性化合物を混合することを意味する。
その物性とは、例えば、pKa、分子サイズ(分子の大きさ)、融点、沸点、蒸気圧、logPなどが挙げられる。ここでいうpKaは共役酸のpKaを表す。
【0188】
異なるpKaを有する塩基性化合物を混合する場合、高いpKaを有するものと低いpKaを有するものを混ぜることが想像されるが、必ずしもそれには限らず、高いpKaだが若干異なるものや、低いpKaだが若干異なるものなどを混合させることも可能である。すなわち2種の有機塩基性化合物のpKa差が0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。
pKaは、塩基性窒素の塩基性度を表す尺度であり、窒素上の電荷密度と相関することが知られている。窒素上の電荷密度は、分子軌道計算を用いて計算することが出来る。例えば、分子軌道計算としては、MOPACなどを用いることが出来、それにより求めた値をpKaと同様、塩基性を示す尺度として用いることが出来る。その計算方法は、様々な方法が知られているが、一般的には、分子を分子力学計算(例えばMM2パラメーターを使用)により立体的に分子構造を最適化した後、分子の電子状態を加味した方法である分子軌道計算としてMOPAC(パラメーターはAM1を使用)で計算し、その電荷密度を得ることが出来る。それにより求めた場合、窒素上の電荷の値が、0.01以上離れた2種を混合することが好ましく、0.02以上離れた2種を混合することがより好ましい。
【0189】
分子サイズは、主として拡散性を制御する因子として考えられる。分子サイズは分子の大きさを表しており、様々な方法でそれを数値化することが出来る。例えば、分子を分子力学計算(例えばMM2パラメーターを使用)により立体的に分子構造を最適化した後、分子の電子状態を加味した方法である分子軌道計算としてMOPAC(パラメーターはPM3を使用)で計算し、その分子の表面積、体積を求めることが出来る。一般に表面積よりも体積を使用するのが好ましい。その組成物に応じて必要な拡散性、すなわち大きさが変化するため、一概に理想的な大きさを規定することは出来ないが、通常分子サイズが大きいものと小さいものを混合させることにより、その拡散性を制御することが可能となる。先の方法で算出した分子の体積値を使用すると、好ましい分子サイズ差は、10A3以上であり、さらに好ましくは15A3以上である。
【0190】
融点、沸点あるいは蒸気圧は、その分子の揮発性や相溶性を左右する物性であり、時にはレジスト膜中での分布をも左右する。融点、沸点はそれぞれ10℃以上離れていることが好ましく、より好ましくは20℃以上離れている。
【0191】
logPは、分子の親疎水性を表す指標として知られており、膜中での相溶性などの観点で重要な因子である。異なるlogPを有する有機塩基性化合物を混合することで、膜内の分布を制御することができる。logPの値は、0.2以上離れていることが好ましく、0.4以上離れていることがより好ましい。
【0192】
以上示したように、構造の異なる2種類の有機塩基性化合物を混合することは、必ずしも一つのパラメーターにのみ支配されないため、通常二つ以上の条件を満たす。しかしながら、条件は一つ満たせば十分で、かつ、その値は上記好ましい範囲には限定されない。
【0193】
本発明における塩基性化合物(C)の好ましい組合せとしては、トリ(n−ブチル)アミンとジイソプロピルアニリン、トリ(n−ブチル)アミンとN,N−ジメチルピリジン、トリ(n−ブチル)アミンと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリ(n−ブチル)アミンとトリフェニルイミダゾール、ジイソプロピルアニリンとN,N−ジメチルピリジン、ジイソプロピルアニリンと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ジイソプロピルアニリンとトリフェニルイミダゾール、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンとアンチピリン、ジイソプロピルアニリンとジシクロヘキシルメチルアミン、アンチピリンとトリ(n−ブチル)アミン、ヒドロキシアンチピリンとアンチピリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドとジイソピロピルアニリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドとテトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドとトリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルアニリンとジシクロヘキシルメチルアミンとトリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−ブチル)アミンと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンとジイソプロピルアニリン、トリ(n−ブチル)アミンと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンとジイソプロピルアニリン、等を挙げることができる。
【0194】
(C)塩基性化合物の使用量は、少なくとも2種類の塩基性化合物(C)を合計して、ポジ型感光性組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
0.001質量%未満では上記塩基性化合物の添加の効果が得られない。一方、10質量%を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0195】
≪(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、少なくとも上記成分(A)〜(C)を含有するが、更に(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物が上記(D)界面活性剤とを含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
これらの(D)界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同 5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0196】
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C6F13基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C8F17基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
【0197】
(D)界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
【0198】
≪(E)有機溶剤≫
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤に溶解して用いる。
使用し得る有機溶剤としては、例えば、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。
【0199】
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用することが好ましい。これによりレジスト液保存時のパーティクル発生を軽減することができる。
水酸基を含有する溶剤としては、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル等を挙げることができ、これらの内でプロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルが特に好ましい。
水酸基を含有しない溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができ、これらの内で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、一般的に1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
【0200】
≪(F)酸分解性溶解阻止化合物≫
本発明のポジ型感光性組成物は、更に(F)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解性を増大させる基を有し、分子量3000以下の溶解阻止低分子化合物(以下、「(F)酸分解性溶解阻止化合物」ともいう)を含有することが好ましい。
特に220nm以下の透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の様な、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が(F)酸分解性溶解阻止化合物として好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、上記酸分解性樹脂のところで説明したものと同様のものが挙げられる。酸分解性溶解阻止化合物(F)の分子量は、100〜3000とすることが好ましい。
(F)酸分解性溶解阻止化合物の添加量は、ポジ型感光性組成物の全組成物の固形分に対し、好ましくは3〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。
以下に(F)酸分解性溶解阻止化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
【0201】
【化78】
【0202】
≪(G)アルカリ可溶性樹脂≫
本発明のポジ型感光性組成物は、酸分解性基を含有していない、(G)水に不溶でアルカリ現像液に可溶な樹脂を含有することができ、これにより感度が向上する。
本発明においては、分子量1000〜20000程度のノボラック樹脂類、分子量3000〜50000程度のポリヒドロキシスチレン誘導体をこのような樹脂として用いることができるが、これらは250nm以下の光に対して吸収が大きいため、一部水素添加して用いるか、又は全樹脂量の30質量%以下の量で使用するのが好ましい。
また、カルボキシル基をアルカリ可溶性基として含有する樹脂も用いることができる。カルボキシル基を含有する樹脂中にはドライエッチング耐性向上のために単環、又は多環の脂環炭化水素基を有していることが好ましい。具体的には酸分解性を示さない脂環式炭化水素構造を有するメタクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体あるいは末端にカルボキシル基を有する脂環炭化水素基の(メタ)アクリル酸エステルの樹脂などを挙げることができる。
【0203】
≪その他の添加剤≫
本発明のポジ型感光性組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記(D)成分以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明で使用できる現像液に対する溶解促進性化合物は、フェノール性OH基を2個以上、又はカルボキシ基を1個以上有する分子量1,000以下の低分子化合物である。カルボキシ基を有する場合は上記と同じ理由で脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。
これら溶解促進性化合物の好ましい添加量は、(B)ポリマー骨格の主鎖及び/又は側鎖にフッ素原子が置換した構造を有し、且つ酸の作用により分解し、アルカリ現像液に対する溶解度を増大する基を有するフッ素基含有樹脂に対して一般的に2〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。50質量%を越えた添加量では、現像残渣が悪化し、また現像時にパターンが変形するという新たな欠点が発生して好ましくない。
【0204】
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938、特開平2−28531、米国特許第4916210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0205】
本発明においては、上記(D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0206】
≪使用方法≫
本発明のポジ型感光性組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
すなわち、上記ポジ型感光性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布する。
塗布後、所定のマスクを通して露光し、ベークを行い現像する。このようにすると、良好なレジストパターンを得ることができる。ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等が挙げられる。これらの中でも、180nm以下、特にF2エキシマレーザー光(157nm)の露光光源の使用が好適である。
【0207】
現像工程では、現像液を次のように用いる。ポジ型感光性組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0208】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容はこれにより限定されるものではない。
【0209】
[合成例1]
1Lオートクレーブ中にノルボルネン9.4g(0.10モル)、ノルボルネン−2−カルボン酸t−ブチルエステル19.4g(0.10モル)の1,1,2−トリクロロ−トリフルオロエチレン150ml溶液を入れ、窒素雰囲気下200psiに加圧した。更にテトラフロオロエチレン20g(0.20モル)を注入し、攪拌下、50℃に加熱した。この反応液にジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート1.2gの1,1,2−トリクロロ−トリフルオロエチレン15ml溶液を20分かけて注入し、更に20時間攪拌を続けた。反応終了後、反応液をメタノール2L中に激しく攪拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別、真空下乾燥後、本発明の樹脂(1)23.5gを得た。
GPC測定により、樹脂(1)の分子量は重量平均(Mw)で6,200であった。またC13−NMR測定により、樹脂(1)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−1)/ノルボルネン/(B−16)=45/30/25であった。
【0210】
[合成例2]
下記モノマー(a)14.3g(0.04モル)、無水マレイン酸3.9g(0.04モル)、t−ブチルアクリレート2.6g(0.02モル)をMEK100mlに溶解し、窒素気流下、70℃に加熱した。重合開始剤として、V−601(和光純薬工業(株)製)0.2gを加え、3時間攪拌した。更にV−601を0.2g追加し、4時間攪拌を続けた。その後、反応液をt−ブチルメチルエーテル1L中に激しく攪拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別、真空下乾燥後、本発明の樹脂(2)12.1gを得た。
GPC測定により、樹脂(2)の分子量は重量平均(Mw)で8,900であった。またC13−NMR測定により、樹脂(2)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−21)/無水マレイン酸/(B−4)=39/38/23であった。
【0211】
【化79】
【0212】
[合成例3]
下記モノマー(b)6.7g(0.015モル)、2−メチル−2−アダマンタンメタクリレート1.4g(0.006モル)、メバロニックラクトンメタクリレート1.8g(0.009モル)を1−メトキシ−2−プロパノール30mlに溶解し、窒素気流及び撹拌下、70℃にて重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製;商品名V−65)0.1gとモノマー(b)15.6g(0.035モル)、2−メチル−2−アダマンタンメタクリレート3.3g(0.014モル)、メバロニックラクトンメタクリレート4.2g(0.021モル)の1−メトキシ−2−プロパノール70ml溶液を2時間かけて滴下した。2時間後開始剤0.1gを追加し、更に2時間反応を行った。その後90℃に昇温し撹拌を1時間続けた。反応液を放冷後、イオン交換水/メタノール(1/1)1Lに激しく撹拌しながら投入することにより、白色樹脂を析出させた。得られた樹脂を減圧下で乾燥後、本発明の樹脂(3)15.8gを得た。
GPCにて分子量を測定したところ、重量平均(Mw)で10,200であった。またC13−NMR測定により、樹脂(3)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−30)/(B−7)/(B−11)=48/21/31であった。
【0213】
【化80】
【0214】
[合成例4〜12]
以下、同様にして表1に示す本発明(B)の樹脂を合成した。
【0215】
【表1】
【0216】
[合成例13]
1Lオートクレーブ中にノルボルネン9.4g(0.10モル)、下記モノマー(a)35.8g(0.10モル)の1,1,2−トリクロロ−トリフルオロエチレン150ml溶液を入れ、窒素雰囲気下200psiに加圧した。更にテトラフロオロエチレン20g(0.20モル)を注入し、攪拌下、50℃に加熱した。この反応液にジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート1.2gの1,1,2−トリクロロ−トリフルオロエチレン15ml溶液を20分かけて注入し、更に20時間攪拌を続けた。反応終了後、反応液をメタノール2L中に激しく攪拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別、真空下乾燥後、本発明の樹脂(13)37.4gを得た。
GPC測定により、樹脂(13)の分子量は重量平均(Mw)で8,800であった。またC13−NMR測定により、樹脂(13)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−1)/(F−21)/ノルボルネン=48/30/22であった。
【0217】
【化81】
【0218】
[合成例14]
合成例13のモノマー(a)の代わりに、下記モノマー(c)32.2g(0.04モル)を用い、以下合成例13と同様にして、本発明の樹脂(14)34.1gを合成した。
GPC測定により、樹脂(14)の分子量は重量平均(Mw)で7,400であった。またC13−NMR測定により、樹脂(14)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−1)/(F−15)/ノルボルネン=49/25/26であった。
【0219】
【化82】
【0220】
[合成例15〜22]
以下、同様にして表2に示す本発明(B)の樹脂を合成した。
【0221】
【表2】
【0222】
[合成例23]
下記モノマー(a)14.3g(0.04モル)、無水マレイン酸3.9g(0.04モル)、ノルボルネン−2−カルボン酸パーフルオロオクチルエチル11.7g(0.02モル)をMEK100mlに溶解し、窒素気流下、70℃に加熱した。重合開始剤として、V−601(和光純薬工業(株)製)0.2gを加え、3時間攪拌した。更にV−601を0.2g追加し、4時間攪拌を続けた。その後、反応液をt−ブチルメチルエーテル1L中に激しく攪拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別、真空下乾燥後、本発明の樹脂(23)16.2gを得た。
GPC測定により、樹脂(23)の分子量は重量平均(Mw)で8,700であった。またC13−NMR測定により、樹脂(23)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−21)/(F−55)/無水マレイン酸=42/18/40であった。
【0223】
【化83】
【0224】
[合成例24]
下記モノマー(b)6.7g(0.015モル)、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート2.7g(0.005モル)、2−メチル−2−アダマンタンメタクリレート1.2g(0.005モル)、メバロニックラクトンメタクリレート1.0g(0.005モル)を1−メトキシ−2−プロパノール30mlに溶解し、窒素気流及び撹拌下、70℃にて重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製;商品名V−65)0.1gとモノマー(b)15.6g(0.035モル)、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート6.4g(0.012モル)、2−メチル−2−アダマンタンメタクリレート2.8g(0.012モル)、メバロニックラクトンメタクリレート2.4g(0.012モル)の1−メトキシ−2−プロパノール70ml溶液を2時間かけて滴下した。2時間後開始剤0.1gを追加し、更に2時間反応を行った。その後90℃に昇温し撹拌を1時間続けた。反応液を放冷後、イオン交換水/メタノール(1/1)1Lに激しく撹拌しながら投入することにより、白色樹脂を析出させた。得られた樹脂を減圧下で乾燥後、本発明の樹脂(24)21.5gを得た。
GPCにて分子量を測定したところ、重量平均(Mw)で10,500であった。またC13−NMR測定により、樹脂(24)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−30)/(F−48)/(B−7)/(B−11)=48/15/18/19であった。
【0225】
【化84】
【0226】
[合成例25〜32]
以下、同様にして表3に示す本発明の樹脂(B)を合成した。
【0227】
【表3】
【0228】
[合成例33]
4−[ビス(トリフルオロメチル)−ヒドロキシメチル]スチレン13.5g(0.05モル)、メタクリロニトリル3.4g(0.05モル)をN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解し、窒素気流下、70℃に加熱した。重合開始剤として2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製;商品名V−65)0.1gを加え、3時間攪拌した。更にV−65を0.1g追加し、4時間攪拌を続けた。その後、反応液をメタノール/t−ブチルメチルエーテル1L中に激しく攪拌しながら投入し、白色の樹脂を析出させた。析出した樹脂を濾別、真空下乾燥後、THF100mlに溶解し、エチルビニルエーテル2.9g(0.04モル)を加え、p−トルエンスルホン酸を触媒量添加して、室温にて8時間攪拌した。反応液にトリエチルアミンをp−トルエンスルホン酸触媒の2倍量加えて反応を停止させ、超純水3L中に激しく攪拌しながら投入した。析出した樹脂を濾別、乾燥して本発明の樹脂(33)14.1gを得た。
GPC測定により、樹脂(33)の分子量は重量平均(Mw)で10,900であった。またC13−NMR、IR測定により、樹脂(33)の組成を調べたところ、モル比で構造例(F−39)/(F−42)/(C−10)=16/36/48であった。
【0229】
[合成例34〜40]
以下同様にして、表4に示す本発明の樹脂(B)を合成した。
【0230】
【表4】
【0231】
[合成例41〜68]
樹脂(42)の合成
還流管及び窒素導入管を備えた100mlの3つ口フラスコ中に、4−(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)スチレン(セントラル硝子社製)、4−(1−メトキシエトキシ)スチレン(東ソー社製)を各々モル比50/50の割合で仕込んだ後、テトラヒドロフランを加え、モノマー濃度30質量%の反応液全30gを調整した。それを攪拌及び窒素気流下65℃まで加熱した。アゾ系重合開始剤V−65(和光純薬工業社製)を前記2つのモノマー合計のモル数に対して5.0モル%添加し、窒素気流下攪拌しながら8時間反応させた。得られた反応液にヘキサン200mlを添加し、生成したポリマーを溶液から沈殿させて未反応モノマーを分離精製した。C13−NMRから求めたポリマー組成は、49/51であった。
得られたポリマーをGPC(THF溶媒中、標準ポリスチレン換算)にて分析したところ、重量平均分子量10,200、分散度2.20、ポリマー中に含まれる分子量1000以下の割合は15質量%であった。
以下、同様にして表5に示す本発明の樹脂(B)を合成した。
【0232】
【表5】
【0233】
<レジスト調製>
〔実施例1〜34及び比較例1〜4〕
表6〜7に示す素材を溶解させ固形分濃度12質量%の溶液を調整し、これを0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターでろ過してポジ型感光性組成物を調製した。調製した組成物を下記方法で評価を行い、結果を表9〜10に示した。
【0234】
【表6】
【0235】
【表7】
【0236】
表6〜7における略号は以下のとおりである。
LCB;リトコール酸t−ブチル
【0237】
塩基性化合物についての略号は、以下の通りである。尚、表6〜7における塩基性化合物の比率は、質量比であり、塩基性化合物の合計質量を0.03gとした。
1:トリ(n−ブチル)アミン
2:トリフェニルイミダゾール
3:ジイソプロピルアニリン
4:アンチピリン
5:ヒドロキシアンチピリン
6:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
7:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
8:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
9:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
10:ジシクロヘキシルメチルアミン
【0238】
W−1:メガファックF176(大日本インキ(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W‐4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
W−5:メガファックF−475(大日本インキ化学工業(株)製)
W−6:C6F13基を有するアクリレートと(ポリ(オキシプロピレン))アクリレートと(ポリ(オキシエチレン))メタクリレートとの共重合体
W−7:C6F13基を有するアクリレートと(ポリ(エチレンオキシとプロピレンオキシとエチレンオキシとのブロック))アクリレート
【0239】
溶剤についての略号は以下のとおりである。尚、表6〜7における複数使用の場合の比は質量比である。
A1;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
A2;2−ヘプタノン
A3;エチルエトキシプロピオネート
A4;γ−ブチロラクトン
A5;シクロヘキサノン
B1;プロピレングリコールメチルエーテル
B2;乳酸エチル
【0240】
上記塩基性化合物は、下記表8に示す物性を有する。
表8と上記実施例を照合することにより、各実施例では各種異なる物性の2種の塩基性化合物を混合していることが分かる。
尚、本発明に於いて、塩基性化合物の構造が異なるとは、必ずしもすべての項目において物性が異なるわけではなく、少なくとも一つの物性が異なれば良いことを意味する。
また、指標の一つであるpKaの値は、測定溶媒などにより異なるため、表8には記載せず、その代用指標として電荷密度を記載した。アミンの場合は、基本的にN上の電荷密度がpKaと対応し、ヒドロキシイオンを有する化合物(8および9)の場合は、OH−の酸素上の電荷密度がpKaと対応する。
【0241】
【表8】
【0242】
a):CACheシステムを使用し、MM2パラメーターを用い分子力学的に初期構造を最適化した後、PM3パラメーターを用いて二次構造最適化及び体積をMOPAC計算にて算出。
b):一般的な原子算出方法により算出。
c):CACheシステムを使用し、MM2パラメーターを用い分子力学的に初期構造を最適化した後、AM1パラメーターを用いて二次構造最適化及び体積をMOPAC計算にて算出。
d):c)と同様。ただし、分子内に2つの窒素原子を有する場合のみ。
e):塩基性がOH−である分子にのみ適用。計算方法は、c)、d)と同様。
f):使用したlogP算出方法のパラメーターに含まれない原子を含んだ化合物であり、算出不能。
【0243】
<画像評価法>
スピンコーターにてヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜DUV−30Jを85オングストローム均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で乾燥した後、190℃で240秒間加熱乾燥を行った。その後、各感光性樹脂組成物をスピンコーターで塗布し120℃で90秒乾燥を行い0.30μmのレジスト膜を形成させた。このレジスト膜に対し、マスクを通してKrFエキシマレーザーステッパー(CANON社製 Ex−5 NA=0.63)で露光し、露光後直ぐに120℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、0.15μmのL/Sのパターンを形成させた。
【0244】
(1)現像欠陥評価
上記のようにして得られたレジストパターンについて、ケーエルエー・テンコール(株)製KLA−2112機により現像欠陥数を測定し、得られた1次データ値を現像欠陥数とした。
【0245】
(2)引きおき経時による線幅変動
引きおき経時による線幅変動とは、露光直後に後加熱をして画像形成したときの線幅と、露光後1時間放置後に後加熱をして画像形成したときの線幅の差を表す。
即ち、上記画像露光法により得た0.15μmのL/Sパターンに対し、露光後1時間放置後に後加熱して画像形成したときの同じ場所のL/Sパターンの線幅を測長SEMにより測定し、0.15μmからその値を引いて線幅変動とした。値が小さいほど好ましい。
評価結果を下記表9〜10に示す。
【0246】
【表9】
【0247】
【表10】
【0248】
表9〜10に示される結果より以下のことが明らかである。
実施例1〜34の組成物は、現像欠陥が抑制され、且つ引きおき経時による線幅変動が小さい。
一方、比較例1〜4の組成物は、現像欠陥、引きおき経時による線幅変動において、実施例の組成物と比較して劣る。
【0249】
【発明の効果】
本発明に係わるポジ型感光性組成物は、現像欠陥が抑制され、且つ引きおき経時による線幅変動が小さい。
Claims (6)
- (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤、
(B)ポリマー骨格の主鎖及び/又は側鎖にフッ素原子が置換した構造を有し、且つ酸の作用により分解し、アルカリ現像液に対する溶解度を増大する基を有するフッ素基含有樹脂、及び
(C)構造の異なる少なくとも2種類の塩基性化合物
を含有することを特徴とするポジ型感光性組成物。 - (B)の樹脂が、パーフルオロアルキレン基、パーフルオロアリーレン基から選択される部位を、ポリマー骨格の主鎖に少なくとも一つ有するか、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、ヘキサフルオロ−2−プロパノ−ル基、及びヘキサフルオロ−2−プロパノ−ル基のOH基を保護した基から選択される部位を、ポリマー骨格の側鎖に少なくとも一つ有するフッ素基含有樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性組成物。
- 180nm以下の波長の遠紫外光による露光用組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 更に、(D)フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のポジ型感光性組成物。
- 更に、(F)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解性を増大させる基を有し、分子量3000以下の溶解阻止低分子化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のポジ型感光性組成物。
- 更に、(E)水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を含有することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のポジ型感光性組成物。
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