JP2004101541A - 化学分析装置 - Google Patents

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Akira Miyake
三宅 亮
Yoshihiro Nagaoka
長岡 嘉浩
Akira Koide
小出 晃
Shigeo Watabe
渡部 成夫
Yasuhiko Sasaki
佐々木 康彦
So Kato
加藤 宗
Takao Terayama
寺山 孝男
Hiroshi Mimaki
三巻 弘
Hiroyasu Uchida
内田 裕康
Takeshi Shibuya
渋谷 武志
Yasuhiro Yoshimura
吉村 保廣
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Abstract

【課題】
 従来に比べ、小型、省スペースの化学分析装置の要求がる。さらに試料、試薬同士の相互汚染を防止し、純水の使用量が少なくし、純水製造装置などの付帯設備必要としなくすることである。
【解決手段】
 複数の反応容器を保持し、所定の位置でサンプルおよび試薬が供給される反応容器フォルダと、前記サンプルの物性を計測する計測手段とを備えた化学分析装置において、複数の試薬容器と前記試薬容器の下部に、各々の試薬容器に対応して設けられた送液手段と前記反応容器外部に設けられ、この反応容器に向かって音波を発生する一つ以上の音波発生手段を備え、かつ、洗浄液の汚染状態に応じた貯蔵容器を備え、反応容器の汚染状況に応じて再利用を図る構成とした。
【選択図】 図1

Description

 本発明は液体中に溶存する物質の種類と濃度を定量する化学分析装置に係り、特に生体液や水などの成分分析を行う化学分析装置に関する。
 従来の化学分析装置としては、米国特許第4,451,433号公報に記載の化学分析装置がある。この装置は、血液中の蛋白質、酵素、尿中の成分などを分析・定量するための比色測定部と、血液中のイオンを分析するイオン分析部からなり、一時間に数百テストから、大形のものでは9000テスト以上の処理速度を持つ。特に比色測定部は処理速度を上げるために、本体上面に設けたターンテーブルの円周上に多数の反応容器を取付け、オーバーラップ処理により順次サンプルを混合・反応・計測する構成である。
 この装置は、サンプル、試薬を反応容器に供給するための自動サンプル・試薬供給機構と、数十種類の試薬容器を保持する保持部と、反応容器内のサンプルと試薬とを撹拌する自動撹拌機構と、反応中あるいは反応が終了したサンプルの物性を計測する計測器と、計測の終了したサンプルを吸引・排出し、反応容器を洗浄する自動洗浄機構と、自動サンプル・試薬供給機構を洗浄する自動洗浄機構と、これらの動作をコントロールする制御部などからなる。
 対象とする比色測定項目としては数十種類あり、通常の検査項目においても一つの検体に対し、最低でも十種類程度の項目について分析を行う。従来例では、試薬供給機構として、試薬ピペッティング機構が用いられている。試薬ピペッティング機構は主に内部に試薬を吸引して保持するノズルと、そのノズルを3次元的に移動させる機構、試料をノズル内に吸引吐出させるための吸引吐出制御ポンプから成る。
 ポンプの吸引吐出動作を応答性良くノズルに伝達するために、ポンプからノズルの間の管路には純水(以下システム水と呼ぶ)が満たされている。なお、システム水と試薬の混合を避けるために両者の間は空気で分節されている。この空気層は試薬を吸引する前に空気をノズル内に吸引することで形成する。
 試薬の供給は以下の要領で行われる。まず3次元移動機構によりノズルが試薬容器内に浸され、内部に所定量の試薬を吸引する。その後試薬容器を離れて反応容器上部に移動し、ノズル内部の試薬を吐出する。試薬を吐出した後は、次の試薬への汚染を避けるためにノズル洗浄槽でノズル内部と外部を洗浄液で流す。試薬ピペッティング機構のノズルが移動する軌跡は決まっているため、その移動下部に試薬容器を保持するための保持部が設けられている。
 他の従来技術として、特開昭63-131066号公報記載の自動分析装置がある。試料のサンプリング、混合・反応、測光、反応容器の洗浄等は、先に述べた従来技術と同じであるが、試薬の供給方式が異なる。
 この従来技術では、装置の小型化を図ることを第1の目的として、反応容器フォルダの上側に試薬容器ホルダを配置し、所定の2点で反応容器と試薬容器がオーバーラップするようにしている。そのため、反応容器への試薬の吐出は、各試薬容器の側面に一体形成されたピストンによって行われる。ピストンの駆動は、試薬の吐出位置に設けられたピストンロッド駆動装置によって行われる。
 吐出位置では、試薬容器のピストンロッド駆動装置が一時的に接続する。次にピストンロッドは上方へ引き上げられ、試薬容器中の試薬をピストン内に吸引する。最上部に至った段階で、ピストンを回転させる歯車と噛合い、その歯車によりピストンを180度回転させる。その際、ピストンの回転により吸引のために開いていた孔が閉じられ、反対に吐出口に繋がる孔が開く。ピストンロッドが下方へ動作すると、ピストン内の試薬は、前記孔を経て反応容器中に放出される。
 上記従来技術には以下に挙げる3つの問題点がある。
 まず、1番目には装置の小型化、省スペース化が不十分な点、さらに2番目として試料、試薬同士の相互汚染が完全に防止できない点、3番目として純水の使用量が多く、そのため装置外部に純水製造装置を用意する必要があり、また定期的にフィルター等を交換する必要があり余分なコスト、設置場所が必要となる点である。以下の各々の課題について詳細に説明する。
 従来技術において小型化、省スペース化が困難な理由について説明する。第1の従来技術では、サンプルと試薬をピペッティング機構で行っているため、サンプリング、洗浄、吸引、吐出などの動作に対応する要素を全てピペッタノズルの移動軌跡下に平面的に配置する必要がある。また、相互に干渉を避けるために、ある程度のスペースが必要となる。また、平面的に配置する要素の種類・数が多いことも小型化を阻害する要因となっている。
 撹拌機構の周辺の省スペース化についても同様の課題が存在する。従来技術では撹拌をヘラで行っている。このため、ヘラの洗浄装置が必要となり、洗浄装置をヘラの移動軌跡と干渉しないように配置する必要があり、省スペース化が困難となっている。このように試薬ピペッティング機構、ヘラによる撹拌機構を採用しているために、要素の相対位置に制限があり、コンパクトな配置が採れず、小型化が困難となっている。
 第2の従来技術では、試薬ホルダと反応容器ホルダを交差させ、幾分の小型化を達成可能としている。しかし、撹拌機構については第1の従来技術と同様であり装置全体で見た場合、小型化が不十分である。
 次に、相互汚染の防止に関する課題について述べる。相互汚染は別々の試料・試薬を共通の供給手段で行うために発生する。
 第1の従来技術では、単一のノズルで次々に試料を吸引・吐出する試料サンプリング機構を備えている。また、同じく単一のノズルで数十に上る試薬を吸引・吐出する試薬ピペッティング機構や、反応容器中の試料・試薬を撹拌する撹拌機構の部分で相互汚染が発生しやすい。
 反応容器は、測光が終了した後、複数回洗浄液で洗浄しているため十分な洗浄が可能である。しかし、試料、試薬のノズル部、撹拌機構に関しては1サイクルという短い時間の中で洗浄を行うために十分な洗浄は難しい。特に生化学の場合、試料より試薬の残留による相互汚染が分析結果に甚大な影響を及ぼす。
 そのため、試薬ピペッティング機構のノズルと、撹拌機構のヘラでの相互汚染の防止が課題となっている。上記第2の従来技術では試薬容器毎に試薬吐出用ポンプを設けており、試薬供給系での相互汚染は防止されるが、撹拌機構では従来のヘラによる機構を採用しており依然この部分で相互汚染が発生する。
 次に純水使用量の低減、およびそれに伴う付帯設備の簡素化が課題となっている。純水の大半は第2の課題でも述べた洗浄液としての利用される。従って、洗浄液量を低減すれば大幅に純水使用量を低減させることが可能である。しかし、従来技術では相互汚染を防止するために大量の洗浄液を使用する必要がある。特に試料サンプリング機構、試薬ピペッティング機構のノズルおよび撹拌機構のヘラでは短時間で洗浄を行うために流量を上げて洗浄効果の向上を図っている。
 従って、分析性能を確保する必要上、単純に洗浄液量を低減することはできない。現状での純水使用量としては時間当たり数十リットルが必要である。そのため、通常は装置外部にフィルタ式の純水製造装置を別置きで備えており、水道配
管等を経て装置に繋がれている。これらの装置、配管用のスペースが必要であり、また余分の初期投資をユーザーに要求する。さらに純水製造装置の性能を維持するためには高価なフィルタを定期的に交換する必要があり、これもユーザーにとって大きな負担となっている。
 本発明の第1の目的は、小型、省スペースの化学分析装置を提供することである。第2の目的として試料、試薬同士の相互汚染を防止する化学分析装置を提供することである。また、第3の目的は純水の使用量が少なく、装置外部に純水製造装置などの付帯設備や場所を必要がない化学分析装置を提供することである。
 上記目的は、複数の反応容器を保持し、所定の位置でサンプルおよび試薬が供給される反応容器フォルダと、前記サンプルの物性を計測する計測手段とを備え、複数の試薬容器と、前記試薬容器の下部に、各々の試薬容器に対応して設けられた送液手段と、前記反応容器外部に設けられ、この反応容器に向かって音波を発生する一つ以上の音波発生手段および、洗浄状態に応じて回収する洗浄液を保管する回収容器を設けることで解決される。
 本発明により、小型で省スペースの化学分析装置を提供することができる。
 また本発明の別の効果として試料、試薬同士の相互汚染を防止する化学分析装置を提供することができる。
 また本発明の第3の効果として純水の使用量が少なく、それによって装置外部に純水製造装置などの付帯設備を用意する必要がなく従来行っていた定期的にフィルター交換等が不要になり装置以外の余分なコスト、設置場所が不要となる化学分析装置を提供することが可能となる。
 図1〜図5を用いて本発明の化学分析装置の一実施例の構成について説明する。図1は本発明の装置の全体構成の斜視図である。
 本分析装置は大きく9つの要素・部位から成る。まず反応容器を保持・移動させる反応ディスク部と、それを中心として、その周囲に反時計回りに試料供給部(図中30番台参照)と、第1試薬供給部(図中50番台参照)と、第2試薬供給部と、反応容器洗浄機構部(図中80番台参照)と、分光測定部(図中79番台参照)と、これらの要素・部位毎に制御信号を与える制御部とが各部位毎に設けられている。さらに、これらの各制御部に対して動作命令を与えるコントローラ92と、さらにデータ入力、制御信号出力、信号演算、演算信号出力、記録等を行う中央信号処理部93とから成る。
 まず、試料供給部は、試料20の入った試験管21と、試験管21を円周上に保持するサンプルホルダー22(試料ホルダー)とが設けられている。また、サンプルホルダー22の脇の所定の位置には試験管21内の試料22を吸引し反応容器内に供給するためのサンプルピペッタ31が設けられている。本実施例におけるサンプルピペッタ31から反応容器42に供給する試料の供給量は、約1〜10μl程度である。
 サンプルピペッタ31は、試料を吸引して内部に保持するノズル32と、ノズルに上昇・回転の動作を与える3次元駆動機構33と、ノズル内に試料を吸引及び、ノズル内の試料を吐出するためのシリンジ型ポンプ34が設けられている。
 また、シリンジ型ポンプ34には、システム水を供給するための送液ポンプ35が配管で繋がれている。配管の途中には、システム水の供給を制御するための第1の電動弁36が設けられている。また送液ポンプからは、ノズルの洗浄槽38に向かってもう一本配管が分岐しており、この配管の途中には、連通の制御を行う第2の電動弁37が設けられている。洗浄槽38から廃液容器91までは廃液管で連結されている。
 反応容器42に試料を供給すべき試験管21を、サンプルピペッタ31のノズル32の直下の位置に移動させるためにサンプルホルダー22を回転駆動する回転駆動機構23を備えている。3次元駆動機構33、シリンジ型ポンプ34、第1、第2の電動弁36、37、送液ポンプ35、サンプルホルダー22の回転駆動機構23に対しては、試料供給部制御部30から動作信号を伝える信号線が連結されている。
 次に、反応ディスク41には、複数の反応容器42がその円周上に保持されている。反応ディスク41にセットされる反応容器42は約100から200個程度であり、これより少なくてもよい。また、反応容器の容積は約80μl程度である。
 反応ディスク41は、試料供給位置でサンプルピペッタ31のノズル32の降下位置と試料の供給される反応容器42との位置が一致するように、回転駆動機構44で、順次回転駆動して位置合わせが行われる。また、反応ディスク41は、反応容器42の温度を所定温度にするため、恒温水が流れる恒温槽43になっており、反応容器の下半分が恒温水に浸っている。回転駆動機構44は反応ディスク制御部40と動作信号を伝えるための信号線で繋がれている。
 次に第1試薬供給部511の構成について図1の他、図2、図3を併用して説明する。図2は試薬供給機構の詳細を示したものであり、図3は図2に示すマイクロポンプの断面を示したものである。なお、第2試薬供給部512も第1試薬供給部511と同じ構成であるため、ここでの説明は省略する。
 試薬供給部511は、試薬容器521と、試薬ホルダー53と、マイクロポンプ54と、マイクロポンプホルダー56と、試薬ホルダー回転駆動機構55から構成されている。試薬ホルダー53は中心軸の周りに試薬容器を円周上に保持させる構造になっている。1つの試薬ホルダー52には40から50個の試薬容器がセットできるように成っている。
 保持できる試薬容器521の最大数と同数の膜形のマイクロポンプ54がマイクロポンプホルダー56を介して試薬ホルダー53の底部に設けられている。マイクロポンプホルダー56は、マイクロポンプ54を付けたまま試薬ホルダー53から離脱できる構成となっている。
 試薬容器521の底面には、接続孔があり、試薬ホルダー53の底部に向かって強く押しつけることで、マイクロポンプ54と接続するようになっている。またマイクロポンプ54には吐出孔548が鉛直下方に向かって設けられている。従って、第1の試薬供給部511と反応ディスク41は上下に立体的に交差するように配置される。
 試薬容器521の側面には、試薬の種類を記載したデータが書き込まれた磁気部が設けられている。また試薬ホルダー53の対応する円周位置には、磁気部のデータを読み込むための磁気リーダ59が設けられている。磁気リーダからの信号線は、試薬供給制御部50内の判断部に接続されている。試薬供給部制御部50は磁気リーダ59等の信号によりマイクロポンプ54を駆動する。試薬ホルダー53は、試薬ホルダー回転駆動機構55で回転する構成となっている。また、試薬容器は試薬ホルダー53の保冷庫内に収納されている。
 なお、本実施例で試薬容器に磁気部を設けたが、バーコード等で試薬の種類や番号等を記録し、バーコードリーダを試薬ホルダ側に設けて、試薬量の管理等をコントローラ92又は中央信号処理部93で行ってもよい。
 図3記載のマイクロポンプ54は、入口から出口に向かって、入口弁543、ポンプ室547、ダイヤフラム546、振動板545、出口弁544及び吐出孔548の構成となっている。振動板545は、試薬供給部制御部50からの駆動信号線にて接続されている。試薬供給部制御部50からは交流電圧信号が振動板545の両面に印加される。この信号によって、振動板545は図の太線矢印のように変形振動し、振動板545接着等で接続されたダイヤフラム546を、所定の回数だけを加振するようになっている。この振動により、ポンプ室内の圧力が変化して、吸引時は入口側弁が開き出口側弁が閉じ、吐出時は夫々の弁が逆の動作となる。
 次に撹拌部の構成について図1および図4を用いて説明する。図4は本発明の攪拌機構の一例の詳細を示したものである。
 本実施例では、攪拌機構として、洗浄の必要が無いように非接触の攪拌機構として音波を用いる方式を採用している。非接触買う反の構成としては、この他に反応容器自体を振動させたり、回転させる方法等が考えられる。
 撹拌部の主要要素である音波発生のための振動板61、62は、恒温槽の周方向の同一位置の底部と内側側面に設けられている。これらの振動板61、62に駆動信号を与える信号線が攪拌部制御部60から連結されている。振動板61、62は図1で示すように第1試薬供給部511、第2試薬供給部512の試薬供給を受ける反応容器の位置下方に設けられている。この振動板を信号により加振することにより、音波を発生させ試料液等の略中間点よりやや上部に音波を集中させて攪拌するものである。
 次に分光測光部の構成について、図1を用いて説明する。
 分光測光部は反応ディスクの周方向、反応容器洗浄機構部と試料サンプリング位置の間に設けられており、恒温槽43の内側には光源71と光学系72が設けられ、反応容器42の液部に光が照射されるように位置調整がされている。恒温槽の外側には反応容器を透過した光を一度集光するための光学系72および、その延長上にある回折格子73、さらに回折格子73で分光された光を検知するための半導体式光検知器74が備えられている。
 光検知のタイミング等の制御、および検知信号の取得のために、分光測光部制御部70から半導体式検知器74に信号線が連結されている。なお分光測光部については、当然ながら集光光学系、検知光学系として光ファイバを利用しても良い。また光源として半導体発光素子を用いることも問題ない。さらに検知器としてライン状のアレイセンサ、面状のアレイセンサ等を用いても良い。
 次に、反応容器洗浄機構の構成について図1,図5を用いて説明する。図5は、反応容器洗浄機構の詳細を示したものである。
 反応容器洗浄機構は第2試薬供給部512の後に配置した。本実施例では6本の洗浄用ノズルで構成している。反時計回りから順に濃廃液を吸引するための濃廃液吸引ノズル81、洗浄液吸引ノズル82、3本の洗浄ノズル841、842,943、洗浄液(純水)の供給を行う洗浄液供給ノズル83が設けられている。
 濃廃液吸引ノズル81および洗浄液吸引ノズル82には反応液吸引ポンプ89が接続されている。また3本の洗浄ノズルの上方には一時洗浄液を蓄える貯蔵容器851、852,853が接続されている。洗浄液また貯蔵容器内に一時洗浄液を吸引したり、容器内の洗浄液を吐出させるために洗浄液用シリンジ型ポンプ88が設けられ、それぞれの容器にチューブで接続されている。
 洗浄液用シリンジ型ポンプ88は同一の機構で駆動できるように一体化している。純水供給ノズル83には、所定量の洗浄液を供給する洗浄液供給ポンプ87が接続している。さらに、前記ノズル群を上下方向および反応ディスク周方向2容器分の位置だけ平行移動(図5中862参照)する洗浄ノズル移動機構86が設けられている。
 以上の反応液吸引ポンプ、洗浄液用シリンジ型ポンプ、洗浄ノズル移動機構、洗浄液供給ポンプはいずれも洗浄機構制御部80から信号線で連結されている。
また反応液吸引ポンプ89の排出側は廃液タンク91に接続されており、洗浄液供給ポンプ87の吸入側は純水タンク90に接続されている。
 以上の要素・部位の各制御部に対して動作信号を与えるための信号線がコントローラ92に繋がれている。また集中信号処理部93からコントローラに対しては測定項目に応じて動作を変えるための動作信号を伝達する信号線が繋がれている。
 次に以上の構成での動作について、図6の動作シーケンスに記載の番号(1)〜(5)の順に沿って説明する。
 (1)まずサンプルホルダー回転機構23が動作し、サンプルホルダー22中の試験管21をサンプルピペッタ32の下方位置まで回転移動させる。その後、シリンジ型ポンプ34が吸入動作を行い、試料の入った試験管21から所定量(約80μL)の試料20をサンプルピペッタ31のノズル32内に吸引し、反応容器42の底部まで3次元駆動機構33で移動させた後吐出する。その後、サンプルピペッタ31はノズル洗浄槽38に移動し、第1の電動弁36と第2の電動弁37が開閉し、ノズル32の内部、外部がシステム水にて洗浄される。洗浄が終了すると再びサンプルホルダー22の位置に移動し、同じ動作を繰り返す。
 (2)反応容器42は、反応ディスク回転駆動機構44により第1の試薬供給部511の試薬吐出位置まで回転移動される。第1の試薬供給部では、マイクロポンプ54の吐出孔548が、前記反応容器42の直上に位置するように試薬ホルダー回転駆動機構55が動作する。反応容器42と吐出孔548の位置が整合した時点で、試薬供給部制御部50の制御によりマイクロポンプ54から所定量の試薬58が反応容器42内に吐出される。
 マイクロポンプ54は以下のように動作する。まず制御部50から所定回数振動するように、その回数に相当する時間だけ交流信号が振動板545の両面に印加される。これに応じて振動板545が反り、ダイヤフラム546が振動する。ダイヤフラム546が下方に歪むと入口弁543が開いてポンプ室547内に試薬58を吸引し、次にダイヤフラム546が上方に歪むと出口弁544が開いてポンプ室内の試薬58を吐出する。この吐出量は1回の動作で約1から5μLである。
 反応容器42に吐出される試薬量は振動板545の振動回数に比例し、制御部50から与えられる加振信号の回数によって容易に調整される。またマイクロポンプ、マイクロマシニング技術を用いて製作すると、内容積を100μL以下にすることができる。これによって装置のシャットダウン時に無駄に残る試薬量を100μL以下に低減することができる。
 本実施例では、マイクロポンプを試薬容器の底部に設けたため、試薬をそのまま下方に移送するだけでよい。従って、余分な揚程を与える必要がなく、簡素なポンプが利用できる。また、反応ディスク41と試薬供給部を段違いに3次元的にオーバーラップして設置でき、平面的に配置する場合と比較して省スペース化に著しい効果がある。また、マイクロポンプ34は各々の試薬容器42毎に設けたため、試薬間の相互汚染は発生しない。また試薬吐出の度に洗浄が不要のため、余分な洗浄手段を備える必要がない。また洗浄液も不要となるため、これにより従来の純水の使用量のうち、2〜3割程度削減することが可能となる。
 (3)第1の試薬供給が終了した後、同じ位置で反応容器42下部に設けられた攪拌部によって反応容器42中の試料と試薬が混合される。試薬供給中あるいは終了後、反応容器42に向かって振動版61,62から音64,65が照射される。この音64,65は反応容器42の壁面を透過し、内部の液体に照射される。液体中に直進性の強い音を照射した場合放射圧により照射方向に流れ63が誘起される。この流れによって内部の試料20・試薬58は混合される。本方式では攪拌用のヘラなどを容器中に入れないためヘラによる相互汚染は発生しない。また攪拌の度にヘラの洗浄を行う必要はなく、従来の純水の使用量の内、6〜8割程度を削減することが可能となる。
 (4)上記の一連の工程が終了すると次には分光計測に移る。上記のポジションから反応ディスクは回転動作を行い、最初に試料をサンプリングした位置の反応容器一つ進んだ位置に停止する。この位置で別の試料が一つ後の反応容器に加えられ、以後同様の動作を繰り返す。以上全体で一回転+1反応容器分回転することで最初の反応容器の停止位置は一反応容器分ずつ進んでいく。第2試薬を追加する必要がある場合は、一反応容器分づつ進んで、第2の試薬供給位置に到達した反応容器に第1の試薬供給部と同様の動作で以って所定の試薬を供給する。
 反応用試薬58と試料20は徐々に反応を開始し、その結果検査項目の成分濃度に対応した発色を行う。上記のとおり、反応容器の停止位置を少しづつ進めながら同時に回転の度に全ての反応容器が分光測定部を通過するため、反応の進行に伴う発色度合いの時間変化を測定することができる。本方式はレートアッセイ方式と呼ばれ、第1の従来技術に詳しく開示されている。この発色の程度あるいは変化率は成分濃度に対応する。
 (5)上記の回転を繰り返すことで、反応容器42は反応容器洗浄機構の位置に進んでくる。各洗浄ノズル間を一回転する毎に一つづつ進む。その間順次容器の洗浄が行われる。洗浄機構では、以下の要領で洗浄が行われる。
 まず、洗浄機構が下降動作を行って各ノズルを各々の下方の反応容器中に挿入する。この際、洗浄液供給ノズル83からは未使用の洗浄液が排出される。同時に他のノズルからも排出動作が行われる。その後、洗浄機構は上昇し反応ディスクの周方向反時計周りに容器2つ分だけ平行移動(図中862参照)する。同時に反応ディスク41も反応容器一つ分だけ反時計周りに回転する(図中421参照)。結果的に1つ先の容器内に下降して洗浄液供給ノズル83以外は吸引動作を行い、再び上昇し、今度は時計周り容器2つ分だけ平行移動して、再び、洗浄液供給ノズル83からは未使用の洗浄液を、洗浄液ノズルからは先ほど吸引した使用済みの洗浄液を貯蔵容器851,852,853から出して排出する。
 以上の動作を繰り返すことで、洗浄液供給ノズル83から排出される洗浄液は随時上流側の容器に繰り越されて行き、最後に洗浄液吸引ノズル82で吸引・排出される。本洗浄機構に最初に差し掛かった反応容器には、計測済みの反応液が残っているが、最初の濃廃液吸引ノズル81にて吸引除去される。一回使用した洗浄液を再度洗浄に利用することで洗浄度が低下する可能性がある。しかし、上記の動作でも明らかなように、より汚れの少ない反応容器を洗浄した洗浄液を汚れの大きい反応容器の洗浄に利用するため、反応容器を洗浄液でさらに汚す心配はない。以上、一回の洗浄液の投入で反応容器を数回洗浄することができ、従来の純水使用量の1割程度が削減可能となる。
 図6の動作のシーケンスからも明らかであるが、先に試薬を反応容器42に吐出してから、試料を添加しても何ら動作上問題はない。その場合は図6の(1)の工程と(3)の工程を交換すれば良い。
 図7、8を用いて別の実施例の説明を行う。図7(1)は図1の構成の中で試薬供給部、攪拌部および反応ディスクを取り出して摸式的に表したものである。試薬供給部の下方に反応ディスクが配置されており、試薬供給部の試薬供給用ノズルの位置、少なくとも反応ディスクの上面より下方に攪拌部が設けられている。当然ながら図7(2)で示すように試薬供給部の下部と異なる位置に攪拌部を設置してもかまわない。この場合は、試薬を試料に添加して、少し時間経過した後に、攪拌を行うこととなる。その場合、反応容器内部の反応液中に局在する温度ムラを、攪拌に伴う強制対流によって解消させる働きが加わるので、反応容器中の試薬を早く所定の温度に到達させることが可能となる。
 図8(1)は第1試薬、第2試薬の供給機構として、同心円状に配置した二つの試薬供給部を用いた場合の実施例である。このように外側の試薬供給部では試薬の供給個所を2個所設けることができる。反応ディスク44と試薬供給部とのオーバーラップ量も大きくなり、さらなる省スペース化が可能となる。以上の実施例での試薬供給部では、回転駆動を中心に試薬容器を移動させる例を説明したが、当然ながら図8(2)にあるようXYステージを用いて所定の位置に試薬容器を移動させても良い。この場合も試薬供給部と反応ディスクを3次元的にオーバーラップさせて配置することができ、省スペース化に寄与する。
 以上、本実施例によれば、従来の装置のように試薬ピペッティング機構の軌跡上の同一平面内に試薬容器の列を装備する必要がなく、試薬供給部と反応ディスクをオーバーラップさせて3次元的に配置することができるので、省スペース化を図ることができる。また、試薬供給部および攪拌部において専用の洗浄手段を必要としないため要素点数の低減が図られ、小型化が達成される。
 さらに、本実施例によれば、試薬供給部において同一供給手段を介して試薬を取り扱わないので試薬相互の相互汚染をほとんど防止できる。また混合部においても反応容器外部から非接触に内部の試料・試薬を混合せしめることができるので、攪拌手段による汚染を完全に防止することができる。以上から相互汚染の小さい化学分析装置を提供することができる。
 さらに本実施例によれば、試薬供給部、攪拌部においていずれも洗浄液を必要とせず、反応容器洗浄機構においても少ない液量で洗浄が可能なため装置全体として純水の使用量を従来の1/10程度まで低減することができる。これにより装置外部に純水製造装置や、水道配管など余分な設備を設ける必要がなく、図1に記載のとおり純水を溜めた容器を装置内部に保持しておくだけで良くなる。また純水製造装置用のフィルターの交換等のコストも低減される。
本発明の化学分析装置の構成図である。 本発明の試薬供給部の構成図である。 本発明のマイクロポンプの構成図である。 本発明の攪拌部の構成図である。 本発明の反応容器洗浄機構部の構成図である。 本発明の動作シーケンスを示す図である。 別の実施例の化学分析装置の構成図である。 別の実施例の化学分析装置の構成図である。
符号の説明
 11…純水、12…廃液、21…試験管、22…サンプルホルダー、23…回転駆動機構、30…試料供給部制御部、31…サンプルピペッタ、41…反応ディスク、42…反応容器、43…恒温槽、50…試薬供給部制御部、511…第1の試薬供給部、521…試薬容器、53…試薬ホルダー、54…マイクロポンプ、60…攪拌部制御部、61、62…振動板、70…分光計測部制御部、80…反応容器洗浄機構制御部、90…純水タンク、91…廃液タンク、92…コントローラ、93…集中信号処理部。

Claims (5)

  1.  複数のサンプル容器を保持するサンプルホルダと、反応容器と、前記反応容器を保持し移動可能な反応容器ホルダと、前記反応容器に所定の位置で前記サンプル容器からサンプルを供給するサンプル供給機構と、前記サンプルの供給された反応容器に試薬を供給する試薬供給機構と、試薬の供給された反応容器内の前記サンプルの物性を計測する計測器とを備えた化学分析装置において、
     前記反応容器ホルダの上部側に設けられた試薬容器ホルダと、前記試薬容器ホルダに保持される複数の試薬容器と、前記試薬容器のそれぞれ下部に設けられた試薬供給機構と、前記反応容器外部の試薬供給後の位置で前記計測器設置位置手前に設けられ、この反応容器を非接触で攪拌する攪拌機構と、計測後の反応容器内の液を排出・洗浄し、洗浄後の洗浄液を洗浄状態に応じて1時保管する複数の貯蔵容器を有し、貯蔵容器内の洗浄液を洗浄状態に応じて再利用する洗浄機構を備えたことを特徴とする化学分析装置。
  2.  請求項1において、前記洗浄機構は、応容器の洗浄に使用した洗浄液を保存する複数の洗浄液保存容器を備え、反応容器の洗浄時に先に洗浄液に使用した液を、先の洗浄工程より前の洗浄工程の洗浄液として使用する供給部を備えた反応容器洗浄機構とからなる化学分析装置。
  3.  請求項1又は2記載の化学分析装置において、前記反応容器フォルダの位置を移動せしめる移動反応容器フォルダ駆動部と、複数の試薬容器を保持し、移動せしめる試薬容器ホルダ駆動部と、前記試薬容器の移動に対応して移動する試薬供給機構の移動軌跡と、複数の反応容器の移動軌跡が交差するように配置したことを特徴とする化学分析装置。
  4.  請求項3記載の化学分析装置において、ひとつの反応容器フォルダ駆動部に対して、少なくとも2つ以上の試薬容器ホルダ駆動部を設けたことを特徴とする化学分析装置。
  5.  複数のサンプル容器を保持するサンプルホルダと、反応容器と、前記反応容器を保持し移動可能な反応容器ホルダと、前記反応容器に所定の位置で前記サンプル容器からサンプルを供給するサンプル供給機構と、前記サンプルの供給された反応容器に試薬を供給するマイクロポンプと、試薬の供給された反応容器内の前記サンプルの物性を計測する計測器とを備えた化学分析装置において、
     前記反応容器ホルダの上部側に設けられた試薬容器ホルダと、前記試薬容器ホルダに保持される複数の試薬容器と、前記試薬容器のそれぞれ下部に設けられたマイクロポンプとを備え、前記マイクロポンプは、1回の吐出工程で1から5μL程度の試薬を前記反応容器に吐出することを特徴とする化学分析装置。
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