JP2004101344A - 円柱形状物の測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被測定物に傷等の欠点を発生させずに、容易にかつ高精度で外径、真直度、円筒度等の測定ができる円柱形状物の測定装置を提供する。
【解決手段】円柱形状物の測定装置10を、被測定物Wを支持する被測定物支持台14と、被測定物Wの直径よりも大径の孔が形成され、孔の内周部から中心方向に向けて気体が噴射される被測定物受け部20と、噴射される気体の背圧の変化を電気信号に変換する空/電変換器22と、で構成し、被測定物Wが前記被測定物受け部20の孔に挿入されたときの、前記空/電変換器22からの信号よって、前記被測定物Wの外径が求められるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】円柱形状物の測定装置10を、被測定物Wを支持する被測定物支持台14と、被測定物Wの直径よりも大径の孔が形成され、孔の内周部から中心方向に向けて気体が噴射される被測定物受け部20と、噴射される気体の背圧の変化を電気信号に変換する空/電変換器22と、で構成し、被測定物Wが前記被測定物受け部20の孔に挿入されたときの、前記空/電変換器22からの信号よって、前記被測定物Wの外径が求められるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円柱形状物の測定装置に係り、特に、被測定物に傷を付けることなく非接触で外径、真直度、円筒度等を測定できる円柱形状物の測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
円盤状物、円柱状物、円錐状物等の真円度等の測定を行なうとき、真円度測定装置が広く用いられている。特に多用されているこの種の装置として、被測定物を載置したワークテーブルを回転させるとともに、この被測定物に検出器のプローブを接触させながら真円度を測定するテーブル回転式真円度測定装置がある。この測定装置は、検出器のプローブ、特に一般的に使用されるレバー式のプローブを被測定物に接触させながら測定する。また、円筒度、同軸度等はVブロック等に被測定物を載せ、被測定物を回転させながらを測定する簡易式の測定方法も採用されている。
【0003】
なお、真円度測定装置とは狭義の真円度のみならず、以下に列挙する各種の測定種別(測定項目)を含んでいる。市場に流通している真円度測定装置(たとえば、東京精密社製、商品名:ロンコム)も、このような測定項目に適用できる旨仕様書に列挙されている。
【0004】
上記測定項目(測定項目)は、たとえば、回転方向(θ)で、真円度、平面度、平行度、同心度、同軸度、円筒度、径偏差、偏肉度、直角度、振れ、直径値が、直動方向(Z)で、真直度、テーパ度、円筒度、直角度、平行度が、半径方向(R)で、真直度が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の真円度測定装置ではこの検出器のプローブが被測定物に接触することにより被測定物に傷を付けやすい。また、Vブロック等に被測定物を載せて回転させた場合にも被測定物に傷を付けやすい。特に、軟質の被測定物の場合には、測定中に被測定箇所が削れる等して、正確な測定ができないという問題も生じる。
【0006】
一方、非接触式の検出器を使用すれば、被測定物の傷はなくせる。ところが、従来の、被測定物を載置したワークテーブルを回転させるタイプの真円度測定装置に非接触式の位置センサを導入した例は、センサ自体が高価であるためか、使用上の不具合等のためか、ほとんど見られない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、被測定物に傷等の欠点を発生させずに、容易にかつ高精度で外径、真直度、円筒度、同心度等の測定ができる円柱形状物の測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、被測定物を支持する被測定物支持台と、前記被測定物の直径よりも大径の孔が形成され、該孔の内周部から中心方向に向けて気体が噴射される被測定物受け部と、前記噴射される気体の背圧の変化を電気信号に変換する空/電変換器と、前記被測定物を前記被測定物受け部に対して相対的に上下移動する昇降機構と、前記被測定物受け部の外周部周縁に設けられ、前記被測定物受け部の位置の変位を検出する複数個の位置センサと、を有し、前記被測定物が前記被測定物受け部の孔に挿入されて前記被測定物と前記孔とが自動求心されるとともに、前記空/電変換器からの信号によって、前記被測定物の外径が求められ、前記被測定物が前記被測定物受け部に対して相対的に上下移動されたときの、前記複数個の位置センサの検出信号によって前記被測定物の真直度又は円筒度が求められることを特徴とする円柱形状物の測定装置を提供する。
【0009】
本発明によれば、噴射される気体により被測定物が被測定物受け部の孔の中心に支持され(すなわち、被測定物に対し被測定物受け部を求心させ)、空/電変換器により被測定物の外径が求められる。同時に、この被測定物受け部の位置が測定される。そして、被測定物が昇降機構により被測定物の長手方向に移動されることにより被測定物の真直度、円筒度等が求められる。この構成により被測定物に傷を付けることなく、簡易かつ迅速に精度良く被測定物の真直度、円筒度等が求められる。
【0010】
ただし、この真直度、円筒度は、A/E変換器のデータと位置センサのデータより求められるものであるが、簡易的な真直度、円筒度である(円周方向の全てのデータが得られた訳ではない)。なお、被測定物の形状によっては(たとえば、複数の直径よりなる段差を有する円柱で、その段差量の少ないもの)、真直度、円筒度以外に同心度等の測定も可能である。
【0011】
ここで、空/電変換器(以後A/E変換器と称する)とは、被測定物受け部の内周部から噴射される気体の背圧の変化を、内蔵するベローズと差動変圧器とによって電気信号に変換するポジションセンサであって、東京精密社等より市販されているものである。
【0012】
また、本発明は、被測定物を支持する被測定物支持台と、上下に複数個積層され、前記被測定物の直径よりも大径の孔が形成されるとともに、該孔の内周部から中心方向に向けて気体が噴射される被測定物受け部と、前記複数の被測定物受け部の外周部周縁に夫々複数個設けられ、前記夫々の被測定物受け部の位置の変位を検出する位置センサと、を有し、前記被測定物が前記複数の被測定物受け部の孔に挿入されて前記被測定物と前記複数の被測定物受け部の孔とが夫々自動求心されたときの、前記夫々の複数個の位置センサの検出信号によって前記被測定物の真直度、円筒度又は同心度が求められることを特徴とする円柱形状物の測定装置を提供する。
【0013】
本発明によれば、被測定物受け部が上下に複数個積層され、噴射される気体により被測定物が複数個の被測定物受け部の孔の中心に支持され(すなわち、被測定物に対し複数個の被測定物受け部を夫々求心させ)、その状態で、この複数個の被測定物受け部の位置が測定される。この構成により被測定物に傷を付けることなく、簡易かつ迅速に精度良く被測定物の同心度や同軸度が求められる。
【0014】
本発明において、前記複数個の位置センサは非接触式の位置センサであることが好ましい。前記被測定物受け部の外周部の位置測定は接触式の位置センサであっても被測定物の傷等とは関係ない。ただし、この位置センサが非接触式の位置センサであれば、接触式の位置センサのようなプローブの接触圧を被測定物受け部に与えず、測定精度の点で好ましいからである。
【0015】
また、本発明において、前記被測定物受け部の内周部分が多孔質材で形成されていることが好ましい。被測定物受け部の孔の内周部に、円周方向に均等に気体噴射孔が形成されていれば、被測定物は孔の中心に支持されるが、被測定物受け部の内周部分が多孔質材で形成されていれば、より確実に被測定物が孔の中心に支持されるからである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る円柱形状物の測定装置の好ましい実施の形態について詳説する。図1(a)は、本発明に係る円柱形状物の測定装置の実施態様の概略構成図である。円柱形状物の測定装置10は、測定部本体12、被測定物Wを支持する被測定物支持台14、被測定物支持台14を上下方向に移動させる昇降機構16、測定部本体12の外周部近傍に複数個配される位置センサ18、図示しないCPU等より構成される制御部等より構成される。
【0017】
測定部本体12は、図示しない躯体(台座)上に固定された受け座30と、この受け座30上にフローティング支持される被測定物受け部20より構成される。受け座30は、円筒状部材であり、後述する被測定物W及び被測定物支持台14の下側支持部42が貫通できるのに充分な内径サイズとなっている。受け座30の上端面は、被測定物受け部20をフローティング支持できるように平坦に加工されている。
【0018】
被測定物受け部20は、円筒状部材であり、内周部に多孔質材24が嵌合されている。被測定物受け部20の下端面は、受け座30上にフローティング支持されるように平坦に加工されており、また、円周回りにエア溝32が形成されている。被測定物受け部20外周部側面に設けられたエア供給部34より供給されるエアはエア溝32と連通されており、このエア溝32に所定流量のエアが供給されることにより、被測定物受け部20は受け座30上にフローティング支持される。なお、エア供給部34へのエア源からの配管の図示は省略してある。
【0019】
なお、図示の被測定物受け部20は、受け座30と略同一の外径となっているが、受け座30上にフローティング支持される構成であれば、特に外径に制限はない。
【0020】
被測定物受け部20の内周部に嵌合される多孔質材24は、内径が被測定物Wの外径より大きく形成された円筒状部材であり、A/E変換器22及びエア供給部23を経由して供給されるエアがこの被測定物受け部20の孔の中心方向に向けて噴射されることにより、被測定物Wがこの孔の中心に支持されるようになっている。
【0021】
すなわち、被測定物受け部20がフローティング支持されるとともに、このように多孔質材24より被測定物受け部20の孔の中心方向に向けてエアが均等に噴射されることにより、自動的に被測定物Wがこの孔の中心に支持される。この場合、被測定物Wは、後述するように被測定物支持台14で固定支持されるので、被測定物受け部20が被測定物Wと同心になるように水平方向に移動することとなる。
【0022】
被測定物受け部20にはA/E変換器22が設けられており、このA/E変換器22により被測定物Wの外径が求められる。すなわち、A/E変換器22は既述のように、被測定物受け部20の孔の内周部から噴射されるエアの背圧の変化を、内蔵するベローズと差動変圧器とによって電気信号に変換するポジションセンサであり、被測定物受け部20の孔の内周部と被測定物Wの外径とで形成される隙間の大小による背圧の変化から被測定物Wの外径が求められる。なお、A/E変換器22からの配線(信号取り出し線)の図示は省略してある。
【0023】
被測定物受け部20の外周部の周縁には複数個の位置センサ18が設けられ、これらにより被測定物受け部20の径方向の位置が測定されて、被測定物受け部20の中心位置が求められる。被測定物受け部20と多孔質材24の孔とは同心になっているので、その結果、間接的に被測定物Wの中心が求められる。すなわち、前記の被測定物受け部20と被測定物Wとの同心位置合わせの構成(フローティング支持と多孔質材24よりのエア噴射による)により、被測定物受け部20と被測定物Wとは同心となっており、被測定物Wを長手方向に移動させながら被測定物受け部20の位置の変位を求めることにより、被測定物Wの真直度等(外径、円筒度)が求められる。
【0024】
図1(a)において、一部の図示は省略されているが、位置センサ18は、被測定物受け部20の円周方向の3分割位置に設けられており、被測定物受け部20の中心が精度良く求まるとともに、この位置センサ18の測定による外乱、すなわちプローブPによる触針圧が、被測定物受け部20と被測定物Wとの同心位置合わせ(フローティング支持と多孔質材24よりのエア噴射による)に影響しない構成としてある。
【0025】
図1(b)は、同図(a)のAA線矢視図であり、被測定物受け部20と3個のプローブP先端との位置関係を示している。なお、同図で被測定物受け部20の内部等の図示は省略してある。
【0026】
図1では、理解の便宜のため、位置センサ18として接触式のセンサが示されているが、前記の位置センサ18の測定による外乱、すなわちプローブPによる触針圧が、被測定物受け部20と被測定物Wとの同心位置合わせに影響しない構成とする趣旨からは、非接触式のセンサが採用されることが好ましい。このような非接触式の位置センサ18としては、たとえば、レーザ方式の位置センサ、渦電流方式の位置センサ、静電容量方式の位置センサ等が使用できる。
【0027】
被測定物支持台14は、被測定物Wの上端部及び下端部を支持するとともに、この被測定物支持台14自体が、昇降機構16により上下に移動される構成をなしている。被測定物支持台14は、略コ字形状をなし、支持台本体40と下端支持部42と上端支持部44とよりなる。支持台本体40と下端支持部42とは一体をなし、略J字状をなし、支持台本体40の上端部に図中の矢印Cのように上端支持部44が回動自在に支持されている。
【0028】
前記の昇降機構16は、被測定物支持台14と、図示しない躯体(台座)に固定された上下ガイドレール60及び直動手段50とを組み合わせることにより構成される。被測定物支持台14の支持台本体40の垂直部分には上下2箇所にガイドブロック62が固定されており、この上下2箇所のガイドブロック62は上下ガイドレール60にスライド自在に支持されている。
【0029】
一方、被測定物支持台14の支持台本体40の水平部分中央からはロッド材46が垂設されており、このロッド材46の下端部は直動手段50のロッド52の上端部とカップリング54を介して接続されている。このカップリング54は、被測定物支持台14(ロッド材46)と直動手段50(ロッド52)との軸心のズレ、水平方向のガタ、歪を緩和するために設けられるものである。
【0030】
直動手段50としては、被測定物支持台14を精度よくスムースに昇降させられるものであれば、公知の各種手段、たとえば、各種シリンダ部材、リニアモータ等が使用できる。
【0031】
次に、円柱形状物の測定装置10による被測定物Wの測定手順について説明する。先ず、被測定物Wの外径に適した多孔質材24を被測定物受け部20にセットする。この際、被測定物Wの外径が不詳であれば、被測定物Wの概略の外径をマイクロメータ、ノギス等で測定し、それに適した孔を有する多孔質材24を選択する。
【0032】
次に、予め外径寸法が正確に測定されて既知になっているマスタ(測定基準ワーク)を多孔質材24の内周部に嵌挿し、A/E変換器22による測定値の校正を行う。
【0033】
次いで、被測定物Wを上から多孔質材24の内周部に嵌挿し、被測定物Wの下端部を被測定物支持台14の下端支持部42で支持させる。そして、被測定物支持台14の上端支持部44を回動させて、上端支持部44先端で被測定物Wの上端部を支持させる。これにより、被測定物支持台14による被測定物Wの支持が完了する。
【0034】
この状態で、エア供給部34より所定流量のエアを供給して被測定物受け部20をフローティングさせるとともに、A/E変換器22を経由してエアを供給しながら、各種の測定を行なう。
【0035】
被測定物Wの外径の測定のみを行なう場合には、被測定物Wの外径の大小によるエアの背圧変化をA/E変換器22で検出することによって被測定物Wの外径を算出する。
【0036】
被測定物Wの真直度の測定のみを行なう場合には、被測定物受け部20を受け座30上にフローティング支持するとともに、位置センサ18による測定を行ない、かつ、昇降機構16により被測定物支持台14を上下移動させる。ただし、A/E変換器22で被測定物Wの外径を測定する必要はない。
【0037】
被測定物Wの円筒度の測定等を行なう場合には、A/E変換器22で被測定物Wの外径の測定を行い、被測定物受け部20を受け座30上にフローティング支持するとともに、位置センサ18による測定を行ない、かつ、昇降機構16により被測定物支持台14を上下移動させる。
【0038】
このように、各種の測定種別に応じて、円柱形状物の測定装置10の各構成部分を有効に動作させて測定を行う。このような各種の測定種別に応じた測定ができるように、操作盤、操作パネル、制御用パソコン等の各種制御手段に測定種別に応じた入力表示を設けるとともに、図示しないCPU等より構成される制御部等により適正に制御されることが好ましい。
【0039】
次に、本発明に係る円柱形状物の測定装置の他の実施態様について説明する。図2(a)は、この実施態様の概略構成図である。なお、図1(a)の構成と同一、類似の部材については、同様の符号を附し、その説明を省略する。
【0040】
この構成において、円柱形状物の測定装置10には被測定物受け部20が上下に複数個(3個)設けられている。この複数個(3個)の被測定物受け部20は、夫々独立して被測定物Wに自動求心される。
【0041】
このような構成を採用することにより、被測定物Wを上下方向に移動させることなく同軸度、同心度、及び簡易な真直度、円筒度等の測定を容易に行なうことができる。図示の例では、被測定物Wが段差のついた円柱状物であるが、内径の異なる多孔質材24をそれぞれの被測定物受け部20にセットすることにより、各種測定が容易にかつ高精度で行なえる。
【0042】
図示の円柱形状物の測定装置10は、説明の便宜のため、複数個の被測定物受け部20が上下に隣接して配置されているが、間隔を設けて配置するのであってもよい。図示の例では、最下段の被測定物受け部20の上端面と中央段の被測定物受け部20の下端面、及び、中央段の被測定物受け部20の上端面と最上段の被測定物受け部20の下端面との間にもフローティング支持の構成が設けられている。
【0043】
また、図示の例では、被測定物支持台14の昇降ストロークが短い構成となっているが、説明の便宜のためであり、図1(a)の構成と同様に長くすることはできる。また、説明の便宜のため、被測定物支持台14の支持台本体40と下端支持部42とが分割して図示されている。
【0044】
図2(b)は、図2(a)のBB線矢視図であり、各位置センサ18のプローブP先端と被測定物受け部20との位置関係を示している。なお、同図で被測定物受け部20の内部等の図示は省略してある。同図において、最下段の被測定物受け部20に接触する位置センサ18のプローブPA1、PB1、PC1、中央段の被測定物受け部20に接触する位置センサ18のプローブPA2、PB2、PC2、及び、最上段の被測定物受け部20に接触する位置センサ18のプローブPA3、PB3、PC3は、いずれも円周方向の3分割位置に設けられている。また、プローブPA1、PB1、PC1とプローブPA2、PB2、PC2、及び、プローブPA2、PB2、PC2とプローブPA3、PB3、PC3は、いずれも円周方向に60度ずらして配置されている。
【0045】
各位置センサ18がこのように配置されることにより、各位置センサ18の配置上の干渉が防止できる。ただし、この配置方法に限定されるものではなく、位置センサ18の機種、各被測定物受け部20の上下間隔等に応じて任意に構成できる。
【0046】
なお、理想的には、各位置センサ18の配置は、円周方向の同一位置になされることが好ましい。このように位置センサ18が配置されれば、被測定物Wの径方向の誤差による影響を受けなくて済むからである。
【0047】
以上、本発明に係る円柱形状物の測定装置の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。たとえば、被測定物受け部20を受け座30上にフローティング支持される構成としたが、これに代えて、たとえば、被測定物受け部20を装置の上部からピアノ線等で吊着する構成も採用でき、本実施態様と同様に機能させることができる。
【0048】
また、位置センサ18を円周方向の3分割位置に各3個配する構成としたが、4個以上を円周方向の等分割位置に配する構成であってもよい。
【0049】
更に、被測定物受け部20を円筒状の部材としたが、この被測定物受け部20の外周部を断面正方形とし、このうちの2辺の中央部に位置センサ18のプローブP先端を接触させる構成も採用でき、本実施態様と同様に機能させることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、噴射される気体により被測定物が被測定物受け部の孔の中心に支持され(すなわち、被測定物に対し被測定物受け部を求心させ)、空/電変換器により被測定物の外径が求められる。同時に、この被測定物受け部の位置が測定される。そして、被測定物が昇降機構により被測定物の長手方向に移動されることにより被測定物の真直度、円筒度等が求められる。この構成により被測定物に傷を付けることなく、簡易かつ迅速に精度良く被測定物の真直度、円筒度等が求められる。
【0051】
また、請求項2に記載の発明によれば、被測定物受け部が上下に複数個積層され、噴射される気体により被測定物が複数個の被測定物受け部の孔の中心に支持され(すなわち、被測定物に対し複数個の被測定物受け部を夫々求心させ)、その状態で、この複数個の被測定物受け部の位置が測定される。この構成により被測定物に傷を付けることなく、簡易かつ迅速に精度良く被測定物の同心度や同軸度が求められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円柱形状物の測定装置の実施態様の概略構成図
【図2】本発明に係る円柱形状物の測定装置の他の実施態様の概略構成図
【符号の説明】
10…円柱形状物の測定装置、12…測定部本体、14…被測定物支持台、16…昇降機構、18…位置センサ、20…被測定物受け部、22…A/E変換器(空/電変換器)、24…多孔質材、P…プローブ(位置センサ)、W…被測定物
【発明の属する技術分野】
本発明は、円柱形状物の測定装置に係り、特に、被測定物に傷を付けることなく非接触で外径、真直度、円筒度等を測定できる円柱形状物の測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
円盤状物、円柱状物、円錐状物等の真円度等の測定を行なうとき、真円度測定装置が広く用いられている。特に多用されているこの種の装置として、被測定物を載置したワークテーブルを回転させるとともに、この被測定物に検出器のプローブを接触させながら真円度を測定するテーブル回転式真円度測定装置がある。この測定装置は、検出器のプローブ、特に一般的に使用されるレバー式のプローブを被測定物に接触させながら測定する。また、円筒度、同軸度等はVブロック等に被測定物を載せ、被測定物を回転させながらを測定する簡易式の測定方法も採用されている。
【0003】
なお、真円度測定装置とは狭義の真円度のみならず、以下に列挙する各種の測定種別(測定項目)を含んでいる。市場に流通している真円度測定装置(たとえば、東京精密社製、商品名:ロンコム)も、このような測定項目に適用できる旨仕様書に列挙されている。
【0004】
上記測定項目(測定項目)は、たとえば、回転方向(θ)で、真円度、平面度、平行度、同心度、同軸度、円筒度、径偏差、偏肉度、直角度、振れ、直径値が、直動方向(Z)で、真直度、テーパ度、円筒度、直角度、平行度が、半径方向(R)で、真直度が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の真円度測定装置ではこの検出器のプローブが被測定物に接触することにより被測定物に傷を付けやすい。また、Vブロック等に被測定物を載せて回転させた場合にも被測定物に傷を付けやすい。特に、軟質の被測定物の場合には、測定中に被測定箇所が削れる等して、正確な測定ができないという問題も生じる。
【0006】
一方、非接触式の検出器を使用すれば、被測定物の傷はなくせる。ところが、従来の、被測定物を載置したワークテーブルを回転させるタイプの真円度測定装置に非接触式の位置センサを導入した例は、センサ自体が高価であるためか、使用上の不具合等のためか、ほとんど見られない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、被測定物に傷等の欠点を発生させずに、容易にかつ高精度で外径、真直度、円筒度、同心度等の測定ができる円柱形状物の測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、被測定物を支持する被測定物支持台と、前記被測定物の直径よりも大径の孔が形成され、該孔の内周部から中心方向に向けて気体が噴射される被測定物受け部と、前記噴射される気体の背圧の変化を電気信号に変換する空/電変換器と、前記被測定物を前記被測定物受け部に対して相対的に上下移動する昇降機構と、前記被測定物受け部の外周部周縁に設けられ、前記被測定物受け部の位置の変位を検出する複数個の位置センサと、を有し、前記被測定物が前記被測定物受け部の孔に挿入されて前記被測定物と前記孔とが自動求心されるとともに、前記空/電変換器からの信号によって、前記被測定物の外径が求められ、前記被測定物が前記被測定物受け部に対して相対的に上下移動されたときの、前記複数個の位置センサの検出信号によって前記被測定物の真直度又は円筒度が求められることを特徴とする円柱形状物の測定装置を提供する。
【0009】
本発明によれば、噴射される気体により被測定物が被測定物受け部の孔の中心に支持され(すなわち、被測定物に対し被測定物受け部を求心させ)、空/電変換器により被測定物の外径が求められる。同時に、この被測定物受け部の位置が測定される。そして、被測定物が昇降機構により被測定物の長手方向に移動されることにより被測定物の真直度、円筒度等が求められる。この構成により被測定物に傷を付けることなく、簡易かつ迅速に精度良く被測定物の真直度、円筒度等が求められる。
【0010】
ただし、この真直度、円筒度は、A/E変換器のデータと位置センサのデータより求められるものであるが、簡易的な真直度、円筒度である(円周方向の全てのデータが得られた訳ではない)。なお、被測定物の形状によっては(たとえば、複数の直径よりなる段差を有する円柱で、その段差量の少ないもの)、真直度、円筒度以外に同心度等の測定も可能である。
【0011】
ここで、空/電変換器(以後A/E変換器と称する)とは、被測定物受け部の内周部から噴射される気体の背圧の変化を、内蔵するベローズと差動変圧器とによって電気信号に変換するポジションセンサであって、東京精密社等より市販されているものである。
【0012】
また、本発明は、被測定物を支持する被測定物支持台と、上下に複数個積層され、前記被測定物の直径よりも大径の孔が形成されるとともに、該孔の内周部から中心方向に向けて気体が噴射される被測定物受け部と、前記複数の被測定物受け部の外周部周縁に夫々複数個設けられ、前記夫々の被測定物受け部の位置の変位を検出する位置センサと、を有し、前記被測定物が前記複数の被測定物受け部の孔に挿入されて前記被測定物と前記複数の被測定物受け部の孔とが夫々自動求心されたときの、前記夫々の複数個の位置センサの検出信号によって前記被測定物の真直度、円筒度又は同心度が求められることを特徴とする円柱形状物の測定装置を提供する。
【0013】
本発明によれば、被測定物受け部が上下に複数個積層され、噴射される気体により被測定物が複数個の被測定物受け部の孔の中心に支持され(すなわち、被測定物に対し複数個の被測定物受け部を夫々求心させ)、その状態で、この複数個の被測定物受け部の位置が測定される。この構成により被測定物に傷を付けることなく、簡易かつ迅速に精度良く被測定物の同心度や同軸度が求められる。
【0014】
本発明において、前記複数個の位置センサは非接触式の位置センサであることが好ましい。前記被測定物受け部の外周部の位置測定は接触式の位置センサであっても被測定物の傷等とは関係ない。ただし、この位置センサが非接触式の位置センサであれば、接触式の位置センサのようなプローブの接触圧を被測定物受け部に与えず、測定精度の点で好ましいからである。
【0015】
また、本発明において、前記被測定物受け部の内周部分が多孔質材で形成されていることが好ましい。被測定物受け部の孔の内周部に、円周方向に均等に気体噴射孔が形成されていれば、被測定物は孔の中心に支持されるが、被測定物受け部の内周部分が多孔質材で形成されていれば、より確実に被測定物が孔の中心に支持されるからである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る円柱形状物の測定装置の好ましい実施の形態について詳説する。図1(a)は、本発明に係る円柱形状物の測定装置の実施態様の概略構成図である。円柱形状物の測定装置10は、測定部本体12、被測定物Wを支持する被測定物支持台14、被測定物支持台14を上下方向に移動させる昇降機構16、測定部本体12の外周部近傍に複数個配される位置センサ18、図示しないCPU等より構成される制御部等より構成される。
【0017】
測定部本体12は、図示しない躯体(台座)上に固定された受け座30と、この受け座30上にフローティング支持される被測定物受け部20より構成される。受け座30は、円筒状部材であり、後述する被測定物W及び被測定物支持台14の下側支持部42が貫通できるのに充分な内径サイズとなっている。受け座30の上端面は、被測定物受け部20をフローティング支持できるように平坦に加工されている。
【0018】
被測定物受け部20は、円筒状部材であり、内周部に多孔質材24が嵌合されている。被測定物受け部20の下端面は、受け座30上にフローティング支持されるように平坦に加工されており、また、円周回りにエア溝32が形成されている。被測定物受け部20外周部側面に設けられたエア供給部34より供給されるエアはエア溝32と連通されており、このエア溝32に所定流量のエアが供給されることにより、被測定物受け部20は受け座30上にフローティング支持される。なお、エア供給部34へのエア源からの配管の図示は省略してある。
【0019】
なお、図示の被測定物受け部20は、受け座30と略同一の外径となっているが、受け座30上にフローティング支持される構成であれば、特に外径に制限はない。
【0020】
被測定物受け部20の内周部に嵌合される多孔質材24は、内径が被測定物Wの外径より大きく形成された円筒状部材であり、A/E変換器22及びエア供給部23を経由して供給されるエアがこの被測定物受け部20の孔の中心方向に向けて噴射されることにより、被測定物Wがこの孔の中心に支持されるようになっている。
【0021】
すなわち、被測定物受け部20がフローティング支持されるとともに、このように多孔質材24より被測定物受け部20の孔の中心方向に向けてエアが均等に噴射されることにより、自動的に被測定物Wがこの孔の中心に支持される。この場合、被測定物Wは、後述するように被測定物支持台14で固定支持されるので、被測定物受け部20が被測定物Wと同心になるように水平方向に移動することとなる。
【0022】
被測定物受け部20にはA/E変換器22が設けられており、このA/E変換器22により被測定物Wの外径が求められる。すなわち、A/E変換器22は既述のように、被測定物受け部20の孔の内周部から噴射されるエアの背圧の変化を、内蔵するベローズと差動変圧器とによって電気信号に変換するポジションセンサであり、被測定物受け部20の孔の内周部と被測定物Wの外径とで形成される隙間の大小による背圧の変化から被測定物Wの外径が求められる。なお、A/E変換器22からの配線(信号取り出し線)の図示は省略してある。
【0023】
被測定物受け部20の外周部の周縁には複数個の位置センサ18が設けられ、これらにより被測定物受け部20の径方向の位置が測定されて、被測定物受け部20の中心位置が求められる。被測定物受け部20と多孔質材24の孔とは同心になっているので、その結果、間接的に被測定物Wの中心が求められる。すなわち、前記の被測定物受け部20と被測定物Wとの同心位置合わせの構成(フローティング支持と多孔質材24よりのエア噴射による)により、被測定物受け部20と被測定物Wとは同心となっており、被測定物Wを長手方向に移動させながら被測定物受け部20の位置の変位を求めることにより、被測定物Wの真直度等(外径、円筒度)が求められる。
【0024】
図1(a)において、一部の図示は省略されているが、位置センサ18は、被測定物受け部20の円周方向の3分割位置に設けられており、被測定物受け部20の中心が精度良く求まるとともに、この位置センサ18の測定による外乱、すなわちプローブPによる触針圧が、被測定物受け部20と被測定物Wとの同心位置合わせ(フローティング支持と多孔質材24よりのエア噴射による)に影響しない構成としてある。
【0025】
図1(b)は、同図(a)のAA線矢視図であり、被測定物受け部20と3個のプローブP先端との位置関係を示している。なお、同図で被測定物受け部20の内部等の図示は省略してある。
【0026】
図1では、理解の便宜のため、位置センサ18として接触式のセンサが示されているが、前記の位置センサ18の測定による外乱、すなわちプローブPによる触針圧が、被測定物受け部20と被測定物Wとの同心位置合わせに影響しない構成とする趣旨からは、非接触式のセンサが採用されることが好ましい。このような非接触式の位置センサ18としては、たとえば、レーザ方式の位置センサ、渦電流方式の位置センサ、静電容量方式の位置センサ等が使用できる。
【0027】
被測定物支持台14は、被測定物Wの上端部及び下端部を支持するとともに、この被測定物支持台14自体が、昇降機構16により上下に移動される構成をなしている。被測定物支持台14は、略コ字形状をなし、支持台本体40と下端支持部42と上端支持部44とよりなる。支持台本体40と下端支持部42とは一体をなし、略J字状をなし、支持台本体40の上端部に図中の矢印Cのように上端支持部44が回動自在に支持されている。
【0028】
前記の昇降機構16は、被測定物支持台14と、図示しない躯体(台座)に固定された上下ガイドレール60及び直動手段50とを組み合わせることにより構成される。被測定物支持台14の支持台本体40の垂直部分には上下2箇所にガイドブロック62が固定されており、この上下2箇所のガイドブロック62は上下ガイドレール60にスライド自在に支持されている。
【0029】
一方、被測定物支持台14の支持台本体40の水平部分中央からはロッド材46が垂設されており、このロッド材46の下端部は直動手段50のロッド52の上端部とカップリング54を介して接続されている。このカップリング54は、被測定物支持台14(ロッド材46)と直動手段50(ロッド52)との軸心のズレ、水平方向のガタ、歪を緩和するために設けられるものである。
【0030】
直動手段50としては、被測定物支持台14を精度よくスムースに昇降させられるものであれば、公知の各種手段、たとえば、各種シリンダ部材、リニアモータ等が使用できる。
【0031】
次に、円柱形状物の測定装置10による被測定物Wの測定手順について説明する。先ず、被測定物Wの外径に適した多孔質材24を被測定物受け部20にセットする。この際、被測定物Wの外径が不詳であれば、被測定物Wの概略の外径をマイクロメータ、ノギス等で測定し、それに適した孔を有する多孔質材24を選択する。
【0032】
次に、予め外径寸法が正確に測定されて既知になっているマスタ(測定基準ワーク)を多孔質材24の内周部に嵌挿し、A/E変換器22による測定値の校正を行う。
【0033】
次いで、被測定物Wを上から多孔質材24の内周部に嵌挿し、被測定物Wの下端部を被測定物支持台14の下端支持部42で支持させる。そして、被測定物支持台14の上端支持部44を回動させて、上端支持部44先端で被測定物Wの上端部を支持させる。これにより、被測定物支持台14による被測定物Wの支持が完了する。
【0034】
この状態で、エア供給部34より所定流量のエアを供給して被測定物受け部20をフローティングさせるとともに、A/E変換器22を経由してエアを供給しながら、各種の測定を行なう。
【0035】
被測定物Wの外径の測定のみを行なう場合には、被測定物Wの外径の大小によるエアの背圧変化をA/E変換器22で検出することによって被測定物Wの外径を算出する。
【0036】
被測定物Wの真直度の測定のみを行なう場合には、被測定物受け部20を受け座30上にフローティング支持するとともに、位置センサ18による測定を行ない、かつ、昇降機構16により被測定物支持台14を上下移動させる。ただし、A/E変換器22で被測定物Wの外径を測定する必要はない。
【0037】
被測定物Wの円筒度の測定等を行なう場合には、A/E変換器22で被測定物Wの外径の測定を行い、被測定物受け部20を受け座30上にフローティング支持するとともに、位置センサ18による測定を行ない、かつ、昇降機構16により被測定物支持台14を上下移動させる。
【0038】
このように、各種の測定種別に応じて、円柱形状物の測定装置10の各構成部分を有効に動作させて測定を行う。このような各種の測定種別に応じた測定ができるように、操作盤、操作パネル、制御用パソコン等の各種制御手段に測定種別に応じた入力表示を設けるとともに、図示しないCPU等より構成される制御部等により適正に制御されることが好ましい。
【0039】
次に、本発明に係る円柱形状物の測定装置の他の実施態様について説明する。図2(a)は、この実施態様の概略構成図である。なお、図1(a)の構成と同一、類似の部材については、同様の符号を附し、その説明を省略する。
【0040】
この構成において、円柱形状物の測定装置10には被測定物受け部20が上下に複数個(3個)設けられている。この複数個(3個)の被測定物受け部20は、夫々独立して被測定物Wに自動求心される。
【0041】
このような構成を採用することにより、被測定物Wを上下方向に移動させることなく同軸度、同心度、及び簡易な真直度、円筒度等の測定を容易に行なうことができる。図示の例では、被測定物Wが段差のついた円柱状物であるが、内径の異なる多孔質材24をそれぞれの被測定物受け部20にセットすることにより、各種測定が容易にかつ高精度で行なえる。
【0042】
図示の円柱形状物の測定装置10は、説明の便宜のため、複数個の被測定物受け部20が上下に隣接して配置されているが、間隔を設けて配置するのであってもよい。図示の例では、最下段の被測定物受け部20の上端面と中央段の被測定物受け部20の下端面、及び、中央段の被測定物受け部20の上端面と最上段の被測定物受け部20の下端面との間にもフローティング支持の構成が設けられている。
【0043】
また、図示の例では、被測定物支持台14の昇降ストロークが短い構成となっているが、説明の便宜のためであり、図1(a)の構成と同様に長くすることはできる。また、説明の便宜のため、被測定物支持台14の支持台本体40と下端支持部42とが分割して図示されている。
【0044】
図2(b)は、図2(a)のBB線矢視図であり、各位置センサ18のプローブP先端と被測定物受け部20との位置関係を示している。なお、同図で被測定物受け部20の内部等の図示は省略してある。同図において、最下段の被測定物受け部20に接触する位置センサ18のプローブPA1、PB1、PC1、中央段の被測定物受け部20に接触する位置センサ18のプローブPA2、PB2、PC2、及び、最上段の被測定物受け部20に接触する位置センサ18のプローブPA3、PB3、PC3は、いずれも円周方向の3分割位置に設けられている。また、プローブPA1、PB1、PC1とプローブPA2、PB2、PC2、及び、プローブPA2、PB2、PC2とプローブPA3、PB3、PC3は、いずれも円周方向に60度ずらして配置されている。
【0045】
各位置センサ18がこのように配置されることにより、各位置センサ18の配置上の干渉が防止できる。ただし、この配置方法に限定されるものではなく、位置センサ18の機種、各被測定物受け部20の上下間隔等に応じて任意に構成できる。
【0046】
なお、理想的には、各位置センサ18の配置は、円周方向の同一位置になされることが好ましい。このように位置センサ18が配置されれば、被測定物Wの径方向の誤差による影響を受けなくて済むからである。
【0047】
以上、本発明に係る円柱形状物の測定装置の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。たとえば、被測定物受け部20を受け座30上にフローティング支持される構成としたが、これに代えて、たとえば、被測定物受け部20を装置の上部からピアノ線等で吊着する構成も採用でき、本実施態様と同様に機能させることができる。
【0048】
また、位置センサ18を円周方向の3分割位置に各3個配する構成としたが、4個以上を円周方向の等分割位置に配する構成であってもよい。
【0049】
更に、被測定物受け部20を円筒状の部材としたが、この被測定物受け部20の外周部を断面正方形とし、このうちの2辺の中央部に位置センサ18のプローブP先端を接触させる構成も採用でき、本実施態様と同様に機能させることができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、噴射される気体により被測定物が被測定物受け部の孔の中心に支持され(すなわち、被測定物に対し被測定物受け部を求心させ)、空/電変換器により被測定物の外径が求められる。同時に、この被測定物受け部の位置が測定される。そして、被測定物が昇降機構により被測定物の長手方向に移動されることにより被測定物の真直度、円筒度等が求められる。この構成により被測定物に傷を付けることなく、簡易かつ迅速に精度良く被測定物の真直度、円筒度等が求められる。
【0051】
また、請求項2に記載の発明によれば、被測定物受け部が上下に複数個積層され、噴射される気体により被測定物が複数個の被測定物受け部の孔の中心に支持され(すなわち、被測定物に対し複数個の被測定物受け部を夫々求心させ)、その状態で、この複数個の被測定物受け部の位置が測定される。この構成により被測定物に傷を付けることなく、簡易かつ迅速に精度良く被測定物の同心度や同軸度が求められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る円柱形状物の測定装置の実施態様の概略構成図
【図2】本発明に係る円柱形状物の測定装置の他の実施態様の概略構成図
【符号の説明】
10…円柱形状物の測定装置、12…測定部本体、14…被測定物支持台、16…昇降機構、18…位置センサ、20…被測定物受け部、22…A/E変換器(空/電変換器)、24…多孔質材、P…プローブ(位置センサ)、W…被測定物
Claims (4)
- 被測定物を支持する被測定物支持台と、
前記被測定物の直径よりも大径の孔が形成され、該孔の内周部から中心方向に向けて気体が噴射される被測定物受け部と、
前記噴射される気体の背圧の変化を電気信号に変換する空/電変換器と、
前記被測定物を前記被測定物受け部に対して相対的に上下移動する昇降機構と、
前記被測定物受け部の外周部周縁に設けられ、前記被測定物受け部の位置の変位を検出する複数個の位置センサと、を有し、
前記被測定物が前記被測定物受け部の孔に挿入されて前記被測定物と前記孔とが自動求心されるとともに、前記空/電変換器からの信号によって、前記被測定物の外径が求められ、
前記被測定物が前記被測定物受け部に対して相対的に上下移動されたときの、前記複数個の位置センサの検出信号によって前記被測定物の真直度又は円筒度が求められることを特徴とする円柱形状物の測定装置。 - 被測定物を支持する被測定物支持台と、
上下に複数個積層され、前記被測定物の直径よりも大径の孔が形成されるとともに、該孔の内周部から中心方向に向けて気体が噴射される被測定物受け部と、
前記複数の被測定物受け部の外周部周縁に夫々複数個設けられ、前記夫々の被測定物受け部の位置の変位を検出する位置センサと、を有し、
前記被測定物が前記複数の被測定物受け部の孔に挿入されて前記被測定物と前記複数の被測定物受け部の孔とが夫々自動求心されたときの、前記夫々の複数個の位置センサの検出信号によって前記被測定物の真直度、円筒度又は同心度が求められることを特徴とする円柱形状物の測定装置。 - 前記複数個の位置センサは非接触式の位置センサである請求項1又は2のいずれか1項に記載の円柱形状物の測定装置。
- 前記被測定物受け部の内周部分が多孔質材で形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の円柱形状物の測定装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018165688A (ja) * | 2017-03-28 | 2018-10-25 | 株式会社東京精密 | 形状測定装置及び形状測定方法 |
-
2002
- 2002-09-09 JP JP2002262801A patent/JP2004101344A/ja active Pending
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CN108571942B (zh) * | 2018-06-29 | 2023-09-15 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 一种发动机缸套圆柱度检测装置 |
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