JP2004101048A - 環境調整システムおよびその方法ならびに環境調整プログラム - Google Patents
環境調整システムおよびその方法ならびに環境調整プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】単独、あるいは複数の人が居住する閉空間における個別の快適さ、あるいは総括的な快適さ、ならびに省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適空調、局所的空調の割り出しとその実現を行なう環境調整システムおよびその方法ならびに環境調整プログラムを提供する。
【解決手段】環境サーバ2内の環境調整指示部21が、あらかじめ嗜好情報格納部23に登録された利用者の環境に対する嗜好情報と、無線タグに実装された環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、環境設備のコンピュータに対して、利用者の嗜好に沿うように、現在位置取得部21によって取得される利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示する。
【選択図】 図3
【解決手段】環境サーバ2内の環境調整指示部21が、あらかじめ嗜好情報格納部23に登録された利用者の環境に対する嗜好情報と、無線タグに実装された環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、環境設備のコンピュータに対して、利用者の嗜好に沿うように、現在位置取得部21によって取得される利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、会議室の空調、結婚式における排煙等、閉空間における局所的な環境制御に用いて好適な、環境調整システムおよびその方法、ならびに環境調整プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、会議室の空調、結婚式における排煙等、閉空間に設置された空調やエアコン等の環境設備は、あらかじめ設定された温度や湿度に関しての調整を行なう。しかしながら、環境に対して反応する個人差は配慮されておらず、また、人が移動して空席が目立つようになり、あるいは混雑してもその環境が調整されることは稀であった。
更に、上記した空調に排気制御が連動する例はない(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−142274号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、人が快適と感じる環境には個人差があり、また、同様に不快に感じる環境も個人差が大きい。
一方、ある閉空間にあっても環境は時々刻々変化し、また、閉空間に存在する人数、あるいは出入りする人数によっても変化が生じる。例えば、2時間程度の結婚式や会議であっても、外部化からの日照の程度は大きく影響し、これを無視すれば快適度が失われることも少なくない。
【0005】
従来の空調設備は、主として、温度あるいは湿度のみを定点座標について制御しているが、同じ閉空間内にあっても座標によっては、例えば、冷房が不足し、あるいは必要以上に冷房が効きすぎていることがしばしばあった。また、広い空間に一人しか居ないような場合、省エネルギーの観点から見れば、人が居るところだけ空調を行なえば本来充分であるにもかかわらず、現状、空間全体に対して空調を行なっており、無駄であった。
更に、従来の空調では大多数の人が快適と感じられるように設定しているものの、一部の人には不快であることもある。会議中であっても生理現象、外部からの呼出し等のたびに席を離れ室外に移動する、遅れて会議に参加する等、人の配置(人数やメンバーの組合せを含む)は時々刻々変化し予測できないことが多い。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、単独、あるいは複数の人が居住する閉空間における個別の快適さ、あるいは総括的な快適さ、ならびに省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適空調、局所的空調の割り出しとその実現を行なう、環境調整システムおよびその方法、ならびに環境調整プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために本発明は、閉空間に環境設備を備え、前記環境設備をコンピュータによって局所的に制御可能な環境調整システムであって、利用者個人を特定する識別子と環境センサが実装された無線タグを携行する利用者の現在位置情報を取得する現在位置取得手段と、あらかじめ登録された前記利用者の環境に対する嗜好情報と、前記環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示する環境調整指示手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、環境調整指示手段が、あらかじめ登録された利用者の環境に対する嗜好情報と、環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、コンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように、現在位置取得手段によって取得される利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示することで、居住する閉空間における個別の快適さと省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適な空調、局所的空調の割り出しとその実現が行なわれる。なお、「無線タグ」とは、無線でデータのリードライトを行なう非接触のICチップのことをいい、通信機能実現のための高周波アナログ回路と、データが記録されるメモリとを備える。更に、演算機能を備えていてもよい。
【0009】
また、本発明において、前記環境調整指示手段は、前記局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を演算処理し、その局所内における総括的な環境調整を行なうこと、を特徴とする。
本発明によれば、環境調整指示手段が、局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を平均化するなどの演算を実施し、その局所内における総括的な環境調整を行なうことで、局所内における総括的な快適さと省エネルギーの両立をはかり、常に最適な環境を実現できる。
【0010】
また、本発明において、前記無線タグに、環境センサとしての温度センサまたは湿度センサを実装し、好ましくはさらに、その他の必要とされるセンサを実装し、前記環境調整指示手段は、前記利用者個人を特定する識別子からあらかじめ登録済みの温度または湿度に対する嗜好情報を取り込み、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な空調制御を指示することを特徴とする。
本発明によれば、環境調整指示手段が、利用者個人を特定する識別子からあらかじめ登録済みの温度に対する嗜好情報を取り込み、コンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように利用者の現在位置を含む場所の局所的な空調制御を指示することにより、居住する閉空間における個別の快適さと省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適な空調、局所的空調の割り出しとその実現がなされる。
【0011】
また、本発明において、前記無線タグに、環境センサとしての煙センサを実装し、前記環境調整指示手段は、前記利用者個人を特定する識別子からあらかじめ登録済みの煙に対する嗜好情報を取り込み、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な吸排気制御を指示することを特徴とする。
本発明によれば、環境調整指示手段が、利用者個人を特定する識別子からあらかじめ登録済みの煙に対する嗜好情報を取り込み、コンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように利用者の現在位置を含む場所の局所的な吸排気制御を指示することにより、居住する閉空間における個別の快適さと省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適な吸排気、局所的吸排気の割り出しとその実現がなされる。
【0012】
上記した課題を解決するために本発明は、閉空間に環境設備を備え、前記環境設備をコンピュータによって局所的に制御可能な環境調整システムにおける環境調整方法であって、利用者個人を特定する識別子と環境センサが実装された無線タグを携行する利用者の現在位置情報を取得し、あらかじめ登録された前記利用者の環境に対する嗜好情報と、前記環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示すること、を特徴とする。
【0013】
上記した課題を解決するために本発明は、閉空間に環境設備を備え、前記環境設備をコンピュータによって局所的に制御可能な環境調整システムに用いられる環境調整プログラムであって、利用者個人を特定する識別子と環境センサが実装された無線タグを携行する利用者の現在位置情報を取得する現在位置取得ステップと、あらかじめ登録された前記利用者の環境に対する嗜好情報と、前記環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示する環境調整指示ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記したように、本発明は、人の移動や環境の時間変化に対応した最適住居空間を自動的に作り出すために、同じ閉空間内であっても必ずしも均一に制御するものではなく、座標、詳しくはその座標に位置する人が快適と感じる環境、例えば、空調を目指して制御を行なう。
この局所的空調を実現するために各利用者は、個別に無線タグを保持する。ここで、無線タグとは、無線でデータのリードライトを行なう非接触のICチップのことをいい、通信機能実現のための高周波アナログ回路と、データが記録されるメモリとを備える。更に、演算機能を備えていてもよい。現状、無線タグとしてはJRのICカード「Suica(登録商標)」が有名である。
【0015】
図1に本発明の環境調整システム10の接続構成が示されている。図1において、1は、環境装置としてコンピュータによって制御される、例えば空調設備である。ここでは、その空調制御のために、従来の温調、調湿に加えて、排気、換気、遮光、集光の制御も行い、さらに、空調を局所的に行なうことを可能にするために、複数の空調機、あるいは、複数の吸排気口の制御、複数のブラインド、カーテン、集光板等を用いて総合的な制御を行なうこととする。
2は環境サーバであり、各利用者に配布された無線タグ3と情報交換を行なうことにより、空調設備1のコンピュータと協働して最適な環境制御を実現する。
【0016】
図2に無線タグ3、図3に環境サーバ2の内部構成が示されている。図2において、無線タグ(RF−ID)3には、データメモリ31と、高周波回路32とアンテナ34の他に、環境センサ33が埋め込まれ、内部バス35に接続されている。
環境センサ33として、温度センサ、湿度センサ、微粒子(埃)センサのうち単数、あるいは複数備え、さらに、これら環境センサ33とともに、データメモリ31に、利用者の個人IDが記録され、保持することとする。
なお、この無線タグ3の個別保有形態としては、この無線タグ3を埋め込んだ名札状のものを結婚式場や会議場など、場所ごとにその都度配布、設定する方法、この無線タグ3を埋め込んだ腕時計を常時着用させる方法、現在広く使われている携帯電話に組込む方法等が考えられる。
【0017】
高周波回路32は、データメモリ31に記録された利用者毎の個人IDを、図3に示す環境サーバ2へ送信する他に、この環境調整サーバ2との間で位置情報の交信も行なう。
すなわち、電波を利用して、あらかじめ位置が正確にわかっている複数の基地局からの電波を計測することで、無線タグ3を携行する利用者の現在位置情報がわかる仕組みになっている。図4に無線タグ3から送信されるデータフォーマットの一例が示されている。
ここでは、データメモリ32に記録される利用者の個人ID、実装される環境センサ33によって検知される環境データ、および現在位置座標データから成る。
【0018】
図3に示す環境サーバ2は、現在位置情報取得部21と、環境調整指示部22と、嗜好情報格納部23で構成される。
現在位置情報取得部21は、利用者個人を特定するIDと環境センサ33が実装された無線タグ3を携行する利用者の現在位置情報を取得する機能を有し、環境調整指示部22は、無線タグ3配布時にあらかじめ登録された利用者の環境に対する嗜好情報(冷房の程度、風の強さ等)と、環境センサ33を介してリアルタイムに検知される環境情報とを照合することにより、環境設備1のコンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように、利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示する機能を持つ。
【0019】
また、環境調整指示部22は、局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を平均化する演算を行い、その局所内における総括的な環境調整を行なうことも可能である。
なお、嗜好情報格納部23には、上記した利用者ID毎の嗜好情報が登録され、格納される。なお、この嗜好情報については環境サーバ2が所有することなく、配布の度に、無線タグ3のデータメモリ31に都度記録されても良い。
【0020】
図5は、本発明における環境調整システムの動作を説明するために引用したフローチャートであり、具体的には本発明の環境調整プログラムの処理手順を示す。
以下、図5に示すフローチャートを参照しながら本発明の環境調整システムの動作について説明する。
まず、環境サーバ2は、無線タグ3と情報交換を行なうことにより、利用者個人を特定する利用者IDと環境センサ33によりリアルタイムに検知される温度等の環境情報を入手する。また、このとき、現在位置情報取得部21により、無線タグ3を携行する利用者の現在位置情報も計測する(ステップS51)。
そして、環境調整指示部22は、入手した利用者IDに基づき嗜好情報格納部23を検索してあらかじめ登録された利用者の環境に対する、例えば、冷房の程度、風の強さ等の嗜好情報を取得し(ステップS52)、環境センサ33を介してリアルタイムに検知される環境情報とを照合する(ステップS53)。
【0021】
このことにより、環境設備1を制御するコンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示することができる。このとき、対象が複数であれば(ステップS54で「Yes」)、局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を平均化するための演算を施し(ステップS55)、その局所内における総括的な環境調整が行なわれる(ステップS56)。一方、対象が単数であれば(ステップS54で「No」)、そのコンピュータに対して一人の利用者の嗜好に沿うように、その利用者の現在位置を含む場所の局所的な空調制御を指示する(ステップS56)。
【0022】
以下、本発明の適用例について説明する。一つは、大議室における空調環境の統合制御への適用例である。
ここでは、複数の空調設備(従来のエアコン)、排気/換気口(図示せず)、ブラインドとその開閉装置が、閉じた空間である大会議室内に設置され、および大会議室に出入りするメンバーに配する無線タグ3と連動し、集中管理するコンピュータによって制御されるように設定されている。
各メンバーが携行する無線タグ3は、名札に実装されており、その座標と座標位置における温度、湿度、光度を感じる環境センサ33も名札の同位置に組みこまれている。なお、各人の現在位置座標は、大会議室内に取り付けられた、例えば3つのアンテナによって割り出すことが出来る。従って、会議中にメンバーが入退室、あるいは移動しても、会議室内のメンバー数とメンバーの特定ならびに各々の座標の特定が可能である。
【0023】
また、無線タグ3に実装された環境センサ33により、それぞれのメンバーが位置する座標における空調状態をリアルタイムで監視することが出来る。従って、これを環境サーバ2にフィードバックすることにより、環境調整指示部22が、予め決められている演算処理、すなわち、嗜好情報格納部23にあらかじめ登録された利用者の環境に対する嗜好情報と、環境センサ33を介して検知される環境情報とを照合することにより、環境設備1を制御するコンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示し、このことにより、理想とする局所的な空調を実現し、大会議室内に設置された複数の空調設備を活用して、必要最小限の時間とエネルギーで、理想とする局所的な空調が実現できる。
【0024】
なお、環境調整指示部22が、局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を平均化するための演算を施し、その局所内における総括的な環境調整を行なうことも可能である。このことにより、局所内における総括的な快適さと省エネルギーの両立がはかれ、時間とともに変化する最適な環境制御を実現できる。
【0025】
他の適用例として、映画館への実施も考えられる。この場合は、映画館の館内に設けられている複数の空調(エアコン、排気/換気)に、入場客に配布された無線タグ3とを連動させる。
入場客には、予め入場時に空調に対する嗜好情報を登録してもらい、その情報を環境サーバ2の嗜好情報格納部23に格納しておく。そして、入場客には、環境センサ33として上記したセンサの他に、煙センサが付加されたワッペンを身に付けて頂く。
入場されたお客様が不特定の位置に自由に客席されても、その座標を識別できるため、映画館の館内に設けられている複数の空調総動員して、個人および全員の好みに近い空調を実現できる。また、一部のお客様が、喫煙コーナー、あるいはマナー違反等により、映画館内で喫煙をした場合でもその座標位置を特定して例えば、足元に設置された複数の送風口を制御して最適な排気や換気をすることが出来るために、周りのお客様を不快にすることなく必要最小限の時間とエネルギーで、理想とする局所的な空調が実現できる。
なお、他に、自家用車、結婚式場、個人住宅等への適用が同様に考えられる。
【0026】
以上説明のように本発明は、単独、あるいは複数の人が居住する閉空間における個別の快適さ、あるいは総括的な快適さ、ならびに省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適空調、局所的空調の割り出しとその実現を行なうものである。
なお、図3に示す現在位置情報取得部21と、環境調整指示部22のそれぞれで実行される手順をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本発明の環境調整システムが実現されるものとする。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0027】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のシステムやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0028】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0029】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明のように本発明によれば、個別に空調との環境設備を制御するために、一部の人に不快を強いることなく、簡単に快適度を向上させることができ、他に以下に列挙する効果が得られる。
(1)個別の人の座標移動や人数の増減(人の出入り)に合わせて最も効果的な空調が実現できる。
(2)同じ閉空間内にあっても局所的に必要以上の空調が不要な場合は空調を省力できるため省エネルギー化に寄与する。例えば、嫌煙者と喫煙者が接近して同席した場合にも無線タグに実装された環境センサに対応して局所的排気が行なわれ、喫煙者が移動してもその現在位置情報により、排気/換気の必要な座標を特定できるため、効果的なベンチレーションとなる。また、一部に顕著な寒がりの人がいた場合でも、その人が位置する近傍のみを弱冷房とし、あるいは非冷房とすることにより、効果的、かつ各個人の嗜好や体調に合わせた空調が実現できる。
(3)不要な箇所への空調エネルギーの供給をカットできるために排出ガスの削減がはかれ、地球環境にも優しいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の環境調整システムの接続構成を説明するために引用した図である。
【図2】図1に示す無線タグの内部構成を説明するために引用したブロック図である。
【図3】図1に示す環境サーバの内部構成を機能展開して示したブロック図である。
【図4】図1、図2に示す無線タグから送信される情報のデータフォーマットを説明するために引用した図である。
【図5】本発明の環境調整システムの動作を説明するために引用したフローチャートである。
【符号の説明】
1…環境設備、2…環境サーバ、3…無線タグ、21…現在位置情報取得部、22…環境調整指示部、23…嗜好情報格納部、31…データメモリ、32…高周波回路、33…環境センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、会議室の空調、結婚式における排煙等、閉空間における局所的な環境制御に用いて好適な、環境調整システムおよびその方法、ならびに環境調整プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、会議室の空調、結婚式における排煙等、閉空間に設置された空調やエアコン等の環境設備は、あらかじめ設定された温度や湿度に関しての調整を行なう。しかしながら、環境に対して反応する個人差は配慮されておらず、また、人が移動して空席が目立つようになり、あるいは混雑してもその環境が調整されることは稀であった。
更に、上記した空調に排気制御が連動する例はない(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−142274号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、人が快適と感じる環境には個人差があり、また、同様に不快に感じる環境も個人差が大きい。
一方、ある閉空間にあっても環境は時々刻々変化し、また、閉空間に存在する人数、あるいは出入りする人数によっても変化が生じる。例えば、2時間程度の結婚式や会議であっても、外部化からの日照の程度は大きく影響し、これを無視すれば快適度が失われることも少なくない。
【0005】
従来の空調設備は、主として、温度あるいは湿度のみを定点座標について制御しているが、同じ閉空間内にあっても座標によっては、例えば、冷房が不足し、あるいは必要以上に冷房が効きすぎていることがしばしばあった。また、広い空間に一人しか居ないような場合、省エネルギーの観点から見れば、人が居るところだけ空調を行なえば本来充分であるにもかかわらず、現状、空間全体に対して空調を行なっており、無駄であった。
更に、従来の空調では大多数の人が快適と感じられるように設定しているものの、一部の人には不快であることもある。会議中であっても生理現象、外部からの呼出し等のたびに席を離れ室外に移動する、遅れて会議に参加する等、人の配置(人数やメンバーの組合せを含む)は時々刻々変化し予測できないことが多い。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、単独、あるいは複数の人が居住する閉空間における個別の快適さ、あるいは総括的な快適さ、ならびに省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適空調、局所的空調の割り出しとその実現を行なう、環境調整システムおよびその方法、ならびに環境調整プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために本発明は、閉空間に環境設備を備え、前記環境設備をコンピュータによって局所的に制御可能な環境調整システムであって、利用者個人を特定する識別子と環境センサが実装された無線タグを携行する利用者の現在位置情報を取得する現在位置取得手段と、あらかじめ登録された前記利用者の環境に対する嗜好情報と、前記環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示する環境調整指示手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、環境調整指示手段が、あらかじめ登録された利用者の環境に対する嗜好情報と、環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、コンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように、現在位置取得手段によって取得される利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示することで、居住する閉空間における個別の快適さと省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適な空調、局所的空調の割り出しとその実現が行なわれる。なお、「無線タグ」とは、無線でデータのリードライトを行なう非接触のICチップのことをいい、通信機能実現のための高周波アナログ回路と、データが記録されるメモリとを備える。更に、演算機能を備えていてもよい。
【0009】
また、本発明において、前記環境調整指示手段は、前記局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を演算処理し、その局所内における総括的な環境調整を行なうこと、を特徴とする。
本発明によれば、環境調整指示手段が、局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を平均化するなどの演算を実施し、その局所内における総括的な環境調整を行なうことで、局所内における総括的な快適さと省エネルギーの両立をはかり、常に最適な環境を実現できる。
【0010】
また、本発明において、前記無線タグに、環境センサとしての温度センサまたは湿度センサを実装し、好ましくはさらに、その他の必要とされるセンサを実装し、前記環境調整指示手段は、前記利用者個人を特定する識別子からあらかじめ登録済みの温度または湿度に対する嗜好情報を取り込み、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な空調制御を指示することを特徴とする。
本発明によれば、環境調整指示手段が、利用者個人を特定する識別子からあらかじめ登録済みの温度に対する嗜好情報を取り込み、コンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように利用者の現在位置を含む場所の局所的な空調制御を指示することにより、居住する閉空間における個別の快適さと省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適な空調、局所的空調の割り出しとその実現がなされる。
【0011】
また、本発明において、前記無線タグに、環境センサとしての煙センサを実装し、前記環境調整指示手段は、前記利用者個人を特定する識別子からあらかじめ登録済みの煙に対する嗜好情報を取り込み、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な吸排気制御を指示することを特徴とする。
本発明によれば、環境調整指示手段が、利用者個人を特定する識別子からあらかじめ登録済みの煙に対する嗜好情報を取り込み、コンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように利用者の現在位置を含む場所の局所的な吸排気制御を指示することにより、居住する閉空間における個別の快適さと省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適な吸排気、局所的吸排気の割り出しとその実現がなされる。
【0012】
上記した課題を解決するために本発明は、閉空間に環境設備を備え、前記環境設備をコンピュータによって局所的に制御可能な環境調整システムにおける環境調整方法であって、利用者個人を特定する識別子と環境センサが実装された無線タグを携行する利用者の現在位置情報を取得し、あらかじめ登録された前記利用者の環境に対する嗜好情報と、前記環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示すること、を特徴とする。
【0013】
上記した課題を解決するために本発明は、閉空間に環境設備を備え、前記環境設備をコンピュータによって局所的に制御可能な環境調整システムに用いられる環境調整プログラムであって、利用者個人を特定する識別子と環境センサが実装された無線タグを携行する利用者の現在位置情報を取得する現在位置取得ステップと、あらかじめ登録された前記利用者の環境に対する嗜好情報と、前記環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示する環境調整指示ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記したように、本発明は、人の移動や環境の時間変化に対応した最適住居空間を自動的に作り出すために、同じ閉空間内であっても必ずしも均一に制御するものではなく、座標、詳しくはその座標に位置する人が快適と感じる環境、例えば、空調を目指して制御を行なう。
この局所的空調を実現するために各利用者は、個別に無線タグを保持する。ここで、無線タグとは、無線でデータのリードライトを行なう非接触のICチップのことをいい、通信機能実現のための高周波アナログ回路と、データが記録されるメモリとを備える。更に、演算機能を備えていてもよい。現状、無線タグとしてはJRのICカード「Suica(登録商標)」が有名である。
【0015】
図1に本発明の環境調整システム10の接続構成が示されている。図1において、1は、環境装置としてコンピュータによって制御される、例えば空調設備である。ここでは、その空調制御のために、従来の温調、調湿に加えて、排気、換気、遮光、集光の制御も行い、さらに、空調を局所的に行なうことを可能にするために、複数の空調機、あるいは、複数の吸排気口の制御、複数のブラインド、カーテン、集光板等を用いて総合的な制御を行なうこととする。
2は環境サーバであり、各利用者に配布された無線タグ3と情報交換を行なうことにより、空調設備1のコンピュータと協働して最適な環境制御を実現する。
【0016】
図2に無線タグ3、図3に環境サーバ2の内部構成が示されている。図2において、無線タグ(RF−ID)3には、データメモリ31と、高周波回路32とアンテナ34の他に、環境センサ33が埋め込まれ、内部バス35に接続されている。
環境センサ33として、温度センサ、湿度センサ、微粒子(埃)センサのうち単数、あるいは複数備え、さらに、これら環境センサ33とともに、データメモリ31に、利用者の個人IDが記録され、保持することとする。
なお、この無線タグ3の個別保有形態としては、この無線タグ3を埋め込んだ名札状のものを結婚式場や会議場など、場所ごとにその都度配布、設定する方法、この無線タグ3を埋め込んだ腕時計を常時着用させる方法、現在広く使われている携帯電話に組込む方法等が考えられる。
【0017】
高周波回路32は、データメモリ31に記録された利用者毎の個人IDを、図3に示す環境サーバ2へ送信する他に、この環境調整サーバ2との間で位置情報の交信も行なう。
すなわち、電波を利用して、あらかじめ位置が正確にわかっている複数の基地局からの電波を計測することで、無線タグ3を携行する利用者の現在位置情報がわかる仕組みになっている。図4に無線タグ3から送信されるデータフォーマットの一例が示されている。
ここでは、データメモリ32に記録される利用者の個人ID、実装される環境センサ33によって検知される環境データ、および現在位置座標データから成る。
【0018】
図3に示す環境サーバ2は、現在位置情報取得部21と、環境調整指示部22と、嗜好情報格納部23で構成される。
現在位置情報取得部21は、利用者個人を特定するIDと環境センサ33が実装された無線タグ3を携行する利用者の現在位置情報を取得する機能を有し、環境調整指示部22は、無線タグ3配布時にあらかじめ登録された利用者の環境に対する嗜好情報(冷房の程度、風の強さ等)と、環境センサ33を介してリアルタイムに検知される環境情報とを照合することにより、環境設備1のコンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように、利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示する機能を持つ。
【0019】
また、環境調整指示部22は、局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を平均化する演算を行い、その局所内における総括的な環境調整を行なうことも可能である。
なお、嗜好情報格納部23には、上記した利用者ID毎の嗜好情報が登録され、格納される。なお、この嗜好情報については環境サーバ2が所有することなく、配布の度に、無線タグ3のデータメモリ31に都度記録されても良い。
【0020】
図5は、本発明における環境調整システムの動作を説明するために引用したフローチャートであり、具体的には本発明の環境調整プログラムの処理手順を示す。
以下、図5に示すフローチャートを参照しながら本発明の環境調整システムの動作について説明する。
まず、環境サーバ2は、無線タグ3と情報交換を行なうことにより、利用者個人を特定する利用者IDと環境センサ33によりリアルタイムに検知される温度等の環境情報を入手する。また、このとき、現在位置情報取得部21により、無線タグ3を携行する利用者の現在位置情報も計測する(ステップS51)。
そして、環境調整指示部22は、入手した利用者IDに基づき嗜好情報格納部23を検索してあらかじめ登録された利用者の環境に対する、例えば、冷房の程度、風の強さ等の嗜好情報を取得し(ステップS52)、環境センサ33を介してリアルタイムに検知される環境情報とを照合する(ステップS53)。
【0021】
このことにより、環境設備1を制御するコンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示することができる。このとき、対象が複数であれば(ステップS54で「Yes」)、局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を平均化するための演算を施し(ステップS55)、その局所内における総括的な環境調整が行なわれる(ステップS56)。一方、対象が単数であれば(ステップS54で「No」)、そのコンピュータに対して一人の利用者の嗜好に沿うように、その利用者の現在位置を含む場所の局所的な空調制御を指示する(ステップS56)。
【0022】
以下、本発明の適用例について説明する。一つは、大議室における空調環境の統合制御への適用例である。
ここでは、複数の空調設備(従来のエアコン)、排気/換気口(図示せず)、ブラインドとその開閉装置が、閉じた空間である大会議室内に設置され、および大会議室に出入りするメンバーに配する無線タグ3と連動し、集中管理するコンピュータによって制御されるように設定されている。
各メンバーが携行する無線タグ3は、名札に実装されており、その座標と座標位置における温度、湿度、光度を感じる環境センサ33も名札の同位置に組みこまれている。なお、各人の現在位置座標は、大会議室内に取り付けられた、例えば3つのアンテナによって割り出すことが出来る。従って、会議中にメンバーが入退室、あるいは移動しても、会議室内のメンバー数とメンバーの特定ならびに各々の座標の特定が可能である。
【0023】
また、無線タグ3に実装された環境センサ33により、それぞれのメンバーが位置する座標における空調状態をリアルタイムで監視することが出来る。従って、これを環境サーバ2にフィードバックすることにより、環境調整指示部22が、予め決められている演算処理、すなわち、嗜好情報格納部23にあらかじめ登録された利用者の環境に対する嗜好情報と、環境センサ33を介して検知される環境情報とを照合することにより、環境設備1を制御するコンピュータに対して利用者の嗜好に沿うように利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示し、このことにより、理想とする局所的な空調を実現し、大会議室内に設置された複数の空調設備を活用して、必要最小限の時間とエネルギーで、理想とする局所的な空調が実現できる。
【0024】
なお、環境調整指示部22が、局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を平均化するための演算を施し、その局所内における総括的な環境調整を行なうことも可能である。このことにより、局所内における総括的な快適さと省エネルギーの両立がはかれ、時間とともに変化する最適な環境制御を実現できる。
【0025】
他の適用例として、映画館への実施も考えられる。この場合は、映画館の館内に設けられている複数の空調(エアコン、排気/換気)に、入場客に配布された無線タグ3とを連動させる。
入場客には、予め入場時に空調に対する嗜好情報を登録してもらい、その情報を環境サーバ2の嗜好情報格納部23に格納しておく。そして、入場客には、環境センサ33として上記したセンサの他に、煙センサが付加されたワッペンを身に付けて頂く。
入場されたお客様が不特定の位置に自由に客席されても、その座標を識別できるため、映画館の館内に設けられている複数の空調総動員して、個人および全員の好みに近い空調を実現できる。また、一部のお客様が、喫煙コーナー、あるいはマナー違反等により、映画館内で喫煙をした場合でもその座標位置を特定して例えば、足元に設置された複数の送風口を制御して最適な排気や換気をすることが出来るために、周りのお客様を不快にすることなく必要最小限の時間とエネルギーで、理想とする局所的な空調が実現できる。
なお、他に、自家用車、結婚式場、個人住宅等への適用が同様に考えられる。
【0026】
以上説明のように本発明は、単独、あるいは複数の人が居住する閉空間における個別の快適さ、あるいは総括的な快適さ、ならびに省エネルギーの両立をはかり、時間とともに変化する最適空調、局所的空調の割り出しとその実現を行なうものである。
なお、図3に示す現在位置情報取得部21と、環境調整指示部22のそれぞれで実行される手順をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより本発明の環境調整システムが実現されるものとする。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0027】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のシステムやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0028】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0029】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明のように本発明によれば、個別に空調との環境設備を制御するために、一部の人に不快を強いることなく、簡単に快適度を向上させることができ、他に以下に列挙する効果が得られる。
(1)個別の人の座標移動や人数の増減(人の出入り)に合わせて最も効果的な空調が実現できる。
(2)同じ閉空間内にあっても局所的に必要以上の空調が不要な場合は空調を省力できるため省エネルギー化に寄与する。例えば、嫌煙者と喫煙者が接近して同席した場合にも無線タグに実装された環境センサに対応して局所的排気が行なわれ、喫煙者が移動してもその現在位置情報により、排気/換気の必要な座標を特定できるため、効果的なベンチレーションとなる。また、一部に顕著な寒がりの人がいた場合でも、その人が位置する近傍のみを弱冷房とし、あるいは非冷房とすることにより、効果的、かつ各個人の嗜好や体調に合わせた空調が実現できる。
(3)不要な箇所への空調エネルギーの供給をカットできるために排出ガスの削減がはかれ、地球環境にも優しいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の環境調整システムの接続構成を説明するために引用した図である。
【図2】図1に示す無線タグの内部構成を説明するために引用したブロック図である。
【図3】図1に示す環境サーバの内部構成を機能展開して示したブロック図である。
【図4】図1、図2に示す無線タグから送信される情報のデータフォーマットを説明するために引用した図である。
【図5】本発明の環境調整システムの動作を説明するために引用したフローチャートである。
【符号の説明】
1…環境設備、2…環境サーバ、3…無線タグ、21…現在位置情報取得部、22…環境調整指示部、23…嗜好情報格納部、31…データメモリ、32…高周波回路、33…環境センサ
Claims (6)
- 閉空間に環境設備を備え、前記環境設備をコンピュータによって局所的に制御可能な環境調整システムであって、
利用者個人を特定する識別子と環境センサが実装された無線タグを携行する利用者の現在位置情報を取得する現在位置取得手段と、
あらかじめ登録された前記利用者の環境に対する嗜好情報と、前記環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示する環境調整指示手段と、
を備えることを特徴とする環境調整システム。 - 前記環境調整指示手段は、前記局所内に位置する複数の利用者の嗜好情報を演算処理し、その局所内における総括的な環境調整を行なうこと、を特徴とする請求項1に記載の環境調整システム。
- 前記無線タグに、環境センサとしての温度センサまたは湿度センサを実装し、前記環境調整指示手段は、前記利用者個人を特定する識別子からあらかじめ登録済みの温度または湿度に対する嗜好情報を取り込み、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な空調制御を指示することを特徴とする請求項1または2に記載の環境調整システム。
- 前記無線タグに、環境センサとしての煙センサを実装し、前記環境調整指示手段は、前記利用者個人を特定する識別子からあらかじめ登録済みの煙に対する嗜好情報を取り込み、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な吸排気制御を指示することを特徴とする請求項1または2に記載の環境調整システム。
- 閉空間に環境設備を備え、前記環境設備をコンピュータによって局所的に制御可能な環境調整システムにおける環境調整方法であって、
利用者個人を特定する識別子と環境センサが実装された無線タグを携行する利用者の現在位置情報を取得し、
あらかじめ登録された前記利用者の環境に対する嗜好情報と、前記環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示すること、
を特徴とする環境調整方法。 - 閉空間に環境設備を備え、前記環境設備をコンピュータによって局所的に制御可能な環境調整システムに用いられる環境調整プログラムであって、
利用者個人を特定する識別子と環境センサが実装された無線タグを携行する利用者の現在位置情報を取得する現在位置取得ステップと、
あらかじめ登録された前記利用者の環境に対する嗜好情報と、前記環境センサを介して検知される環境情報とを照合することにより、前記コンピュータに対して前記利用者の嗜好に沿うように前記利用者の現在位置を含む場所の局所的な環境調整を指示する環境調整指示ステップと、
をコンピュータに実行させる環境調整プログラム。
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