〔第1の実施形態〕
この発明の第1の実施形態に係る設備制御システムについて、図1から図5を参照しながら説明する。本実施形態では、建物に設置された設備90の制御に本発明の設備制御システム1が用いられている例に適用して説明する。ここで、設備90とは建物の居室や執務室等の室内空間の環境を整えるために用いられる機器、例えば、空気調和装置や、照明機器などを例示することができる。そのため、建物には複数の設備90が設置され、設備制御システム1は複数の設備90の制御を行う例に適用して説明する。
なお、設備90は、上述のように空気調和装置等に例示される室内環境を整える機器であってもよいし、その他の電力を消費する機器であってもよく、特に限定するものではない。また、設備90は建物の内部に設置される例に適用して説明するが、建物の外部に設置されるものであってもよい。
本実施形態の設備制御システム1には、図1に示すように、設備制御装置10と、情報端末30と、検知部50と、センサ70と、が主に設けられている。なお、設備制御装置10と、設備90、検知部50、およびセンサ70との間は、有線または無線の公知の情報通信手段を介して情報の伝達が可能に接続されている。また、設備制御装置10と、情報端末30との間は、公知の無線通信網または無線通信網および有線通信網の組み合わせを介して情報伝達が可能に接続されている。
設備制御装置10は、建物に設置された複数の設備90の制御を行うものである。設備制御装置10は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するサーバなどの情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも制御部11、演算部12、および、解析部13として機能させるものである。
制御部11は、室内環境の調整に用いられる設備90に対して制御を行うか否かを判定するとともに、制御を行う場合には設備90に出力する制御信号を生成する演算処理を行うものである。制御信号は、後述する演算部12により求められた設備90の制御内容に基づいて生成される。なお、制御を行うか否かを判定する演算処理の内容については後述する。
制御信号としては、例えば設備90が空調装置である場合には、空調装置の稼働および停止を制御する信号や、室内温度の制御目標値を設定または変更する制御信号などが挙げられる。また、設備90が照明機器である場合には、照明機器の点灯および消灯を制御する信号や、照明機器により照明される領域の明るさ(照度など)を設定または変更する制御信号などが挙げられる。
演算部12は、設備90の制御内容、および、情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を求める演算処理を行うものである。ここで文情報は、複数の単語が、所定の法則に従って並べられた文章、または、文章に類似するものを示す情報である。演算部12における演算処理の内容については後述する。
解析部13は、入力情報に基づいて設備90の制御に関する内容を解析する演算処理を行うものである。入力情報としては、情報端末30に入力された設備90の制御に関する文情報や、解析部の解析結果などが含まれる。解析部13における演算処理の内容については後述する。
なお本実施形態では、1つの建物に1つの設備制御装置10が対応して配置される例に適用して説明するが、複数の建物に1つの設備制御装置10が対応して配置されてもよい。その他に、1つの建物に設置された複数の設備90を複数のグループに分類し、複数の設備制御装置10が、1つ又は複数のグループに属する設備90に対応して配置されていてもよい。
情報端末30は、建物に設置された設備90を利用する利用者が携帯可能な情報端末であり、設備制御装置10と情報の相互の通信が可能に接続されたものである。また情報端末30は、建物に設置された複数の設備90の制御に利用されるものでもある。情報端末30は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するタブレット型PCや、スマートフォンなどの情報処理端末である。
検知部50は、情報端末30の配置位置を検知し、検知した配置位置に関する信号情報(入力信号)を設備制御装置10に出力するものである。本実施形態では、検知部50は情報端末30と近距離無線通信技術により通信可能な機器である例に適用して説明する。検知部50による通信可能な範囲が建物の一部屋程度とされ、建物の部屋ごとに検知部50が配置されている例に適用して説明する。
上述の近距離無線通信技術としてはNFC(Near Field Communication)、RFID(Radio frequency identifier)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などがあり、それを利用したビーコンと当該ビーコンを検知する機器の組み合わせ等、公知の種々の技術を用いることができる。その他に、検知部50および情報端末30の一方に組み込まれた上記無線技術を利用したタグを、利用者が入退出する毎に他方に読み込ませるものであってもよい。
その他に、館内に二次元バーコードや三次元バーコードや、ARタグなど(以下「二次元バーコードなど」と表記する。)を掲示し、情報端末30により当該二次元バーコードなどを認識させてから所定期間内は、在館するとして処理を行ってもよい。また、二次元バーコードなどの他に予め定められた物品を情報端末30により撮影し、撮影した画像を解析することにより当該物品と一致するか否かを識別し、一致する場合には在館するとして処理を行ってもよい。
さらに、情報端末30の配置位置の検知方法としては、情報端末30が公知の人工衛星を用いた測位技術を利用して測位した位置情報に基づいた検知方法を用いてもよく、特に限定するものではない。
また、情報端末30の配置位置の検知方法として、Wi−Fi(登録商標)(以下、単に「Wi−Fi」とも表記する。)のSSIDによる判定を利用した検知方法であってもよいし、LED(発光ダイオード)照明を使った可視光通信を利用した検知方法であってもよい。
例えば、Wi−Fiのアクセスポイントを建物内に配置し、情報端末30が当該アクセスポイントから発信される電波を受信することによって、当該情報端末30が当該建物の内部または近傍に存在することを検知することができる。この時、情報端末30は、アクセスポイントに付与された固有のSSIDにより当該アクセスポイントを識別する。
なお、Wi−Fiのアクセスポイントは、情報端末30の配置位置の検知専用に用いられるものである必要はなく、情報端末30の検知以外の目的(例えば、建物内での汎用な情報通信の目的)で設置されたものであってもよい。
また、Wi−Fiのアクセスポイントから発信される電波の強度、および、情報端末30が当該電波を受信する強度の閾値、の一方、または、両方を調整してもよい。このようにすることによって、当該アクセスポイントによって情報端末30の配置位置が検知可能となるエリアの広さを調整することが可能である。
特定のSSIDを付与したWi−Fiアクセスポイントから電波を受信することにより情報端末30の配置位置を検知する方法に代えて、当該アクセスポイントとの通信の確立をもって、情報端末30の配置位置を検知する方法を用いてもよい。
さらに、Wi−Fiが備える暗号化機能を用いることで、Wi−Fiアクセスポイントと通信を確立させる情報端末30を選択することができる。これを用いることで、設備制御装置10による設備90の制御を許可する情報端末30を選択的に制限することが可能になる。
例えば、可視光通信の機能を備えたLED照明と情報端末30を用いる場合、建物内に可視光通信の機能を備えたLED照明を設置する。当該LED照明から固有の識別情報を可視光通信により発信させ、この可視光通信を情報端末30において受信して識別する。このようにすることによって、当該建物内に情報端末30が存在すると検知することができる。
LED照明から発信される識別情報は、建物内のLED照明が配置される室ごとに異なるものとしてもよい。その場合、情報端末30がどの室に存在するかを識別することができる。
情報端末30の配置位置の検知方法では、上述した種々の検知方法の組み合わせであってもよい。例えば、二次元バーコードなどを用いた検知方法と、公知の人工衛星を用いた測位技術を利用して測位した位置情報に基づいた検知方法と、を組み合わせてもよい。
このようにすることで、二次元バーコードなどを用いた検知方法において在館していない情報端末30を誤って在館していると判定した場合であっても、公知の人工衛星を用いた測位技術を利用して測位した位置情報に基づいた検知方法により、この誤りを正すことが可能となる。二次元バーコードなどを用いた検知方法において誤って判定される場合としては、所定の位置以外の場所へ二次元バーコードなどが持ち出され、当該二次元バーコードなどを用いて検知が行われた場合などを例示することができる。
また、近距離無線通信を用いた検知方法と、二次元バーコードなどを用いた検知方法とを組み合わせてもよい。このようにすることで、例えば、近距離無線通信により情報端末30を所持している人物の入館を判定し、その後、二次元バーコードにより情報端末30を所持している人物の建物内での詳細な位置を把握することが可能となる。
センサ70は、設備90に関する状況、および、設備90による環境制御が行われる室内環境のそれぞれを測定して測定情報を設備制御装置10に出力するものである。センサ70は、その測定する対象に応じて建物の内部や設備90の所望の位置に複数配置されている。
設備90に関する状況としては、設備90の運転状況や、設備90における制御の設定値などを例示することができる。また、室内環境としては、室内温度や、室内湿度や、窓の開閉や、室内の照度や輝度(明るさ)などを例示することができる。
次に、上記の構成からなる設備制御システム1における制御の内容について説明する。具体的には設備制御装置10による設備90を制御する方法について説明する。設備制御装置10の運用が開始されると、設備制御装置10は、図2に示す制御の処理を繰り返し行う。図2に示す制御は、連続して繰り返し行われてもよいし、所定の間隔をあけて間欠的に繰り返し行われてもよい。
まず、設備制御装置10は、情報端末30に利用者から入力情報が入力されたか否かを判定する処理を行う(S11)。情報端末30は、入力された入力情報を設備制御装置10に送信する処理を行う。設備制御装置10は、このようにして送信された入力情報があるか否かを判定する処理を行う。
ここで、情報端末30に入力される入力情報としては、設備90の制御変更を要望する内容の文情報を例示することができる。例えば、「暑いから室内温度を下げて」や「寒いから室内温度を上げて」や「手元が暗いから照明を明るくして」などが挙げられる。本実施形態では、入力情報が「暑いから室内温度を下げて」である例に適用して説明する。
情報端末30には、設備90の制御に用いられるアプリ(ソフトウエア)が予めインストールされている。利用者は、当該アプリを起動して、所望の入力情報を入力して送信する操作を行う。アプリとしては情報端末30と設備制御装置10との間で文章の情報である文情報の送受信が可能なものを例示することができる。より具体的には、リアルタイムで、テキストの送受信を1対1またはグループで行えるものを例示することができる。
入力情報が入力されたと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置10は、入力情報による制御の処理を行う(S30)。入力情報による制御の詳細については後述する。
入力情報が入力されていないと判定された場合(NOの場合)には、設備制御装置10は、情報端末30が建物外から建物内に入館したか否かを判定する処理を行う(S12)。設備制御装置10は、検知部50から出力された位置信号に基づいて情報端末30の配置位置を推定する処理を行う。推定された情報端末30の配置位置が、制御対象である設備90が設置された建物の外から建物内に入館したか否かに基づいて判定を行う。
例えば、検知部50が、当該建物の内に配置された情報端末30の位置のみを検知するものである場合には、それまで配置位置が検知されていなかった情報端末30について、配置位置が検知されて検知部50から位置信号が出力されると、当該情報端末30が建物の外から建物内に入ったと判定される。
なお、検知部50は、情報端末30の配置位置を検知する際に、情報端末30を個別に識別可能な固体識別情報も検知することができる。当該個体識別情報を検知することにより、情報端末30が建物外から建物内に入ったか否かを判定する処理が容易になる。
また、本実施形態では、設備制御装置10が、情報端末30が建物外から建物内に入館したか否かを判定する処理に適用して説明するが、情報端末30が、所定の部屋などの建物内の所定領域外から、所定領域内に入ったか否かを判定する処理を行ってもよい。
S12の判定処理において、情報端末30が建物外から建物内に入館したと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置10は、位置情報による制御の処理を行う(S50)。位置情報による制御の詳細については後述する。
S12の判定処理において、情報端末30が建物外から建物内に入館していないと判定された場合(NOの場合)には、設備制御装置10は、設備制御装置10は、室内環境が予め定められた所定の室内環境を満たすか否かを判定する処理を行う(S13)。
設備制御装置10は、センサ70から出力された環境信号に基づいて、設備90により室内環境の制御が行われている部屋において、室内環境が予め定められた所定の室内環境を満たすか否かを判定する処理を行う。また、設備制御装置10は、センサ70から出力された環境信号に基づいて、所定時間が経過した後の室内環境を推定する処理を行い、推定された室内環境が、予め定められた所定の室内環境を満たすか否かを判定する処理を行ってもよい。
本実施形態では、室内環境が室内温度である例に適用して説明するが、室内環境は、室内温度に限定されるものではなく、室内の湿度や、室内の照度や輝度が含まれていてもよい。この場合センサ70は、それぞれの室内環境を測定できるものが用いられる。
予め定められた所定の室内環境は、設備制御装置10に記憶されているものを例示することができる。本実施形態では所定の室内環境が、室内温度が27℃以上である例に適用して説明するが、センサ70により測定される室内環境の種類に応じて種々の条件が定められていてもよい。
S13の判定処理において、室内環境が予め定められた所定の室内環境を満たすと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置10は、室内環境による制御の処理を行う(S70)。室内環境による制御の詳細については後述する。
S13の判定処理において、室内環境が予め定められた所定の室内環境を満たさないと判定された場合(NOの場合)には、設備制御装置10は、S11に戻り上述の判定処理を繰り返し行う。
次に、設備制御装置10における入力情報による制御の内容について図3を参照しながら説明する。S11の判定処理において入力情報が入力されたと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置10は、図3に示す入力情報による制御の処理を開始する。
設備制御装置10の解析部13は、入力情報に基づいて空調装置である設備90の制御内容(制御に関する内容)を解析する演算処理を行う(S31)。解析の手法としては、統計学の手法を用いた解析を例示することができる。例えば、予め定められた長さの期間中に複数の利用者から入力された入力情報に基づいた解析が行われる。
具体的には、解析部13は、入力情報に含まれる特定の言葉(例えば「暑い」)をトリガー(またはキー)として解析を行う。解析部13は、解析時における空調装置(設備90)における設定温度の情報を取得する。取得した設定温度が27℃であったとすると、解析部13は、過去に設定温度が27℃の際の利用者の満足度に関する情報を取得し、取得した情報において不満足者(暑いと感じる利用者)の割合を求める統計処理を行う。
解析部13により解析処理が行われると、設備制御装置10の演算部12は解析結果に基づいて、設備90の制御内容を決定する演算処理を行う(S32)。
具体的には、演算部12は、解析部13による解析結果である不満足者の割合が、予め定められた閾値(例えば70%)以上の場合には、不満足者の割合が予め定められた他の閾値(例えば50%)以下となる設定温度を求める統計処理を行う。例えば、設定温度を26℃に設定すると不満足者の割合が他の閾値以下になる場合には、演算部12は、空調装置である設備90の設定温度を26℃に変更する演算処理を行う。
解析部13による解析結果である不満足者の割合が、予め定められた閾値(例えば70%)未満の場合には、演算部12は、空調装置である設備90の設定温度を維持する演算処理を行う。
その後、設備制御装置10の制御部11は、演算部12において決定された制御内容を設備90に出力する処理を行う(S33)。本実施形態では、設定温度を26℃に変更する制御信号を設備90に出力する例に適用して説明する。
次いで、演算部12は情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S34)。その後、設備制御装置10は、演算部12において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S35)。
例えば、設備90の設定温度を26℃に変更する場合には、制御を行った後の設備90の状況や、設定を変更した理由を説明する「不満足者が減る26℃に設定したよ」との文章(内容)を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。また、設備90の設定温度を変更しない場合には、「不満足者が少ないから設定を変更しないよ」との文章を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。
なお、演算部12は上述のように、送信情報に制御を行った後の設備90の状況や、設定を変更した理由に含める他に、制御を行った後の室内温度(室内状況)を説明する内容を送信情報に含めてもよい。
S35の送信処理が行われると、設備制御装置10は、図2のS30に戻り上述の処理を繰り返し行う。これら一連の処理は、設備制御装置10の運用期間にわたって繰り返し行われる。
次に、設備制御装置10における位置情報による制御の内容について図4を参照しながら説明する。S12の判定処理において情報端末30が建物外から建物内に入ったと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置10は、図4に示す入力情報による制御の処理を開始する。
設備制御装置10の演算部12は、情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S51)。具体的には演算部12は、S12の判定処理において建物外から建物内に入ったと判定された情報端末30に送信する送信情報を作成する。
送信情報には、情報端末30を所持する利用者の状況を尋ねる内容が含まれる。例えば、利用者が外出先から帰社した直後か(歩いてきたところか)尋ねる内容や、上着を着ているか、長袖か、半袖か、ネクタイをしているかなど利用者の服装を尋ねる内容を挙げることができる。
また、演算処理を行っているタイミングの季節や外気温、さらに、情報端末30を所持する利用者の性別に基づいて、予め定められた標準的な服装を求め、当該服装との違いを確認する内容を送信情報としてもよい。
送信情報が作成されると、設備制御装置10は、演算部12において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S52)。
その後、設備制御装置10の解析部13は、送信情報に対して当該利用者が情報端末30に回答した文情報である出力情報に基づいて空調装置である設備90の制御内容を解析する演算処理を行う(S53)。
例えば、利用者が建物に入館してから経過した時間に応じた設定温度ごとの満足度に関する情報を取得して、取得した入館してからの経過時間において不満足者(暑いと感じる利用者)の割合を求める統計処理を行う。また、利用者の服装に応じた設定温度毎の満足度に関する情報を取得して、取得した利用者の服装において不満足者の割合を求める統計処理を行う。
解析部13により解析処理が行われると、設備制御装置10の演算部12は解析結果に基づいて、設備90の制御内容を決定する演算処理を行う(S54)。その後、設備制御装置10の制御部11は、演算部12において決定された制御内容を設備90に出力する処理を行う(S55)。
例えば、利用者が入館してから経過した時間が予め定められた所定時間よりも短い場合や、入館した利用者の服装が、想定される服装よりも暑さを感じやすい服装であった場合には、設備90の制御内容を維持する演算処理を行う。
その一方で、利用者が入館してから経過した時間が予め定められた所定時間以上である場合や、入館した利用者の服装が、想定される服装と同程度の暑さを感じやすい服装や、より涼しいと感じる服装であった場合には、設備90の制御内容を変更する(例えば設定温度を下げる)演算処理を行う。
その他に、入館して間もない利用者が「不満足(暑い)」と言っている場合に、一時的に設定温度を下げて涼しくし、一定時間が経過したら設定温度を元に戻す制御を行ってもよい。この場合、当該利用者は一時的に涼しくなった環境により、歩行により上昇した体温を低下させ、快適にその後のデスクワークに着手できる。周囲の利用者も、一時的な温度の低下であれば、寒さによって不快を感じるおそれは少ない。
次いで、演算部12は情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S56)。その後、設備制御装置10は、演算部12において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S57)。
例えば、設備90の制御内容(設定温度)を維持する場合には、利用者が入館した直後であること、しばらくすると暑さを感じなくなる(であろう)こと、暑さを感じやすい服装であること、上着を脱いでみてはどうかということ(といったアドバイス)、を指摘し、設定温度を維持することを伝える文章を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。また、設備90の制御内容を変更する場合には、変更内容を説明する文章を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。
S57の送信処理が行われると、設備制御装置10は、図2のS50に戻り上述の処理を繰り返し行う。これら一連の処理は、設備制御装置10の運用期間にわたって繰り返し行われる。
次に、設備制御装置10における室内環境による制御の内容について図5を参照しながら説明する。S13の判定処理において室内環境が所定室内環境を満たすと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置10は、図5に示す入力情報による制御の処理を開始する。
設備制御装置10の演算部12は、情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S71)。具体的には演算部12は、S13の判定処理において室内環境が所定室内環境を満たすと判定された室内に配置されている情報端末30に送信する送信情報を作成する。
送信情報には、情報端末30を所持する利用者に設備90の制御内容の変更を尋ねる内容が含まれる。例えば、室内温度が予め定められた所定の閾値温度となった際に、設備90である空調装置の設定温度を変更するかを尋ねる内容を挙げることができる。その他に、設備90が外気を導入する冷房である外気冷房に対応した空調装置である場合には、外気冷房による空調に変更するか否かを尋ねる内容も挙げることができる。
送信情報が作成されると、設備制御装置10は、演算部12において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S72)。
その後、設備制御装置10の解析部13は、送信情報に対して当該利用者が情報端末30に回答した文情報である出力情報に基づいて空調装置である設備90の制御内容を解析する演算処理を行う(S73)。例えば、送信情報を送信した利用者数に対する設備90である空調機の制御内容の変更を希望する出力情報を回答した利用者数の割合を求める統計処理を行う。
解析部13により解析処理が行われると、設備制御装置10の演算部12は解析結果に基づいて、設備90の制御内容を決定する演算処理を行う(S74)。その後、設備制御装置10の制御部11は、演算部12において決定された制御内容を設備90に出力する処理を行う(S75)。
例えば、送信情報を送信した利用者数に対する制御内容の変更を希望する出力情報を回答した利用者数の割合が、予め定められた所定の割合(例えば50%)以上の場合には、設備90の制御内容を変更する(例えば、設定温度を下げる)演算処理を行う。その一方で、上述の割合が所定の割合未満の場合には、設備90の制御内容を維持する演算処理を行う。
次いで、演算部12は情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S76)。その後、設備制御装置10は、演算部12において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S77)。
例えば、設備90の制御内容(設定温度)を変更する場合には、制御内容の変更を希望する出力情報を回答した利用者数の割合が所定の割合以上であることを指摘し、変更内容を説明する文章を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。また、設備90の制御内容を維持する場合には、制御内容の変更を希望する出力情報を回答した利用者数の割合が所定の割合未満であることを指摘し、設定温度を維持することを伝える文章を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。
S77の送信処理が行われると、設備制御装置10は、図2のS70に戻り上述の処理を繰り返し行う。これら一連の処理は、設備制御装置10の運用期間にわたって繰り返し行われる。
例えば、省エネルギーのため、営業時間が終了すると自動的に空調をオフにする制御を行っているオフィスの例について説明する。この場合、営業時間終了後、空調(暖房)が停止して、時間の経過とともに室温が徐々に低下し、室温が予め定められた温度(例えば、20℃)を下回ると(S13におけるYES)、設備制御装置10は、図5に示す入力情報による制御の処理を開始する。
設備制御装置10の演算部12は、「空調をオンにしますか」といったメッセージ(送信情報)を作成する演算処理を行い(S71)、当該メッセージを情報端末30に送信する処理を行う(S72)。
解析部13は、空調装置である設備90の制御内容を解析する演算処理を行う(S73)。具体的には、上述のメッセージが送信された利用者による「はい(空調をオンにしたい)」という回答の件数を数える演算処理を行う(S73)。
「はい」という回答の件数が予め定めた所定の数を超えている場合、または、全体の回答数に対する「はい」という回答の件数の割合が予め定めた所定の割合を超えている場合には、設備90をオンにする(空調運転を開始する)と判断する処理を行う(S74)。
「はい」という回答の件数が予め定めた所定の数以下である場合、または、全体の回答数に対する「はい」という回答の件数の割合が予め定めた所定の割合以下である場合には、設備90をオフにする(空調運転を停止する)と判断する処理を行う(S74)。
その後、設備制御装置10の制御部11は、S74の判断処理の結果に基づいて、設備90をオンにする、または、オフにする制御内容を出力する処理を行う(S75)。
また上述のメッセージが送信された利用者が無回答(回答しない)の時には、解析部13は、当該利用者が空調装置である設備90による空調が行われる部屋(またはエリア)に在席していない、または、間もなく当該部屋から退出する等の理由により、設備90をオンにする必要がないと判断する処理を行ってもよい(S74)。
さらに、上述のメッセージが送信された利用者による「いいえ(空調オフのままで良い)」等の回答の件数が予め定めた所定の数を超えている場合、または、全体の回答数に対する「いいえ」という回答の件数の割合が予め定めた所定の割合を超えている場合には、設備90をオフにする(空調運転を停止する)と判断する処理を行ってもよい(S74)。
「いいえ」という回答の件数が予め定めた所定の数以下である場合、または、全体の回答数に対する「いいえ」という回答の件数の割合が予め定めた所定の割合以下である場合には、設備90をオンにする(空調運転を開始する)と判断する処理を行ってもよい(S74)。
その後、演算部12は、例えば、「利用者が3名以上いるので空調をオンにしました」といったメッセージを作成する演算処理を行い(S76)。情報端末30に送信する処理を行う(S77)。
こうした処理により、無人の部屋やエリア等などのように、設備90(空調装置)を運転する必要のない部屋やエリアに対して無駄な空調運転が行われることが抑制される。また、人を検知するセンサ等を用いて設備90(空調装置)の運転を自動的に制御する場合と比べて、運転で消費されるエネルギーの低減を図ることができる。さらに、営業時間外であっても設備90(空調装置)の運転を制御することができ、営業時間外には空調がオンにできない、といった不便の発生を抑制することができる。
その他に、部屋やエリアの利用者が設備90(空調装置)の運転を制御する場合(言い換えると、当該利用者に対して設備90の操作権を解放する場合)には、利用者が外部から入室した際に、部屋等の温度が所定の温度範囲以内であっても(言い換えると、設備90を運転する必要のない室温であっても)設備90を運転(空調を開始)させる可能性があったり、部屋等の温度が所定の温度範囲よりも低い温度となるように設備90を制御する可能性があったりする。しかしながら、上述の制御処理を行うことにより、これらの可能性を回避することができる。
他にも、設備90の運転停止が予定されている日(休日)に、室内等の温度が所定の範囲(例えば下限が20℃、上限が30℃)以上または以下になった場合に、当該室内等に在席している利用者に対して、設備90の運転を行うか否かを問うメッセージ(送信情報)を情報端末30に送信する処理を行ってもよい。
例えば、設備制御装置10が情報端末30を所持する利用者に対して、居室の窓の開閉を通知する例について説明する。この場合、設備制御装置10は、屋外に設置した各種センサ(温度、湿度、雨量等)の値が一定の(外気冷房に適した)条件を満たした場合に、情報端末30に窓開けを推奨するメッセージを送信する。
情報端末30を所持する利用者が窓を開けると、窓に設置された窓の開閉を検知するセンサが窓開けを検知し、検知信号が設備制御装置10に入力される。設備制御装置10は、検知信号が入力されると設備90である空調装置の運転を停止する制御を行う。
S13の判定処理において、例えば、さらに、屋外が気温22〜26℃かつ湿度70%以下かつ降雨無しの条件が満たされると判定された場合には、設備制御装置10は、外気冷房に適した気候であるとの判定を行う。そして設備制御装置10は、図5に示す入力情報による制御の処理を開始する。
設備制御装置10の演算部12は、窓が閉じられている場合には「外は心地よい気候です。窓を開けて外の空気を取り入れませんか」といったメッセージを作成する処理を行い(S71)、作成したメッセージを情報端末30に送信する処理を行う(S72)。
メッセージの送信を受けた情報端末30を所持する利用者は、何らかの理由(例えば、花粉症、騒音、強風等、上記の屋外に設置した各種センサ計測値で判定できないもの)で窓開けに反対したい場合には、情報端末30を用いて設備制御装置10へ窓開け反対(拒否)の回答を行う。その一方で、窓開けに賛成したい場合には、情報端末30を用いて設備制御装置10へ窓開け賛成の回答を行う。これら回答には、積極的に賛成する回答、消極的に賛成する回答、および、反対する回答に分けられていてもよい。
設備制御装置10の解析部13は、窓開けに対して積極的に賛成する利用者、消極的に賛成する利用者、反対する利用者をカウントするとともに、窓開け拒否の理由を含めた解析の演算処理を行う(S73)。
解析部13により解析処理が行われると、設備制御装置10の演算部12は解析結果に基づいて、設備90の制御内容を決定する演算処理を行う(S74)。例えば、花粉症を理由とした窓開け拒否は、多数決ではなく、一人でも窓開けを拒否する人がいれば、窓は開けないと決定する処理を行う。また、前面道路を通る車の音が気になる、という理由であれば、積極的な窓開け賛成者との多数決により、窓を開けると決定する処理を行ってもよい。
設備制御装置10の制御部11は、演算部12において決定された制御内容に関する文情報を情報端末30に出力する処理を行う(S75)。例えば、S74において窓を開けると決定された場合には、「お近くの方は窓を開けてください」とメッセージを送信する処理を行う。
次いで、演算部12は情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S76)。具体的には、S74での決定プロセスを利用者に説明するメッセージを作成する処理を行う。その後、設備制御装置10は、演算部12において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S77)。
例えば、窓を開ける決定がされた場合には「窓開けに反対される方はいませんでしたので、窓を開けることになりました」とのメッセージが作成されて送信される。また、窓を開けない決定がされた場合には「花粉症の方がいるようですので窓開けは見送ります」とのメッセージが作成されて送信される。
なお、設備制御装置10が情報端末30を所持する利用者に対して、居室の窓の開閉を通知する例では、窓を開ける決定がされた場合に、情報端末30を所持する利用者の誰かが窓を開けたら、情報端末30を所持する利用者に協力に関する感謝を伝えてもよいし、窓開けに伴う設備90の制御変更の内容を、情報端末30を所持する利用者に伝えてもよい。窓開けに伴う設備90の制御変更の内容による効果を、情報端末30を所持する利用者に分かりやすく伝えてもよい。
情報端末30を所持する利用者に伝えるメッセージとしては、例えば、「窓を開けてくださってありがとうございます」「窓が開いている間、空調を停止します」「窓開けは、1時間当たり平均〇〇kWhの電力の節約になります。二酸化炭素排出力の削減に効果があります」などを挙げることができる。
上記の構成の設備制御システム1によれば送信情報を情報端末30に出力することにより、利用者が設備90の制御が行われていることを知り納得感を得ることが可能となり、快適性の向上を図りやすくなる。
情報端末30に入力された入力情報に基づいて設備90の制御が行われるため、管理者に設備の制御について要望を伝える場合と比較して、設備90の制御容易性を図りやすくなる。また、複数の単語を有する文としての情報である入力情報を情報端末30に入力して制御を行うため、単語のみの情報を入力して制御を行う場合と比較して、入力情報に設備の制御を要望する理由を表す単語が含まれる可能性が高くなるため、当該理由などを考慮した制御が可能となり、快適性の向上が図りやすくなる。
制御を行った後の設備90の状況や、設定を変更した理由を送信情報として情報端末に出力することにより、設備90の制御を目的とした入力情報を情報端末30に入力した利用者が、納得感を得やすくなる。そのため、当該利用者が設備90の制御に関する入力情報を繰り返し情報端末に入力することを抑制できる。
入力信号に位置信号が含まれることにより、適切なタイミングで適切な内容の出力情報を出力することが可能となる。例えば、利用者が室内に入室したタイミングで、当該利用者が当該室内で何を行うかを尋ねる出力情報を出力することが可能となる。さらに、この出力情報の回答内容に基づいて設備90を制御することが可能となる。
入力信号に環境信号が含まれることにより、予め定められた室内環境となった際に利用者に対して出力情報を出力することが可能となる。例えば、室内温度が予め定められた所定の閾値温度となった際に、設備90である空調装置の設定温度を変更するかを尋ねる出力情報を出力することが可能となる。
〔第1の実施形態の第1変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る設備制御システムついて図6および図7を参照しながら説明する。本変形例の設備制御システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、情報端末に送信される出力情報の内容が異なっている。よって、本変形例においては、図6および図7を用いて情報端末に送信される出力情報に関連する内容のみを説明し、その他の説明を省略する。
本変形例における設備制御システム101の設備制御装置110は、建物に設置された複数の設備90の制御を行うものである。設備制御装置110は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するサーバなどの情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも制御部11、演算部112、および、解析部13として機能させるものである。
演算部112は、設備90の制御内容、および、情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を求める演算処理を行うものである。送信情報は、情報端末30に入力情報を入力した利用者に対して、当該利用者の状況を尋ねる内容が含まれたものである。演算部112における演算処理の内容については後述する。
次に、上記の構成からなる設備制御システム101における制御の内容について説明する。具体的には設備制御装置110による設備90を制御する方法について説明する。設備制御装置110の運用が開始された後の処理の内容は、第1の実施形態の設備制御装置10における処理の内容(図2参照。)と同様であるため、その説明を省略し、設備制御装置110における入力情報による制御の内容について、図7を参照しながら説明する。
S11の判定処理において入力情報が入力されたと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置110は、図7に示す入力情報による制御の処理を開始する。設備制御装置110の演算部112は情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S131)。
例えば、情報端末30に入力情報を入力した利用者に対して、当該利用者の状況を尋ねる文章(内容)を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。利用者の状況としては、利用者が上着を着ているか、長袖か、半袖か、ネクタイをしているかなど利用者の服装を尋ねる内容や、利用者が行っている作業の内容などを挙げることができる。
また、演算処理を行っているタイミングの季節や外気温、さらに、情報端末30を所持する利用者の性別に基づいて、予め定められた標準的な服装を求め、当該服装との違いを確認する内容を送信情報としてもよい。
その後、設備制御装置110は、演算部112において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S132)。
その後、設備制御装置110の解析部13は、送信情報に対して当該利用者が情報端末30に回答した文情報である出力情報に基づいて空調装置である設備90の制御内容を解析する演算処理を行う(S133)。
例えば、利用者の服装に応じた設定温度毎の満足度に関する情報を取得して、取得した利用者の服装において不満足者の割合を求める統計処理を行う。その他に、利用者が行っている作業に応じた設定温度毎の満足度に関する情報を取得して、取得した利用者の作業内容において不満足者の割合を求める統計処理を行う。
解析部13により解析処理が行われると、設備制御装置110の演算部112は解析結果に基づいて、設備90の制御内容を決定する演算処理を行う(S134)。その後、設備制御装置110の制御部11は、演算部112において決定された制御内容を設備90に出力する処理を行う(S135)。
例えば、利用者の服装が、想定される服装よりも暑さを感じやすい服装であった場合には、設備90の制御内容を維持する演算処理を行う。また、利用者の作業が、荷物の運搬など想定よりも暑さを感じやすい作業であった場合には、設備90の制御内容を維持する演算処理を行う。
その一方で、利用者の服装が、想定される服装と同程度の暑さを感じやすい服装や、より涼しいと感じる服装であった場合には、設備90の制御内容を変更する(例えば設定温度を下げる)演算処理を行う。また、利用者の作業が、デスクワークなど想定よりも涼しさを感じやすい作業であった場合には、設備90の制御内容を変更する演算処理を行う。
次いで、演算部112は情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S136)。その後、設備制御装置10は、演算部112において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S137)。
上記の構成によれば、利用者の状況を尋ねる送信情報を情報端末に出力することにより、設備90の制御を適切に行いやすくなる。つまり、設備90の制御に関する入力情報を入力した利用者に対して活動状況や服装等である利用者の状況を尋ねることにより、当該利用者以外の他の利用者も同様に設備90の制御を要望するか否かを判定することが可能となる。当該利用者のみが設備90の制御を要望している場合と、他の利用者も設備の制御を要望している場合とで設備90の制御内容を変えることで、設備90の制御を適切に行いやすくなる。
〔第1の実施形態の第2変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る設備制御システムついて図8および図9を参照しながら説明する。本変形例の設備制御システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、情報端末に送信される出力情報の内容が異なっている。よって、本変形例においては、図8および図9を用いて情報端末に送信される出力情報に関連する内容のみを説明し、その他の説明を省略する。
本変形例における設備制御システム201の設備制御装置210は、建物に設置された複数の設備90の制御を行うものである。設備制御装置210は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するサーバなどの情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも制御部11、演算部212、および、解析部13として機能させるものである。
演算部212は、設備90の制御内容、および、情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を求める演算処理を行うものである。送信情報は、情報端末30に入力情報を入力した利用者に対して、設備90による環境制御が行われる室内状況を所定の室内状況に誘導する内容が含まれたものである。演算部212における演算処理の内容については後述する。
次に、上記の構成からなる設備制御システム201における制御の内容について説明する。具体的には設備制御装置210による設備90を制御する方法について説明する。設備制御装置210の運用が開始された後の処理の内容は、第1の実施形態の設備制御装置10における処理の内容(図2参照。)と同様であるため、その説明を省略し、設備制御装置210における入力情報による制御の内容について、図9を参照しながら説明する。
S11の判定処理において入力情報が入力されたと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置210は、図9に示す入力情報による制御の処理を開始する。設備制御装置210の解析部13は、入力情報に基づいて空調装置である設備90の制御内容(制御に関する内容)を解析する演算処理を行う(S31)。
解析部13により解析処理が行われると、設備制御装置210の演算部212は解析結果に基づいて、設備90の制御内容を決定する演算処理を行う(S32)。その後、設備制御装置210の制御部11は、演算部212において決定された制御内容を設備90に出力する処理を行う(S33)。
次いで、演算部212は情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S234)。その後、設備制御装置210は、演算部212において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S35)。
例えば、設備90の設定温度を変更しない場合には、センサ70により測定された室内温度を伝えるとともに、当該室内温度(例えば26℃)は涼しい温度であることを伝える文章(内容)を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。
上記の構成によれば、所定の室内状況に誘導する内容を含む送信情報を情報端末30に出力することにより、設備90により消費される電力の増加を抑制しやすくなる。具体的には、利用者が設備90である空調装置における設定温度を下げることを要望する場合であっても、当該設定温度を変更しないなど、設備90により消費される電力の増加量が少ない所定の室内状況に誘導する内容の文情報を出力することにより、設備90の消費電力の増加を抑制しやすくなる。
〔第1の実施形態の第3変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る設備制御システムついて図10および図11を参照しながら説明する。本変形例の設備制御システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、情報端末に送信される出力情報の内容が異なっている。よって、本変形例においては、図10および図11を用いて情報端末に送信される出力情報に関連する内容のみを説明し、その他の説明を省略する。
本変形例における設備制御システム301の設備制御装置310は、建物に設置された複数の設備90の制御を行うものである。設備制御装置310は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するサーバなどの情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも制御部11、演算部312、および、解析部13として機能させるものである。
演算部312は、設備90の制御内容、および、情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を求める演算処理を行うものである。送信情報は、情報端末30に入力情報を入力した利用者に好ましいと判定される室内環境とされている領域への移動を促す内容が含まれたものである。演算部312における演算処理の内容については後述する。
次に、上記の構成からなる設備制御システム301における制御の内容について説明する。具体的には設備制御装置310による設備90を制御する方法について説明する。設備制御装置310の運用が開始された後の処理の内容は、第1の実施形態の設備制御装置10における処理の内容(図2参照。)と同様であるため、その説明を省略し、設備制御装置310における入力情報による制御の内容について、図11を参照しながら説明する。
S11の判定処理において入力情報が入力されたと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置310は、図11に示す入力情報による制御の処理を開始する。設備制御装置310の解析部13は、入力情報に基づいて空調装置である設備90の制御内容(制御に関する内容)を解析する演算処理を行う(S31)。
解析部13により解析処理が行われると、設備制御装置310の演算部312は解析結果に基づいて、設備90の制御内容を決定する演算処理を行う(S32)。その後、設備制御装置310の制御部11は、演算部312において決定された制御内容を設備90に出力する処理を行う(S33)。
次いで、演算部212は情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S334)。その後、設備制御装置210は、演算部312において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S35)。
例えば、設備90の設定温度を変更しない場合には、入力情報を入力した利用者に対して、当該利用者が要望する室内環境が実現されている領域があることを伝えるとともに、当該領域への移動を促す文章(内容)を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。
上記の構成によれば、移動を促す内容の文情報を情報端末30に出力することにより、設備90により消費される電力の増加を抑制しやすくなる。つまり、要望する室内環境が実現されている領域へ利用者を誘導することにより、設備90の制御内容を変更する必要性が低減し、設備90により消費される電力の増加が抑制される。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係る設備制御システムついて図12および図13を参照しながら説明する。本実施形態の設備制御システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、情報端末に送信される出力情報の内容等が異なっている。よって、本実施形態においては、図12および図13を用いて情報端末に送信される出力情報に関連する内容等について説明し、その他の説明を省略する。
本実施形態における設備制御システム401の設備制御装置410は、建物に設置された複数の設備90の制御を行うものである。設備制御装置410は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するサーバなどの情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも制御部11、演算部412、解析部413、履歴記憶部414、および、評価部415、として機能させるものである。
演算部412は、設備90の制御内容、および、情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を求める演算処理を行うものである。送信情報は、情報端末30に入力情報を入力した利用者に室内環境に対する満足または不満足の理由を尋ねる内容が含まれたものである。演算部412における演算処理の内容については後述する。
解析部413は、入力情報に基づいて設備90の制御に関する内容を解析する演算処理を行うものである。入力情報としては、情報端末30に入力された設備90の制御に関する文情報や、解析部の解析結果などが含まれる。解析部413における演算処理の内容については後述する。
履歴記憶部414は、情報端末30を個別に識別する識別情報、情報端末30に入力された入力情報、当該入力情報が入力された際にセンサ70から出力された測定情報と、を紐付けて記憶するものである。
評価部415は、情報端末30を個別に識別する識別情報ごとに、センサ70から出力された測定情報および入力情報との関連を評価する演算処理を行うものである。演算処理の内容については後述する。
次に、上記の構成からなる設備制御システム401における制御の内容について説明する。具体的には設備制御装置410による設備90を制御する方法について説明する。設備制御装置410の運用が開始された後の処理の内容は、第1の実施形態の設備制御装置10における処理の内容(図2参照。)と同様であるため、その説明を省略し、設備制御装置410における入力情報による制御の内容について、図13を参照しながら説明する。
S11の判定処理において入力情報が入力されたと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置410は、図13に示す入力情報による制御の処理を開始する。設備制御装置410の演算部412は情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S431)。その後、設備制御装置110は、演算部112において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S432)。
例えば、情報端末30に入力情報を入力した利用者に対して、室内環境に対する満足または不満足の理由を尋ねる文章(内容)を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。また、センサ70から出力された測定情報に基づいて、測定情報から推定される室内環境が正しいか否かを尋ねる文章を求め、この文章が含まれる送信情報を作成する処理を行う。なお、S11の判定処理の段階で、室内環境に対する満足または不満足の理由を示す文章が含まれている場合には、S431およびS432の処理を省略してもよい。
その後、設備制御装置410の解析部413は、送信情報に対して当該利用者が情報端末30に回答した文情報である回答情報(出力情報)に基づいて空調装置である設備90の制御内容を解析する演算処理を行う(S433)。
例えば、利用者の回答情報に含まれる満足または不満足の理由を取得して、取得した理由において不満足者の割合を求める統計処理を行う。具体的な「不満足の理由」としては、湿度が高い(じめじめする、蒸し暑い、等)といった理由や、窓際で日射が当たっている、PCのディスプレイから熱を感じる(画面からの熱放射で暑い)、空調の吹き出し気流が当たっていて寒い(風が当たって寒い)、等が挙げられる。これらは、設備が備えているセンサでは検知できない要素であり、また、直接的に制御できない要素である可能性が高いものである。
また、情報端末30に入力された入力情報、および、センサ70から出力された測定情報に基づいて設備の制御に関する内容の解析を行う。具体的には、履歴記憶部414に紐付けされて記憶された情報端末30を個別に識別する識別情報、情報端末30に入力された入力情報、当該入力情報が入力された際にセンサ70から出力された測定情報に基づいて、評価部415が評価処理を行った結果に基づいて設備の制御に関する内容の解析を行う。
スマートフォンに代表される情報端末30は、基本的に情報端末30を所持する利用者個人に紐づけられていると想定される。そのため、情報端末30を個別に識別することにより、利用者個人を識別することに近い効果が得られる。
また、利用者の満足または不満足の判断は、設備制御装置410により把握できる環境情報が同一であっても、利用者個人の特性(暑がりや寒がり、気流や湿度に過敏や鈍感、等)や状況(外出から戻った直後、力仕事をしている、等)や、計測できていない要素(日射の当たり具合、部屋の隅、空調の気流が直接当たる、等)によっても変動する。
そこで、上述のように利用者個人を識別することにより、個人の特性や個人の自席の状況等を推定することが可能となる。例えば、湿度が高い、という不満足の回答を比較的頻繁に送信する利用者は、高湿度に対して過敏であるという特性を有していると分析される。
高湿度に対して過敏な利用者が存在する場合であって、空調装置である設備90の構成により湿度を下げる制御が可能であれば、湿度を下げる制御を行っても良い。また、同じ室内で絶対湿度に差をつけることは難しいため、温度を少し高めにすることで相対湿度を低くする制御を行ってもよい。その他に、高湿度に対して過敏な利用者に対して湿度の低い部屋へ移動するようアドバイスを行ってもよい。
解析部413により解析処理が行われると、設備制御装置410の演算部412は解析結果に基づいて、設備90の制御内容を決定する演算処理を行う(S434)。その後、設備制御装置410の制御部11は、演算部412において決定された制御内容を設備90に出力する処理を行う(S435)。
次いで、演算部412は情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を作成する演算処理を行う(S436)。その後、設備制御装置10は、演算部412において作成された送信情報を情報端末30に送信する処理を行う(S437)。
上記の構成によれば、室内環境に対する満足または不満足の理由にも基づいて設備90の制御を行うことにより、当該理由に基づかない場合と比較して、以後の設備90の制御を行いやすくなるとともに快適性の向上を図りやすくなる。
入力情報および測定情報に基づいて設備90の制御に関する内容の解析を行うことにより、測定情報に基づかない解析を行う場合と比較して、室内環境の調整が適切に行われやすくなる。
測定情報から推定される室内環境が正しいか否かを尋ねる出力情報を情報端末30に出力することにより、測定情報に基づいた適切な設備90の制御を行うことが可能となる。
識別情報ごとに測定情報および入力情報との関連を評価することにより、利用者ごとに快適と感じる室内環境の範囲(例えば室内温度の範囲)を推定して評価することが可能となる。つまり、利用者が個別に情報端末を携帯している場合、入力情報を取得する際に同時に取得した識別情報に基づいて利用者を特定することが可能となる。
利用者ごとに入力情報を入力する際の測定情報(例えば室内温度)は所定の範囲内に収まると考えられ、さらに、当該測定情報の値およびその範囲は、利用者ごとに異なっていると考えられる。上述のように履歴記憶部414に記憶された測定情報および入力情報の関連を評価することにより、上述の関係、言い換えると利用者ごとに快適と感じる室内環境の範囲を推定することが可能となる。
なお、上述の実施形態では、S11の判定処理において入力情報が入力されたと判定された場合に、室内環境に対する満足または不満足の理由を尋ねる送信情報を送信する例に適用して説明したが、送信情報を送信するタイミングは、S11の判定処理において入力情報が入力されたと判定された場合に限定されるものではなく、その他の任意のタイミングに送信してもよい。
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態に係る設備制御システムついて図14および図15を参照しながら説明する。本実施形態の設備制御システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、入力情報による制御の内容が異なっている。よって、本実施形態においては、図14および図15を用いて入力情報による制御の内容について説明し、その他の説明を省略する。
本実施形態における設備制御システム501の設備制御装置510は、建物に設置された複数の設備90の制御を行うものである。設備制御装置510は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するサーバなどの情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも制御部11、演算部512、および、解析部13として機能させるものである。
演算部512は、設備90の制御内容、および、情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を求める演算処理を行うものである。また、演算部512は、設備90の制御を許可するか否かを判定する演算処理を行うものでもある。演算部512における演算処理の内容については後述する。
次に、上記の構成からなる設備制御システム501における制御の内容について説明する。具体的には設備制御装置510による設備90を制御する方法について説明する。設備制御装置510の運用が開始された後の処理の内容は、第1の実施形態の設備制御装置10における処理の内容(図2参照。)と同様であるため、その説明を省略し、設備制御装置510における入力情報による制御の内容について、図15を参照しながら説明する。
S11の判定処理において入力情報が入力されたと判定された場合(YESの場合)には、設備制御装置510は、図15に示す入力情報による制御の処理を開始する。設備制御装置510は、検知部50から情報端末30の配置位置を示す位置信号を取得する処理を行う(S531)。
次いで設備制御装置510の演算部512は、情報端末30が設備90の制御を許可する領域(例えば建物内)にいるか否かを判定する処理を行う(S532)。演算部512は、検知部50から出力された位置信号に基づいて情報端末30の配置位置を推定する処理を行う。推定された情報端末30の配置位置が、予め定められた設備90の制御を許可する領域内であるか領域外であるかに基づいて、制御を許可するか許可しないかを判定する処理を行う。
S532の判定処理において情報端末30が設備90の制御を許可する領域にいないと判定された場合(NOの場合)、言い換えると制御を不許可とすると判定された場合には、設備制御装置510は、情報端末30に対して設備90の制御を許可しないことを知らせる内容の出力情報を送信する(S533)。その後、設備制御装置510は、入力情報による制御のサブルーチンの処理を終了する。
S532の判定処理において情報端末30が設備90の制御を許可する領域にあると判定された場合(YESの場合)、言い換えると制御を許可とすると判定された場合には、設備制御装置510の解析部13は、入力情報に基づいて空調装置である設備90の制御内容(制御に関する内容)を解析する演算処理を行う(S31)。以下の制御内容は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
上記の構成によれば、制御を許可する領域(例えば建物内)に情報端末30が配置されている場合にのみ設備90の制御を許可することにより、利用者以外の第三者によって設備90が不当に制御されることを抑制しやすくなる。
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態に係る設備制御システムついて図16および図17を参照しながら説明する。本実施形態の設備制御システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、入力情報による制御の内容が異なっている。よって、本実施形態においては、図16および図17を用いて入力情報による制御の内容について説明し、その他の説明を省略する。
本実施形態における設備制御システム601の設備制御装置610は、建物に設置された複数の設備90の制御を行うものである。設備制御装置610は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するサーバなどの情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも制御部11、演算部612、解析部13、および、予定記憶部614として機能させるものである。
演算部612は、設備90の制御内容、および、情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を求める演算処理を行うものである。また、演算部612は、設備90の運用予定に基づいて設備90の制御内容を決定する演算処理を行うものでもある。演算部612における演算処理の内容については後述する。
予定記憶部614は、設備90の運用予定が記憶されているものである。運用予定としては、設備90の使用開始から終了までの期間を例示することができる。例えば建物の会議室を使用する予約情報と連動して、会議の開始予定時刻から終了予定時刻までの期間を、設備90の使用開始から終了までの期間として予定記憶部614に記憶する処理が行われてもよい。
次に、上記の構成からなる設備制御システム601における制御の内容について説明する。具体的には設備制御装置610による設備90を制御する方法について説明する。設備制御装置610の運用が開始された後の処理の内容は、第1の実施形態の設備制御装置10における処理の内容(図2参照。)と同様であるため、その説明を省略し、設備制御装置610における入力情報による制御の内容について、図17を参照しながら説明する。
設備制御装置610の解析部13は、入力情報に基づいて空調装置である設備90の制御内容(制御に関する内容)を解析する演算処理を行う(S31)。解析部13により解析処理が行われると、設備制御装置610の演算部612は解析結果に基づいて、設備90の制御内容を決定する演算処理を行う(S632)。
具体的には、演算部612は、解析部13による解析結果、および、予定記憶部614から設備90の運用予定を取得する処理を行う。その後、設備90の制御内容を決定するにあたり、運用予定に基づいて制御内容を決定する処理を行う。以降の処理内容は第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
上記の構成によれば、設備90の運用予定に基づいて設備90の制御内容を決定することにより、快適性の向上を図りやすくなる。例えば、運用予定として設備90の使用期間が記憶されている場合には、使用開始時よりも所定時間だけ前から設備の制御を開始することにより、室内環境が整った状態で使用を開始することが可能となる。
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態に係る設備制御システムついて図18を参照しながら説明する。本実施形態の設備制御システムの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、制御モードに従って設備の制御が行われる点が異なっている。よって、本実施形態においては、図18を用いて制御モードに関する内容について説明し、その他の説明を省略する。
本実施形態における設備制御システム701の設備制御装置710は、建物に設置された複数の設備90の制御を行うものである。設備制御装置710は、CPU(中央演算処理ユニット)、ROM、RAM、入出力インタフェース等を有するサーバなどの情報処理装置である。上述のROM等の記憶装置に記憶されているプログラムは、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェースを協働させて、少なくとも制御部11、演算部712、および、解析部13、および、モード記憶部714として機能させるものである。
演算部712は、設備90の制御内容、および、情報端末30に送信する文情報である送信情報の内容を求める演算処理を行うものである。また、複数の制御モードのうち指定された制御モードに従って、前記設備の制御内容を求める演算処理を行うものでもある。
モード記憶部714は、予め定められた複数の異なる設備90の制御モードが記憶されたものである。設備90の制御モードとしては、電力の消費量を抑制する制御が行われるモードや、利用者の快適性を優先する制御が行われるモードなどを例示することができる。
上記の構成からなる設備制御システム701における制御の内容は、制御モードに従って設備の制御が行われる点を除き、第1の実施形態の設備制御装置10における制御の内容と同様である。
なお、制御モードの選択は、例えば、設備90が設けられた建物の管理者により行われる例を挙げることができる。選択された制御モードに応じて設備90における制御において適用可能な設定値の範囲が変更される。
上記の構成によれば、設備90の制御の方向性(不満足な利用者の割合を所定割合未満にする、設備90の消費電力を抑制する、利用者の室内環境に対する満足度を高くする、作業やプレゼンや会議などの利用者の活動状況に適した室内環境とする)を示す制御モードに従って、設備90の制御内容を決定することにより、用途にあった設備90の制御が容易となる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明を上記の実施形態に適用したものに限られることなく、これらの実施形態を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定するものではない。