JP2004100791A - 取付用クリップ及び内装材の取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】クリップの押し操作により被取付部材をパネルに固定できるタイプにおいて、クリップの過剰な押し込みをなくしたり、被取付部材のへこみ変形を阻止できるようにする。
【解決手段】被取付部材52をパネル50に対し隙間を持って固定するときに用いられるもので、頭部2及び係止軸部3を一体に形成し、頭部2を被取付部材52に当接し、係止軸部3を挿通孔53からパネル50の取付孔51に係止可能なクリップ1であって、クリップ1は、係止軸部3の一部に結合されて軸方向に沿って延びていると共に、係止軸部3の径方向に縮・拡径可能に設けられて、挿入孔53から被取付部材52の裏面52a側に挿入され、係止軸部3をパネル50に係止する過程で拡径変形することにより被取付部材52を裏面側で受け止めて支持するスペーサー用保持手段10を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】被取付部材52をパネル50に対し隙間を持って固定するときに用いられるもので、頭部2及び係止軸部3を一体に形成し、頭部2を被取付部材52に当接し、係止軸部3を挿通孔53からパネル50の取付孔51に係止可能なクリップ1であって、クリップ1は、係止軸部3の一部に結合されて軸方向に沿って延びていると共に、係止軸部3の径方向に縮・拡径可能に設けられて、挿入孔53から被取付部材52の裏面52a側に挿入され、係止軸部3をパネル50に係止する過程で拡径変形することにより被取付部材52を裏面側で受け止めて支持するスペーサー用保持手段10を有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はクリップのうち、特に、単一部材からなる取付用クリップ及びそれを用いた内装材の取付構造に関する。
【従来の技術】
【0002】
【従来の技術】
図6は下記文献1に開示された内装材の取付構造を示している。符号50は自動車のルーフパネル、符号52は成形天井(内装材)、符号55はスペーサー用固定座、符号60は取付用クリップである。ルーフパネル50には取付孔51が設けられている。成形天井52は、ルーフパネル50に対し隙間を持って配置される設計であり、比較的大きな挿入孔53を形成している。固定座55は、成形天井55より硬い材質で、取付孔51とほぼ同じ孔径の挿入孔56が設けられ、成形天井55の裏面(内面)に予め装着される。クリップ60は、頭部61及び係止軸部62を有して、係止軸部62の先端に設けられた弾性係止部63を介し取付孔51に係止される。そして、この取付構造では、成形天井52がルーフパネル50に対し固定座55を介在した状態で、挿入孔53を取付孔51に重なるよう位置決め配置される。その後、成形天井52は、クリップ60が係止軸部62を挿入孔53及び挿入孔56から取付孔51に押し込め操作されて、弾性係止部63が取付孔51に係止されることによりルーフパネル50に固定される。
【0003】
なお、図7は以上の成形天井52がルーフパネル50に隙間を持って配置される場合に採用される他の取付構造を示している。同(a)のクリップ64は、図6と同じく頭部65及び係止軸部66からなるが、係止軸部66が先端側に複数の係止爪66aを有している。この構造では、ルーフパネル50と成形天井52との間の隙間が多少変わっても、前記係止爪66aを介して該隙間に影響されず成形天井52を固定できるようにする。同(b)の場合は、クリップ64が(a)のものと同じくし、成形天井52が裏面にあって挿入孔53の回りにスペーサー54を装着している。この構造では、成形天井52がスペーサー54を介在した状態でルーフパネル50に固定されることで、成形天井52におけるクリップ64の周辺部のへこみ等を防ぐ。同(c)のクリップ67は、前記のものに比べて、係止軸部66が膨出部68を有している。この構造では、膨出部68が挿入孔53からルーフパネル50に当接することで、成形天井52がルーフパネル50側に接近し過ぎないよう規制できるようにする。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−98111号公報(第3頁〜第5頁、図1〜図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した各取付構造では次のような点が問題となる。まず、図7(a)の構造では、成形天井52が繊維素材や発泡ウレタン素材等の様に比較的柔らかい基材構成であるため、例えば、成形天井52の取付操作においてクリップ64が過大に押圧されると、成形天井52の対応部を必要以上にパネル50側へ変位したり、挿入孔53に近い箇所に当たったとき成形天井52の対応部がパネル50側へ変位して外観を損ね易い。図6及び図7(b)の構造では、例えば、固定座55やスペーサー54を必要とし、成形天井52への装着操作が増える。図7(c)の構造では、例えば、挿入孔53を膨出部68に応じて大きくしなければならず、成形天井52の剛性を低下したり、(a)と同じく挿入孔53に近い箇所に当たったとき成形天井52の対応部がパネル50側へ変位し外観を損ね易い。
【0006】
本発明は、以上の様な問題を同時に解消することを目的としている。具体的には、クリップが単一部材であることと、押し操作により被取付部材をパネルに固定できるタイプにおいて、例えば、上記したクリップの過剰な押し込みをなくしたり、被取付部材のへこみ変形を阻止できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため本発明は、図1〜図4の例で特定すると、被取付部材52をパネル50に対し隙間を持って固定するときに用いられるもので、頭部2及び係止軸部3を一体に形成し、前記頭部2を前記被取付部材52に当接し、前記係止軸部3を前記被取付部材52の挿通孔53から前記パネル50の取付孔51に係止可能な取付用クリップ1であって、前記クリップ1は、前記係止軸部3の一部に結合されて軸方向に沿って延びていると共に、該係止軸部3の径方向に縮・拡径可能に設けられて、前記挿入孔53から前記被取付部材52の裏面52a側に挿入され、前記係止軸部3を前記パネル50の取付孔51に係止する過程で拡径変形することにより前記被取付部材52を裏面側で受け止めて支持するスペーサー用保持手段10を有していることを特徴としている。
【0008】
以上のクリップ1を使用して被取付部材52をパネル50に固定する場合は、例えば、図4(a)と(b)のごとく係止軸部3を挿入孔53に保持手段10と共に差し込んで、クリップ1を被取付部材52に仮止めしておく。そして、被取付部材52をパネル50に位置出し、図4(b)と(c)のごとく頭部2をパネル50側へ押圧する。すると、係止軸部3が先端をパネル50の取付孔51に貫通し、取付孔51に対し係止部4を介して係止される。保持手段10は、例えば、成形時の状態から挿入孔53を通過する過程で最も小さく縮径され、通過後に再び成形時の状態となり、図4(b)の様に先端がパネル50に当たった状態から押圧されるに従って次第に拡径変形され、最終的に図4(d)のごとく対応部が被取付部材52の当接して該被取付部材52を支持する。換言すると、発明のクリップ及び請求項5の取付構造は、クリップ1が保持手段10を一体に形成しており、該保持手段10が被取付部材52の裏面に配置されて図7のスペーサー54と同様に機能し、図7(c)の様に挿入孔53を大きくしなくてもよいため剛性を維持でき、挿入孔53に近い箇所に当たったとき被取付部材52の対応部がパネル50側へ変位する虞を確実に解消できる。
【0009】
以上の本発明は請求項2〜4の如く具体化することがより好ましい。即ち、
・(請求項2)前記保持手段10は、前記係止軸部3の軸方向に摺動可能な略枠状(完全な枠状でなくてもよい)の摺動部15と、前記係止軸部3の基端側より軸方向に延びて先端を前記摺動部15に連結し途中に屈曲部14を形成している当接片部11とを有し、前記摺動部15を前記パネル50に当接した状態で、前記頭部2を前記パネル側へ押圧すると、前記当接片部11が前記屈曲部14等を介して拡径変形して前記被取付部材52を支持可能となる構成である。これは、摺動部15がパネル50に当たって安定当接状態を維持し、当接片部11がパネル50と被取付部材52の間の隙間を埋めるように変形して上記した被取付部材52のへこみ又はべこ付を阻止可能にする。
・(請求項3)前記当接片部11は、前記係止軸部3の基端側に対応端を結合し、前記屈曲部14及び両端の薄肉部12a,13aを介して前記係止軸部3の対応部とで概略三角形に拡径変形して、前記被取付部材52を対応片部分で支持する構成である。これは、当接片部11が係止軸部3とで略三角形に拡径変形されることにより、最も安定した状態で被取付部材52を保持できるようにする。但し、当接片部11の拡径変形は、後述するように前記略三角形以外の形状に変位するようにしてもよい。
・(請求項4)前記係止軸部3は先端側に略等間隔で複数の係止爪4を段設して前記パネル50の取付孔51に対し前記適位置の係止爪を係止する構成である。これは、例えば、被取付部材52とパネル50との間の隙間が少し変わっても該隙間寸法を複数の係止爪4により吸収可能にする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照し説明する。図1は形態例のクリップの概略外観を示し、図2と図3は該クリップの細部を示している。図2(a)はクリップの上面図、図2(b)は側面図、図2(c)は下面図、図3(a)は図2(b)の左又は右側から見た側面図、図3(b)は図2(b)のA−A線断面図、図3(c)はB−B側面図である。図3(d)はクリップを使用態様にした状態で示す側面図である。図4はクリップを使用して被取付部材(内装材)をパネルに固定する操作を示している。図5はクリップの変形例である。以下の説明では、対象クリップに関係する各部の概要、クリップ構造、取付構造を作動と共に詳述した後、変形例に言及する。
【0011】
(概要)形態例のクリップ1は、樹脂製の射出成形体からなり、例えば、図6と同様に自動車のルーフパネル50に成形天井52を固定する際に用いられる。成形天井52は、図1のごとく基材52aの室内側表面に表皮52bを一体化しており、車室内天井に対応した大きさ及び所定形状にプレス加工されている。通常は天井を一枚で覆う構成であり、凹凸部分が中央部や周囲部等に設けられ、ルーフパネル50に対し隙間を保って配置する個所と密接される箇所とが設定されて、それら複数箇所で固定される。各固定部には、ルーフパネル50側の各取付孔51に対応して挿入孔53が貫通されている。発明のクリップ1は、該固定部のうち、成形天井52を隙間を保ってルーフパネル50に固定する箇所に用いられる。図1〜図4の形態では、前記隙間寸法が多少異なっていても共通に使用可能になっている。クリップ1の基本構造は、単一部材からなり、頭部2及び係止軸部3と共に成形天井52を裏面側で受け止めて支持するスペーサー用保持手段10を備えている。なお、用途は、図4の例に限られず、ルーフパネル50以外のパネルに各種の内装材や被取付部材を固定する際に用いることができる。
【0012】
(クリップ構造)クリップ1は、成形天井52に当接される頭部2と、該頭部2の下面に突設された係止軸部3と、係止軸部3の外周に付設された保持手段10とを一体に形成している。頭部2は、薄肉の円形状であるが、係止軸部3及び保持手段10を成形天井52側の挿入孔52に挿入したときに、成形天井52の表面に当接して規制できる形状であればよい。係止軸部3は、図2のごとく頭部2の下面中央部から突設されていて、頭部2側より先端に向かって、軸部3aと、軸部3bと、径小の軸部3cと、先端3dとにより形成されている。軸部3aは、断面略円形であり、下側が矩形板状に形成され、該矩形板状の対向辺に保持手段10の対応端を結合している。軸部3bは、断面略十形であり、下部側が一段横に張り出して、該張り出した部分に段差状の係合部5を形成している。軸部3cは、軸部3aより径小の断面略円形であり、係合部5の真下から略等間隔で複数の係止爪4を段設している。各係止爪4は、同径の円鍔形状であるが、楕円形に形成されることもある。先端3dは、先細に形成され、ルーフパネル50の取付孔51に挿入し易くなっている。
【0013】
これに対し、保持手段10は、係止軸部3の外周に沿って配置された対の当接片部11と、各当接片部11の先端と連結された状態で係止軸部3の外周を摺動可能に覆っている摺動部15とで構成されている。各当接片部11は、軸部3aの下部から先端3dに向けて延設され、基端側を形成して軸部3bに対応した長さの片部分12、該片部分12に屈曲部14を介し接続されている先端側の片部分13とからなる。片部分12は、前記軸部3aにおける矩形板状の対応辺に薄肉部12aを介し結合されている。片部分13は、摺動部15の対応部に薄肉部13aを介し結合されている。屈曲部14は、片部分11,12より薄く形成され、当接片部11が係止軸部3に沿って概略延ばされた状態から、片部分11,12が各薄肉部12a,13aを支点として傾斜角を増して概略く字形となるよう縮・拡径可能にする。換言すると、各当接片部11は、屈曲部14が係止軸部3に接近するに従って軸径方向の張出量を減じ(縮径変形)て長く延ばされ、屈曲部14が係止軸部3から離れるに従って軸径方向の張出量を増し(拡径変形すること)て長さを減じる。摺動部15は、係止軸部3の外周軸方向に摺動可能な枠状に形成されており、ルーフパネル50に対し先端3dを取付孔51に挿入して摺動部15の対応端面が当接した状態で、頭部2をルーフパネル50側へ押圧されることで、屈曲部14と薄肉部12a,13aを介し各当接片部11を拡径変形可能にする。摺動部15の枠内は、係止爪4を挿通可能な大きさの円孔に貫通されていると共に、細部を省略したが孔内の上縁が段差に形成され、該段差に係合部5の対応段差が当接して図4(d)の状態に保持される様になっている。
【0014】
(取付構造)以上のクリップ1は、例えば、複数個が成形天井52の対応する各挿入孔53に予め仮止めされ、成形天井52がルーフパネル50に対して位置出しされた状態から押し操作により成形天井52をルーフパネル50に固定する。但し、取付操作としては、成形天井52をルーフパネル50に位置決め配置した状態から、クリップ1を成形天井52の挿入孔53からルーフパネル50の取付孔51に差し込んで固定操作することも可能である。また、取付孔51は、係止爪4の外径に対応して設けられ、摺動部15が挿通不能になる大きさである。挿入孔53は、取付孔51より大きな孔に設けられ、摺動部15を挿入可能にする大きさである。
【0015】
図4(a)はクリップ1が成形天井52の挿入孔53に挿入されている途中の状態を示している。クリップ1は、係止軸部3の先端側を挿入孔53に差し込んで、押圧操作されると、保持手段10を構成している当接片部11が挿入孔53の孔縁に当たる。更に押圧されると、当接片部11は、図5(a)の成形時の状態から屈曲部14を支点として係止軸部3に接近する方向へ縮径変形しながら成形天井52の裏面側に通り抜け、完全に通り抜けると元の状態に復元される。これは、この形態において挿入孔53の孔径を小さくして成形天井52の剛性を損なわないようにし、かつ前記した仮止め機能を付与しているためである。但し、取付構造としては、挿入孔53を相対的に大きく形成しておき、係止軸部3が該挿入孔53を挿通される際、当接片部11が縮径変形を伴わずに挿入されるようにしてもよい。
【0016】
図4(b)は当接片部11が挿入孔53を通り抜けた後、クリップ1の押圧操作により係止軸部3の先端3dが取付孔51に挿入された初期過程である。この状態では、摺動部15がルーフパネル50に当接しており、当接片部11が該摺動部15の当接状態から屈曲部14等を介して次第に拡径変形する。図4(c)は当接片部11がかなり拡径変形し、又、複数の係止爪14のうち、先端の係止爪14が取付孔51を弾性的に通過した状態である。クリップ1の押し操作は、係止爪14が取付孔51に当たった段階から大きな負荷を受ける。図4(d)は前記負荷に抗して更に最終段階まで押圧された状態である。この最終段階は、前記した係合部5の段差が摺動部15の孔縁に嵌合することで感知される。そして、各部は、係止軸部11が取付孔51に対応する位置の係止爪14を係止し、当接片部11が片部分12の対応部を成形天井52に当接し、成形天井52が頭部2と該片部分12の対応部との間に挟持された状態でルーフパネル50に固定されている。
【0017】
以上のように、クリップ1を用いた取付構造では、成形天井52がクリップ1を介してルーフパネル50に固定されいる点で従来と類似しているが、成形天井52が保持手段10によって補強支持されている点で改良されている。即ち、保持手段10は、当接片部11が成形天井52とルーフパネル50との間に拡径変形され、片部分12の一部で成形天井52を裏面から受け止めて支持している。このため、成形天井52は、ルーフパネル50との間の隙間によっても、拡径変形後の当接片部11の存在により従来技術で述べた成形天井52の挿入孔付近のへこみ発生やべこ付の発生がなくなる。しかも、当接片部11は、屈曲部14及び両端の薄肉部12a,13aを介して係止軸部3の対応部とで概略三角形に拡径変形して成形天井52を片部分12で受け止めるため、形状的に安定化しており、それに比例して成形天井52に対する支持力を増大できる。更に、この形態では、図3(d)の支持態様として、当接片部11のうち、成形天井52の裏面に当接する側である片部分12を係止軸部3に対し90度以上で、直角となる90度を基準とすると傾斜角tが30度(係止軸部3からの角度が90度から120度)に設定して、より安定した支持力が発現できるよう工夫されている。但し、技術的には、当接片部11の拡径変形態様として、例えば、屈曲部14を2箇所に設けて係止軸部3の対応部とで概略矩形や台形に変形することも可能である。また、この形態では、成形天井52とルーフパネル50との間の隙間が寸法的に多少異なっていても、係止部4が取付孔51に常に係止可能となり、その隙間吸収作用によりクリップ1として汎用性が付与されている。
【0018】
(変形例)図5は上記形態の複数の係止爪構成を変更した変形例を示し、同(a)は図2(b)に対応させて図示し、同(b)は図4(d)に対応させて図示している。ここでは上記形態と同じ部位に同一符号を付して、変更点だけを詳述する。変形例の係止部6は、係止軸部3の先端に突設されて、縦スリット6bを介して弾性変位される両側の係止半体6aからなる。また、係止軸部3は、前記形態よりも短く形成され、成形時の形状つまり当接片部11が拡径変形されない状態において、前記係止部6が摺動部15よりも頭部2側に位置している。そして、この係止部6では、図5(a)の成形天井52をルーフパネル50に固定した状態において、摺動部15の孔を通って取付孔51に弾性的に係止されている。このクリップ1では、係止部6が上記係止爪4と異なり隙間吸収作用を有していないが、ルーフパネル50の背面に余り隙間を確保できないときや、成形天井52とルーフパネル50との間の隙間が安定しているときに好適となる。このように、本発明は、請求項1で特定された要件を除いて種々変更可能なものであり、以上の形態及び変形例に何ら制約されるものではない。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にあっては、単一部材という簡易性を維持して、保持手段の補強支持作用により、課題に述べた様な被取付部材の挿入孔付近のへこみ又はべこ付発生を阻止でき、被取付部材の取付操作においてクリップの過剰な押し込みをなくしたり、被取付部材の剛性を維持でき、これによって適用物品(被取付部材や内装材)の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明形態のクリップを示す概略的な外観図である。
【図2】同上クリップの細部を示す図である。
【図3】同上クリップの細部を示す図である。
【図4】同上クリップを用いた取付構造を説明するための図である。
【図5】同上クリップの変形例を示す図である。
【図6】従来のクリップ及びそれを用いた取付構造を示す説明図である。
【図7】従来の他の取付構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1…クリップ(2は頭部、3は係止軸部、4は係止爪、6は係止部)
10…スペーサー用保持手段
11…当接片部(12,13は片部分、14は屈曲部)
50…パネル(51は取付孔)
52…成形天井(被取付部材又は内装材に相当し、53は挿入孔)
【産業上の利用分野】
本発明はクリップのうち、特に、単一部材からなる取付用クリップ及びそれを用いた内装材の取付構造に関する。
【従来の技術】
【0002】
【従来の技術】
図6は下記文献1に開示された内装材の取付構造を示している。符号50は自動車のルーフパネル、符号52は成形天井(内装材)、符号55はスペーサー用固定座、符号60は取付用クリップである。ルーフパネル50には取付孔51が設けられている。成形天井52は、ルーフパネル50に対し隙間を持って配置される設計であり、比較的大きな挿入孔53を形成している。固定座55は、成形天井55より硬い材質で、取付孔51とほぼ同じ孔径の挿入孔56が設けられ、成形天井55の裏面(内面)に予め装着される。クリップ60は、頭部61及び係止軸部62を有して、係止軸部62の先端に設けられた弾性係止部63を介し取付孔51に係止される。そして、この取付構造では、成形天井52がルーフパネル50に対し固定座55を介在した状態で、挿入孔53を取付孔51に重なるよう位置決め配置される。その後、成形天井52は、クリップ60が係止軸部62を挿入孔53及び挿入孔56から取付孔51に押し込め操作されて、弾性係止部63が取付孔51に係止されることによりルーフパネル50に固定される。
【0003】
なお、図7は以上の成形天井52がルーフパネル50に隙間を持って配置される場合に採用される他の取付構造を示している。同(a)のクリップ64は、図6と同じく頭部65及び係止軸部66からなるが、係止軸部66が先端側に複数の係止爪66aを有している。この構造では、ルーフパネル50と成形天井52との間の隙間が多少変わっても、前記係止爪66aを介して該隙間に影響されず成形天井52を固定できるようにする。同(b)の場合は、クリップ64が(a)のものと同じくし、成形天井52が裏面にあって挿入孔53の回りにスペーサー54を装着している。この構造では、成形天井52がスペーサー54を介在した状態でルーフパネル50に固定されることで、成形天井52におけるクリップ64の周辺部のへこみ等を防ぐ。同(c)のクリップ67は、前記のものに比べて、係止軸部66が膨出部68を有している。この構造では、膨出部68が挿入孔53からルーフパネル50に当接することで、成形天井52がルーフパネル50側に接近し過ぎないよう規制できるようにする。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−98111号公報(第3頁〜第5頁、図1〜図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した各取付構造では次のような点が問題となる。まず、図7(a)の構造では、成形天井52が繊維素材や発泡ウレタン素材等の様に比較的柔らかい基材構成であるため、例えば、成形天井52の取付操作においてクリップ64が過大に押圧されると、成形天井52の対応部を必要以上にパネル50側へ変位したり、挿入孔53に近い箇所に当たったとき成形天井52の対応部がパネル50側へ変位して外観を損ね易い。図6及び図7(b)の構造では、例えば、固定座55やスペーサー54を必要とし、成形天井52への装着操作が増える。図7(c)の構造では、例えば、挿入孔53を膨出部68に応じて大きくしなければならず、成形天井52の剛性を低下したり、(a)と同じく挿入孔53に近い箇所に当たったとき成形天井52の対応部がパネル50側へ変位し外観を損ね易い。
【0006】
本発明は、以上の様な問題を同時に解消することを目的としている。具体的には、クリップが単一部材であることと、押し操作により被取付部材をパネルに固定できるタイプにおいて、例えば、上記したクリップの過剰な押し込みをなくしたり、被取付部材のへこみ変形を阻止できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため本発明は、図1〜図4の例で特定すると、被取付部材52をパネル50に対し隙間を持って固定するときに用いられるもので、頭部2及び係止軸部3を一体に形成し、前記頭部2を前記被取付部材52に当接し、前記係止軸部3を前記被取付部材52の挿通孔53から前記パネル50の取付孔51に係止可能な取付用クリップ1であって、前記クリップ1は、前記係止軸部3の一部に結合されて軸方向に沿って延びていると共に、該係止軸部3の径方向に縮・拡径可能に設けられて、前記挿入孔53から前記被取付部材52の裏面52a側に挿入され、前記係止軸部3を前記パネル50の取付孔51に係止する過程で拡径変形することにより前記被取付部材52を裏面側で受け止めて支持するスペーサー用保持手段10を有していることを特徴としている。
【0008】
以上のクリップ1を使用して被取付部材52をパネル50に固定する場合は、例えば、図4(a)と(b)のごとく係止軸部3を挿入孔53に保持手段10と共に差し込んで、クリップ1を被取付部材52に仮止めしておく。そして、被取付部材52をパネル50に位置出し、図4(b)と(c)のごとく頭部2をパネル50側へ押圧する。すると、係止軸部3が先端をパネル50の取付孔51に貫通し、取付孔51に対し係止部4を介して係止される。保持手段10は、例えば、成形時の状態から挿入孔53を通過する過程で最も小さく縮径され、通過後に再び成形時の状態となり、図4(b)の様に先端がパネル50に当たった状態から押圧されるに従って次第に拡径変形され、最終的に図4(d)のごとく対応部が被取付部材52の当接して該被取付部材52を支持する。換言すると、発明のクリップ及び請求項5の取付構造は、クリップ1が保持手段10を一体に形成しており、該保持手段10が被取付部材52の裏面に配置されて図7のスペーサー54と同様に機能し、図7(c)の様に挿入孔53を大きくしなくてもよいため剛性を維持でき、挿入孔53に近い箇所に当たったとき被取付部材52の対応部がパネル50側へ変位する虞を確実に解消できる。
【0009】
以上の本発明は請求項2〜4の如く具体化することがより好ましい。即ち、
・(請求項2)前記保持手段10は、前記係止軸部3の軸方向に摺動可能な略枠状(完全な枠状でなくてもよい)の摺動部15と、前記係止軸部3の基端側より軸方向に延びて先端を前記摺動部15に連結し途中に屈曲部14を形成している当接片部11とを有し、前記摺動部15を前記パネル50に当接した状態で、前記頭部2を前記パネル側へ押圧すると、前記当接片部11が前記屈曲部14等を介して拡径変形して前記被取付部材52を支持可能となる構成である。これは、摺動部15がパネル50に当たって安定当接状態を維持し、当接片部11がパネル50と被取付部材52の間の隙間を埋めるように変形して上記した被取付部材52のへこみ又はべこ付を阻止可能にする。
・(請求項3)前記当接片部11は、前記係止軸部3の基端側に対応端を結合し、前記屈曲部14及び両端の薄肉部12a,13aを介して前記係止軸部3の対応部とで概略三角形に拡径変形して、前記被取付部材52を対応片部分で支持する構成である。これは、当接片部11が係止軸部3とで略三角形に拡径変形されることにより、最も安定した状態で被取付部材52を保持できるようにする。但し、当接片部11の拡径変形は、後述するように前記略三角形以外の形状に変位するようにしてもよい。
・(請求項4)前記係止軸部3は先端側に略等間隔で複数の係止爪4を段設して前記パネル50の取付孔51に対し前記適位置の係止爪を係止する構成である。これは、例えば、被取付部材52とパネル50との間の隙間が少し変わっても該隙間寸法を複数の係止爪4により吸収可能にする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を参照し説明する。図1は形態例のクリップの概略外観を示し、図2と図3は該クリップの細部を示している。図2(a)はクリップの上面図、図2(b)は側面図、図2(c)は下面図、図3(a)は図2(b)の左又は右側から見た側面図、図3(b)は図2(b)のA−A線断面図、図3(c)はB−B側面図である。図3(d)はクリップを使用態様にした状態で示す側面図である。図4はクリップを使用して被取付部材(内装材)をパネルに固定する操作を示している。図5はクリップの変形例である。以下の説明では、対象クリップに関係する各部の概要、クリップ構造、取付構造を作動と共に詳述した後、変形例に言及する。
【0011】
(概要)形態例のクリップ1は、樹脂製の射出成形体からなり、例えば、図6と同様に自動車のルーフパネル50に成形天井52を固定する際に用いられる。成形天井52は、図1のごとく基材52aの室内側表面に表皮52bを一体化しており、車室内天井に対応した大きさ及び所定形状にプレス加工されている。通常は天井を一枚で覆う構成であり、凹凸部分が中央部や周囲部等に設けられ、ルーフパネル50に対し隙間を保って配置する個所と密接される箇所とが設定されて、それら複数箇所で固定される。各固定部には、ルーフパネル50側の各取付孔51に対応して挿入孔53が貫通されている。発明のクリップ1は、該固定部のうち、成形天井52を隙間を保ってルーフパネル50に固定する箇所に用いられる。図1〜図4の形態では、前記隙間寸法が多少異なっていても共通に使用可能になっている。クリップ1の基本構造は、単一部材からなり、頭部2及び係止軸部3と共に成形天井52を裏面側で受け止めて支持するスペーサー用保持手段10を備えている。なお、用途は、図4の例に限られず、ルーフパネル50以外のパネルに各種の内装材や被取付部材を固定する際に用いることができる。
【0012】
(クリップ構造)クリップ1は、成形天井52に当接される頭部2と、該頭部2の下面に突設された係止軸部3と、係止軸部3の外周に付設された保持手段10とを一体に形成している。頭部2は、薄肉の円形状であるが、係止軸部3及び保持手段10を成形天井52側の挿入孔52に挿入したときに、成形天井52の表面に当接して規制できる形状であればよい。係止軸部3は、図2のごとく頭部2の下面中央部から突設されていて、頭部2側より先端に向かって、軸部3aと、軸部3bと、径小の軸部3cと、先端3dとにより形成されている。軸部3aは、断面略円形であり、下側が矩形板状に形成され、該矩形板状の対向辺に保持手段10の対応端を結合している。軸部3bは、断面略十形であり、下部側が一段横に張り出して、該張り出した部分に段差状の係合部5を形成している。軸部3cは、軸部3aより径小の断面略円形であり、係合部5の真下から略等間隔で複数の係止爪4を段設している。各係止爪4は、同径の円鍔形状であるが、楕円形に形成されることもある。先端3dは、先細に形成され、ルーフパネル50の取付孔51に挿入し易くなっている。
【0013】
これに対し、保持手段10は、係止軸部3の外周に沿って配置された対の当接片部11と、各当接片部11の先端と連結された状態で係止軸部3の外周を摺動可能に覆っている摺動部15とで構成されている。各当接片部11は、軸部3aの下部から先端3dに向けて延設され、基端側を形成して軸部3bに対応した長さの片部分12、該片部分12に屈曲部14を介し接続されている先端側の片部分13とからなる。片部分12は、前記軸部3aにおける矩形板状の対応辺に薄肉部12aを介し結合されている。片部分13は、摺動部15の対応部に薄肉部13aを介し結合されている。屈曲部14は、片部分11,12より薄く形成され、当接片部11が係止軸部3に沿って概略延ばされた状態から、片部分11,12が各薄肉部12a,13aを支点として傾斜角を増して概略く字形となるよう縮・拡径可能にする。換言すると、各当接片部11は、屈曲部14が係止軸部3に接近するに従って軸径方向の張出量を減じ(縮径変形)て長く延ばされ、屈曲部14が係止軸部3から離れるに従って軸径方向の張出量を増し(拡径変形すること)て長さを減じる。摺動部15は、係止軸部3の外周軸方向に摺動可能な枠状に形成されており、ルーフパネル50に対し先端3dを取付孔51に挿入して摺動部15の対応端面が当接した状態で、頭部2をルーフパネル50側へ押圧されることで、屈曲部14と薄肉部12a,13aを介し各当接片部11を拡径変形可能にする。摺動部15の枠内は、係止爪4を挿通可能な大きさの円孔に貫通されていると共に、細部を省略したが孔内の上縁が段差に形成され、該段差に係合部5の対応段差が当接して図4(d)の状態に保持される様になっている。
【0014】
(取付構造)以上のクリップ1は、例えば、複数個が成形天井52の対応する各挿入孔53に予め仮止めされ、成形天井52がルーフパネル50に対して位置出しされた状態から押し操作により成形天井52をルーフパネル50に固定する。但し、取付操作としては、成形天井52をルーフパネル50に位置決め配置した状態から、クリップ1を成形天井52の挿入孔53からルーフパネル50の取付孔51に差し込んで固定操作することも可能である。また、取付孔51は、係止爪4の外径に対応して設けられ、摺動部15が挿通不能になる大きさである。挿入孔53は、取付孔51より大きな孔に設けられ、摺動部15を挿入可能にする大きさである。
【0015】
図4(a)はクリップ1が成形天井52の挿入孔53に挿入されている途中の状態を示している。クリップ1は、係止軸部3の先端側を挿入孔53に差し込んで、押圧操作されると、保持手段10を構成している当接片部11が挿入孔53の孔縁に当たる。更に押圧されると、当接片部11は、図5(a)の成形時の状態から屈曲部14を支点として係止軸部3に接近する方向へ縮径変形しながら成形天井52の裏面側に通り抜け、完全に通り抜けると元の状態に復元される。これは、この形態において挿入孔53の孔径を小さくして成形天井52の剛性を損なわないようにし、かつ前記した仮止め機能を付与しているためである。但し、取付構造としては、挿入孔53を相対的に大きく形成しておき、係止軸部3が該挿入孔53を挿通される際、当接片部11が縮径変形を伴わずに挿入されるようにしてもよい。
【0016】
図4(b)は当接片部11が挿入孔53を通り抜けた後、クリップ1の押圧操作により係止軸部3の先端3dが取付孔51に挿入された初期過程である。この状態では、摺動部15がルーフパネル50に当接しており、当接片部11が該摺動部15の当接状態から屈曲部14等を介して次第に拡径変形する。図4(c)は当接片部11がかなり拡径変形し、又、複数の係止爪14のうち、先端の係止爪14が取付孔51を弾性的に通過した状態である。クリップ1の押し操作は、係止爪14が取付孔51に当たった段階から大きな負荷を受ける。図4(d)は前記負荷に抗して更に最終段階まで押圧された状態である。この最終段階は、前記した係合部5の段差が摺動部15の孔縁に嵌合することで感知される。そして、各部は、係止軸部11が取付孔51に対応する位置の係止爪14を係止し、当接片部11が片部分12の対応部を成形天井52に当接し、成形天井52が頭部2と該片部分12の対応部との間に挟持された状態でルーフパネル50に固定されている。
【0017】
以上のように、クリップ1を用いた取付構造では、成形天井52がクリップ1を介してルーフパネル50に固定されいる点で従来と類似しているが、成形天井52が保持手段10によって補強支持されている点で改良されている。即ち、保持手段10は、当接片部11が成形天井52とルーフパネル50との間に拡径変形され、片部分12の一部で成形天井52を裏面から受け止めて支持している。このため、成形天井52は、ルーフパネル50との間の隙間によっても、拡径変形後の当接片部11の存在により従来技術で述べた成形天井52の挿入孔付近のへこみ発生やべこ付の発生がなくなる。しかも、当接片部11は、屈曲部14及び両端の薄肉部12a,13aを介して係止軸部3の対応部とで概略三角形に拡径変形して成形天井52を片部分12で受け止めるため、形状的に安定化しており、それに比例して成形天井52に対する支持力を増大できる。更に、この形態では、図3(d)の支持態様として、当接片部11のうち、成形天井52の裏面に当接する側である片部分12を係止軸部3に対し90度以上で、直角となる90度を基準とすると傾斜角tが30度(係止軸部3からの角度が90度から120度)に設定して、より安定した支持力が発現できるよう工夫されている。但し、技術的には、当接片部11の拡径変形態様として、例えば、屈曲部14を2箇所に設けて係止軸部3の対応部とで概略矩形や台形に変形することも可能である。また、この形態では、成形天井52とルーフパネル50との間の隙間が寸法的に多少異なっていても、係止部4が取付孔51に常に係止可能となり、その隙間吸収作用によりクリップ1として汎用性が付与されている。
【0018】
(変形例)図5は上記形態の複数の係止爪構成を変更した変形例を示し、同(a)は図2(b)に対応させて図示し、同(b)は図4(d)に対応させて図示している。ここでは上記形態と同じ部位に同一符号を付して、変更点だけを詳述する。変形例の係止部6は、係止軸部3の先端に突設されて、縦スリット6bを介して弾性変位される両側の係止半体6aからなる。また、係止軸部3は、前記形態よりも短く形成され、成形時の形状つまり当接片部11が拡径変形されない状態において、前記係止部6が摺動部15よりも頭部2側に位置している。そして、この係止部6では、図5(a)の成形天井52をルーフパネル50に固定した状態において、摺動部15の孔を通って取付孔51に弾性的に係止されている。このクリップ1では、係止部6が上記係止爪4と異なり隙間吸収作用を有していないが、ルーフパネル50の背面に余り隙間を確保できないときや、成形天井52とルーフパネル50との間の隙間が安定しているときに好適となる。このように、本発明は、請求項1で特定された要件を除いて種々変更可能なものであり、以上の形態及び変形例に何ら制約されるものではない。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にあっては、単一部材という簡易性を維持して、保持手段の補強支持作用により、課題に述べた様な被取付部材の挿入孔付近のへこみ又はべこ付発生を阻止でき、被取付部材の取付操作においてクリップの過剰な押し込みをなくしたり、被取付部材の剛性を維持でき、これによって適用物品(被取付部材や内装材)の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明形態のクリップを示す概略的な外観図である。
【図2】同上クリップの細部を示す図である。
【図3】同上クリップの細部を示す図である。
【図4】同上クリップを用いた取付構造を説明するための図である。
【図5】同上クリップの変形例を示す図である。
【図6】従来のクリップ及びそれを用いた取付構造を示す説明図である。
【図7】従来の他の取付構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1…クリップ(2は頭部、3は係止軸部、4は係止爪、6は係止部)
10…スペーサー用保持手段
11…当接片部(12,13は片部分、14は屈曲部)
50…パネル(51は取付孔)
52…成形天井(被取付部材又は内装材に相当し、53は挿入孔)
Claims (5)
- 被取付部材をパネルに対し隙間を持って固定するときに用いられるもので、頭部及び係止軸部を一体に形成し、前記頭部を前記被取付部材に当接し、前記係止軸部を前記被取付部材の挿通孔から前記パネルの取付孔に係止可能な取付用クリップであって、
前記クリップは、前記係止軸部の一部に結合されて軸方向に沿って延びていると共に、該係止軸部の径方向に縮・拡径可能に設けられて、前記挿入孔から前記被取付部材の裏面側に挿入され、前記係止軸部を前記パネルの取付孔に係止する過程で拡径変形することにより前記被取付部材を裏面側で受け止めて支持するスペーサー用保持手段を有していることを特徴とする取付用クリップ。 - 前記保持手段は、前記係止軸部の軸方向に摺動可能な略枠状の摺動部と、前記係止軸部の基端側より軸方向に延びて先端を前記摺動部に連結し途中に屈曲部を形成している当接片部とを有し、前記摺動部を前記パネルに当接した状態で、前記頭部を前記パネル側へ押圧すると、前記当接片部が前記屈曲部等を介して拡径変形して前記被取付部材を支持可能となる請求項1に記載の取付用クリップ。
- 前記当接片部は、前記係止軸部の基端側に対応端を結合し、前記屈曲部及び両端の薄肉部を介して前記係止軸部の対応部とで概略三角形に拡径変形して、前記被取付部材を対応片部分で支持する請求項2に記載の取付用クリップ。
- 前記係止軸部は先端側に略等間隔で複数の係止爪を段設して前記パネルの取付孔に対し前記適位置の係止爪を係止する請求項1から3の何れかに記載の取付用クリップ。
- 前記請求項1から4の何れかに記載の取付用クリップを用いて、前記被取付部材として車両の内装材をパネルに対し隙間を保って固定する内装材の取付構造。
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JP2002262192A JP2004100791A (ja) | 2002-09-09 | 2002-09-09 | 取付用クリップ及び内装材の取付構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8260923B2 (en) | 2004-04-30 | 2012-09-04 | Hitachi, Ltd. | Arrangements to implement a scale-up service |
-
2002
- 2002-09-09 JP JP2002262192A patent/JP2004100791A/ja active Pending
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