JP2004100689A - 水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置 - Google Patents

水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置 Download PDF

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Kazumasa Ito
伊藤 和正
Yoshimichi Kinoshita
木下 嘉理
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Abstract

【課題】スロットルをOFF操作した場合でも、操縦者が艇をより自然な感覚で操舵して停船できる水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置を提供する。
【解決手段】コントロールユニット34は、スロットル開度検出センサー23からの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、ステアリングスイッチ24からの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数の低下制御を開始し、エンジン回転数制御時におけるなましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より小さくなった場合に、エンジン回転数の低下制御速度を変更するように構成し、前記なましエンジン回転数は、所定時間の間のエンジン回転数の変化に、船の抵抗係数を掛けて算出した値とした。
【選択図】  図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水流を後方に噴射して、その反動で水上を航行する水ジェット推進艇に関し、特に、スロットルをOFF操作したときにも、ステアリング機能を維持できるエンジン出力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の水ジェット推進艇は、エンジンで駆動されるインペラを備えたジェット推進機の噴射ノズルから水を後方に噴射することにより前進するものであり、跨座式シートに跨った操縦者が操舵ハンドルを操作して、ディフレクターを左右に揺動させることにより、旋回するようになっている。
【0003】
また、後進させる場合には、上記噴射ノズルの後方に昇降可能に配置したリバース用のデフレクターを下降させて、噴射ノズルから後方に向けて噴射した水流の向きを前方に変更させて、その反動で後進させるようにしている。
【0004】
さらに、操舵ハンドルのスロットルレバーを握り・離し操作してエンジンのスロットルバルブの開度を調節することにより、船速を変化させるようにしている。
【0005】
しかしながら、このような従来のものにあっては、前進及び後進の何れの場合にも、スロットルOFF操作をするとスロットルバルブが全閉近くまで閉じて噴射ノズルからの水の噴射量が減少することにより、艇を転向させるために利用できる推力(操舵のために利用できる推力)も同時に減少し、スロットルバルブを再び開くまでは、艇を操舵する能力が減少してしまうこととなる。
【0006】
この対策として、特許文献1、特許文献2、特許文献3等、種々の提案がなされている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許6159059号。
【0008】
【特許文献2】
米国特許6336833B1号。
【0009】
【特許文献3】
米国特許6390862B1号。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1では、スロットルレバーが戻されたときにスロットルバルブがアイドル状態まで戻る時間を長くしているため、エンジン回転の低下が悪くなり、停止距離が長くなってしまう。
【0011】
また、特許文献2では、手動式ステアリング制御装置が所定のしきい角を越えてどちらかの方向に回転されたときに、ジェット推進ウオータークラフトを手動式スロットル制御装置の設定と関係なく操作し易い状態に維持するようにしているため、速度に関係なく制御されることから、操縦者が自然な操舵感を得難い。
【0012】
さらに、特許文献3では、操縦者が手動で減速したときに、エンジン速度を、予め定められている戻し速度の内から選択された戻し速度で戻すようにしているため、船速に応じたより適切な制御が行われず、操縦者が自然な操舵感を得難い。
【0013】
そこで、この発明は、スロットルをOFF操作した場合でも、操縦者が艇をより自然な感覚で操舵することができる水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、エンジンが駆動されることによりジェット推進機で加圧・加速された水を後方の噴射ノズルから噴射し、その反動により推進する水ジェット推進艇において、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出センサーと、前記エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサーと、操舵ハンドルが操舵されているか否かを検出する操舵状態検出センサーと、前記エンジン回転数検出センサー,スロットル開度検出センサー及び操舵状態検出センサーからの信号により、エンジン回転数制御を行うコントロールユニットとを有し、該コントロールユニットは、前記スロットル開度検出センサーからの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数の低下制御を開始し、該エンジン回転数制御時におけるなましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より小さくなった場合に、エンジン回転数の低下制御速度を変更するように構成し、前記なましエンジン回転数は、所定時間の間のエンジン回転数の変化に、船の抵抗係数を掛けて算出した値である水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置としたことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記コントロールユニットは、前記エンジン回転数検出センサーと前記スロットル開度検出センサーからの信号により、なましエンジン回転数及びスロットル開度が所定値より大きい推進状態を検知した後、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数の低下制御を開始するようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記コントロールユニットは、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された場合に、エンジン回転数の低下制御を開始し、その後、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合には、エンジン回転数の低下速度を、前記低下速度と異なる低下制御速度とするようにエンジン回転数制御を行うように構成されたことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記低下制御速度は、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された時の直前の数秒間のエンジン回転数を数回検出し、該各エンジン回転数の平均回転数を算出し、該平均回転数に基づいて決定するようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記低下制御速度によるエンジン回転数制御は、スロットルバルブの閉じる速度を遅らせることにより行うようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の構成に加え、前記スロットルバルブが閉じる際に、ステッピングモータの進退動する押圧ピンを前記スロットルバルブの被押圧部に当接させた状態で、前記押圧ピンの退避速度を制御することにより、該スロットルバルブの閉じる速度を遅らせるようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記低下速度でエンジン回転数を低下させることにより、なましエンジン回転数をイニシャル回転数で割った値が、所定のキャンセル比より小さくなった場合に、エンジン回転数制御が解除されて初期状態に戻るようにしたことを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の構成に加え、前記なましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より大きく、この大きい状態が所定時間継続した場合に、前記押圧ピンを前記スロットルバルブの被押圧部近傍まで突出させるようにしたことを特徴とする。
【0022】
請求項9に記載の発明は、エンジンが駆動されることによりジェット推進機で加圧・加速された水を後方の噴射ノズルから噴射し、その反動により推進する水ジェット推進艇において、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出センサーと、前記エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサーと、操舵ハンドルが操舵されているか否かを検出する操舵状態検出センサーと、前記エンジン回転数検出センサー,スロットル開度検出センサー及び操舵状態検出センサーからの信号により、エンジン回転数制御を行うコントロールユニットとを有し、該コントロールユニットは、前記スロットル開度検出センサーからの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数を一旦上昇させた後低下させるエンジン回転数制御を行い、該エンジン回転数制御時のエンジン回転数の低下時における、なましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より小さくなった場合に、エンジン回転数の低下制御速度を変更するように構成し、前記なましエンジン回転数は、所定時間の間のエンジン回転数の変化に、船の抵抗係数を掛けて算出した値である水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置としたことを特徴とする。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の構成に加え、前記コントロールユニットは、前記エンジン回転数検出センサーと前記スロットル開度検出センサーからの信号により、なましエンジン回転数及びスロットル開度が所定値より大きい推進状態を検知した後、前記スロットル開度検出センサーからの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数を一旦上昇させた後低下させるエンジン回転数制御を行うようにしたことを特徴とする。
【0024】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の構成に加え、前記スロットルバルブの下流側の吸気通路に補助空気通路を接続して、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された後に該補助空気通路を介して前記スロットルバルブ下流側に空気を導入することにより、エンジン回転数を上昇させるようにしたことを特徴とする。
【0025】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の構成に加え、前記吸気通路が複数の気筒毎に設けられると共に、該吸気通路毎に前記補助空気通路が接続され、該複数の補助空気通路を集合させて、該集合部に空気流量を調整する空気流量調整手段を設けたことを特徴とする。
【0026】
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12の何れか一つに記載の構成に加え、前記予め設定されたエンジン回転数は、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された後のなましエンジン回転数に基づいて設定されていることを特徴とする。
【0027】
請求項14に記載の発明は、請求項1乃至13の何れか一つに記載の構成に加え、前記エンジン回転数制御が行われている状態で、操舵ハンドルが中立状態に戻された場合に、前記エンジン回転数制御状態を解除するようにしたことを特徴とする。
【0028】
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至14の何れか一つに記載の構成に加え、前記エンジン回転数制御が行われている状態で、操縦者によりスロットル開操作が行われた場合に、前記エンジン回転数制御状態を解除するようにしたことを特徴とする。
【0029】
請求項16に記載の発明は、請求項1乃至15の何れか一つに記載の構成に加え、前記スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された後、操舵された状態が検知される前に、エンジン回転数が所定値より小さくなった場合に、初期状態に戻るように構成されたことを特徴とする。
【0030】
請求項17に記載の発明は、エンジンが駆動されることによりジェット推進機で加圧・加速された水を後方の噴射ノズルから噴射し、その反動により推進する水ジェット推進艇において、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出センサーと、前記エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサーと、操舵ハンドルが操舵されているか否かを検出する操舵状態検出センサーと、前記エンジン回転数検出センサー,スロットル開度検出センサー及び操舵状態検出センサーからの信号により、エンジン回転数制御を行うコントロールユニットとを有し、該コントロールユニットは、前記スロットル開度検出センサーからの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数の低下制御を開始し、該エンジン回転数制御時におけるなましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より小さくなった場合に、エンジン回転数の低下制御速度を変更するように構成し、前記なましエンジン回転数は、前記エンジン回転数検出センサーによって検出されたエンジン回転数に基づく移動平均によって演算により求めた値である水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置としたことを特徴とする。
【0031】
請求項18に記載の発明は、エンジンが駆動されることによりジェット推進機で加圧・加速された水を後方の噴射ノズルから噴射し、その反動により推進する水ジェット推進艇において、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出センサーと、前記エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサーと、操舵ハンドルが操舵されているか否かを検出する操舵状態検出センサーと、前記エンジン回転数検出センサー,スロットル開度検出センサー及び操舵状態検出センサーからの信号により、エンジン回転数制御を行うコントロールユニットとを有し、該コントロールユニットは、前記スロットル開度検出センサーからの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数を一旦上昇させた後低下させるエンジン回転数制御を行い、該エンジン回転数制御時のエンジン回転数の低下時における、なましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より小さくなった場合に、エンジン回転数の低下制御速度を変更するように構成し、前記なましエンジン回転数は、前記エンジン回転数検出センサーによって検出されたエンジン回転数に基づく移動平均によって演算により求めた値である水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置としたことを特徴とする。
【0032】
請求項19に記載の発明は、請求項17又は18に記載の構成に加え、前記移動平均によって求める演算は、前記エンジン回転数検出センサーによって検出されたエンジン回転数に基づく指数平滑移動平均によって求める演算であることを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0034】
[発明の実施の形態1]
図1乃至図11は、この発明の実施の形態1を示す図である。
【0035】
まず構成について説明すると、図1に示すように、水ジェット推進艇は、艇体10がハル部材11とデッキ部材12とから構成されている。
【0036】
そのデッキ部材12の上部には、操舵ハンドル13が設けられ、この操舵ハンドル13の後方のデッキ部材12の上部には、このデッキ部材12から上方に立ち上げたシート台14が後方に延在して設けられて、このシート台14には跨座式シート15が載置されている。
【0037】
そのデッキ部材12のシート台14の両側方には、デッキ部材12の両側から上方へ突出させたブルワークとの間に、跨座式シート15に跨った操縦者が両足を乗せるためのステップがそれぞれ形成されている。
【0038】
そして、艇体10のエンジンルーム内には、2サイクルエンジン16が搭載されると共に、艇体10のハル部材11の後下部に形成されたポンプ室内には、ジェット推進機17が搭載され、エンジン16でインペラ16aが回転されることにより、艇底の水吸引口11aから水が吸引され、この水がジェット推進機17の噴射ノズル18から後方に噴射されることにより、艇体10が前方向に推進されるようになる。
【0039】
また、操舵ハンドル13を操作して噴射ノズル18の後部の図示省略のディフレクターを左右に揺動させることにより、左右方向に旋回させることができる。
【0040】
さらに、図2に示す操舵ハンドル13のスロットルレバー19を操作して、図3に示すエンジン16のスロットルバルブ22の開度を調節することにより、エンジン出力が調節されて船速を変化させることができる。
【0041】
上記エンジン16には、図4に示すように、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出センサー25が設けられると共に、スロットルバルブ22の開度を検出するスロットル開度検出センサー23が設けられ、又、操舵ハンドル13には操舵されたか否かを検知する「操舵状態検出センサー」としてのステアリングスイッチ24が設けられている。
【0042】
このステアリングスイッチ24は、操舵ハンドル13が中立位置から左右に所定角度以上に回動された場合に、操舵された状態として「1」を出力し、それ以外では操舵されていない状態として「0」を出力する。
【0043】
前記スロットルバルブ22は、図3に示すように、上記エンジン16の吸気通路26を開閉するようにスロットル軸27にて回転自在に支持されており、このスロットル軸27の一端部に上記スロットル開度検出センサー23が設けられている。また、このスロットル軸27の他端には、図4に示すように、プーリ28が設けられ、このプーリ28と上記操舵ハンドル13のスロットルレバー19とがスロットルケーブル29で連結されることにより、そのスロットルレバー19を操作してスロットルバルブ22の開度を調節することで、船速を変化させることができるように構成されている。
【0044】
スロットルレバー19を握ったときには、スロットルケーブル29を介して図示省略のスプリングの付勢力に抗してスロットルバルブ22が開かれ、又、スロットルレバー19を握った状態から離した時には、そのスプリングの付勢力により速い速度でスロットルバルブ22が閉じる方向に回動されるように構成されている。この状態が「スロットルバルブ22が通常の速度で戻る場合」で、これによるエンジン回転数の低下速度が、第1低下速度である。
【0045】
また、プーリ28の回動位置を検知することにより、スロットルバルブ22の全閉状態を検知する全閉スイッチ30が設けられている。
【0046】
さらに、図4に示すように、そのプーリ28の近傍には、スロットルバルブ22の閉じる速度を制御するステッピングモータ33が配設され、このステッピングモータ33には、押圧ピン33aが所定の時期及び速度で進退動するように設けられ、この押圧ピン33aが図5に概略的に示すように、スロットル軸27から延長された「被押圧部」としてのレバー部27aに離接され、スロットルバルブ22の開度等を制御するようにしている。
【0047】
そして、図4に示すように、これらステッピングモータ33,スロットル開度検出センサー23,ステアリングスイッチ24,エンジン回転数検出センサー25,全閉スイッチ30がコントロールユニット34(以下「ECU34」という)に接続されている。また、操舵ハンドル13に設けられたストップスイッチ35がECU34に接続され、そのスイッチ35が「ON」されることにより、エンジン16が停止されるように制御される。
【0048】
以下に、そのECU34によるエンジン回転数制御について、図5の作用説明図、図6、図7に示すフローチャート図等に基づいて説明する。
【0049】
まず、図5(a)に示すエンジン停止状態、つまり、スロットルバルブ22が閉じた状態では、ECU34により、ステッピングモータ33の押圧ピン33aが後退限位置に設定されている。
【0050】
そして、操縦者がエンジン16がスタートさせることにより、運転状態とされると、図6に示すように、ステップS1,S2,S3の要件を満足した場合に、図5(a)から図5(b)に示すように、ステップS4でステッピングモータ33が駆動されて、押圧ピン33aが所定量突出され、スロットル軸27のレバー部27aに接触しない接近した位置まで移動する。
【0051】
すなわち、ステップS1では、いわゆるなましエンジン回転数N1が加速中の所定値(Ne1)より大きいか否か判断され、大きい場合には、ステップS2に進み、小さい場合には、スタートに戻る。
【0052】
ここで、所定値(Ne1)の値は、艇体10の進行方向を変更させ得る操舵力を発生させるためのエンジン回転数となるような値であり、予めメモリーに記憶されている。かかる操舵力が予め発生していなければ、エンジン回転数の低下速度を遅くしても操舵を行うことができないため、制御前の状態において所定の操舵力が生じていることが必要となる。
【0053】
また、なましエンジン回転数とは、なまし処理されたエンジン回転数のことであり、なまし処理とは、図8に示すように、時間T1からT2間でのエンジン回転数の変化(N2ーN1=ΔN)に、船の抵抗係数Kを掛けて処理することを言う。例えば、時間T1からT2までを1ms〜1000msの範囲で適宜設定し、船の抵抗係数Kはその船の形状等により変わり、0.001〜1.0の範囲で適宜設定する。
【0054】
このなまし処理された場合のなましエンジン回転数は、図9に示すグラフ図のように、図中実線で示す実際のエンジン回転数の特性曲線Aと比較すると、図中破線で示す特性曲線Bに示すように、立ち上がり(変化)が緩やかになる。
【0055】
このようになまし処理することで、なましエンジン回転数の特性曲線Bは、実際の船速の特性曲線の傾き等に略合わせることができ、別途、船速を計測する装置を配置する必要なく、既に装備されているエンジン回転数検出センサー25を利用することにより、実際の船速を検出することなく、略船速に近い状態を検出できる。
【0056】
すなわち、例えば、所定時間内において、エンジン回転数の加速が大きいときは、艇体10の慣性に起因して、実際のエンジン回転数の加速の程度より、実際の船速の増速の程度の方が小さくなる。減速する場合には、その逆となる。そのため、なまし処理することで、実際の船速をなましエンジン回転数から把握できるようにしている。
【0057】
次いで、ステップS2では、スロットルバルブ角度が所定角(θ1)より大きいか否か判断され、大きい場合にはステップS3に進み、小さい場合にはスタートに戻る。
【0058】
ここで、所定角「θ1」の値は、艇体10の進行方向を変更させ得る操舵力を発生させるためのエンジン回転数となるような値であり、予めメモリーに記憶されている。
【0059】
ステップS3では、所定時間(T秒間)経過したか否か判断され、経過した場合には、ステップS4に進み、経過していないときには、スタートに戻る。一時的な回転上昇の場合、船速が遅く、操舵力を発生する必要がないためにスタートに戻るようにしている。
【0060】
そして、ステップS1,S2,S3の要件を満足した後、ステップS4では、ステッピングモータ33が駆動し、押圧ピン33aがスロットルバルブ22に当たらない位置で、近傍まで所定量突出され、この位置で待機することとなる(図5(b)参照)。
【0061】
ステップS5では、ステッピングモータ33の押圧ピン33aが所定量(STP1)突出したか否か判断され、「YES」の場合にはステップS6に進み、「NO」の場合には、ステップS4に戻る。
【0062】
ステップS6では、スロットルバルブ22角度が所定角(θ2)より小さいか否か、つまり、スロットル開度が所定値より閉じられたか否か判断され、小さい場合には、図7に示すステップS7に進み、大きい場合には、ステップS5に戻る。小さい場合にはスロットルOFF操作されたことが認識される。所定角(θ2)は、スロットルバルブ22が完全に閉じる前の角度である。
【0063】
ステップS7では、図7に示すように、ステッピングモータ33が駆動し、押圧ピン33aが所定速度(ΔSTPA)で、後退して行き、ステップS8に進む。スロットルOFF操作されると、スロットルバルブ22はスプリングの付勢力により速いスピードで閉じて行くのに対し、押圧ピン33aはそれより遅い速度(ΔSTPA)で後退するため、スロットルバルブ22が閉じて行く途中で、図5(c)に示すように、レバー部27aが押圧ピン33aに当たる。その後は、押圧ピン33aの戻る速度に従ってスロットルバルブ22が閉じて行く。
【0064】
このようにスロットルバルブ22が速度(ΔSTPA)で戻ることにより、エンジン回転数は、前記第1低下速度より遅い第2低下速度で減少して行くこととなる。
【0065】
その所定速度(ΔSTPA)は、ステップS7に移行する直前の数秒間の平均回転数を算出し、この平均回転数に基づき決定されたもので、ECU34のメモリに予め記憶されている、エンジン16の回転数と、スロットルバルブ22の戻し角速度と、押圧ピン33aの戻し速度との三次元マップAから決定する。
【0066】
船速が異なると操舵力もそれに応じて異なることから、直前のエンジン平均回転数を検出して、これに基づいて、押圧ピン33aの戻し速度、ひいてはスロットルバルブ22の戻し角速度を決定することにより、船速に応じて操舵力が十分に発揮できるような戻し速度に設定することができる。
【0067】
そして、ステップS8では、なましエンジン回転数N2が減速中の所定値(Ne2)より小さいか否か判断され、小さい場合にはステップS9に進み、大きい場合にはステップS10に進む。
【0068】
なお、このステップS8は、なましエンジン回転数をイニシャル回転数で割った値が、予め定められている所定のキャンセル比より、小さいか否か判断され、小さい場合には、ステップS9に進んでエンジン回転数制御を終了し、大きい場合には、ステップS10に進むようにすることもできる。
【0069】
ステップS9では、ステッピングモータ33の押圧ピン33aが最大限に後退してコントロールユニット34によるエンジン回転数制御状態が終了する。
【0070】
なまし回転数N2が減速中の所定値(Ne2)より小さい場合には、船速が遅く、艇体10の進行方向を変更させ得る操舵力を発生させることができないため、エンジン回転数制御を終了する。
【0071】
ここで、図10を参照して説明すると、図6に示す前記ステップS5からステップS6の間では、図10中、時点aにおいて、スロットOFF操作された場合に、スロットルバルブ22がスプリングの付勢力により速い速度で閉じて行くと共に、エンジン回転数も第1低下速度で急激に低下して行く。押圧ピン33aは突出した状態を維持する。
【0072】
そして、時点bにおいて、スロットル角度がθ2となると、その後、図6のステップS6から図7のステップS7に移行することにより、押圧ピン33aは、所定速度(ΔSTPA)で、後退して行き、これに従って、スロットルバルブ22の閉じる速度が遅くなることにより、エンジン回転数は第1低下速度より遅い第2低下速度で低下して行く。
【0073】
次いで、時点cにおいて、ステアリングスイッチ24が「0」から「1」にされない(操舵されない)状態で、なましエンジン回転数N2が所定値(Ne2)となり、更に、それより小さくなると、図7に示すステップS8からステップS9に進み、押圧ピン33aが所定速度(ΔSTPA)より速い速度で後退し、これに伴って、スロットル角度が小さくなると共に、エンジン回転数が急激に低下して行く。
【0074】
一方、ステップS10では、ステアリングスイッチ24が「0」から「1」に変化したか否か、つまり、操舵されたか否か判断され、「YES」の場合(操舵された場合)にはステップS11に進み、「NO」の場合(操舵されない場合)にはステップS12に進む。
【0075】
ステップS11では、押圧ピン33aの後退速度が、所定速度(ΔSTPA)からそれと異なる所定速度(ΔSTPB)に変化し、ステップS13に進む。
【0076】
その所定速度(ΔSTPB)は、エンジン回転数の低下制御速度で、ステップS7に移行する直前の数秒間の平均回転数を算出し、この回転数に基づき、コントロールユニット34のメモリに予め記憶されている、エンジン16の回転数と、押圧ピン33aの戻し速度との二次元マップBから決定する。この二次元マップBと前記三次元マップAとは異なるマップである。
【0077】
ここで、所定速度(ΔSTPB)と所定速度(ΔSTPA)とを異ならせているのは、操舵されない場合には、操縦者が違和感を覚えないように、早く減速することにより、船速を円滑に減速しつつ、操舵されたときには、艇体10が所定の方向を向くまでにはある程度の時間、操舵力を確保するためである。これにより、スロットルOFF操作して操舵ハンドル13を切る場合でも、切らない場合でも自然な感覚で操舵を行うことができる。
【0078】
ステップS12では、スロットル角度が所定角(θ3)より大きいか否か、つまり、再度、操縦者の意思でスロットルバルブ22を開けたか否か判断され、大きい場合(開けた場合)には、ステップS9に進んでエンジン回転数制御を終了し、小さい場合(開けない場合)には、ステップS14に進む。
【0079】
ステップS14では、なましエンジン回転数をイニシャル回転数で割った値が、予め定められている所定のキャンセル比Aより、小さいか否か判断され、小さい場合には、ステップS9に進んでエンジン回転数制御を終了し、大きい場合には、ステップS7に戻る。そのイニシャル回転数は、ステップS7への移行時おけるなましエンジン回転数である。
【0080】
大きい場合には、いまだ艇体10の進行方向を変更させ得る操舵力を発生させ得るエンジン回転数を維持していると判断されるため、ステップS7に戻る。
【0081】
一方、前記ステップS13では、ステアリングスイッチ24が「1」から「0」に変化したか否か、操舵状態から中立位置に戻された否か判断され、「YES」の場合には、操縦者が操舵する意思を持っていないと判断され、操舵力は必要ないため、ステップS9に進んだ後、エンジン回転数制御を終了し、「NO」の場合には、操舵する意思が不明であるため、ステップS15に進む。
【0082】
ステップS15では、なましエンジン回転数N3が減速中の所定値(Ne3)より小さいか否か判断される。そして、小さい場合には、船速が十分に遅くなり、所望の状態まで操舵されたと判断され、操舵力は必要ないため、ステップS9に進んだ後、エンジン回転数の低下制御速度が変更され、エンジン回転数制御を終了する。この場合、なましエンジン回転数N3を用いることにより、船速により近い状態を把握してエンジン回転数制御を終了するようにしているため、停止距離が不用意に長くなるようなことがなく、操縦者は自然な感覚で操舵し停船することができる。また、大きい場合には、まだ操舵が不十分である可能性があるため、ステップS16に進む。
【0083】
ステップS16では、スロットル角度が所定角度(θ4)以上か否か判断され、以上の場合には、操縦者がスロットルレバー19を握ってスロットルバルブ22を開き、スロットルバルブ22のレバー部27aが押圧ピン33aから離間しているため、操縦者が推進の意思を持っていると判断されることから、ステップS9に進んだ後、エンジン回転数制御を終了する。また、スロットル角度が所定角度(θ4)より小さい場合には、ステップS17に進む。
【0084】
ステップS17では、なましエンジン回転数をイニシャル回転数で割った値が、予め定められている所定のキャンセル比Bより、小さいか否か判断され、小さい場合には、ステップS9に進んでエンジン回転数制御を終了し、大きい場合には、ステップS11に戻り、エンジン回転数制御を継続し、ステップS13等を繰り返す。
【0085】
ここで、図11を参照して説明すると、時点b以後において、押圧ピン33aが所定速度(ΔSTPA)で後退している場合に、なましエンジン回転数N2が所定値(Ne2)となる前に、時点dで、ステアリングスイッチ24が「0」から「1」にされて操舵されると、ステップS10からステップS11に移行し、押圧ピン33aが低下速度(ΔSTPB)で後退し、これに伴って、スロットル角度が小さくなると共に、エンジン回転数が第2低下速度で低下して行く。そして、その途中の時点eで、ステアリングスイッチ24が「1」から「0」にされ(中立位置にされ)ると、ステップS13からステップS9に進み、図11中破線で示すように、押圧ピン33aが所定速度(ΔSTPB)より速い速度で後退し、これに伴って、スロットル角度が小さくなると共に、なましエンジン回転数が低下して行く。一方、時点eで、中立位置にされない場合には、なましエンジン回転数N3が所定値(Ne3)より小さくなると、ステップS15からステップS9に進み、押圧ピン33aが所定速度(ΔSTPB)より速い速度で後退し、これに伴って、スロットル角度が小さくなると共に、なましエンジン回転数が低下して行く。
【0086】
このようにすることにより、推進状態からスロットルOFF操作し、且つ、操舵した場合には、スロットルバルブ22の戻り速度を、スプリングにて戻る速度より遅くすることにより、操舵力を維持でき、良好に操舵を行うことができる。
【0087】
また、ここでのエンジン回転数制御は、一端低下したエンジン回転数を上昇させるものでなく、エンジン回転数の低下速度を遅らせるものであるため、予め、操舵力を持った状態から制御する必要があることから、推進状態を検知した後、エンジン回転数制御させることにより、操舵力を確保することができる。
【0088】
さらに、推進状態からスロットルOFF操作をし、操舵しない場合でも、スロットルバルブ22の戻り速度を、スプリングにて戻る速度より遅くすることにより、操舵力を維持できる。
【0089】
さらにまた、スロットルバルブ22の戻り速度を遅くしてエンジン回転数制御をしている場合に、操舵ハンドル13が中立位置に戻されたり(ステップS13)、なましエンジン回転数が所定値より小さくなったり(ステップS15)、スロットルON操作されたり(ステップS16)した場合には、目的が達成された状態であるため、エンジン回転数制御を解除することにより、その後の操作を良好に行うことができる。特に、なましエンジン回転数が所定値より小さくなった場合に、エンジン回転数制御を解除することにより、停止距離が不用意に長くなることなく、自然な感覚で操舵して停船できる。
【0090】
この際には、実際のエンジン回転数を検出し、これに基づいてなましエンジン回転数を算出し、このなましエンジン回転数を用いてエンジン回転数制御するようにしているため、船速を検出する装置が必要なく、なましエンジン回転数を用いて船速を把握でき、良好なエンジン回転数制御を行うことができる。
【0091】
[発明の実施の形態2]
図12乃至図18には、この発明の実施の形態2を示す。
【0092】
上記実施の形態1が2サイクルのエンジン16にこの発明を適用したのに対し、この実施の形態2は、4サイクルのエンジン40にこの発明を適用したものである。
【0093】
すなわち、この実施の形態2のエンジン40は、4気筒の4サイクルエンジンで、図13に示すように、4本の吸気通路41のそれぞれにスロットルバルブ22が開閉自在に設けられると共に、各吸気通路41のスロットルバルブ22より下流側(燃焼室側)には、それぞれ4本の補助空気通路43が接続されている。これら4本の補助空気通路43は1カ所に集合され、この集合部44には、図14に示すように、空気の流れを調整する開度調整部材45がスライド自在に設けられ、この開度調整部材45がステッピングモータ46によりスライドさせられるように構成されている。このステッピングモータ46は、図12に示すエンジンコントロールユニット48(以下「ECU48」という)により制御される。
【0094】
このECU48には、実施の形態1と同様に、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出センサー25、スロットルバルブ22の開度を検出するスロットル開度検出センサー23、操舵ハンドル13には操舵されたか否かを検知する「操舵状態検出センサー」としてのステアリングスイッチ24等が接続されている。
【0095】
以下に、そのECU48によるエンジン回転数制御について、図15乃至図18に示すフローチャート図等に基づいて説明する。
【0096】
まず、操縦者がエンジン40がスタートさせることにより、運転状態とされると、図15に示すように、実施の形態1と同様、ステップS1,S2,S3の要件を満足した場合に、ステップS4に進む。ステップS1,S2,S3は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0097】
ステップS4では、スロットルバルブ22角度が所定角(θ2)より小さいか否か判断され、小さい場合には、ステップS5に進み、大きい場合には、ステップS4を繰り返す。小さい場合にはスロットルバルブ22閉状態、スロットルOFF操作されたことが認識される。図17及び図18中、時点aからエンジン回転数が急激に減少する。
【0098】
ステップS5では、なまし回転数が減速中の所定値(Ne2)より小さいか否か判断され、小さい場合にはステップS6に進み、大きい場合にはステップS7に進む。
【0099】
図18の時点aから時点bまでエンジン回転数が減少し、なまし回転数がNe2になるまでの間に、ステアリングスイッチ24が「1」にならない、つまり操舵ハンドル13が切られない場合には、ステップS6に進み、ステッピングモータ46により開度調整部材45が駆動されて閉じられ、エンジン回転数は低回転状態が維持されて終了する。
【0100】
一方、なましエンジン回転数がNe2より小さくなる以前に、時点cで、ステアリングスイッチ24が「1」、つまり操舵ハンドル13が切られた場合には、ステップS8に進み、切られない場合にはステップS9に進む。
【0101】
ステップS9では、スロットル角度が所定角(θ2)より大きいか否か、つまり、再度、操縦者の意思でスロットルバルブ22を開けたか否か判断され、大きい場合(開けた場合)には、ステップS6に進んでエンジン回転数制御を終了し、小さい場合(開けない場合)には、ステップS5に戻る。
【0102】
また、ステップS8では、そのときのなましエンジン回転数(N3)が記憶され、次のステップS10では、時点cのなましエンジン回転数(N3)に基づき、二次元マップからなましエンジン回転数(Ne4)が算出される。このなましエンジン回転数(Ne4)は後述するエンジン回転数制御の解除条件として用いられる。
【0103】
次いで、ステップS11で、開度調整部材45が全開とされ(図18中時点d)、ステップS12で、その開度調整部材45が所定速度(ΔSTPA)で閉じられて行く。開度調整部材45を開くことにより、図18中時点cから時点dまでエンジン回転数が急激に上昇し、所定時間、略同じ回転数を維持した後、開度調整部材45を閉じて行く速度(ΔSTPA)に対応して、エンジン回転数も低下して行く。
【0104】
そして、ステップS13で、ステアリングスイッチ24が1から0に変化したか否か、操舵状態から中立位置に戻された否か判断され、「YES」の場合には、操縦者が操舵する意思を持っていないと判断され、操舵力は必要ないため、ステップS6に進んだ後、エンジン回転数制御を終了し、「NO」の場合には、操舵する意思が不明であるため、ステップS14に進む。
【0105】
ステップS14では、減速中のなましエンジン回転数(N4)が上記ステップS10における設定値(Ne4)より小さいか否か判断され、小さい場合には、船速が十分に遅くなり、所望の状態まで操舵されたと判断され、操舵力は必要ないため、ステップS6に進んだ後、エンジン回転数制御を終了し、大きい場合には、まだ操舵が不十分である可能性があるため、ステップS15に進む。
【0106】
ステップS15では、スロットル角度が所定角度(θ2)以上か否か判断され、以上の場合には、操縦者がスロットルレバー19を握ってスロットルバルブ42を開いたものであるため、操縦者が推進の意思を持っていると判断されることから、ステップS6に進んだ後、エンジン回転数制御を終了する。
【0107】
スロットル角度が所定角度(θ2)より小さい場合には、ステップS12に戻り、エンジン回転数制御を継続し、ステップS13等を繰り返す。
【0108】
ここで、図18を参照して説明すると、時点d以後において、開度調整部材45が所定速度(ΔSTPA)で閉じている場合に、なましエンジン回転数が所定値(Ne4)となる前に、時点eで、ステアリングスイッチ24が「1」から「0」(中立位置)にされると、ステップS13からステップS6に進み、図18中破線で示すように、開度調整部材45が所定速度(ΔSTPA)より速い速度で後退し、これに伴って、エンジン回転数が急激に低下して行く。一方、中立位置にされない場合には、なましエンジン回転数が所定値(Ne4)より小さくなることにより、ステップS14からステップS6に進み、開度調整部材45が所定速度(ΔSTPA)より速い速度で後退し、これに伴って、エンジン回転数が急激に低下して行く。
【0109】
この実施の形態2においても、エンジン回転数制御状態を解除するのに、なましエンジン回転数(Ne4)を用いているため、船速に応じた解除を行うことができるため、操縦者に自然な感覚の操舵感を与えることができる。
【0110】
ところで、現在のエンジン回転数をなましエンジン回転数で割った値が、所定の値以上の場合には、艇体10が陸上で運転されていると判断され、スロットル、点火時期、燃料噴射量等を制限することにより、冷却水がない状態での過回転を防止することができる。
【0111】
[発明の実施の形態3]
図19には、この発明の実施の形態3を示す。
【0112】
この実施の形態3は、なましエンジン回転数の求め方が、上記実施の形態と相違するものである。
【0113】
すなわち、この実施の形態でのなましエンジン回転数は、エンジン回転数検出センサーによって検出されたエンジン回転数に基づく移動平均によって演算により求めた値である。この移動平均によって求める演算は、エンジン回転数検出センサーによって検出されたエンジン回転数に基づく指数平滑移動平均によって求める演算である。
【0114】
詳しくは、図19中、N,N,N…をエンジン回転数、Ne,Ne,Ne…をなましエンジン回転数として、t番目のエンジン回転数をN、t番目のなましエンジン回転数をNeとし、指数平滑移動平均を用いると、
Ne=(Net−1+(N−Net−1)×K
K:船の抵抗係数(平滑化定数として船の抵抗係数を用いる。)
からなましエンジン回転数Nが求められる。
【0115】
かかる指数平滑移動平均は、後述の単純移動平均よりも振幅が小さく反応が早いことから、転換を早く知ることができる上、小さな変化に影響を受け難い。
【0116】
ここで、移動平均を求める演算としては、他に単純移動平均と、加重移動平均がある。
【0117】
単純移動平均を用いると、
Ne=(N+N+N+N)/4
Ne=(N+N+N+N)/4
Ne=(N+N+N+N)/4



のようにして、なましエンジン回転数Ne…が求められる。
【0118】
加重移動平均を用いると、
Ne=(N×k+N×k+N×k+N×k)/(k+k+k+k
Ne=(N×k+N×k+N×k+N×k)/(k+k+k+k
Ne=(N×k+N×k+N×k+N×k)/(k+k+k+k



ここで、k:サンプリング加重係数、k>kn−1>1
のようにして、なましエンジン回転数Ne…が求められる。
【0119】
かかる加重移動平均は、一定の期間の平均を求める計算の仕方で、単純移動平均と異なり、近い過去の方が大きく平均に反映し、遠い過去の方は、小さく反映するように計算する方法である。
【0120】
なお、上記各実施の形態では、エンジン回転数制御を行うのにスロットルバルブ22の戻り速度を遅らせるようにしたり、吸気通路41に補助空気通路43を形成してこの通路を適宜開閉したりしているが、これに限らず、点火時期や燃料噴射タイミング等を調整すること等により、エンジン回転数制御を行うことができる。また、スロットルバルブ22の戻り速度を遅らせるのに、ステッピングモータ33の押圧ピン33aを用いているが、これに限らず、スロットルバルブの開閉をすべてモータ駆動で行い、このモータを制御することにより、スロットルバルブ22の戻り速度を調整することもできる。
【0121】
【発明の効果】
以上説明してきたように、各請求項に記載の発明によれば、なましエンジン回転数が、予め設定されたエンジン回転数より小さくなった場合に、低下速度を変更するように形成されているため、スロットルをOFF操作した場合でも、操縦者が艇をより自然な感覚で操舵することができる。
【0122】
また、なましエンジン回転数を用いてエンジン回転数制御を行っているため、船速を検出する装置を別途配設する必要がないことから、部品点数の増加等を防止でき、適正な制御を行うことができる。
【0123】
請求項2に記載の発明によれば、ここでのエンジン回転数制御は、一端低下したエンジン回転数を上昇させるものでなく、エンジン回転数の低下速度を遅らせるものであるため、予め、操舵力を持った状態から制御する必要があることから、推進状態を検知した後、エンジン回転数制御させることにより、操舵力を確保することができる。
【0124】
請求項3に記載の発明によれば、コントロールユニットは、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された場合に、エンジン回転数の低下制御を開始し、その後、操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合には、エンジン回転数の低下速度を、前記低下速度とは異なる低下制御速度とするようにエンジン回転数制御を行うように構成されたため、操舵される前には、操舵力を確保できる状態で、比較的速い低下速度で低下させ、操舵された後には、その低下速度とは異なる低下制御速度で低下させることから、操縦者が艇をより自然な感覚で操舵することができる。
【0125】
請求項4に記載の発明によれば、低下制御速度は、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された時の直前の数秒間のエンジン回転数を数回検出し、各エンジン回転数の平均回転数を算出し、平均回転数に基づいて決定するようにしたため、当該艇の速度に応じた低下制御速度に設定でき、操縦者が艇をより自然な感覚で操舵することができる。
【0126】
請求項5に記載の発明によれば、低下制御速度によるエンジン回転数制御は、スロットルバルブの閉じる速度を遅らせることにより行うようにしたため、他に特別な構造の改良が必要がない。
【0127】
請求項14に記載の発明によれば、エンジン回転数制御が行われている状態で、操舵ハンドルが中立状態に戻された場合に、エンジン回転数制御状態を解除するようにしたため、この状態では操舵する意思がないことから、早めに停船できるようにすることにより、操縦者が艇をより自然な感覚で操船することができる。
【0128】
請求項15に記載の発明によれば、エンジン回転数制御が行われている状態で、操縦者によりスロットル開操作が行われた場合に、エンジン回転数制御状態を解除するようにしたため、この状態では再度推進する意思があるものであることから、そのエンジン回転数制御状態を解除して、通常の航行を行うことができるようにすることにより、操縦者が艇をより自然な感覚で操船することができる。
【0129】
請求項16に記載の発明によれば、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された後、操舵された状態が検知される前に、エンジン回転数が所定値より小さくなった場合に、初期状態に戻るように構成されたため、操縦者が艇をより自然な感覚で操船することができる。
【0130】
請求項19に記載の発明によれば、移動平均によって求める演算は、エンジン回転数検出センサーによって検出されたエンジン回転数に基づく指数平滑移動平均によって求める演算であるため、単純移動平均よりも振幅が小さく反応が早いことから、転換を早く知ることができる上、小さな変化に影響を受け難くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る水ジェット推進艇の側面図である。
【図2】同実施の形態1に係る操舵ハンドル部分の斜視図である。
【図3】同実施の形態1に係るスロットバルブ配設部分を断面したエンジンの概略図である。
【図4】同実施の形態1に係るエンジン出力制御装置を示すブロック図である。
【図5】同実施の形態1に係るステッピングモータとスロットバルブとの作用を示す概略図で、(a)は押圧ピンが後退限位置にある状態、(b)は押圧ピンが突出した状態、(c)は突出した押圧ピンにスロットルバルブのレバー部が当接した状態、(d)は押圧ピンにレバー部が接触し、押圧ピンが後退した状態を示す。
【図6】同実施の形態1に係るフローチャートの前半部分を示す図である。
【図7】同実施の形態1に係るフローチャートの後半部分を示す図である。
【図8】同実施の形態1に係る時間とエンジン回転数の関係を示すグラフ図である。
【図9】同実施の形態1に係る時間とエンジン回転数の関係を示すグラフ図で、なまし処理していない特性曲線と、なまし処理した特性曲線とを示す図である。
【図10】同実施の形態1に係るグラフ図で、横軸に時間を、縦軸になましエンジン回転数等をとった図である。
【図11】同実施の形態1に係るグラフ図で、横軸に時間を、縦軸になましエンジン回転数等をとった図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係るエンジン出力制御装置を示すブロック図である。
【図13】同実施の形態2に係る吸気構造を示す概略断面図である。
【図14】同実施の形態2に係る補助空気通路の集合部分の概略断面図である。
【図15】同実施の形態2に係るフローチャートの前半部分を示す図である。
【図16】同実施の形態2に係るフローチャートの後半部分を示す図である。
【図17】同実施の形態2に係るグラフ図で、横軸に時間を、縦軸になましエンジン回転数等をとった図である。
【図18】同実施の形態2に係るグラフ図で、横軸に時間を、縦軸になましエンジン回転数等をとった図である。
【図19】この発明の実施の形態3に係るグラフ図で、横軸に時間を、縦軸にエンジン回転数及びなましエンジン回転数等をとった図である。
【符号の説明】
10 艇体
13 操舵ハンドル
16,40 エンジン
17 ジェット推進機
19 スロットルレバー
22 スロットルバルブ
23 スロットル開度検出センサー
24 ステアリングスイッチ(操舵状態検出センサー)
25 エンジン回転数検出センサー
26,41 吸気通路
27 スロットル軸
27a レバー部(被押圧部)
29 スロットルケーブル
33 ステッピングモータ
33a 押圧ピン
34,48 コントロールユニット
43 補助空気通路
45 開度調整部材
46 ステッピングモータ

Claims (19)

  1. エンジンが駆動されることによりジェット推進機で加圧・加速された水を後方の噴射ノズルから噴射し、その反動により推進する水ジェット推進艇において、
    前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出センサーと、
    前記エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサーと、
    操舵ハンドルが操舵されているか否かを検出する操舵状態検出センサーと、
    前記エンジン回転数検出センサー,スロットル開度検出センサー及び操舵状態検出センサーからの信号により、エンジン回転数制御を行うコントロールユニットとを有し、
    該コントロールユニットは、前記スロットル開度検出センサーからの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数の低下制御を開始し、
    該エンジン回転数制御時におけるなましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より小さくなった場合に、エンジン回転数の低下制御速度を変更するように構成し、前記なましエンジン回転数は、所定時間の間のエンジン回転数の変化に、船の抵抗係数を掛けて算出した値であることを特徴とする水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  2. 前記コントロールユニットは、前記エンジン回転数検出センサーと前記スロットル開度検出センサーからの信号により、なましエンジン回転数及びスロットル開度が所定値より大きい推進状態を検知した後、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数の低下制御を開始するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  3. 前記コントロールユニットは、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された場合に、エンジン回転数の低下制御を開始し、
    その後、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合には、エンジン回転数の低下速度を、前記低下速度と異なる低下制御速度とするようにエンジン回転数制御を行うように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  4. 前記低下制御速度は、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された時の直前の数秒間のエンジン回転数を数回検出し、該各エンジン回転数の平均回転数を算出し、該平均回転数に基づいて決定するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  5. 前記低下制御速度によるエンジン回転数制御は、スロットルバルブの閉じる速度を遅らせることにより行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  6. 前記スロットルバルブが閉じる際に、ステッピングモータの進退動する押圧ピンを前記スロットルバルブの被押圧部に当接させた状態で、前記押圧ピンの退避速度を制御することにより、該スロットルバルブの閉じる速度を遅らせるようにしたことを特徴とする請求項5に記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  7. 前記低下速度でエンジン回転数を低下させることにより、なましエンジン回転数をイニシャル回転数で割った値が、所定のキャンセル比より小さくなった場合に、エンジン回転数制御が解除されて初期状態に戻るようにしたことを特徴とする請求項3に記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  8. 前記なましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より大きく、この大きい状態が所定時間継続した場合に、前記押圧ピンを前記スロットルバルブの被押圧部近傍まで突出させるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  9. エンジンが駆動されることによりジェット推進機で加圧・加速された水を後方の噴射ノズルから噴射し、その反動により推進する水ジェット推進艇において、
    前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出センサーと、
    前記エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサーと、
    操舵ハンドルが操舵されているか否かを検出する操舵状態検出センサーと、
    前記エンジン回転数検出センサー,スロットル開度検出センサー及び操舵状態検出センサーからの信号により、エンジン回転数制御を行うコントロールユニットとを有し、
    該コントロールユニットは、前記スロットル開度検出センサーからの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数を一旦上昇させた後低下させるエンジン回転数制御を行い、
    該エンジン回転数制御時のエンジン回転数の低下時における、なましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より小さくなった場合に、エンジン回転数の低下制御速度を変更するように構成し、前記なましエンジン回転数は、所定時間の間のエンジン回転数の変化に、船の抵抗係数を掛けて算出した値であることを特徴とする水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  10. 前記コントロールユニットは、前記エンジン回転数検出センサーと前記スロットル開度検出センサーからの信号により、なましエンジン回転数及びスロットル開度が所定値より大きい推進状態を検知した後、前記スロットル開度検出センサーからの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数を一旦上昇させた後低下させるエンジン回転数制御を行うようにしたことを特徴とする請求項9に記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  11. 前記スロットルバルブの下流側の吸気通路に補助空気通路を接続して、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された後に該補助空気通路を介して前記スロットルバルブ下流側に空気を導入することにより、エンジン回転数を上昇させるようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  12. 前記吸気通路が複数の気筒毎に設けられると共に、該吸気通路毎に前記補助空気通路が接続され、該複数の補助空気通路を集合させて、該集合部に空気流量を調整する空気流量調整手段を設けたことを特徴とする請求項11に記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  13. 前記予め設定されたエンジン回転数は、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された後のなましエンジン回転数に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一つに記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  14. 前記エンジン回転数制御が行われている状態で、操舵ハンドルが中立状態に戻された場合に、前記エンジン回転数制御状態を解除するようにしたことを特徴とする請求項1乃至13の何れか一つに記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  15. 前記エンジン回転数制御が行われている状態で、操縦者によりスロットル開操作が行われた場合に、前記エンジン回転数制御状態を解除するようにしたことを特徴とする請求項1乃至14の何れか一つに記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  16. 前記スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知された後、操舵された状態が検知される前に、エンジン回転数が所定値より小さくなった場合に、初期状態に戻るように構成されたことを特徴とする請求項1乃至15の何れか一つに記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  17. エンジンが駆動されることによりジェット推進機で加圧・加速された水を後方の噴射ノズルから噴射し、その反動により推進する水ジェット推進艇において、
    前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出センサーと、
    前記エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサーと、
    操舵ハンドルが操舵されているか否かを検出する操舵状態検出センサーと、
    前記エンジン回転数検出センサー,スロットル開度検出センサー及び操舵状態検出センサーからの信号により、エンジン回転数制御を行うコントロールユニットとを有し、
    該コントロールユニットは、前記スロットル開度検出センサーからの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数の低下制御を開始し、
    該エンジン回転数制御時におけるなましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より小さくなった場合に、エンジン回転数の低下制御速度を変更するように構成し、前記なましエンジン回転数は、前記エンジン回転数検出センサーによって検出されたエンジン回転数に基づく移動平均によって演算により求めた値であることを特徴とする水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  18. エンジンが駆動されることによりジェット推進機で加圧・加速された水を後方の噴射ノズルから噴射し、その反動により推進する水ジェット推進艇において、
    前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出センサーと、
    前記エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出センサーと、
    操舵ハンドルが操舵されているか否かを検出する操舵状態検出センサーと、
    前記エンジン回転数検出センサー,スロットル開度検出センサー及び操舵状態検出センサーからの信号により、エンジン回転数制御を行うコントロールユニットとを有し、
    該コントロールユニットは、前記スロットル開度検出センサーからの信号により、スロットル開度が所定値よりも閉じられた状態が検知され、且つ、前記操舵状態検出センサーからの信号により、操舵された状態が検知された場合に、エンジン回転数を一旦上昇させた後低下させるエンジン回転数制御を行い、
    該エンジン回転数制御時のエンジン回転数の低下時における、なましエンジン回転数が、所定のエンジン回転数より小さくなった場合に、エンジン回転数の低下制御速度を変更するように構成し、前記なましエンジン回転数は、前記エンジン回転数検出センサーによって検出されたエンジン回転数に基づく移動平均によって演算により求めた値であることを特徴とする水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
  19. 前記移動平均によって求める演算は、前記エンジン回転数検出センサーによって検出されたエンジン回転数に基づく指数平滑移動平均によって求める演算であることを特徴とする請求項17又は18に記載の水ジェット推進艇のエンジン出力制御装置。
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