JP2004100679A - 複合プラントの運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電設備と、セメント焼成キルン等の燃焼設備とを備えた複合プラントの効率的で安定な運転を図る。
【解決手段】発電設備2と、燃焼設備9とを備えた複合プラント1を運転する際に、複合プラント1に、発電設備2で発生した電力により水を電気分解する電気分解装置4を設け、発電設備2によって、電気分解装置4を含む複数の供給先3に電力を供給し、燃焼設備9において、電気分解装置4において発生した酸素を利用して酸素富化燃焼を行う。発電設備2は、電気分解装置4以外の供給先3に優先して送電してもよく、燃焼設備9において、難燃性物質を燃料として活用することもできる。燃焼設備9をセメント焼成キルンまたは廃棄物焼却炉とし、低品位炭及び/または難燃性廃棄物を有効利用することができる。燃焼設備32の燃焼排ガスの一部を燃焼設備32に戻し、戻した燃焼排ガスを酸素富化し、燃料使用量、総排出CO2量を低減することもできる。
【選択図】 図1
【解決手段】発電設備2と、燃焼設備9とを備えた複合プラント1を運転する際に、複合プラント1に、発電設備2で発生した電力により水を電気分解する電気分解装置4を設け、発電設備2によって、電気分解装置4を含む複数の供給先3に電力を供給し、燃焼設備9において、電気分解装置4において発生した酸素を利用して酸素富化燃焼を行う。発電設備2は、電気分解装置4以外の供給先3に優先して送電してもよく、燃焼設備9において、難燃性物質を燃料として活用することもできる。燃焼設備9をセメント焼成キルンまたは廃棄物焼却炉とし、低品位炭及び/または難燃性廃棄物を有効利用することができる。燃焼設備32の燃焼排ガスの一部を燃焼設備32に戻し、戻した燃焼排ガスを酸素富化し、燃料使用量、総排出CO2量を低減することもできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合プラントの運転方法に関し、特に、発電設備と、燃焼設備とを備えた複合プラントの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、セメント工場においては、廃熱発電を含めた自家発電が行われ、発生した電力は、セメント工場内または工場に付設された設備の運転等に利用されていた。また、自家発電に伴う石炭の焼却灰をセメント工場で自家消費することができる等の利点もあり、1995年4月の電気事業法の改正に伴って電力会社への電力卸供給制度が新設されたことを受け、セメント製造各社は、積極的に電力卸供給事業を展開している。
【0003】
一方、セメント工場においては、従来、下水汚泥、廃プラスチック、石炭灰等様々な産業廃棄物をセメント原料あるいはセメント焼成の燃料として再資源化している。また、最近では、飼料としての使用が禁止された肉骨粉等についても、セメント焼成キルンにおいて高温焼成した後、セメント原料として利用している。さらに、これらの産業廃棄物に加え、燃焼性に劣る低品位炭等の資源についても、セメント工場において燃料等として用い、環境負荷の低減に努めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記自家発電によって発生した電力は、併設するセメント工場等で利用したり、売電を行っているが、需要電力量は一定ではなく、特に、昼間と夜間とで大きく変動する。昼間には、需要が発電能力を上回って買電をする場合もある一方、夜間においては、需要が不足し、発電設備の能力を落として運転せざるを得ず、効率的な運転を継続できないという問題があった。
【0005】
一方、セメント工場において再資源化している産業廃棄物等の中で、廃プラスチック、肉骨粉等は、燃焼性が悪いため、セメント焼成装置の安定運転を維持しながらこれらの廃棄物を円滑に処理するのが困難であった。また、低品位炭等についても、燃焼速度が遅いため、同様の問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、発電設備と、セメント焼成キルン等の燃焼設備とを備えた複合プラントにおいて、発電設備の効率的な運転を確保すると同時に、燃焼設備において、難燃性廃棄物、低品位炭等の難燃性物質を円滑に処理すること等が可能な運転方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、発電設備と、燃焼設備とを備えた複合プラントの運転方法であって、該複合プラントに、前記発電設備で発生した電力により水を電気分解する電気分解装置を設け、前記発電設備によって、該電気分解装置を含む複数の供給先に電力を供給し、前記燃焼設備において、前記電気分解装置において発生した酸素を利用して酸素富化燃焼を行うことを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、発電設備で発生した電力を利用して電気分解装置で酸素を発生させ、この酸素を燃焼設備の酸素富化燃焼に利用することにより、発電設備の効率的な運転を維持しながら、燃焼設備の燃焼性能を向上させることができる。
【0009】
前記発電設備は、前記電気分解装置以外の供給先に優先して送電するようにしてもよい。これによって、例えば、電気分解装置以外の供給先の需要電力量が夜間に低下するような場合には、夜間に電気分解装置へ送電することにより、昼夜を通じて発電設備の効率的な運転を維持することができる。
【0010】
また、酸素富化燃焼によって、前記燃焼設備において、難燃性物質を燃料として活用することができ、燃焼設備には、セメント焼成キルンまたは廃棄物焼却炉を用いることができる。
【0011】
上記難燃性物質には、低品位炭、難燃性廃棄物等があり、これらの物質をセメント焼成キルンのバーナで使用する場合には、セメント焼成キルンのキルン1次空気を酸素富化し、難燃性物質を窯前または仮焼炉に導入する場合には、クーラー冷却風車から酸素を導入し、セメント焼成キルンの窯前または窯尻から大径の難燃性廃棄物を使用する場合には、セメント焼成キルンの窯前または窯尻に酸素を導入することが好ましい。また、難燃性物質の投入位置に拘らず、セメント焼成キルンのバーナの火炎の適切な位置に酸素を吹き付ける酸素ランスに酸素を導入し、バーナの火炎の適切な位置に酸素を吹き付け、その部分の火炎温度を上昇させ、クリンカの熱伝達量を増大させることにより、セメント焼成キルンの安定運転を継続するようにしてもよい。
【0012】
また、前記燃焼設備の燃焼排ガスの少なくとも一部を該燃焼設備に戻し、該燃焼設備に戻した燃焼排ガスを酸素富化することもできる。酸素富化した燃焼排ガスをボイラ等に戻すことにより、外部排出CO2量、燃料使用量を減少させ、設備投資額の低減、ボイラの熱回収率の向上等を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかる運転方法を実施する複合プラントの一例を示し、この複合プラント1は、大別して、発電設備2と、燃焼設備としてのセメント焼成キルン(以下、「キルン」と略称する)9を備えたセメント焼成装置7と、電気分解装置4とで構成される。
【0014】
発電設備2は、石炭等を燃料とし、発生した電力は、供給先3に売電するとともに、電気分解装置4に供給することができる。
【0015】
電気分解装置4は、発電設備2からの電力を利用して水を水素と酸素に分解し、水素を水素タンク5に、酸素を酸素タンク6に貯蔵する。
【0016】
セメント焼成装置7は、予熱機8、仮焼炉14、キルン9、クリンカ冷却機10等からなる。
【0017】
予熱機8は、仮焼炉14からの高温ガスによって原料を予熱するため、複数のサイクロンを多段に備える。また、最上段サイクロンから排出された排ガスを系外に排出するための主排気風車11が配置される。
【0018】
仮焼炉14は、予熱機8によって予熱された原料を仮焼するため、微粉炭を吹き込むバーナ15を備え、仮焼炉14には、クーラー抽気ダクト18を介してクリンカ冷却機10からの抽気が導入される。
【0019】
キルン9は、仮焼炉14によって仮焼された原料を焼成してセメントクリンカを生成するため、微粉炭を吹き込むバーナ17を備える。クリンカ冷却機10は、上記のようにして焼成されたクリンカを冷却するため、キルン9の下流側に配置される。
【0020】
次に、上記構成を有する複合プラント1の運転方法について説明する。
発電設備2は、発電能力の範囲内で優先的に供給先3に売電するとともに、残りの電力を電気分解装置4に供給する。ここで、供給先3における需要電力量は、昼間と夜間とで大きく変動し、従来、夜間においては、発電設備の能力を落として運転せざるを得ず、効率が低下した状態で運転を行っていた。
【0021】
そこで、発電設備2を夜間においても昼間と同様に運転し、供給先3への供給分を差し引いた余剰の電力で電気分解装置4を稼働し、水の電気分解を行う。これによって、昼夜を問わず発電設備2の効率的な運転を継続することができる。
【0022】
電気分解装置4は、主に夜間の発電設備2からの電力を利用して水を水素と酸素に分解する。そして、発生した水素を水素タンク5に、酸素を酸素タンク6に貯蔵する。水素タンク5に貯蔵された水素は、クリーンなエネルギーとして販売する。一方、酸素タンク6内の酸素は、セメント焼成装置7において利用する。
【0023】
セメント焼成装置7では、従来、種々の廃棄物を処理しているが、特に、廃プラスチック、肉骨粉等は、燃焼性が悪く、これらを処理するためには、セメント焼成装置7の安定運転が阻害されることが多く、燃費の増加に繋がっていた。
【0024】
そこで、本発明では、上記電気分解装置4において発生した酸素を利用して酸素富化燃焼を行い、セメント焼成装置7の安定運転を確保しながら、上記難燃性廃棄物や低品位炭等の難燃性物質を燃料として利用する。
【0025】
ここで、セメント焼成装置7における酸素富化燃焼には以下の方法がある。
(1)難燃性物質M1をキルン9のバーナ17で使用し、酸素をキルン石炭吹込風車13を介して吹き込み、キルン9のキルン1次空気を酸素富化する。
(2)難燃性物質M2、M3を窯前20または仮焼炉14に導入し、クーラー冷却風車12から酸素を導入してキルン9または仮焼炉14の燃焼用2次空気を酸素富化する。
(3)キルン9の窯前20または窯尻21に大径の難燃性廃棄物M4、M5を投入し、窯前20または窯尻21から酸素を導入する。
(4)難燃性物質の投入位置に拘らず、酸素ランス16を用い、バーナ17の火炎の適切な位置に酸素を吹き付け、その部分の火炎温度を上昇させ、クリンカの熱伝達量を増大させる。
【0026】
上記いずれかの方法、または複数の方法を組み合わせることにより、難燃性物質を有効利用しながらセメント焼成装置7の安定運転を維持することができる。また、酸素富化燃焼により、通常時はもとより、燃焼開始時及び終了時の燃料量の変動にも高温燃焼が可能となり、ダイオキシン等の有害物質の排出も抑制することができる。さらに、酸素富化燃焼によって、燃焼排ガス量を増加させることなく難燃性物質を燃焼させることが可能となり、燃焼の効率化、燃費の低減により大気汚染の減少、CO2の排出量の削減に繋がる。
【0027】
次に、本発明にかかる複合プラントの運転方法の実施例について説明する。
表1は、発電設備2の運転時間の内訳を示し、1日を昼間(午前8時〜午後10時)と、夜間(午後10時〜午前8時)に分けて一年間で335日の運転を行う。尚、土曜日、日曜日、祝日は、一日中すべて夜間運転とみなしている。これによって、通年すると夜間の運転時間が昼間の運転時間の1.5倍となっている。
【0028】
【表1】
【0029】
表2は、発電設備2の平均負荷を示し、送電端における発電設備2の能力は44MWであるが、同表より明らかなように、売電については、夜間において平均負荷が小さく、その分セメント工場内への送電を多くして負荷を上げているが、全体的に見て、夜間の平均負荷は、昼間の2分の1に過ぎず、平均負荷が昼間と夜間とで大きく変動することが判る。そして、上述のような通年の運転形態を考慮すると、この平均負荷の影響は大きく、発電設備2の効率的な運転が阻害されていた。
【0030】
【表2】
【0031】
そこで、夜間において、発電設備2の送電端の能力44MWまで負荷を上げることによって、44−20.2=23.8MWの平均負荷分を電気分解装置4における水の電気分解に利用する。
【0032】
これによって、表3に示すように、水素が2,980Nm2/h、酸素が1,490Nm2/h発生し、通年における夜間の運転時間4,750時間を乗じると、年間で、14,154×1,000Nm3の水素、及び7,077×1,000Nm3の酸素が得られる。
【0033】
【表3】
【0034】
電気分解装置4で発生した酸素をセメント焼成装置7で酸素富化燃焼に用いる。酸素の利用方法は、上述のように種々存在するが、一例として、年産120万トン程度のセメント焼成装置7において、電気分解装置4で発生した酸素をクーラー冷却風車12に導入し、キルン2次空気の酸素富化に利用し、燃焼性の悪い低品位炭を燃料として使用可能とし、石炭の一部に代替させる場合について、表4を参照しながら説明する。同表において、酸素富化燃焼を行った場合を実施例、酸素富化燃焼を行わない従来の場合を比較例とする。
【0035】
【表4】
【0036】
同表に示すように、実施例では、酸素を80Nm3/minの割合でクーラー冷却風車12に導入すると、キルン2次空気の酸素濃度を24%に上昇させることができ、これによって、比較例で使用することができなかった低品位炭を、クリンカ1kg当たり402kJ使用することができるようになった。すなわち、熱量比で約20%の石炭を低品位炭に置き換えることが可能となり、低品位炭の価格が石炭の4分の1程度であるため、1トンのセメントを生産するにあたって、50円程度燃料費を低減することができる。尚、上述の規模の発電設備2を用いた場合には、7,077×1,000Nm3の酸素が得られるため、このようなセメント焼成装置7の運転は、年間約60日間行うことができる。尚、発電設備2の能力を大きくすることによって、セメント焼成装置7において酸素富化燃焼を実施することのできる期間を長くし、低品位炭の使用量を増加させることももちろん可能である。
【0037】
また、セメント焼成装置7において、低品位炭の代わりに、廃棄物を使用すると、上記燃料費の低減効果に加え、処理費を見込むことができるため、経済的な面でより効果が大きい。
【0038】
さらに、発電設備2も、夜間において最適運転をすることによって、従来と比較して運転効率が向上し、これによって、発電単価を低減することができる。もちろん、電気分解装置4で発生した水素を販売することによる利益もある。
【0039】
尚、上記実施の形態及び実施例においては、複合プラントの燃焼設備がセメント焼成装置7のキルン9である場合について説明したが、発電設備2と廃棄物焼却炉等からなる複合プラントについても同様に本発明を適用することができる。
【0040】
また、発電設備2において、廃木材等を燃焼させてバイオマス発電を行うことにより、CO2の増加の抑制に寄与することもできる。
【0041】
次に、本発明にかかる運転方法を実施する複合プラントのもう一つの例について、図2を参照しながら説明する。
【0042】
この複合プラント31は、大別して、発電設備2と、燃焼設備としてのボイラ32と、電気分解装置4とで構成され、発電設備2乃至酸素タンク6の構成は、図1に示した複合プラント1の場合と同様である。
【0043】
本実施例では、図1のセメント焼成装置7の代わりに、石炭焚き発電設備の循環流動層ボイラ等のボイラ32及び熱交換器33を設置し、ボイラ32の燃焼排ガスの一部W’をボイラ32に戻し、戻した燃焼排ガスW’を酸素富化することを特徴とする。すなわち、ボイラ32に燃焼排ガスの循環ルート34を設け、この循環ルート34に酸素タンク6から酸素を導入することを特徴としている。
【0044】
次に、上記構成を有する複合プラント31の運転方法について詳細に説明する。
【0045】
発電設備2は、図1の実施例の場合と同様に、発電能力の範囲内で優先的に供給先3に売電し、残りの電力を電気分解装置4に供給する。供給先3における需要電力量は、夜間に大幅に低下するため、夜間に電気分解装置4を稼働し、水の電気分解を行う。これによって、昼夜を問わず発電設備2の効率的な運転を継続することができる。電気分解装置4で発生した水素を水素タンク5に、酸素を酸素タンク6に貯蔵し、水素タンク5に貯蔵された水素は、クリーンなエネルギーとして販売し、酸素タンク6内の酸素をボイラ32で利用する。
【0046】
従来、ボイラ等の燃焼設備において燃焼排ガスの再循環が実施されているが、燃焼設備に戻された燃焼排ガスの酸素濃度が低いため、循環量には限度があった。そこで、燃焼排ガスの酸素富化を行うことで、循環率を上昇させ、後述するような種々の効果を得ることができる。
【0047】
ボイラ32に付設された熱交換器33には、フレッシュエアFが導入される一方、熱交換器33には、ボイラ32の燃焼排ガスWが導入され、フレッシュエアFと燃焼排ガスWの熱交換により、フレッシュエアFの温度が190℃程度に上昇した後、ボイラ32に導入される。
【0048】
ボイラ32には、燃料として石炭Cが供給され、この石炭Cがボイラ32内で燃焼し、これによって、図示しない給水設備より供給された水が蒸発して蒸気が発生する。この蒸気は、自家発電設備等に利用される。
【0049】
ボイラ32の燃焼排ガスWは、熱交換器33を経て大気に放出されるとともに、その一部W’は、循環ルート34を介してボイラ32に戻される。ここで、循環ルート34に酸素タンク6からの酸素が導入され、燃焼排ガスW’が酸素富化される。表5は、排ガスを循環しない場合(比較例)と、排ガスを30%及び50%循環させた場合(実施例1、2)とでボイラ32の運転を比較した結果を示す。
【0050】
【表5】
【0051】
同表より、例えば、排ガス循環率を50%とした場合(実施例2)には、排ガスを循環しない場合(比較例)に比べて外部排出CO2量が約40%減少し、使用石炭量も約2%減少したことが判る。これによって、排ガス設備をその分だけコンパクトにすることができて設備投資額を低減することができるとともに、ボイラ32の熱回収率が上昇し、CO等の未燃分も減少する。
【0052】
尚、上記実施例においては、燃焼設備がボイラの場合について説明したが、上述のセメント焼成キルン、廃棄物焼却炉等のその他の燃焼設備についても、燃焼排ガスの一部を同燃焼設備に戻し、戻した燃焼排ガスを酸素富化することによって、同様の効果を奏することはもちろんである。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる運転方法によれば、発電設備と、セメント焼成キルン等の燃焼設備とを備えた複合プラントの効率的で安定な運転を継続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる複合プラントの運転方法を実施するプラントの一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明にかかる複合プラントの運転方法を実施するプラントのもう一つの例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 複合プラント
2 発電設備
3 供給先
4 電気分解装置
5 水素タンク
6 酸素タンク
7 セメント焼成装置
8 予熱機
9 キルン
10 クリンカ冷却機
11 主排気風車
12 クーラー冷却風車
13 キルン石炭吹込風車
14 仮焼炉
15 バーナ
16 酸素ランス
17 バーナ
18 クーラー抽気ダクト
20 窯前
21 窯尻
31 複合プラント
32 ボイラ
33 熱交換器
34 循環ルート
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合プラントの運転方法に関し、特に、発電設備と、燃焼設備とを備えた複合プラントの運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、セメント工場においては、廃熱発電を含めた自家発電が行われ、発生した電力は、セメント工場内または工場に付設された設備の運転等に利用されていた。また、自家発電に伴う石炭の焼却灰をセメント工場で自家消費することができる等の利点もあり、1995年4月の電気事業法の改正に伴って電力会社への電力卸供給制度が新設されたことを受け、セメント製造各社は、積極的に電力卸供給事業を展開している。
【0003】
一方、セメント工場においては、従来、下水汚泥、廃プラスチック、石炭灰等様々な産業廃棄物をセメント原料あるいはセメント焼成の燃料として再資源化している。また、最近では、飼料としての使用が禁止された肉骨粉等についても、セメント焼成キルンにおいて高温焼成した後、セメント原料として利用している。さらに、これらの産業廃棄物に加え、燃焼性に劣る低品位炭等の資源についても、セメント工場において燃料等として用い、環境負荷の低減に努めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記自家発電によって発生した電力は、併設するセメント工場等で利用したり、売電を行っているが、需要電力量は一定ではなく、特に、昼間と夜間とで大きく変動する。昼間には、需要が発電能力を上回って買電をする場合もある一方、夜間においては、需要が不足し、発電設備の能力を落として運転せざるを得ず、効率的な運転を継続できないという問題があった。
【0005】
一方、セメント工場において再資源化している産業廃棄物等の中で、廃プラスチック、肉骨粉等は、燃焼性が悪いため、セメント焼成装置の安定運転を維持しながらこれらの廃棄物を円滑に処理するのが困難であった。また、低品位炭等についても、燃焼速度が遅いため、同様の問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、発電設備と、セメント焼成キルン等の燃焼設備とを備えた複合プラントにおいて、発電設備の効率的な運転を確保すると同時に、燃焼設備において、難燃性廃棄物、低品位炭等の難燃性物質を円滑に処理すること等が可能な運転方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、発電設備と、燃焼設備とを備えた複合プラントの運転方法であって、該複合プラントに、前記発電設備で発生した電力により水を電気分解する電気分解装置を設け、前記発電設備によって、該電気分解装置を含む複数の供給先に電力を供給し、前記燃焼設備において、前記電気分解装置において発生した酸素を利用して酸素富化燃焼を行うことを特徴とする。
【0008】
そして、本発明によれば、発電設備で発生した電力を利用して電気分解装置で酸素を発生させ、この酸素を燃焼設備の酸素富化燃焼に利用することにより、発電設備の効率的な運転を維持しながら、燃焼設備の燃焼性能を向上させることができる。
【0009】
前記発電設備は、前記電気分解装置以外の供給先に優先して送電するようにしてもよい。これによって、例えば、電気分解装置以外の供給先の需要電力量が夜間に低下するような場合には、夜間に電気分解装置へ送電することにより、昼夜を通じて発電設備の効率的な運転を維持することができる。
【0010】
また、酸素富化燃焼によって、前記燃焼設備において、難燃性物質を燃料として活用することができ、燃焼設備には、セメント焼成キルンまたは廃棄物焼却炉を用いることができる。
【0011】
上記難燃性物質には、低品位炭、難燃性廃棄物等があり、これらの物質をセメント焼成キルンのバーナで使用する場合には、セメント焼成キルンのキルン1次空気を酸素富化し、難燃性物質を窯前または仮焼炉に導入する場合には、クーラー冷却風車から酸素を導入し、セメント焼成キルンの窯前または窯尻から大径の難燃性廃棄物を使用する場合には、セメント焼成キルンの窯前または窯尻に酸素を導入することが好ましい。また、難燃性物質の投入位置に拘らず、セメント焼成キルンのバーナの火炎の適切な位置に酸素を吹き付ける酸素ランスに酸素を導入し、バーナの火炎の適切な位置に酸素を吹き付け、その部分の火炎温度を上昇させ、クリンカの熱伝達量を増大させることにより、セメント焼成キルンの安定運転を継続するようにしてもよい。
【0012】
また、前記燃焼設備の燃焼排ガスの少なくとも一部を該燃焼設備に戻し、該燃焼設備に戻した燃焼排ガスを酸素富化することもできる。酸素富化した燃焼排ガスをボイラ等に戻すことにより、外部排出CO2量、燃料使用量を減少させ、設備投資額の低減、ボイラの熱回収率の向上等を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかる運転方法を実施する複合プラントの一例を示し、この複合プラント1は、大別して、発電設備2と、燃焼設備としてのセメント焼成キルン(以下、「キルン」と略称する)9を備えたセメント焼成装置7と、電気分解装置4とで構成される。
【0014】
発電設備2は、石炭等を燃料とし、発生した電力は、供給先3に売電するとともに、電気分解装置4に供給することができる。
【0015】
電気分解装置4は、発電設備2からの電力を利用して水を水素と酸素に分解し、水素を水素タンク5に、酸素を酸素タンク6に貯蔵する。
【0016】
セメント焼成装置7は、予熱機8、仮焼炉14、キルン9、クリンカ冷却機10等からなる。
【0017】
予熱機8は、仮焼炉14からの高温ガスによって原料を予熱するため、複数のサイクロンを多段に備える。また、最上段サイクロンから排出された排ガスを系外に排出するための主排気風車11が配置される。
【0018】
仮焼炉14は、予熱機8によって予熱された原料を仮焼するため、微粉炭を吹き込むバーナ15を備え、仮焼炉14には、クーラー抽気ダクト18を介してクリンカ冷却機10からの抽気が導入される。
【0019】
キルン9は、仮焼炉14によって仮焼された原料を焼成してセメントクリンカを生成するため、微粉炭を吹き込むバーナ17を備える。クリンカ冷却機10は、上記のようにして焼成されたクリンカを冷却するため、キルン9の下流側に配置される。
【0020】
次に、上記構成を有する複合プラント1の運転方法について説明する。
発電設備2は、発電能力の範囲内で優先的に供給先3に売電するとともに、残りの電力を電気分解装置4に供給する。ここで、供給先3における需要電力量は、昼間と夜間とで大きく変動し、従来、夜間においては、発電設備の能力を落として運転せざるを得ず、効率が低下した状態で運転を行っていた。
【0021】
そこで、発電設備2を夜間においても昼間と同様に運転し、供給先3への供給分を差し引いた余剰の電力で電気分解装置4を稼働し、水の電気分解を行う。これによって、昼夜を問わず発電設備2の効率的な運転を継続することができる。
【0022】
電気分解装置4は、主に夜間の発電設備2からの電力を利用して水を水素と酸素に分解する。そして、発生した水素を水素タンク5に、酸素を酸素タンク6に貯蔵する。水素タンク5に貯蔵された水素は、クリーンなエネルギーとして販売する。一方、酸素タンク6内の酸素は、セメント焼成装置7において利用する。
【0023】
セメント焼成装置7では、従来、種々の廃棄物を処理しているが、特に、廃プラスチック、肉骨粉等は、燃焼性が悪く、これらを処理するためには、セメント焼成装置7の安定運転が阻害されることが多く、燃費の増加に繋がっていた。
【0024】
そこで、本発明では、上記電気分解装置4において発生した酸素を利用して酸素富化燃焼を行い、セメント焼成装置7の安定運転を確保しながら、上記難燃性廃棄物や低品位炭等の難燃性物質を燃料として利用する。
【0025】
ここで、セメント焼成装置7における酸素富化燃焼には以下の方法がある。
(1)難燃性物質M1をキルン9のバーナ17で使用し、酸素をキルン石炭吹込風車13を介して吹き込み、キルン9のキルン1次空気を酸素富化する。
(2)難燃性物質M2、M3を窯前20または仮焼炉14に導入し、クーラー冷却風車12から酸素を導入してキルン9または仮焼炉14の燃焼用2次空気を酸素富化する。
(3)キルン9の窯前20または窯尻21に大径の難燃性廃棄物M4、M5を投入し、窯前20または窯尻21から酸素を導入する。
(4)難燃性物質の投入位置に拘らず、酸素ランス16を用い、バーナ17の火炎の適切な位置に酸素を吹き付け、その部分の火炎温度を上昇させ、クリンカの熱伝達量を増大させる。
【0026】
上記いずれかの方法、または複数の方法を組み合わせることにより、難燃性物質を有効利用しながらセメント焼成装置7の安定運転を維持することができる。また、酸素富化燃焼により、通常時はもとより、燃焼開始時及び終了時の燃料量の変動にも高温燃焼が可能となり、ダイオキシン等の有害物質の排出も抑制することができる。さらに、酸素富化燃焼によって、燃焼排ガス量を増加させることなく難燃性物質を燃焼させることが可能となり、燃焼の効率化、燃費の低減により大気汚染の減少、CO2の排出量の削減に繋がる。
【0027】
次に、本発明にかかる複合プラントの運転方法の実施例について説明する。
表1は、発電設備2の運転時間の内訳を示し、1日を昼間(午前8時〜午後10時)と、夜間(午後10時〜午前8時)に分けて一年間で335日の運転を行う。尚、土曜日、日曜日、祝日は、一日中すべて夜間運転とみなしている。これによって、通年すると夜間の運転時間が昼間の運転時間の1.5倍となっている。
【0028】
【表1】
【0029】
表2は、発電設備2の平均負荷を示し、送電端における発電設備2の能力は44MWであるが、同表より明らかなように、売電については、夜間において平均負荷が小さく、その分セメント工場内への送電を多くして負荷を上げているが、全体的に見て、夜間の平均負荷は、昼間の2分の1に過ぎず、平均負荷が昼間と夜間とで大きく変動することが判る。そして、上述のような通年の運転形態を考慮すると、この平均負荷の影響は大きく、発電設備2の効率的な運転が阻害されていた。
【0030】
【表2】
【0031】
そこで、夜間において、発電設備2の送電端の能力44MWまで負荷を上げることによって、44−20.2=23.8MWの平均負荷分を電気分解装置4における水の電気分解に利用する。
【0032】
これによって、表3に示すように、水素が2,980Nm2/h、酸素が1,490Nm2/h発生し、通年における夜間の運転時間4,750時間を乗じると、年間で、14,154×1,000Nm3の水素、及び7,077×1,000Nm3の酸素が得られる。
【0033】
【表3】
【0034】
電気分解装置4で発生した酸素をセメント焼成装置7で酸素富化燃焼に用いる。酸素の利用方法は、上述のように種々存在するが、一例として、年産120万トン程度のセメント焼成装置7において、電気分解装置4で発生した酸素をクーラー冷却風車12に導入し、キルン2次空気の酸素富化に利用し、燃焼性の悪い低品位炭を燃料として使用可能とし、石炭の一部に代替させる場合について、表4を参照しながら説明する。同表において、酸素富化燃焼を行った場合を実施例、酸素富化燃焼を行わない従来の場合を比較例とする。
【0035】
【表4】
【0036】
同表に示すように、実施例では、酸素を80Nm3/minの割合でクーラー冷却風車12に導入すると、キルン2次空気の酸素濃度を24%に上昇させることができ、これによって、比較例で使用することができなかった低品位炭を、クリンカ1kg当たり402kJ使用することができるようになった。すなわち、熱量比で約20%の石炭を低品位炭に置き換えることが可能となり、低品位炭の価格が石炭の4分の1程度であるため、1トンのセメントを生産するにあたって、50円程度燃料費を低減することができる。尚、上述の規模の発電設備2を用いた場合には、7,077×1,000Nm3の酸素が得られるため、このようなセメント焼成装置7の運転は、年間約60日間行うことができる。尚、発電設備2の能力を大きくすることによって、セメント焼成装置7において酸素富化燃焼を実施することのできる期間を長くし、低品位炭の使用量を増加させることももちろん可能である。
【0037】
また、セメント焼成装置7において、低品位炭の代わりに、廃棄物を使用すると、上記燃料費の低減効果に加え、処理費を見込むことができるため、経済的な面でより効果が大きい。
【0038】
さらに、発電設備2も、夜間において最適運転をすることによって、従来と比較して運転効率が向上し、これによって、発電単価を低減することができる。もちろん、電気分解装置4で発生した水素を販売することによる利益もある。
【0039】
尚、上記実施の形態及び実施例においては、複合プラントの燃焼設備がセメント焼成装置7のキルン9である場合について説明したが、発電設備2と廃棄物焼却炉等からなる複合プラントについても同様に本発明を適用することができる。
【0040】
また、発電設備2において、廃木材等を燃焼させてバイオマス発電を行うことにより、CO2の増加の抑制に寄与することもできる。
【0041】
次に、本発明にかかる運転方法を実施する複合プラントのもう一つの例について、図2を参照しながら説明する。
【0042】
この複合プラント31は、大別して、発電設備2と、燃焼設備としてのボイラ32と、電気分解装置4とで構成され、発電設備2乃至酸素タンク6の構成は、図1に示した複合プラント1の場合と同様である。
【0043】
本実施例では、図1のセメント焼成装置7の代わりに、石炭焚き発電設備の循環流動層ボイラ等のボイラ32及び熱交換器33を設置し、ボイラ32の燃焼排ガスの一部W’をボイラ32に戻し、戻した燃焼排ガスW’を酸素富化することを特徴とする。すなわち、ボイラ32に燃焼排ガスの循環ルート34を設け、この循環ルート34に酸素タンク6から酸素を導入することを特徴としている。
【0044】
次に、上記構成を有する複合プラント31の運転方法について詳細に説明する。
【0045】
発電設備2は、図1の実施例の場合と同様に、発電能力の範囲内で優先的に供給先3に売電し、残りの電力を電気分解装置4に供給する。供給先3における需要電力量は、夜間に大幅に低下するため、夜間に電気分解装置4を稼働し、水の電気分解を行う。これによって、昼夜を問わず発電設備2の効率的な運転を継続することができる。電気分解装置4で発生した水素を水素タンク5に、酸素を酸素タンク6に貯蔵し、水素タンク5に貯蔵された水素は、クリーンなエネルギーとして販売し、酸素タンク6内の酸素をボイラ32で利用する。
【0046】
従来、ボイラ等の燃焼設備において燃焼排ガスの再循環が実施されているが、燃焼設備に戻された燃焼排ガスの酸素濃度が低いため、循環量には限度があった。そこで、燃焼排ガスの酸素富化を行うことで、循環率を上昇させ、後述するような種々の効果を得ることができる。
【0047】
ボイラ32に付設された熱交換器33には、フレッシュエアFが導入される一方、熱交換器33には、ボイラ32の燃焼排ガスWが導入され、フレッシュエアFと燃焼排ガスWの熱交換により、フレッシュエアFの温度が190℃程度に上昇した後、ボイラ32に導入される。
【0048】
ボイラ32には、燃料として石炭Cが供給され、この石炭Cがボイラ32内で燃焼し、これによって、図示しない給水設備より供給された水が蒸発して蒸気が発生する。この蒸気は、自家発電設備等に利用される。
【0049】
ボイラ32の燃焼排ガスWは、熱交換器33を経て大気に放出されるとともに、その一部W’は、循環ルート34を介してボイラ32に戻される。ここで、循環ルート34に酸素タンク6からの酸素が導入され、燃焼排ガスW’が酸素富化される。表5は、排ガスを循環しない場合(比較例)と、排ガスを30%及び50%循環させた場合(実施例1、2)とでボイラ32の運転を比較した結果を示す。
【0050】
【表5】
【0051】
同表より、例えば、排ガス循環率を50%とした場合(実施例2)には、排ガスを循環しない場合(比較例)に比べて外部排出CO2量が約40%減少し、使用石炭量も約2%減少したことが判る。これによって、排ガス設備をその分だけコンパクトにすることができて設備投資額を低減することができるとともに、ボイラ32の熱回収率が上昇し、CO等の未燃分も減少する。
【0052】
尚、上記実施例においては、燃焼設備がボイラの場合について説明したが、上述のセメント焼成キルン、廃棄物焼却炉等のその他の燃焼設備についても、燃焼排ガスの一部を同燃焼設備に戻し、戻した燃焼排ガスを酸素富化することによって、同様の効果を奏することはもちろんである。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる運転方法によれば、発電設備と、セメント焼成キルン等の燃焼設備とを備えた複合プラントの効率的で安定な運転を継続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる複合プラントの運転方法を実施するプラントの一例を示すフローチャートである。
【図2】本発明にかかる複合プラントの運転方法を実施するプラントのもう一つの例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 複合プラント
2 発電設備
3 供給先
4 電気分解装置
5 水素タンク
6 酸素タンク
7 セメント焼成装置
8 予熱機
9 キルン
10 クリンカ冷却機
11 主排気風車
12 クーラー冷却風車
13 キルン石炭吹込風車
14 仮焼炉
15 バーナ
16 酸素ランス
17 バーナ
18 クーラー抽気ダクト
20 窯前
21 窯尻
31 複合プラント
32 ボイラ
33 熱交換器
34 循環ルート
Claims (12)
- 発電設備と、燃焼設備とを備えた複合プラントの運転方法であって、
該複合プラントに、前記発電設備で発生した電力により水を電気分解する電気分解装置を設け、
前記発電設備によって、該電気分解装置を含む複数の供給先に電力を供給し、
前記燃焼設備において、前記電気分解装置において発生した酸素を利用して酸素富化燃焼を行うことを特徴とする複合プラントの運転方法。 - 前記発電設備は、前記電気分解装置以外の供給先に優先して送電することを特徴とする請求項1に記載の複合プラントの運転方法。
- 前記燃焼設備において、難燃性物質を燃料として活用することを特徴とする請求項1に記載の複合プラントの運転方法。
- 前記燃焼設備が、セメント焼成キルンまたは廃棄物焼却炉であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の複合プラントの運転方法。
- 前記難燃性物質が、低品位炭及び/または難燃性廃棄物であることを特徴とする請求項3または4に記載の複合プラントの運転方法。
- 前記セメント焼成キルンのキルン1次空気を酸素富化することを特徴とする請求項4または5に記載の複合プラントの運転方法。
- 前記セメント焼成キルンのクーラー冷却風車から酸素を導入することを特徴とする請求項4、5または6に記載の複合プラントの運転方法。
- 前記セメント焼成キルンの窯前から酸素を導入することを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の複合プラントの運転方法。
- 前記セメント焼成キルンの窯尻に酸素を導入することを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載の複合プラントの運転方法。
- 前記セメント焼成キルンのバーナの火炎の適切な位置に酸素を吹き付ける酸素ランスに酸素を導入することを特徴とする請求項4乃至9のいずれかに記載の複合プラントの運転方法。
- 前記燃焼設備の燃焼排ガスの少なくとも一部を該燃焼設備に戻し、該燃焼設備に戻した燃焼排ガスを酸素富化することを特徴とする請求項1または2に記載の複合プラントの運転方法。
- 前記燃焼設備は、ボイラであることを特徴とする請求項11に記載の複合プラントの運転方法。
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Cited By (2)
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EP3196177A1 (de) | 2016-01-21 | 2017-07-26 | HeidelbergCement AG | Wasserstoff als brennstoff in der zementherstellung |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002364807A patent/JP2004100679A/ja active Pending
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