JP2004100530A - 内燃機関のアイドル回転数制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アイドル状態にあるとき、機関回転数と目標回転数の偏差を算出して上限値以下となるように最終点火時期を算出し、機関回転数を目標回転数に制御するアイドル回転数制御装置において、電気負荷によって負荷が増加したときに上限値を増加させて回転数の低下を防止する。
【解決手段】内燃機関の電気負荷による負荷変動DELN(DACGFN)を検出し、検出した負荷変動DELNが所定の負荷変動DELIGACGを増加方向に超えるか否か検知し(S36からS48)、増加方向に超えることが検知されたとき、上限値を増加方向に補正し(S62,S64)、よって点火時期を上限値まで進角させて回転数の低下を防止することを可能とする。
【選択図】 図4
【解決手段】内燃機関の電気負荷による負荷変動DELN(DACGFN)を検出し、検出した負荷変動DELNが所定の負荷変動DELIGACGを増加方向に超えるか否か検知し(S36からS48)、増加方向に超えることが検知されたとき、上限値を増加方向に補正し(S62,S64)、よって点火時期を上限値まで進角させて回転数の低下を防止することを可能とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は内燃機関のアイドル回転数制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関のアイドル時に機関回転数と目標アイドル回転数との偏差が減少するようにアクチュエータを操作して吸入空気量の調整あるいは点火時期を介して機関回転数を制御することは良く行われている。この中、後者の例としては、特許文献1を挙げることができる。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第2506863号公報(第5欄50行から第6欄15行までの記載および第5図)
【0004】
特許文献1においては、点火時期を介して機関回転数を目標アイドル回転数にフィードバック制御すると共に、パワーステアリングなどの外部負荷が作動して負荷の増加方向に変化したことが検出された時点から所定期間内、点火時期の上限値を減少補正する技術を開示する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、アイドル回転数制御においては吸入空気量の調整と点火時期の補正が併用されているが、点火時期の補正は吸入空気量の調整に比して応答性が良いため、負荷の変動による回転数の変化に対しては点火時期を補正する方が効果的である。
【0006】
その点火時期の補正においては、通例、上下限値を設定してその範囲内で点火時期を補正することになるが、外部負荷が増加方向に変化したときは、上限値を増大させて点火時期を十分に進角させて機関回転数の低下を抑止する必要がある。
【0007】
しかしながら、上記した従来技術においては、パワーステアリングなどが作動して外部負荷が増加方向に変化したことが検出されたとき、その時点から所定期間、上限値を小さくなるように補正し、よって点火時期が過度に進角されてノックが発生するのを回避している。従って、従来技術はノックの発生を防止できる利点はあるものの、負荷の増加による機関回転数の低下を防止できるものではなかった。
【0008】
従って、この発明は上記した不都合を解消し、内燃機関がアイドル状態にあるとき、検出された機関回転数と目標回転数との偏差を算出して基本点火時期を補正し、上限値以下となるように最終点火時期を算出して機関回転数を目標回転数に制御するアイドル回転数制御装置において、電気負荷によって負荷が増加したときに上限値を増加させ、よって回転数の低下を防止するようにした内燃機関のアイドル回転数制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1項においては、内燃機関の回転数を含む運転状態を検出する運転状態検出手段、前記検出された運転状態から前記内燃機関がアイドル状態にあるか否か判定するアイドル状態判定手段、前記検出された運転状態に基づいて前記内燃機関に供給すべき基本点火時期を算出する基本点火時期算出手段、前記内燃機関がアイドル状態にあると判定されるとき、前記検出された機関回転数と目標回転数との偏差を算出する偏差算出手段、前記算出された偏差に基づいて前記基本点火時期の補正量を算出する点火時期補正量算出手段、前記算出された補正量に基づいて前記基本点火時期を補正し、所定の上限値以下となるように最終点火時期を算出する最終点火時期算出手段、および前記最終点火時期を出力して前記機関回転数を前記目標回転数に制御するアイドル回転数制御手段を備えた内燃機関のアイドル回転数制御装置において、前記内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出する負荷変動検出手段、および前記検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えるか否か検知し、増加方向に超えることが検知されたとき、前記上限値を増加方向に補正する上限値補正手段を備える如く構成した。
【0010】
内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出し、検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えることが検知されたとき、点火時期の補正量の上限値を増加方向に補正する如く構成したので、点火時期を増加された上限値まで、例えば進角方向に補正することができ、よって機関回転数の低下を防止することができる。
【0011】
請求項2項にあっては、前記上限値補正手段は、前記検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えることが検知されたとき、前記検知された時点から所定期間、前記上限値を増加方向に補正する如く構成した。
【0012】
検知された時点から所定期間だけ上限値を増加方向に補正する如く構成したので、不要な場合に点火時期を過度に補正してアイドル回転数の制御性を低下させることがない。
【0013】
請求項3項にあっては、前記負荷変動検出手段は、前記内燃機関に接続されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかを検出する検出手段を備え、前記検出されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかに基づいて前記内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出する如く構成した。
【0014】
内燃機関に接続されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかを検出し、少なくともいずれかに基づいて内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出する如く構成したので、負荷変動を精度良く検出することができて、機関回転数の低下を確実に防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の一つの実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置を説明する。
【0016】
図1は、この実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置の全体構成を示す概略図である。
【0017】
同図において符合10は内燃機関(以下「エンジン」という)を示す。エンジン10は、例えば直列4気筒のDOHCエンジンからなる。
【0018】
エンジン10の吸気管12の上流側にはスロットルバルブ14が配置される。スロットルバルブ14は、スロットルワイヤ16を介して車両(エンジン10が搭載される車両。図示せず)の運転席フロアに設けられたアクセルペダル20に機械的に接続され、アクセルペダル20の踏み量に応じて開閉してエンジン10の吸入空気量を調量する。スロットルバルブ14の付近にはスロットルバルブ開度センサ22が設けられ、スロットルバルブ14の開度(以下「スロットル開度」という)θTHに応じた信号を出力する。
【0019】
スロットルバルブ14の下流のインテークマニホルド(図示せず)の直後の吸気ポート付近には、気筒(図示せず)ごとにインジェクタ(燃料噴射弁)24が設けられる。インジェクタ24は燃料タンクに燃料供給管および燃料ポンプ(全て図示せず)を介して接続され、ガソリン燃料の圧送を受けて吸気ポート付近に噴射する。
【0020】
噴射された燃料は吸気管12を通って吸入される空気と混合して混合気を形成し、気筒燃焼室に流入する。流入した混合気は、イグナイタおよび点火プラグからなる点火装置26によって着火されて燃焼する。
【0021】
エンジン10はエキゾーストマニホルド(図示せず)を介して排気管30に接続され、燃焼によって生じた排出ガスは、排気管30の途中に設けられた触媒装置(三元触媒装置)32で浄化されて外部に排出される。排気管30の触媒装置32の上流位置には広域空燃比(LAF)センサ34が設けられ、リーンからリッチにわたる範囲において排出ガス中の酸素濃度に比例する出力を生じる。
【0022】
吸気管12には、スロットルバルブ14の上流側と下流側とを連通してスロットルバルブ14をバイパスするバイパス通路(2次空気通路)36が接続される。バイパス通路36の途中には2次空気量(バイパス空気量)を調整する制御バルブ(EACV)40が設けられる。
【0023】
制御バルブ40は常閉型であり、バイパス通路36の開度(開口面積)を連続的に変化させるバルブ40aと、バルブ40aを閉塞方向に付勢するスプリング40bと、通電時にバルブ40aをスプリング40bの付勢力に抗して開放方向に移動させる電磁ソレノイド(リニアソレノイド(アクチュエータ))40cを備える。
【0024】
吸気管12のスロットルバルブ14の下流側には絶対圧センサ42および吸気温センサ44が装着され、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAおよび吸気温TAを示す電気信号を出力する。また、エシジン10のシリンダブロックの冷却水通路には水温センサ46が取り付けられ、エンジン冷却水温TWに応じた信号を出力する。
【0025】
エンジン10のカム軸またはクランク軸(共に図示せず)の付近には気筒判別センサ50が取り付けられて特定気筒(例えば第1気筒)の所定クランク角度位置で気筒判別信号CYLを出力すると共に、TDCセンサ52およびクランク角センサ54が取り付けられ、各気筒のピストンのTDC位置に関連した所定のクランク角度位置でTDC信号を、TDC信号よりも周期の短いクランク角度(例えば30度)でCRK信号を出力する。
【0026】
車両のドライブシャフト(図示せず)の付近には車速センサ60が配置され、ドライブシャフトの所定回転ごとに信号を出力を生じる。また、車両の適宜位置には大気圧センサ62が設けられ、車両が位置する場所の大気圧PAに応じた信号を出力する。
【0027】
上記した各種センサの出力は、ECU(電子制御ユニット)64に送られる。
【0028】
さらに、エンジン10に接続されるバッテリ電源には電流センサ68が配置されてバッテリ電源の消費電流(「EL」と示す)に応じた出力を生じると共に、エンジン10に接続される発電機(ACG)には電圧センサ70が配置されて発電機の発電電圧に応じた出力を生じる。
【0029】
図2は、図1に示すエンジン10が搭載される車両の充電装置の構成を示す説明ブロック図である。
【0030】
図示の如く、バッテリ電源72に接続されてイグニション・スイッチ74で開閉される電源回路にはリレーボックス76に収容されたヒューズ76aと、ドライバヒューズボックス80に収容されたヒューズ80aが介挿されると共に、リレーボックス76にはセンサ(ELDユニット(電流センサ))68が設けられ、バッテリ電源の消費電流ELに応じた出力を生じる。電源回路には、図示の如く、スイッチ82を介してランプ、エアコンディショナ、パワーステアリング用電動モータなどの電気負荷84が接続される。
【0031】
また、発電機(ACG)86には、フィールドコイル86aによって発生される交流を直流に整流する整流器90と、フィールドコイル86aに流れる電流を制御して発電電圧を制御するレギュレータ92を備えると共に、レギュレータ92にはセンサ(電圧センサ)70が接続され、発電機86によって出力される電圧に応じた出力を生じる。
【0032】
上記したセンサ68,70の出力もECU64に送出される。
【0033】
ECU64はマイクロコンピュータからなり、制御演算を行なうCPU64aと、制御演算プログラムと各種のデータ(テーブルなど)を格納するROM64bと、CPU64aの制御演算結果などを一時的に記憶するRAM64cと、入力回路64dと、出力回路64eと、カウンタ(図示せず)を備える。
【0034】
上記した各種センサ出力は、ECU64の入力回路64dに入力される。入力回路64dは、入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベルに修正すると共に、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する。CPU64aはクランク角センサ54が出力するCRK信号をカウンタでカウントしてエンジン回転数NEを検出すると共に、車速センサ60が出力する信号をカウンタでカウントして車速の走行速度を示す車速VPを検出する。また、CPU64aは電圧センサ70の出力から適宜な手法に従って発電機86の発電量(「ACGF」と示す)を検出する。
【0035】
CPU64aはROM64bに格納されたプログラムに従って制御演算を実行し、アイドル状態にあっては出力回路64e(および図示しない駆動回路)を介して電磁ソレノイド40cに駆動信号(通電指令値)を送出して制御バルブ40aの開度を調節し、2次空気量を調整(吸入空気量を補正)してエンジン回転数NEを制御する。
【0036】
さらに、CPU64aは、エンジン10に供給される燃料噴射量と点火時期を算出してインジェクタ24と点火装置26を駆動し、燃料噴射と点火を行うと共に、後述する如く、アイドル状態にあっては点火時期を介してエンジン回転数NEを制御する。
【0037】
続いて、図3フロー・チャート(および図4フロー・チャート)を参照してこの実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置の動作を説明する。
【0038】
尚、図3はこの装置の動作を示すフロー・チャートの前半部、図4はその後半部である。図3および図4フロー・チャートに示すプログラムは、各気筒のTDC付近の所定のクランク角度で実行される。
【0039】
以下説明すると、S10で検出された発電量ACGFと消費電流ELを読み込み、S12に進み、フラグF.SWELDのビットが1にセットされているか否か判断する。この実施の形態においてはセンサ68,70を備えて消費電流ELと発電量ACGFを共に検出しているが、場合によってはセンサ70のみ備えて発電量ACGFのみ検出することから、ECU64にスイッチSWELD(図示せず)してその出力信号に応じてフラグF.SWELDのビットを設定するようにした。
【0040】
具体的には、この実施の形態におけるようにセンサ68,70を共に備えるときビットを1にセットすると共に、センサ70のみ備えるときはビットを0にリセットするようにした。尚、センサ68,70を共に備えるときは、センサ68で検出される消費電流ELを使用する。
【0041】
従って、この実施の形態にあってはS12の判断は肯定されてS14に進み、検出された消費電流ELの今回値(今回プログラムループ時の値)から前回値(前回プログラムループ時の値)を減算して差DELNを求め、求めた差が0を超える、換言すれば消費電流(電気負荷)が増加しているか否か判断する。
【0042】
S14で肯定されるときはS16に進み、差DELNが第1の所定値DELNHを超えるか否か判断する。第1の所定値DELNHは電気負荷が増加するときの電気負荷変動判定値を意味する。S16で肯定されるときは負荷変動が大きいと判断してS18に進み、CIACGMODの値を1とする。CIACGMODはRAM64cに格納されるパラメータであって、電気負荷の状態を示し、1に設定されるとき、電気負荷が増加したことを示す。
【0043】
他方、S16で否定されるときはS20に進み、CIACGMODの値を2とする。CIACGMODは2に設定されるとき、電気負荷に変化がないことを示す。また、S14で否定されるときはS22に進み、差DELNの絶対値が第2の所定値DELNLを超えるか否か判断する。第2の所定値DELNLは電気負荷が減少するときの電気負荷変動判定値を意味する。S22で否定されるときはS20に進むと共に、肯定されるときはS24に進み、CIACGMODの値を0とする。CIACGMODは0に設定されるとき、電気負荷が減少したことを示す。
【0044】
尚、センサとして70のみ備える構成の場合、S12の判断は否定されてS26に進み、検出された発電量ACGFの今回値(今回プログラムループ時の値)から前回値(前回プログラムループ時の値)を減算して差DACGFNを求め、求めた差が0を超える、換言すれば発電量(電気負荷)が増加しているか否か判断する。
【0045】
S26で肯定されるときはS28に進み、差DACGFNが第3の所定値DACGFNHを超えるか否か判断する。第3の所定値DACGFNHも、第1の所定値と同様に電気負荷が増加するときの電気負荷変動判定値を意味する。S28で肯定されるときは負荷変動が大きいと判断してS30に進み、CIACGMODの値を1とする。
【0046】
また、S28で否定されるときはS20に進んでCIACGMODの値を2とすると共に、S26で否定されるときはS32に進み、差DACGFNの絶対値が第4の所定値DACGFNLを超えるか否か判断する。第4の所定値DELNLも、第2の所定値と同様に電気負荷が減少するときの電気負荷変動判定値を意味する。S32で否定されるときはS20に進むと共に、肯定されるときはS34に進み、CIACGMODの値を0とする。
【0047】
次いで図4フロー・チャートのS36に進み、かく求めたCIACGMODの値が1(電気変動増加)か否か判断し、肯定されるときはS38に進み、カウンタ(ダウンカウンタ)CIACGに値CTIACGをセットし、S40に進み、前記した差DELNが第5の所定値DELIGACGを超える否か判断する。
【0048】
第5の所定値DELIGACGも、前記した第1の所定値DELNHと同様に電気負荷が増加するときの電気負荷変動判定値を意味するが、第5の所定値DELIGACGは、第1の所定値DELNHより大きい値に設定される。即ち、S16(あるいはS28)の比較において電気負荷が第1(あるいは第3の)所定値を超えて大きいと検知されているが、ノイズなどによる一過性の事象に因ることも考えられるため、S40で第5の所定値と比較し、電気負荷による負荷変動、より具体的には電気負荷の変動が所定負荷を超えるか否か確認的に検知する。従って、第5の所定値が、前記した所定負荷に相当する。
【0049】
S40で肯定されるときは電気負荷による負荷変動、より具体的には電気負荷の変動が所定負荷を超えることが検知されたと判断してS42に進み、フラグF.IGACGAGのビットを1にセットすると共に、否定されるときは負荷変動が大きくないと判断してS42をスキップする。尚、センサとして70のみ備える構成にあっては、図示は省略するが、第5の所定値に類似する値を使用して同様の処理を行う。
【0050】
他方、S36で否定されるときはS44に進み、CIACGMODの値が2(電気変動変化なし)か否か判断し、肯定されるときはS46に進み、カウンタCIACGが0になったか否か判断する。最初のプログラムループではS46の判断は通例否定されてS48に進み、カウンタCIACGの値を1つデクリメントする。
【0051】
これは、後に図6に示す如く、負荷変動は過渡的であってその後は変動幅は小さくなるためである。従って、CIACGMODの値が1に設定され、所定負荷を超えたことが検知されてカウンタに値がセットされた後、通例、CIACGMODの値は2に変更され、プログラムループでS46で否定される度にS48に進んでカウンタ値がデクリメントされる。そして、S46の判断が肯定されると、S50に進み、フラグF.IGACGAGのビットを0にリセットする。尚、S44で否定されるときは負荷が減少方向に変動することを意味するので、S52に進んでカウンタCIACGの値を零にリセットする。
【0052】
次いでS54に進み、エンジン10に供給すべき基本点火時期IGBASEを算出する。基本点火時期IGBASEは具体的には、検出されたエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAとから図示しないマップ値を検索して算出する。このように、基本点火時期IGBASEは、検出されたエンジン10の運転状態に基づいて算出される。
【0053】
次いでS56に進み、エンジン10がアイドル状態にあるか否か判断する。これは具体的には、検出された運転状態からスロットル開度θTHが全閉(あるいはその付近)の開度にあり、エンジン回転数NEが所定回転数(例えば1000rpm)以下で、かつ車速VPが所定車速(例えば4km/h)以下にあるとき、エンジン10がアイドル状態にあると判定される。
【0054】
S56で肯定されるときはS58に進み、検出されたエンジン回転数NEから目標アイドル回転数(目標回転数)NOBJを減算して偏差DNOBJTを算出し、S60に進み、算出された偏差DNOBJTでテーブルを検索して前記した基本点火時期の補正量IGIDLを算出する。
【0055】
図5はそのテーブルの特性を示す説明グラフである。図示の如く、補正量IGIDLは偏差DNOBJTの正負に応じ、進角側を正値、遅角側を負値として設定される。即ち、偏差が正値であるとき、換言すれば、検出されたエンジン回転数NEが目標アイドル回転数を超えるときは回転数を低下させる必要があることから、補正量は遅角値として設定されると共に、偏差が正方向に増加するにつれて遅角方向に増加するように設定される。
【0056】
逆に、偏差が負値であるとき、換言すれば、検出されたエンジン回転数NEが目標アイドル回転数を下回るときは回転数を上昇させる必要があることから、補正量は進角値として設定されると共に、偏差が負方向に増加するにつれて進角方向に増加するように設定される。
【0057】
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS62に進み、フラグF.IGACGAGのビットが1にセットされているか否か判断し、肯定されるときはS64に進み、検出して得た補正量IGIDLを上限値値maxと下限値minの間に制限するリミット処理を行う。より具体的には、補正量IGIDLが、第1の上限値IGIDLACGを超えるときは第1の上限値に制限すると共に、下限値IGIDLRGXを下回るときは下限値に制限する。図5にその第1の上限値と下限値を示す。尚、リミット処理を得た補正量をIGIDL0とする。
【0058】
他方、S62で否定されるときはS66に進み、同様に検出して得た補正量IGIDLを上限値maxと下限値minの間に制限するリミット処理を行う。より具体的には、補正量IGIDLが、第2の上限値IGIDLAGを超えるときは第2の上限値に制限すると共に、下限値IGIDLRGXを下回るときは下限値に制限する。図5にその第2の上限値と下限値を示す。同様に、リミット処理を得た補正量をIGIDL0とする。
【0059】
図5から明らかな如く、第1の上限値IGIDLACGは、第2の上限値IGIDLAGより進角方向に大きい値に設定される。従って、フラグF.IGACGAGのビットが1にセットされるとき、即ち、検出された負荷変動が所定の負荷変動より増加方向に変化したことが検知されたとき、所定期間(カウンタ値CIACGに相当する期間)上限値が増加方向に補正される。
【0060】
次いでS68に進み、基本点火時期IGBASEにリミット処理を経た補正量IGIDL0を加算して最終点火時期を算出する。この場合、最終点火時期は、補正量が負値であれば基本点火時期を遅角方法に補正する値となり、正値であれば、基本点火時期を進角方法に補正する値となる。
【0061】
尚、S56で否定されるときはS70に進み、基本点火時期IGBASEをそのまま最終点火時期とする。その際、最終点火時期は、実際には基本点火時期に水温補正など種々の補正を施して算出されるが、それは本願の要旨に直接関係しないため、説明を省略する。
【0062】
尚、ECU64は、S68,S70で算出された最終点火時期に基づいて図示しないルーチンにおいて点火装置26を駆動して点火を制御し、アイドル状態にあるときは、エンジン回転数NEが目標アイドル回転数NOBJとなるように制御する。
【0063】
図6はこの実施の形態に係る制御を行った場合(a)を、行わなかった場合(b)に対比して示すタイム・チャートである。
【0064】
図6(a)に示すようにこの実施の形態にあっては、電気負荷ON(作動)に伴って電気負荷による負荷変動(消費電流EL)が検知され、負荷変動が所定負荷より大きいとき、カウンタCIACGの値が零に達するまでの所定期間、フラグF.IGACGAGのビットが1にセットされ、点火時期の補正量が大きい方の上限値(進角方向の)IGIDLACGまで増加方向に補正される結果、点火時期の補正量もその進角限度いっぱいの値とすることができる。それによって、エンジン回転数NEが低下することがない。
【0065】
また、負荷変動が小さいときは点火時期の補正量は小さい方の上限値IGIDLAGとされるされる結果、点火時期の補正量も減少させられることとなり、よってエンジン回転数NEが急上昇する不都合が生じることがない。
【0066】
それに対し、図6(b)に示すように、電気負荷の変動の多寡に関わらず、点火時期の補正量は1種類の上限値しか設定されないとすると、エンジン回転数NEが低下する不都合が生じる。
【0067】
上記のように、この実施の形態においては、エンジン(内燃機関)10の回転数NEを含む運転状態を検出する運転状態検出手段(クランク角センサ54、絶対圧センサ42、ECU64)、前記検出された運転状態から前記エンジンがアイドル状態にあるか否か判定するアイドル状態判定手段(S56)、前記検出された運転状態に基づいて前記エンジンに供給すべき基本点火時期IGBASEを算出する基本点火時期算出手段(S54)、前記エンジンがアイドル状態にあると判定されるとき、前記検出された機関回転数NEと目標回転数NOBJとの偏差DNOBJTを算出する偏差算出手段(S58)、前記算出された偏差に基づいて前記基本点火時期の補正量IGIDLを算出する点火時期補正量算出手段(S60)、前記算出された補正量に基づいて前記基本点火時期を補正し、所定の上限値以下となるように最終点火時期を算出する最終点火時期算出手段(S68)、および前記最終点火時期を出力して前記機関回転数を前記目標回転数に制御するアイドル回転数制御手段(ECU64)を備えたエンジンのアイドル回転数制御装置において、前記エンジンの電気負荷による負荷変動DELN(DACGFN)を検出する負荷変動検出手段(電流センサ68、電圧センサ70、ECU64,S14からS16,S26からS28)、および前記検出された負荷変動DELNが所定の負荷変動DELIGACGを増加方向に超えるか否か検知し(S36からS48)、増加方向に超えることが検知されたとき、前記上限値を増加方向に補正する上限値補正手段(S62,S64)を備える如く構成した。
【0068】
また、前記上限値補正手段は、前記検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えることが検知されたとき、前記検知された時点から所定期間CTIACG、前記上限値を増加方向に補正する(S36からS48)ように構成した。
【0069】
また、前記負荷変動検出手段は、前記エンジンに接続されたバッテリ電源72の消費電流ELおよび発電機86の発電量ACGFの少なくともいずれかを検出する検出手段(電流センサ68,電圧センサ70,ECU64)を備え、前記検出されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかに基づいて前記エンジンの電気負荷による負荷変動を検出する如く構成した。
【0070】
尚、上記において、電気負荷によるエンジン10の負荷変動を、発電機11の発電量およびバッテリ電源22の消費電流の少なくともいずれかに基づいて検出するようにしたが、この実施の形態におけるように、発電機86の発電量とバッテリ電源72の消費電流を共に検出する構成を備えるものにあっては、発電量と消費電流の双方に基づいて検出しても良い。
【0071】
尚、この発明は、エンジンの出力軸を鉛直方向とした、船外機などの船舶推進用エンジンのアイドル回転数制御装置にも適用することができる。
【0072】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出し、検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えることが検知されたとき、点火時期の補正量の上限値を増加方向に補正する如く構成したので、点火時期を増加された上限値まで、例えば進角方向に補正することができ、よって機関回転数の低下を防止することができる。
【0073】
請求項2項にあっては、検知された時点から所定期間だけ上限値を増加方向に補正する如く構成したので、不要な場合に点火時期を過度に補正してアイドル回転数の制御性を低下させることがない。
【0074】
請求項3項にあっては、内燃機関に接続されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかを検出し、少なくともいずれかに基づいて内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出する如く構成したので、負荷変動を精度良く検出することができて、機関回転数の低下を確実に防止することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す内燃機関が搭載される車両の充電装置の構成を示す説明ブロック図である。
【図3】図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートの前半部である。
【図4】図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートの後半部である。
【図5】図4フロー・チャートで使用される基本点火時期の補正量IGIDLのテーブルの特性を示す説明グラフである。
【図6】図3および図4フロー・チャートに示す、この実施の形態に係る制御を行った場合を、行わなかった場合と対比して示すタイム・チャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関(エンジン)
14 スロットルバルブ
22 スロットルバルブ開度センサ
26 点火装置
64 ECU(電子制御ユニット)
68 電流センサ
70 電圧センサ
72 バッテリ電源
84 電気負荷
86 発電機(ACG)
【発明の属する技術分野】
この発明は内燃機関のアイドル回転数制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関のアイドル時に機関回転数と目標アイドル回転数との偏差が減少するようにアクチュエータを操作して吸入空気量の調整あるいは点火時期を介して機関回転数を制御することは良く行われている。この中、後者の例としては、特許文献1を挙げることができる。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第2506863号公報(第5欄50行から第6欄15行までの記載および第5図)
【0004】
特許文献1においては、点火時期を介して機関回転数を目標アイドル回転数にフィードバック制御すると共に、パワーステアリングなどの外部負荷が作動して負荷の増加方向に変化したことが検出された時点から所定期間内、点火時期の上限値を減少補正する技術を開示する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、アイドル回転数制御においては吸入空気量の調整と点火時期の補正が併用されているが、点火時期の補正は吸入空気量の調整に比して応答性が良いため、負荷の変動による回転数の変化に対しては点火時期を補正する方が効果的である。
【0006】
その点火時期の補正においては、通例、上下限値を設定してその範囲内で点火時期を補正することになるが、外部負荷が増加方向に変化したときは、上限値を増大させて点火時期を十分に進角させて機関回転数の低下を抑止する必要がある。
【0007】
しかしながら、上記した従来技術においては、パワーステアリングなどが作動して外部負荷が増加方向に変化したことが検出されたとき、その時点から所定期間、上限値を小さくなるように補正し、よって点火時期が過度に進角されてノックが発生するのを回避している。従って、従来技術はノックの発生を防止できる利点はあるものの、負荷の増加による機関回転数の低下を防止できるものではなかった。
【0008】
従って、この発明は上記した不都合を解消し、内燃機関がアイドル状態にあるとき、検出された機関回転数と目標回転数との偏差を算出して基本点火時期を補正し、上限値以下となるように最終点火時期を算出して機関回転数を目標回転数に制御するアイドル回転数制御装置において、電気負荷によって負荷が増加したときに上限値を増加させ、よって回転数の低下を防止するようにした内燃機関のアイドル回転数制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1項においては、内燃機関の回転数を含む運転状態を検出する運転状態検出手段、前記検出された運転状態から前記内燃機関がアイドル状態にあるか否か判定するアイドル状態判定手段、前記検出された運転状態に基づいて前記内燃機関に供給すべき基本点火時期を算出する基本点火時期算出手段、前記内燃機関がアイドル状態にあると判定されるとき、前記検出された機関回転数と目標回転数との偏差を算出する偏差算出手段、前記算出された偏差に基づいて前記基本点火時期の補正量を算出する点火時期補正量算出手段、前記算出された補正量に基づいて前記基本点火時期を補正し、所定の上限値以下となるように最終点火時期を算出する最終点火時期算出手段、および前記最終点火時期を出力して前記機関回転数を前記目標回転数に制御するアイドル回転数制御手段を備えた内燃機関のアイドル回転数制御装置において、前記内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出する負荷変動検出手段、および前記検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えるか否か検知し、増加方向に超えることが検知されたとき、前記上限値を増加方向に補正する上限値補正手段を備える如く構成した。
【0010】
内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出し、検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えることが検知されたとき、点火時期の補正量の上限値を増加方向に補正する如く構成したので、点火時期を増加された上限値まで、例えば進角方向に補正することができ、よって機関回転数の低下を防止することができる。
【0011】
請求項2項にあっては、前記上限値補正手段は、前記検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えることが検知されたとき、前記検知された時点から所定期間、前記上限値を増加方向に補正する如く構成した。
【0012】
検知された時点から所定期間だけ上限値を増加方向に補正する如く構成したので、不要な場合に点火時期を過度に補正してアイドル回転数の制御性を低下させることがない。
【0013】
請求項3項にあっては、前記負荷変動検出手段は、前記内燃機関に接続されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかを検出する検出手段を備え、前記検出されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかに基づいて前記内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出する如く構成した。
【0014】
内燃機関に接続されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかを検出し、少なくともいずれかに基づいて内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出する如く構成したので、負荷変動を精度良く検出することができて、機関回転数の低下を確実に防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の一つの実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置を説明する。
【0016】
図1は、この実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置の全体構成を示す概略図である。
【0017】
同図において符合10は内燃機関(以下「エンジン」という)を示す。エンジン10は、例えば直列4気筒のDOHCエンジンからなる。
【0018】
エンジン10の吸気管12の上流側にはスロットルバルブ14が配置される。スロットルバルブ14は、スロットルワイヤ16を介して車両(エンジン10が搭載される車両。図示せず)の運転席フロアに設けられたアクセルペダル20に機械的に接続され、アクセルペダル20の踏み量に応じて開閉してエンジン10の吸入空気量を調量する。スロットルバルブ14の付近にはスロットルバルブ開度センサ22が設けられ、スロットルバルブ14の開度(以下「スロットル開度」という)θTHに応じた信号を出力する。
【0019】
スロットルバルブ14の下流のインテークマニホルド(図示せず)の直後の吸気ポート付近には、気筒(図示せず)ごとにインジェクタ(燃料噴射弁)24が設けられる。インジェクタ24は燃料タンクに燃料供給管および燃料ポンプ(全て図示せず)を介して接続され、ガソリン燃料の圧送を受けて吸気ポート付近に噴射する。
【0020】
噴射された燃料は吸気管12を通って吸入される空気と混合して混合気を形成し、気筒燃焼室に流入する。流入した混合気は、イグナイタおよび点火プラグからなる点火装置26によって着火されて燃焼する。
【0021】
エンジン10はエキゾーストマニホルド(図示せず)を介して排気管30に接続され、燃焼によって生じた排出ガスは、排気管30の途中に設けられた触媒装置(三元触媒装置)32で浄化されて外部に排出される。排気管30の触媒装置32の上流位置には広域空燃比(LAF)センサ34が設けられ、リーンからリッチにわたる範囲において排出ガス中の酸素濃度に比例する出力を生じる。
【0022】
吸気管12には、スロットルバルブ14の上流側と下流側とを連通してスロットルバルブ14をバイパスするバイパス通路(2次空気通路)36が接続される。バイパス通路36の途中には2次空気量(バイパス空気量)を調整する制御バルブ(EACV)40が設けられる。
【0023】
制御バルブ40は常閉型であり、バイパス通路36の開度(開口面積)を連続的に変化させるバルブ40aと、バルブ40aを閉塞方向に付勢するスプリング40bと、通電時にバルブ40aをスプリング40bの付勢力に抗して開放方向に移動させる電磁ソレノイド(リニアソレノイド(アクチュエータ))40cを備える。
【0024】
吸気管12のスロットルバルブ14の下流側には絶対圧センサ42および吸気温センサ44が装着され、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAおよび吸気温TAを示す電気信号を出力する。また、エシジン10のシリンダブロックの冷却水通路には水温センサ46が取り付けられ、エンジン冷却水温TWに応じた信号を出力する。
【0025】
エンジン10のカム軸またはクランク軸(共に図示せず)の付近には気筒判別センサ50が取り付けられて特定気筒(例えば第1気筒)の所定クランク角度位置で気筒判別信号CYLを出力すると共に、TDCセンサ52およびクランク角センサ54が取り付けられ、各気筒のピストンのTDC位置に関連した所定のクランク角度位置でTDC信号を、TDC信号よりも周期の短いクランク角度(例えば30度)でCRK信号を出力する。
【0026】
車両のドライブシャフト(図示せず)の付近には車速センサ60が配置され、ドライブシャフトの所定回転ごとに信号を出力を生じる。また、車両の適宜位置には大気圧センサ62が設けられ、車両が位置する場所の大気圧PAに応じた信号を出力する。
【0027】
上記した各種センサの出力は、ECU(電子制御ユニット)64に送られる。
【0028】
さらに、エンジン10に接続されるバッテリ電源には電流センサ68が配置されてバッテリ電源の消費電流(「EL」と示す)に応じた出力を生じると共に、エンジン10に接続される発電機(ACG)には電圧センサ70が配置されて発電機の発電電圧に応じた出力を生じる。
【0029】
図2は、図1に示すエンジン10が搭載される車両の充電装置の構成を示す説明ブロック図である。
【0030】
図示の如く、バッテリ電源72に接続されてイグニション・スイッチ74で開閉される電源回路にはリレーボックス76に収容されたヒューズ76aと、ドライバヒューズボックス80に収容されたヒューズ80aが介挿されると共に、リレーボックス76にはセンサ(ELDユニット(電流センサ))68が設けられ、バッテリ電源の消費電流ELに応じた出力を生じる。電源回路には、図示の如く、スイッチ82を介してランプ、エアコンディショナ、パワーステアリング用電動モータなどの電気負荷84が接続される。
【0031】
また、発電機(ACG)86には、フィールドコイル86aによって発生される交流を直流に整流する整流器90と、フィールドコイル86aに流れる電流を制御して発電電圧を制御するレギュレータ92を備えると共に、レギュレータ92にはセンサ(電圧センサ)70が接続され、発電機86によって出力される電圧に応じた出力を生じる。
【0032】
上記したセンサ68,70の出力もECU64に送出される。
【0033】
ECU64はマイクロコンピュータからなり、制御演算を行なうCPU64aと、制御演算プログラムと各種のデータ(テーブルなど)を格納するROM64bと、CPU64aの制御演算結果などを一時的に記憶するRAM64cと、入力回路64dと、出力回路64eと、カウンタ(図示せず)を備える。
【0034】
上記した各種センサ出力は、ECU64の入力回路64dに入力される。入力回路64dは、入力信号波形を整形して電圧レベルを所定レベルに修正すると共に、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する。CPU64aはクランク角センサ54が出力するCRK信号をカウンタでカウントしてエンジン回転数NEを検出すると共に、車速センサ60が出力する信号をカウンタでカウントして車速の走行速度を示す車速VPを検出する。また、CPU64aは電圧センサ70の出力から適宜な手法に従って発電機86の発電量(「ACGF」と示す)を検出する。
【0035】
CPU64aはROM64bに格納されたプログラムに従って制御演算を実行し、アイドル状態にあっては出力回路64e(および図示しない駆動回路)を介して電磁ソレノイド40cに駆動信号(通電指令値)を送出して制御バルブ40aの開度を調節し、2次空気量を調整(吸入空気量を補正)してエンジン回転数NEを制御する。
【0036】
さらに、CPU64aは、エンジン10に供給される燃料噴射量と点火時期を算出してインジェクタ24と点火装置26を駆動し、燃料噴射と点火を行うと共に、後述する如く、アイドル状態にあっては点火時期を介してエンジン回転数NEを制御する。
【0037】
続いて、図3フロー・チャート(および図4フロー・チャート)を参照してこの実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置の動作を説明する。
【0038】
尚、図3はこの装置の動作を示すフロー・チャートの前半部、図4はその後半部である。図3および図4フロー・チャートに示すプログラムは、各気筒のTDC付近の所定のクランク角度で実行される。
【0039】
以下説明すると、S10で検出された発電量ACGFと消費電流ELを読み込み、S12に進み、フラグF.SWELDのビットが1にセットされているか否か判断する。この実施の形態においてはセンサ68,70を備えて消費電流ELと発電量ACGFを共に検出しているが、場合によってはセンサ70のみ備えて発電量ACGFのみ検出することから、ECU64にスイッチSWELD(図示せず)してその出力信号に応じてフラグF.SWELDのビットを設定するようにした。
【0040】
具体的には、この実施の形態におけるようにセンサ68,70を共に備えるときビットを1にセットすると共に、センサ70のみ備えるときはビットを0にリセットするようにした。尚、センサ68,70を共に備えるときは、センサ68で検出される消費電流ELを使用する。
【0041】
従って、この実施の形態にあってはS12の判断は肯定されてS14に進み、検出された消費電流ELの今回値(今回プログラムループ時の値)から前回値(前回プログラムループ時の値)を減算して差DELNを求め、求めた差が0を超える、換言すれば消費電流(電気負荷)が増加しているか否か判断する。
【0042】
S14で肯定されるときはS16に進み、差DELNが第1の所定値DELNHを超えるか否か判断する。第1の所定値DELNHは電気負荷が増加するときの電気負荷変動判定値を意味する。S16で肯定されるときは負荷変動が大きいと判断してS18に進み、CIACGMODの値を1とする。CIACGMODはRAM64cに格納されるパラメータであって、電気負荷の状態を示し、1に設定されるとき、電気負荷が増加したことを示す。
【0043】
他方、S16で否定されるときはS20に進み、CIACGMODの値を2とする。CIACGMODは2に設定されるとき、電気負荷に変化がないことを示す。また、S14で否定されるときはS22に進み、差DELNの絶対値が第2の所定値DELNLを超えるか否か判断する。第2の所定値DELNLは電気負荷が減少するときの電気負荷変動判定値を意味する。S22で否定されるときはS20に進むと共に、肯定されるときはS24に進み、CIACGMODの値を0とする。CIACGMODは0に設定されるとき、電気負荷が減少したことを示す。
【0044】
尚、センサとして70のみ備える構成の場合、S12の判断は否定されてS26に進み、検出された発電量ACGFの今回値(今回プログラムループ時の値)から前回値(前回プログラムループ時の値)を減算して差DACGFNを求め、求めた差が0を超える、換言すれば発電量(電気負荷)が増加しているか否か判断する。
【0045】
S26で肯定されるときはS28に進み、差DACGFNが第3の所定値DACGFNHを超えるか否か判断する。第3の所定値DACGFNHも、第1の所定値と同様に電気負荷が増加するときの電気負荷変動判定値を意味する。S28で肯定されるときは負荷変動が大きいと判断してS30に進み、CIACGMODの値を1とする。
【0046】
また、S28で否定されるときはS20に進んでCIACGMODの値を2とすると共に、S26で否定されるときはS32に進み、差DACGFNの絶対値が第4の所定値DACGFNLを超えるか否か判断する。第4の所定値DELNLも、第2の所定値と同様に電気負荷が減少するときの電気負荷変動判定値を意味する。S32で否定されるときはS20に進むと共に、肯定されるときはS34に進み、CIACGMODの値を0とする。
【0047】
次いで図4フロー・チャートのS36に進み、かく求めたCIACGMODの値が1(電気変動増加)か否か判断し、肯定されるときはS38に進み、カウンタ(ダウンカウンタ)CIACGに値CTIACGをセットし、S40に進み、前記した差DELNが第5の所定値DELIGACGを超える否か判断する。
【0048】
第5の所定値DELIGACGも、前記した第1の所定値DELNHと同様に電気負荷が増加するときの電気負荷変動判定値を意味するが、第5の所定値DELIGACGは、第1の所定値DELNHより大きい値に設定される。即ち、S16(あるいはS28)の比較において電気負荷が第1(あるいは第3の)所定値を超えて大きいと検知されているが、ノイズなどによる一過性の事象に因ることも考えられるため、S40で第5の所定値と比較し、電気負荷による負荷変動、より具体的には電気負荷の変動が所定負荷を超えるか否か確認的に検知する。従って、第5の所定値が、前記した所定負荷に相当する。
【0049】
S40で肯定されるときは電気負荷による負荷変動、より具体的には電気負荷の変動が所定負荷を超えることが検知されたと判断してS42に進み、フラグF.IGACGAGのビットを1にセットすると共に、否定されるときは負荷変動が大きくないと判断してS42をスキップする。尚、センサとして70のみ備える構成にあっては、図示は省略するが、第5の所定値に類似する値を使用して同様の処理を行う。
【0050】
他方、S36で否定されるときはS44に進み、CIACGMODの値が2(電気変動変化なし)か否か判断し、肯定されるときはS46に進み、カウンタCIACGが0になったか否か判断する。最初のプログラムループではS46の判断は通例否定されてS48に進み、カウンタCIACGの値を1つデクリメントする。
【0051】
これは、後に図6に示す如く、負荷変動は過渡的であってその後は変動幅は小さくなるためである。従って、CIACGMODの値が1に設定され、所定負荷を超えたことが検知されてカウンタに値がセットされた後、通例、CIACGMODの値は2に変更され、プログラムループでS46で否定される度にS48に進んでカウンタ値がデクリメントされる。そして、S46の判断が肯定されると、S50に進み、フラグF.IGACGAGのビットを0にリセットする。尚、S44で否定されるときは負荷が減少方向に変動することを意味するので、S52に進んでカウンタCIACGの値を零にリセットする。
【0052】
次いでS54に進み、エンジン10に供給すべき基本点火時期IGBASEを算出する。基本点火時期IGBASEは具体的には、検出されたエンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAとから図示しないマップ値を検索して算出する。このように、基本点火時期IGBASEは、検出されたエンジン10の運転状態に基づいて算出される。
【0053】
次いでS56に進み、エンジン10がアイドル状態にあるか否か判断する。これは具体的には、検出された運転状態からスロットル開度θTHが全閉(あるいはその付近)の開度にあり、エンジン回転数NEが所定回転数(例えば1000rpm)以下で、かつ車速VPが所定車速(例えば4km/h)以下にあるとき、エンジン10がアイドル状態にあると判定される。
【0054】
S56で肯定されるときはS58に進み、検出されたエンジン回転数NEから目標アイドル回転数(目標回転数)NOBJを減算して偏差DNOBJTを算出し、S60に進み、算出された偏差DNOBJTでテーブルを検索して前記した基本点火時期の補正量IGIDLを算出する。
【0055】
図5はそのテーブルの特性を示す説明グラフである。図示の如く、補正量IGIDLは偏差DNOBJTの正負に応じ、進角側を正値、遅角側を負値として設定される。即ち、偏差が正値であるとき、換言すれば、検出されたエンジン回転数NEが目標アイドル回転数を超えるときは回転数を低下させる必要があることから、補正量は遅角値として設定されると共に、偏差が正方向に増加するにつれて遅角方向に増加するように設定される。
【0056】
逆に、偏差が負値であるとき、換言すれば、検出されたエンジン回転数NEが目標アイドル回転数を下回るときは回転数を上昇させる必要があることから、補正量は進角値として設定されると共に、偏差が負方向に増加するにつれて進角方向に増加するように設定される。
【0057】
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS62に進み、フラグF.IGACGAGのビットが1にセットされているか否か判断し、肯定されるときはS64に進み、検出して得た補正量IGIDLを上限値値maxと下限値minの間に制限するリミット処理を行う。より具体的には、補正量IGIDLが、第1の上限値IGIDLACGを超えるときは第1の上限値に制限すると共に、下限値IGIDLRGXを下回るときは下限値に制限する。図5にその第1の上限値と下限値を示す。尚、リミット処理を得た補正量をIGIDL0とする。
【0058】
他方、S62で否定されるときはS66に進み、同様に検出して得た補正量IGIDLを上限値maxと下限値minの間に制限するリミット処理を行う。より具体的には、補正量IGIDLが、第2の上限値IGIDLAGを超えるときは第2の上限値に制限すると共に、下限値IGIDLRGXを下回るときは下限値に制限する。図5にその第2の上限値と下限値を示す。同様に、リミット処理を得た補正量をIGIDL0とする。
【0059】
図5から明らかな如く、第1の上限値IGIDLACGは、第2の上限値IGIDLAGより進角方向に大きい値に設定される。従って、フラグF.IGACGAGのビットが1にセットされるとき、即ち、検出された負荷変動が所定の負荷変動より増加方向に変化したことが検知されたとき、所定期間(カウンタ値CIACGに相当する期間)上限値が増加方向に補正される。
【0060】
次いでS68に進み、基本点火時期IGBASEにリミット処理を経た補正量IGIDL0を加算して最終点火時期を算出する。この場合、最終点火時期は、補正量が負値であれば基本点火時期を遅角方法に補正する値となり、正値であれば、基本点火時期を進角方法に補正する値となる。
【0061】
尚、S56で否定されるときはS70に進み、基本点火時期IGBASEをそのまま最終点火時期とする。その際、最終点火時期は、実際には基本点火時期に水温補正など種々の補正を施して算出されるが、それは本願の要旨に直接関係しないため、説明を省略する。
【0062】
尚、ECU64は、S68,S70で算出された最終点火時期に基づいて図示しないルーチンにおいて点火装置26を駆動して点火を制御し、アイドル状態にあるときは、エンジン回転数NEが目標アイドル回転数NOBJとなるように制御する。
【0063】
図6はこの実施の形態に係る制御を行った場合(a)を、行わなかった場合(b)に対比して示すタイム・チャートである。
【0064】
図6(a)に示すようにこの実施の形態にあっては、電気負荷ON(作動)に伴って電気負荷による負荷変動(消費電流EL)が検知され、負荷変動が所定負荷より大きいとき、カウンタCIACGの値が零に達するまでの所定期間、フラグF.IGACGAGのビットが1にセットされ、点火時期の補正量が大きい方の上限値(進角方向の)IGIDLACGまで増加方向に補正される結果、点火時期の補正量もその進角限度いっぱいの値とすることができる。それによって、エンジン回転数NEが低下することがない。
【0065】
また、負荷変動が小さいときは点火時期の補正量は小さい方の上限値IGIDLAGとされるされる結果、点火時期の補正量も減少させられることとなり、よってエンジン回転数NEが急上昇する不都合が生じることがない。
【0066】
それに対し、図6(b)に示すように、電気負荷の変動の多寡に関わらず、点火時期の補正量は1種類の上限値しか設定されないとすると、エンジン回転数NEが低下する不都合が生じる。
【0067】
上記のように、この実施の形態においては、エンジン(内燃機関)10の回転数NEを含む運転状態を検出する運転状態検出手段(クランク角センサ54、絶対圧センサ42、ECU64)、前記検出された運転状態から前記エンジンがアイドル状態にあるか否か判定するアイドル状態判定手段(S56)、前記検出された運転状態に基づいて前記エンジンに供給すべき基本点火時期IGBASEを算出する基本点火時期算出手段(S54)、前記エンジンがアイドル状態にあると判定されるとき、前記検出された機関回転数NEと目標回転数NOBJとの偏差DNOBJTを算出する偏差算出手段(S58)、前記算出された偏差に基づいて前記基本点火時期の補正量IGIDLを算出する点火時期補正量算出手段(S60)、前記算出された補正量に基づいて前記基本点火時期を補正し、所定の上限値以下となるように最終点火時期を算出する最終点火時期算出手段(S68)、および前記最終点火時期を出力して前記機関回転数を前記目標回転数に制御するアイドル回転数制御手段(ECU64)を備えたエンジンのアイドル回転数制御装置において、前記エンジンの電気負荷による負荷変動DELN(DACGFN)を検出する負荷変動検出手段(電流センサ68、電圧センサ70、ECU64,S14からS16,S26からS28)、および前記検出された負荷変動DELNが所定の負荷変動DELIGACGを増加方向に超えるか否か検知し(S36からS48)、増加方向に超えることが検知されたとき、前記上限値を増加方向に補正する上限値補正手段(S62,S64)を備える如く構成した。
【0068】
また、前記上限値補正手段は、前記検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えることが検知されたとき、前記検知された時点から所定期間CTIACG、前記上限値を増加方向に補正する(S36からS48)ように構成した。
【0069】
また、前記負荷変動検出手段は、前記エンジンに接続されたバッテリ電源72の消費電流ELおよび発電機86の発電量ACGFの少なくともいずれかを検出する検出手段(電流センサ68,電圧センサ70,ECU64)を備え、前記検出されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかに基づいて前記エンジンの電気負荷による負荷変動を検出する如く構成した。
【0070】
尚、上記において、電気負荷によるエンジン10の負荷変動を、発電機11の発電量およびバッテリ電源22の消費電流の少なくともいずれかに基づいて検出するようにしたが、この実施の形態におけるように、発電機86の発電量とバッテリ電源72の消費電流を共に検出する構成を備えるものにあっては、発電量と消費電流の双方に基づいて検出しても良い。
【0071】
尚、この発明は、エンジンの出力軸を鉛直方向とした、船外機などの船舶推進用エンジンのアイドル回転数制御装置にも適用することができる。
【0072】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出し、検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えることが検知されたとき、点火時期の補正量の上限値を増加方向に補正する如く構成したので、点火時期を増加された上限値まで、例えば進角方向に補正することができ、よって機関回転数の低下を防止することができる。
【0073】
請求項2項にあっては、検知された時点から所定期間だけ上限値を増加方向に補正する如く構成したので、不要な場合に点火時期を過度に補正してアイドル回転数の制御性を低下させることがない。
【0074】
請求項3項にあっては、内燃機関に接続されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかを検出し、少なくともいずれかに基づいて内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出する如く構成したので、負荷変動を精度良く検出することができて、機関回転数の低下を確実に防止することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る内燃機関のアイドル回転数制御装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す内燃機関が搭載される車両の充電装置の構成を示す説明ブロック図である。
【図3】図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートの前半部である。
【図4】図1に示す装置の動作を示すフロー・チャートの後半部である。
【図5】図4フロー・チャートで使用される基本点火時期の補正量IGIDLのテーブルの特性を示す説明グラフである。
【図6】図3および図4フロー・チャートに示す、この実施の形態に係る制御を行った場合を、行わなかった場合と対比して示すタイム・チャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関(エンジン)
14 スロットルバルブ
22 スロットルバルブ開度センサ
26 点火装置
64 ECU(電子制御ユニット)
68 電流センサ
70 電圧センサ
72 バッテリ電源
84 電気負荷
86 発電機(ACG)
Claims (3)
- a.内燃機関の回転数を含む運転状態を検出する運転状態検出手段、
b.前記検出された運転状態から前記内燃機関がアイドル状態にあるか否か判定するアイドル状態判定手段、
c.前記検出された運転状態に基づいて前記内燃機関に供給すべき基本点火時期を算出する基本点火時期算出手段、
d.前記内燃機関がアイドル状態にあると判定されるとき、前記検出された機関回転数と目標回転数との偏差を算出する偏差算出手段、
e.前記算出された偏差に基づいて前記基本点火時期の補正量を算出する点火時期補正量算出手段、
f.前記算出された補正量に基づいて前記基本点火時期を補正し、所定の上限値以下となるように最終点火時期を算出する最終点火時期算出手段、
および
g.前記最終点火時期を出力して前記機関回転数を前記目標回転数に制御するアイドル回転数制御手段、
を備えた内燃機関のアイドル回転数制御装置において、
h.前記内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出する負荷変動検出手段、
および
i.前記検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えるか否か検知し、増加方向に超えることが検知されたとき、前記上限値を増加方向に補正する上限値補正手段、
を備えたことを特徴とする内燃機関のアイドル回転数制御装置。 - 前記上限値補正手段は、前記検出された負荷変動が所定の負荷変動を増加方向に超えることが検知されたとき、前記検知された時点から所定期間、前記上限値を増加方向に補正することを特徴とする請求項1項記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
- 前記負荷変動検出手段は、
j.前記内燃機関に接続されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかを検出する検出手段、
を備え、前記検出されたバッテリ電源の消費電流および発電機の発電量の少なくともいずれかに基づいて前記内燃機関の電気負荷による負荷変動を検出することを特徴とする請求項1項または2項記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
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2002
- 2002-09-06 JP JP2002262000A patent/JP2004100530A/ja active Pending
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