JP2004100509A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

【課題】点火コイルの個別交換が可能であり、且つ簡単な構成で容易にエンジン側との電気的接続を図ることができる内燃機関用点火装置を提供する。
【解決手段】エンジンヘッドカバー5の各プラグホール5b内に収容される胴体部2bと、コイル側コネクタ2dが設けられ且つ胴体部2bより大径の頭部2aとを有する点火コイル2と、点火コイル2をエンジンヘッドカバー5に対して押圧するプレート3と、点火コイル胴体部2bを遊挿させる遊挿孔4aが形成されると共に、点火コイル頭部2aを保持しつつプレート3に係止される保持具4とを備え、保持具4には、コイル側コネクタ2dと電気的に接続されるエンジン側コネクタ4cが一体的に設けられている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のエンジンに使用される内燃機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等のエンジンに使用される点火コイル装置においては、各気筒の点火コイルがエンジン側へ個別に取付けられてそれぞれネジ止めにより固定されると共に、各点火コイルに電源を供給するためのエンジン側コネクタが、各点火コイル頭部に設けられたコイル側コネクタにそれぞれ接続され、さらに、これらを意匠カバーにより覆う構造のものがある。
【0003】
しかしながら、前記従来の点火コイル装置では、組付け部品点数が多いために、組付け工数が多いという問題がある。そこで、かかる問題点に鑑みて、従来より、種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、複数の点火コイルをエンジン側の各プラグホール内へ一度に取付けることを可能とするために、複数の点火コイルを予め所定間隔で固定配設してなる点火コイル集合装置が提案されている。例えば、図4に示す従来の点火コイル集合装置51は、樹脂からなるベース部材53がエンジン側の各プラグホール5bにそれぞれ対応する位置にて各点火コイル52を支持するように構成されている。また、各点火コイル52は、ベース部材53に対して樹脂により一体成型されている。そして、点火コイル集合装置51は、各点火コイル52を軸心方向より各プラグホール5b内に挿入するようにしてエンジンヘッドカバー5に装着され、ベース部材53の長手方向両端に形成したボルト挿通孔53cに取付け用ボルト53dを挿通し、エンジンヘッドカバー5のネジ孔5aに螺合締結することによりエンジン側へ固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の点火コイル集合装置51では、エンジン側の各プラグホール5bの間隔(プラグホールピッチ)及びベース部材53に対する各点火コイル52の取付けピッチの寸法公差を極めて小さくすることが要求され、エンジン及び点火コイル集合装置51の製造が非常に困難であるという問題がある。すなわち、プラグホールピッチと各点火コイル52の取付けピッチとの間にズレがあると、ベース部材53に固定された各点火コイル52をそれぞれ対応するプラグホール5b内へ真っ直ぐに挿入できない事態が生じるからである。また、複数の点火コイル52の内、一部の点火コイル52のみが故障した場合でも、全ての点火コイル52を交換する必要があり、経済的な負担が大きいという問題がある。
【0006】
本発明は、点火コイルの個別交換が可能であり、且つ簡単な構成で容易にエンジン側との電気的接続を図ることができる内燃機関用点火装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の内燃機関用点火装置は、エンジン側の各プラグホール内に収容される胴体部と、コイル側コネクタが設けられ且つ前記胴体部より大径の頭部とを有する点火コイルと、その点火コイルをエンジン側に押圧するプレートと、前記点火コイル胴体部を遊挿させる遊挿孔が形成されると共に、前記点火コイル頭部を保持しつつ前記プレートに係止される保持具とを備え、前記保持具には、前記コイル側コネクタと電気的に接続されるエンジン側コネクタが一体的に設けられたことを特徴とする。
【0008】
従って、保持具は、点火コイルの胴体部を遊挿孔に遊挿させ且つ頭部を保持した状態でプレートに係止され、点火コイルはプレートによってエンジン側へ押圧される。また、点火コイル頭部に設けられたコイル側コネクタは、保持具に一体的に設けられたエンジン側コネクタに接続される。
【0009】
よって、プレート及び保持具により点火コイルをエンジン側へ簡単且つ確実に取付け可能であり、保持具を取り外すことにより点火コイルを個別に交換することが可能である。また、コイル側コネクタ及び保持具に一体的に設けられたエンジン側コネクタを介して点火コイルとエンジン側との電気的接続を容易に図ることができる。
【0010】
また、請求項2に記載の内燃機関用点火装置は、前記プレートには、前記点火コイル頭部の少なくとも上面部分を収容する凹部が形成され、その凹部は、前記点火コイル頭部よりも大径に形成されたことを特徴とする。
【0011】
従って、点火コイル頭部を、プレート凹部内の点火コイル軸方向に直交する面内でスライドさせることにより、点火コイルのエンジン側への取付け位置を調整することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の内燃機関用点火装置は、前記保持具が、前記プレートに設けられた被係合部に係合する係合部を有し、前記係合部を前記被係合部とは、点火コイル軸方向に直交する面内で遊びを有する状態で係合することを特徴とする。
【0013】
従って、保持具に設けられた係合部とプレートに設けられた被係合部とは、点火コイル軸方向に直交する面内で遊びを有する状態で係合するので、保持具とプレートとの相対位置をスライド調整することにより、点火コイルのエンジン側への取付け位置を調整することができる。よって、エンジン側のプラグホールピッチに誤差があっても、点火コイルをプラグホールに円滑に挿入し、エンジン側へ装着することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の内燃機関用点火装置は、前記プレートにおいて、複数の点火コイルが、前記各点火コイル毎に設けられた前記各保持具を介して取付けられるように構成されたことを特徴とする。
【0015】
従って、各点火コイルを各保持具を介してプレートに個別に取付け可能であるとともに、複数の点火コイルをプレートを介してエンジン側へ一度に取付けることができる。また、複数の点火コイルの内、故障等により交換が必要な一部の点火コイルのみを、保持具を外すことにより容易に交換することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内燃機関用点火装置を点火コイル集合装置に適用した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0017】
本発明の実施形態である点火コイル集合装置1は、自動車用エンジンに搭載されるものであり、エンジン側の各プラグホール内に取付けられた各点火プラグに、それぞれ軸心方向から接続される複数の点火コイルを所定間隔を有して配設した装置である。以下、図1乃至3を参照しつつ説明する。尚、図1は、点火コイル集合装置1をエンジンヘッドカバー5へ組付けた状態を示す側面図である。図2は、点火コイル集合装置1の分解斜視図である。図3は、点火コイル集合装置1の要部を拡大して示す側面図である。
【0018】
すなわち、点火コイル集合装置1は、図1等に示すように、複数の点火コイル2と、各点火コイル2の頭部2a上面に当接してエンジン側(エンジンヘッドカバー5)へ押圧する細長平板状のプレート3と、各点火コイル2をプレート3に対して個別に係止する複数の保持具4とから構成されている。尚、本発明の各実施形態は、4気筒エンジンに取付けられるものであって、4個の点火コイル2を備えている。
【0019】
各点火コイル2は、絶縁性樹脂等により形成されたケース内に点火プラグへ供給する高電圧を発生する所定の電気回路を内蔵したスティック形状の部材である。各点火コイル2は、図1に示すように、上端部に設けられた頭部2aと、頭部2aの下方に設けられた円柱状の胴体部2bと、その胴体部2bの下端に取付けられた筒状のプラグキャップ2cとから構成されている。
【0020】
頭部2aは、胴体部2b及びエンジン側のプラグホール5b内径よりも大径に形成された略円柱状をなす部分である。また、頭部2aの一側面には、後述するエンジン側コネクタ4cに対し、コイル軸方向に嵌合されるコイル側コネクタ2dが側方突出状に設けられている。
【0021】
胴体部2bは、頭部2aよりも小径の円柱状をなしており、エンジン側のプラグホール5b内に挿通される。従って、各点火コイル2は、胴体部2bが保持具4の各遊挿孔4a内に遊挿され且つ頭部2aが保持されるとともに、頭部2a上面がプレート3によって押圧された状態でエンジンヘッドカバー5へ取付けられるのである。
【0022】
プラグキャップ2cは、ゴム等の弾性材料からなる筒状部材である。点火コイル2をプラグホール5b内に挿入することにより、プラグキャップ2cの内周面に点火プラグ上端部が下方から嵌合し、各点火コイル2と各点火プラグとの接続が図られるのである。尚、プラグキャップ2cと胴体部2bとは内側において係合する構造となっており、プラグキャップ2cを軸方向に引っ張っても胴体部2bから抜けないように固定されている。
【0023】
プレート3は、絶縁性樹脂等により形成された細長平板状の部材である。プレート3下面には、各点火コイル頭部2a上面部を個別に収容する略円形の凹部3aが、エンジンの気筒数に対応して4箇所に形成され、各凹部3aの間隔は、エンジン側に形成された各プラグホール5bの間隔と同一に設定されている。また、凹部3a内には、後述する保持具4の係合爪4bが係合される係合孔3b(被係合部)が2箇所に形成されている。
【0024】
また、プレート3の長手方向両端部には、ボルト挿通孔3cがそれぞれ形成され、各ボルト挿通孔3cに挿通された取付け用ボルト3dがエンジンヘッドカバー5のネジ孔5aに螺合することによりプレート3がエンジンヘッドカバー5に固定される。
【0025】
保持具4は、点火コイル胴体部2bが遊挿可能な遊挿孔4aを有するリング状の樹脂製部材である。保持具4の外周部には、遊挿孔4aの中心を挟んで互いに対向する一対の係合爪4b(係合部)が軸方向へ突出するように形成されるとともに、図示しない車載バッテリとコードを介して電気的に接続されたエンジン側コネクタ4cが一体的に設けられている。
【0026】
エンジンヘッドカバー5は、エンジンの上面を覆うように被着される絶縁性樹脂材料からなるカバー部材であり、各点火プラグ6が取付けられた各プラグホール5bがそれぞれ形成されている。さらに、エンジンヘッドカバー5の長手方向両側端部には、プレート3の各ボルト挿通孔3cに対応する位置にネジ孔5aが形成されている。
【0027】
次に、点火コイル集合装置1を構成する各部材の組付け手順について図2を参照しつつ説明する。
【0028】
まず、プレート3の凹部3aが形成された下面側を上に向けて作業スペース上に載置する。続いて、点火コイル2の頭部2a上面を下向きにし、4箇所の凹部3aにそれぞれ点火コイル頭部2a上面を収容させるようにして、各点火コイル2をプレート3上に載置する。そして、保持具4の遊挿孔4aに点火コイル2の胴体部2bを遊挿させ、さらに、保持具4に設けられたエンジン側コネクタ4cをコイル側コネクタ2dに嵌合させる。同時に、各係合爪4bがプレート3の各係合孔3bに係合し、保持具4によって保持された点火コイル2がプレート3に対して固定される。
【0029】
このように組付けた状態において、点火コイル2と保持具4とは、コイル側コネクタ2dとエンジン側コネクタ4cとの嵌合によって相対的に遊び(ガタ)の無い状態で結合される。一方、図3に示すように、プレート3の係合孔3bの幅Wは、保持具4の係合爪4bの厚さTよりも大きく設定されているので、保持具4はプレート3の幅方向に遊びを有する状態でプレート3に取付けられる。また、図2に示すように、プレート3の係合孔3bの長さDは、保持具4の係合爪4bの長さCよりも大きく設定されているので、保持具4はプレート3長手方向において遊びを有する状態でプレート3に取付けられる。さらに、プレート凹部3aの直径Aは、点火コイル頭部2aの直径Bよりも大きく設定され、点火コイル頭部2a上面部はプレート凹部3aに遊びを有する状態で収容されている。
【0030】
従って、点火コイル2は、係合爪4bと係合孔3bとの間の遊び、及び点火コイル頭部2a上面部とプレート凹部3aとの間の遊びを利用して、図2の矢印に示す方向にスライドさせることにより、点火コイル2のプレート3に対する相対位置をコイル軸方向に直交する面内で調整することができる。
【0031】
上述したことから明らかなように、本実施形態によれば、保持具4は、点火コイル2の胴体部2bを遊挿孔4aに遊挿させ且つ頭部2aを保持した状態でプレート3に係止され、点火コイル2はプレート3によってエンジン側へ押圧される。また、点火コイル頭部2aに設けられたコイル側コネクタ2dは、保持具4に一体的に設けられたエンジン側コネクタ4cに接続される。
【0032】
よって、プレート3及び保持具4により点火コイル2をエンジン側へ簡単且つ確実に取付け可能であり、保持具4を取り外すことにより点火コイル2を個別に交換することが可能である。また、コイル側コネクタ2d及び保持具4に一体的に設けられたエンジン側コネクタ4cを介して点火コイル2とエンジン側との電気的接続を容易に図ることができる。
【0033】
また、少なくとも上面部分がプレート凹部3aに収容された点火コイル頭部2aを、点火コイル軸方向に直交する面内でスライドさせることにより、点火コイル2のエンジン側への取付け位置を調整することができる。
【0034】
また、保持具4に設けられた係合部としての係合爪4bとプレート3に設けられた被係合部としての係合孔3bは、点火コイル軸方向に直交する面内で遊びを有する状態で係合するので、保持具4とプレート3との相対位置をスライド調整することにより、点火コイル2のエンジン側への取付け位置を調整することができる。よって、エンジン側のプラグホール5bの間隔(プラグホールピッチ)に誤差があっても、係合爪4bと係合孔3bとの間の遊び、及び点火コイル頭部2a上面部とプレート凹部3aとの間の遊びによって吸収されるため、点火コイル2をプラグホール5bに円滑に挿入し、エンジン側へ装着することができる。
【0035】
また、各点火コイル2を各保持具4を介してプレート3に個別に取付け可能であるとともに、複数の点火コイル2をプレート3を介してエンジン側へ一度に取付けることができる。また、複数の点火コイル2の内、故障等により交換が必要な一部の点火コイル2のみを、保持具4を外すことにより容易に交換することができる。
【0036】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【0037】
例えば、前記実施形態では、保持具4側に係合爪4bを、プレート3側に係合孔3bをそれぞれ設ける構成としたが、保持具4側に係合孔を、プレート3側に係合爪をそれぞれ設ける構成としてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の内燃機関用点火装置によれば、プレート及び保持具により点火コイルをエンジン側へ簡単且つ確実に取付け可能であり、保持具を取り外すことにより点火コイルを個別に交換することが可能であるという効果を奏する。また、コイル側コネクタ及び保持具に一体的に設けられたエンジン側コネクタを介して点火コイルとエンジン側との電気的接続を容易に図ることができるという効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における点火コイル集合装置をエンジン側へ組付けた状態を示す側面図である。
【図2】点火コイル集合装置の分解斜視図である。
【図3】点火コイル集合装置の要部を拡大して示す側面図である。
【図4】従来の点火コイル集合装置の一例を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1…点火コイル集合装置、2…点火コイル、2a…頭部、2b…胴体部、2d…コイル側コネクタ、3…プレート、3a…凹部、3b…係合孔(被係合部)、4…保持具、4a…遊挿孔、4b…係合爪(係合部)、4c…エンジン側コネクタ、5…エンジンヘッドカバー(エンジン側)、5b…プラグホール。

Claims (4)

  1. エンジン側の各プラグホール内に収容される胴体部と、コイル側コネクタが設けられ且つ前記胴体部より大径の頭部とを有する点火コイルと、
    その点火コイルをエンジン側に押圧するプレートと、
    前記点火コイル胴体部を遊挿させる遊挿孔が形成されると共に、前記点火コイル頭部を保持しつつ前記プレートに係止される保持具とを備え、
    前記保持具には、前記コイル側コネクタと電気的に接続されるエンジン側コネクタが一体的に設けられたことを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 前記プレートには、前記点火コイル頭部の少なくとも上面部分を収容する凹部が形成され、その凹部は、前記点火コイル頭部よりも大径に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
  3. 前記保持具は、前記プレートに設けられた被係合部に係合する係合部を有し、前記係合部を前記被係合部とは、点火コイル軸方向に直交する面内で遊びを有する状態で係合することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用点火装置。
  4. 前記プレートは、複数の点火コイルが、前記各点火コイル毎に設けられた前記各保持具を介して取付けられるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の内燃機関用点火装置。
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