JP2004100475A - 内燃機関の過回転防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容量放電型内燃機関用点火装置において、内燃機関の回転速度を、予め設定した、負荷を安定して効率良く稼動させることのできる稼動速度域の上限である稼動上限速度以下に、確実にかつ安定して保つことにより、機関の安全性を高めると共に、内燃機関の効率の良い動作を得る。
【解決手段】容量放電型内燃機関用点火装置において、発電コイルの出力電圧の順電圧分が、継続した点火動作を得ることができる周期検出電圧値に達した時点で得た周期検出信号により回転速度を検出し、この回転速度が設定した稼動上限速度以下では、正常点火動作状態とし、回転速度が稼動上限速度を越えたならば、放電用スイッチング素子を導通状態に維持して失火状態とすると共に、出力電圧の前側逆電圧分が、設定した予備周期検出電圧値に達することにより得た予備周期検出信号により回転速度を検出し、検出した回転速度が稼動上限速度よりも低くなったならば、放電用スイッチング素子の導通状態維持を解除して、正常点火動作状態に復帰させて、過回転の発生を安全にそして確実に防止する。
【選択図】 図8
【解決手段】容量放電型内燃機関用点火装置において、発電コイルの出力電圧の順電圧分が、継続した点火動作を得ることができる周期検出電圧値に達した時点で得た周期検出信号により回転速度を検出し、この回転速度が設定した稼動上限速度以下では、正常点火動作状態とし、回転速度が稼動上限速度を越えたならば、放電用スイッチング素子を導通状態に維持して失火状態とすると共に、出力電圧の前側逆電圧分が、設定した予備周期検出電圧値に達することにより得た予備周期検出信号により回転速度を検出し、検出した回転速度が稼動上限速度よりも低くなったならば、放電用スイッチング素子の導通状態維持を解除して、正常点火動作状態に復帰させて、過回転の発生を安全にそして確実に防止する。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用点火装置、特には容量放電型点火装置における過回転防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関用の容量放電型点火装置の内、点火時期を定めるための信号を発生するパルサコイルを持たない方式の点火装置の過回転防止方法として、内燃機関の回転速度が過回転となったならば、点火装置の点火動作を停止する、すなわち失火状態とするようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載された技術は、容量放電型点火装置の発電コイル(エキサイタコイル)の出力電圧の順電圧分の大きさから、内燃機関の回転速度を検出し、検出された回転速度が、負荷を稼動させるのに適当であると予め設定された、稼動速度範囲の上限値である稼動上限速度以下の時に定常時制御モードとし、反対に稼動上限速度以上の時に過回転防止制御モードとする。
【0004】
定常時制御モードでは、発電コイルが出力電圧の順電圧分を発生する度に充電コンデンサの充電を行い、内燃機関の点火を正常に行わせる。
【0005】
過回転防止制御モードでは、設定した失火期間の間、発電コイルの順電圧分を短絡して点火動作を停止させる失火制御と、設定した点火期間の間、発電コイルの順電圧分の短絡を解除して点火装置による点火動作を復帰させると共に、発電コイルの順電圧分の大きさから回転速度を検出する点火復帰制御とを交互に行なわせ、点火時期の間に検出される回転速度が稼動上限速度以下になった時に、制御モードを定常時制御モードに復帰させる。
【0006】
この構成により、点火期間の間に電機子反作用の影響を受けない発電コイルの順電圧分から、内燃機関の回転速度を安定して検出することができるので、回転速度を稼動上限速度以下に保つ制御を安定に行なわせることができ、また内燃機関の回転速度を検出するためのセンサを特別に設ける必要がないので、構成の簡素化を図ることができる、と云う利点を発揮する。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−173248号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、過回転防止制御モードを、失火制御と点火復帰制御とから構成し、この失火制御と点火復帰制御とを交互に行うものとなっているのであるが、点火復帰制御は、定常時制御モードにおける点火制御と全く同じであるので、失火制御で低下し始めた内燃機関の回転速度を、この点火復帰制御で再び上昇させることになってしまい、内燃機関の回転速度を円滑に低下させることが困難となりがちである、と云う問題があった。
【0009】
また、上記した不都合の発生を無くすべく、回転速度が確実に稼動上限速度以下まで低下するだけの時間幅を失火制御に与えておくことも考えられるが、これでは過回転防止制御モードにおける点火復帰制御の必要性が無くなってしまい、上記した従来技術が成り立たなくなり、この場合、失火状態となった時の回転速度と、点火状態に復帰した時の回転速度との差が大きくなりがちとなり、このため負荷の稼動状態が、速度変動の大きい、円滑性に欠けたものとなる、と云う問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、容量放電型内燃機関用点火装置において、内燃機関の回転速度を、予め設定した、負荷を安定して効率良く稼動させることのできる稼動速度域の上限である稼動上限速度以下に、確実にかつ安定して保つことを技術的課題とし、もって機関の安全性を高めると共に、内燃機関の効率の良い動作を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
二次側に点火栓を接続した点火コイルと、内燃機関により駆動される高圧磁石発電機内の発電コイルと、点火コイルの一次側に設けられて、発電コイルの出力電圧の順電圧分で充電される充電コンデンサと、点火信号の入力により導通して、充電コンデンサの電荷を点火コイルの一次コイルに放電させる放電用スイッチング素子と、を有する容量放電型内燃機関用点火装置における過回転防止方法であること、
発電コイルの出力電圧の順電圧分が、継続した点火動作を得ることができる電圧値として、予め設定した周期検出電圧値に達した点火時期算出開始時点で周期検出信号を発生させ、この隣り合った周期検出信号間の時間により内燃機関の回転速度を検出し、検出した回転速度が、予め設定した稼動上限速度以下では、放電用スイッチング素子を導通・遮断動作させて点火動作を行う正常点火動作状態とすること、
回転速度が稼動上限速度を越えたならば、放電用スイッチング素子を導通維持状態として、点火動作を停止させる失火状態とすると共に、順電圧分の直前に発生する出力電圧の前側逆電圧分が、予め設定した予備周期検出電圧値に達した時点で予備周期検出信号を発生させ、この隣り合った予備周期検出信号間の時間により回転速度を検出し、検出した回転速度が稼動上限速度よりも低くなったならば、放電用スイッチング素子の導通維持状態を解除して、正常点火動作状態に復帰させること、
にある。
【0012】
内燃機関の回転速度が、稼動上限速度を越えると放電用スイッチング素子を導通維持状態として、点火装置を失火状態とするが、この失火状態では、点火動作が停止しているので、内燃機関の回転速度は確実に低下し始めることになり、回転速度が危険域まで上昇するのを確実に防止する。
【0013】
点火装置の失火状態時においても、発電コイルの出力電圧の内、順電圧分の電機子反作用の影響を受けない前側逆電圧分に従って、回転速度を検出しているので、正常点火動作状態時と同様に、内燃機関の回転速度を、常時正確にかつ確実に検出することができ、これにより失火による内燃機関の回転速度の低下程度を、リアルタイムで正確に検出することができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、点火装置を失火状態から正常点火動作状態に復帰させる、稼動上限速度よりも低い速度である点火復帰速度を予め設定しておき、この点火復帰速度を、負荷の稼動に支障を生じさせない範囲で、かつ復帰後、直ぐには稼動上限速度には達することができない値に設定した、ことを加えたものである。
【0015】
この請求項2記載の発明にあっては、点火復帰速度と稼動上限速度との差を、負荷の稼動に支障を生じさせない程度に設定しているので、この速度差は、点火装置が失火状態から正常点火動作状態に復帰した際に、内燃機関の回転動作に大きなムラを生じさせることのない値、すなわちできる限り小さい値となるように設定されている。
【0016】
また、この点火復帰速度と稼動上限速度との差は、回転速度が点火復帰速度となって点火動作が復帰した後、直ぐには稼動上限速度には達することができない値に設定されているので、点火装置の動作状態が、稼動上限速度付近で、失火状態と正常点火動作状態との切り替わりを頻繁に繰り返す、と云う不良動作の発生を確実に防止する。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、予備周期検出電圧値を、出力電圧の前側逆電圧分のピーク値とした、ことを加えたものである。
【0018】
この請求項3記載の発明にあっては、予備周期検出電圧値を、予め具体的な電圧値として設定し、この電圧値を入力電圧値と比較して検出するのではなく、出力電圧の前側逆電圧分の変化を監視し、電圧値の反転変化点を検出すれば良いので、要求される回路構成が簡単であると共に、安定して確実な検出動作を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例を、本発明を実施する回路の一例を示す図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、容量放電型点火回路と組合わさって内燃機関用点火装置を構成する、点火時点制御装置1の具体的な回路構成を示す回路図で、点火時点制御装置1は、定電圧電源部2とマイコン部3と周期信号発生部4と電圧検出部5とから構成されている。
【0021】
点火時点制御装置1が組付けられる容量放電型点火回路は、二次側に点火栓9を接続している点火コイル8と、内燃機関により駆動される高圧磁石発電機を構成する発電コイル6と、点火コイル8の一次側に設けられて、発電コイル6の出力電圧Eの順電圧分e1で充電される充電コンデンサc6と、この充電コンデンサc6の電荷を導通により点火コイル8の一次コイルに放電させる、放電用スイッチング素子7とを有して構成されている。
【0022】
発電コイル6に誘起した出力電圧Eの順電圧分e1は、充電用ダイオードd2を通って充電コンデンサc6に充電され、この充電コンデンサc6に充電された電荷は、放電エネルギー回生用ダイオードd6を逆並列接続し、ゲート安定化抵抗r8を接続したサイリスタである放電用スイッチング素子7のトリガにより点火コイル8の一次コイルに放電され、これにより点火コイル8の二次コイルに高電圧を誘起して点火栓9に火花放電を発生させて、内燃機関を点火動作させる。
【0023】
点火時点制御装置1の定電圧電源部2は、発電コイル6の出力電圧Eの逆電圧分e2(図2参照)を充電して、一定電圧値の出力を、マイコン部3、周期信号発生部4そして電圧検出部5に供給するもので、整流ダイオードd3で整流された発電コイル6の出力電圧Eの逆電圧分e2を、電流制限抵抗r1を通して、過電圧防止用ツェナーダイオード23を並列接続している電源コンデンサc1に充電し、この充電電圧が予め設定された一定電圧値に達すると、ベースに電圧安定化ツェナーダイオード22とベース抵抗r2とを接続した電圧安定化トランジスタ21が導通して、一定電圧を出力する。
【0024】
この定電圧電源部2の一定電圧値は、マイコン部3のマイコン30の動作可能電圧の上限値に近い値、具体的には5Vに設定されており、これにより定電圧出力信号中にサージノイズが侵入したとしても、このサージノイズの影響を受けないようにしている。
【0025】
マイコン部3は、マイコン30とリセットIC32とから構成されていて、定電圧電源部2の出力端子に並列に挿入接続されたリセットIC32は、リセットノイズ除去用コンデンサc3を接続した出力端子を、マイコン30のリセットポートに接続し、定電圧電源部2の出力電圧値が予め設定した一定値に達したことを検出して、マイコン30を立ち上げる。
【0026】
クロック発生器31を組付けたマイコン30は、電源ノイズ除去用コンデンサc2を介して定電圧電源部2から定電圧信号を入力し、点火信号供給用抵抗r3を介して点火信号s4を出力する。
【0027】
周期信号発生部4は、定電圧電源部2から定電圧信号を、波形整形用抵抗r5を介して信号発生トランジスタ40に与えておき、信号発生トランジスタ40のベースに接続された検出ツェナーダイオード41と電圧検出抵抗r4との直列回路により、発電コイル6の出力電圧Eの順電圧分e1が、予め設定した周期検出電圧値v1を越えたならば、信号発生トランジスタ40をオンさせ、この信号発生トランジスタ40と波形整形用抵抗r5との接続点の電位を周期検出信号s1としてマイコン部3に出力する。なお、信号発生トランジスタ40と波形整形用抵抗r5との直列回路には、ノイズ除去用ダイオードd1とノイズ除去用コンデンサc4との直列回路が並列接続されている。
【0028】
電圧検出部5は、内燃機関の回転速度が、稼動上限速度z1を越えていない正常点火動作状態では、発電コイル6の出力電圧Eの後側逆電圧分e2を、電圧設定用分圧抵抗r6とr7との直列回路に加え、両電圧設定用分圧抵抗r6、r7の分圧点の電圧を電圧信号s6として、マイコン部3に出力する。なお、両電圧設定用分圧抵抗r6、r7の分圧点とアースとの間には、ノイズ除去用コンデンサc5を接続している。
【0029】
また、この電圧検出部5は、内燃機関の回転速度が、稼動上限速度z1を越えた失火状態では、発電コイル6の出力電圧Eの前側逆電圧分e2から得た電圧信号s6をマイコン部3に出力する。
【0030】
周期信号発生部4で設定した周期検出電圧値v1は、内燃機関を安定して起動させることができる回転速度域になって得られる順電圧分e1の値に従って、例えば40V程度に設定されるが、この順電圧分e1の値が周期検出電圧値v1に達するのと前後して、定電圧電源部2の定電圧出力信号が出力されるので、周期検出信号s1の出力とほぼ同時にマイコン30が立ち上げられる。
【0031】
マイコン30は、周期検出信号s1が入力されると、この入力時点を点火時期算出開始時点t1として、次の点火時期算出開始時点t1までの時間を測定して回転速度を演算し、この演算した回転速度に対応した点火時期を、予め記憶した多数のデータの中から選定して、この次の点火時期算出開始時点t1が位置するサイクルの点火時期演算信号s5を作成する。
【0032】
また、マイコン30は、正常点火動作状態にあっては、電圧検出部5から電圧信号s6が入力されると、これをA/Dコンバータに入力し、後側逆電圧分e2の電圧値がピーク電圧値v2に達したことを検出するピーク電圧検出信号s2と、キックバックエリアの外の内燃機関の上死点にできる限り近く位置し、かつ確実に検出できる値、例えば0.3Vに設定された起動電圧値v3に達したことを検出する起動電圧検出信号s3とを作成する。
【0033】
そして、マイコン部30は、失火状態にあっては、電圧検出部5から前側逆電圧分e2による電圧信号s6が入力されると、これをA/Dコンバータに入力して前側逆電圧分e2の電圧値がピーク値である予備周期検出電圧値v4に達したことを検出する予備周期検出信号s7を作成する。
【0034】
次に、点火装置の動作を、起動時から順に説明する。
内燃機関を回転させて、定電圧電源部2から一定電圧が出力されると、これをリセットIC32が検知して、マイコン30を、そのリセットを解除して立ち上げるので、マイコン30は、初期設定を行ってから待機状態に入る。
【0035】
この状態から(以下、図2参照)、最初の周期検出信号s1が入力されると、これに従って直後に入力される電圧信号s6から、予め設定した起動電圧値v3を検出して起動電圧検出信号s3を発生させ、この起動電圧検出信号s3の発生に従って、直ちに点火信号s4を点火回路の放電用スイッチング素子7に出力して点火動作を行い、すなわち起動電圧検出信号s3の発生時点である起動時点t2で点火動作を行い、内燃機関を安全にかつ確実に起動させる。
【0036】
この点火時点を起動時点t2とした点火動作は、キックバックを起こすことなく安全にかつ確実に行われるので、回転動作が必ずしも安定しない起動し始めの時期、すなわち起動時期には、点火時点を起動時点t2にして運転する。
【0037】
起動時期経過後の、予め速度設定した下限速度x(例えば、1500rpm)以下の速度域では、図3に示すように、同じサイクルの点火時期演算信号s5で得られた点火時期を、ピーク検出時点t3の直後からカウントし、このカウント後に点火信号s4を出力する。
【0038】
このように、フライホイール効果が充分に発揮されないと共に、内燃機関の回転が必ずしも安定しない、内燃機関の回転速度が下限速度x以下の速度域では、算出した点火時期をピーク検出時点t3の直後からカウントして点火時点を設定することにより、例え内燃機関の回転動作が不安定となって、そのサイクルの周期が長くなっても、点火時点が内燃機関の上死点に対して大きく進角することはなく、これにより内燃機関は確実に点火動作を持続することになる。
【0039】
内燃機関の回転速度が、回転動作が安定する下限速度xから、負荷を結合しても良い速度として予め設定した待機速度y(例えば、4000rpm)までの速度範囲(アイドリング範囲)に上昇したならば、図4に示すように、ピーク電圧値v2を検出したピーク電圧検出信号s2が出力されるピーク検出時点t3の直ぐ後に、点火信号s4を出力する。
【0040】
この、下限速度xから待機速度yまでの速度範囲では、点火時点はピーク検出時点t3の直ぐ後となるのであるが、この“ピーク検出時点t3の直ぐ後”とは、“ピーク電圧検出を確認してから”を意味しており、この確認処理は、回転速度が低いほど長くなるように設定し、これによりこの速度範囲での点火時期のわずかな進角を得るようにしている。
【0041】
内燃機関の回転速度が、負荷を結合しても良い待機速度yから、負荷の効率の良い稼動を得ることのできるほぼ上限である、予め設定された稼動速度z(例えば、8000rpm)までの速度範囲では、図5に示すように、前回の周期検出信号s1の入力時点である点火時期算出開始時点t1から今回の点火時期算出開始時点t1までの時間から、この今回の点火時期算出開始時点t1での回転速度を算出し、この算出した回転速度に対応して予め設定記憶させた点火時期信号を選定する点火時期演算信号s5を得、この点火時期演算信号s5で得た点火時期信号を今回の点火時期算出開始時点t1からカウントし、点火時期信号の時間経過後に点火信号s4を出力する。
【0042】
この待機速度yから稼動速度zまでの速度範囲域にあっては、各回転速度に最も適合した進角が得られるので、内燃機関の出力は充分に高められ、結合した負荷の効率の良い稼動を得ることができる。
【0043】
内燃機関の回転速度が、稼動速度zを越えて高速域に上昇すると、図6に示すように、点火時期演算信号s5が、得られた点火時期信号よりもその時間が長くなり、このため点火信号s4を得ることができなくなるので、前のサイクルの点火時期演算信号s5で得られた点火時期信号を、そのまま次のサイクルで使用する。
【0044】
この高速域まで上昇した内燃機関の回転速度がさらに上昇して、負荷を安全に稼動させることのできる上限として、予め設定した稼動上限速度z1(例えば、15000rpm)(図8(c)参照)を越えると、これをマイコン30が検出して過回転状態と判断して、直ちに放電用スイッチング素子7を導通状態に維持すべく点火信号s4の出力を継続(図8(d)参照)させて、内燃機関を失火状態とし、また出力電圧Eの前側逆電圧分e2から得られる電圧信号s6のピーク電圧である予備周期検出電圧値v4を検出して、予備周期検出信号s7(図8(b)参照)を出力し、隣接した予備周期検出信号s7間の時間の計測から回転速度を検出する。
【0045】
この隣接した予備周期検出信号s7から検出された回転速度が、稼動上限速度z1よりのわずかに低い速度として、予め設定した点火復帰速度z2(例えば、14900rpm)(図8(c)参照)まで低下したならば、回転速度が正常回転速度範囲(待機速度yから稼動上限速度z1までの範囲)に復帰したと判断して、点火信号s4の出力の継続(図8(d)参照)を停止すると共に、回転速度の検出を、周期検出信号s1による通常の周期計測に復帰させる。
【0046】
すなわち、マイコン30による点火信号s4の制御は、図7のフローチャート図に示すように、正常回転速度範囲にあっては、ステップp1で初期設定を完了した状態から、ステップp2で、周期検出信号s1により通常の周期計測を行って回転速度を検出し、この検出した回転速度が過回転か否か、すなわち予め設定した稼動上限速度z1を越えているか否かをステップp3で判断する。
【0047】
回転速度が過回転ではないと判断されたならば、ステップp4に進んで、点火時期演算信号s5により点火時期信号を発生させ、この点火時期信号によりステップp5で点火信号s4を出力して点火動作を行う。
【0048】
ステップp5を行った後、直ちにステップp6により点火信号s4をオフさせるための点火信号オフタイマをセットし、ステップp7で、この点火信号オフタイマでセットされた時間がタイムアップしたか否かを監視し、タイムアップしたならばステップp8で点火信号s4をオフして、ステップp2に戻り、以下、点火の度にこのフローを繰り返して、正常回転速度範囲での点火動作を行う。
【0049】
ステップp3で過回転と判断された過回転範囲にあっては、最初だけはステップp9とステップp10において、ステップp4とステップp5における処理と同じ処理を行って点火信号s4を出力した後、ステップp11で出力電圧Eの前側逆電圧分e2に従った電圧信号s6から予備周期検出信号s7を発生させる。
【0050】
次いで、ステップp12で、予備周期検出信号s7の、予め設定されたピーク値である予備周期検出電圧値v4の検出が行われ、この予備周期検出電圧値v4が検出されたならば、ステップp13で、隣合った予備周期検出信号s7間の周期計測、すなわち回転速度検出を行い、ステップp14で、この検出結果と、稼動上限速度z1よりもわずかに低い速度値に予め設定された点火復帰速度z2とを比較して、内燃機関の回転速度が正常回転速度範囲に復帰しているか否かを判断する。
【0051】
ステップp14における判断が“NO”である場合は、ステップp12に戻り、再び予備周期検出信号s7による回転速度検出を行うが、予備周期検出信号s7による回転速度検出動作は、点火信号s4が出力された(ステップp10で)ままの状態で行われるので、予備周期検出信号s7による回転速度検出動作が行われている間は、内燃機関は失火状態となっている。
【0052】
ステップp14での判断が“YES”である場合には、ステップp8に進んで点火信号s4をオフして、正常点火動作状態に復帰する。
【0053】
この失火状態から正常点火動作状態に復帰した最初のサイクルにおいては、復帰後の最初のサイクルであることを示すフラグに従って、予め記憶させておいた、適当と思われる回転速度、例えば点火復帰速度z2に対応した点火時期信号を取り出し、この点火時期信号に従って点火信号s4を出力するが、次のサイクルからは通常の周期計測を行って点火動作を行う。
【0054】
図8は、稼動上限速度z1付近における、出力電圧E、予備周期検出信号s7、速度制御特性そして点火信号s4の動作状態を示すもので、図8(a)に示す出力電圧波形線図と、図8(b)に示す予備周期検出信号波形線図と、そして図8(d)に示す点火信号波形線図とから明らかなように、“イ”の順電圧分e1の発生により回転速度が過回転となったことを検出した後、次の“ロ”の順電圧分e1の発生に対して出力された点火信号s4を出力させたままとすると共に、予備周期検出信号s7を出力させる。
【0055】
このため、“ロ”の順電圧分e1のサイクル直後のサイクルにおいて初めて失火状態となり、回転速度は、この失火したサイクル辺りから低下しだし、図8(c)の速度制御特性線hに示すように、点火復帰速度z2まで低下したところで、これを予備周期検出信号s7の2番目と3番目との間での期間計測により検出して、直ちに点火信号s4をオフし、正常点火動作状態に復帰すると共に、予め記憶してある点火時期信号に従って、復帰後の最初の点火動作を行う。
【0056】
なお、図8に示した線図は、内燃機関のアクセル状態、および結合された負荷を不変に保持して運転して得たものであるので、内燃機関は、稼動上限速度z1と点火復帰速度z2との間で減速と増速とを繰り返す運転状態となり、これにより内燃機関の回転速度の上限を規制するリミッター作用を発揮する。
【0057】
稼動上限速度z1は、内燃機関および負荷の稼動が危険となる危険速度よりも、余裕を持って低い値に設定されているので、回転速度が点火復帰速度z2と稼動上限速度z1との間で増減する状態で、負荷の稼動を継続させても危険はないのであるが、失火による回転速度の低下は、確実にそして容易に感知することができるものであるので、回転速度の低下により内燃機関の失火を感知したならば、速やかにアクセルを絞るとか、負荷を軽減させる等して、負荷の効率のよう稼動状態を得るようにするのが望ましい。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、失火、すなわち点火動作の停止により内燃機関の回転速度を低下させて過回転発生を防止するので、過回転防止効果を確実に得ることができ、また上記した失火は、充電コンデンサを充電させないことにより得ているので、充電コンデンサの過充電により、不都合な点火動作が発生すると云う恐れがなく、安全な過回転防止作用を得ることができる。
【0059】
また、点火装置の失火状態時であっても、出力電圧の順電圧分の電機子反作用の影響を受けない、出力電圧の前側逆電圧分により回転速度を検出するので、正常点火動作状態時と同様に、回転速度を常時正確にかつ確実に検出することができ、これにより失火による回転速度の低下程度を、リアルタイムに知ることができ、もって目標回転速度域までの失火による速やかな減速と、目標回転速度域までの減速が達成されたならば、速やかに正常回転動作状態に復帰すると云う、良好な過回転防止動作を得ることができる。
【0060】
請求項2記載の発明にあっては、失火状態から正常点火動作状態への復帰に、適当なヒステリシスを与えているので、この正常点火動作状態と失火状態との切り替わりに伴う回転速度の変化を、円滑なものとすることができる。
【0061】
請求項3記載の発明にあっては、予備周期検出電圧値を検出するための回路手段の構成を、きわめて簡単のものとすることができると共に、予備周期検出電圧値を確実に検出することができ、これにより失火状態時における内燃機関の回転速度の検出を、安定して確実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する点火時点制御装置の回路構成の一例を示す、電気回路図。
【図2】内燃機関の起動時における点火動作例を示す、動作線図。
【図3】同、下限速度以下の速度域における点火動作例を示す、動作線図。
【図4】同、下限速度から待機速度までの範囲の点火動作例を示す、動作線図。
【図5】同、待機速度から稼動速度までの範囲の点火動作例を示す、動作線図。
【図6】同、稼動速度以上の速度域における点火動作例を示す、動作線図。
【図7】本発明による内燃機関の点火動作制御の一例を示す、フロー図。
【図8】本発明による過回転防止動作の一例を示す、動作線図。
【符号の説明】
1 ; 点火時点制御装置
2 ; 定電圧電源部
21; 電圧安定化トランジスタ
22; 電圧安定化ツェナーダイオード
23; 過電圧防止用ツェナーダイオード
c1; 電源コンデンサ
r1; 電流制限抵抗
r2; ベース抵抗
3 ; マイコン部
30; マイコン
31; クロック発生器
32; リセットIC
c2; 電源ノイズ除去用コンデンサ
c3; リセットノイズ除去用コンデンサ
r3; 点火信号供給用抵抗
4 ; 周期信号発生部
40; 信号発生トランジスタ
41; 検出ツェナーダイオード
r4; 電圧検出抵抗
r5; 波形整形用抵抗
d1; ノイズ除去用ダイオード
c4; ノイズ除去用コンデンサ
5 ; 電圧検出部
r6; 電圧設定用分圧抵抗
r7; 電圧設定用分圧抵抗
c5; ノイズ除去用コンデンサ
6 ; 発電コイル
7 ; 放電用スイッチング素子
8 ; 点火コイル
9 ; 点火栓
c6; 充電コンデンサ
d2; 充電用ダイオード
d3; 整流ダイオード
d4; 整流ダイオード
d5; 整流ダイオード
d6; 放電エネルギー回生用ダイオード
r8; ゲート安定化抵抗
E ; 出力電圧
e1; 順電圧分
e2; 逆電圧分
v1; 周期検出電圧値
v2; ピーク電圧値
v3; 起動電圧値
v4; 予備周期検出電圧値
s1; 周期検出信号
s2; ピーク電圧検出信号
s3; 起動電圧検出信号
s4; 点火信号
s5; 点火時期演算信号
s6; 電圧信号
s7; 予備周期検出信号
t1; 点火時期算出開始時点
t2; 起動時点
t3; ピーク検出時点
x ; 下限速度
y ; 待機速度
z ; 稼動速度
z1; 稼動上限速度
z2; 点火復帰速度
h ; 速度制御特性線
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用点火装置、特には容量放電型点火装置における過回転防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関用の容量放電型点火装置の内、点火時期を定めるための信号を発生するパルサコイルを持たない方式の点火装置の過回転防止方法として、内燃機関の回転速度が過回転となったならば、点火装置の点火動作を停止する、すなわち失火状態とするようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載された技術は、容量放電型点火装置の発電コイル(エキサイタコイル)の出力電圧の順電圧分の大きさから、内燃機関の回転速度を検出し、検出された回転速度が、負荷を稼動させるのに適当であると予め設定された、稼動速度範囲の上限値である稼動上限速度以下の時に定常時制御モードとし、反対に稼動上限速度以上の時に過回転防止制御モードとする。
【0004】
定常時制御モードでは、発電コイルが出力電圧の順電圧分を発生する度に充電コンデンサの充電を行い、内燃機関の点火を正常に行わせる。
【0005】
過回転防止制御モードでは、設定した失火期間の間、発電コイルの順電圧分を短絡して点火動作を停止させる失火制御と、設定した点火期間の間、発電コイルの順電圧分の短絡を解除して点火装置による点火動作を復帰させると共に、発電コイルの順電圧分の大きさから回転速度を検出する点火復帰制御とを交互に行なわせ、点火時期の間に検出される回転速度が稼動上限速度以下になった時に、制御モードを定常時制御モードに復帰させる。
【0006】
この構成により、点火期間の間に電機子反作用の影響を受けない発電コイルの順電圧分から、内燃機関の回転速度を安定して検出することができるので、回転速度を稼動上限速度以下に保つ制御を安定に行なわせることができ、また内燃機関の回転速度を検出するためのセンサを特別に設ける必要がないので、構成の簡素化を図ることができる、と云う利点を発揮する。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−173248号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、過回転防止制御モードを、失火制御と点火復帰制御とから構成し、この失火制御と点火復帰制御とを交互に行うものとなっているのであるが、点火復帰制御は、定常時制御モードにおける点火制御と全く同じであるので、失火制御で低下し始めた内燃機関の回転速度を、この点火復帰制御で再び上昇させることになってしまい、内燃機関の回転速度を円滑に低下させることが困難となりがちである、と云う問題があった。
【0009】
また、上記した不都合の発生を無くすべく、回転速度が確実に稼動上限速度以下まで低下するだけの時間幅を失火制御に与えておくことも考えられるが、これでは過回転防止制御モードにおける点火復帰制御の必要性が無くなってしまい、上記した従来技術が成り立たなくなり、この場合、失火状態となった時の回転速度と、点火状態に復帰した時の回転速度との差が大きくなりがちとなり、このため負荷の稼動状態が、速度変動の大きい、円滑性に欠けたものとなる、と云う問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、容量放電型内燃機関用点火装置において、内燃機関の回転速度を、予め設定した、負荷を安定して効率良く稼動させることのできる稼動速度域の上限である稼動上限速度以下に、確実にかつ安定して保つことを技術的課題とし、もって機関の安全性を高めると共に、内燃機関の効率の良い動作を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
二次側に点火栓を接続した点火コイルと、内燃機関により駆動される高圧磁石発電機内の発電コイルと、点火コイルの一次側に設けられて、発電コイルの出力電圧の順電圧分で充電される充電コンデンサと、点火信号の入力により導通して、充電コンデンサの電荷を点火コイルの一次コイルに放電させる放電用スイッチング素子と、を有する容量放電型内燃機関用点火装置における過回転防止方法であること、
発電コイルの出力電圧の順電圧分が、継続した点火動作を得ることができる電圧値として、予め設定した周期検出電圧値に達した点火時期算出開始時点で周期検出信号を発生させ、この隣り合った周期検出信号間の時間により内燃機関の回転速度を検出し、検出した回転速度が、予め設定した稼動上限速度以下では、放電用スイッチング素子を導通・遮断動作させて点火動作を行う正常点火動作状態とすること、
回転速度が稼動上限速度を越えたならば、放電用スイッチング素子を導通維持状態として、点火動作を停止させる失火状態とすると共に、順電圧分の直前に発生する出力電圧の前側逆電圧分が、予め設定した予備周期検出電圧値に達した時点で予備周期検出信号を発生させ、この隣り合った予備周期検出信号間の時間により回転速度を検出し、検出した回転速度が稼動上限速度よりも低くなったならば、放電用スイッチング素子の導通維持状態を解除して、正常点火動作状態に復帰させること、
にある。
【0012】
内燃機関の回転速度が、稼動上限速度を越えると放電用スイッチング素子を導通維持状態として、点火装置を失火状態とするが、この失火状態では、点火動作が停止しているので、内燃機関の回転速度は確実に低下し始めることになり、回転速度が危険域まで上昇するのを確実に防止する。
【0013】
点火装置の失火状態時においても、発電コイルの出力電圧の内、順電圧分の電機子反作用の影響を受けない前側逆電圧分に従って、回転速度を検出しているので、正常点火動作状態時と同様に、内燃機関の回転速度を、常時正確にかつ確実に検出することができ、これにより失火による内燃機関の回転速度の低下程度を、リアルタイムで正確に検出することができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、点火装置を失火状態から正常点火動作状態に復帰させる、稼動上限速度よりも低い速度である点火復帰速度を予め設定しておき、この点火復帰速度を、負荷の稼動に支障を生じさせない範囲で、かつ復帰後、直ぐには稼動上限速度には達することができない値に設定した、ことを加えたものである。
【0015】
この請求項2記載の発明にあっては、点火復帰速度と稼動上限速度との差を、負荷の稼動に支障を生じさせない程度に設定しているので、この速度差は、点火装置が失火状態から正常点火動作状態に復帰した際に、内燃機関の回転動作に大きなムラを生じさせることのない値、すなわちできる限り小さい値となるように設定されている。
【0016】
また、この点火復帰速度と稼動上限速度との差は、回転速度が点火復帰速度となって点火動作が復帰した後、直ぐには稼動上限速度には達することができない値に設定されているので、点火装置の動作状態が、稼動上限速度付近で、失火状態と正常点火動作状態との切り替わりを頻繁に繰り返す、と云う不良動作の発生を確実に防止する。
【0017】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、予備周期検出電圧値を、出力電圧の前側逆電圧分のピーク値とした、ことを加えたものである。
【0018】
この請求項3記載の発明にあっては、予備周期検出電圧値を、予め具体的な電圧値として設定し、この電圧値を入力電圧値と比較して検出するのではなく、出力電圧の前側逆電圧分の変化を監視し、電圧値の反転変化点を検出すれば良いので、要求される回路構成が簡単であると共に、安定して確実な検出動作を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例を、本発明を実施する回路の一例を示す図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、容量放電型点火回路と組合わさって内燃機関用点火装置を構成する、点火時点制御装置1の具体的な回路構成を示す回路図で、点火時点制御装置1は、定電圧電源部2とマイコン部3と周期信号発生部4と電圧検出部5とから構成されている。
【0021】
点火時点制御装置1が組付けられる容量放電型点火回路は、二次側に点火栓9を接続している点火コイル8と、内燃機関により駆動される高圧磁石発電機を構成する発電コイル6と、点火コイル8の一次側に設けられて、発電コイル6の出力電圧Eの順電圧分e1で充電される充電コンデンサc6と、この充電コンデンサc6の電荷を導通により点火コイル8の一次コイルに放電させる、放電用スイッチング素子7とを有して構成されている。
【0022】
発電コイル6に誘起した出力電圧Eの順電圧分e1は、充電用ダイオードd2を通って充電コンデンサc6に充電され、この充電コンデンサc6に充電された電荷は、放電エネルギー回生用ダイオードd6を逆並列接続し、ゲート安定化抵抗r8を接続したサイリスタである放電用スイッチング素子7のトリガにより点火コイル8の一次コイルに放電され、これにより点火コイル8の二次コイルに高電圧を誘起して点火栓9に火花放電を発生させて、内燃機関を点火動作させる。
【0023】
点火時点制御装置1の定電圧電源部2は、発電コイル6の出力電圧Eの逆電圧分e2(図2参照)を充電して、一定電圧値の出力を、マイコン部3、周期信号発生部4そして電圧検出部5に供給するもので、整流ダイオードd3で整流された発電コイル6の出力電圧Eの逆電圧分e2を、電流制限抵抗r1を通して、過電圧防止用ツェナーダイオード23を並列接続している電源コンデンサc1に充電し、この充電電圧が予め設定された一定電圧値に達すると、ベースに電圧安定化ツェナーダイオード22とベース抵抗r2とを接続した電圧安定化トランジスタ21が導通して、一定電圧を出力する。
【0024】
この定電圧電源部2の一定電圧値は、マイコン部3のマイコン30の動作可能電圧の上限値に近い値、具体的には5Vに設定されており、これにより定電圧出力信号中にサージノイズが侵入したとしても、このサージノイズの影響を受けないようにしている。
【0025】
マイコン部3は、マイコン30とリセットIC32とから構成されていて、定電圧電源部2の出力端子に並列に挿入接続されたリセットIC32は、リセットノイズ除去用コンデンサc3を接続した出力端子を、マイコン30のリセットポートに接続し、定電圧電源部2の出力電圧値が予め設定した一定値に達したことを検出して、マイコン30を立ち上げる。
【0026】
クロック発生器31を組付けたマイコン30は、電源ノイズ除去用コンデンサc2を介して定電圧電源部2から定電圧信号を入力し、点火信号供給用抵抗r3を介して点火信号s4を出力する。
【0027】
周期信号発生部4は、定電圧電源部2から定電圧信号を、波形整形用抵抗r5を介して信号発生トランジスタ40に与えておき、信号発生トランジスタ40のベースに接続された検出ツェナーダイオード41と電圧検出抵抗r4との直列回路により、発電コイル6の出力電圧Eの順電圧分e1が、予め設定した周期検出電圧値v1を越えたならば、信号発生トランジスタ40をオンさせ、この信号発生トランジスタ40と波形整形用抵抗r5との接続点の電位を周期検出信号s1としてマイコン部3に出力する。なお、信号発生トランジスタ40と波形整形用抵抗r5との直列回路には、ノイズ除去用ダイオードd1とノイズ除去用コンデンサc4との直列回路が並列接続されている。
【0028】
電圧検出部5は、内燃機関の回転速度が、稼動上限速度z1を越えていない正常点火動作状態では、発電コイル6の出力電圧Eの後側逆電圧分e2を、電圧設定用分圧抵抗r6とr7との直列回路に加え、両電圧設定用分圧抵抗r6、r7の分圧点の電圧を電圧信号s6として、マイコン部3に出力する。なお、両電圧設定用分圧抵抗r6、r7の分圧点とアースとの間には、ノイズ除去用コンデンサc5を接続している。
【0029】
また、この電圧検出部5は、内燃機関の回転速度が、稼動上限速度z1を越えた失火状態では、発電コイル6の出力電圧Eの前側逆電圧分e2から得た電圧信号s6をマイコン部3に出力する。
【0030】
周期信号発生部4で設定した周期検出電圧値v1は、内燃機関を安定して起動させることができる回転速度域になって得られる順電圧分e1の値に従って、例えば40V程度に設定されるが、この順電圧分e1の値が周期検出電圧値v1に達するのと前後して、定電圧電源部2の定電圧出力信号が出力されるので、周期検出信号s1の出力とほぼ同時にマイコン30が立ち上げられる。
【0031】
マイコン30は、周期検出信号s1が入力されると、この入力時点を点火時期算出開始時点t1として、次の点火時期算出開始時点t1までの時間を測定して回転速度を演算し、この演算した回転速度に対応した点火時期を、予め記憶した多数のデータの中から選定して、この次の点火時期算出開始時点t1が位置するサイクルの点火時期演算信号s5を作成する。
【0032】
また、マイコン30は、正常点火動作状態にあっては、電圧検出部5から電圧信号s6が入力されると、これをA/Dコンバータに入力し、後側逆電圧分e2の電圧値がピーク電圧値v2に達したことを検出するピーク電圧検出信号s2と、キックバックエリアの外の内燃機関の上死点にできる限り近く位置し、かつ確実に検出できる値、例えば0.3Vに設定された起動電圧値v3に達したことを検出する起動電圧検出信号s3とを作成する。
【0033】
そして、マイコン部30は、失火状態にあっては、電圧検出部5から前側逆電圧分e2による電圧信号s6が入力されると、これをA/Dコンバータに入力して前側逆電圧分e2の電圧値がピーク値である予備周期検出電圧値v4に達したことを検出する予備周期検出信号s7を作成する。
【0034】
次に、点火装置の動作を、起動時から順に説明する。
内燃機関を回転させて、定電圧電源部2から一定電圧が出力されると、これをリセットIC32が検知して、マイコン30を、そのリセットを解除して立ち上げるので、マイコン30は、初期設定を行ってから待機状態に入る。
【0035】
この状態から(以下、図2参照)、最初の周期検出信号s1が入力されると、これに従って直後に入力される電圧信号s6から、予め設定した起動電圧値v3を検出して起動電圧検出信号s3を発生させ、この起動電圧検出信号s3の発生に従って、直ちに点火信号s4を点火回路の放電用スイッチング素子7に出力して点火動作を行い、すなわち起動電圧検出信号s3の発生時点である起動時点t2で点火動作を行い、内燃機関を安全にかつ確実に起動させる。
【0036】
この点火時点を起動時点t2とした点火動作は、キックバックを起こすことなく安全にかつ確実に行われるので、回転動作が必ずしも安定しない起動し始めの時期、すなわち起動時期には、点火時点を起動時点t2にして運転する。
【0037】
起動時期経過後の、予め速度設定した下限速度x(例えば、1500rpm)以下の速度域では、図3に示すように、同じサイクルの点火時期演算信号s5で得られた点火時期を、ピーク検出時点t3の直後からカウントし、このカウント後に点火信号s4を出力する。
【0038】
このように、フライホイール効果が充分に発揮されないと共に、内燃機関の回転が必ずしも安定しない、内燃機関の回転速度が下限速度x以下の速度域では、算出した点火時期をピーク検出時点t3の直後からカウントして点火時点を設定することにより、例え内燃機関の回転動作が不安定となって、そのサイクルの周期が長くなっても、点火時点が内燃機関の上死点に対して大きく進角することはなく、これにより内燃機関は確実に点火動作を持続することになる。
【0039】
内燃機関の回転速度が、回転動作が安定する下限速度xから、負荷を結合しても良い速度として予め設定した待機速度y(例えば、4000rpm)までの速度範囲(アイドリング範囲)に上昇したならば、図4に示すように、ピーク電圧値v2を検出したピーク電圧検出信号s2が出力されるピーク検出時点t3の直ぐ後に、点火信号s4を出力する。
【0040】
この、下限速度xから待機速度yまでの速度範囲では、点火時点はピーク検出時点t3の直ぐ後となるのであるが、この“ピーク検出時点t3の直ぐ後”とは、“ピーク電圧検出を確認してから”を意味しており、この確認処理は、回転速度が低いほど長くなるように設定し、これによりこの速度範囲での点火時期のわずかな進角を得るようにしている。
【0041】
内燃機関の回転速度が、負荷を結合しても良い待機速度yから、負荷の効率の良い稼動を得ることのできるほぼ上限である、予め設定された稼動速度z(例えば、8000rpm)までの速度範囲では、図5に示すように、前回の周期検出信号s1の入力時点である点火時期算出開始時点t1から今回の点火時期算出開始時点t1までの時間から、この今回の点火時期算出開始時点t1での回転速度を算出し、この算出した回転速度に対応して予め設定記憶させた点火時期信号を選定する点火時期演算信号s5を得、この点火時期演算信号s5で得た点火時期信号を今回の点火時期算出開始時点t1からカウントし、点火時期信号の時間経過後に点火信号s4を出力する。
【0042】
この待機速度yから稼動速度zまでの速度範囲域にあっては、各回転速度に最も適合した進角が得られるので、内燃機関の出力は充分に高められ、結合した負荷の効率の良い稼動を得ることができる。
【0043】
内燃機関の回転速度が、稼動速度zを越えて高速域に上昇すると、図6に示すように、点火時期演算信号s5が、得られた点火時期信号よりもその時間が長くなり、このため点火信号s4を得ることができなくなるので、前のサイクルの点火時期演算信号s5で得られた点火時期信号を、そのまま次のサイクルで使用する。
【0044】
この高速域まで上昇した内燃機関の回転速度がさらに上昇して、負荷を安全に稼動させることのできる上限として、予め設定した稼動上限速度z1(例えば、15000rpm)(図8(c)参照)を越えると、これをマイコン30が検出して過回転状態と判断して、直ちに放電用スイッチング素子7を導通状態に維持すべく点火信号s4の出力を継続(図8(d)参照)させて、内燃機関を失火状態とし、また出力電圧Eの前側逆電圧分e2から得られる電圧信号s6のピーク電圧である予備周期検出電圧値v4を検出して、予備周期検出信号s7(図8(b)参照)を出力し、隣接した予備周期検出信号s7間の時間の計測から回転速度を検出する。
【0045】
この隣接した予備周期検出信号s7から検出された回転速度が、稼動上限速度z1よりのわずかに低い速度として、予め設定した点火復帰速度z2(例えば、14900rpm)(図8(c)参照)まで低下したならば、回転速度が正常回転速度範囲(待機速度yから稼動上限速度z1までの範囲)に復帰したと判断して、点火信号s4の出力の継続(図8(d)参照)を停止すると共に、回転速度の検出を、周期検出信号s1による通常の周期計測に復帰させる。
【0046】
すなわち、マイコン30による点火信号s4の制御は、図7のフローチャート図に示すように、正常回転速度範囲にあっては、ステップp1で初期設定を完了した状態から、ステップp2で、周期検出信号s1により通常の周期計測を行って回転速度を検出し、この検出した回転速度が過回転か否か、すなわち予め設定した稼動上限速度z1を越えているか否かをステップp3で判断する。
【0047】
回転速度が過回転ではないと判断されたならば、ステップp4に進んで、点火時期演算信号s5により点火時期信号を発生させ、この点火時期信号によりステップp5で点火信号s4を出力して点火動作を行う。
【0048】
ステップp5を行った後、直ちにステップp6により点火信号s4をオフさせるための点火信号オフタイマをセットし、ステップp7で、この点火信号オフタイマでセットされた時間がタイムアップしたか否かを監視し、タイムアップしたならばステップp8で点火信号s4をオフして、ステップp2に戻り、以下、点火の度にこのフローを繰り返して、正常回転速度範囲での点火動作を行う。
【0049】
ステップp3で過回転と判断された過回転範囲にあっては、最初だけはステップp9とステップp10において、ステップp4とステップp5における処理と同じ処理を行って点火信号s4を出力した後、ステップp11で出力電圧Eの前側逆電圧分e2に従った電圧信号s6から予備周期検出信号s7を発生させる。
【0050】
次いで、ステップp12で、予備周期検出信号s7の、予め設定されたピーク値である予備周期検出電圧値v4の検出が行われ、この予備周期検出電圧値v4が検出されたならば、ステップp13で、隣合った予備周期検出信号s7間の周期計測、すなわち回転速度検出を行い、ステップp14で、この検出結果と、稼動上限速度z1よりもわずかに低い速度値に予め設定された点火復帰速度z2とを比較して、内燃機関の回転速度が正常回転速度範囲に復帰しているか否かを判断する。
【0051】
ステップp14における判断が“NO”である場合は、ステップp12に戻り、再び予備周期検出信号s7による回転速度検出を行うが、予備周期検出信号s7による回転速度検出動作は、点火信号s4が出力された(ステップp10で)ままの状態で行われるので、予備周期検出信号s7による回転速度検出動作が行われている間は、内燃機関は失火状態となっている。
【0052】
ステップp14での判断が“YES”である場合には、ステップp8に進んで点火信号s4をオフして、正常点火動作状態に復帰する。
【0053】
この失火状態から正常点火動作状態に復帰した最初のサイクルにおいては、復帰後の最初のサイクルであることを示すフラグに従って、予め記憶させておいた、適当と思われる回転速度、例えば点火復帰速度z2に対応した点火時期信号を取り出し、この点火時期信号に従って点火信号s4を出力するが、次のサイクルからは通常の周期計測を行って点火動作を行う。
【0054】
図8は、稼動上限速度z1付近における、出力電圧E、予備周期検出信号s7、速度制御特性そして点火信号s4の動作状態を示すもので、図8(a)に示す出力電圧波形線図と、図8(b)に示す予備周期検出信号波形線図と、そして図8(d)に示す点火信号波形線図とから明らかなように、“イ”の順電圧分e1の発生により回転速度が過回転となったことを検出した後、次の“ロ”の順電圧分e1の発生に対して出力された点火信号s4を出力させたままとすると共に、予備周期検出信号s7を出力させる。
【0055】
このため、“ロ”の順電圧分e1のサイクル直後のサイクルにおいて初めて失火状態となり、回転速度は、この失火したサイクル辺りから低下しだし、図8(c)の速度制御特性線hに示すように、点火復帰速度z2まで低下したところで、これを予備周期検出信号s7の2番目と3番目との間での期間計測により検出して、直ちに点火信号s4をオフし、正常点火動作状態に復帰すると共に、予め記憶してある点火時期信号に従って、復帰後の最初の点火動作を行う。
【0056】
なお、図8に示した線図は、内燃機関のアクセル状態、および結合された負荷を不変に保持して運転して得たものであるので、内燃機関は、稼動上限速度z1と点火復帰速度z2との間で減速と増速とを繰り返す運転状態となり、これにより内燃機関の回転速度の上限を規制するリミッター作用を発揮する。
【0057】
稼動上限速度z1は、内燃機関および負荷の稼動が危険となる危険速度よりも、余裕を持って低い値に設定されているので、回転速度が点火復帰速度z2と稼動上限速度z1との間で増減する状態で、負荷の稼動を継続させても危険はないのであるが、失火による回転速度の低下は、確実にそして容易に感知することができるものであるので、回転速度の低下により内燃機関の失火を感知したならば、速やかにアクセルを絞るとか、負荷を軽減させる等して、負荷の効率のよう稼動状態を得るようにするのが望ましい。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、失火、すなわち点火動作の停止により内燃機関の回転速度を低下させて過回転発生を防止するので、過回転防止効果を確実に得ることができ、また上記した失火は、充電コンデンサを充電させないことにより得ているので、充電コンデンサの過充電により、不都合な点火動作が発生すると云う恐れがなく、安全な過回転防止作用を得ることができる。
【0059】
また、点火装置の失火状態時であっても、出力電圧の順電圧分の電機子反作用の影響を受けない、出力電圧の前側逆電圧分により回転速度を検出するので、正常点火動作状態時と同様に、回転速度を常時正確にかつ確実に検出することができ、これにより失火による回転速度の低下程度を、リアルタイムに知ることができ、もって目標回転速度域までの失火による速やかな減速と、目標回転速度域までの減速が達成されたならば、速やかに正常回転動作状態に復帰すると云う、良好な過回転防止動作を得ることができる。
【0060】
請求項2記載の発明にあっては、失火状態から正常点火動作状態への復帰に、適当なヒステリシスを与えているので、この正常点火動作状態と失火状態との切り替わりに伴う回転速度の変化を、円滑なものとすることができる。
【0061】
請求項3記載の発明にあっては、予備周期検出電圧値を検出するための回路手段の構成を、きわめて簡単のものとすることができると共に、予備周期検出電圧値を確実に検出することができ、これにより失火状態時における内燃機関の回転速度の検出を、安定して確実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する点火時点制御装置の回路構成の一例を示す、電気回路図。
【図2】内燃機関の起動時における点火動作例を示す、動作線図。
【図3】同、下限速度以下の速度域における点火動作例を示す、動作線図。
【図4】同、下限速度から待機速度までの範囲の点火動作例を示す、動作線図。
【図5】同、待機速度から稼動速度までの範囲の点火動作例を示す、動作線図。
【図6】同、稼動速度以上の速度域における点火動作例を示す、動作線図。
【図7】本発明による内燃機関の点火動作制御の一例を示す、フロー図。
【図8】本発明による過回転防止動作の一例を示す、動作線図。
【符号の説明】
1 ; 点火時点制御装置
2 ; 定電圧電源部
21; 電圧安定化トランジスタ
22; 電圧安定化ツェナーダイオード
23; 過電圧防止用ツェナーダイオード
c1; 電源コンデンサ
r1; 電流制限抵抗
r2; ベース抵抗
3 ; マイコン部
30; マイコン
31; クロック発生器
32; リセットIC
c2; 電源ノイズ除去用コンデンサ
c3; リセットノイズ除去用コンデンサ
r3; 点火信号供給用抵抗
4 ; 周期信号発生部
40; 信号発生トランジスタ
41; 検出ツェナーダイオード
r4; 電圧検出抵抗
r5; 波形整形用抵抗
d1; ノイズ除去用ダイオード
c4; ノイズ除去用コンデンサ
5 ; 電圧検出部
r6; 電圧設定用分圧抵抗
r7; 電圧設定用分圧抵抗
c5; ノイズ除去用コンデンサ
6 ; 発電コイル
7 ; 放電用スイッチング素子
8 ; 点火コイル
9 ; 点火栓
c6; 充電コンデンサ
d2; 充電用ダイオード
d3; 整流ダイオード
d4; 整流ダイオード
d5; 整流ダイオード
d6; 放電エネルギー回生用ダイオード
r8; ゲート安定化抵抗
E ; 出力電圧
e1; 順電圧分
e2; 逆電圧分
v1; 周期検出電圧値
v2; ピーク電圧値
v3; 起動電圧値
v4; 予備周期検出電圧値
s1; 周期検出信号
s2; ピーク電圧検出信号
s3; 起動電圧検出信号
s4; 点火信号
s5; 点火時期演算信号
s6; 電圧信号
s7; 予備周期検出信号
t1; 点火時期算出開始時点
t2; 起動時点
t3; ピーク検出時点
x ; 下限速度
y ; 待機速度
z ; 稼動速度
z1; 稼動上限速度
z2; 点火復帰速度
h ; 速度制御特性線
Claims (3)
- 二次側に点火栓(9)を接続した点火コイル(8)と、内燃機関により駆動される高圧磁石発電機内の発電コイル(6)と、前記点火コイル(8)の一次側に設けられて、前記発電コイル(6)の出力電圧(E)の順電圧分(e1)で充電される充電コンデンサ(c6)と、点火信号(s4)の入力により導通して、前記充電コンデンサ(c6)の電荷を点火コイル(8)の一次コイルに放電させる放電用スイッチング素子(7)と、を有する容量放電型内燃機関用点火装置において、前記順電圧分(e1)が、継続した点火動作を得ることができる電圧値として、予め設定した周期検出電圧値(v1)に達した点火時期算出開始時点(t1)で周期検出信号(s1)を発生させ、該隣り合った周期検出信号(s1)間の時間により内燃機関の回転速度を検出し、検出した回転速度が、予め設定した稼動上限速度(z1)以下では、前記放電用スイッチング素子(7)を導通・遮断動作させて点火動作を行う正常点火動作状態とし、前記回転速度が稼動上限速度(z1)を越えたならば、前記放電用スイッチング素子(7)を導通維持状態として、点火動作を停止させる失火状態とすると共に、前記順電圧分(e1)の直前に発生する出力電圧(E)の前側逆電圧分(e2)が、予め設定した予備周期検出電圧値(v4)に達した時点で予備周期検出信号(s7)を発生させ、該隣り合った予備周期検出信号(s7)間の時間により回転速度を検出し、該検出した回転速度が前記稼動上限速度(z1)よりも低くなったならば、前記放電用スイッチング素子(7)の導通維持状態を解除して、正常点火動作状態に復帰させる内燃機関用点火装置の過回転防止方法。
- 点火装置を失火状態から正常点火動作状態に復帰させる、稼動上限速度(z1)よりも低い速度である点火復帰速度(z2)を予め設定しておき、該点火復帰速度(z2)を、負荷の稼動に支障を生じさせない範囲で、かつ復帰後、直ぐには前記稼動上限速度(z1)には達することができない値に設定した請求項1記載の内燃機関用点火装置の過回転防止方法。
- 予備周期検出電圧値(v4)を、出力電圧(E)の前側逆電圧分(e2)のピーク値とした請求項1または2記載の内燃機関用点火装置の過回転防止方法。
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