JP2004099934A - 真空熱処理炉の煤除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炉内に堆積された煤を効率的に除去する。
【解決手段】浸炭処理室2内へガス供給体28から酸素を含んだ気体を導入するとともに放電電極7からの高周波放電により上記気体をプラズマ化し、このプラズマを作用させることによって浸炭処理室2内に堆積した煤を除去する。
【選択図】 図1
【解決手段】浸炭処理室2内へガス供給体28から酸素を含んだ気体を導入するとともに放電電極7からの高周波放電により上記気体をプラズマ化し、このプラズマを作用させることによって浸炭処理室2内に堆積した煤を除去する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空熱処理炉において処理中に堆積する煤を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空熱処理炉の一例である真空浸炭炉では、浸炭用の処理ガスとして炭化水素ガスを使用するため、過剰に供給された処理ガスが煤として炉内各部に堆積する。この煤は被処理品に付着するとその光輝性を損ない、また、炉内ヒータの碍子等に付着するとその絶縁性を低下させて漏電等のおそれを生じる。あるいは煤が真空排気用の真空ポンプに吸引されるとポンプ内部の損傷の原因となった。
【0003】
なお、特許文献1、特許文献2には、真空チャンバー内をプラズマ洗浄する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3201048号公報
【特許文献2】特開平06−249583号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため従来は定期的に炉内に作業者が入って煤を掻き取ったり、掃除機で吸い取り、あるいは火炎バーナで焼く等により除去していたが、作業性が悪く、生産効率が低下するという問題があった。
【0005】
そこで本発明はこのような課題を解決するもので、炉内に堆積された煤を効率的に除去できる真空熱処理炉の煤除去方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、真空熱処理炉の炉内へ酸素を含んだ気体を導入するとともに当該気体をプラズマ化し、このプラズマを作用させることによって炉内に堆積した煤を除去する。本発明においては酸素プラズマによって、粉状炭素である煤は酸化されて二酸化炭素ガスとなり、炉外へ排気される。このようにして煤が除去される。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の方法を実施するための装置構造を示す。図1は真空熱処理炉の一例として連続式真空浸炭炉の浸炭処理室の垂直断面図を示すもので、浸炭処理室2は仕切壁3によって下方のガス冷却室1と区画されるとともに、開口31で連通している。開口31は図略の気密扉によって開閉される。
【0008】
浸炭処理室2内にはカーボン製の断熱壁21で囲まれた矩形箱状の反応室CRが設けられており、反応室CRには上記開口31に対応した底壁部分に開口22が形成されるとともに、当該開口22は、左右から水平移動させられるカーボン製の断熱扉23,24によって閉鎖される。反応室CR内にはその側壁内周に沿って上中下の3位置に黒鉛ヒータ25,26,27が設けられ、これらヒータ25〜27の内側位置に処理ガス供給体28が設けられている。浸炭処理室2の頂壁から反応室CRの頂壁を上下に貫通して、反応室CRの中央に真空排気装置(図略)から至る排気パイプ5の先端部51が位置している。
【0009】
ガス冷却室1の底壁を貫通して上下動可能に昇降ロッド6が設けられており、その上端は被処理品Mを載置するための架台61となっている。浸炭処理時には図1に示すように、架台61上にトレー15が載置される。トレー15上には排気パイプ5の先端部51が位置する中心部を除いて支持棒152が間隔をおいて複数立設されており、例えば歯車のような被処理品Mがその中心穴を各支持棒152に挿通して多数積層される。昇降ロッド6は図略の駆動機構によって上昇ないし下降させられる。浸炭処理終了後は断熱扉23,24が開放されて昇降ロッド6が下降し、被処理品Mがガス冷却室1内へ移送される。
【0010】
浸炭処理室2の頂壁を下方へ貫通して反応室CR内に至る支柱73が設けられ、支柱73の下端には、反応室CRの頂壁に沿う下方位置に水平姿勢で高ニッケル鋼板製の板状放電電極7が配設されている。この放電電極7は炉外に設けた整合器71を介して高周波電源(13.56MHz)72に接続されている。
【0011】
このような構造の浸炭処理室2内に堆積した煤を除去する場合には、処理ガス供給体28のガス供給口281から、浸炭ガスに代えて酸素と、アルゴンガスないし窒素との混合ガス、あるいは空気又は乾燥空気を供給しつつ、高周波電源72から放電電極7へ高周波電圧を印加する。これにより、放電電極7とアース電位の架台61等との間に放電を生じ、酸素ガスが励起されて活性なプラズマが生成される。この酸素プラズマにより、粉状炭素である煤が酸化されて二酸化炭素ガスとなり、排気パイプ先端部51の排気口511から炉外へ排気される。このようにして煤が除去される。
【0012】
ところで、炉内には、黒鉛ヒータ25〜27やカーボン製断熱壁21等の、炭素を含む炉材が使用されている。ここで図2には、混合ガス流量を変化させて煤たる木炭粉(線X)とC/Cコンポジット(線Y)の質量減少率を比較したグラフを示し、また図3には、高周波出力を変化させて木炭粉(線X)とC/Cコンポジット(線Y)の質量減少率を比較したグラフを示す。これら各図より明らかなように、煤は酸素プラズマによって分解除去される割合が、炭素を含む炉材に比して大きい。したがって、酸素プラズマによる炉材等の損傷を最小限に抑えつつ煤のみを効率的に除去することができる。
【0013】
このようにして、放電により生じる酸素プラズマによって炉内に堆積した煤を二酸化炭素ガスに変えて容易に除去することができるから、従来のように炉内に作業者が入って煤を掻き取ったり、掃除機で吸い取る手間を要さず、生産効率が大幅に向上する。なお、本発明は真空浸炭炉に限らず、炉材や被処理品が高温に加熱されて炭素分が昇華し煤を生じる可能性のある真空熱処理炉に広く適用することができる。
【0014】
【発明の効果】
以上のように、本発明の真空熱処理炉の煤除去方法によれば、炉内に堆積された煤を効率的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための、連続式真空浸炭炉の浸炭処理室の垂直断面図である。
【図2】ガス流量に対する木炭粉およびC/Cコンポジットの質量減少率変化を示すグラフである。
【図3】高周波出力に対する木炭粉およびC/Cコンポジットの質量減少率変化を示すグラフである。
【符号の説明】
2…浸炭処理室、5…排気パイプ、7…放電電極、72…高周波電源。
【発明の属する技術分野】
本発明は真空熱処理炉において処理中に堆積する煤を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空熱処理炉の一例である真空浸炭炉では、浸炭用の処理ガスとして炭化水素ガスを使用するため、過剰に供給された処理ガスが煤として炉内各部に堆積する。この煤は被処理品に付着するとその光輝性を損ない、また、炉内ヒータの碍子等に付着するとその絶縁性を低下させて漏電等のおそれを生じる。あるいは煤が真空排気用の真空ポンプに吸引されるとポンプ内部の損傷の原因となった。
【0003】
なお、特許文献1、特許文献2には、真空チャンバー内をプラズマ洗浄する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3201048号公報
【特許文献2】特開平06−249583号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため従来は定期的に炉内に作業者が入って煤を掻き取ったり、掃除機で吸い取り、あるいは火炎バーナで焼く等により除去していたが、作業性が悪く、生産効率が低下するという問題があった。
【0005】
そこで本発明はこのような課題を解決するもので、炉内に堆積された煤を効率的に除去できる真空熱処理炉の煤除去方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、真空熱処理炉の炉内へ酸素を含んだ気体を導入するとともに当該気体をプラズマ化し、このプラズマを作用させることによって炉内に堆積した煤を除去する。本発明においては酸素プラズマによって、粉状炭素である煤は酸化されて二酸化炭素ガスとなり、炉外へ排気される。このようにして煤が除去される。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の方法を実施するための装置構造を示す。図1は真空熱処理炉の一例として連続式真空浸炭炉の浸炭処理室の垂直断面図を示すもので、浸炭処理室2は仕切壁3によって下方のガス冷却室1と区画されるとともに、開口31で連通している。開口31は図略の気密扉によって開閉される。
【0008】
浸炭処理室2内にはカーボン製の断熱壁21で囲まれた矩形箱状の反応室CRが設けられており、反応室CRには上記開口31に対応した底壁部分に開口22が形成されるとともに、当該開口22は、左右から水平移動させられるカーボン製の断熱扉23,24によって閉鎖される。反応室CR内にはその側壁内周に沿って上中下の3位置に黒鉛ヒータ25,26,27が設けられ、これらヒータ25〜27の内側位置に処理ガス供給体28が設けられている。浸炭処理室2の頂壁から反応室CRの頂壁を上下に貫通して、反応室CRの中央に真空排気装置(図略)から至る排気パイプ5の先端部51が位置している。
【0009】
ガス冷却室1の底壁を貫通して上下動可能に昇降ロッド6が設けられており、その上端は被処理品Mを載置するための架台61となっている。浸炭処理時には図1に示すように、架台61上にトレー15が載置される。トレー15上には排気パイプ5の先端部51が位置する中心部を除いて支持棒152が間隔をおいて複数立設されており、例えば歯車のような被処理品Mがその中心穴を各支持棒152に挿通して多数積層される。昇降ロッド6は図略の駆動機構によって上昇ないし下降させられる。浸炭処理終了後は断熱扉23,24が開放されて昇降ロッド6が下降し、被処理品Mがガス冷却室1内へ移送される。
【0010】
浸炭処理室2の頂壁を下方へ貫通して反応室CR内に至る支柱73が設けられ、支柱73の下端には、反応室CRの頂壁に沿う下方位置に水平姿勢で高ニッケル鋼板製の板状放電電極7が配設されている。この放電電極7は炉外に設けた整合器71を介して高周波電源(13.56MHz)72に接続されている。
【0011】
このような構造の浸炭処理室2内に堆積した煤を除去する場合には、処理ガス供給体28のガス供給口281から、浸炭ガスに代えて酸素と、アルゴンガスないし窒素との混合ガス、あるいは空気又は乾燥空気を供給しつつ、高周波電源72から放電電極7へ高周波電圧を印加する。これにより、放電電極7とアース電位の架台61等との間に放電を生じ、酸素ガスが励起されて活性なプラズマが生成される。この酸素プラズマにより、粉状炭素である煤が酸化されて二酸化炭素ガスとなり、排気パイプ先端部51の排気口511から炉外へ排気される。このようにして煤が除去される。
【0012】
ところで、炉内には、黒鉛ヒータ25〜27やカーボン製断熱壁21等の、炭素を含む炉材が使用されている。ここで図2には、混合ガス流量を変化させて煤たる木炭粉(線X)とC/Cコンポジット(線Y)の質量減少率を比較したグラフを示し、また図3には、高周波出力を変化させて木炭粉(線X)とC/Cコンポジット(線Y)の質量減少率を比較したグラフを示す。これら各図より明らかなように、煤は酸素プラズマによって分解除去される割合が、炭素を含む炉材に比して大きい。したがって、酸素プラズマによる炉材等の損傷を最小限に抑えつつ煤のみを効率的に除去することができる。
【0013】
このようにして、放電により生じる酸素プラズマによって炉内に堆積した煤を二酸化炭素ガスに変えて容易に除去することができるから、従来のように炉内に作業者が入って煤を掻き取ったり、掃除機で吸い取る手間を要さず、生産効率が大幅に向上する。なお、本発明は真空浸炭炉に限らず、炉材や被処理品が高温に加熱されて炭素分が昇華し煤を生じる可能性のある真空熱処理炉に広く適用することができる。
【0014】
【発明の効果】
以上のように、本発明の真空熱処理炉の煤除去方法によれば、炉内に堆積された煤を効率的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための、連続式真空浸炭炉の浸炭処理室の垂直断面図である。
【図2】ガス流量に対する木炭粉およびC/Cコンポジットの質量減少率変化を示すグラフである。
【図3】高周波出力に対する木炭粉およびC/Cコンポジットの質量減少率変化を示すグラフである。
【符号の説明】
2…浸炭処理室、5…排気パイプ、7…放電電極、72…高周波電源。
Claims (1)
- 真空熱処理炉の炉内へ酸素を含んだ気体を導入するとともに当該気体をプラズマ化し、このプラズマを作用させることによって炉内に堆積した煤を除去することを特徴とする真空熱処理炉の煤除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002260320A JP2004099934A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | 真空熱処理炉の煤除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002260320A JP2004099934A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | 真空熱処理炉の煤除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004099934A true JP2004099934A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32261073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002260320A Withdrawn JP2004099934A (ja) | 2002-09-05 | 2002-09-05 | 真空熱処理炉の煤除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004099934A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009109044A (ja) * | 2007-10-26 | 2009-05-21 | Ulvac Japan Ltd | 真空熱処理炉の再生方法。 |
JP2013049898A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Ihi Corp | 真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法 |
-
2002
- 2002-09-05 JP JP2002260320A patent/JP2004099934A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009109044A (ja) * | 2007-10-26 | 2009-05-21 | Ulvac Japan Ltd | 真空熱処理炉の再生方法。 |
JP2013049898A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Ihi Corp | 真空加熱炉の絶縁抵抗改善方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050729 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061011 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070107 |