JP2004099536A - 忌避活性有機高分子微粒子およびその用途 - Google Patents
忌避活性有機高分子微粒子およびその用途 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004099536A JP2004099536A JP2002264404A JP2002264404A JP2004099536A JP 2004099536 A JP2004099536 A JP 2004099536A JP 2002264404 A JP2002264404 A JP 2002264404A JP 2002264404 A JP2002264404 A JP 2002264404A JP 2004099536 A JP2004099536 A JP 2004099536A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- resin
- fine particles
- extract
- repellent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/30—Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change
Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Catching Or Destruction (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明は衛生害虫忌避活性を有する天然精油がコパイバオイルおよび/またはカリオフィレン、ベチバー油、エレミ油およびエレミリジノイド、オレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、ペニーロイヤル油、ニーム油、等の1種以上を有効成分として含む有機高分子微粒子、上記微粒子のみまたは上記有機高分子微粒子および沈降防止剤を含む微粒子分散液、上記微粒子を含む衛生害虫忌避活性接着・粘着剤、インキ、樹脂ペレット、樹脂製品、シート・フィルム、装置を提供する。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は衛生害虫忌避活性を有する天然精油に関し、更に詳しくはコパイバオイルおよび/またはカリオフィレン、ベチバー油、エレミ油およびエレミリジノイド、オレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、タイムレッド油、ナツメグ油、パチョウリ油、パルマローザ油、ビターオレンジ油、レモングラス油、キンモクセイ油、ゴマ油、シナモンリーフ油、セロリー油、トルーバルサム、ペルーバルサム、オークモス、サンダルウッド油、スペアミント油、ローレル油、ガーリック油、ココナッツ油、ジル油(イノンド油)、バーチ油、グルジョンバルサム油、ダイオウ(大黄)抽出物、オリバナムレジノイド又は乳香樹脂、ベンゾインレジノイド又は安息香樹脂、ホップアブソリュート、ガイアックウッド油、カリオフィレンオキサイド、フェンチルアルコール、レッドシーダーオイル油、タンニン、カフェイン又は無水カフェイン、ガラナ抽出物、クパーナの種子、ケイパー抽出物、アニス油、バチュリ(パチョリ)油、セージ油、タイム油、ローズマリー油、グローブ油、ユーカリ油、バンレイシ科植物 Xylopiaaethiopica の種子の抽出物、アオガンピ(Wiskstroemiaretusa A. Gray)からの抽出物、ショウガ科植物Aframomum melegueta の種子の抽出物、オビスギ(Cyptomeria japonica D.DON)抽出物、月桃油、山奈油、ダイウイキョウ油(スターアニス油)、ペニーロイヤル油、ニーム油等の天然精油の1種以上を有効成分として担持する有機高分子微粒子、上記微粒子のみまたは上記微粒子および沈降防止剤を含む微粒子分散液、上記微粒子を含む衛生害虫忌避活性接着・粘着剤、衛生害虫忌避活性インキ、衛生害虫忌避活性樹脂ペレット、樹脂ペレットを用いた衛生害虫忌避活性樹脂製品および衛生害虫忌避活性シート・フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
年間を通じて生活空間を一定範囲の快適温度に保つことは、ゴキブリ、ダニに代表される衛生害虫の繁殖を助長している。家庭の台所はもちろん食料品工場の機材や原材料の倉庫、食品売り場などにも衛生害虫が見られるようになった。従来から衛生害虫の防除対策に用いられている有機リン系、カーバメイト系、またはピレスロイド系などの殺虫剤は優れた殺虫力を持ち、かつ安価であることから、長い間用いられてきた。
【0003】
しかし、薬剤の毒性の点から人の触れやすいところや、食品工場などでの使用には注意が必要である。このような場所では、天然物由来のより安全性の高い物質の忌避活性による忌避剤を使用する方が好ましい。忌避剤(Repellents)とは生物がある種の行動を起こす場合の性状、生物の走化性のうち負の走化性を利用したもので、有害な生物を寄せ付けない物質である。
【0004】
忌避剤は殺虫剤と比べると一時的かつ決定的な防虫効果は低いので、忌避作用を持続させて防虫効果を発揮させる必要がある。
【0005】
衛生害虫に対して忌避活性を有する天然物質として、松、桧、樟脳などの植物精油が知られているが、これらに含まれる忌避活性成分はテルペン類で、その中でも特にセスキテルぺン類が挙げられる。セスキテルペン類では、Elemol、β−Eudesmol、β−Vetivonなどのゴキブリ類に対する忌避活性が報告されている(特開平8−81306号)。ゴキブリ忌避剤は天然精油であるオレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、タイムレッド油、ナツメグ油、パチョウリ油、パルマローザ油、ビターオレンジ油、レモングラス油、キンモクセイ油、ゴマ油、シナモンリーフ油、セロリー油、トルーバルサム、ペルーバルサム、アリ忌避剤は天然精油であるオークモス、オレンジフラワー油、サンダルウッド油、スペアミント油、タイムホワイト油、パチョウリ油、パルマローザ油、レモングラス油、ローレル油、ガーリック油、キンモクセイ油、ココナッツ油、シナモンリーフ油、ジル油(イノンド油)、タイムレッド油、トルーバルサム、バーチ油、ペルーバルサム(特開平10−130114)、白アリ忌避剤はバンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種子の抽出物並びに該抽出物から単離されたケイ皮酸アミド誘導体及びその合成類縁体(特開平6−16609)、沖縄県の海岸線に広く自生する自然植物であるアオガンピ(Wiskstroemiaretusa A. Gray)からの抽出物から製造されるフラトキシン及び新規フラトキシン誘導体(特開平7−48378)、ショウガ科植物Aframomum melegueta の種子の抽出物並びに該抽出物から単離されたケトン類及びその合成類縁体(特開平9−194318)、ペニーロイヤル油、ニーム油(特開2001−106609)。これらの天然精油は従来から香料として用いられている。香料の揮散を徐放性にする手段として、保存料の添加、ゲル化、サイクロデキストリンなどによる包接、マイクロカプセル化などがある。
【0006】
従来のマイクロカプセルは加熱によって分解するので、加熱工程のある加工手段を避ける必要があり、また、香料を揮散させるためになんらかの手段によるカプセルの破壊が必要であった。
【0007】
一方、最近の接着・粘着剤の進歩はめざましく、あらゆる分野に用いられている。粘着剤は紙、プラスチックフィルム、発泡体、金属箔などに均一に塗布され、粘着テープ、粘着シート・ラベルとして商品化されている。
【0008】
粘着製品を使用した医療、衛生用品、包装食品に保存中に衛生害虫がつく場合がある。特に包装ラベルの貼着がたるんでいたりすると、衛生害虫が入り込んで死骸が残り商品としての価値が極端に低下する。さらに、食品産業分野におけるインスタント食品の目覚しい発展、販売形式の変化により、食品包装は特に重要視されている。そこで、これらの製品に衛生害虫が近づかないようにする工夫が必要となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはすでに、カリオフィレンを含むコパイバオイルに衛生害虫に対する優れた忌避活性があることを開示しており(特願平2000−167615)、また、加熱によって崩壊せず、従って加工に加熱工程があってもよく、カプセル強度の強い徐放性無機多孔質微粒子を開発している(特公昭57−055454)。加えてコパイバオイルを徐放性無機多孔質微粒子に坦持させ接着・粘着剤またはインキに含有せしめることによって、これらの粘着製品が付された医療、衛生用品、包装食品を長期間にわたって衛生害虫から守り得ることおよびこの徐放性無機多孔質微粒子が樹脂ペレットとして加工され得、この樹脂ペレットが通常用いられている樹脂ペレットと同様に製品化されても衛生害虫忌避活性を維持し得ること、さらにこの徐放性無機多孔質微粒子をシート・フィルムに坦持させると、シート・フィルム製品に衛生害虫忌避活性を与え得るとの知見を得てすでに特許出願(特願2001−334843号)した。この徐放性無機多孔性質微粒子は極めて優れた衛生害虫忌避活性を有するが、更にこの際特に無機多孔質微粒子でなくても、即ち有機質の微粒子にこれ等カリオフィレンやコパイバオイルを担持させることによっても、徐放性を有する優れた衛生害虫忌避活性を有する微粒子が得られることを見出し、茲に本発明を完成した。
【0010】
本発明の第1は衛生害虫忌避活性を有する天然精油たるコパイバオイルおよび/またはカリオフィレン、ベチバー油、エレミ油およびエレミリジノイド、オレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、タイムレッド油、ナツメグ油、パチョウリ油、パルマローザ油、ビターオレンジ油、レモングラス油、キンモクセイ油、ゴマ油、シナモンリーフ油、セロリー油、トルーバルサム、ペルーバルサム、オークモス、サンダルウッド油、スペアミント油、ローレル油、ガーリック油、ココナッツ油、ジル油(イノンド油)、バーチ油、グルジョンバルサム油、ダイオウ(大黄)抽出物、オリバナムレジノイド又は乳香樹脂、ベンゾインレジノイド又は安息香樹脂、ホップアブソリュート、ガイアックウッド油、カリオフィレンオキサイド、フェンチルアルコール、レッドシーダーオイル油、タンニン、カフェイン又は無水カフェイン、ガラナ抽出物、クパーナの種子、ケイパー抽出物、アニス油、バチュリ(パチョリ)油、セージ油、タイム油、ローズマリー油、グローブ油、ユーカリ油、バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種子の抽出物、アオガンピ(Wiskstroemiaretusa A. Gray)からの抽出物、ショウガ科植物Aframomum melegueta の種子の抽出物、オビスギ(Cyptomeria japonica D.DON)抽出物、月桃油、山奈油、ダイウイキョウ油(スターアニス油)、ペニーロイヤル油、ニーム油の1種以上を有効成分として含有する徐放性有機高分子微粒子であり、本発明の第2はこの徐放性微粒子および沈降防止剤を含む微粒子分散剤であり、本発明の第3はこの徐放性微粒子を含む衛生害虫忌避活性接着・粘着剤またはインキであり、本発明の第4は微粒子分散剤を含む衛生害虫忌避活性接着・粘着剤またはインキであり、本発明はさらに、これらの接着・粘着剤を用いた接着・粘着製品、このインキを用いた印刷物を含む。
【0011】
本発明の第5は天然精油がコパイバオイルおよび/またはカリオフィレン、ベチバー油、エレミ油およびエレミリジノイド、オレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、タイムレッド油、ナツメグ油、パチョウリ油、パルマローザ油、ビターオレンジ油、レモングラス油、キンモクセイ油、ゴマ油、シナモンリーフ油、セロリー油、トルーバルサム、ペルーバルサム、オークモス、サンダルウッド油、スペアミント油、ローレル油、ガーリック油、ココナッツ油、ジル油(イノンド油)、バーチ油、グルジョンバルサム油、ダイオウ(大黄)抽出物、オリバナムレジノイド又は乳香樹脂、ベンゾインレジノイド又は安息香樹脂、ホップアブソリュート、ガイアックウッド油、カリオフィレンオキサイド、フェンチルアルコール、レッドシーダーオイル油、タンニン、カフェイン又は無水カフェイン、ガラナ抽出物、クパーナの種子、ケイパー抽出物、アニス油、バチュリ(パチョリ)油、セージ油、タイム油、ローズマリー油、グローブ油、ユーカリ油、バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種子の抽出物、アオガンピ(Wiskstroemiaretusa A. Gray)からの抽出物、ショウガ科植物Aframomum melegueta の種子の抽出物、オビスギ(Cyptomeria japonica D.DON)抽出物、月桃油、山奈油、ダイウイキョウ油(スターアニス油)、ペニーロイヤル油、ニーム油の1種以上を有効成分として含有する微粒子を含む衛生害虫忌避活性樹脂ペレットおよびこの樹脂ペレットを原材料とする樹脂製品である。
【0012】
本発明の第6は天然精油がコパイバオイルおよび/またはカリオフィレン、ベチバー油、エレミ油およびエレミリジノイド、オレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、タイムレッド油、ナツメグ油、パチョウリ油、パルマローザ油、ビターオレンジ油、レモングラス油、キンモクセイ油、ゴマ油、シナモンリーフ油、セロリー油、トルーバルサム、ペルーバルサム、オークモス、サンダルウッド油、スペアミント油、ローレル油、ガーリック油、ココナッツ油、ジル油(イノンド油)、バーチ油、グルジョンバルサム油、ダイオウ(大黄)抽出物、オリバナムレジノイド又は乳香樹脂、ベンゾインレジノイド又は安息香樹脂、ホップアブソリュート、ガイアックウッド油、カリオフィレンオキサイド、フェンチルアルコール、レッドシーダーオイル油、タンニン、カフェイン又は無水カフェイン、ガラナ抽出物、クパーナの種子、ケイパー抽出物、アニス油、バチュリ(パチョリ)油、セージ油、タイム油、ローズマリー油、グローブ油、ユーカリ油、バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種子の抽出物、アオガンピ(Wiskstroemiaretusa A. Gray)からの抽出物、ショウガ科植物Aframomum melegueta の種子の抽出物、オビスギ(Cyptomeria japonica D.DON)抽出物、月桃油、山奈油、ダイウイキョウ油(スターアニス油)、ペニーロイヤル油、ニーム油の1種以上を有効成分として含有する徐放性微粒子を含む衛生害虫忌避活性シート・フィルムである。
【0013】
先ず本発明に於いて使用するコパイバルオイルとカリオフィレンについて説明する。
<コパイバオイル>
コパイバオイル(Copaiba oil)はコパイババルサムノキ(Copaifera L.)というマメ科の植物の樹幹に髄まで穴をあけて得られる無色流動性の分泌物(オレオレジン)であるコパイババルサム(copaiba balsam)を蒸留して得た精油で、コパイババルサム特有の芳香を持つ無色〜淡黄色の液体である。なお、コパイババルサムノキは非常に暑い南アメリカの北部、ブラジル、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、コロンビア、特にアマゾン川やオリノコ川の流域が産地であり、大きな幹、滑らかな樹皮をしていて、枝の多い喬木で、高さ30mにも達するものもある。この植物の樹幹より産出するオレオレジンは生理的副産物で、柔組織細胞壁の分解によって生じる破生の空洞や樹幹にたくさんある離生的脈管の中に蓄積される。それが広がったり、連結したりしてだんだんと多量のオレオレジンが蓄積されていく。その圧力で、木が大きな音をたてて張り裂けることがたびたびある。原住民は抗菌剤として活用している。
【0014】
オレオレジン(コパイババルサム)は主として精油と樹脂からなるが、組成や性状は一定しないが、コパイバオイルの構成セスキテルペン類として、Caryophyllene、humulene、copaeneなどが知られている。
【0015】
その芳香はたいへん淡く、軽いウッディかつスパイシー(コショウ様)で、程よい持続性があり、多くの香料とよく調和し香粧品香料の変調剤として使用されている。フレーバーは苦く刺激性があり、刺すような吐き気を催すような味である。FDAの規格ではβ−カリオフィレンを50〜70%含むコパイバオイルが定められている(FDA番号;172−510)。
【0016】
<カリオフィレン>
コパイバオイルの主成分である、カリオフィレン(4,11,11−トリメチル−8−メチレンビシクロ[7.2.0]ウンデセ−4−エン)は天然に広く存在するセスキテルペン炭化水素であり、クローブ、ナツメグなどのスパイス系の精油中に多く存在するが、オレンジ、レモンなどの柑橘油などにも存在する。無色の液体、水に不溶であり、ウッディ様香気をもつ。β−カリオフィレン以外にα−カリオフィレン、γ−カリオフィレンが共存している場合もある。工業的にはクローブリーフオイルからオイゲノールを分離したときの副生物として得られる。
【0017】
<ベチバー及びベチバー油>
ベチバー(Vetiveria zizanioides Stapf.)は、熱帯から亜熱帯にかけて生育するイネ科の多年生植物で、ジャワ、レユニオン、ハイチなどのほかに、ブラジル、中国、日本、インドなどで栽培されている。草の形態はススキに似ているが、丈は2mにも達し、多数集まって大きな株をつくる。葉は細長く、ゆるく内折しており、幅は1cm程度である。茎頂に長さ15〜30cmの細長い円錐花穂を直立し、短い枝を輪生する。小穂は芒(のぎ)がなく外側に短いとげを連ねる。高温を好むが耐風性が極めて強く、低温にも耐えるという。又、根は淡黄色または赤みを帯びた灰色をしており、ちじれているが相当に長いものである。ベチバー油はこの根を水蒸気蒸留して得るもので、葉の部分には精油分を殆ど含まない。この精油は保留性に富んだ暗褐色の粘稠な液体で、根っこや土の匂いを想わせる重いウッディー・アーシーな香りを有する。
【0018】
<エレミ油>
カンラン科のエレミ(Canarium luzonicum Miq.)またはケナリナッツトリー(Canarium commune Linne(Canarium indicum Linne))の樹脂を基原とするもので、産地はフィリピン、マレーシア、インドネシア、アフリカ、中南米である。精油は樹脂を水蒸気蒸留して得られる(20〜30%)。精油はスパイシーでシトラス様の香味をもつ白色または淡黄色である。レミシン、エレモール(約15%)、α−d−フェランドレン、ジペンテンなどの成分を含む。
【0019】
<ペニーロイヤル油・ニーム油>
ペニーロイヤル油は、Mentha pulegium (ヨーロッパ・ペニーロイヤル)とHedeoma pulegioides (アメリカ・ペニーロイヤル)の2つの属の植物から得られる精油である。ヨーロッパ・ペニーロイヤルとアメリカ・ペニーロイヤルを総称して、単にペニーロイヤルという。ニーム油は、Azadirachta indica属の植物(ニーム)から得られる精油である。これらの天然精油は、その由来植物が自身の害虫からの保護のために日常的に発散している物質であり、また、環境や、周辺に棲息する他の生物に対しても悪影響の少ないことが、長い歴史の中で確認されているものである。
【0020】
ペニーロイヤル油またはニーム油を得るには、まず、ペニーロイヤルまたはニームの葉、種子、茎、芽等を植物体から採取した後、常法により1〜24時間水蒸気蒸留する。この水蒸気を冷却して得られた液体のうち、上層の油分を水層から分離し、さらに、アセトン、トルエン、エーテル、ベンゼン等の有機溶媒を用いて精製し、精油(ペニーロイヤル油、ニーム油)を得ることができる。ペニーロイヤル油及び/またはニーム油は、溶媒との合計量中、0.005重量%以上、好ましくは0.1〜20重量%の濃度になるように希釈して、または、原液のままで、用いられる。
【0021】
本発明に於いて用いる有機高分子微粒子としては、各種の有機高分子から成る微粒子が使用されるが、その代表的なものは有機ゲルであって、この有機ゲルについては特に限定されるものではなく、架橋する物質であればいずれでも良く、液体状態からゲル化を起こすことが可能なものであれば特に問わない。さらに詳しくは、架橋の方法が共有結合、イオン結合、分子間力結合のいずれでもよく、あるいは、絡み合いによるゲル化を起こす物質でもよい。すなわち、包摂する薬剤をゲル化もしくは造膜することにより固形化する物で有れば特にその形態は問わない。
【0022】
共有結合による架橋は単量体と架橋剤、開始剤等を用いてゲルを形成させるが、その際に用いる単量体としては、通常のラジカル重合を行なうものであれば良く特に限定されない。例えば、アクリルアミド,メタクリルアミド,N−ビニルピロドン,N−ビニルアセトアミド,N−ビニルフォルムアミド,アクリル酸,メタクリル酸,スチレン,P−スチレンスルホン酸,ビニルスルホン酸,2−メタアクリロイルオキシエチルスルホン酸,3−メタアクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸,アリルスルホン酸,メタクリルスルホン酸,並びにこれらの酸のアンモニウム塩,及びアルカリ金属塩,ジメチルアミノエチルアクリレート,ジメチルアミノエチルメタクリレート,2ビニルピリジン及び4ビニルピリジンの塩酸,硝酸,ジメチル硫酸,ジエチル硫酸又は塩化エチルの4級化物、2ヒドロキシエチルメタクリレート,2ヒドロキシエチルアクリレート,2アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、またはこれらの共重合体が例示できる。
【0023】
重合性官能基を2個以上有する架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N−メチレン−ビス−Nビニルアセトアミド、N,N−ブチレン−ビス−Nビニルアセトアミド、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、アリル化デンプン、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリストールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート等が例示できる。
【0024】
開始剤としては特に限定されるものではなく、ゲル化にあった開始剤を選択すればよいが、その例としては過酸化水素、過硫酸塩、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等、アゾ系開始剤、例えば2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1,−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4′−ジメチルバレロニトリル)等が例示できる。また、過酸化水素あるいは過硫酸塩は、例えば亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質やアミン塩等を組み合わせてレドックス系の開始剤としても使用することができる。
【0025】
イオン結合による架橋は、例えば、アンモニウム塩やカルボキシル基のようなカチオンやアニオンを持つ高分子電解質をカルシウムのような多価イオン物質でイオン結合で架橋させてゲル化させた物質などである。
分子間力による架橋は天然高分子などに多く、例えば、デンプン、ガラクトマンナン、ニトロセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペクチン酸、アルギン酸、寒天、カラギーナン、プロテクオグリカン、グリコプロテイン、ゼラチン、アクチン、チューブリン、ヘモグロビンS、インスリン、フィブリン、卵白アルブミン、血清アルブミン、ミオシン、コラーゲン、ポリペプチド等が挙げられる。合成高分子ではポリビニルアルコール等が例示できる。
【0026】
ゲル化に用いる溶媒としては特に限定されるものではなく、ゲル化にあった溶媒を選択すればよいが、例えば、水、アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を例示できる。
【0027】
液滴の周辺に膜を形成させるには、界面重合法、In−situ重合法等の通常のマイクロカプセル化法が用いられる。界面重合法によるマイクロカプセル化法を行うには、忌避活性成分の懸濁液中に、予め多価イソシアナート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、フェニレンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアナート)、多価カルボン酸クロリド(例えば、セバシン酸ジクロリド、アジピン酸ジクロリド、アゼライン酸ジクロリド、テレフタル酸ジクロリド、トリメシン酸ジクロリド)、多価スルホニルクロリド(例えば、ベンゼンスルホニルジクロリド)等のマイクロカプセルの膜形成原料を添加しておき、該懸濁液の液滴を分散させる水中には、必要により多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール)、多価アミン(例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ピペラジン)等の水溶性の膜形成原料を添加しておく。膜形成反応は通常0〜80℃、好ましくは40〜80℃の温度範囲内で0.5〜48時間程度かけて行われ、反応を促進するために触媒を用いることもできる。このようにして、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホナート、ポリスルホンアミド等の膜が形成される。
【0028】
In−situ重合法によるマイクロカプセル化法を行うには、懸濁液の液滴を分散させる水中にアミノプラスト、尿素ホルマリン縮合物、メラミンホルマリン縮合物等の水溶性プレポリマーを予め添加しておき、攪拌下、通常40〜80℃の範囲内に加熱し、0.5〜48時間程度保持することにより行うことができる。
【0029】
このようにして製造されるマイクロカプセル化忌避剤のスラリーは、そのまま忌避剤として使用することもできるが、通常は増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、比重調節剤等を加えた水性懸濁剤として使用される。増粘剤としては、キンタンガム、ラムザンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェラントガム等の天然多糖類、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子、カルボキシメチルセルロース等の半合成高分子、アルミニウムマグネシウムシリケート、スメクタイト、ベントナイト、ヘクトライト、乾式シリカ等の鉱物質粉末、アルミナゾルなどが挙げられる。凍結防止剤としては、プロピレングリコールなどが挙げられる。防腐剤としては、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、サリチル酸誘導体などが挙げられる。比重調節剤としては、硫酸ナトリウム等の水溶性塩、尿素等の水溶性肥料などが挙げられる。また、スプレードライ等の手法により粉末状製剤として使用することもできる。
【0030】
本発明のゲルにおいて使用されるゲル基材としては、更に光エネルギーによって硬化し得る不飽和結合を有するオリゴマー及びモノマーを主体とするものがある。
【0031】
このゲル基材として使用されるオリゴマーの例としては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アルキッド樹脂アクリレート、スピラン樹脂アクリレートなどが挙げられる。
【0032】
またモノマーとしては、単官能、二官能、多官能のモノマーを使用することができる。それらの例を挙げるならば、単官能モノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレートなどが、二官能モノマーとしては、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジアクリレートなどが、また多官能モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド付加物のトリアクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のトリアクリレート、1,3−ジオキサンペンタノールのペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールのε−カプロラクトン付加物のヘキサアクリレートなどを挙げることができる。
【0033】
オリゴマーとモノマーとの混合比は特に限定されるものではないが、一般にオリゴマーが多いと未硬化の状態での粘度が高くなり、
またモノマーが多いと柔かくなり過ぎて香料の揮散が早くなり、また硬化しにくくなる。
【0034】
従ってオリゴマーとモノマーとの比率は、未硬化ゲル基材の流動性、作業性、容器の材質、形状、香料の揮散時間などを考慮し、またオリゴマー及びモノマーの種類に応じて調整すべきである。一般には、オリゴマー:モノマーの比率を、5:95〜70:30、より好ましくは10:90〜50:50程度とするのが適当である。
【0035】
またこれらのオリゴマー及びモノマーを主体とするゲル基材には、これらが光エネルギーによって重合してゲル化し得るように、光重合開始剤又は光増感剤などが配合される。
【0036】
光重合開始剤又は光増感剤の例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエートル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、1−フェニル1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2,2−ジメトキシ−2− フェニルアセトフェノン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2− メチル−1− フェニルプロパン−1− オン、ベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン、クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンなどを挙げることができる。
【0037】
これらの光重合開始剤又は光増感剤の配合量は、通常、ゲル基材に対して3重量%程度が適当である。
【0038】
有機高分子微粒子に忌避活性化合物である天然精油がコパイバオイルおよび/またはカリオフィレン、ベチバー油、エレミ油およびエレミリジノイド、オレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、タイムレッド油、ナツメグ油、パチョウリ油、パルマローザ油、ビターオレンジ油、レモングラス油、キンモクセイ油、ゴマ油、シナモンリーフ油、セロリー油、トルーバルサム、ペルーバルサム、オークモス、サンダルウッド油、スペアミント油、ローレル油、ガーリック油、ココナッツ油、ジル油(イノンド油)、バーチ油、グルジョンバルサム油、ダイオウ(大黄)抽出物、オリバナムレジノイド又は乳香樹脂、ベンゾインレジノイド又は安息香樹脂、ホップアブソリュート、ガイアックウッド油、カリオフィレンオキサイド、フェンチルアルコール、レッドシーダーオイル油、タンニン、カフェイン又は無水カフェイン、ガラナ抽出物、クパーナの種子、ケイパー抽出物、アニス油、バチュリ(パチョリ)油、セージ油、タイム油、ローズマリー油、グローブ油、ユーカリ油、バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種子の抽出物、アオガンピ(Wiskstroemiaretusa A. Gray)からの抽出物、ショウガ科植物Aframomum melegueta の種子の抽出物、オビスギ(Cyptomeria japonica D.DON)抽出物、月桃油、山奈油、ダイウイキョウ油(スターアニス油)、ペニーロイヤル油、ニーム油の1種以上を有効成分として坦持させることによって、効果を持続的に長時間持たせ、徐放性忌避活性微粒子とすることが出来る。
【0039】
本発明では、徐放性忌避活性有機高分子微粒子を含有する接着・粘着剤またはインキを調製するに当たって、該微粒子の沈降を防止して均一な微粒子分散液として、これを用いることができる。
さらに、均一な微粒子分散液、忌避ペレット、忌避シート、忌避フィルムおよび忌避紙等を容器に投入し、ファンにより風を送ることにより天然精油忌避活性物質が周辺に強制拡散させることにより、広範囲の地域を衛生害虫の被害が守ることが可能となる。これは、食品工場や飲食店等の厨房、一般家庭において幅広く利用できる。
【0040】
この際の微粒子分散液は、該微粒子以外に水または有機溶剤+沈降防止剤を含む。微粒子分散液は、有機溶剤もしくは水系エマルションに比重の重い忌避活性化合物を坦持する微粒子を分散させるため、沈降防止剤がを使用することが極めて望ましい。沈降防止剤としては、タンパク質、多糖類、各種合成樹脂、アクリル酸重合体、および無機系物質を用いることができる。
【0041】
本発明に用いる天然精油がコパイバオイルおよび/またはカリオフィレン、ベチバー油、エレミ油およびエレミリジノイド、オレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、タイムレッド油、ナツメグ油、パチョウリ油、パルマローザ油、ビターオレンジ油、レモングラス油、キンモクセイ油、ゴマ油、シナモンリーフ油、セロリー油、トルーバルサム、ペルーバルサム、オークモス、サンダルウッド油、スペアミント油、ローレル油、ガーリック油、ココナッツ油、ジル油(イノンド油)、バーチ油、グルジョンバルサム油、ダイオウ(大黄)抽出物、オリバナムレジノイド又は乳香樹脂、ベンゾインレジノイド又は安息香樹脂、ホップアブソリュート、ガイアックウッド油、カリオフィレンオキサイド、フェンチルアルコール、レッドシーダーオイル油、タンニン、カフェイン又は無水カフェイン、ガラナ抽出物、クパーナの種子、ケイパー抽出物、アニス油、バチュリ(パチョリ)油、セージ油、タイム油、ローズマリー油、グローブ油、ユーカリ油、バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種子の抽出物、アオガンピ(Wiskstroemiaretusa A. Gray)からの抽出物、ショウガ科植物Aframomum melegueta の種子の抽出物、オビスギ(Cyptomeriajaponica D.DON)抽出物、月桃油、山奈油、ダイウイキョウ油(スターアニス油)、ペニーロイヤル油、ニーム油の1種以上を有効成分とした合成樹脂マイクロカプセルは溶剤として有機溶剤を使用することから耐溶剤性にすぐれたマイクロカプセル膜壁を持つ。
【0042】
例えば特開昭53−84881、特開昭53−84882、特開昭60−28819、特開昭60−216838号公報に記載の様に、尿素ホルムアルデヒド樹脂またはメラミンホルムアデヒド樹脂を膜材とするマイクロカプセルおよび特開昭61−40188号公報に記載の様に不飽和二重結合からなるモノマー成分(例えばアクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸エステル、架僑剤としてN,N−メチレンビスアクリルアミド等)のラジカル重合体を膜材とするマイクロカプセル等が挙げられる。
【0043】
本発明に使用する疎水性有機溶媒としてはトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット等の炭化水素、が例示でき、これらの溶剤は単独又は混合して使用でき場合によっては水と混合してもよい。本発明のマイクロカプセル組成物の組成比は、一般的にマイクロカプセル100重量部に疎水性物質(天然精油)2〜30重量部、有機溶剤30〜100重量部の範囲で使用する。
【0044】
本発明のマイクロカプセル組成物は疎水性有機溶剤に疎水性物質(天然精油)を混合溶解して、マイクロカプセル液を加え共沸脱水により水を系外に除去することにより得られる。
【0045】
本発明のマイクロカプセル組成物に必要に応じて接着剤、保護材料、緩衝材料としてのスティルト等を使用することにより印刷インキを製造できる。
【0046】
接着剤とてしては天然樹脂および天然樹脂を変性したものとしてセラック、ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、マレイン酸変性ロジン等の変性ロジン、或いは合成樹脂として石油樹脂、硝化綿、エチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、変性アルキド樹脂、フェノール樹脂、エチレン−酢酸ビニル重合体、塩化ビニル酢酸ビニル重合体、アクリル樹脂、合成ゴム等が挙げられる。
【0047】
スティルトとしてはセルロース粉末、小麦、トウモロコシ、馬鈴薯、さつまいも、タピオカなどの原料から製造された澱粉、それらと酸化剤から得られる酸化澱粉、アセチル化澱粉で代表されるエステル化澱粉、エーテル化澱粉、アルデヒド澱粉等の澱粉誘導体、変性澱粉などの澱粉粒子、タルク、炭酸カルシウム、ポリスチレン樹脂の粒子などの汚染防止用スティルト類等が挙げられる。その他必要に応じて顔料、増粘剤、ワックス等を加えることはインキ物性を良くするという理由から何ら差し支えない。
【0048】
以上の組み合わせにより調製されるマイクロカプセル組成物を含有した印刷インキは通常の印刷方法、例えばフレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷方法によりマイクロカプセルをスポット印刷により、部分塗布した印刷紙を製造することが可能となる。
【0049】
【発明の実施の態様】
本発明で使用される天然精油がコパイバオイルおよび/またはカリオフィレン、ベチバー油、エレミ油およびエレミリジノイド、オレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、タイムレッド油、ナツメグ油、パチョウリ油、パルマローザ油、ビターオレンジ油、レモングラス油、キンモクセイ油、ゴマ油、シナモンリーフ油、セロリー油、トルーバルサム、ペルーバルサム、オークモス、サンダルウッド油、スペアミント油、ローレル油、ガーリック油、ココナッツ油、ジル油(イノンド油)、バーチ油、グルジョンバルサム油、ダイオウ(大黄)抽出物、オリバナムレジノイド又は乳香樹脂、ベンゾインレジノイド又は安息香樹脂、ホップアブソリュート、ガイアックウッド油、カリオフィレンオキサイド、フェンチルアルコール、レッドシーダーオイル油、タンニン、カフェイン又は無水カフェイン、ガラナ抽出物、クパーナの種子、ケイパー抽出物、アニス油、バチュリ(パチョリ)油、セージ油、タイム油、ローズマリー油、グローブ油、ユーカリ油、バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種子の抽出物、アオガンピ(Wiskstroemiaretusa A. Gray)からの抽出物、ショウガ科植物Aframomum melegueta の種子の抽出物、オビスギ(Cyptomeria japonica D.DON)抽出物、月桃油、山奈油、ダイウイキョウ油(スターアニス油)、ペニーロイヤル油、ニーム油は、調合用香料原料として市販されているものであればよく市場で入手できる。
【0050】
本発明の忌避活性化合物が適用される衛生害虫は食品や穀物にとりついて伝染病を伝播したり、人体に苦痛および疾病をもたらしたり穀物を食い荒らす昆虫をいい、例えば、ダニ類、ゴキブリ類、ハエ類、蚊類、シバンムシ類、チャタテムシ類、ノシメマダライガ類、ノコギリヒラタムシ類、コクゾウムシ類、アリ類、シロアリ類、ノミ類、シラミ類、アブ類、甲虫類(コクゾウムシ、コクヌストモドキ、カツオブシムシ)、カイガラムシ類、蛾類(イガ、コイガ)ヒョウホンムシ類を挙げることができる。
【0051】
微粒子分散液に含まれる微粒子の沈降防止剤として用いられるアクリル酸重合体としては、ポリアクリル酸とも呼ばれアクリル酸を2以上重合したもので、特に架橋型アクリル酸重合体を用いることができる。そのアクリル酸重合体の具体的な例は、ジュンロンシリーズ(PW−110、PW−150(日本純薬(株))、カーボポールシリーズ(907、910など、昭和電工(株))等が例示できる(特開平9−77605号公報参照)。そのアクリル酸重合体の薬剤分散液中の含有量としては、0.0001〜6重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%とするのが望ましい。
【0052】
上記アクリル酸重合体に対して、アクリル酸重合体を中和するために、アルカリ剤を加え、アクリル酸重合体に混合して増粘させ、水不溶性もしくは水難溶性とする。その具体的なアルカリ塩としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、モルフォリンなどを挙げることができる(特開平9−77605号公報参照)。
【0053】
そのアルカリ塩の含有量としては、アクリル酸重合体を中和してpHを5.0〜9.0、好ましくは、pH6.5〜7.5に調整するのに必要とな量であり、架橋型アクリル酸重合体の含有量にもよるが0.00001〜20重量%を、好ましくは0.01〜0.5重量%とするのが望ましい。
【0054】
沈降防止剤としてのタンパク質としては水溶性のゼラチン等が用いられ、水不溶性のカゼイン、カゼインナトリウム、グルテン等が挙げられる。また多糖類としては多糖類単体やその誘導体が用いることができ、それには水溶性のアラビアガム、ジェランガム、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、サイリウムシードガム等が有り、水不溶性のメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、カードラン等が挙げられる。さらに、合成樹脂では水溶性のポリビニールアルコール、ポリビニルピロリドン、等が用いられる。微粒子分散液100重量部に対して、0.1〜20.0、好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは、3.0〜8.0を用いる。
【0055】
沈降防止剤としての無機系物質としては、カオリン、セリサイト、蛙目粘土、雲母、合成雲母、疎水化合成雲母、ベントナイト、疎水化ベントナイトなどのカードハウス凝集やカードパック凝集をする粘土鉱物、超微粒子シリカ、超微粒子アルミナを挙げることができる。微粒子分散液100重量部に対して、0.1〜20.0、好ましくは5.0〜12.0、より好ましくは、8.0〜9.0用いる。
【0056】
微粒子分散液に用いられる水または有機溶剤およびその混合物は、徐放性忌避活性微粒子を分散させ得る液体であり、有機溶媒として、アルコール類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類、石油エーテル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン等の芳香族類なども用いることができるが特に限定するものではない。
【0057】
微粒子分散液の製造方法(沈降防止剤:アクリル酸重合体)
水または有機溶剤100重量部に対してアクリル酸重合体が0.1〜5.0重量部、好ましくは0.1〜0.4重量部を混合し、沈降防止剤溶液(1)とする。天然精油がコパイバオイルおよび/またはカリオフィレン、ベチバー油、エレミ油およびエレミリジノイド、オレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、タイムレッド油、ナツメグ油、パチョウリ油、パルマローザ油、ビターオレンジ油、レモングラス油、キンモクセイ油、ゴマ油、シナモンリーフ油、セロリー油、トルーバルサム、ペルーバルサム、オークモス、サンダルウッド油、スペアミント油、ローレル油、ガーリック油、ココナッツ油、ジル油(イノンド油)、バーチ油、グルジョンバルサム油、ダイオウ(大黄)抽出物、オリバナムレジノイド又は乳香樹脂、ベンゾインレジノイド又は安息香樹脂、ホップアブソリュート、ガイアックウッド油、カリオフィレンオキサイド、フェンチルアルコール、レッドシーダーオイル油、タンニン、カフェイン又は無水カフェイン、ガラナ抽出物、クパーナの種子、ケイパー抽出物、アニス油、バチュリ(パチョリ)油、セージ油、タイム油、ローズマリー油、グローブ油、ユーカリ油、バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種子の抽出物、アオガンピ(Wiskstroemiaretusa A. Gray)からの抽出物、ショウガ科植物Aframomum melegueta の種子の抽出物、オビスギ(Cyptomeria japonica D.DON)抽出物、月桃油、山奈油、ダイウイキョウ油(スターアニス油)、ペニーロイヤル油、ニーム油の1種以上を有効成分として、忌避剤液全量1重量部に対して、溶解補助剤としての界面活性剤約1.0〜5.0重量部、好ましくは2.5〜3.5重量部を良く混和し、忌避剤液(2)とする。
【0058】
微粒子分散液の製造方法(沈降防止剤:タンパク質)
微粒子分散液全重量に対して、沈降防止剤としてカゼインナトリウム 約0.1〜15.0重量部、好ましくは約・1.0〜7.0重量部、より好ましくは約3.0〜5.0重量部を用いて前記と同様にして沈降防止剤溶液(1)を調製し微粒子分散液を得る。
【0059】
微粒子分散液の製造方法(沈降防止剤:無機系物質)
微粒子分散液全重量対して、例えば、沈降防止剤としてベントナイト約0.1〜15重量部、好ましくは約3.5〜10.5重量部、より好ましくは約6.5〜8.5重量部用いて前記と同様にして沈降防止剤溶液(1)を調製し微粒子分散液を得る。
【0060】
この微粒子分散液を粘着剤の構成成分に適量添加しテープ基剤に塗布し、忌避活性化合物含有粘着剤とする。また、この微粒子分散液をインキ構成成分に適量添加し、忌避活性化合物含有インキとする。
【0061】
本発明の微粒子分散液は、公知の通常用いられるラベル(タック)または梱包用テープ、マスキングテープなどのテープに用いられる溶剤または水性タイプの粘着剤に、または多層フィルム用の接着剤に添加して忌避活性化合物含有粘着・接着剤とする。
【0062】
本発明の微粒子分散液は通常用いられる粘着・接着剤に添加することができる。通常用いられる粘着・接着剤はアクリル系樹脂を主成分とする天然ロジン(松ヤニ)を含んでいてもよい。これらの公知の通常用いられる組成の粘着・接着剤に本発明の微粒子分散液を、粘着・接着剤の全重量に対して0.01〜30重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、最も好ましくは、3〜5重量%を添加する。
【0063】
忌避活性化合物含有粘着・接着剤は、当分野で通常用いられる保持材に展着することができ、次のようなものが挙げられるが、これに限定されるものではない。紙(上質紙・ミラコート・アート・再生紙・ホイル・合成紙・感熱紙・和紙)、フィルム(PP・PET・OPP他 ラミネート用/PET・OPP他)、合成紙・化繊紙およびホイルなどに展着保持させて、シート・ラベル(タック)として製造する。クラフト紙・和紙・合成紙、布・不織布、フィルム(PP・PET・OPP他)に展着保持させて、梱包用テープ、マスキングテープとして製造する。また、布・不織布、紙類・合成紙・化繊紙、フィルムなどに展着して傷保護テープを製造することができる。接着剤として、合成フィルム(ホットメルト接着など)および多層フィルムに用いることもできる。さらに、粘着性のある包帯・織布などの衛生材料にも用いることができる。これらの製品の製造にあたって、忌避活性化合物が接着・粘着剤から放出され得るように、保持材の少なくとも一面は通気性であってもよい。
【0064】
本発明の微粒子分散液を含ませる通常用いられるインキは、当分野で通常用いられるインキであれば特に限定されない。これらのインキは主としてアクリル樹脂系であり、溶剤系または水系(エマルション)である。例えば、フレキソ、プリスロ、グラビア、シルク、UV加工・表面コートなどに用いられる水性インキ(エマルション系)、フレキソ、グラビア、シルク、オフセット、UV加工・表面コートなどに用いられる油性インキ(溶剤系)などがある。さらに、撥水作用を有する分散剤にも添加することができる。また、蛋白質を基材とするインキや大豆油などの脂肪油を基材とする植物性インキであってもよい。
【0065】
これらの公知の通常用いられる組成のものに本発明の微粒子分散液を、インキの全重量に対して、0.01〜30重量%、より好ましくは0.1〜10重量%、最も好ましくは、3〜5重量%を添加する。
【0066】
本発明のインキを用いた印刷物には、当分野で通常印刷される下記のようなものが含まれるが、これに限定されるものでない。例えば、紙器・段ボール・畳下・包装紙・紙袋、壁紙・紙製手ふき・紙製タオル・紙製ナプキン・紙製ハンカチ・紙製オシメ・紙製ブラインド・紙製ゴミ収集袋・紙製野菜袋・その他紙製品、木工品、建築内装資材、シート・フィルム製品、石油系樹脂成形品、生分解性樹脂成形品が含まれ、忌避活性効果を発揮する。
【0067】
コパイバオイル内包微粒子はその高分子の種類によっては加熱によっても崩壊しないものもあり、このため加熱工程にある樹脂ペレットに練りこむことができる。例えば、この防虫性樹脂ペレットから製造したフィルムによってインスタント食品やレトルト食品を包装すれば、長期間衛生害虫を寄せ付けないで陳列または保存ができる。
【0068】
天然精油内包有機高分子微粒子を練り込むためのぺレット樹脂の種類としては、次のような物が例示できる。ナイロン(ポリミドよ)およびエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリオレフィン系熱収縮樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、熱収縮フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが例示できるが、担持有機質微粒子を練り込めることが出来れば特に限定するものではない。得られた天然精油防虫忌避剤担持有機質微粒子練り込みペレットを用いて作製した無延伸フィルム、延伸フィルムやシート及び樹脂成形品などを製造することができる。
【0069】
樹脂ペレットに用いる樹脂およびその樹脂ペレットを原材料とする樹脂製品を次に例示する([ ]内が樹脂製品の例示):PE(ポリエチレン樹脂);PP(ポリプロピレン樹脂);PET(ポリエチレンテレフタレート) [プリスター包装、カプセル、錠剤];PBT(ポリブチレンテレフタレート);PVAc(ポリ酢酸ビニル);PA(ポリアミド)[哺乳ビン、コーヒー濾紙];PMMA(ポメタアクリル酸メチル);アクリル樹脂;メタクリル樹脂[看板、ディスプレー、風防ガラス、照明器具、雑貨];ABS (アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン);AS樹脂(アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂)[弁当箱、容器];SI(シリコン);SBR(スチレン−ブタジエンゴム);EP(エポキシ樹脂);PC(ポリカーボネート)[電気機械部品、雑貨、窓ガラス、包装フィルム];ポリアセタール[歯車、自動車部品、事務機部品];ポリウレタン;ポリスルホン[電気部品、雑貨];PF(フェノール樹脂)[皿、つまみ、汁碗];MF(メラミン樹脂)[食器、箸];PUR(ウレタン樹脂)[汁碗];UP(不飽和ボリエステル樹脂)[電子レンジ、オーブン用容器];飽和ポリエステル樹脂[包装材料、ホットスタンピング用転写箔];ポリエーテル;ポリアミド[線維、機械部品];PTFE(フッ素樹脂);PMP(ポリメチルペンテン)[医療用器具、食器用器具]、DAP(ジアリルフタレート樹脂)[化粧版、電気絶縁材料]。
【0070】
天然精油を樹脂ペレットの全重量に対して0.01〜30重量%、より好ましくは0.1〜20重量%、最も好ましくは、0.5〜10重量%を添加する。最終製品には、天然精油が全重量に対して0.01〜30重量%、より好ましくは0.1〜20重量%、最も好ましくは、0.5〜10重量%程度存在すれば、衛生害虫忌避活性を維持し得る。
【0071】
天然精油防虫忌避剤担持有機質微粒子をシート・フィルムに含有させることができ、シートの例として、紙、不織布、天然繊維布、化学繊維布など挙げることができる。フィルムの例としては、透明パウチ、透明トレイ、アルミ箔、シュリンクフィルム、オーバーラップなどを挙げることができる。
【0072】
天然精油防虫忌避剤担持有機質微粒子はあらゆる種類の紙に含ませることができ、漉き込む形式であってもよい。紙の例としては、ダンボール紙、ボール紙、厚紙、紙(上質紙・ミラコート・アート・再生紙・ホイル・合成紙・感熱紙・和紙・化繊紙)、布・不織布、布・不織布、フィルムなどが含まれる。
【0073】
不織布としては、ナイロン、アクリル、ポリエステル、綿、レーヨンなどを挙げることができ、特殊紙としては、ガラス繊維を混式抄紙法によって均一にした無機繊維であるグラスファイバー紙があり、これは断熱材(ビニロン混抄/セラミックペーパー(有機および無機バインダー))、パルプとの混抄品に用いられる。
【0074】
また化学繊維の場合は織糸の原材料に天然精油防虫忌避剤担持有機質微粒子含有防虫性樹脂ペレットを添加して織糸を製造し、繊維製品に仕上げることもできる。化学繊維の例としては、アクリル、セルロース、アセテート、ビニロン、ナイロン、塩化ビニリデン、ポリエステルなどを挙げることができる。
【0075】
綿、麻、絹などの天然繊維および上記の化学繊維なども紡糸の時点で防虫性樹脂ペレットを吹き付けるなどして付着させて防虫加工するか、織布になった段階で天然精油防虫忌避剤担持有機質微粒子含有液に浸漬して防虫加工することもできる。
【0076】
上記の衛生害虫忌避活性シート・フィルムを材料として種々の防虫加工製品を製造することができる。例えば、ダンボール紙および、紙器、包装用紙および箱、中包紙、緩衝材などの食品の包装資材用の箱、段ボール箱、畳下、シート・紙袋、シート・紙製手ふき、シート・紙製タオル、シート・紙製ナプキン、シート・紙製ハンカチ、シート・紙製オシメ、シート・紙製ブラインド、シート・紙製ゴミ収集袋、シート・紙製野菜袋、壁紙、建築内装資材、フィルムシート・フィルム製品が含まれる。忌避活性効果を発揮する。
【0077】
天然精油をシート・フィルムの全重量に対して0.01〜90重量%、より好ましくは0.1〜50重量%、最も好ましくは、0.5〜30重量%を添加する。
【0078】
【実施例】
【実施例1】
微粒子の製造例1
フェニルキシリルエタン100gとアジピン酸ジイソデシル100gとの混合液にコパイバ油100gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約31重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 25gを加えたものを、アラビアガム30gとエチレングリコール20gとを含む水500gに加え、T.K.オートホモミクサー(特殊機化工業製ホモジナイザー)で常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、フェニルキシリルエタンとアジピン酸ジイソデシルとの混合液中に懸濁されたジニコナゾールが、ポリウレタン膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水175gを加え、10重量%のコパイバ油カプセル組成物を得た。
【0079】
【実施例2】
微粒子の製造例2
フェニルキシリルエタン200gにベンゾイン油50gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約19重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 10gを加えたものを、アラビアガム30gとエチレングリコール20gとを含む水500gに加え、T.K.オートホモミクサーで常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、フェニルキシリルエタン中に懸濁されたブロモブチドがポリウレタン膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水240gを加え、5重量%のベンゾイン油カプセル組成物を得た。
【0080】
【実施例3】
微粒子の製造例3
フェニルキシリルエタン100gとアジピン酸ジイソデシル100gとの混合液にコパイパ油100gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約31重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 25gを加えたものを、アラビアガム30gを含む水490gに加え、T.K.オートホモミクサーで常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、フェニルキシリルエタンとアジピン酸ジイソデシルとの混合液中に懸濁されたジニコナゾールが、ポリウレア膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水185gを加え、10重量%ベチバー油組成物を得た。
【0081】
【実施例4】
微粒子の製造例4
アジピン酸ジイソデシル200gにコバイバ油100gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約30重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 25gを加えたものを、アラビアガム30gとエチレングリコール20gとを含む水325gに加え、T.K.オートホモミクサーで常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、アジピン酸ジイソデシル中に懸濁されたプロシミドンが、ポリウレタン膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水350gを加え、10重量%のエレミ油カプセル組成物を得た。
【0082】
【実施例5】
微粒子の製造例5
フェニルキシリルエタン150gとアジピン酸ジイソデシル50gとの混合液にコパイバ油100gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約32重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 50gを加えたものを、アラビアガム30gとエチレングリコール30gとを含む水530gに加え、T.K.オートホモミクサーで常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、フェニルキシリルエタンとアジピン酸ジイソデシルとの混合液中に懸濁されたコパイバ油が、ポリウレタン膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水120gを加え、10重量%のコパイバ油組成物を得た。
【0083】
【実施例6】
微粒子の製造例6
フェニルキシリルエタン100gとアジピン酸ジイソデシル100gとの混合液にコパイバ油80gとエレミ油20gを加えてビーズミルで微粉砕し、固体分濃度が約30重量%の懸濁液とした。これに、スミジュールL−75 25gを加えたものを、ポリビニルアルコール15gとエチレングリコール20gとを含む水500gに加え、T.K.オートホモミクサーで常温下に攪拌し、微小滴を得た。次いで、60℃で24時間攪拌することにより、フェニルキシリルエタンとアジピン酸ジイソデシルとの混合液中に懸濁されたプロシミドンが、ポリウレタン膜でマイクロカプセル化されたスラリーを得た。このスラリーに、ザンタンガム1gとアルミニウムマグネシウムシリケート5gとを含む水175gを加え、10重量%のコパイバ油とベチバー油カプセル組成物を得た。
【0084】
【実施例7】
微粒子の製造例7
アクリル酸、アクリロニトリル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体の5%水溶液120部を10%NaOH水溶液でpHを4.0とし、この中にエレミ油を50部加えホモミキサーで乳化した後、不揮発物80wt%のメチル化メチロールメラミン水溶液(三井東圧化学「ユーラミンT−30」)24部を加えた後、攪拌下80℃で2時間保持して平均粒子径5.0μのマイクロカプセル液を得た。
【0085】
【実施例8】
微粒子の製造例8
商品名)オレンジフラワー油を63部、エポキシ樹脂としてアラルダイト6060(商品名)を8.11部、ケチミンとしてヴェルサミンK−11(商品名)の0.97部、及び、促進剤399(商品名)の0.20部と混合した。この混合物を、乳化剤として3%の水性タモールL/ヴィノール523(ともに商品名)(95:5)の溶液の130部にいれて乳化させた。前記スラリーを75℃に4時間加熱してマイクロカプセルを製造した。
得られた製品は、電子顕微鏡によって球体マイクロカプセルが形成されていることが確認でき、平均粒径は、約5ミクロンであった。
【0086】
【実施例9】
微粒子の製造例9
エポキシ樹脂としてアラルダイト3336(商品名)を6.87部、ケチミンとしてのヴェルサミンK−11(商品名)を2.20部使用した以外は、実施例1と同様にしてマイクロカプセルを製造し、実施例1と同様にして諸試験を行ない、球体マイクロカプセルが平均粒径約6ミクロンで形成されていることが認められた。
【0087】
【実施例10】
微粒子の製造例10
水酸化ナトリウム20gの水溶液を80℃まで昇温した後、スチレン無水マレイン酸共重合体(スクリプセット520;モンサント社製)100gを加え、2時間撹拌混合し、スチレン無水マレイン酸共重合体のpH5.5、5重量%の水溶液を調製する。
前記の調製液150g中に、25重量%ニーム油縣濁シリコンKF−96の分散液200gを分散して、この縣濁液の回りに、スチレン無水マレイン酸共重合体加水分解物を吸着させる。
前記で得た溶液中に、メラミン9.9gを分散させ、よく撹拌する。
前記で得た溶液を、70℃に昇温し、25重量%グルタールアルデヒドを5回に分けて、30分毎に25.7gを加え、芯物質の回りにメチロール化メラミンとスチレンマレイン酸共重合体を反応させ、芯物質を被膜する。
【0088】
【実施例11】
微粒子の製造例11
前記実施例10と同様な方法で水溶液を調製する。
前記で得た溶液中に、メラミン12.8gとレゾルシン5.7gを分散/溶解させ、よく撹拌する。
前記で得た溶液を、70℃に昇温し、25重量%グルタールアルデヒドを3回に分けて、40分毎に27.2gを加え、芯物質の回りにメチロール化メラミンとフェノールレジン、およびスチレンマレイン酸共重合体を反応させ、芯物質を被膜する。
【0089】
【実施例12】
微粒子の製造例12
加熱装置を備えた攪拌混合容器中に、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−117,クラレ社製)の3%水溶液 150部を加え、カプセル製造用水性媒体とした。別に、タイムレッド油100部にポリメチレンポリフェニルイソシアネート(商品名:ミリオネートMR400、日本ポリウレタン工業社製) 5部と2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートヘキサエート(商品名:T−100,東レ社製) 2部を溶解して得た溶液をカプセル芯物質として、上記カプセル調製用水性媒体中にT.K.ホモミキサーを用いて毎分10000回転で1分間分散した。
この乳化分散液にジエチレントリアミン1部を加え、室温下で30分間攪拌した後、系の温度を70℃まで昇温して攪拌を続けながら3時間反応させた。室温まで温度を下げて平均粒子径が5.7μmで、平均膜厚が0.16μmのポリウレア樹脂/ポリウレタン樹脂壁膜よりなるマイクロカプセルを調製した。
【0090】
【実施例13】
微粒子の製造例13
オリゴマー、モノマー、光重合開始剤、天然精油、紫外線吸収剤、光安定剤及び染料を、表1に従って配合した。なお表1に示される各配合剤の物質は、次の通りである。
【0091】
オリゴマーA:エポキシアクリレートB:ポリエステルアクリレートC:ウレタンアクリレートD:アルキッド樹脂アクリレート
【0092】
モノマーE:2−エチルヘキシルアクリレートF:ジエチレングリコールジアクリレートG:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
【0093】
光重合開始剤H:ベンジルジメチルケタールI:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
【0094】
紫外線吸収剤L:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンM:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
【0095】
光安定剤N:4−ヒドロキシ−2,2,6,6− テトラメチルピペリジンO:ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4− イル)−セバシン酸エステル
【0096】
染料P:アントラキノン系染料(ブルー)(0.5%ブタノール溶液)Q:アゾ系染料(レッド)(0.5%ブタノール溶液)
【0097】
表1に示される各物質を十分混合した後、直径7cm、深さ2cmの透明ガラス容器に深さ1cmまで充填し、高圧水銀ランプで光を照射して硬化させ、着色防虫忌避剤微粒子を得た。
【0098】
【実施例14】
【0099】
【実施例15】
上記の組成によって、上記と同様にして行った。
【0100】
【実施例16】
上記の組成によって、上記と同様にして行った。
【0101】
【実施例17】
【0102】
【実施例18】
【0103】
【実施例19〜22】
忌避活性粘着剤の製法
アクリル樹脂95、天然ロジン(松ヤニ)5の比率の50%水系エマルション溶液のアクリル樹脂系粘着剤に対して実施例14〜18で製造した微粒子分散液を、3重量%添加し、よく混和して衛生害虫忌避活性粘着剤を製造した。
【0104】
【実施例23】
インキの製造例
トルエン300部にジオクチルホスヘート10部加え混合溶液した後、製造例7で得たマイクロカプセル100部(固形分)を加え共沸脱水により水を除去した。
このマイクロカプセル液を顕微鏡で観察したところマイクロカプセル粒子は個々に分散しており凝集は見られなかった。
このマイクロカプセル液にマルキード32(荒川化学(株)マレイン酸樹脂)10部を溶解、セルロース粉末20部を混合してグラビアインキを得た。
【0105】
【実施例24】
上記の成分を混合して得た水性フレキソインキに、実施例14で製造した微粒子分散液(A)を5重量%または10重量%添加して忌避活性フレキソインキを製造した。
【0106】
【実施例25】
上記の成分を混合して得た水性フレキソクリアインキに、実施例15で製造した微粒子分散液(B)を5重量%または10重量%添加して忌避活性フレキソクリアインキを製造した。
【0107】
【実施例26】
上記の成分を混合して得られたプリスロインキに実施例16で製造した微粒子分散液(C)を5重量%または10重量%添加して忌避活性プリスロインキを製造した。
【0108】
【実施例27】
上記の成分を混合して得られた油性フレキソインキに実施例17で製造した微粒子分散液(D)を5重量%または10重量%添加して忌避活性油性フレキソインキを製造した。
【0109】
【実施例28】
【0110】
上記の成分を混合して得られたオーバープリント用UVインキに実施例18で製造した微粒子分散液(E)を5重量%または10重量%添加して忌避活性油性フレキソインキを製造した。
【0111】
【実施例29】
防虫性ポリプロピレンペレットの製造
ポリプロピレン樹脂ペレット(昭和電工(株)製 サンアロマーPF621S)を充填速度12kg/hで、微粒子製造例1の10重量%のコパイバ油カプセル組成物を3kg/hで、2軸押出機を用いて、200〜220℃で充填し混練する。その充填比は、ポリプロピレン樹脂80重量%、微粒子製造例1の10重量%のコパイバ油カプセル組成物20重量%の約φ2mm×3mmの10重量%のコパイバ油カプセル組成物を10%坦持した防虫性ポリプロピレン樹脂ペレットを得た。
【0112】
【実施例30】
微粒子製造例2の5重量%のベンゾイン油カプセル組成物を5%坦持フィルムの調製
ポリプロピレン樹脂ペレット(昭和電工(株)製 サンアロマーPF621S)50重量%および実施例29と同様にして得られた防虫性ポリプロピレン樹脂ペレットを50重量%とを攪拌機で混合する。得られたベンゾイン油カプセル含有ポリプロピレン樹脂ペレット混合物を、水冷式インフレーション押出機((株)山口製作所製 型式YP500NC)を用いて、温度205〜220℃で約5秒間、引き出し速度30m/minでフィルム厚み20μ幅210mmの製造例2の5重量%のベンゾイン油カプセル組成物5%坦持した防虫性ポリプロピレン樹脂チューブ状フィルムを作製した。
【0113】
【実施例31】
微粒子製造例4の10重量%エレミ油組成物を2.5%坦持フィルムの調製
実施例30と同様にして、ポリプロピレン樹脂ペレット(昭和電工(株)製 サンアロマーPF621Sを75重量%および実施例29と同様にして得られた防虫性ポリプロピレン樹脂ペレットを25重量%とを攪拌機で混合する。得られた防虫性ポリプロピレン樹脂ペレット混合物を、水冷式インフレーション押出機((株)山口製作所製 型式YP500NC)を用いて、温度205〜220℃で約5秒間、引き出し速度30m/minでフィルム厚み20μ幅210mmの微粒子製造例4の10重量%のエレミ油カプセル組成物を2.5%坦持した防虫性ポリプロピレン樹脂チューブ状フィルムを作製した。
【0114】
【実施例32】
紙への漉き込み
ポリビニルアルコール1%溶液(500ml)に微粒子製造例10のニーム油25%カプセル10gを分散させておき、塗布量が紙繊維に対して約2〜3g/m2になるように紙繊維(パルプとマニラ麻の混紡)(20cm×cm 0.4m2)を浸漬、乾燥させ、微粒子製造例10のニーム油カプセル組成物を付着させ防蟻紙を得た。
【0115】
【実施例33】
上記の成分に、微粒子製造例10で製造したニーム油カブセル微粒子を5重量%または10重量%添加して忌避活性塗料を製造した。
【0116】
【実施例34】
忌避装置
均一な微粒子分散液、忌避ペレット、忌避シート、忌避フィルムおよび忌避紙等を容器に投入して放置するか、拡散効率を上げるためにファンにより風を送ることにより天然精油忌避活性物質が周辺に強制拡散させることにより、広範囲の地域を衛生害虫の被害が守ることが可能となる装置である。
図1に示す。
【0117】
但し図1中1は水量検知端子、2は吸入口、3忌避剤、4は排出口、5は蒸発筒、6は取手、7は水槽である。
【0118】
[試験例1]粘着剤のダニ忌避試験(侵入阻止法)
実施例7で得られた粘着剤につき、下記の統一試験法:侵入阻止法によるダニ忌避試験を行った。
【0119】
1.方法と材料
(1)図2のように、内径3.5cm×高さ1cmのシャーレの8内部底面に、直径3.5cmの円形に切り抜いた検体10を敷き込む。
このほぼ中央に、誘引用ダニ餌9(小動物飼育用粉末飼料MF(オリエント酵母(株)製)と局方乾燥酵母(アサヒビール(株)を1:1で混合したものを使用)として、0.05gを置く。
シート状の飼料は、底面に密着するようにする。
【0120】
(2)上記(1)のシャーレ8を、内径8.5cm×高さ2cmのガラス製シャーレ12の中央に置く。内径3.5cmと内径8.5cmのシャーレ8と12との間にダニ培地11を全面ではなく、内径3.5cmのシャーレの回りに敷く。
【0121】
(3)上記のようにセットしたものに、内径8.5cmのシャーレ12の培地11にダニを放置して、25±5℃の恒温恒湿器に全暗状態で静置する。
【0122】
(4)24時間後、内径3.5cmのシャーレ8内の検体10に侵入してきた生ダニ数を計測し、効果を判定する。
【0123】
(5)対照区がブランクとして採用され(検体によっては、元々ある程度防虫効果のあるものを除く)、処理区の検体の忌避率が70%以上である場合、通常防虫効果があるものと判定される。
【0124】
忌避率(%)=[(対照区の移動数−処理区の移動数)/対照区の移動数]×100試験は、クラフトテープの粘着面につき、対照(無添加)、製造直後(T=0)、製造6ヵ月後(T=6)、製造12ヶ月後(T=12)につき侵入ダニ数から忌避率を計算した。
3.結果
【0125】
【表1】
【0126】
4.考察
6ヵ月後最も高い忌避率が得られていることからクラフトテープの使用を開始後、徐々に忌避活性物質の放出が増加し、その後減少していくものと思われる。
【0127】
[試験例2]粘着剤のゴキブリ忌避試験
対照として、忌避活性物質を含まない下記の微粒子分散液を同様に調製してゴキブリ忌避試験を行った。
【0128】
2.検体
対照および実施例19〜22の忌避活性粘着剤をタックシールに処理した。
【0129】
3.試験方法
図3に示す装置を用いて行った。直径30cmの円の形状にした「試料紙」を直径30cmの容器14に置床し、アルミホイルで覆った侵入口のあるプラスチック円筒容器17をこの試料16にかぶせた。容器の内にチャバネゴキブリの成虫を30匹放ち、25度の室温下、24時間放置して紙上でのゴキブリの個体数を調べ、対照処理区(試料紙を設置した所)と、対照無処理区(ブランク)の忌避率(%)を算出する。試験は、同条件下で、2回行ないそれぞれを平均した値を提示する。プラスチック容器をかぶせる事は、ゴキブリは、暗所を好むので、明条件下に放置された直径30cmの容器内に置かれた遮光されたプラスチック容器内に入り込む性質を利用している(追加にて、3回目も行なう)。尚13はワセリン、15は水、18は検体を示す。
【0130】
4.供試昆虫
チャバネゴキブリ成虫 雄 30個体
【0131】
5.試験結果
24時間後の試験結果を表2に示す。
【0132】
【表2】
試験個所は、全て「粘着面」である。
6.考察
全体的に高い忌避効果を示している。
【0133】
[試験例3]インキのノシメマダラメイガ忌避試験
ノシメマダラメイガの試験方法
図14に示す方法にて行った。即ち縦13cm×横20cm×深さ8cmのプラスチック容器の底面の一方の端(底面の半分)に 約縦13cm×横10cmの加工処理試料19を敷き、その上に 10cm×10cmの加工処理試料を蛇腹状に折って作った 10cm×5cmのシェルター21を加工処理面を上にしてに置く(イ)。もう一方の端(あとの半分)に(イ)に重ならないように 約縦13cm×横10cmの未加工試料(20)を敷き、その上に 10cm×10cmの未加工試料を蛇腹状に折って作った 10cm×5cmのシェルター22を置く(ロ)。
【0134】
それぞれのシェルターの中央上面に誘因餌(24)として粉末飼料(アサヒビール(株)製乾燥酵母エビオス粉)0.5gを置いた後、供試虫23の15個体をプラスチック容器25の中央に放つ。プラスチック容器内温度25℃、湿度60%全暗室にて開放状態で24時間静置した後、(イ)および(ロ)のエリア(10cm×10cm)内のみの移動固体数を計測する。
【0135】
※ユニチカカ゛ーメンテック(株)/JNLA(ISOカ゛イト゛25)認定試験機関/IS09002
認定取得試験機関による忌避率計算方法。
【0136】
【0137】
【表3】
【0138】
試験例4 防虫フィルム忌避試験
試験虫:ノシメマダラメイガ(中齢幼虫)
フィルム:ポリプロピレン
被験防虫剤:コパイバオイル内包シリカ多孔質微粒子
シュリンク条件:非加熱
【0139】
対照区に用いるフィルムの調製
ポリプロピレン樹脂ペレット(昭和電工(株)製 サンアロマーPF621S)のみを、水冷式インフレーション押出機((株)山口製作所製 型式YP500NC)を用いて、温度205〜220℃で約5秒間、引き出し速度30m/minでフィルム厚み20μ幅210mmのポリプロピレン樹脂チューブ状フィルムを作製した。
【0140】
試験結果
(1)しろありの腹部が赤色に染色されている日数を記録する。
(2)14日目のしろありの健康状態を、健康・転倒・死亡にわけて頭数を記録する。
【0141】
総合試験
試験方法
(1)供試木材片
(イ)試験に供する木材片は、正常なクロマツ或いはアカマツの辺材で年輪数が10(ロ)木材片は温度60±2℃の恒温温器で24時閻乾燥する。
【0142】
(2)試験体
(イ)試験体は木材片を指定濃度の試料で処理した処理試験体と、試料処理をしない無処理試験体の2穫類とする。さらに処理試験体は試料処理をした後(2)(ニ)に規定する
耐候操作を行ったものと、行わないものとにわける。
【0143】
(ロ)試験体の数は耐候操作を行った処理試験体、耐候操作を行わない処哩試験体および無処理試験体についてそれぞれ5個とする。
【0144】
(ハ)木材片に刷毛を用いて指定濃度の試料を110±10g/m2の割合で塗布した後、室温で20日間以上放置した後、耐候操作を行うもの5個と行わないもの5個の2グループにわける。
【0145】
(ニ)耐候操作は湿潤操作と揮散操作を交互に10回くり返す。
湿潤操作:耐候操作を行う試料処理木材片をまとめて室温で静水に30秒浸せきした後.底部に水をはったデシケータ中に入れ、温度26±2℃の恒温室に4時開放置する。
揮散操作:湿潤操作を終った試料処理木材片は,ただちに温度40±2℃の循環式熱風恒温器中に20時間放置する。
【0146】
(ホ)耐候操作を行った試料処理木材片、耐候操作を行わない試料処理木材片および無処理木材片は、温度60±2℃で48時間乾燥し,約30分間デシケータ中に放置した後,その質量(W1)を0.01gまではかり、試験体とする。
【0147】
(3)飼育容器
飼育容器としては直径8cm、長さ6cmのアクリル樹脂製円筒の一部に、硬石こうを厚さ約5mmに固めたものを用い、これをあらかじめ約2cmの厚さに湿潤綿を散きつめた蓋付き容器中に10〜15個おく。
注(4) 脱脂綿100 gに水130〜150mlを加える。
注(5) 蓋には通気のため小孔をあけておく。
【0148】
(4)飼育
(イ)前項で製された飼育容器中の硬石こうの上に、試験体のマサ目面を上下にして、処理試験体あるいは無処理試験体を1個づつ水平におき、無作為に巣から取り出した職蟻150頭と兵蟻15頭を投入する。
(ロ)蓋付き容器は、温度28±2℃の暗所に21日間静置して飼育する。
【0149】
試験結果
(1)21日間経過したら試験体を飼育容器より取り出し、試験体表面の付着物をていねいに取り除き、温度60±2℃で48時間乾燥し、約30分間デシケータ中に放置した後0.01gまで秤量して質量(W2)を求める。
(2)シロアリの職蟻の死亡頭数を記録する。
【0150】
結果の表示
(1)次式により試験体の質量減少率を算出し、無処理試験体については5個の平均質量減少率を求める。
(2)次式により死ぬ率を算出し,平均死虫率を求める。
(3)試験結果は、次のように表示する。
木材防蟻剤名 指定濃度 溶媒または希釈剤名
種別 平均質量減少率(%)
処理試験体 無処理試験体
【0151】
【発明の効果】
本発明の有機高分子微粒子は粘着基剤やインキに直接混入させながら、持続効果を発揮し得る。忌避剤は殺虫剤と比べると一時的かつ決定的な防虫効果は低いので、防虫効果を発揮させるためには忌避作用を持続させる必要があり、本発明の微粒子を用いた接着・粘着剤、インキ、樹脂ペレット、樹脂製品およびシートは忌避活性を長期間にわたって持続し得る。本発明の微粒子はコパイバオイルの揮散のために、カプセルの破壊などを必要としない。また、忌避活性化合物を別の層にしたりする必要がなく、粘着剤、インキ、樹脂ペレット、樹脂製品、シート・フィルムなどに直接忌避活性化合物を含ませることができる。
【0152】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明忌避剤を利用した装置の一実施例を示す説明図である。
【図2】図2はダニ試験の侵入阻止法に用いるシャーレの斜視図および断面図である。
【図3】図3はゴキブリの忌避試験方法(実施例3)を示した説明図である
【図4】図4は防虫フィルム忌避試験の試験方法を示す平面図(1)および断面図(2)である。
【0153】
【符合の説明】
1 : 水量検知端子
2 : 吸水口
3 : 忌避剤
4 : 排水口
5 : 蒸発口
6 : 取手
7 : 水槽
8 : 3.5cmシャーレ
9 : 餌
10 : 検体
11 : 供試ダニ培地
12 : 8.5cmシャーレ
13 : ワセリン
14 : ガラス容器
15 : 水
16 : 餌
17 : アルミ皿
18 : 検体
19 : 加工紙
20 : 未加工紙
21 : 処理シェルター
22 : 未処理シェルター
23 : 試験虫
24 : 餌
25 : 容器
Claims (14)
- 衛生害虫忌避活性を有する天然精油がコパイバオイルおよび/またはカリオフィレン、ベチバー油、エレミ油およびエレミリジノイド、オレンジフラワー油、ゲラニウム油、タイムホワイト油、タイムレッド油、ナツメグ油、パチョウリ油、パルマローザ油、ビターオレンジ油、レモングラス油、キンモクセイ油、ゴマ油、シナモンリーフ油、セロリー油、トルーバルサム、ペルーバルサム、オークモス、サンダルウッド油、スペアミント油、ローレル油、ガーリック油、ココナッツ油、ジル油(イノンド油)、バーチ油、グルジョンバルサム油、ダイオウ(大黄)抽出物、オリバナムレジノイド又は乳香樹脂、ベンゾインレジノイド又は安息香樹脂、ホップアブソリュート、ガイアックウッド油、カリオフィレンオキサイド、フェンチルアルコール、レッドシーダーオイル油、タンニン、カフェイン又は無水カフェイン、ガラナ抽出物、クパーナの種子、ケイパー抽出物、アニス油、バチュリ(パチョリ)油、セージ油、タイム油、ローズマリー油、グローブ油、ユーカリ油、バンレイシ科植物 Xylopia aethiopica の種子の抽出物、アオガンピ(Wiskstroemiaretusa A. Gray)からの抽出物、ショウガ科植物Aframomum melegueta の種子の抽出物、オビスギ(Cyptomeria japonica D.DON)抽出物、月桃油、山奈油、ダイウイキョウ油(スターアニス油)、ペニーロイヤル油、ニーム油の1種以上を有効成分として坦持する有機高分子微粒子。
- 請求項1に記載の有機高分子微粒子を含有してなる、微粒子分散液。
- 請求項2記載の微粒子分散液がさらに沈降防止剤を含む、微粒子分散液。
- 請求項1に記載の有機高分子微粒子を含有してなる、衛生害虫忌避活性接着・粘着剤。
- 請求項2または3に記載の微粒子分散液を含有してなる、衛生害虫忌避活性接着・粘着剤。
- 請求項4または5に記載の接着・粘着剤を用いた接着・粘着剤製品。
- 請求項1に記載の有機高分子微粒子を含有してなる、衛生害虫忌避活性インキ。
- 請求項2または3に記載の微粒子分散液を含む、衛生害虫忌避活性インキ。
- 請求項8または9に記載のインキを用いた印刷物。
- 請求項1に記載の有機高分子微粒子を含有してなる、衛生害虫忌避活性樹脂ペレット。
- 請求項10に記載の樹脂ペレットを原材料に含む樹脂製品。
- 請求項1に記載の有機高分子微粒子を含有してなる、衛生害虫忌避活性シート・フィルム。
- 紙、不織布、天然繊維布、化学繊維布および無機繊維布からなる群から選ばれるものである、請求項12記載のシート・フィルム。
- 請求項2または3に記載の微粒子分散液を利用した忌避装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002264404A JP2004099536A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 忌避活性有機高分子微粒子およびその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002264404A JP2004099536A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 忌避活性有機高分子微粒子およびその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004099536A true JP2004099536A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32263858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002264404A Pending JP2004099536A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | 忌避活性有機高分子微粒子およびその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004099536A (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005145865A (ja) * | 2003-11-13 | 2005-06-09 | Tomoko Hayase | 天然精油衛生害虫忌避剤およびその用途 |
WO2006020675A1 (en) * | 2004-08-10 | 2006-02-23 | Cathm, Llc D/B/A Pure Paper | A method for using fifra-exempt substances, materials exhibiting antimicrobial, insecticidal, biocidal and/or odor controlling properties having one or more of these substances coated thereon and/or incorporated therein, and products that are made using these materials |
JP2006077055A (ja) * | 2004-09-07 | 2006-03-23 | Achilles Corp | 防蟻性ポリウレタンフォーム断熱材 |
FR2885768A1 (fr) * | 2005-05-20 | 2006-11-24 | Hachemi Graia | Composition pour repousser les insectes |
WO2007069448A1 (ja) * | 2005-12-12 | 2007-06-21 | Sumitomo Chemical Company, Limited | マイクロカプセル化された農薬 |
WO2007069461A1 (ja) * | 2005-12-14 | 2007-06-21 | Sumitomo Chemical Company, Limited | マイクロカプセル化された農薬 |
JP2007186497A (ja) * | 2005-12-14 | 2007-07-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 固体農薬活性化合物を含有するマイクロカプセル |
JP2007186496A (ja) * | 2005-12-12 | 2007-07-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 固体農薬活性化合物を含有するマイクロカプセル |
JP2008528479A (ja) * | 2005-01-24 | 2008-07-31 | ボタノキャップ・リミテッド | マイクロカプセル化されたエッセンシャルオイルを含有する製剤 |
JP2012031105A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | St Corp | 穀物・乾物用防虫剤 |
JP2019001768A (ja) * | 2017-06-09 | 2019-01-10 | 大和化学工業株式会社 | 害虫忌避マイクロカプセル組成物及び該マイクロカプセルによって処理された繊維・不織布構造物。 |
WO2019039385A1 (ja) * | 2017-08-21 | 2019-02-28 | 富士フイルム株式会社 | マイクロカプセル、組成物及び化粧用シート |
CN113040167A (zh) * | 2021-03-24 | 2021-06-29 | 重庆智芯为创环保科技有限公司 | 一种微胶囊型卫生杀虫剂及其制备方法 |
WO2021199907A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 花王株式会社 | 害虫忌避組成物 |
-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002264404A patent/JP2004099536A/ja active Pending
Cited By (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005145865A (ja) * | 2003-11-13 | 2005-06-09 | Tomoko Hayase | 天然精油衛生害虫忌避剤およびその用途 |
WO2006020675A1 (en) * | 2004-08-10 | 2006-02-23 | Cathm, Llc D/B/A Pure Paper | A method for using fifra-exempt substances, materials exhibiting antimicrobial, insecticidal, biocidal and/or odor controlling properties having one or more of these substances coated thereon and/or incorporated therein, and products that are made using these materials |
JP2006077055A (ja) * | 2004-09-07 | 2006-03-23 | Achilles Corp | 防蟻性ポリウレタンフォーム断熱材 |
JP2008528479A (ja) * | 2005-01-24 | 2008-07-31 | ボタノキャップ・リミテッド | マイクロカプセル化されたエッセンシャルオイルを含有する製剤 |
FR2885768A1 (fr) * | 2005-05-20 | 2006-11-24 | Hachemi Graia | Composition pour repousser les insectes |
WO2007069448A1 (ja) * | 2005-12-12 | 2007-06-21 | Sumitomo Chemical Company, Limited | マイクロカプセル化された農薬 |
US8790676B2 (en) | 2005-12-12 | 2014-07-29 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Microencapsulated pesticide |
JP2007186496A (ja) * | 2005-12-12 | 2007-07-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 固体農薬活性化合物を含有するマイクロカプセル |
JP2007186497A (ja) * | 2005-12-14 | 2007-07-26 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 固体農薬活性化合物を含有するマイクロカプセル |
EP1961303A1 (en) * | 2005-12-14 | 2008-08-27 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Microencapsulated pesticide |
US9060510B2 (en) | 2005-12-14 | 2015-06-23 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Microencapsulated pesticide |
EP1961303A4 (en) * | 2005-12-14 | 2012-05-09 | Sumitomo Chemical Co | MICROENCAPSULE PESTICIDE |
WO2007069461A1 (ja) * | 2005-12-14 | 2007-06-21 | Sumitomo Chemical Company, Limited | マイクロカプセル化された農薬 |
JP2012031105A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | St Corp | 穀物・乾物用防虫剤 |
JP2019001768A (ja) * | 2017-06-09 | 2019-01-10 | 大和化学工業株式会社 | 害虫忌避マイクロカプセル組成物及び該マイクロカプセルによって処理された繊維・不織布構造物。 |
WO2019039385A1 (ja) * | 2017-08-21 | 2019-02-28 | 富士フイルム株式会社 | マイクロカプセル、組成物及び化粧用シート |
WO2021199907A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 花王株式会社 | 害虫忌避組成物 |
JP2021161076A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 花王株式会社 | 害虫忌避組成物 |
JP7458229B2 (ja) | 2020-03-31 | 2024-03-29 | 花王株式会社 | 害虫忌避組成物 |
CN113040167A (zh) * | 2021-03-24 | 2021-06-29 | 重庆智芯为创环保科技有限公司 | 一种微胶囊型卫生杀虫剂及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20060257441A1 (en) | Natural essential oil sanitary insect pest repellent and its use | |
JP2004099536A (ja) | 忌避活性有機高分子微粒子およびその用途 | |
CN106172400B (zh) | 一种喷雾成膜型果蔬或作物套袋复合材料及其制备与应用 | |
DK2330890T3 (en) | Solid core microcapsule preparations and applications thereof | |
JP2004099535A (ja) | 天然精油衛生害虫忌避剤およびその用途 | |
JP4172617B2 (ja) | 忌避活性徐放性多孔質微粒子およびその用途 | |
EP0828422A1 (en) | Environmentally-friendly, controlled-release insect repellent device | |
DE10252950A1 (de) | Spender zur kontrollierten Freisetzung flüchtiger Substanzen | |
JP2005145865A (ja) | 天然精油衛生害虫忌避剤およびその用途 | |
WO2006042078A2 (en) | A system and method for a fragant polymer configured for use in a growing medium | |
JPH01301607A (ja) | ゲットウ精油防虫体 | |
CN111066808B (zh) | 一种瓷砖防蟑剂及其制备方法、瓷砖防蟑方法、防蟑瓷砖 | |
US20240033702A1 (en) | Method for preparing biodegradable microcaspules and use of the resulting microcapsules | |
DE202010010823U1 (de) | Vorrichtung zur naturnahen Kontrolle von Insekten | |
JPH07316420A (ja) | 薄層形成用原料及びそれを利用した機能性シート | |
DE69907538T2 (de) | Gewebeschutzmittel gegen Schädlinge | |
JPH05201821A (ja) | 防虫抗菌性物質 | |
CN1158926C (zh) | 对环境无害的控制释放昆虫驱避剂装置 | |
Yosha et al. | Slow release of pheromones to the atmosphere from gelatin− alginate beads | |
CN111132652B (zh) | 受控释放聚合物包封的香料 | |
JP2011514310A (ja) | シクロデキストリン誘導体、におい物質及びポリソルベートを含有する水性エマルション | |
AU1582300A (en) | Sustained release polymer-based water insoluble beads | |
EP0906013A1 (de) | Siliconelastomere mit insektizider wirkung | |
JP2004168717A (ja) | 害虫忌避シート、害虫忌避シートの製造方法、食品用包装材および食品用包装体 | |
JP4565215B2 (ja) | 有害獣用忌避材および有害獣の忌避方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050906 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051122 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090421 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090512 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091020 |