JP2004099469A - 光学活性アミン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学活性ビナフトール−リン酸誘導体を触媒とする、アルキルオキシアミン類の共役エノンへの不斉共役付加反応を行い、光学活性β−アルキルオキシアミノケトンを製造する。更にこれに塩基を作用させ、光学活性trans−α−ケトアジリジンを製造する。更にこれに塩基共存下に酸クロリドを作用させ、引き続き水を作用させることにより、syn α−アミド−β−ヒドロキシケトンを製造する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学活性アミン誘導体の製造方法に関する。光学活性アミン誘導体は医、農薬合成中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
従来、不斉ルイス酸触媒を用いて、光学活性β−アミノエステルを得る方法として、シリルケテンアセタールとイミンとの触媒的不斉マンニッヒ型反応等が知られている(例えば、非特許文献1参照)。一方、不斉ルイス酸触媒を用いて、α,β不飽和カルボニル化合物への窒素求核剤による不斉共役付加反応を高立体選択性で行った例は殆ど知られていない。
【0003】
また、不斉触媒を用いて、光学活性なα−カルボニルアジリジンを得る方法としては、例えば、D.A. Evans et. al., J. Am. Chem. Soc., 1993, 115, 5328.等のα,β不飽和エステルへの、N−トシルイミノフェニルヨージナンを用いた不斉付加反応が知られている。一方、この方法や他の方法で得られた光学活性なN−置換α−カルボニルアジリジンからN−無保護のアジリジンを得る方法は殆ど知られていない。
【0004】
また、不斉触媒を用いて光学活性なsyn−α−アミノ−β−ヒドロキシカルボニル化合物を製造する方法としては、直接これを得る方法としては、α−アミノ酸エステルのアルドール型反応を利用した方法(M. Horikawa et. al., 第42回天然有機化合物討論会講演要旨集,講演番号122(P−60))や、不斉水素添加反応における、dynamic kineticresolutionを利用する方法(Y.Hamada et. al. Tetrahedron asymmetry, 2001,12, 1757.)が知られている。また、不斉触媒反応で前駆体を製造し、この誘導によって、光学活性なsyn−α−アミノ−β−ヒドロキシカルボニル化合物を製造する方法としては、例えば、Y.Ito et. al., J. Am. Chem. Soc., 1986, 108, 6405.等のα−イソシアネートを用いたアルドール反応とその加水分解が知られている。また、アジリジンの開環により、anti−α−アミノ−β−ヒドロキシカルボニル化合物を製造する方法として、N−トシルアジリジンの酸触媒加水分解反応、(D.A. Evans et. al., J. Am. Chem. Soc., 1993,115, 5328.)が知られている。この中で、Y.Hamadaらの方法以外は、ジアステレオマーとしての異性体の混入が不可避である。
【0005】
【非特許文献1】
S. Kobayashi et. al.,J. Am. Chem. Soc., 1997, 119, 7153
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ジアステレオマーとして純度が高く、光学純度の高い光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシカルボニル化合物を製造するための一般的で簡便な新規の方法を見出すことである。更にこの製造の重要中間体となり得るN−無保護の光学活性なtrans−α−ケトアジリジンを用いる効率的合成法を見出すことである。そして更に立体的に高純度のこのアジリジンを効率的に製造するための新規な不斉触媒反応を利用する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するため、
1.不斉ルイス酸触媒を用いた、アルキルオキシアミンを窒素求核剤とする高選択的共役付加反応を見出すこと、
2.そして、その生成物であるβ−アルキルオキシアミノカルボニル化合物を原料として、効率的にN−無保護の光学活性なα−ケトアジリジンを製造する方法を見出すこと、
3.更に、その生成物であるN−無保護の光学活性なα−ケトアジリジンを原料として、効率的に異性化を伴わずにsyn−α−アミノ−β−アミノカルボニル化合物を製造する方法を見出すために鋭意検討し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、
▲1▼:下記一般式(1)
【0009】
【化11】
【0010】
[上記一般式(1)中、REは希土類の金属元素を表す。また、ビナフチル部の結合における軸不斉は、(R)又は(S)を表す。]
で示されるビナフトール−リン酸塩誘導体の存在下、下記一般式(2)
【0011】
【化12】
【0012】
[上記一般式(2)中、R1、R2は各々独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又はアラルキル基を表す。]
で示される共役エノン類に、下記一般式(3)
【0013】
【化13】
【0014】
[上記一般式(3)中、R3は、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又はアラルキル基を表す。]
で示されるアルキルオキシアミン類を反応させることを特徴とする下記一般式(4)
【0015】
【化14】
【0016】
[上記一般式(4)中、R1、R2、R3は各々上記と同じ定義である。]
で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法、
▲2▼:上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンに、下記一般式(5)
【0017】
【化15】
【0018】
[上記一般式(5)中、R4は、水素、炭素数1〜5のアルキル基を表す。Mは、1価のアルカリ金属原子を表す。]
で示される塩基を作用させることを特徴とする下記一般式(6)
【0019】
【化16】
【0020】
[上記一般式(6)中、R1、R2は、前記と同じ定義である。]
で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造方法、並びに
▲3▼:上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンに、有機塩基の存在下、下記一般式(7)
【0021】
【化17】
【0022】
[上記一般式(7)中、R5は、炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基又はアラルキル基を表す。]
で示される酸クロリドを反応させたのち、引き続き水を加えて反応させることを特徴とする下記一般式(8)
【0023】
【化18】
【0024】
[上記一般式(6)中、R1、R2、R5は、前記と同じ定義である。]
で示されるsyn α−アミド−β−ヒドロキシケトンの製造方法
である。
【0025】
本発明を以下に詳細に説明する。
【0026】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において、使用する不斉触媒としては、上記一般式(1)に示されるビナフトール−リン酸塩誘導体に該当するものであれば、特に限定するものではない。具体的には、ガドリニウムトリス(R)−(−)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリニウムトリス(S)−(+)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ランタントリス(R)−(−)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ランタントリス(S)−(+)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス(R)−(−)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス(S)−(+)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(R)−(−)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(S)−(+)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩等が例示され、更にこれらのリン酸塩が結晶として単離時に0〜10分子の結晶水として保持するものものや、樹脂状物として0〜10モルの水を含有するものも含まれる。本発明の方法において、これらの中で特に好ましい触媒群は、スカンジウムトリス(R)−(−)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(S)−(+)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩である。
【0027】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において使用する、共役エノン類としては、上記一般式(2)で示される化合物であれば、特に限定するものではない。上記一般式(2)において、置換基R1、R2は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20の直鎖の、分岐した若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖の、分岐した若しくは環状のアルケニル基、炭素数1〜20の直鎖の、分岐した若しくは環状のアルキニル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のヘテロアリール基、又は炭素数1〜20のアラルキル基を表し、アリール基、ヘテロアリール基又はアラルキル基は、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖の若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換されてもよい。本発明の方法においては、これらのうち、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−シアノフェニル基、4−ニトロフェニル基、イソプロピル基が特に好ましい。
【0028】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において使用する、上記一般式(2)で示される共役エノン類としては、具体的には、trans−カルコン、trans−3−(4−メチルフェニル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−(4−メトキシフェニル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−(4−クロロフェニル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−(3−クロロフェニル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−(2−クロロフェニル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−(4−フルオロフェニル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−(4−シアノフェニル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−(4−ニトロフェニル)−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−メチル−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−エチル−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−プロピル−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−イソプロピル−1−フェニル−2−プロペン−1−オン、trans−3−シクロヘキシル−1−フェニル−2−プロペン−1−オン等が挙げられる。
【0029】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において、使用する窒素求核剤としては、上記一般式(3)で示されるアルキルオキシアミン類であれば、特に限定するものではない。上記一般式(3)中、置換基R3は、炭素数1〜20の直鎖の、分岐した若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖の、分岐した若しくは環状のアルケニル基、炭素数1〜20の直鎖の、分岐した若しくは環状のアルキニル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のヘテロアリール基、又は炭素数1〜20のアラルキル基を表し、アリール基、ヘテロアリール基又はアラルキル基は、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖の若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換されてもよい。本発明の方法においては、これらのうち、メチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基が特に好ましい。
【0030】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において、上記一般式(3)で示されるアルキルオキシアミン類としては、具体的には、メトキシアミン、エトキシアミン、プロピルオキシアミン、イソプロピルオキシアミン、ブチルオキシアミン、イソブチルオキシアミン、sec−ブチルオキシアミン、ターシャリーブチルオキシアミン、ベンジルオキシアミン、ジフェニルメチルオキシアミン等が挙げられ、これらのうち、好ましくはベンジルオキシアミン、ジフェニルメチルオキシアミンが挙げられる。
【0031】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において、使用する上記一般式(2)で示される共役エノン類と、上記一般式(3)で示されるアルキルオキシアミン類とは、あらゆる量比で使用可能であり、特に限定するものではないが、余りにも過剰の使用は経済的ではない。好ましくは、上記一般式(2)で示される共役エノン類に対して、上記一般式(3)で示されるアルキルオキシアミン類を0.5〜2.0等量用い、より好ましくは0.9〜1.1等量、更により好ましくは0.98〜1.02等量用いる。
【0032】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において、不斉触媒として使用する上記一般式(1)に示されるビナフトール−リン酸塩誘導体は、上記一般式(2)で示される共役エノン類に対してあらゆる量比で使用可能であり、特に限定するものではないが、余りにも過剰の使用は経済的ではない。また余りにも少量では反応が円滑に進行しないか又は微量の不純物の系内への存在により触媒が失活し反応が全く進行しない場合がある。好ましくは、エノン類に対して、上記一般式(1)に示されるビナフトール−リン酸塩誘導体を0.01〜100モル%の範囲であり、より好ましくは0.1〜50モル%の範囲、更により好ましくは1〜15モル%の範囲である。
【0033】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法に適用可能な溶剤としては、反応に不活性な溶剤であればあらゆるものが適用可能であり、特に限定するものではないが、具体的には、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、ブロモホルム、ジブロモメタン等のハロゲン化溶剤、THFやジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤等が挙げられ、好ましくはトルエンが挙げられる。
【0034】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において、反応温度としては、反応に用いる基質に対して異なるため特に限定するものではないが、通常−78℃〜100℃の範囲で実施可能であり、多くの反応においては−20℃〜50℃の温度範囲で高収率、高光学純度を与える。
【0035】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において、基質濃度としては、特に限定するものではないが、溶剤に対して通常0.1重量%〜50重量%の範囲で反応を実施する。
【0036】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において、反応時間としては、反応に用いる基質の種類、触媒の種類により異なるため特に限定するものではないが、通常は96時間以内に反応が完結する。
【0037】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において、反応終了後の後処理操作は特に限定するものではないが、具体例としては、反応液を少量のシリカゲルを詰めたカラムに通した溶液を濃縮することにより粗製の目的物を得る方法等がある。目的物の精製に当たっては、シリカゲル分集薄層クロマトグラフィ又は分集カラム等による方法や、蒸留、再結晶等の通常の方法を用いることができる。
【0038】
本発明の上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法において、不斉触媒として上記一般式(1)で示される上記一般式(1)に示されるビナフトール−リン酸塩誘導体を用い、反応させることにより発現する光学絶対配置は、一般的に不斉合成触媒を構成するビナフトール類の光学絶対配置に依存する。例えば、(R)−ビナフトールを用いた場合に、生成物の不斉炭素の光学絶対配置が(R)体を与える場合、鏡像体の(S)−ビナフトールを用いれば、生成物の不斉炭素の光学絶対配置が(S)体を与える関係にある。また、生成物の不斉炭素の光学絶対配置については、ビナフトール類が(R)の場合、(R)を与えるということではなく、基質の種類、ビナフトール類の種類、リン酸塩形成元素の種類の違い等により生成物の光学絶対配置は異なる。
【0039】
本発明の上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造は、上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンに適当な溶剤中、上記一般式(5)で示される塩基を作用させて行う。
【0040】
本発明の上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造方法において、使用可能な基質としては、上記一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンに該当するものであれば、特に限定するものではないが、具体的には、(3S)−3−メトキシアミノ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オン、(3S)−3−ベンジルオキシアミノ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−フェニル−3−(4−メチルフェニルプロパン)−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−フェニル−3−(4−メトキシフェニルプロパン)−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−フェニル−3−(4−クロロフェニルプロパン)−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−フェニル−3−(3−クロロフェニルプロパン)−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−フェニル−3−(2−クロロフェニルプロパン)−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−フェニル−3−(4−フルオロフェニルプロパン)−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−フェニル−3−(4−シアノフェニルプロパン)−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−フェニル−3−(4−ニトロフェニルプロパン)−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−フェニル−3−イソプロピルプロパン−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−フェニル−3−シクロヘキシルプロパン−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−(4−メトキシフェニル)−3−イソプロピルプロパン−1−オン、(3S)−3−ジベンジルオキシアミノ−1−(4−クロロフェニル)−3−イソプロピルプロパン−1−オン等が挙げられ、これらの化合物と立体配置が逆の(3R)体も含まれる。
【0041】
本発明の上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造方法において、使用可能な塩基としては、上記一般式(5)で示される塩基であれば、特に限定するものではないが、具体的には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、リチウムターシャリーブトキシド、カリウムターシャリーブトキシド等が挙げられ、これらのうち好ましくはナトリウムターシャリーブトキシドである。
【0042】
本発明の上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造方法において、上記一般式(5)で示される塩基の使用量は、上記基質に対してあらゆる量比で使用可能であり、特に限定するものではないが、余りにも過剰の使用は経済的ではない。また、あまりに少量の場合は反応が完結するのに長時間かかる場合や、原料中の不純物により触媒の塩基が失活する可能性がある。好ましくは、上記一般式(4)で示されるβ−アルキルオキシアミノケトン類に対して、上記一般式(5)で示される塩基を1〜100モル%の範囲、より好ましくは5〜50モル%、更により好ましくは10〜20モル%の範囲で用いることにより、短時間に高収率で目的物を与える。
【0043】
本発明の上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造方法に適用可能な溶剤としては、反応に不活性な溶剤であればあらゆるものが適用可能であり、特に限定するものではないが、具体的には、THF、ジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤等が挙げられ、好ましくはTHFが挙げられる。
【0044】
本発明の上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造方法において、反応温度としては、反応に用いる基質に対して異なるため特に限定するものではないが、通常−78℃〜100℃の範囲で実施可能であり、多くの反応においては−20℃〜50℃の温度範囲で高収率、高立体選択性で目的物を与える。
【0045】
本発明の上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造方法において、基質濃度としては、特に限定するものではないが、溶剤に対して通常0.1重量%〜50重量%の範囲で反応を実施する。
【0046】
本発明の上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造方法において反応時間としては、反応に用いる基質の種類、触媒の種類により異なるため特に限定するものではないが、通常は96時間以内に反応が完結する。
【0047】
本発明の上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造方法において、反応終了後の後処理操作は特に限定するものではないが、具体例としては、反応液を少量のシリカゲルを詰めたカラムに通した溶液を濃縮することにより粗製の目的物を得る方法等がある。目的物の精製に当たっては、シリカゲル分集薄層クロマトグラフィ又は分集カラム等による方法や、蒸留、再結晶等の通常の方法を用いることができる。
【0048】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造は、適当な溶剤中、有機塩基存在下、上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンに上記一般式(7)で示される酸クロリドを反応させ、引き続き水を加えて反応させて行う。
【0049】
本発明の光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、使用可能な基質としては、上記一般式(6)に示される光学活性trans−α−ケトアジリジンに該当するものであれば、特に限定するものではないが、具体的には、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−フェニルアジリジン、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−メチルフェニル)アジリジン、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−メトキシフェニル)アジリジン、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−クロロフェニル)アジリジン、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(3−クロロフェニル)アジリジン、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(2−クロロフェニル)アジリジン、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−フルオロフェニル)アジリジン、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−シアノフェニル)アジリジン、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−ニトロフェニル)アジリジン、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−イソプロピルアジリジン、trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−シクロヘキシルアジリジン、trans−(2S,3R)−2−(4−メトキシ)ベンゾイル−3−イソプロピルアジリジン、trans−(2S,3R)−2−(4−クロロ)ベンゾイル−3−イソプロピルアジリジン等が挙げられ、これらの化合物と立体配置が逆の(2R,3S)体も含まれる。
【0050】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、使用可能な有機塩基は、特に限定するものではないが、3級アミン類が好ましく、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられ、これらのうち好ましくはトリエチルアミンである。
【0051】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、使用可能な酸クロリドは、上記一般式(7)で示される酸クロリドであれば特に限定するものではない。一般式(7)中、置換基R5は、炭素数1〜10の直鎖の、分岐した若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖の、分岐した若しくは環状のアルケニル基、炭素数1〜20の直鎖の、分岐した若しくは環状のアルキニル基、炭素数1〜20のアリール基、炭素数1〜20のヘテロアリール基、又はハロゲン原子を表し、アリール基、ヘテロアリール基又はアラルキル基は、ハロゲン原子、炭素数1〜10の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、又は炭素数1〜10の直鎖の若しくは分岐したアルキルオキシ基で核が1〜5置換されてもよい。
【0052】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、上記一般式(7)で示される酸クロリドとしては、具体的には、アセチルクロリド、イソブチリルクロリド、ベンゾイルクロリド等が挙げられ、これらのうち好ましくはアセチルクロリドである。
【0053】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、上記一般式(7)で示される酸クロリドの使用量は、特に限定するものではないが、基質である上記一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンに対して、通常1.0〜2.5等量の範囲で用いる。
【0054】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、有機塩基は、酸クロリドから発生する塩化水素の捕捉のために用いるため、上記一般式(7)で示される酸クロリドに対して、通常1.0〜1.2等量の範囲で用いればよい。
【0055】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、適用可能な溶剤としては、反応に不活性な溶剤であればあらゆるものが適用可能であり、特に限定するものではないが、具体的には、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、ブロモホルム、ジブロモメタン等のハロゲン系溶剤、THFやジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤等が挙げられ、これらのうち好ましくはジクロロメタンである。
【0056】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、反応温度としては、反応に用いる基質に対して異なるため、特に限定するものではないが、通常−78℃〜100℃の範囲で実施可能であり、多くの反応においては−20℃〜50℃の温度範囲で高収率、高光学純度を与える。
【0057】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、基質濃度としては、特に限定するものではないが、溶剤に対して通常0.1重量%〜50重量%の範囲で反応を実施する。
【0058】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、反応時間としては、反応に用いる基質の種類、触媒の種類により異なるため、特に限定するものではないが、通常は96時間以内に反応が完結する。
【0059】
本発明の上記一般式(8)で示される光学活性syn−α−アミノ−β−ヒドロキシケトンの製造方法において、反応終了後の後処理操作は特に限定するものではないが、具体例としては、反応液を少量のシリカゲルを詰めたカラムに通した溶液を濃縮することにより粗製の目的物を得る方法等がある。目的物の精製に当たっては、シリカゲル分集薄層クロマトグラフィ又は分集カラム等による方法や、蒸留、再結晶等の通常の方法を用いることができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、不斉触媒反応を使用する種々の光学活性アミン類を高立体選択的に製造することが可能となり、工業的に極めて有意義である。
【0061】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0062】
(旋光度の測定)
HORIBA製SEPA−300を使用。
【0063】
(融点測定)
ヤナコ(株)製MP−500Dを使用。
【0064】
(1H−NMR、13C−NMRの測定)
JEOL製JMN−EX 400を使用(400及び100MHz)。
【0065】
(MASSの測定)
日立製M−80Bを使用。
【0066】
(IR測定)
Shimadzu製 FT−IR−8600を使用。
【0067】
(光学純度の検定)
ダイセル(株)のキラルカラムOD又はADを装着した高速液体クロマトグラフィーで行い、溶離溶媒:Hexane/i−PrOH=2/1〜100/1(vol/vol)、流量0.5〜1ml/minで測定した。
【0068】
実施例1〜実施例3 メトキシアミン、ベンジルオキシアミン、及びジフェニルメチルオキシアミンを窒素求核剤として用いた、カルコンへの不斉マイケル反応付加体の製造
マグネット攪拌子を入れた5mlの丸底フラスコに、触媒(スカンジウムトリス(R)−(−)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩)(0.01mmol)、カルコン(0.1mmol)、トルエン1mlを添加し、続いてオキシアミン(0.1mmol)を添加し、室温で18時間反応を行った。反応液を直接、少量のシリカゲルカラムに通し、溶出液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1〜4/1)に附して精製することにより目的物を得た。結果を表1にあわせて示す。
【0069】
【表1】
【0070】
実施例1〜実施例3の物性データを以下に示す。
【0071】
(3S)−3−メトキシアミノ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オン(実施例1の生成物)
colorless crystals
[α]22 D −9.45(c1.00,CHCl3)
光学純度 50%(S)(HPLC:CHIRALPAK OD,2−propanol/hexane=1/50,0.5mL/min,17.49min(3S) and 23.79min(3R)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 3.28(1H,dd,J=4.9Hz,17.1Hz),3.40(3H,s),3.49(1H,dd,J=8.3Hz,17.2Hz),4.69(1H,dd,J=5.0Hz,8.2Hz),6.20(1H,s),7.26−7.53(8H,m),7.90(2H,t).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.4,60.8,62.0,127.4,127.5,127.8,128.3,128.4,133.0,136.6,140.9,198.1。
【0072】
(3S)−3−ベンジルオキシアミノ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オン(実施例2の生成物)
colorless solids (融点 80.9−81.1℃)
光学純度 91%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,ethanol/hexane=1/19,0.5mL/min,35.4min(3R)and 39.3min(3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 3.27(1H,dd,J=5.0Hz,17.3Hz),3.48(1H,dd,J=8.1Hz,17.3Hz),4.54and4.58(2H,each d,J=11.5Hz),4.70(1H,br−t),6.17(1H,s),7.18(2H,m),7.18−7.56(11H,m),7.89(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.7,61.1,127.7,127.8,128.1,128.3,128.5,128.6,133.2,136.7,137.6,141.0,198.3.
Anal.calcd for C22H21NO2:C,79.67;H,6.40;N,4.20. Found:C,79.73;H,6.39;N,4.23。
【0073】
(3S)−3−ジフェニルメトキシアミノ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オン(実施例3の生成物)
a colorless solid (mp 79.5−79.7℃)
[α]26 D −23.30(c1.0,CHCl3)
光学純度 99.8%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,23.9min(3S) and 30.5min(3R)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 3.28(1H,dd,J=4.9Hz,17.3Hz),3.49(1H,dd,J=8.1Hz,17.3Hz),4.77(1H,dd,J=4.9Hz,8.1Hz),5.53(1H,s),6.18(1H,s),6.96(2H,m),7.15−7.53(16H,m),7.87(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.7,61.2,86.9,127.2,127.4,127.5,127.7,127.9,128.06,128.12,128.3,128.45,128.53,41.25,141.30,198.3.
IR(KBr):3062,3030,2899,1671,1596,1493,1450,1349,1280,1207,1182,1079,1006,985,921,847,747,705,657,599,411cm−1.
Anal.calcd for C28H25NO2:C,82.53;H,6.18;N,3.44. Found:C,82.56;H,6.16;N,3.43。
【0074】
実施例4〜実施例12 ジフェニルメチルオキシアミンを窒素求核剤として用いた、カルコン誘導体への不斉マイケル反応付加体の製造
実施例1〜実施例3の製造方法に従って、標記の反応をおこなった。結果を表2にあわせて示す。
【0075】
【表2】
【0076】
実施例4〜12の生成物の物性データを以下に示す。
【0077】
(3S)−3−ジフェニルメトキシアミノ−1−フェニル−3−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン(実施例4の生成物)
a colorless solid (融点 93.7−93.9℃)
[α]26 D −21.40(c1.00,CHCl3)
光学純度 99.7%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,24.0min(3S) and 35.3min(3R)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.34(3H,s),3.29(1H,dd,J=5.1Hz,17.3Hz),3.52(1H,dd,J=7.9Hz,17.3Hz),4.75(1H,dd,J=5.1Hz,7.9Hz),5.55(1H,s),6.10(1H,s),7.02(2H,m),7.14−7.53(15H,m),7.90(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 21.1,42.8,61.0,86.9,127.2,127.4,127.5,127.8,128.09,128.13,128.3,128.5,129.1,133.1,136.8,137.3,138.1,141.2,141.4,198.4.
IR(KBr):3255,3062,3029,2888,1960,1678,1597,1582,1511,1496,1449,1402,1360,1343,1277,1204,1008,984,814,752,700,419cm−1.
Anal.calcd for C29H27NO2:C,82.63;H,6.46;N,3.32. Found:C,82.61;H,6.47;N,3.32。
【0078】
(3S)−3−ジフェニルメトキシアミノ−1−フェニル−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン(実施例5の生成物)
a colorless solid (融点 104.4−104.6℃)
[α]19 D −18.7(c1.00,CHCl3)
光学純度 94%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,38.4min(3S) and 52.1min(3R)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 3.29(1H,dd,J=5.4Hz,17.1Hz),3.52(1H,dd,J=7.8Hz,17.1Hz),3.81(3H,s),4.73(1H,dd,J=5.4Hz,7.8Hz),5.53(1H,s),6.08(1H,s),6.89(2H,m),7.03−7.54(15H,m),7.85(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.8,55.3,60.6,86.9,113.8,127.2,127.4,127.5,128.1,128.2,128.3,128.5,129.0,133.1,136.8,141.2,141.4,159.1,198.5.
IR(KBr):3060,3030,2887,1678,1512,1452,1244,1207,1176,1028,835,752,702,419cm−1.
Anal.calcd for C29H27NO3:C,79.61;H,6.22;N,3.20. Found:C,79.50;H,6.22;N,3.25。
【0079】
(3S)−3−ジフェニルメトキシアミノ−1−フェニル−3−(4−クロロフェニル)プロパン−1−オン(実施例6の生成物)
colorless needles (融点 135.5−135.7℃)
[α]26 D −22.05(c1.00,CHCl3)
光学純度 99.7%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,27.5min(3S) and 40.1min(3R)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 3.19(1H,dd,J=5.1Hz,17.6Hz),3.39(1H,dd,J=7.9Hz,17.6Hz),4.67(1H,dd,J=5.1Hz,7.9Hz),5.44(1H,s),6.10(1H,s),6.93(2H,m),7.09−7.48(15H,m),7.79(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.4,60.5,87.0,127.2,127.4,127.5,128.0,128.2,128.4,128.56,128.59,129.3,133.3,136.5,139.9,141.0,141.2,198.0.
IR(KBr):3264,3063,3025,2905,2873,2360,1680,1490,1450,1356,1270,1202,1090,1003,816,750,701,688,542,418cm−1.
Anal.calcd for C28H24ClNO2:C,76.09;H,5.47;N,3.17. Found:C,76.10;H,5.48;N,3.15。
【0080】
(3S)−3−ジフェニルメトキシアミノ−1−フェニル−3−(3−クロロフェニル)プロパン−1−オン(実施例7の生成物)
colorless needles (mp 93.6−93.8℃)
[α]19 D −24.90(c1.00,CHCl3)
光学純度 99.8%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,20.8min(3S) and 25.4min(3R)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 3.28(1H,dd,J=4.6Hz,17.6Hz),3.47(1H,dd,J=8.3Hz,17.6Hz),4.75(1H,dd,J=4.6Hz,8.3Hz),5.52(1H,s),6.20(1H,s),7.00(2H,m),7.17−7.56(15H,m),7.86(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.3,60.6,87.1,126.2,127.2,127.4,127.5,127.8,128.0,128.2,128.4,128.6,129.7,133.4,134.3,136.5,140.9,141.1,143.5,197.9.
IR(KBr):3263,3063,3029,2902,1675,1597,1449,1424,1359,1299,1273,1204,1070,1003,791,748,701,686,606cm−1.
Anal.calcd for C28H24ClNO2:C,76.09;H,5.47;N,3.17. Found:C,76.07;H,5.05;N,3.15。
【0081】
(3S)−3−ジフェニルメトキシアミノ−1−フェニル−3−(2−クロロフェニル)プロパン−1−オン(実施例8の生成物)
a colorless solid (mp 100.4−100.6℃)
[α]19 D −41.65(c1.00,CHCl3)
光学純度 98.8%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,34.9min(3S) and 37.5min(3R)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 3.36(2H,d,J=6.3Hz),5.28(1H,t,J=6.3Hz),5.64(1H,s),6.34(1H,s),7.05(2H,m),7.16−7.66(15H,m),7.87(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 41.4,57.4,86.7,126.8,127.2,127.4,127.45,127.50,128.1,128.2,128.4,128.5,128.6,128.7,129.7,133.3,133.5,136.5,138.7,141.1,141.2,198.0.
IR(KBr):3249,3059,3030,2897,1682,1447,1396,1360,1273,1201,1006,986,751,701,686,598cm−1.
Anal.calcd for C28H24ClNO2:C,76.09;H,5.47;N,3.17. Found:C,76.10;H,5.47;N,3.31。
【0082】
(3S)−3−ジフェニルメトキシアミノ−1−フェニル−3−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オン(実施例9の生成物)
a colorless solid (mp 115.4−115.6℃)
[α]25 D −24.00(c1.00,CHCl3)
光学純度 99.4%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,25.7min(3S) and 34.6min(3R)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 3.28(1H,dd,J=5.1Hz,17.3Hz),4.76(1H,dd,J=5.1Hz,7.8Hz),5.51(1H,s),6.15(1H,s),7.03(2H,m),7.19−7.55(15H,m),7.86(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.6,60.5,87.0,115.1,115.3,127.2,127.4,127.5,128.0,128.2,128.4,128.6,129.4,129.5,133.3,136.6,137.01,137.04,141.0,141.2,161.0,163.5,198.1.
IR(KBr):3267,3062,3030,2905,2889,1677,1601,1506,1450,1353,1271,1204,1152,1082,1003,980,842,752,701,687,546cm−1.
Anal.calcd for C28H24FNO2:C,79.04;H,5.67;N,3.29. Found:C,79.05;H,5.73;N,3.29。
【0083】
(3S)−3−ジフェニルメトキシアミノ−1−フェニル−3−(4−シアノフェニル)プロパン−1−オン(実施例10の生成物)
a colorless solid (mp 139.0−139.2℃)
[α]19 D −34.45(c1.00,CHCl3)
光学純度 >99.8%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,2−propanol/hexane=1/19,1.0mL/min,47.1min(3S) and 57.8min(3R)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 3.27(1H,dd,J=5.0Hz,17.8Hz),3.44(1H,dd,J=8.1Hz,17.8Hz),4.81(1H,br−s),5.51(1H,s),6.25(1H,s),6.97(2H,m),7.19−7.63(15H,m),7.84(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.0,60.6,87.1,111.3,118.8,127.1,127.3,127.4,127.6,128.0,128.2,128.4,128.59,128.63,132.2,133.5,136.2,140.7,140.9,147.0,197.4.
IR(KBr):3259,3064,3030,2890,2232,1678,1450,1359,1276,1207,1002,984,839,764,750,703,685,562,403cm−1.
Anal.calcd for C29H24N2O2:C,80.53;H,5.59;N,6.48. Found:C,80.49;H,5.63;N,6.46。
【0084】
(3S)−3−ジフェニルメトキシアミノ−1−フェニル−3−(4−ニトロフェニル)プロパン−1−オン(実施例11の生成物)
yellow needles (mp 138.1−138.3℃)
[α]19 D −32.45(c1.00,CHCl3)
光学純度 >99.8%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,2−propanol/hexane=1/9,0.5mL/min,46.1min(3S) and 60.9min(3R)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 3.30(1H,dd,J=5.0Hz,17.6Hz),3.47(1H,dd,J=8.1Hz,17.6Hz),4.87(1H,br−s),5.53(1H,s),6.27(1H,s),6.98(2H,m),7.18−7.63(13H,m),7.86(2H,d,J=8.5Hz),8.18(2H,d,J=7.8Hz).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.1,60.4,87.1,123.6,127.1,127.3,127.6,127.7,128.0,128.2,128.5,128.7,133.6,136.3,140.7,141.0,147.4,149.1,197.3
IR(KBr):3260,3062,3030,2902,2880,1682,1598,1515,1450,1274,1205,1002,980,754,701,688,626,540cm−1.
Anal.calcd for C28H24N2O4:C,74.32;H,5.35;N,6.19. Found:C,74.44;H,5.41;N,6.18。
【0085】
(3S)−3−ジフェニルメトキシアミノ−1−フェニル−3−イソプロピルプロパン−1−オン(実施例12の生成物)
an oil
[α]18 D −32.97(c0.875,CHCl3)
光学純度 95%(S)(HPLC:CHIRALPAK AD,ethanol/hexane=1/300,0.5mL/min,20.7min(3R) and 25.1min(3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 0.97(6H,dd,J=6.8Hz,14.4Hz),2.08(1H,m),3.00(1H,dd,J=3.9Hz,16.6Hz),3.20(1H,dd,J=8.4Hz,16.6Hz),3.39(1H,m),5.63(1H,s),5.88(1H,s),7.19−7.54(13H,m),7.90(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 18.6,19.4,29.2,37.4,62.3,86.5,127.0,127.2,127.3,127.4,128.1,128.2,128.5,132.9,137.2,141.6,141.7,199.9.
IR(KBr):2959,2360,1734,1717,1684,1653,1558,1541,1521,1507,1456,745,696,668,484,468,458cm−1.
HRMS−FAB(m/z):[M+H]calcd for C25H28NO2,374.2120; Found,374.2125。
【0086】
実施例13〜実施例22 アルキルオキシアミノケトンの塩基処理によるアジリジン環形成反応
アルゴン雰囲気下、アルキルオキシアミノケトン(0.05mmol)の乾燥THF(0.5ml)溶液に、ナトリウムターシャリーブトキシド(0.1MTHF溶液、50μl)を加え、そのまま室温で1.5時間攪拌した。反応液を直接、少量のシリカゲルカラムに通し、溶出液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1〜4/1)に附して精製することにより目的物を得た。結果を表3にあわせて示す。
【0087】
【表3】
【0088】
実施例13〜実施例22の生成物のデータを以下に示す。
【0089】
trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−フェニルアジリジン(実施例13の生成物)
a colorless solid (mp 124.6−124.8℃)
[α]19 D +268.65(c1.00,CHCl3)
光学純度 99.8%(2S,3R)(HPLC:CHIRALCEL OD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,21.4min(2S,3R) and 27.8min(2R,3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.67(1H,br−t),3.19(1H,br−d,J=7.1Hz),3.52(1H,br−d,J=5.6Hz),7.26−7.63(8H,m),8.01(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 43.5,44.1,126.2,127.9,128.3,128.5,128.8,133.8,135.9,138.3,195.7.
IR(KBr):3222,1660,1449,1413,1264,1032,1011,844,756,698,594,529cm−1.
Anal.calcd for C15H13NO:C,80.69;H,5.87;N,6.27. Found:C,80.49;H,5.90;N,6.22。
【0090】
trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−メチルフェニル)アジリジン(実施例14の生成物)
a yellow solid (mp 88.8−90.0℃)
[α]19 D +311.70(c1.00,CHCl3)
光学純度 99.7%(2S,3R)(HPLC:CHIRALCEL OD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,16.6min(2S,3R) and 23.5min(2R,3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.36(3H,s),2.65(1H,br−s),3.15(1H,br−s),3.49(1H,br−s),7.16−7.63(7H,m),8.01(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 21.2,43.5,44.2,126.1,128.8,129.2,133.8,135.4,135.9,137.7,195.8.
IR(KBr):3216,1657,1450,1398,1266,1234,1042,1010,855,807,783,692,529cm−1.Anal.calcd for C16H15NO:C,80.98;H,6.37;N,5.90. Found:C,80.94;H,6.38;N,5.94。
【0091】
trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−メトキシフェニル)アジリジン(実施例15の生成物)
an orange oil
[α]18 D +306.51(c1.06,CHCl3)
光学純度 94%(2S,3R)(HPLC:CHIRALCEL OD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,28.1min(2S,3R) and 43.5min(2R,3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.65(1H,br−s),3.14(1H,br−d,J=2.2Hz),3.48(1H,br−d,J=2.4Hz),3.81(3H,s),6.87−7.83(7H,m),8.06(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 43.4,44.1,55.3,114.0,127.3,128.3,128.8,130.3,133.7,135.9,159.4,195.7.
IR(KBr):3264,2836,1666,1612,1516,1450,1403,1303,1252,1177,1033,814,693cm−1.
HRMS−FAB(m/z):[M+H]calcd for C26H16NO2,254.1181; Found,254.1211。
【0092】
trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−クロロフェニル)アジリジン(実施例16の生成物)
yellow needles (mp 97.2−97.4℃)
[α]19 D +291.90(c1.00,CHCl3)
光学純度 99.7%(2S,3R)(HPLC:CHIRALCEL OD,2−propanol/hexane=1/4,0.5mL/min,12.7min(2S,3R) and 20.4min(2R,3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.68(1H,br−t),3.15(1H,br−d,J=6.8Hz),3.46(1H,br−d,J=5.6Hz),7.26−7.64(7H,m),7.98(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.8,44.1,126.5,127.5,128.3,128.5,128.7,128.9,133.7,133.9,135.8,136.9,195.4.
IR(KBr):3278,1659,1450,1394,1259,1234,1008,812,705cm−1.
Anal.calcd for C15H12ClNO:C,69.91;H,4.69;N,5.43. Found:C,70.08;H,4.67;N,5.51。
【0093】
trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(3−クロロフェニル)アジリジン(実施例17の生成物)
an oil
[α]19 D +277.84(c1.04,CHCl3)
光学純度 99.8%(2S,3R)(HPLC:CHIRALCEL OD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,19.2min(2S,3R) and 43.6min(2R,3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.68(1H,br−t),3.13(1H,dd,J=2.2Hz,9.3Hz),3.47(1H,dd,J=2.2Hz,8.1Hz),7.22−7.67(7H,m),7.99(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.6,43.9,124.5,126.2,128.0,128.3,128.8,130.0,133.9,134.6,135.7,140.5,195.3.
IR(KBr):3266,1667,1599,1578,1449,1408,1259,1228,1010,773,712,688cm−1.
Anal.calcd for C15H12ClNO:C,69.91;H,4.69;N,5.43. Found:C,69.87;H,4.73;N,5.40。
【0094】
trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(2−クロロフェニル)アジリジン(実施例18の生成物)
a yellow solid (mp 123.3−123.5℃)
[α]19 D +13.70(c1.00,CHCl3)
光学純度 98.8%(2S,3R)(HPLC:CHIRALCEL OD,2−propanol/hexane=1/4,0.5mL/min,14.9min(2S,3R) and 17.2min(2R,3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.62(1H,br−t),3.40(1H,br−d,J=4.9Hz),3.46(1H,br−d,J=6.6Hz),7.23−7.65(7H,m),8.07(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 41.5,42.8,127.0,127.6,128.5,128.8,128.9,129.1,133.9,135.8,136.0,195.9.IR(KBr):3261,1659,1447,1410,1259,1232,1179,846,767,688cm−1.
Anal.calcd for C15H12ClNO:C,69.91;H,4.69;N,5.43. Found:C,70.06;H,4.67;N,5.50。
【0095】
trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−フルオロフェニル)アジリジン(実施例19の生成物)
a yellow solid (mp 71.8−72.0℃)
[α]19 D +234.60(c1.00,CHCl3)
光学純度 99.4%(2S,3R)(HPLC:CHIRALCEL OD,2−propanol/hexane=1/4,0.5mL/min,12.9min(2S,3R) and 23.9min(2R,3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.67(1H,br−s),3.16(1H,br−s),3.46(1H,br−s),7.00−7.64(7H,m),8.00(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.8,44.0,115.4,115.6,127.76,127.84,128.3,128.9,133.9,134.07,134.10,135.9,161.3,163.7,195.5.
IR(KBr):3260,1659,1598,1510,1449,1397,1264,1215,1032,1013,817,690cm−1.
Anal.calcd for C15H12FNO:C,74.67;H,5.01;N,5.81. Found:C,74.31;H,5.06;N,5.84。
【0096】
trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−シアノフェニル)アジリジン(実施例20の生成物)
a yellow solid (mp 113.5−113.7℃)
[α]19 D +326.30(c1.00,CHCl3)
光学純度 >99.8%(2S,3R)(HPLC:CHIRALCEL OD,2−propanol/hexane=1/4,0.5mL/min,26.7min(2S,3R) and 36.5min(2R,3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.74(1H,br−t),3.22(1H,dd,J=2.2Hz,9.1Hz),3.49(1H,dd,J=2.2Hz,8.3Hz),7.26−7.67(5H,m),8.00(2H,m),8.23(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.5,44.1,111.6,118.7,127.0,128.3,128.9,132.4,134.2,135.6,143.8,194.9.
IR(KBr):3273,3072,2224,1658,1450,1261,1232,1009,815,683cm−1.
Anal.calcd for C16H12N2O:C,77.40;H,4.87;N,11.28. Found:C,77.36;H,4.94;N,11.22。
【0097】
trans−(2S,3R)−2−ベンゾイル−3−(4−ニトロフェニル)アジリジン(実施例21の生成物)
an orange solid (mp 136.8−137.0℃)
[α]19 D +282.50(c1.00,CHCl3)
光学純度 >99.8%(2S,3R)(HPLC:CHIRALCEL OD,2−propanol/hexane=1/4,0.5mL/min,27.9min(2S,3R) and 39.4min(2R,3S)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.78(1H,br−t),3.27(1H,dd,J=2.2Hz,9.1Hz),3.52(1H,dd,J=2.2Hz,8.1Hz),7.22−7.67(5H,m),8.00(2H,m),8.23(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 42.3,44.2,123.9,127.1,128.4,129.0,134.2,135.6,145.8,147.6,194.8.
IR(KBr):3266,1667,1601,1516,1449,1345,1261,1232,1019,829,746,709cm−1.
Anal.calcd for C15H12N2O3:C,67.16;H,4.51;N,10.44. Found:C,67.20;H,4.56;N,10.42。
【0098】
trans−2−ベンゾイル−3−イソプロピルアジリジン(実施例22の生成物)
an oil
[α]18 D −21.95(c1.33,CHCl3)
光学純度 95%(HPLC:CHIRALCEL OD,2−propanol/hexane=1/19,0.5mL/min,12.1min(major) and 20.3min(minor)).
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 1.05(3H,dd,J=1.0Hz,6.8Hz),1.09(3H,dd,J=1.1Hz,6.8Hz),1.50(1H,m),1.98(1H,br−d,J=7.1Hz),2.13(1H,br−s),3.31(1H,br−d,J=1.2Hz),7.49−7.64(3H,m),8.04(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 19.6,20.2,32.1,39.0,49.7,128.1,128.7,133.5,136.0,197.2.
IR(neat):2961,1669,1598,1450,1420,1356,1259,1019,940,859,700,516cm−1.
HRMS−FAB(m/z):[M+H]calcd for C26H16NO2,190.1232; Found,190.1233。
【0099】
実施例23、実施例24 アジリジン環の開環を伴うsyn α−アミド−β−ヒドロキシケトンの製造
アルゴン雰囲気下、trans−ケトアジリジン(0.1mmol)、トリエチルアミン(0.2mmol)の乾燥塩化メチレン(0.5ml)溶液に、0℃で塩化アセチル(0.2mmol)の乾燥塩化メチレン(0.2ml)溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応液を2度水洗した後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)に附して精製することにより目的物を得た。結果を表4にあわせて示す。
【0100】
【表4】
【0101】
実施例23〜実施例24の生成物のデータを以下に示す。
【0102】
syn−1,3−ジフェニル−2−(N−アセチル)アミノ−3−ヒドロキシプロパン−1−オン(実施例23の生成物)
a colorless solid (sublimed at ca. 174.6℃)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 2.05(3H,s),5.34(1H,br−d,J=5.1Hz),6.12(1H,dd,J=5.1Hz,9.0Hz),6.39(1H,d,J=9.0Hz),7.24−7.61(8H,m),7.92(2H,m).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 23.1,58.3,63.0,127.4,128.5,128.7,128.89,128.91,134.0,134.8,137.0,169.7,196.2.
IR(KBr):3307,1670,1654,1531,1447,1371,1306,1225,1188,794,768,704,657,606cm−1.
HRMS−FAB(m/z):[M+H2O+H]calcd for C17H20NO4,302.1392; Found,302.0986.
syn−1−フェニル−2−(N−アセチル)アミノ−3−ヒドロキシ−3−(4−シアノ)フェニルプロパン−1−オン(実施例24の生成物)
a colorless solid (mp 96.3−97.3℃)
1H−NMR(400MHz,CDCl3)σ 1.92(3H,s),3.78(1H,br−s),5.29(1H,br−s),5.82(1H,dd,J=2.8Hz,8.8Hz),6.49(1H,d,J=8.8Hz),7.46−7.64(7H,m),7.98(2H,d,J=7.6Hz).13C−NMR(100MHz,CDCl3)σ 22.9,57.9,73.3,111.8,118.6,126.9,128.9,132.1,134.4,134.5,144.7,170.1,198.1.
IR(KBr):3365,2225,1690,1643,1529,1447,1383,1284,1237,1077,778,684,665,563cm−1.
HRMS−FAB(m/z):[M+H]calcd for C18H17N2O3,309.1239; Found,309.1301。
Claims (10)
- 下記一般式(1)
で示されるビナフトール−リン酸塩誘導体の存在下、下記一般式(2)
で示される共役エノン類に、下記一般式(3)
で示されるアルキルオキシアミン類を反応させることを特徴とする下記一般式(4)
で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンの製造方法。 - 一般式(1)で示されるビナフトール−リン酸塩誘導体が、スカンジウムトリス(R)−(−)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、又はスカンジウムトリス(S)−(+)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 一般式(2)で示される共役エノン類において、置換基R1、R2が、各々独立して、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−シアノフェニル基、4−ニトロフェニル基、又はイソプロピル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
- 一般式(3)で示されるアルキルオキシアミン類において、置換基R3が、メチル基、ベンジル基、又はジフェニルメチル基であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の製造方法。
- 下記一般式(4)
で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンに、下記一般式(5)
で示される塩基を作用させることを特徴とする下記一般式(6)
で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンの製造方法。 - 一般式(5)で示される塩基が、ナトリウムメトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムターシャリーブトキシド、リチウムターシャリーブトキシド又はカリウムターシャリーブトキシドであることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の方法により、一般式(4)で示される光学活性β−アルキルオキシアミノケトンを製造することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の製造方法。
- 下記一般式(6)
で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンに、有機塩基の存在下、下記一般式(7)
で示される酸クロリドを反応させたのち、引き続き水を加えて反応させることを特徴とする下記一般式(8)
で示されるsyn α−アミド−β−ヒドロキシケトンの製造方法。 - 一般式(7)で示される酸クロリドが、アセチルクロリド、イソブチリルクロリド、又はベンゾイルクロリドであることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
- 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の方法により一般式(6)で示される光学活性trans−α−ケトアジリジンを製造することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の製造方法。
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