JP2005247715A - 配位子の合成方法 - Google Patents

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正勝 柴▲崎▼
Motomu Kanai
求 金井
Nobuki Kato
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】短工程、かつ低コストで不斉配位子中間体及び不斉配位子を合成する合成方法の提供。
【解決手段】
本発明の不斉配位子中間体は、式
【化1】
Figure 2005247715

(但し、[化1]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基である。)で表される化合物に、式
【化2】
Figure 2005247715

(但し、[化2]中Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を反応させて、式
【化3】
Figure 2005247715

(但し、[化3]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を得て、得られた化合物を、トシル化して閉環して、式
【化4】
Figure 2005247715

(但し、[化4]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基、であり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で示される化合物へ、ホスフィンオキシドを導入し、次いでジヒドロキシル化することによって、式
【化5】
Figure 2005247715

(但し、[化5]中R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Xは、P又はAsであり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を得ることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、不斉配位子中間体及び不斉配位子の合成方法に関し、特に、ケトンのシアノシリル化反応を高エナンチオ選択的に促進する不斉触媒に有用な不斉配位子及びその中間体の合成方法に関する。
不斉触媒は、触媒自体が光学活性物質を生成する能力を持つ触媒で、エナンチオ区別触媒のことを意味する。不斉触媒を用いて得られる各種生成物を、出発物質等に利用して簡便に種々の生成物を得ることができる。
現在では、アルデヒド、イミン、及びケトンなどのカルボニル化合物に対するシアンの不斉触媒の研究が集中的に行われている。化学触媒を用いた例として、アリールメチルケトンについて、最高でも72%程度のエナンチオマー過剰率が得られる触媒が知られている。
しかしながら、ケトンの実用的な不斉触媒はこれまで報告されていない。また、事実、前述の化学触媒を用いた例においても、エチルケトン(30%)や脂肪族ケトンには適用できないという問題点がある。エチルケトンや脂肪族ケトンを含めケトン全般に作用できる不斉触媒を得ることができれば、医学及び薬学の研究などに大量に要求される4級α-ヒドロキシカルボン酸、4級β-アミノアルコール等の有用物質を大量に、かつ、簡便に合成することが可能となる。
かかる状況下、上記有用な不斉触媒の主要な構成要素となる配位子が、本発明者等により見出された(特開2002-255985号公報)。かかる配位子は、ケトンのシアノシリル化の他に、ケトイミンのStrecker反応にも使われ、素晴らしい収率、不斉収率で生成物を与える。
特開2002-255985号
しかしながら、この配位子の合成においてはいくつかの問題点を抱えている。その一つは合成経路が長く、総収率が高くはないということである。しかも、高価な試薬を使用しており、コストの観点からも望ましいとはいえない部分もある。
さらに、立体が逆配置の配位子を合成困難であるという問題点も有する。すなわち、ケトンのシアノシリル化では、触媒の中心金属をチタンとガドリニウムとで入れ替えることにより逆配置の生成物が得られるが、ケトイミンのStrecker反応では中心金属を替えても生成物の立体化学を効率的に逆転させることはできない。
そこで、本発明は、有用な配位子を、合成経路が短く、ひいては工業的量産性に対応できるとともに、高総収率で、低コストな不斉配位子の合成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、発明者らは、配位子の逆合成について検討した結果、本発明の不斉配位子中間体及び不斉配位子の合成方法を見出すに至った。
本発明の不斉配位子中間体の合成方法は、式
Figure 2005247715

(但し、[化1]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基である。)で表される化合物に、式
Figure 2005247715

(但し、[化2]中Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を反応させて、式
Figure 2005247715

(但し、[化3]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を得て、
得られた化合物を、トシル化して閉環して、式
Figure 2005247715

(但し、[化4]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で示される化合物へ、ホスフィンオキシドを導入し、次いでジヒドロキシル化することによって、式
Figure 2005247715

(但し、[化5]中R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Xは、P又はAsであり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を得ることを特徴とする。
また、本発明の不斉配位子の合成方法は、請求項1で得られた不斉配位子中間体へカテコール誘導体を導入することによって、式
Figure 2005247715

(但し、[化6]中R4、R5、R6は、芳香族環上の置換基であり、R7は、水素、又は電子吸引基を示す。また、2つのR7によって閉環構造を取り得る。R8は、メチル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基、又は電子吸引基を示す。Xは、P又はAsである。nは1〜3である。)で表される不斉配位子を合成することを特徴とする。
また、本発明の不斉配位子中間体及び不斉配位子の合成方法の好ましい実施態様において、前記[化1]と前記[化2]とを反応させるときに、Trost触媒の配置を変化させることにより、前記中間体及び不斉配位子の立体配置を逆転させることを特徴とする。
本発明の不斉配位子中間体及び不斉配位子の合成方法によれば、逆配置の不斉配位子も同等な効率で合成でき、ひいては、本発明により得られた配位子を用いるケトンのシアノシリル化やケトイミンのシアノ化のエナンチオ選択性が任意に制御することが可能であるという有利な効果を奏する。
本発明の不斉配位子中間体及び不斉配位子の合成方法によれば、ケトンやケトイミンのシアノ化反応を促進できる不斉配位子を工業的スケールで合成することができるという有利な効果を奏する。
また、本発明によれば、より短工程な合成経路により、しかも低コストな合成方法を提供しうるという有利な効果を奏する。
本発明の不斉配位子中間体の合成方法は、式
Figure 2005247715

(但し、[化7]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基である。)で表される化合物に、式
Figure 2005247715

(但し、[化8]中Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を反応させて、式
Figure 2005247715

(但し、[化9]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を得て、
得られた化合物を、トシル化して閉環して、式
Figure 2005247715

(但し、[化10]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で示される化合物へ、ホスフィンオキシドを導入し、次いでジヒドロキシル化することによって、式
Figure 2005247715

(但し、[化11]中R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Xは、P又はAsであり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を得ることができる。この反応を簡略化したものは以下の通りである。
Figure 2005247715

(スキームA-4)
本発明によれば、化合物[化1]と1〜2当量の[化2]とを、塩化メチレン、クロロホルム、トルエンなどの溶媒中、必要ならば、パラジウム、トリエチルボラン、ジメチルアミノピリジンなどの存在下、0℃〜50℃の温度、好ましくは室温で、1〜10時間反応させることにより、化合物[化3]が得られる。
このようにして得られた化合物[化3]と1〜2当量のTsClとを、ピリジンなどの溶媒中で、必要ならば、ジメチルアミノピリジンなどの存在下、20〜80℃の温度、好ましくは、40〜60℃の温度で、0.5〜2時間反応させることにより、化合物[化3]のトシル化を行なうことができる。
さらに、トシル化して得られた化合物を、0.002〜0.1当量のGrubbs触媒存在下、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン、メタノール等の溶媒中で、20℃〜80℃の温度で、1〜5時間反応させることにより、化合物の閉環を行なうことができる。
閉環した化合物と、1〜2当量のカリウムジフェニルホスフィドとを、THF、エーテル、ジオキサン等の溶媒中で、−20℃〜30℃の温度で、0.1〜3時間反応させることにより、不斉配位子中間体が得られる。
得られた不斉配位子中間体へカテコール誘導体を導入することにより不斉配位子をえることができる。すなわち、不斉配位子中間体[化5]から誘導される環状硫酸エステルと、1〜5当量のカテコールとを、THF、エーテル、DMF、DMSOなどの溶媒中で、必要であれば、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどの存在下、0℃〜80℃の温度で、1〜12時間反応させることにより不斉配位子[化6]を得ることができる。
本発明においては、以下に述べるように逆配置の不斉配位子の合成も容易である。すなわち、[化1]と[化2]とを反応させるときに、Trost触媒の配置を変えることにより、前記中間体及び不斉配位子の立体配置を逆転させることができる。
具体的には、逆配置のTrost触媒を利用すれば、それぞれの触媒から上記本発明の配位子の合成方法に従い、逆配置の不斉配位子を下記[化13]に示すように得ることができる。
Figure 2005247715
ここで、本発明の一実施例を説明するが、本発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であることは言うまでもない。
実施例1
まず、下記[化14]のScheme A-1に従来の合成経路を掲げ、従来の合成経路との比較において、本発明の合成方法を説明する。
Figure 2005247715
収率の観点から最も問題なのは、トリオール123のモノトシル化のステップである。ジトシル化が起こってしまうため、再現性よく高収率を得ることが難しい。副生成物のジトシル体は変換、再利用は可能ではあるが、手間がかかるのでなるべくモノトシル体124を選択的に得たい。また、126へのカテコール誘導体の導入後にメチルエーテルの脱保護のためにチオールを用いるのは、工業化の観点から好ましくない。このステップに関しては、以下のように無保護のカテコールを用いるという改良がなされている。さらに、122の脱ベンジリデンアセタール化のステップでパラジウム炭素を酢酸−メタノール中で行うのは発火の危険を伴う。
Figure 2005247715

高価な試薬としてはL-SelectrideとPh2PKとが挙げられる。前者は原料の持つ立体配置を反転させるのに用いており、後者は基質124に無保護の水酸基が存在するために過剰に加える必要があるという点で、無駄が多い。またD-グルコースは安価であるが、D-グルカール誘導体119は出発原料としては高価である。
もう一つ問題となるのは、立体が逆配置のリガンドの合成ができないことである。安価なD-グルコースを用いて合成できる方のリガンドはよいだが、非天然型のL-グルコースは高価であり出発原料として用いるには適当でない。幸いにもケトンのシアノシリル化では、触媒の中心金属をチタンとガドリニウムとで入れ替えることにより逆配置の生成物が得られるのだが、ケトイミンのStrecker反応では中心金属を替えても生成物の立体化学を効率的に逆転させることはできない。以上の問題を解決するようなリガンドの合成法を確立することを目的として、本発明者等は本試験に着手した。
<合成計画>
Figure 2005247715

上述したカテコール部位の導入の改善により、リガンドを上図Scheme A-3[化16]のジオール125まで無理なく逆合成を考えることができる。このジオールは互いにcisの関係にあるので、オスミウムを用いたオレフィンのジヒドロキシル化で構築できる。近隣に存在する嵩高いジフェニルホスフィンオキシド基との立体反発を避ける形で、高いジアステレオ選択性も期待できる。よってジオール125はモノトシレート127まで逆合成可能である。127は閉環メタセシスにより128より誘導できる。ここで、従来の合成経路ではトリオール123の選択的モノトシル化であったのに対し、ここではモノオール128をモノトシレート127にするだけであるから収率・再現性の大きな改善が期待できる。また、基質に無保護の水酸基が存在しないことから、高価なPh2PKは理論的には1等量で間に合うはずである。さらにここでメタセシスを用いることで、6員環だけでなく、その他の大きさの環の誘導体も合成可能である。さて、この128であるが、これの合成についてはTrostらによる報告がある。この方法を本系に適用すると、130と131の2つのフラグメントに逆合成できる。ここで、ホモアリルアルコール131をアミンやチオールに替えることで、酸素以外のヘテロ原子の導入も可能になるかもしれない。このように、この合成経路は従来の合成経路の欠点を補うだけでなく、より多様な誘導体の合成を可能にするという利点、さらには最初のステップで配位子の立体配置を逆のものを用いることで、目的のリガンドの立体配置も逆転できるという利点をも有している。
上述のように立てた合成計画を元に、リガンド76の鏡像体138の合成を次のように行った。
Figure 2005247715
<トルエン-4-スルホン酸2-ブテニロキシ-3-ブテニルエステル([化17]中の134)の合成>
ピリジン中の133(841mg,5.92mmol)の溶液へTsCl(1.70g, 8,90mmol 及び DMAP(47.5mg、0.389mmol)を加えた。混合物を50℃で1時間撹拌した。溶媒留去後1NHClを加え生産物をAcOEtで抽出した。有機層を、飽和NaHCO3、溶液、及び食塩水で洗浄し、NaSO4で乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを通じて、精製後、98%の収率で134を与えた。
[化17]中の134の物性値を以下に示す。

1HNMR (500 MHz, CDCl3) δ 2.23 (q, J=6.7 Hz, 2H), 2.42 (s, 3H), 3.32 (dt, J=6.7, 9.2 Hz, 1H), 3.48 (dt, J=6.7, 9.2 Hz, 1H), 3.89 (m, 3H), 4.98 (dd, J=1.7, 10.1 Hz, 1H), 5.03 (dd, J=1.7, 17.1 Hz, 1H), 5.24 (d, J=10.4 Hz, 1H), 5.29 (d, J=17.4 Hz, 1H), 5.58 (ddd, J=6.5, 10.4, 17.4 Hz, 1H), 5.73 (ddt, J=6.7, 10.1, 17.1 Hz, 1H), 7.31 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.77 (d, J=8.6 Hz, 2H); 13CNMR (125 MHz, CDCl3) δ 21.6, 34.1, 68.6, 71.4, 78.3, 116.4, 119.6, 127.9, 129.7, 133.0, 133.7, 134.9, 144.7; IR (neat) ν 1363, 1177, 980 cm-1; MS (ESI) m/z 319 (M+-Na), 335 (M+-K); HRMS (FAB) Calcd for C15H21O4S 297.1161 (M+-H). Found 297.1162. [α]D 23=-13.9 (c 1.50, CHCl3)
<トルエン-4-スルホン酸5’6’−ジヒドロー2H-ピラン-2‘-イルメチルエステル([化17]中の136)の合成>
134(160mg,0.540mmol)の溶液及びGrubbsの第一世代触媒(4.3mg、0.00527mmol)を、CH2Cl中、2時間還流した。シリカゲルクロマトグラフィ-(AcOEt/hexane=1/1)により精製し、99%の収率で136を得た(144mg)。
136の物性値を以下に示す。

1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 1.96 (brd, J = 18.0 Hz, 1H), 2.20 (dddd, J = 3.0, 6.0, 8.8, 18.0 Hz, 1H), 2.45 (s, 3H), 3.62 (ddd, J = 4.0, 8.8, 11.5 Hz, 1H), 3.87 (ddd, J = 3.0, 5.0, 11.5 Hz, 1H), 4.02 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.32 (ddt, J = 1.8, 2.2, 6.0 Hz, 1H), 5.55 (dd, J = 1.8, 10.8 Hz, 1H), 5.97 (dddd, J = 2.2, 5.0, 6.0, 10.8 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 2H); 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ: 21.6, 24.9, 62.7, 71.0, 71.4, 124.5, 128.0, 128.2, 129.8, 133.0, 144.8; IR (neat, cm-1); 1359, 1175, 969; MS (ESI) m/z 291 (M+-Na); HRMS (FAB) Calcd for C13H17O4S 269.0848 (M+-H). Found 269.0847. [α]D 22=+18.6 (c 1.11, CHCl3)
<(5,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチルジフェニルホスフィンオキシドの合成>
THF (1.5 mL, 0.75 mmol)中の0.5 M Ph2PK溶液へ、THF(1.5 mL)中の136 (136 mg, 0.508 mmol) を、0℃で加えた 。30分後、飽和NH4Cl 溶液を加え、その後、30% H2O2 溶液((0.12 mL)を加えた。撹拌を30分間室温で行なった。飽和Na2S2O3 溶液を加えてしばらく撹拌した。THFの留去後、生産物をCHCl3で抽出した。加えて有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー精製により、137 (217 mg)を、目的分子とPh2PK-由来未同定不純物の分離できない混合物として与えた。
<1,5-無水2,6-ジデオキシ-6-(ジフェニルフォスフィニル)-L-リボ-ヘキシトール (137)の合成>
アセトン(1.6 mL)及びH2O (0.20 mL)中の137 (211 mg) の粗混合物の溶液へ、NMO (179 mg, 1.52 mmol) 、THF(125 μL, 0.025 mmol)中の0.2 M OsO4 を加え、混合物を2時間撹拌した。反応終了後、生産物をCHCl3で抽出した。加えた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。シリカゲルクロマトグラフィー精製により、ジアスレテレオ選択的に純粋なジオールを92%収率 (150 mg, 2 ステップ)で与えた。その後ジオールをEt2O/CHCl3 から再結晶化し、エナンチオメリカリーに純粋な化合物を得た(85%, >99% ee) 。
ジエン133はTrostの条件により、ビニルエポキシド130とホモアリルアルコール131より82%収率、96% eeにて合成することができた。これをトシル化して134、続いて閉環メタセシスにより136を得た。これにSN2反応でPh2P基を導入、酸化し、OsO4でオレフィンのジヒドロキシル化を行ったところ、92%収率(2ステップ)、d.r.=37:1で目的のジアステレオマー137を得ることができた。なお、この化合物はEt2O/CHCl3より再結晶収率85%にて>99% eeとすることが可能である。以降は従来の方法に第一章の改良を加えた経路により合成できる。これにより、以前は11ステップ計21%収率であったのが、7ステップ計48%収率と短工程高収率化を達成できた。従来の問題点であったトシル化は98%収率で再現性よく行うことができ、またPh2P基の導入に過剰量の試薬を必要としなくなった。このステップはスケールが大きくなれば、検討次第で1.05等量のPh2PKで十分ではないかと考えている。もう1つの高価な試薬であるL-Selectrideは必要ない。高価な触媒を使用しているが、収率の向上と他の高価な試薬の使用量が減少したことを考えれば、コスト的にも改善されたといえる。また、Trost触媒は安価にて合成することも可能である。
また、この合成経路ではOsO4を使用するために、大スケールの際には特にその毒性が問題となってくる。未検討ではあるが、小林修らの開発したマイクロカプセル化OsO4(Nagayama,S.;Endo,M。;Kobayashi,S,J,Org.Chem.1998,63,6094-6095)が解決策となるかもしれない。
また、上述の過程により得られた不斉配位子([化6]中、R1〜R3が何も存在しない状態であり、R4及びR5が共に水素の場合)の物性値を以下に示す。

融点 219−220℃
H NMR(500MHz、CDCl3)δ1.94(m、1H)、2.14(m、1H)、2.69(ddd、J=9.8、15.0,15.0Hz、1H)、2.84(ddd、J=2.8,9.5、15.3Hz、1H)、3.23(ddd、J=1.9、12.2、12.2Hz、1H)、3.34(dddd、J=2.8,7.0,9.4,9.8Hz、1H)、3.55(ddd、J=5.5、8.9,11.6Hz、1H)、3.73(dd、J=8.9,9.4Hz、1H)、3.90(ddd、J=1.2、5.7、12.2Hz、1H)、6.71(ddd、J=1.9,7.4、7.4Hz、1H)、6.96(m、3H)、7.51(m、6H)、7.75(m、4H)、8.92(s、1H);13C NMR (125MHz、CDCl) δ31.62,37.61(d、J=68Hz)、65.50,74.96、76.11、84.84,117.22、119.14、122.45、125.50、128.90、129.00、129.03、129.13、130.60(d、J=10Hz)、131.11(d、J=9Hz)、132.47、145.89、150.15:31P NMR(202MHz、CDCl3)、δ34.0
IR 3422、1156、1103cm-1
C25H27O5Pとしての分析値:C、67.67;H、6.10%.
実測値:C、67.92;H、5.94%
産業上の利用分野
本発明によれば、不斉触媒の配位子として有効に使用することができ、当該不斉触媒を利用することにより得られる生成物(キラルシアノヒドリン)は、不斉4級αヒドロキシカルボニル誘導体、β−アミノアルコールに効果的に変換することができるので、化学分野のみならず、薬学及び医学における有用性が極めて高い。

Claims (3)

  1. Figure 2005247715

    (但し、[化1]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基である。)で表される化合物に、式
    Figure 2005247715

    (但し、[化2]中Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を反応させて、式
    Figure 2005247715

    (但し、[化3]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を得て、
    得られた化合物を、トシル化して閉環して、式
    Figure 2005247715

    (但し、[化4]中R1、R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で示される化合物へ、ホスフィンオキシドを導入し、次いでジヒドロキシル化することによって、式
    Figure 2005247715

    (但し、[化5]中R2、R3は、水素、アルキル基、又はアリール基であり、Xは、P又はAsであり、Yは、O,N,Sのいずれかを示し、nは1〜3である。)で表される化合物を得る不斉配位子中間体の合成方法。
  2. 請求項1で得られた不斉配位子中間体へカテコール誘導体を導入することによって、式
    Figure 2005247715

    (但し、[化6]中R4、R5、R6は、芳香族環上の置換基であり、R7は、水素、又は電子吸引基を示す。また、2つのR7によって閉環構造を取り得る。R8は、メチル基、メトキシ基、ジメチルアミノ基、又は電子吸引基を示す。Xは、P又はAsである。nは1〜3である。)で表される不斉配位子を合成することを特徴とする不斉配位子の合成方法。
  3. 前記[化1]と前記[化2]とを反応させるときに、Trost触媒の配置を変化させることにより、前記中間体及び不斉配位子の立体配置を逆転させること請求項1又は2記載の方法。
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