JP2004098286A - スラリー供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 CMP装置に供給するスラリーの凝集による研磨粒子の粗大化を抑制する。
【解決手段】 スラリー供給装置Aは、密閉されたスラリーボトル1,2と、配管系統3と、ウエット窒素生成装置4と、ウエット窒素供給用配管5と、吸引ノズル13a,13cと、噴出ノズル13b,13dと、温度調節器12と、流量調節弁7a〜7j,7xと、送液ポンプ9a,9bと、各送液ポンプ9a,9bの運転や流量を制御するための制御系10とを備えている。配管系統3における配管の接続部には継ぎ手を設けず、配管のコーナー部の形状は、例えば曲率半径が5cm以上の曲線形状として、スラリー30の溜まりをなくすようにしている。
【選択図】    図1

Description

 本発明は、基板の化学的機械的研磨(CMP)を行なうために使用されるスラリーの供給装置に関する。
 近年、半導体基板上にトランジスタ等を形成する製造工程において、層間絶縁膜の平坦化などの目的で、研磨粒子としてのヒュームドシリカやコロイダルシリカをアンモニア等のアルカリ性溶液中に分散させてなるスラリーを用いた化学機械的研磨(Chemical Mechanical Polish)を行なって、基板平坦度を高く維持する技術が知られている。
 例えば、図8は、特許文献1に開示されている研磨剤供給装置(以下、「スラリー供給装置」という)F1の構造を示す断面図である。
 同図に示すように、スラリー供給装置F1は、研磨スラリーである研磨剤109が貯溜されているタンク101と、タンク101から研磨装置にスラリーを供給するための供給路102と、供給路102に介設されたポンプ104と、供給路102のポンプ104の下流側に介設された流量調整用の弁103と、供給路102の先端に設けられCMP装置の研磨パッドに研磨剤109を滴下するための供給ノズル110と、研磨剤109を撹拌するためのプロペラを有する撹拌機106とを備えている。また、供給路102の弁103の上流側から分岐した循環路105が設けられていて、循環路105からタンク101に研磨剤109を戻して研磨剤を循環させるように構成されている。そして、タンク101内の研磨剤109の温度はヒータ107により調節可能となっており、ヒータ107の温度はヒータ温度制御部108によって制御される。研磨時においては、弁103の開度を調整して、ポンプ104によってタンク101から吸い上げた研磨剤109のうちの所定量を供給ノズル110から研磨パッドに供給するとともに、残りの研磨剤109を循環路105を通してタンク101に戻す。一方、非研磨時においては、弁103を閉じて、研磨剤109の全量をタンク101に戻すことにより、研磨剤109の循環のみを行なわせる。
 ところで、コロイダルシリカの場合、1次粒子は微細な粒径(20〜30nm)を有するが、各シリカの1次粒子がある程度凝集して粒径が100〜200nmの2次粒子を形成している。また、ヒュームドシリカの場合は製造時から100〜200nmの粒径を有している。この粒径100〜200nmの2次粒子が実際には研磨作用に寄与していると考えられている。
 一方、研磨粒子の凝集があまりに加速されて、500nm程度を越える粒径を有するまでに研磨粒子が粗大化されると、被研磨物にマイクロスクラッチを発生させる。
 そこで、上記従来のスラリー供給装置F1では、スラリーである研磨剤109を常時循環し、かつプロペラによって撹拌することにより、研磨剤の沈降,凝集を抑制している。
 また、図10は、一般的に従来のスラリー供給装置の研磨剤が流れる配管系統において設けられている継ぎ手の構造を示す断面図である。このように、コーナー部や直線部において各種形状の継ぎ手を利用することにより、複雑な形状の配管を実現し、スラリー供給装置内の配管面積の低減と装置全体のコンパクト化とを図っている。
特開平10−15822号公報(要約書)
 ところで、研磨粒子の凝集があまりに加速されて、例えば500nm程度の粒径を有するまでに研磨粒子が粗大化されると、被研磨物にマイクロスクラッチを発生させるだけでなく、研磨レートを低下させるなどの問題があることもわかってきた。
 図9は、本発明者らが行なった実験結果であって、固形分濃度が異なるスラリー1とスラリー2との研磨レートの相違を比較するグラフである。同図に示すように、スラリー1はスラリー2よりも固形分濃度が1%小さいだけであるのに、研磨レートは大幅に低下していることがわかる。このような固形分濃度の低下は研磨粒子の粗大化によってタンク内に沈降するなどして生じ、研磨粒子の粗大化を抑制することは、研磨レートの適正化の観点からも重要であることがわかってきた。
 しかしながら、上記従来のスラリー供給装置においては、研磨粒子の凝集化の低減という観点から見ると、以下のような問題があった。
 第1に、図8に示すごとくタンク101内でプロペラを有する撹拌機106により撹拌を行なっているが、それでもスラリー中の研磨粒子の粗大化があまり改善されていないことが判明した。
 第2に、スラリー供給装置F1の配管系統において、多くの継ぎ手を用いているが、図10に示すように、継ぎ手内で2つの配管が接続される領域Rgにおいては、配管同士の間の隙間や段差が多くあり、この部分にスラリーの溜まりが生じることにより、研磨粒子の粗大化を加速していると考えられる。
 第3に、タンク101内の液面の変化によって、タンク101の内壁にスラリーの固化物が付着し、いったん付着した固化物がタンク101内に崩れ落ちることによっても、粗大化粒子の増大を招いていると思われる。
 そして、このような研磨粒子の粗大化が加速されることで、被研磨物におけるマイクロスクラッチの発生や、研磨レートの低下・不安定化が生じていた。
 本発明の目的は、配管の内部における段差や隙間のある部分の低減を図ることにより、研磨粒子の粗大化を抑制し、もって、被研磨物におけるマイクロスクラッチの低減や、研磨レートの適正化を図ることにある。
 本発明の第1のスラリー供給装置は、化学機械的研磨装置に対して研磨剤であるスラリーを供給するためのスラリー供給装置であって、スラリーを貯溜するための容器と、上記容器からスラリーを吸引するための第1のノズルと、上記容器にスラリーを戻すための第2のノズルと、上記化学機械的研磨装置にスラリーを滴下するための第3のノズルと、
 上記第1のノズル及び第3のノズルに接続され、スラリーを化学機械的研磨装置に供給するための第1の配管と、上記第2のノズル及び上記第1の配管に接続され、上記第1の配管を流れるスラリーの少なくとも一部を上記第3のノズルからバイパスさせて、上記第2のノズルに戻すための第2の配管と、上記第1の配管を流れるスラリーの上記第3のノズルと上記第2の配管とに対する供給量を調節するための調節弁と、上記第1及び第2の配管のうち少なくともいずれか一方の配管に介設され、スラリーを強制的に流すためのポンプとを備えるとともに、上記第1の配管及び上記第2の配管の中間部分において、継ぎ手が設けられていない。
 これにより、スラリーの流通路において、継ぎ手内における段差や隙間をなくすことができるので、スラリーの滞留に起因する粗大化した研磨粒子の発生を抑制することができる。
 本発明の第2のスラリー供給装置は、化学機械的研磨装置に対して研磨剤であるスラリーを供給するためのスラリー供給装置であって、スラリーを貯溜するための容器と、上記容器からスラリーを吸引するための第1のノズルと、上記容器にスラリーを戻すための第2のノズルと、上記化学機械的研磨装置にスラリーを滴下するための第3のノズルと、上記第1のノズル及び第3のノズルに接続され、スラリーを化学機械的研磨装置に供給するための第1の配管と、上記第2のノズル及び上記第1の配管に接続され、上記第1の配管を流れるスラリーの少なくとも一部を上記第3のノズルからバイパスさせて、上記第2のノズルに戻すための第2の配管と、上記第1の配管を流れるスラリーの上記第3のノズルと上記第2の配管とに対する供給量を調節するための調節弁と、上記第1及び第2の配管のうち少なくともいずれか一方の配管に介設され、スラリーを強制的に流すためのポンプとを備えるとともに、上記第1の配管及び上記第2の配管のコーナー部における曲率半径は5cm以上である。
 これにより、コーナー部におけるスラリーの溜まりをなくすことができるので、粗大化した研磨粒子の発生を抑制することができる。
 本発明の第3のスラリー供給装置は、化学機械的研磨装置に対して研磨剤であるスラリーを供給するためのスラリー供給装置であって、スラリーを貯溜するための密閉された容器と、上記容器からスラリーを吸引するための第1のノズルと、上記容器にスラリーを戻すための第2のノズルと、上記化学機械的研磨装置にスラリーを滴下するための第3のノズルと、上記第1のノズル及び第3のノズルに接続され、スラリーを化学機械的研磨装置に供給するための第1の配管と、上記第2のノズル及び上記第1の配管に接続され、上記第1の配管を流れるスラリーの少なくとも一部を上記第3のノズルからバイパスさせて、上記第2のノズルに戻すための第2の配管と、上記第1の配管を流れるスラリーの上記第3のノズルと上記第2の配管とに対する供給量を調節するための調節弁と、上記第1及び第2の配管のうち少なくともいずれか一方の配管に介設され、スラリーを強制的に流すためのポンプと、上記容器内部に外部からウエット雰囲気のガスを供給するウエットガス供給手段とを備えている。
 これにより、容器内が湿った雰囲気になるので、容器内の液面が変化しても、内壁におけるスラリーの固化物の発生を確実に防止することができる。
 本発明のスラリー供給装置によれば、化学機械的研磨装置に研磨剤を供給するに際し、研磨粒子の粗大化を抑制し、もって、被研磨物におけるマイクロスクラッチの発生を抑制し、研磨レートの安定化を図ることができる。
 図1は、本発明の実施形態に係るスラリー供給装置A及びCMP装置の構成を概略的に示す図である。
 同図に示すように、本実施形態に係るスラリー供給装置Aは、内部が密閉された2つのスラリーボトル1,2と、各スラリーボトル1,2からCMP装置6まで延びる配管系統3と、各スラリーボトル1,2に供給される湿気を含んだ窒素(ウエット窒素)を生成するためのウエット窒素生成装置4と、ウエット窒素生成装置4からのウエット窒素を各スラリーボトル1,2に供給するためのウエット窒素供給用配管5と、ウエット窒素生成装置4に窒素,純水をそれぞれ供給するための配管41,42とを備えている。
 また、各スラリーボトル1,2内には、スラリー30をスラリーボトル1,2から吸引して配管系統3に送り出すための吸引ノズル13a,13cと、スラリー30をスラリーボトル1,2に噴出しながら戻すための噴出ノズル13b,13dとが配置されている。そして、各ノズル13a〜13dから配管系統3の各配管3a〜3dがそれぞれ延びている。すなわち、各吸引ノズル13a,13cには送出側分岐配管3a,3cがつながり、各噴出ノズル13b,13dには戻し側分岐配管3b,3dがつながっている。そして、各送出側分岐配管3a,3cが1つにまとまって送出側合流配管3eとなり、この合流配管3eからCMP装置6まで延びるスラリー供給用配管3xと、供給側の合流配管3eからスラリー供給用配管3xに流れなかった残りのスラリー30を戻すための戻し側合流配管3fとが設けられており、戻し側分岐配管3b,3dは、戻し側合流配管3fからそれぞれ各スラリーボトル1,2に向かって分岐している。
 さらに、スラリー供給装置Aには、スラリー30の温度を制御するためのヒータ及びクーラーを有する温度調節器12と、温度調節器12内に配設された熱交換コイル3zとを備えている。そして、送出側分岐配管3a,3cからは熱交換コイル3zにスラリーを流すための入口側分岐配管3g,3iがそれぞれ分岐しており、各入口側分岐配管3g,3iが1つにまとまって入口側合流配管3kとなってから熱交換コイル3zの入口に接続されている。一方、熱交換コイル3zの出口からは出口側合流配管3lが延びた後、出口側分岐配管3h,3jに分岐してから、戻し側分岐配管3b,3dにそれぞれ接続されている。
 なお、上記各配管には、それぞれ流量を調節するための流量調節弁7a〜7j,7xが介設されている。
 さらに、戻し側分岐配管3b,3dには、送液ポンプ9a,9bが介設されていて、この送液ポンプ9a,9bによりスラリー30を各スラリーボトル1,2の底面側に噴出している。
 また、各送液ポンプ9a,9bの運転や流量を制御するための制御系10が設けられており、CMP装置による研磨中にはスラリー30を常時循環させるべく送液ポンプ9a,9bを常時運転する一方、CMP装置のアイドル中には送液ポンプ9a,9bを一定の時間間隔で交互に運転・停止させる間欠運転を行なっている。例えば、アイドル中には1時間に5分間程度の割合で送液ポンプ9a,9bを運転させて、スラリー30を循環させている。
 さらに、各スラリーボトル1,2には、スラリー30をサンプリングするためのサンプリングポート8a〜8c,8d〜8fが付設されており、各サンプリングポート8a〜8c,8d〜8fには弁15a〜15c,15d〜15fがそれぞれ介設されている。すなわち、スラリー30中の研磨粒子の径の分布状態などを測定すべく、スラリーボトル1,2の上部,中間部,下部のサンプリングポート8a〜8c,8d〜8fからスラリー30をいつでも採取できるように構成されている。
 また、ノズル高さ調整機構11a〜11dにより、吸引ノズル13a,13c及び噴出ノズル13b,13dの高さ位置を自在に調整できるように構成されている。
 一方、CMP装置6は、研磨定盤62と、研磨定盤62を回転駆動するための下側回転軸61と、研磨定盤62の上に貼り付けられたポリウレタン製の研磨パッド63と、キャリア65を回転駆動するための上側回転軸64とを備えており、上記キャリア65に被研磨物であるウエハ66が取り付けられている。そして、スラリー供給用配管3xにつながる先端ノズルから研磨パッド63にスラリーを滴下するように構成されている。
 以上、本実施形態に係るスラリー供給装置Aの概略的な構成について説明したが、そのうちの特徴的な構成の詳細について、以下に説明する。
  −撹拌方法−
 本実施形態においては、図1に示すようにスラリーボトル1,2内にプロペラによる撹拌機を設置せずに、噴出ノズル13b,13dによるスラリー30の噴出によってスラリー30の撹拌を行なっている。これは、以下の実験結果に基づく改良点である。
 図2(a),(b)は、それぞれプロペラによる撹拌前と撹拌後における研磨粒子の径分布を示すグラフである。図2(a)に示すように、プロペラによる撹拌前における研磨粒子の径は0.06〜0.3μmの範囲に分布している。それに対し、図2(b)に示すように、プロペラによる撹拌後における研磨粒子の径は、0.06〜4μmの範囲に分布しており、500nm以上の粒径を持つ研磨粒子が増大していることがわかる。これは、研磨粒子とプロペラとの衝突の際に、研磨粒子の分散状態を維持するための電気的立体構造が崩れるなどシリカの表面の状態が変化し、プロペラ周辺の局部的なエネルギー発生の影響によって研磨粒子同士が衝突することで、研磨粒子が凝集し沈降することによると考えられる。
 そこで、本実施形態のごとく、ポンプ9a,9bの循環圧力によりスラリー30を噴出させてスラリー30を撹拌することにより、スラリーの凝集を抑制することができる。特に、本実施形態においては、ノズル高さ位置調整機構11b,11dにより噴出ノズル13b,13dの高さ位置が調整可能に構成されているので、スラリーボトル1,2内のスラリー30の撹拌作用を最大限発揮できる位置に噴出ノズル13b,13dを設置することができる。
 なお、図1には、スラリーボトル1,2内において1つの噴出ノズル13b,13dしか示されていないが、これらは必要に応じて多数本配置することができ、これにより、撹拌作用を高めることができる。
 また、撹拌作用をより高く維持するためには、噴出ノズル13b,13dの高さ位置はスラリーボトル1,2の底面から5cm以下であることが好ましい。
 また、噴出ノズル13b,13dの先端部分をより小さく絞ることにより、スラリー30の噴出速度を高めることができるので、撹拌作用も向上する。
  −間欠運転−
 一方、本実施形態のようなポンプ9a,9bの圧力を利用したスラリー30の噴出による撹拌方式においても、ある程度の凝集は生じているものと思われる。これは、CMP装置6におけるウエハの研磨中においても、あるいは非研磨時(アイドル中)においても、ポンプ9a,9bの循環圧力の影響で研磨粒子同士が衝突し、研磨粒子の分散状態を維持するための電気的立体構造が崩れ、凝集することはありうるからである。一方、全く撹拌を行なわなかった場合、スラリーボトル1,2内でのスラリーの沈降が生じるため、固形分濃度が不均一になり、均一な研磨を行なうことができなくなる。この現象は、スラリーの種類などによっても異なるが、48〜72時間程度で現れる。したがって、アイドル中にスラリーの撹拌を全く行なわないのでは、48〜72時間が経過するたびにスラリー30を交換する必要が生じ、研磨作業の支障を招く。
 そこで、本実施形態では、制御系10により、ポンプ9a,9bを間欠的に運転させるように制御している。すなわち、CMP装置6による研磨中は、ポンプ9a,9bは常時運転させてスラリー30の循環と噴出による撹拌とを常時行なっているが、非研磨時つまりアイドル状態ではポンプ9a,9bを間欠的に運転して、スラリー30の循環と撹拌とを間欠的に行なっている。具体的には、アイドル状態においては、1時間について5分間程度だけポンプ9a,9bの運転を行なっている。
 図3は、アイドル状態においてもポンプ9a,9bの運転を常時行なった場合と、アイドル状態においてポンプ9a,9bの運転を間欠的に行なった場合とにおける使用時間の経過に対する研磨粒子のメジアン径の変化を示すデータである。同図に示すように、常時運転の場合には、メジアン径がすぐに0.3μm程度に達するのに対し、間欠運転の場合には、メジアン径は0.15μm前後に維持されている。
 このように、アイドル中におけるスラリー循環用のポンプ9a,9bの間欠運転により、研磨粒子の粗大化を効果的に抑制することができる。この方法は、研磨粒子の粗大化によるスラリー30の寿命はスラリーの循環時間によって決まるのであれば、循環を必要な時間だけ行なうという考え方でもある。
 下記表1は、従来の撹拌方法と本発明の撹拌方法とについて、スラリーボトルにおける上部,中間部及び底部から採取したスラリーの30μl中の粗大化粒子(径が500nm以上のもの)の数と、各部のスラリーを用いてCMPを行なったときの被研磨物(ウエハ)上のマイクロスクラッチの数とを示す表である。表1に示されるように、従来の撹拌方法の場合には、上部における粗大化した研磨粒子数は少ないものの、中間部及び底部における粗大化した研磨粒子数は非常に多く、不均一な分布状態となっていることがわかる。本発明の撹拌方法によって、スラリーボトル1,2の上部,中間部,底部における粗大化した研磨粒子数は低減するとともに、均一化されていることがわかる。
Figure 2004098286
  −ノズルの高さ−
 図4は、上記表1のデータをグラフ化したものである。同図に示すように、底部に沈殿しているスラリーは粗大化した研磨粒子の数が特に多く、これを用いてCMPを行なったときのマイクロスクラッチの数もこれにほぼ比例して多い。
 図5は、本実施形態に係るスラリーボトル1と各ノズル13a,13bの詳細構造を示す断面図である。ただし、図1に示す他方のスラリーボトル2及び各ノズル13c,13dも図5に示す構造を有している。
 本実施形態では、プロペラによる撹拌を行なっていないので、スラリーボトル1,2の底部において粗大化した研磨粒子の沈殿はほとんど生じない。しかしながら、撹拌前から、凝集しているシリカ粒子の混入やスラリー30の沈降が生じている可能性はある。
 そこで、図5に示すように、粗大化した研磨粒子が沈降している可能性のあるスラリーボトル1,2の底部からはスラリーを吸引しないようにする。例えば、スラリーボトル1,2の底面から3cm以上の高さ位置にある範囲では粗大化した研磨粒子をほとんど含まないスラリー30aが存在し、スラリーボトル1,2から3cmよりも小さい高さ位置にある範囲では、粗大化した研磨粒子を多く含む沈降したスラリー30bがある可能性がある。そこで、スラリーボトル1,2の底面から5cmよりも小さい高さ位置にある範囲のスラリーは吸引しない構造とすることで、粗大化した研磨粒子がCMP装置に送られるのを確実に防止することができる。
 また、図1に示すノズル高さ調整機構11a,11bにより、吸引ノズル13a,13cの高さ位置を調整可能に構成することにより、上述の効果をより顕著に発揮することができる。
  −ノズルの形状−
 図5に示すように、吸引ノズル13aは先端が軸方向に対して斜めにカットされた楕円形の端面形状を有し、噴出ノズル13bは先端が軸方向に対して垂直にカットされた円形の端面形状を有している。
 図6(a),(b)は、それぞれ本実施形態の吸引ノズル13aと従来の吸引ノズルとの先端面形状の相違による吸引領域の相違を示す図である。図6(b)に示すように、従来の先端が軸方向に対して垂直にカットされた吸引ノズルには、主としてスラリーボトルの底部付近からスラリーが吸引されるので、スラリーボトルの底部に滞留しがちな粗大化した研磨粒子も吸引されてCMP装置に送られる結果、被研磨物のマイクロスクラッチの増大や研磨レートの低下などを招いていた。それに対し、図6(a)に示すように、本実施形態の吸引ノズル13aが斜めにカットされた先端面を有していることで、スラリーボトル1の底部に滞留しがちな粗大化した研磨粒子の取り込みを抑制することができ、被研磨物(ウエハ66)のマイクロスクラッチの発生や研磨レートの低下などを抑制することができる。
 ただし、吸引ノズル13a,13cの先端を封鎖しておき、円筒面に複数の開口を設けて、この複数の開口からスラリー30を吸引するようにしても、本実施形態と同様の効果を発揮することはできる。
  −配管の接続構造−
 本実施形態では、図1の配管系統3における配管の接続部には継ぎ手を設けずに、溶接による接続を行なっている。合流配管と分岐配管との接続部と、容器と配管との接続部も溶接により接続する。さらに、配管のコーナー部の形状は、例えば曲率半径が5cm以上の曲線形状として、スラリー30の溜まりをなくすようにしている。
 このような配管構造を採用することにより、スラリー30の流通路において、従来のような直線部や曲線部に使用されていた継ぎ手内における段差や隙間の存在を解消し、スラリー30の滞留に起因する粗大化した研磨粒子の発生を抑制することができる。
  −スラリーの温度制御−
 図7は、ウエハの研磨レートのスラリー温度依存性を示す特性図である。同図に示すように、スラリー温度が高くなるにつれて研磨レートが低下する傾向があるが、スラリー温度20〜26℃の範囲では、研磨レートはそれほど大きく変化していない。そこで、本実施形態では、図1に示す温度調節器12により、スラリー30の一部を循環経路から分流させて温度調節を行なうことにより、研磨レートの安定化を図ることができる。
  −スラリーボトルの構造−
 本実施形態のスラリー供給装置においては、スラリーボトル1,2が密閉され、しかも、内部がウエット窒素で満たされているので、スラリーボトル1,2の内部におけるスラリーの固化が抑制される。すなわち、スラリーボトル1,2内では、蒸発したNH4 OHやウエット窒素によってスラリーボトル1,2内の湿度を95%以上に高めている。したがって、スラリーボトル1,2内の液面が変化しても、スラリーボトル1,2の内壁におけるスラリーの固化物の発生を確実に防止することができる。
  −サンプリングポートの取り付け−
 また、スラリー30の構造の変化が生じていないことを確認すべく、スラリーボトル1,2に、それぞれサンプリングポート8a〜8c,8d〜8fを設けているので、スラリーが寿命に達する時点の正確な判断や、異常状態の発生時における異常解消のための措置や、異常状態に突入する前の状態の検知による異常状態の発生の阻止などが可能となり、CMP作業を安定した状態で行うことができる。
 半導体装置の製造工程においては、研磨粒子としてシリカが広く用いられ、以上の説明ではこれを実施形態として示したが、本発明は、このような半導体装置の製造分野に限られるものではなく、研磨材料もシリカに限定されるものではない。すなわち、半導体結晶体から半導体ウエハを製造する際や、半導体以外のウエハの製造や、半導体デバイス以外のデバイスの製造プロセス中のCMP及びCMP以外の研磨方式において、スラリー状の研磨材を使用する際の凝集による研磨粒子の粗大化を防止するために利用することができる。シリカ以外の研磨剤としては、例えば酸化セリウム,アルミナ,酸化マンガンなどを用いる場合に適用することができる。
 本発明のスラリー供給装置又はスラリー供給方法は、LSI等の半導体装置やそのたの構造部品を製造するプロセスで行なわれる,化学的機械的研磨(CMP)を行なう工程で利用することができる。
本発明の実施形態に係るスラリー供給装置及びCMP装置の構成を概略的に示す図である。 それぞれプロペラによる撹拌前と撹拌後における研磨粒子の径分布を示すグラフである。 アイドル状態においてポンプの常時運転を行なった場合と間欠運転を行なった場合における使用時間の経過に対する研磨粒子のメジアン径の変化を示すデータである。 従来のスラリーボトルにおける上部,中間部及び底部から採取したスラリーの粗大化粒子の数とマイクロスクラッチの数との相関関係を示すグラフである。 本発明の実施形態におけるスラリーボトルと吸引ノズル,噴出ノズルとの形状や位置関係を説明するための断面図である。 それぞれ本実施形態の吸引ノズルと従来の吸引ノズルとの先端面形状の相違による吸引領域の相違を示す図である。 ウエハの研磨レートのスラリー温度依存性を示す特性図である。 従来の研磨剤供給装置の構造の例を示す断面図である。 本発明者らが行なった実験結果であって、固形分濃度が互いに異なる2種類のスラリーの研磨レートの相違を比較するグラフである。 従来より一般的に従来のスラリー供給装置の研磨剤が流れる配管系統において設けられている継ぎ手の構造を示す断面図である。
符号の説明
 1  スラリーボトル
 2  スラリーボトル
 3  配管系統
 3a,3c 送出側分岐配管
 3b,3d 戻し側分岐配管
 3e 送出側合流配管
 3f 戻し側合流配管
 3g,3i 入口側分岐配管
 3h,3j 出口側分岐配管
 3k 入口側合流配管
 3l 出口側合流配管
 3x スラリー供給用配管
 3z 熱交換コイル
 4  ウエット窒素生成装置
 5  ウエット窒素供給用配管
 6  CMP装置
 7a〜7j,7x 流量調節弁
 8a〜8f サンプリングポート
 9a,9b ポンプ
 10 制御系
 11a〜11d 高さ調節機構
 12 温度調節器
 13a,13c 吸引ノズル
 13b,13d 噴出ノズル
 15a〜15f 弁

Claims (5)

  1.  化学機械的研磨装置に対して研磨剤であるスラリーを供給するためのスラリー供給装置であって、
     スラリーを貯溜するための容器と、
     上記容器からスラリーを吸引するための第1のノズルと、
     上記容器にスラリーを戻すための第2のノズルと、
     上記化学機械的研磨装置にスラリーを滴下するための第3のノズルと、
     上記第1のノズル及び第3のノズルに接続され、スラリーを化学機械的研磨装置に供給するための第1の配管と、
     上記第2のノズル及び上記第1の配管に接続され、上記第1の配管を流れるスラリーの少なくとも一部を上記第3のノズルからバイパスさせて、上記第2のノズルに戻すための第2の配管と、
     上記第1の配管を流れるスラリーの上記第3のノズルと上記第2の配管とに対する供給量を調節するための調節弁と、
     上記第1及び第2の配管のうち少なくともいずれか一方の配管に介設され、スラリーを強制的に流すためのポンプとを備えるとともに、
     上記第1の配管及び上記第2の配管の中間部分において、継ぎ手が設けられていないことを特徴とするスラリー供給装置。
  2.  化学機械的研磨装置に対して研磨剤であるスラリーを供給するためのスラリー供給装置であって、
     スラリーを貯溜するための容器と、
     上記容器からスラリーを吸引するための第1のノズルと、
     上記容器にスラリーを戻すための第2のノズルと、
     上記化学機械的研磨装置にスラリーを滴下するための第3のノズルと、
     上記第1のノズル及び第3のノズルに接続され、スラリーを化学機械的研磨装置に供給するための第1の配管と、
     上記第2のノズル及び上記第1の配管に接続され、上記第1の配管を流れるスラリーの少なくとも一部を上記第3のノズルからバイパスさせて、上記第2のノズルに戻すための第2の配管と、
     上記第1の配管を流れるスラリーの上記第3のノズルと上記第2の配管とに対する供給量を調節するための調節弁と、
     上記第1及び第2の配管のうち少なくともいずれか一方の配管に介設され、スラリーを強制的に流すためのポンプとを備えるとともに、
     上記第1の配管及び上記第2の配管のコーナー部における曲率半径は5cm以上であることを特徴とするスラリー供給装置。
  3.  化学機械的研磨装置に対して研磨剤であるスラリーを供給するためのスラリー供給装置であって、
     スラリーを貯溜するための密閉された容器と、
     上記容器からスラリーを吸引するための第1のノズルと、
     上記容器にスラリーを戻すための第2のノズルと、
     上記化学機械的研磨装置にスラリーを滴下するための第3のノズルと、
     上記第1のノズル及び第3のノズルに接続され、スラリーを化学機械的研磨装置に供給するための第1の配管と、
     上記第2のノズル及び上記第1の配管に接続され、上記第1の配管を流れるスラリーの少なくとも一部を上記第3のノズルからバイパスさせて、上記第2のノズルに戻すための第2の配管と、
     上記第1の配管を流れるスラリーの上記第3のノズルと上記第2の配管とに対する供給量を調節するための調節弁と、
     上記第1及び第2の配管のうち少なくともいずれか一方の配管に介設され、スラリーを強制的に流すためのポンプと、
     上記容器内部に外部からウエット雰囲気のガスを供給するウエットガス供給手段と
    を備えていることを特徴とするスラリー供給装置。
  4.  請求項3に記載のスラリー供給装置において、
     上記容器に付設され、上記容器からスラリーをサンプリングのために採取するためのサンプリングポートをさらに備えていることを特徴とするスラリー供給装置。
  5.  請求項4記載のスラリー供給装置において、
     上記サンプリングポートは、上記容器の上部,中間部及び底部に取り付けられていることを特徴とするスラリー供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008055577A (ja) * 2006-09-01 2008-03-13 Fujikoshi Mach Corp 両面研磨装置
JP2011143508A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Disco Abrasive Syst Ltd 混合液供給装置
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