JP2004098075A - 片持ち羽根の鋳造方法 - Google Patents

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Hideshi Okouchi
小子内 英志
Seimei Oguri
小栗 正盟
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Abstract

【課題】ツリー状ワックス模型を用いたロストワックス鋳造法により片持ち羽根を鋳造する方法であって、仕上げ作業の容易な鋳造方法を提供する。
【解決手段】ツリー状ワックス模型を用いたロストワックス鋳造法により、軸部とその先端側に一体形成された羽根部とを有する片持ち羽根を鋳造する方法であって、幹状部から放射状に延設されたランナー部の先端に製品部の軸部の基端側が接合されたツリー状ワックス模型を用い、金属溶湯を、該ツリー状ワックス模型から製作したシェル状鋳型の幹部からランナー部を介して製品部へその軸部の基端側から鋳込んだ。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は片持ち羽根の鋳造方法に関する。軸部とその先端側に一体形成された羽根部とを有する片持ち羽根が様々な機器乃至装置類の構成部品として使用されている。例えば、自動車のターボチャージャーには、エンジン部へ導入する排気ガス量を制御するため、片持ち羽根がノズルベーンとして使用されている。この場合、片持ち羽根の羽根部の先端側がターボチャージャーのケーシングに開設されたノズル孔に対する弁体として機能する。このような片持ち羽根は、その性質上、小型且つ肉薄で、高い寸法精度及び面精度が要求される。本発明はかかる片持ち羽根をロストワックス鋳造法により鋳造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般に、前記のような片持ち羽根は、機械加工により一つづつ製作されている。しかし、小型且つ肉薄で、高い寸法精度及び面精度が要求される片持ち羽根を、機械加工により一つづつ製作するのは誠に厄介である。近年、ロストワックス鋳造法の技術が進歩し、そこでかかる片持ち羽根をロストワックス鋳造法により鋳造することが試みられるようになっている。ロストワックス鋳造法により前記のような片持ち羽根を鋳造する場合、金属溶湯を径の広い側から狭い側へと鋳込む常法にしたがい、幹状部から放射状に延設されたランナー部の先端に製品部の羽根部の先端側を取付けたツリー状ワックス模型を用いて、金属溶湯を、該ツリー状ワックス模型から製作したシェル状鋳型の幹状部からランナー部を介して製品部へその羽根部の先端側から鋳込むことが考えられる。この場合、シェル状鋳型への湯廻を確保するため、これも常法にしたがい、ランナー部とこれよりも急に径の広くなる製品部の羽根部とに亘ってランナー部よりも径の広い接続部を設けたツリー状ワックス模型を用いる。
【0003】
図4は前記のような鋳造方法に用いるツリー状ワックス模型を例示する部分正面図である。幹状部1から放射状に延設されたランナー部2の先端に接続部3を介して製品部4の羽根部5の先端側が取付けられている。かかるツリー状ワックス模型から製作したシェル状鋳型は該ツリー状ワックス模型に相応するキャビティーを有するものとなり、したがってそのようなシェル状鋳型に金属溶湯を鋳込むと、該ツリー状ワックス模型に相応する鋳造物が得られる。前記のような鋳造方法では、かかる鋳造物のランナー部から製品部を切り離した後、仕上げ作業を行なって、製品としての片持ち羽根を得る。
【0004】
ところが、前記のような鋳造方法には、鋳造物のランナー部から製品部を切り離した後の仕上げ作業が誠に厄介という問題がある。図5は図4のツリー状ワックス模型を用いて鋳造した鋳造物のランナー部から切り離した製品部を示す正面図、図6はその左側面図である。便宜上、図5及び図6では、図4と同じ記号を用いている。鋳造物のランナー部と製品部4の羽根部5の先端側との間にはランナー部よりも径の広い接続部が形成されており、ランナー部から製品部4を切り離すと、切り離し後の製品部4の羽根部5の先端側に接続部の一部3aが残るため、これを切削、研削、研磨等の機械加工で仕上げる作業が誠に厄介なのである。製品としての片持ち羽根が前記したようなノズルベーンとして使用されるようなものの場合には、小型且つ肉薄で、高い寸法精度及び面精度が要求されるため、かかる仕上げ作業が特に厄介である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、ツリー状ワックス模型を用いたロストワックス鋳造法により片持ち羽根を鋳造する方法であって、仕上げ作業の容易な鋳造方法を提供する処にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明は、ツリー状ワックス模型を用いたロストワックス鋳造法により、軸部とその先端側に一体形成された羽根部とを有する片持ち羽根を鋳造する方法であって、幹状部から放射状に延設されたランナー部の先端に製品部の軸部の基端側が接合されたツリー状ワックス模型を用い、金属溶湯を、該ツリー状ワックス模型から製作したシェル状鋳型の幹部からランナー部を介して製品部へその軸部の基端側から鋳込むことを特徴とする片持ち羽根の鋳造方法に係る。
【0007】
本発明ではツリー状ワックス模型を用いたロストワックス鋳造法により、軸部とその先端側に一体形成された羽根部とを有する片持ち羽根を鋳造する。本発明では幹状部から放射状に延設されたランナー部の先端に製品部の軸部の基端側が接合されたツリー状ワックス模型を用いる。このツリー状ワックス模型は、該ツリー状ワックス模型から製作したシェル状鋳型への湯廻を確保するため、製品部の軸部とこれよりも急に径の広くなる羽根部とに亘って軸部よりも径の広い接続部が設けられている。
【0008】
本発明では、金属溶湯を、前記のようなツリー状ワックス模型から製作したシェル状鋳型の軸部からランナー部を介して製品部へその軸部の基端側から鋳込む。得られる鋳造物はツリー状ワックス模型に相応するものとなり、かかる鋳造物のランナー部から製品部を切り離した後、仕上げ作業を行なって、製品としての片持ち羽根を得る。片持ち羽根を前記のようなノズルベーンとして使用する場合でも、弁体として機能する肝心な羽根部の先端側にはもともと接続部がなく、接続部の一部が残ることもないので、仕上げ作業は容易である。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る鋳造方法に用いるツリー状ワックス模型を例示する部分正面図である。幹状部11から放射状に延設されたランナー部12の先端に製品部14の軸部16の基端側が取付けられており、軸部16とこれよりも急に径の広くなる羽根部15との間には、湯廻を確保するため、双方に亘って軸部16よりも径の広い接続部13が設けられている。かかるツリー状ワックス模型から製作したシェル状鋳型は該ツリー状ワックス模型に相応するキャビティーを有するものとなり、したがってそのようなシェル状鋳型に金属溶湯を鋳込むと、該ツリー状ワックス模型に相応する鋳造物が得られる。本発明に係る鋳造方法では、かかる鋳造物のランナー部から製品部を切り離した後、仕上げ作業を行なって、製品としての片持ち羽根を得る。
【0010】
図2は図1のツリー状ワックス模型を用いて鋳造した鋳造物のランナー部から切り離した製品部を示す正面図、図3はその右側面図である。便宜上、図2及び図3では、図1と同じ記号を用いている。鋳造物のランナー部から製品部14の軸部16の基端側を切り離して製品部14を得るが、切り離し後の製品部14の羽根部15の先端側にはもともと接続部が形成されておらず、接続部の一部が残ることもないため、切り離し後の製品部14を仕上げる作業が誠に容易である。製品としての片持ち羽根が、小型且つ肉薄で、高い寸法精度及び面精度が要求される前記したようなノズルベーンとして使用されるものの場合には、特に有効である。
【0011】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、ツリー状ワックス模型を用いたロストワックス鋳造法により片持ち羽根を鋳造する方法であって、仕上げ作業の容易な鋳造方法を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋳造方法に用いるツリー状ワックス模型を例示する部分正面図。
【図2】本発明に係る鋳造方法において図1のツリー状ワックス模型を用いて鋳造した製品部を示す正面図。
【図3】図2の右側面図。
【図4】従来の鋳造方法に用いるツリー状ワックス模型を例示する部分正面図。
【図5】従来の鋳造方法において図4のツリー状ワックス模型を用いて鋳造した製品部を示す正面図。
【図6】図5の左側面図。
【符号の説明】
1,11・・幹状部、2,12・・ランナー部、3,13・・接続部、3a・・接続部の一部、4,14・・製品部、5,15・・羽根部、16・・軸部

Claims (1)

  1. ツリー状ワックス模型を用いたロストワックス鋳造法により、軸部とその先端側に一体形成された羽根部とを有する片持ち羽根を鋳造する方法であって、幹状部から放射状に延設されたランナー部の先端に製品部の軸部の基端側が接合されたツリー状ワックス模型を用い、金属溶湯を、該ツリー状ワックス模型から製作したシェル状鋳型の幹部からランナー部を介して製品部へその軸部の基端側から鋳込むことを特徴とする片持ち羽根の鋳造方法。
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