JP2008044011A - 鋳造中子および粗鋳造物、シェル、中子の組み合わせ - Google Patents

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Abstract

【課題】RMCの脚部の自由な先端を使用して冷却経路の脚部の閉じた端部を鋳造することにより、従来のプラグ溶接のステップを無くすかあるいは低減する。
【解決手段】ブレードの外周側空気シール(BOAS)20を鋳造する中子は、第一の端部28および第二の端部30と複数の脚部82,84,86,88,90,92を有する。これらの脚部のうち、第一の脚部(複数)は各々前記第一の端部28に結合する近接側の端部と、本体部分と、自由な先端部分とを有する。第二の脚部(複数)は各々前記第二の端部30に結合する近接側の端部と、本体部分と、自由な先端部分とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービンエンジンに関する。さらに詳しくは、本発明は冷却されたシュラウドすなわちブレードの外周側空気シール(BOAS)の鋳造に関する。
BOASの各部分は、ブリード空気によって内部的に冷却することができる。例えば、BOAS内で周方向に延びる冷却流体用経路の各脚部を上流側から下流側にかけて配列することができる。冷却空気は、BOASの外径(OD)側から冷却経路の各脚部内に供給できる(例えば、冷却経路の各脚部の端部にある1つ以上の導入ポートを介して)。冷却空気は、BOASの周方向の端部(接合面)にある出口ポートを通して冷却経路の各脚部から出て、隣接するセグメント間の領域内に排気することができる。排気された空気は、例えば隣接するBOASの各セグメントの冷却を補助し、また隙間を塞いで気体の吸い込みを防ぐ。
BOASの各セグメントは、インベストメント鋳造法で鋳造できる。例示的な鋳造工程では、冷却経路の各脚部を形成するためにセラミック製の中子が使用される。中子は冷却経路の各脚部に対応する脚部を有する。中子の各脚部は、中子の第一の端部および第二の端部の間に延びる。中子は金型内に配置される。金型内において中子の脚部を覆うようにろうを成型してパターンを作ることができる。パターンはシェル形成される(例えば、セラミック製シェルを形成するためのスタッコプロセス)。シェルからろうを取り除く。シェル内で中子を覆うように金属を鋳造する。シェルと中子は壊して取り除くことができる。中子が取り除かれると、中子の脚部によって鋳造物内に冷却経路の脚部が残る。鋳造されたままの冷却経路の各脚部は、粗BOAS鋳造物の周方向両端において開放している。これら端部の開口部の少なくともいくつかがプラグ溶接、ろう付けピンまたはその他の手段で閉じられる。冷却経路の各脚部への空気取り入れ口は、鋳造物の外径側からドリル加工して形成できる。
本発明の1つの態様は、ブレードの外周側空気シール(BOAS)を鋳造するための中子を含む。中子は第一の端部および第二の端部と複数の脚部を有する。これらの脚部のうち、第一の脚部(複数)は、各々第一の端部に結合する近接側の端部と、本体部分と、自由な先端部分とを有する。第二の脚部(複数)は、各々第二の端部に結合する近接側の端部と、本体部分と、自由な先端部分とを有する。
様々な実施例において、第一の脚部および第二の脚部の先端部分は本体部分を横切って突出することができる。中子は耐熱金属のシート材で形成できる。中子にはセラミックの被覆をしてもよい。近接側の端部は、各々断面が縮減されたネック部を有することができる。少なくとも1つの第三の脚部が第一の端部を第二の端部に接続することができる。この少なくとも1つの第三の脚部は、第一および第二の周辺脚部すなわち縁の脚部を含むことができる。脚部の隣接する対を、複数の接続脚部で接続することができる。接続脚部は、接続された脚部の隣接する断面よりも小さな最小断面を有することができる。
中子は、中子を部分的に覆う鋳造物およびシェルの中に埋め込まれる。中子の第一の端部および第二の端部は鋳造物からシェルの中に突き出てよい。第一の脚部および第二の脚部の先端部分はシェルの中に突き出るか、あるいは鋳造物内で終わっていてもよい。
中子は耐熱金属製シート材を切断して製造できる。切断後、第一の脚部および第二の脚部の先端部を、それらの脚部の対応する本体部分を横切るように曲げる。
図1はブレードの外周側空気シール(BOAS)20を示す。BOASは、先頭/上流側/前方端部24および後尾/下流側/後方端部26を有する本体部分22を有する。本体は第一の周方向端面および第二の周方向端面、すなわち接合面28と接合面30を有する。本体は内径面32と外径面34を有する。BOASを周囲の構造40(図3)に取り付けるために、例示のBOASは複数の取り付けフックを有する。例示のBOASは、前方端部24の引っ込んだ後部に前方に突出した先端部分を有する1つの中央前方取り付けフック42を有する。例示のBOASは、後方端部26を越えて後方に突出する後方突出先端部を有する第一の後尾フック44および第二の後尾フック46の対を有する。
複数のBOAS22のリング状の周方向の列が、ガスタービンエンジンの関連するブレードステージを取り囲むことができる。これにより、組みつけられた内径面32はコア流路48(図3)の最外側を局部的に境界づける。BOAS22は列として結合するための機能を有することができる。その機能の例としては、フィンガおよび合じゃくり接合(shiplap joint)が含まれる。例示のBOAS22は、第一の周方向端部28から突出する前方フィンガ50および後方フィンガ52の対を有するが、これらは組みつけられると隣接するBOASの第二の周方向端部30の半径方向外側となる。
BOASは空冷することができる。例えば、外径面34のすぐ外側にあるチャンバ56(図3)にブリード空気を吹き付けることができる。ブリード空気は、ポート60,62,64,66,68,70,72(図2)を通って内部の冷却経路の回路80に送り込むことができる。例示の回路は周方向に延びる複数の脚部82,84,86,88,90,92を含む。回路は複数の出口を有することができる。例示の出口は周方向端部28および周方向端部30に沿った出口を含むことができる。例示のBOAS22では、第一の周方向端部28に沿って出口100,102,104が形成され、第二の周方向端部30に沿って出口110,112,114が形成される。以下において更に詳しく述べるように、隣接する脚部は連結経路120,122,124,126,128によって互いに結合することができる。
作動中は、入口66が脚部82の閉じた端部130の近傍から空気を脚部82に供給する。空気は脚部82を流下して、脚部82の他端132におけるネック領域である出口100に至る。同様に、入口60が閉じた端部134の近傍から空気を脚部84に供給する。出口110は他端136におけるネック領域にある。入口68および入口70が閉じた端部138の近傍で脚部86に供給する。出口102は他端140に形成される。入口62が閉じた端部142の近傍で脚部88に供給する。出口112は他端144にある。入口72が閉じた端部146の近傍で脚部90に供給する。出口104は他端148におけるネック領域内にある。入口64が閉じた端部150の近傍で脚部92に供給する。出口114は他端152におけるネック領域内に形成される。
図5は、冷却経路の脚部を鋳造するための耐熱金属製中子(RMC)200を示す。耐熱金属製中子200は金属製シート(例えば耐熱金属)から切り出すことができる。例えば、レーザにより切断することができる。あるいは打ち抜き加工で切断してもよい。例示的なRMC200は第一の端部202および第二の端部204を有する。第一の周辺脚部206および第二の周辺脚部208は、第一の端部202と第二の端部204との間に延びてそれらを結合し、枠状の構造を形成する。第一の周辺脚部206と第二の周辺脚部208との間には、一連の脚部210,212,214,216,218,220があり、これらがそれぞれ冷却経路の脚部82,84,86,88,90,92を鋳造する。ある実施例では、RMC脚部の各々は、第一の端部202および第二の端部204のうち隣接する一方と結合する近接端と、他方の端部から離れて配設された自由な先端と、を有する。脚部の本体は近接端と先端との間に延びる。この実施例では、中子の脚部の先端230,232,234,236,238,240はそれぞれ冷却経路の脚部の閉じた端部130,134,138,142,146,150を鋳造する。中子の脚部の近接端242,244,246,248,250,252がそれぞれ出口100,110,102,112,104,114を鋳造する。
RMCの脚部の自由な先端を使用して冷却経路の脚部の閉じた端部を鋳造することにより、従来のプラグ溶接のステップを無くすかあるいは低減することができる。しかし中子脚部の自由な先端部とこれに隣接する中子の端部202または端部204との局部的な接続が欠けているために、構造的な一体性が失われる恐れがある。この問題を少なくとも部分的に補うために、RMC200は接続部260,262,264,266,268により隣接する脚部の本体部分同士を結合する。これらの接続部分により、それぞれ冷却経路120,122,124,126,128が鋳造される。
空気流の観点から見ると接続部は、隣接する脚部に沿って鋳造された冷却経路の脚部内の空気圧が等しくなる位置に配設するのが有利である。これによりクロスフローが最小となり、損失が低減される可能性がある。しかしこの位置は、RMCの強化の点で望ましくない可能性がある。そのため接続点を、圧力をバランスさせる最適な位置からずらす(例えば周方向に外側に押し出す)こともできる。
図5はまた、内部面282を有するシェル280を概略的に示す。シェル280は、BOASを鋳造するために、RMC200を内包するろうパターンの上に形成される。ろうを除去し、鋳造し、かつシェルと中子を取り除いた後、入口60,62,64,66,68,70,72をドリルで形成することができる(例えば、粗鋳造物に施される機械加工の一部として)。
例示的RMC200またはそれを修正したものを使用することには、1つまたは複数の利点がある。脚部の自由な先端部分を備えたRMCを使用することにより、プラグ溶接の必要性を無くすかあるいは低減することができる。セラミック製中子に対してRMCを使用することで、より微細な冷却経路を鋳造することが可能になりうる。例えば中子の厚みと冷却経路の高さを、ベースラインのセラミック製中子とそれによって鋳造された冷却経路の寸法に対して低減することができる。例示的なRMCの厚みは1.25mm未満、より厳密には0.5〜1.0mmである。RMCにはまた、内部のトリップストリップまたはその他の表面改善部を鋳造するための特徴部(例えば、打ち抜き加工/エンボスまたはレーザでエッチングされた凹部)を容易に与えることができる。
図6および図7は、耐熱金属シート材から切り出すことのできる別のRMC400を示す。それ以外の点では、RMC400はRMC200と同様に形成できる。RMC400は第一の端部402および第二の端部404を有する。複数の脚部はRMCの主要な面から曲げられた自由な先端部分406を有する。例えば、薄くなったネック領域410内の屈曲線408で上向きに曲げられる。パターンを成型した後で、先端部分406はパターンを形成するろうから部分的に突出し、最終的なシェル440内に埋め込まれる。RMC200の使用に比較して、これはシェル内にRMCのより強固な配置を与え、それにより、より正確な冷却経路の配設を実現することができる。シェルと中子を取り除くと、先端部406のうちシェルの空洞の中にあった部分によって鋳造物中にポートが残る。このポートは入口として利用できる。あるいはこのポートを拡大してもよい(例えば、ドリルその他の機械加工により)。
更に別の変形としては、連結経路(例えば、120,122,124,126,128)の1つから全てを半径方向に縮小させて、隣接する冷却経路脚部の特徴的な厚み(例えば平均値、中間値あるいは最頻値)よりも小さい厚み(半径方向の高さ)を持たせることを含む。これは、RMC接続部(例えば、260,262,264,266,268)をそれに対応して薄くすることにより得られる。薄くすることは、例えばRMCの一方または両方の面から行うことができ、RMCの主要な切断工程の一部として、あるいはその後に行うことができる。
本発明の一つまたは複数の実施例を説明してきたが、本発明の真意と範囲から逸脱せずに形態および詳細に対して変更が行えることが理解されるであろう。例えばベースラインBOASのリエンジニアリングに応用された場合、あるいは既存の製造技術または装置を使用する場合、ベースラインBOASあるいは既存の製造技術または装置の詳細が、特定の実施例の詳細に影響を与える可能性がある。従って他の実施例もここに示す請求項の範囲に属する。
ブレードの外周側空気シール(BOAS)を示す図である。 図1のBOASの外径/上面図である。 図1のBOASの第一の周方向端面の図である。 図1のBOASの第二の周方向端面の図である。 図1のBOASの冷却経路の回路を鋳造するための耐熱金属製中子(RMC)の平面図である。 別のRMCの平面図である。 図6のRMCの側面図である。

Claims (20)

  1. 該当
    第一の端部および第二の端部と、
    複数の第一の脚部と複数の第二の脚部とを含む複数の脚部と、
    を備え、
    前記複数の第一の脚部が、
    前記第一の端部に結合する近接端と、
    本体部分と、
    自由な先端部と、
    を各々有し、
    前記複数の第二の脚部が、
    前記第二の端部に結合する近接端と、
    本体部分と、
    自由な先端部と、
    を各々有することを特徴とする鋳造中子。
  2. 前記第一の脚部および前記第二の脚部の前記先端部が、前記本体部分を横切って突出することを特徴とする請求項1に記載の中子。
  3. 前記中子が、耐熱金属のシート材で形成されることを特徴とする請求項1に記載の中子。
  4. 前記中子が、セラミック製被覆を有することを特徴とする請求項3に記載の中子。
  5. 前記耐熱金属シート材の厚みが、0.5〜1.0mmであることを特徴とする請求項3に記載の中子。
  6. 前記第一の脚部および前記第二の脚部の前記先端部が、各々縮減された断面のネック部を有することを特徴とする請求項1に記載の中子。
  7. 前記第一の端部を前記第二の端部に接続する少なくとも1つの第三の脚部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の中子。
  8. 前記少なくとも1つの第三の脚部が、第一の周辺脚部および第二の周辺脚部を含むことを特徴とする請求項7に記載の中子。
  9. 前記脚部の隣接する対を接続し、かつ接続された脚部の隣接する断面よりも小さな最小断面を有する複数の接続脚部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の中子。
  10. 前記接続脚部の厚みが、前記接続された脚部の特徴的な厚みよりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の中子。
  11. シェルと、
    請求項1に記載の中子と、
    部分的に前記中子の上の鋳造物であり、前記第一の端部および前記第二の端部が前記鋳造物から前記シェル内に突き出ている鋳造物と、
    を含む粗鋳造物、シェルおよび中子の組み合わせ。
  12. 前記第一の脚部および前記第二の脚部の前記先端部が、前記鋳造物から前記シェル内に突き出ていることを特徴とする請求項11に記載の組み合わせ。
  13. 前記先端部が、前記鋳造物内で終端してることを特徴とする請求項11に記載の組み合わせ。
  14. 第一の端部および第二の端部と、
    複数の第一の脚部と複数の第二の脚部とを含む複数の脚部と、
    を画定する耐熱金属シートを切断するステップを備え、
    前記複数の第一の脚部は、
    前記第一の端部に結合する近接端と、
    本体部分と、
    先端部と、
    を各々有し、
    前記複数の第二の脚部は、
    前記第二の端部に結合する近接端と、
    本体部分と、
    先端部と、
    を各々有し、
    さらに、関連する前記本体部分を横切るように前記第一の脚部および前記第二の脚部を曲げるステップを備える方法。
  15. 前記切断するステップが、レーザによる切断であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記切断するステップが、
    前記第一の脚部の先端部を前記第二の端部から切り離すことと、
    前記第二の脚部の先端部を前記第一の端部から切り離すことと、
    を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. 少なくとも前記第一の脚部および前記第二の脚部に被覆を施すことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  18. 前記第一の脚部および前記第二の脚部の上に犠牲材料を成型してパターンを形成するステップと、
    前記第一の端部、前記第二の端部および前記先端部が前記捨て材料から前記シェル内に突出するように前記パターンにシェルを施すステップと、
    前記捨て材料を除去するステップと、
    前記シェル内で金属を鋳造するステップと、
    前記シェルを除去するステップと、
    を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  19. ブレードの外周側空気シールを形成するために使用される請求項18に記載の方法であって、
    前記第一の脚部および前記第二の脚部の先端部によって鋳造された入口を通って空気をブレードの外周側空気シール内に送り込むことを更に含む方法。
  20. 前記鋳造物の第一の面から、前記第一の脚部および前記第二の脚部によって鋳造された前記鋳造物内の冷却経路へ、複数の出口穴をドリル加工するステップと、
    前記出口穴を通って空気を排出するステップと、
    を更に含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
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