JP2004097743A - 薬液収容容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】分別廃棄の必要がないうえ、樹脂製の、可撓性を有する容体部を有しながら、捩じ切り操作が容易で衛生的であり、さらに、薬液の排出、薬剤の注入、混合操作が容易な薬液収容容器の提供。
【解決手段】樹脂よりなる可撓性の容体部1に、上記容体部に収容される薬液が流通可能な流路3aを有するとともに上記流路が封止されている導出用突部を設け、この導出用突部を切断して開封して使用する薬液収容容器において、上記導出用突部は、樹脂よりなる保持部2と一体に形成し、上記流路が上記容体部の内部に連通するよう上記保持部を容体部に溶着して設け、かつ、上記導出用突部の上部に回転操作用の把持部4bを設け、上記導出用突部は、上記把持部と上記保持部を捩り操作することにより導出用突部を切断して開封することとしたものである。また、上記保持部は、操作時に容体部を保持するための鍔状部を有することとしたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】樹脂よりなる可撓性の容体部1に、上記容体部に収容される薬液が流通可能な流路3aを有するとともに上記流路が封止されている導出用突部を設け、この導出用突部を切断して開封して使用する薬液収容容器において、上記導出用突部は、樹脂よりなる保持部2と一体に形成し、上記流路が上記容体部の内部に連通するよう上記保持部を容体部に溶着して設け、かつ、上記導出用突部の上部に回転操作用の把持部4bを設け、上記導出用突部は、上記把持部と上記保持部を捩り操作することにより導出用突部を切断して開封することとしたものである。また、上記保持部は、操作時に容体部を保持するための鍔状部を有することとしたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤を溶かしたその溶液、薬剤を溶解する溶解液などの薬液を収容し、保存、あるいは点滴などに用いることができる輸液バック、輸液ボトル等の樹脂よりなる可撓性を有する薬液収容容器に関し、特に造影剤などの高い粘性を有する薬液を収容する薬液収容容器に適する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、薬液収容容器としては、ガラスバイアル、樹脂ブロー容器、樹脂フィルムより形成した袋体に内容物の注排出口を設けた所謂ソフトバックなどが知られている。
通常、ガラスバイアルは、容器が耐熱性を有することから乾熱滅菌することが可能であるので、容器を乾熱滅菌した後、クリーンルーム内で薬液を収容し、ゴム栓にて封止すれば無菌性が確保された薬液収容容器とすることができる。
従って、製造時において、衛生上の扱いが容易であるうえ、使用時においても、上記ゴム栓を開栓せずに、ゴム栓をシリンジの注射針や点滴用輸液チューブの瓶針で刺通し、吸引または滴下させることによって収容された薬液を無菌性を確保したまま排出することができる。
【0003】
ガラスバイアルを用いた、患者への投与方法としては、点滴として使用する際は、点滴用輸液チューブの瓶針および、ガラスバイアル内にエアを導入するエア針を上記ゴム栓に刺通することによって排出を容易にし、患者へ投与する。また、シリンジを使用する際には、ガラスバイアルのゴム栓にシリンジの注射針を刺通し、薬液を吸引することでシリンジへ移し、患者へ直接投与したり、機械にセットして薬液の注入速度をコントロールして投与したりする。
特に、薬液が造影剤などの高粘性を有する場合には、シリンジを使用する投与方法が多くみられ、容器が硬く、手や器具で安定して保持し易いので、ガラスバイアルが多く用いられている。
【0004】
また、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を用いて、ブロー成形やインフレーション成形などによって注排出口を備えたボトルや袋体として容器を形成し、薬液を充填して封止した後、高圧蒸気滅菌する薬液収容容器がある。さらに、最近では、クリーンルーム内にて容器をブロー成形し、そのまま薬液(薬剤)などを無菌的に充填し、密封する所謂同時充填方式による薬液収容容器がある。
このような薬液収容容器にては、薬液を容体部内部に収容し、先端を捩じ切りキャップとして一体に構成した管状突出部を容体部に設け、使用時に、上記捩じ切りキャップを捩じ切ることで、開口部を設け、容体部内部に収容した薬液をシリンジなどによって排出、または、他の薬液や薬剤を追加して混合可能としたものがある。例えば、特開2001−70399号公報、実用新案登録第3044890号公報に記載されたものがある。
上記薬液収容容器は、捩じ切りキャップを管状突出部に一体として形成しているため、キャップを別体に形成したり、封止部の密閉のためにパッキンなどを用いる必要がない。よって、廃却時に分別廃棄する必要がないという利点を有し、医療ゴミの削減に適している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガラスバイアルにおいては、容器の密封性を確保するために、ゴム栓や樹脂カバー付きアルミキャップを装着しているため、廃却時には分別廃棄する必要があるうえ、ガラス製容器自体が破損しやすく、重量も重いものであった。
また、高い粘性を有する薬液をシリンジへ移し変える際に注射針を介して行うと、泡立ちが避けられず、泡が消えるまで待たざるを得ないので、作業効率が悪いものであった。
また、樹脂製の薬液収容容器においては、使用時に捩じ切りキャップを捩じ切る際に、一方の手で捩じ切りキャップあるいは、上記捩じ切りキャップに設けた操作用の把持部を持ち、他方の手で容体部を保持して、捩じり操作することになるが、容体部が可撓性を有している場合、捩じ切り操作時に可撓性の容体部に圧力を掛けてしまい、薬液をこぼしたり、捩じ切り口部を濡らしてしまうことがあり、容器外側面を伝って容体部内に細菌などを引き込んでしまう可能性があるものであった。
【0006】
また、捩じ切りキャップによって開口した開口部からシリンジ等を差し込んで薬液を排出したり、薬液に混合する為に、薬剤を注入するとき、容体部が可撓性を有している場合には容体部を固定しづらいので、机上に寝かせたり、長い口部を有するシリンジや注射針を取り付けたシリンジなどを使用しないと操作しづらいものであった。
また、特に同時充填方式による容器においては、工程上、薬液を充填した開口部を閉じると同時に、その部位に注排出用の口部材を形成する必要があるため、複雑で、滅菌工程の必要性が生じやすいゴム栓を備えた注排出用の口部を採用しづらいなどの問題があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、分別廃棄の必要がないうえ、樹脂製の、可撓性を有する容体部でありながら、捩じ切り操作が容易で衛生的な薬液収容容器の提供にある。
また、薬液の排出、シリンジでの吸入、そして、薬液(薬剤)の混合操作が容易な薬液収容容器の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、樹脂よりなる可撓性の容体部に、上記容体部に収容される薬液が流通可能な流路を有するとともに上記流路が封止されている導出用突部を設け、この導出用突部を切断して開封して使用する薬液収容容器において、上記導出用突部は、樹脂よりなる保持部と一体に形成し、上記流路が上記容体部の内部に連通するよう上記保持部を容体部に溶着して設け、かつ、上記導出用突部の上部に回転操作用の把持部を設け、上記導出用突部は、上記把持部と上記保持部を捩り操作することにより導出用突部を切断して開封することとしたものである。
【0009】
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、上記保持部は、操作時に容体部を保持するための鍔状部を有することとしたものである。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の構成に加えて、上記把持部は、平板状とされ、懸垂係止装置が設けられていることとしたものである。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成に加えて、上記把持部は、上記保持部に少なくとも一部が直接連結されていることとしたものである。
さらに、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記載の発明の構成に加えて、ネジ止め用突起を形成していることとしたものである。
さらに、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5記載の発明の構成に加えて、上記容体部は、上端部に導出用突部を備えた保持部を設け、下端部に薬液注排出口を設けたこととしたものである。
【0010】
本発明に係る薬液収容容器の薬液を収容している容体部は、一般に医療用容器に用いられる樹脂材からブロー成形やインフレーション成形などによってボトルや袋体として形成されてなり、可撓性を有するものである。
このとき、導出用突部を有する保持部は、別途型成形して、上記容体部の成形時に公知の接着や溶着(溶接)技術により一体とすることができるが、上記容体部の成形に際し、例えば、予備成形したパリソンを用いて保持部を型成形し、容体部をブロー成形する工法などを用いれば、同一の樹脂材から型成形による高精度で比較的高い硬度を有する保持部とブロー成型による可撓性を有する容体部とを同時に成形することが可能である。
【0011】
本発明によれば、保持部を容体部に一体に設け、一方の手で把持部をつかみ、他方の手で保持部をつかむことができる構成としているので、容体部をつかむ必要がなく、捩じ切り操作時に可撓性を有する容体部に不必要な圧力を加えることがない。そして、把持部を取り去ったあとも、上記保持部をつかめるので、扱いが容易である。
【0012】
さらに、上記保持部に鍔状部を設けることにより、捩じ切り操作時に、確実に保持することができ、確実な操作を可能とすることができる。例えばシリンジを開口部に差し込んで薬液を排出する時には、上記鍔状部とシリンジとを片手で保持することが容易であり、他方の手でプランジャを操作することができるので、操作を容易とすることができる。
また、把持部を平板状とし、この平板状の把持部に点滴スタンドなどに懸垂可能な懸垂係止装置を設けることができる。懸垂係止装置としては、捩じ切り操作や扱いの容易さ、コスト面から単純な孔形状やフック形状が好ましい。
【0013】
さらに、把持部と保持部の少なくとも一部が直接連結されていることが好ましい。これは、捩じ切り操作によって開口する開口部が予定する部位に確実に形成されるように捩り応力が集中して切断し易いように構成しているため、意図しない捩り力が生じたときは切断もしくは一部破断する恐れがあるので、把持部と保持部の少なくとも一部を連結しておくことによって、捩切り操作時には、この連結部を切断したのち、導出用突部の予定する部位に開口部が生じる構成とすることができる。
このとき、連結部は、意図しない切断の防止機能を有するとともに、懸垂方向においては、上記捩り応力が集中する部位への応力を分散させることができる。
【0014】
また、上記導出用突部の外周には、ネジ止め用突起を形成することによって、例えば螺条を設けたコネクタ、所謂ロック機構付きのルアーコネクタをネジ止めすることができ、確実な注排出が可能となる。
また、本発明に係る導出用突部を容体部の上端部に設け、下端部にゴム栓などによって封止された薬液の注排出口を設けることによって、一種類の薬液収容容器で、上端部の導出用突部に設けた開口部を利用して、シリンジを使用した排出も、可撓性容体部に圧力をかけて強制排出させることも、下端部の注排出口を利用した点滴としての排出にも対応することができる。
なお、本発明における薬液は、薬剤を溶解した溶液、薬剤を溶解する溶解液など医療用液体であればよく、上記説明に限定するものではない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る薬液収容容器の第1の実施例を示す正面図であり、図2は図1に示す薬液収容容器の側面図、図3は図1に示す薬液収容容器の捩じ切り部分を説明するための部分拡大断面図である。
図において、1は可撓性を有する容体部であり、この容体部は1、筒状の樹脂フィルムから端部開口部分を溶着し、密閉して袋状に形成されている。2は、別途インジェクション成形によって形成された鍔状部2aを備えた保持部であり、この保持部2には、容体部1に収容された薬液(図示せず)が流通可能な流路3aを有する導出用突部3が一体に形成されている。そして、この導出用突部3の先端には、捩じ切りキャップ4を一体に形成するとともに、流路3aを閉塞し、容体部1に収容された薬液を外界から遮断している。
【0016】
5は、応力集中部であり、6は、捩じ切り操作した場合に形成される開口部である。これは捩じ切りキャップ4を捩るときに捩り応力が集中し、設計時に想定した部位で破断して、想定位置に開口部6が形成されるように、外側面に段差を設けている。
さらに、捩切りキャップ4の外側面には、孔状の懸垂係止装置4aを備えた操作用の把持部4bを設けており、捩じ切り操作を容易とするとともに、上記懸垂係止装置4aにより点滴ハンガーなどへの吊り下げを可能としている。
【0017】
上記流路3aは、容体部1の内部と、導出用突部3の内部を連通していることはもちろんであり、把持部4bを回転操作することによって、応力集中部5を起点として破断を生じせしめ、予め想定した開口部6にて開封することができる。そして、開口部6にシリンジなどを差し込み、吸引することによって、無菌的に収容された薬液を取り出すことができる。
なお、開口部6は、100mLまでのシリンジ口部の外径が3.95mm、テーパー6/100と標準化されているため、開口部6を4.0〜4.3mmとすることで、シリンジ口部を嵌着させることが可能であり、その場合、容体部1内に外気が入り込み難いので、より衛生的に薬液を取り出すことができる。このとき、容体部1は可撓性を有するので、容器剛性による内圧が発生しないため、吸い出しは容易である。
【0018】
また、シリンジ口部を開口部6に押しつけておく必要があるが、保持部2は鍔状部2aを備えているので、この鍔状部2aに指をかけることにより、シリンジ口部に引きつけが容易であり、片手で容体部1とシリンジ本体を保持することができ、操作者は立ったままでも、他方の手でシリンジのプランジャを操作することができる。
【0019】
なお、本実施例においては、容体部1の上端部に上述した捩じ切りキャップ4および懸垂係止装置4aを備える構成に加え、下端部に別の注排出口7を設けている。この場合、収容する薬液の用途によって、上部の捩りキャップ4を操作して、形成した開口部6からシリンジを用いて薬液を取り出すことも、あるいは、単に排出することもでき、また、懸垂係止装置4aを使用して、点滴スタンドに吊し、下部に設けた薬液排出口7を用いて点滴に用いることもできる。
【0020】
図4は本発明に係る薬液収容容器の第2実施例を示す部分拡大断面図であり、図5(A)は、図4に示すA−A断面矢視図であり、図5(B)は、図4に示すB方向矢視図である。なお、第1実施例と同様の部位については、同じ符号を用いることとする。
図において、8は、操作用の把持部であり、この把持部8の上部にはフック状の懸垂係止装置9を設けている。この把持部8は、操作を容易化するため横方向に大きく張り出して設けるとともに、この把持部8から保持部2の上面に直接接続する接続部8aを有しており、この接続部8aは、導出用突部10を上下方向に補強しているが、部分的に離間部11を設けることによって、捩り操作に対しては障害とならない程度に捩り方向強度は小さくしている。
従って、本実施例においては、接続部8aを有しているため、把持部8の上部に設けた懸垂係止装置8を用いたときも、上下方向に十分な強度を有するので、過度の引張り強度が薬剤収容容器にかかったときでも、破断する可能性が低いものでありながら、捩り操作時には障害とならないものとすることができる。
【0021】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の効果を有する範囲で、細部を変更することができる。例えば、保持部を菱形断面に形成して、捩り操作時に、指かかりを良くすることも可能であるし、さらに捩り操作用の突出部を設けることもできる。
【0022】
図6は本発明に係る薬液収容容器の第3実施例を示す部分正面図であり、図7は図6に示す薬液収容容器の一部裁断したC部拡大図、図8(A)は図7に示すD−D方向断面矢視図、図8(B)は図7に示すE方向矢視図である。図9は、開口済みの本実施例にロック機構付きルアーコネクタを備えたシリンジを接続した状態を示す、シリンジ接続状態図である。なお、第1、第2実施例と同様の部位については、同じ符号を用いることとする。
図において、9は、上部に導出用突出部10を備えた保持部であり、11は、この保持部9に一体に設けられた鍔状部である。なお、流路10aは、この保持部9を容体部1の内部方向に連通している。上記導出用突出部10は、外周部にネジ止め用突部12が設けられている。
【0023】
このネジ止め用突部12は、図9に示すように、開口済みの導出用突部10にシリンジ13の先端外口部14に設けたネジ止め用螺条14aに螺合し、固定することができ、シリンジ13の先端内口部15が確実に流路10aに差し込まれて嵌合状態で固定されるので、排出のための操作が容易となる。
16は、導出用突部10の外面に設けられた平板状の把持部であり、この把持部16は、保持部9に直接連結されていると同時に、部分的に薄肉化されて保持部9から導出用突部10に連結された脆弱部17を有している。また、この把持部16は、上記導出用突部10の先端部を封止している封止部10bには強固に連結されている。また、上記把持部16が保持部10に直接連結されている連結部18には、中心方向へ切り欠き19を設けている。
【0024】
本実施例においては、把持部16と保持部9を捩じ切り操作することによって、切り欠き19に捩り応力が集中して連結部18が切断され、次いで脆弱部17が切断されて、封止部10bとともに把持部16が保持部9から切除される。すなわち、封止部10bが取り払われるので、導出用突部10の先端が開口されるのである。
このとき、保持部9および鍔状部11を手で確実に固定することができるので、容体部1に圧力をかけることがないので、図示せぬ薬液をこぼしたりすることはない。
そして、上記ネジ止め用突部12にネジ止め用螺条14aを備えたシリンジ13を螺合固定すれば、薬液の排出操作が容易である。
【0025】
上述した実施例らでは、捩り操作によって、開口部を設ける構成としたが、横方向への折損操作によって開口部を設けることとしてもよい。その場合においても、本発明の構成により、作業が容易であることはもちろんである。
【0026】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、本発明の薬液収容容器によれば、容体部および開口部、封止部分を樹脂によって形成することができるので、用済み時に分別廃棄する必要がない。また、開口操作用の把持部を設けたので、衛生的且つ容易に開口操作することができる。さらに、開口操作時に容体部の保持を容易にする鍔状部を備えた保持部を設けたので、立ったままの体勢で、他の器具を使用することなく、可撓性の容体部でありながら、シリンジを用いた薬液の取り出しにおいても、片手でシリンジおよび薬液収容容器を保持でき、他方の手でプランジャ等を操作することができる。
また、上記把持部は懸垂係止装置を兼ねる構成としたので、点滴などの薬液収容容器として使用することもできる。
また、導出用突部を容体部の上端部に設け、下端部にゴム栓などによって封止された薬液注排出口を設けることによって、一種類の薬液収容容器で、多数の用途用法に適用することができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬液収容容器の第1の実施例を示す正面図である。
【図2】図1に示す薬液収容容器の側面図である。
【図3】図1に示す薬液収容容器の捩じ切り部分を説明するための部分拡大断面図である。
【図4】本発明に係る薬液収容容器の第2実施例を示す部分拡大断面図である。
【図5】(A)は、図4に示すA−A断面矢視図であり、(B)は、図4に示すB方向矢視図である。
【図6】本発明に係る薬液収容容器の第3実施例を示す部分正面図である。
【図7】図6に示す薬液収容容器の一部裁断したC部拡大図である。
【図8】(A)は、図7に示すD−D方向断面矢視図であり、(B)は、図7に示すE方向矢視図である。
【図9】シリンジ接続状態図である。
【符号の説明】
1・・・容体部
2,9・・・保持部
2a,11・・・鍔状部
3,10・・・導出用突部
3a・・・流路
4・・・捩じ切りキャップ
4a,9・・・懸垂係止装置
6・・・開口部
7・・・注排出口
4b,8,16・・・把持部
12・・・ネジ止め用突部
13・・・シリンジ
14・・・先端外口部
14a・・・ネジ止め用螺条
15・・・先端内口部
17・・・脆弱部
18・・・連結部
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤を溶かしたその溶液、薬剤を溶解する溶解液などの薬液を収容し、保存、あるいは点滴などに用いることができる輸液バック、輸液ボトル等の樹脂よりなる可撓性を有する薬液収容容器に関し、特に造影剤などの高い粘性を有する薬液を収容する薬液収容容器に適する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、薬液収容容器としては、ガラスバイアル、樹脂ブロー容器、樹脂フィルムより形成した袋体に内容物の注排出口を設けた所謂ソフトバックなどが知られている。
通常、ガラスバイアルは、容器が耐熱性を有することから乾熱滅菌することが可能であるので、容器を乾熱滅菌した後、クリーンルーム内で薬液を収容し、ゴム栓にて封止すれば無菌性が確保された薬液収容容器とすることができる。
従って、製造時において、衛生上の扱いが容易であるうえ、使用時においても、上記ゴム栓を開栓せずに、ゴム栓をシリンジの注射針や点滴用輸液チューブの瓶針で刺通し、吸引または滴下させることによって収容された薬液を無菌性を確保したまま排出することができる。
【0003】
ガラスバイアルを用いた、患者への投与方法としては、点滴として使用する際は、点滴用輸液チューブの瓶針および、ガラスバイアル内にエアを導入するエア針を上記ゴム栓に刺通することによって排出を容易にし、患者へ投与する。また、シリンジを使用する際には、ガラスバイアルのゴム栓にシリンジの注射針を刺通し、薬液を吸引することでシリンジへ移し、患者へ直接投与したり、機械にセットして薬液の注入速度をコントロールして投与したりする。
特に、薬液が造影剤などの高粘性を有する場合には、シリンジを使用する投与方法が多くみられ、容器が硬く、手や器具で安定して保持し易いので、ガラスバイアルが多く用いられている。
【0004】
また、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を用いて、ブロー成形やインフレーション成形などによって注排出口を備えたボトルや袋体として容器を形成し、薬液を充填して封止した後、高圧蒸気滅菌する薬液収容容器がある。さらに、最近では、クリーンルーム内にて容器をブロー成形し、そのまま薬液(薬剤)などを無菌的に充填し、密封する所謂同時充填方式による薬液収容容器がある。
このような薬液収容容器にては、薬液を容体部内部に収容し、先端を捩じ切りキャップとして一体に構成した管状突出部を容体部に設け、使用時に、上記捩じ切りキャップを捩じ切ることで、開口部を設け、容体部内部に収容した薬液をシリンジなどによって排出、または、他の薬液や薬剤を追加して混合可能としたものがある。例えば、特開2001−70399号公報、実用新案登録第3044890号公報に記載されたものがある。
上記薬液収容容器は、捩じ切りキャップを管状突出部に一体として形成しているため、キャップを別体に形成したり、封止部の密閉のためにパッキンなどを用いる必要がない。よって、廃却時に分別廃棄する必要がないという利点を有し、医療ゴミの削減に適している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガラスバイアルにおいては、容器の密封性を確保するために、ゴム栓や樹脂カバー付きアルミキャップを装着しているため、廃却時には分別廃棄する必要があるうえ、ガラス製容器自体が破損しやすく、重量も重いものであった。
また、高い粘性を有する薬液をシリンジへ移し変える際に注射針を介して行うと、泡立ちが避けられず、泡が消えるまで待たざるを得ないので、作業効率が悪いものであった。
また、樹脂製の薬液収容容器においては、使用時に捩じ切りキャップを捩じ切る際に、一方の手で捩じ切りキャップあるいは、上記捩じ切りキャップに設けた操作用の把持部を持ち、他方の手で容体部を保持して、捩じり操作することになるが、容体部が可撓性を有している場合、捩じ切り操作時に可撓性の容体部に圧力を掛けてしまい、薬液をこぼしたり、捩じ切り口部を濡らしてしまうことがあり、容器外側面を伝って容体部内に細菌などを引き込んでしまう可能性があるものであった。
【0006】
また、捩じ切りキャップによって開口した開口部からシリンジ等を差し込んで薬液を排出したり、薬液に混合する為に、薬剤を注入するとき、容体部が可撓性を有している場合には容体部を固定しづらいので、机上に寝かせたり、長い口部を有するシリンジや注射針を取り付けたシリンジなどを使用しないと操作しづらいものであった。
また、特に同時充填方式による容器においては、工程上、薬液を充填した開口部を閉じると同時に、その部位に注排出用の口部材を形成する必要があるため、複雑で、滅菌工程の必要性が生じやすいゴム栓を備えた注排出用の口部を採用しづらいなどの問題があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、分別廃棄の必要がないうえ、樹脂製の、可撓性を有する容体部でありながら、捩じ切り操作が容易で衛生的な薬液収容容器の提供にある。
また、薬液の排出、シリンジでの吸入、そして、薬液(薬剤)の混合操作が容易な薬液収容容器の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、樹脂よりなる可撓性の容体部に、上記容体部に収容される薬液が流通可能な流路を有するとともに上記流路が封止されている導出用突部を設け、この導出用突部を切断して開封して使用する薬液収容容器において、上記導出用突部は、樹脂よりなる保持部と一体に形成し、上記流路が上記容体部の内部に連通するよう上記保持部を容体部に溶着して設け、かつ、上記導出用突部の上部に回転操作用の把持部を設け、上記導出用突部は、上記把持部と上記保持部を捩り操作することにより導出用突部を切断して開封することとしたものである。
【0009】
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、上記保持部は、操作時に容体部を保持するための鍔状部を有することとしたものである。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の構成に加えて、上記把持部は、平板状とされ、懸垂係止装置が設けられていることとしたものである。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成に加えて、上記把持部は、上記保持部に少なくとも一部が直接連結されていることとしたものである。
さらに、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記載の発明の構成に加えて、ネジ止め用突起を形成していることとしたものである。
さらに、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5記載の発明の構成に加えて、上記容体部は、上端部に導出用突部を備えた保持部を設け、下端部に薬液注排出口を設けたこととしたものである。
【0010】
本発明に係る薬液収容容器の薬液を収容している容体部は、一般に医療用容器に用いられる樹脂材からブロー成形やインフレーション成形などによってボトルや袋体として形成されてなり、可撓性を有するものである。
このとき、導出用突部を有する保持部は、別途型成形して、上記容体部の成形時に公知の接着や溶着(溶接)技術により一体とすることができるが、上記容体部の成形に際し、例えば、予備成形したパリソンを用いて保持部を型成形し、容体部をブロー成形する工法などを用いれば、同一の樹脂材から型成形による高精度で比較的高い硬度を有する保持部とブロー成型による可撓性を有する容体部とを同時に成形することが可能である。
【0011】
本発明によれば、保持部を容体部に一体に設け、一方の手で把持部をつかみ、他方の手で保持部をつかむことができる構成としているので、容体部をつかむ必要がなく、捩じ切り操作時に可撓性を有する容体部に不必要な圧力を加えることがない。そして、把持部を取り去ったあとも、上記保持部をつかめるので、扱いが容易である。
【0012】
さらに、上記保持部に鍔状部を設けることにより、捩じ切り操作時に、確実に保持することができ、確実な操作を可能とすることができる。例えばシリンジを開口部に差し込んで薬液を排出する時には、上記鍔状部とシリンジとを片手で保持することが容易であり、他方の手でプランジャを操作することができるので、操作を容易とすることができる。
また、把持部を平板状とし、この平板状の把持部に点滴スタンドなどに懸垂可能な懸垂係止装置を設けることができる。懸垂係止装置としては、捩じ切り操作や扱いの容易さ、コスト面から単純な孔形状やフック形状が好ましい。
【0013】
さらに、把持部と保持部の少なくとも一部が直接連結されていることが好ましい。これは、捩じ切り操作によって開口する開口部が予定する部位に確実に形成されるように捩り応力が集中して切断し易いように構成しているため、意図しない捩り力が生じたときは切断もしくは一部破断する恐れがあるので、把持部と保持部の少なくとも一部を連結しておくことによって、捩切り操作時には、この連結部を切断したのち、導出用突部の予定する部位に開口部が生じる構成とすることができる。
このとき、連結部は、意図しない切断の防止機能を有するとともに、懸垂方向においては、上記捩り応力が集中する部位への応力を分散させることができる。
【0014】
また、上記導出用突部の外周には、ネジ止め用突起を形成することによって、例えば螺条を設けたコネクタ、所謂ロック機構付きのルアーコネクタをネジ止めすることができ、確実な注排出が可能となる。
また、本発明に係る導出用突部を容体部の上端部に設け、下端部にゴム栓などによって封止された薬液の注排出口を設けることによって、一種類の薬液収容容器で、上端部の導出用突部に設けた開口部を利用して、シリンジを使用した排出も、可撓性容体部に圧力をかけて強制排出させることも、下端部の注排出口を利用した点滴としての排出にも対応することができる。
なお、本発明における薬液は、薬剤を溶解した溶液、薬剤を溶解する溶解液など医療用液体であればよく、上記説明に限定するものではない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る薬液収容容器の第1の実施例を示す正面図であり、図2は図1に示す薬液収容容器の側面図、図3は図1に示す薬液収容容器の捩じ切り部分を説明するための部分拡大断面図である。
図において、1は可撓性を有する容体部であり、この容体部は1、筒状の樹脂フィルムから端部開口部分を溶着し、密閉して袋状に形成されている。2は、別途インジェクション成形によって形成された鍔状部2aを備えた保持部であり、この保持部2には、容体部1に収容された薬液(図示せず)が流通可能な流路3aを有する導出用突部3が一体に形成されている。そして、この導出用突部3の先端には、捩じ切りキャップ4を一体に形成するとともに、流路3aを閉塞し、容体部1に収容された薬液を外界から遮断している。
【0016】
5は、応力集中部であり、6は、捩じ切り操作した場合に形成される開口部である。これは捩じ切りキャップ4を捩るときに捩り応力が集中し、設計時に想定した部位で破断して、想定位置に開口部6が形成されるように、外側面に段差を設けている。
さらに、捩切りキャップ4の外側面には、孔状の懸垂係止装置4aを備えた操作用の把持部4bを設けており、捩じ切り操作を容易とするとともに、上記懸垂係止装置4aにより点滴ハンガーなどへの吊り下げを可能としている。
【0017】
上記流路3aは、容体部1の内部と、導出用突部3の内部を連通していることはもちろんであり、把持部4bを回転操作することによって、応力集中部5を起点として破断を生じせしめ、予め想定した開口部6にて開封することができる。そして、開口部6にシリンジなどを差し込み、吸引することによって、無菌的に収容された薬液を取り出すことができる。
なお、開口部6は、100mLまでのシリンジ口部の外径が3.95mm、テーパー6/100と標準化されているため、開口部6を4.0〜4.3mmとすることで、シリンジ口部を嵌着させることが可能であり、その場合、容体部1内に外気が入り込み難いので、より衛生的に薬液を取り出すことができる。このとき、容体部1は可撓性を有するので、容器剛性による内圧が発生しないため、吸い出しは容易である。
【0018】
また、シリンジ口部を開口部6に押しつけておく必要があるが、保持部2は鍔状部2aを備えているので、この鍔状部2aに指をかけることにより、シリンジ口部に引きつけが容易であり、片手で容体部1とシリンジ本体を保持することができ、操作者は立ったままでも、他方の手でシリンジのプランジャを操作することができる。
【0019】
なお、本実施例においては、容体部1の上端部に上述した捩じ切りキャップ4および懸垂係止装置4aを備える構成に加え、下端部に別の注排出口7を設けている。この場合、収容する薬液の用途によって、上部の捩りキャップ4を操作して、形成した開口部6からシリンジを用いて薬液を取り出すことも、あるいは、単に排出することもでき、また、懸垂係止装置4aを使用して、点滴スタンドに吊し、下部に設けた薬液排出口7を用いて点滴に用いることもできる。
【0020】
図4は本発明に係る薬液収容容器の第2実施例を示す部分拡大断面図であり、図5(A)は、図4に示すA−A断面矢視図であり、図5(B)は、図4に示すB方向矢視図である。なお、第1実施例と同様の部位については、同じ符号を用いることとする。
図において、8は、操作用の把持部であり、この把持部8の上部にはフック状の懸垂係止装置9を設けている。この把持部8は、操作を容易化するため横方向に大きく張り出して設けるとともに、この把持部8から保持部2の上面に直接接続する接続部8aを有しており、この接続部8aは、導出用突部10を上下方向に補強しているが、部分的に離間部11を設けることによって、捩り操作に対しては障害とならない程度に捩り方向強度は小さくしている。
従って、本実施例においては、接続部8aを有しているため、把持部8の上部に設けた懸垂係止装置8を用いたときも、上下方向に十分な強度を有するので、過度の引張り強度が薬剤収容容器にかかったときでも、破断する可能性が低いものでありながら、捩り操作時には障害とならないものとすることができる。
【0021】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の効果を有する範囲で、細部を変更することができる。例えば、保持部を菱形断面に形成して、捩り操作時に、指かかりを良くすることも可能であるし、さらに捩り操作用の突出部を設けることもできる。
【0022】
図6は本発明に係る薬液収容容器の第3実施例を示す部分正面図であり、図7は図6に示す薬液収容容器の一部裁断したC部拡大図、図8(A)は図7に示すD−D方向断面矢視図、図8(B)は図7に示すE方向矢視図である。図9は、開口済みの本実施例にロック機構付きルアーコネクタを備えたシリンジを接続した状態を示す、シリンジ接続状態図である。なお、第1、第2実施例と同様の部位については、同じ符号を用いることとする。
図において、9は、上部に導出用突出部10を備えた保持部であり、11は、この保持部9に一体に設けられた鍔状部である。なお、流路10aは、この保持部9を容体部1の内部方向に連通している。上記導出用突出部10は、外周部にネジ止め用突部12が設けられている。
【0023】
このネジ止め用突部12は、図9に示すように、開口済みの導出用突部10にシリンジ13の先端外口部14に設けたネジ止め用螺条14aに螺合し、固定することができ、シリンジ13の先端内口部15が確実に流路10aに差し込まれて嵌合状態で固定されるので、排出のための操作が容易となる。
16は、導出用突部10の外面に設けられた平板状の把持部であり、この把持部16は、保持部9に直接連結されていると同時に、部分的に薄肉化されて保持部9から導出用突部10に連結された脆弱部17を有している。また、この把持部16は、上記導出用突部10の先端部を封止している封止部10bには強固に連結されている。また、上記把持部16が保持部10に直接連結されている連結部18には、中心方向へ切り欠き19を設けている。
【0024】
本実施例においては、把持部16と保持部9を捩じ切り操作することによって、切り欠き19に捩り応力が集中して連結部18が切断され、次いで脆弱部17が切断されて、封止部10bとともに把持部16が保持部9から切除される。すなわち、封止部10bが取り払われるので、導出用突部10の先端が開口されるのである。
このとき、保持部9および鍔状部11を手で確実に固定することができるので、容体部1に圧力をかけることがないので、図示せぬ薬液をこぼしたりすることはない。
そして、上記ネジ止め用突部12にネジ止め用螺条14aを備えたシリンジ13を螺合固定すれば、薬液の排出操作が容易である。
【0025】
上述した実施例らでは、捩り操作によって、開口部を設ける構成としたが、横方向への折損操作によって開口部を設けることとしてもよい。その場合においても、本発明の構成により、作業が容易であることはもちろんである。
【0026】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、本発明の薬液収容容器によれば、容体部および開口部、封止部分を樹脂によって形成することができるので、用済み時に分別廃棄する必要がない。また、開口操作用の把持部を設けたので、衛生的且つ容易に開口操作することができる。さらに、開口操作時に容体部の保持を容易にする鍔状部を備えた保持部を設けたので、立ったままの体勢で、他の器具を使用することなく、可撓性の容体部でありながら、シリンジを用いた薬液の取り出しにおいても、片手でシリンジおよび薬液収容容器を保持でき、他方の手でプランジャ等を操作することができる。
また、上記把持部は懸垂係止装置を兼ねる構成としたので、点滴などの薬液収容容器として使用することもできる。
また、導出用突部を容体部の上端部に設け、下端部にゴム栓などによって封止された薬液注排出口を設けることによって、一種類の薬液収容容器で、多数の用途用法に適用することができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬液収容容器の第1の実施例を示す正面図である。
【図2】図1に示す薬液収容容器の側面図である。
【図3】図1に示す薬液収容容器の捩じ切り部分を説明するための部分拡大断面図である。
【図4】本発明に係る薬液収容容器の第2実施例を示す部分拡大断面図である。
【図5】(A)は、図4に示すA−A断面矢視図であり、(B)は、図4に示すB方向矢視図である。
【図6】本発明に係る薬液収容容器の第3実施例を示す部分正面図である。
【図7】図6に示す薬液収容容器の一部裁断したC部拡大図である。
【図8】(A)は、図7に示すD−D方向断面矢視図であり、(B)は、図7に示すE方向矢視図である。
【図9】シリンジ接続状態図である。
【符号の説明】
1・・・容体部
2,9・・・保持部
2a,11・・・鍔状部
3,10・・・導出用突部
3a・・・流路
4・・・捩じ切りキャップ
4a,9・・・懸垂係止装置
6・・・開口部
7・・・注排出口
4b,8,16・・・把持部
12・・・ネジ止め用突部
13・・・シリンジ
14・・・先端外口部
14a・・・ネジ止め用螺条
15・・・先端内口部
17・・・脆弱部
18・・・連結部
Claims (6)
- 樹脂よりなる可撓性の容体部に、上記容体部に収容される薬液が流通可能な流路を有するとともに上記流路が封止されている導出用突部を設け、この導出用突部を切断して開封して使用する薬液収容容器において、
上記導出用突部は、樹脂よりなる保持部と一体に形成し、上記流路が上記容体部の内部に連通するよう上記保持部を容体部に溶着して設け、
かつ、上記導出用突部の上部に回転操作用の把持部を設け、
上記導出用突部は、上記把持部と上記保持部とを捩り操作することにより導出用突部を切断して開封することを特徴とする薬液収容容器。 - 上記保持部は、操作時に容体部を保持するための鍔状部を有することを特徴とする請求項1記載の薬液収容容器。
- 上記把持部は、平板状とされ、懸垂係止装置が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の薬液収容容器。
- 上記把持部は、上記保持部に少なくとも一部が直接連結されていることを特徴とする請求項3記載の薬液収容容器。
- 上記導出用突部の外周部に、ネジ止め用突起を形成していることを特徴とする請求項1乃至4記載の薬液収容容器。
- 上記容体部は、上端部に導出用突部を備えた保持部を設け、下端部に注排出口を設けたことを特徴とする請求項1乃至5記載の薬液収容容器。
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JP2007084093A (ja) * | 2005-09-21 | 2007-04-05 | Sunstar Inc | スパウト付きパウチ容器 |
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-
2002
- 2002-09-07 JP JP2002301104A patent/JP2004097743A/ja active Pending
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