JP2004097691A - 荷重検出機能付き墜落防止器 - Google Patents
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Abstract
【課題】墜落防止器が墜落事故等によって過去に大きな衝撃荷重を受けたものであるかどうかを地上で容易に目視確認することが可能な荷重検出機能付き墜落防止器を提供する。
【解決手段】高所に固定される墜落防止器本体部1と、該本体部1に引き戻し可能に取り付けられたロープ2と、ロープ2と作業者とを接続する接続部3とを有し、高所作業を行う作業者の墜落を防止するための墜落防止器において、墜落時に衝撃荷重が墜落防止器に加わることにより、通常の第1外観状態から当該第1外観状態と異なる第2外観状態へと外観が変化し墜落防止器に衝撃荷重が加わったことを視認可能とする荷重検出装置5を、接続部3からロープ2を介して本体部1へ加わる荷重の通る経路上でかつ接続部3付近に有する。
【選択図】図1
【解決手段】高所に固定される墜落防止器本体部1と、該本体部1に引き戻し可能に取り付けられたロープ2と、ロープ2と作業者とを接続する接続部3とを有し、高所作業を行う作業者の墜落を防止するための墜落防止器において、墜落時に衝撃荷重が墜落防止器に加わることにより、通常の第1外観状態から当該第1外観状態と異なる第2外観状態へと外観が変化し墜落防止器に衝撃荷重が加わったことを視認可能とする荷重検出装置5を、接続部3からロープ2を介して本体部1へ加わる荷重の通る経路上でかつ接続部3付近に有する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高所作業を行う作業者のための墜落防止器、特に荷重検出機能付き墜落防止器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高所作業を行う作業者の墜落を防止するための墜落防止器の使用の際には、使用する墜落防止器が墜落事故等によって過去に大きな衝撃荷重を受けたものであるかどうかの点検が作業者等によって行われており、斯かる点検を行うための機構を備えた墜落防止器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−185028号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、墜落防止器は通常高所に吊り下げ固定されており、墜落防止器の本体を点検するために作業者は墜落防止器が吊り下げられている高所まで行かなければならないという問題がある。また、上記公報に記載の墜落防止器においても、点検を行うための機構は墜落防止器の本体に設けられているため、同様に作業者は墜落防止器の吊り下げられている高所まで行かなければならないという問題がある。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、墜落防止器が墜落事故等によって過去に大きな衝撃荷重を受けたものであるかどうかを地上で容易に目視確認することが可能な荷重検出機能付き墜落防止器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、
高所に固定される墜落防止器本体部と、前記墜落防止器本体部に引き戻し可能に取り付けられたロープと、前記ロープと作業者とを接続する接続部とを有し、高所作業を行う作業者の墜落を防止するための墜落防止器において、
墜落時に衝撃荷重が前記墜落防止器に加わることにより、通常の第1外観状態から当該第1外観状態と異なる第2外観状態へと外観が変化し前記墜落防止器に衝撃荷重が加わったことを視認可能とする荷重検出装置を、前記接続部から前記ロープを介して前記墜落防止器本体部へ加わる荷重の通る経路上でかつ前記接続部付近に有することを特徴とする荷重検出機能付き墜落防止器を提供する。
【0007】
また、請求項2に記載の荷重検出機能付き墜落防止器は、
請求項1に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出装置は、第1部材と、荷重検出部材と、第2部材とを有し、
前記第1外観状態は、前記第1部材と前記第2部材とが前記荷重検出部材を介して荷重伝達経路を形成してなり、
前記第2外観状態は、墜落時に衝撃荷重が前記墜落防止器に加わることにより、前記荷重検出部材が変形して前記第1部材と前記第2部材との相対位置が変化してなることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の荷重検出機能付き墜落防止器は、
請求項2に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出装置は、前記墜落防止器本体部から前記接続部へ向かって、前記第1部材、前記荷重検出部材、前記第2部材の順で前記各部材が配置されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の荷重検出機能付き墜落防止器は、
請求項2又は請求項3に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出部材は、所定値以上の荷重が加わることによって形状が反転するサラバネであることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の荷重検出機能付き墜落防止器は、
請求項2又は請求項3に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出部材は、所定値以上の荷重が加わることによって剪断される剪断部材であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態に係る墜落防止器を添付図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1(a),(b)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る墜落防止器を示す側面図,正面図である。図1において本実施形態に係る墜落防止器は、墜落防止器本体部1と、該墜落防止器本体部1に引き戻し可能に取り付けられた命綱(ロープ)2と、高所作業者に連結するためのフック3と、ロープ2の先端とフック3とを連結する連結器具4とから構成されている。
連結器具4は、本発明の最も特徴的な部分である後述の荷重検出装置5を備えている。またフック3は、作業者のベルトの係止環等に取り付けることによって墜落防止器と作業者とを連結するものである。さらに墜落防止器本体部1の上部には、所望の高所に墜落防止器を吊り下げ固定するための吊り下げ環6が備えられている。
【0012】
始めに、墜落防止器本体部1について簡単に説明する。図2(a),(b)は、それぞれ本実施形態に係る墜落防止器本体部1の一部を切り欠いた側断面図,正面図である。図2において、墜落防止器本体部1のケース10内には、該ケース10に固定された軸11によって回転可能に支持されたドラム12が収容されている。ドラム12には、作業者に接続するためのロープ2が巻き付けられている。このロープ2は、ドラム12内に配設されたスプリング13の力によってドラム12に巻き取られる。
また、ドラム12に固定された軸15にはラチェット14が回転可能に取り付けられており、ケース10にはラチェットホイール18が固設されている。ラチェット14の一端と、ドラム12に固定された軸17とはスプリング16を介して接続されている。このスプリング16によってラチェット14は、通常は図2(b)の右側に示すようにラチェットホイール18に係止しないように反時計方向へ付勢されている。従って、軸11に支持されたドラム12は、通常回転可能であり、ラチェット14がラチェットホイール18に係止した場合に回転することができなくなる。
【0013】
以上の構成の下、作業者による本墜落防止器の通常の使用において、ラチェット14はラチェットホイール18に係止しないため、ドラム12は回転が可能である。従って、作業者は墜落防止器本体部1からロープ2を自由に引き出し、移動して作業をすることができる。
一方、作業者が墜落すると、ロープ2が急激に引き出されるためドラム12が急速に回転し、慣性力によって瞬時にラチェット14がスプリング16の力に抗して軸15の周りに回動し、ラチェットホイール18と噛み合う。これによりドラム12の回転が停止される。従って、ロープ2の繰り出しが停止されるため、作業者の墜落が阻止される。
【0014】
次に、本発明の要旨である荷重検出装置5について詳細に説明する。上述のように、本実施形態において荷重検出装置5は連結器具4に備えられている。図3は、本実施形態における荷重検出装置5の一部を切り欠いた断面図である。
図3に示す荷重検出装置5において、ジョイント20はロープ2の先端のシンプル21に連結されており、ジョイント20の下部にはシャフト22が回転可能に取り付けられている。このシャフト22は、荷重検出装置5の外観部材であるナット23に挿設されており、ナット23に対して相対的に(上下方向へ)移動することができる。またシャフト22の下部には、シャフト22の外径よりも大きい外径を有する下端部22aが設けられている。この下端部22aにより、シャフト22がナット23に対して相対的に移動した場合にもシャフト22がナット23から抜け外れることがない。
一方、ナット23はホルダ25の上部に一体的に取り付けられている。ホルダ25の下部には、ピン24を介してフック3が揺動可能に連結されている。
【0015】
さらに、上記構成のシャフト22には、本体部1側から順に、ワッシャ26、テーパーワッシャ27、及び2つのサラバネ28a,28bが環装されている。2つのサラバネ28a,28bは、所定値以上の荷重が加わることによって撓んで形状が反転する部材であり、図3(a)に示すように反対向きで配置されている。この2つのサラバネ28a,28bは、ナット23の内部上端面23aとシャフト22の下端部22aとを離すように付勢している(内部上端面23aと下端部22aとの所定間隔を維持している)。このようにして、シャフト22、ワッシャ26、テーパーワッシャ27、サラバネ28a,28b、及びナット23は、フック3から墜落防止器本体部1へ荷重を伝達する経路(荷重伝達経路)を形成している。
【0016】
従って、墜落等によって荷重検出装置5に大きな衝撃荷重が加わった場合、ナット23に下方向へ荷重が加わり、サラバネ28a,28bはシャフト22の下端部22aとナット23の内部上端面23aとに強く挟み込まれることとなる。これにより、所定値以上の衝撃荷重が加えられたサラバネ28a,28bは撓んでその形状が反転する。従って、ナット23は、シャフト22へサラバネ28a,28bの変形した分だけ近づき、この近づいた状態が保持される。即ち、荷重検出装置5の外観上は、シャフト22に対してナット23が下方向へ移動することによって、ジョイント20の下端面20aとナット23の外部上端面23bとの間隙が大きくなる構成となっている。
尚、衝撃荷重によってサラバネ28a,28bが反転した場合にも、シャフト22、ワッシャ26、テーパーワッシャ27、反転したサラバネ28a,28b、及びナット23によって荷重伝達経路は維持されて作業者の安全は確保される。
【0017】
ここで、サラバネ28a,28bには、上述のように所定値以上の荷重が加わることによって撓んで形状が反転するように設計されたものが用いられる。本実施形態では、墜落によって衝撃荷重が墜落防止器に加わった際に形状が反転するように設定されたサラバネが採用されている。尚、サラバネは寸法等を変更することによって、形状が反転するための荷重の設定を容易に行うことが可能である。
【0018】
以上の構成の下、本実施形態に係る墜落防止器の通常の使用時はサラバネ28a,28bには作業者とフック3とナット23とホルダ25の質量、及び墜落防止器本体部1の張力からなる荷重が加わっているが、サラバネ28a,28bの形状が反転することはない。ここで、斯かる通常の使用時の荷重検出装置5の外観の状態、詳細にはジョイント20の下端面20aとナット23の外部上端面23bとの間隙がD1である状態を第1外観状態とする。以下、本明細書において「ジョイント20の下端面20aと外観部材(ナット23)の上端面(外部上端面23b)との間隙」を「検出表示間隔」という。ここで図3(a)は、通常使用時の荷重検出装置5(荷重検出装置5の第1外観状態)を示す図である。尚、墜落防止器を使用していないときもサラバネ28a,28bには形状が反転するような荷重は加わっていないため、荷重検出装置5は当然第1外観状態を保っている。
【0019】
一方、作業者が本実施形態に係る墜落防止器を使用中に誤って墜落した場合、上述のように墜落防止器が作動することによって作業者の墜落は阻止される。このとき、墜落防止器の動作の急激な停止によって荷重検出装置5に大きな衝撃荷重が加わる。これにより、上述の構成に従って検出表示間隔が第1外観状態におけるD1よりも大きいD2となる(図3(b)を参照)。ここで、斯かる墜落防止器作動時の荷重検出装置5の外観の状態、詳細には検出表示間隔がD2である状態を第2外観状態とする。ここで図3(b)は、墜落防止器作動時の荷重検出装置5(荷重検出装置5の第2外観状態)を示す図である。
【0020】
尚、図3(b)は2つのサラバネ28a,28bのうちの両方の形状が反転している状態を示している。ここで、図3(c)に示すように2つのサラバネ28a,28bのうちの一方(28a)の形状が反転した場合でも図3(b)と同様に第2外観状態となる。
【0021】
以上より、本実施形態における荷重検出装置5は、墜落時に衝撃荷重が墜落防止器に加わることによって、第1外観状態から第2外観状態へとその外観が変化してその変化した状態を保持する。言い換えれば、墜落により荷重検出装置5における検出表示間隔がD1からD2へと大きくなる。従って、荷重検出装置5の検出表示間隔を見れば、墜落防止器に墜落事故等があったかどうかを容易に確認することができる。
【0022】
従って本実施形態に係る墜落防止器は、墜落防止器が墜落事故等によって過去に大きな衝撃荷重を受けたものであるかどうかの点検を荷重検出装置5の外観を目視することによって容易に確認することができる。そして、荷重検出装置5がロープ2の先端に備えられていることによって、墜落防止器が吊り下げ固定されている高所まで点検に行く必要がなく、地上で安全に点検することができる。
【0023】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る墜落防止器において、荷重検出装置30以外の構成については上記第1実施形態にて図1,2を参照して説明した構成と同様であるため、同じ符号を付して重複する説明を省略する。以下、本実施形態の最も特徴的な部分である荷重検出装置30について詳細に説明する。
【0024】
本実施形態に係る墜落防止器において、荷重検出装置30は連結器具4に備えられている。図4は、本実施形態における荷重検出装置30の一部を切り欠いた断面図である。
図4に示す荷重検出装置30において、ジョイント20はロープ2の先端のシンプル21に連結されており、ジョイント20の下部にはシャフト31が回転可能に取り付けられている。このシャフト31は、荷重検出装置30の外観部材であるスクリュー32に挿設されており、スクリュー32に対して相対的に移動することができる。またシャフト31の下部には、シャフト31の外径よりも大きい外径の下端部31aが設けられている。この下端部31aにより、シャフト31がスクリュー32に対して相対的に移動した場合にもシャフト31がスクリュー32から抜け外れることがない。
一方、スクリュー32はホルダ33の上部に一体的に取り付けられている。またスクリュー32の下面には、シャフト31の下端部31aの外径よりも大きい内径を有する環状の凸部32aが設けられている。そして、ホルダ33の下部には、ピン24を介してフック3が揺動可能に連結されている。
【0025】
さらに、上記構成のシャフト31には、本体部1側から順に、後述するプレート34、及びワッシャ35が環装されている。プレート34は、所定値以上の荷重が加わることによって剪断する部材であり、上面及び下面にはシャフト31の下端部31aの外径以上でかつスクリュー32の凸部32aの内径以下の径を有する円状のノッチ部34a,34bが設けられている。
そしてこのプレート34は、シャフト31の下端部31aはワッシャ35を介してノッチ部34bよりも内側のプレート34下面に当接し、スクリュー32の凸部32aはノッチ部34aよりも外側のプレート34上面に当接するように、スクリュー32とシャフト31とによって挟み込まれ、凸部32aと下端部31aとの所定間隔を維持している。このようにして、シャフト31、ワッシャ35、プレート34、及びスクリュー32は、フック3から墜落防止器本体部1への荷重伝達経路を形成している。
【0026】
従って、墜落等によって荷重検出装置30に大きな衝撃荷重が加わった場合、スクリュー32に下方向へ荷重が加わり、プレート34はシャフト31の下端部31aとスクリュー32の凸部32aとに強く挟み込まれることとなる。これにより、所定値以上の衝撃荷重が加えられたプレート34は、ノッチ部34a,34bより剪断される。従って、スクリュー32は、ノッチ部34aよりも内側のプレート34上面へ当接するまでシャフト31へ近づき、この近づいた状態が保持される。即ち、荷重検出装置30の外観上は、シャフト31に対してスクリュー32が下方向へ移動することによって、ジョイント20の下端面20aとスクリュー32の外部上端面32bとの間隙が大きくなる構成となっている。
尚、衝撃荷重によってプレート34が剪断された場合にも、シャフト31、ワッシャ35、剪断されたプレート34、及びスクリュー32によって荷重伝達経路は維持されて作業者の安全は確保される。
【0027】
ここで、プレート34には、上述のように所定値以上の荷重が加わることによって、プレート自身が剪断するように設計されたものが用いられる。本実施形態では、墜落によって衝撃荷重が墜落防止器に加わった際に剪断されるように設定されたプレート34が採用されている。尚、プレートは寸法等を変更することによって、剪断するための荷重の設定を容易に行うことが可能である。
【0028】
以上の構成の下、本実施形態に係る墜落防止器の通常の使用時はプレート34には作業者とフック3とスクリュー32とホルダ33の質量、及び墜落防止器本体部1の張力からなる荷重が加わっているが、プレート34が剪断されることはない。ここで、斯かる通常の使用時の荷重検出装置30の外観の状態、詳細にはジョイント20の下端面20aと外観部材であるスクリュー32の上端面32bとの間隙、即ち検出表示間隔がD1である状態を第1外観状態とする。ここで図4(a)は、通常時の荷重検出装置30(荷重検出装置30の第1外観状態)を示す図である。尚、墜落防止器を使用していないときもプレート34には該プレート34が剪断するような荷重は加わっていないため、荷重検出装置30は当然第1外観状態を保っている。
【0029】
一方、作業者が本実施形態に係る墜落防止器を使用中に誤って墜落した場合、上述のように墜落防止器が作動することによって作業者の墜落は阻止される。このとき、墜落防止器の動作の急激な停止によって荷重検出装置30に大きな衝撃荷重が加わる。これにより、上述の構成に従って検出表示間隔が第1外観状態におけるD1よりも大きいD2となる(図4(b)を参照)。ここで、斯かる墜落防止器作動時の荷重検出装置30の外観の状態、詳細には検出表示間隔がD2である状態を第2外観状態とする。ここで図4(b)は、墜落防止器作動時の荷重検出装置30(荷重検出装置30の第2外観状態)を示す図である。
【0030】
以上より、本実施形態における荷重検出装置30は、墜落時に衝撃荷重が墜落防止器に加わることによって、第1外観状態から第2外観状態へとその外観が変化してその変化した状態を保持する。言い換えれば、墜落により荷重検出装置30における検出表示間隔がD1からD2へと大きくなる。従って、荷重検出装置30の検出表示間隔を見れば、墜落防止器に墜落事故等があったかどうかを容易に確認することができる。
【0031】
従って本実施形態に係る墜落防止器は、上記第1実施形態に係る墜落防止器と同様の効果を奏することができる。
尚、上述のように上記各実施形態において、荷重検出装置は連結器具に備える構成とされている。しかし本発明はこれに限られるものでなく、荷重検出装置は、ロープを介して墜落防止器本体部へ加わる荷重の通る経路上であって、かつロープの先端付近であれば、独立に配設することも、例えばフック等の他の部材と組み合わせて構成することも可能である。
また、各実施形態における荷重検出装置を備える連結器具は、上述の墜落防止器本体部に限られず、種々の墜落防止器に適用することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、墜落防止器が墜落事故等によって過去に大きな衝撃荷重を受けたものであるかどうかを地上で容易に目視確認することが可能な荷重検出機能付き墜落防止器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る墜落防止器を示す側面図,正面図である。
【図2】(a),(b)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る墜落防止器本体部1の一部を切り欠いた側断面図,正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における荷重検出装置5の一部を切り欠いた断面図であり、(a),(b),(c)はそれぞれ荷重検出装置5の第1外観状態,第2外観状態(2つのサラバネが反転したとき),第2外観状態(1つのサラバネが反転したとき)を示す。
【図4】本発明の第2実施形態における荷重検出装置30の一部を切り欠いた断面図であり、(a),(b)はそれぞれ荷重検出装置30の第1外観状態,第2外観状態を示す。
【符号の説明】
1 墜落防止器本体部
2 ロープ
3 フック
4 連結器具
5,30 荷重検出装置
20 ジョイント
22,31 シャフト
23 ナット
24 ピン
25,33 ホルダ
26,35 ワッシャ
27 テーパーワッシャ
28a,28b サラバネ
32 スクリュー
34 プレート
【発明の属する技術分野】
本発明は、高所作業を行う作業者のための墜落防止器、特に荷重検出機能付き墜落防止器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高所作業を行う作業者の墜落を防止するための墜落防止器の使用の際には、使用する墜落防止器が墜落事故等によって過去に大きな衝撃荷重を受けたものであるかどうかの点検が作業者等によって行われており、斯かる点検を行うための機構を備えた墜落防止器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−185028号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、墜落防止器は通常高所に吊り下げ固定されており、墜落防止器の本体を点検するために作業者は墜落防止器が吊り下げられている高所まで行かなければならないという問題がある。また、上記公報に記載の墜落防止器においても、点検を行うための機構は墜落防止器の本体に設けられているため、同様に作業者は墜落防止器の吊り下げられている高所まで行かなければならないという問題がある。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、墜落防止器が墜落事故等によって過去に大きな衝撃荷重を受けたものであるかどうかを地上で容易に目視確認することが可能な荷重検出機能付き墜落防止器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、
高所に固定される墜落防止器本体部と、前記墜落防止器本体部に引き戻し可能に取り付けられたロープと、前記ロープと作業者とを接続する接続部とを有し、高所作業を行う作業者の墜落を防止するための墜落防止器において、
墜落時に衝撃荷重が前記墜落防止器に加わることにより、通常の第1外観状態から当該第1外観状態と異なる第2外観状態へと外観が変化し前記墜落防止器に衝撃荷重が加わったことを視認可能とする荷重検出装置を、前記接続部から前記ロープを介して前記墜落防止器本体部へ加わる荷重の通る経路上でかつ前記接続部付近に有することを特徴とする荷重検出機能付き墜落防止器を提供する。
【0007】
また、請求項2に記載の荷重検出機能付き墜落防止器は、
請求項1に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出装置は、第1部材と、荷重検出部材と、第2部材とを有し、
前記第1外観状態は、前記第1部材と前記第2部材とが前記荷重検出部材を介して荷重伝達経路を形成してなり、
前記第2外観状態は、墜落時に衝撃荷重が前記墜落防止器に加わることにより、前記荷重検出部材が変形して前記第1部材と前記第2部材との相対位置が変化してなることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の荷重検出機能付き墜落防止器は、
請求項2に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出装置は、前記墜落防止器本体部から前記接続部へ向かって、前記第1部材、前記荷重検出部材、前記第2部材の順で前記各部材が配置されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の荷重検出機能付き墜落防止器は、
請求項2又は請求項3に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出部材は、所定値以上の荷重が加わることによって形状が反転するサラバネであることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の荷重検出機能付き墜落防止器は、
請求項2又は請求項3に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出部材は、所定値以上の荷重が加わることによって剪断される剪断部材であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態に係る墜落防止器を添付図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1(a),(b)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る墜落防止器を示す側面図,正面図である。図1において本実施形態に係る墜落防止器は、墜落防止器本体部1と、該墜落防止器本体部1に引き戻し可能に取り付けられた命綱(ロープ)2と、高所作業者に連結するためのフック3と、ロープ2の先端とフック3とを連結する連結器具4とから構成されている。
連結器具4は、本発明の最も特徴的な部分である後述の荷重検出装置5を備えている。またフック3は、作業者のベルトの係止環等に取り付けることによって墜落防止器と作業者とを連結するものである。さらに墜落防止器本体部1の上部には、所望の高所に墜落防止器を吊り下げ固定するための吊り下げ環6が備えられている。
【0012】
始めに、墜落防止器本体部1について簡単に説明する。図2(a),(b)は、それぞれ本実施形態に係る墜落防止器本体部1の一部を切り欠いた側断面図,正面図である。図2において、墜落防止器本体部1のケース10内には、該ケース10に固定された軸11によって回転可能に支持されたドラム12が収容されている。ドラム12には、作業者に接続するためのロープ2が巻き付けられている。このロープ2は、ドラム12内に配設されたスプリング13の力によってドラム12に巻き取られる。
また、ドラム12に固定された軸15にはラチェット14が回転可能に取り付けられており、ケース10にはラチェットホイール18が固設されている。ラチェット14の一端と、ドラム12に固定された軸17とはスプリング16を介して接続されている。このスプリング16によってラチェット14は、通常は図2(b)の右側に示すようにラチェットホイール18に係止しないように反時計方向へ付勢されている。従って、軸11に支持されたドラム12は、通常回転可能であり、ラチェット14がラチェットホイール18に係止した場合に回転することができなくなる。
【0013】
以上の構成の下、作業者による本墜落防止器の通常の使用において、ラチェット14はラチェットホイール18に係止しないため、ドラム12は回転が可能である。従って、作業者は墜落防止器本体部1からロープ2を自由に引き出し、移動して作業をすることができる。
一方、作業者が墜落すると、ロープ2が急激に引き出されるためドラム12が急速に回転し、慣性力によって瞬時にラチェット14がスプリング16の力に抗して軸15の周りに回動し、ラチェットホイール18と噛み合う。これによりドラム12の回転が停止される。従って、ロープ2の繰り出しが停止されるため、作業者の墜落が阻止される。
【0014】
次に、本発明の要旨である荷重検出装置5について詳細に説明する。上述のように、本実施形態において荷重検出装置5は連結器具4に備えられている。図3は、本実施形態における荷重検出装置5の一部を切り欠いた断面図である。
図3に示す荷重検出装置5において、ジョイント20はロープ2の先端のシンプル21に連結されており、ジョイント20の下部にはシャフト22が回転可能に取り付けられている。このシャフト22は、荷重検出装置5の外観部材であるナット23に挿設されており、ナット23に対して相対的に(上下方向へ)移動することができる。またシャフト22の下部には、シャフト22の外径よりも大きい外径を有する下端部22aが設けられている。この下端部22aにより、シャフト22がナット23に対して相対的に移動した場合にもシャフト22がナット23から抜け外れることがない。
一方、ナット23はホルダ25の上部に一体的に取り付けられている。ホルダ25の下部には、ピン24を介してフック3が揺動可能に連結されている。
【0015】
さらに、上記構成のシャフト22には、本体部1側から順に、ワッシャ26、テーパーワッシャ27、及び2つのサラバネ28a,28bが環装されている。2つのサラバネ28a,28bは、所定値以上の荷重が加わることによって撓んで形状が反転する部材であり、図3(a)に示すように反対向きで配置されている。この2つのサラバネ28a,28bは、ナット23の内部上端面23aとシャフト22の下端部22aとを離すように付勢している(内部上端面23aと下端部22aとの所定間隔を維持している)。このようにして、シャフト22、ワッシャ26、テーパーワッシャ27、サラバネ28a,28b、及びナット23は、フック3から墜落防止器本体部1へ荷重を伝達する経路(荷重伝達経路)を形成している。
【0016】
従って、墜落等によって荷重検出装置5に大きな衝撃荷重が加わった場合、ナット23に下方向へ荷重が加わり、サラバネ28a,28bはシャフト22の下端部22aとナット23の内部上端面23aとに強く挟み込まれることとなる。これにより、所定値以上の衝撃荷重が加えられたサラバネ28a,28bは撓んでその形状が反転する。従って、ナット23は、シャフト22へサラバネ28a,28bの変形した分だけ近づき、この近づいた状態が保持される。即ち、荷重検出装置5の外観上は、シャフト22に対してナット23が下方向へ移動することによって、ジョイント20の下端面20aとナット23の外部上端面23bとの間隙が大きくなる構成となっている。
尚、衝撃荷重によってサラバネ28a,28bが反転した場合にも、シャフト22、ワッシャ26、テーパーワッシャ27、反転したサラバネ28a,28b、及びナット23によって荷重伝達経路は維持されて作業者の安全は確保される。
【0017】
ここで、サラバネ28a,28bには、上述のように所定値以上の荷重が加わることによって撓んで形状が反転するように設計されたものが用いられる。本実施形態では、墜落によって衝撃荷重が墜落防止器に加わった際に形状が反転するように設定されたサラバネが採用されている。尚、サラバネは寸法等を変更することによって、形状が反転するための荷重の設定を容易に行うことが可能である。
【0018】
以上の構成の下、本実施形態に係る墜落防止器の通常の使用時はサラバネ28a,28bには作業者とフック3とナット23とホルダ25の質量、及び墜落防止器本体部1の張力からなる荷重が加わっているが、サラバネ28a,28bの形状が反転することはない。ここで、斯かる通常の使用時の荷重検出装置5の外観の状態、詳細にはジョイント20の下端面20aとナット23の外部上端面23bとの間隙がD1である状態を第1外観状態とする。以下、本明細書において「ジョイント20の下端面20aと外観部材(ナット23)の上端面(外部上端面23b)との間隙」を「検出表示間隔」という。ここで図3(a)は、通常使用時の荷重検出装置5(荷重検出装置5の第1外観状態)を示す図である。尚、墜落防止器を使用していないときもサラバネ28a,28bには形状が反転するような荷重は加わっていないため、荷重検出装置5は当然第1外観状態を保っている。
【0019】
一方、作業者が本実施形態に係る墜落防止器を使用中に誤って墜落した場合、上述のように墜落防止器が作動することによって作業者の墜落は阻止される。このとき、墜落防止器の動作の急激な停止によって荷重検出装置5に大きな衝撃荷重が加わる。これにより、上述の構成に従って検出表示間隔が第1外観状態におけるD1よりも大きいD2となる(図3(b)を参照)。ここで、斯かる墜落防止器作動時の荷重検出装置5の外観の状態、詳細には検出表示間隔がD2である状態を第2外観状態とする。ここで図3(b)は、墜落防止器作動時の荷重検出装置5(荷重検出装置5の第2外観状態)を示す図である。
【0020】
尚、図3(b)は2つのサラバネ28a,28bのうちの両方の形状が反転している状態を示している。ここで、図3(c)に示すように2つのサラバネ28a,28bのうちの一方(28a)の形状が反転した場合でも図3(b)と同様に第2外観状態となる。
【0021】
以上より、本実施形態における荷重検出装置5は、墜落時に衝撃荷重が墜落防止器に加わることによって、第1外観状態から第2外観状態へとその外観が変化してその変化した状態を保持する。言い換えれば、墜落により荷重検出装置5における検出表示間隔がD1からD2へと大きくなる。従って、荷重検出装置5の検出表示間隔を見れば、墜落防止器に墜落事故等があったかどうかを容易に確認することができる。
【0022】
従って本実施形態に係る墜落防止器は、墜落防止器が墜落事故等によって過去に大きな衝撃荷重を受けたものであるかどうかの点検を荷重検出装置5の外観を目視することによって容易に確認することができる。そして、荷重検出装置5がロープ2の先端に備えられていることによって、墜落防止器が吊り下げ固定されている高所まで点検に行く必要がなく、地上で安全に点検することができる。
【0023】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る墜落防止器において、荷重検出装置30以外の構成については上記第1実施形態にて図1,2を参照して説明した構成と同様であるため、同じ符号を付して重複する説明を省略する。以下、本実施形態の最も特徴的な部分である荷重検出装置30について詳細に説明する。
【0024】
本実施形態に係る墜落防止器において、荷重検出装置30は連結器具4に備えられている。図4は、本実施形態における荷重検出装置30の一部を切り欠いた断面図である。
図4に示す荷重検出装置30において、ジョイント20はロープ2の先端のシンプル21に連結されており、ジョイント20の下部にはシャフト31が回転可能に取り付けられている。このシャフト31は、荷重検出装置30の外観部材であるスクリュー32に挿設されており、スクリュー32に対して相対的に移動することができる。またシャフト31の下部には、シャフト31の外径よりも大きい外径の下端部31aが設けられている。この下端部31aにより、シャフト31がスクリュー32に対して相対的に移動した場合にもシャフト31がスクリュー32から抜け外れることがない。
一方、スクリュー32はホルダ33の上部に一体的に取り付けられている。またスクリュー32の下面には、シャフト31の下端部31aの外径よりも大きい内径を有する環状の凸部32aが設けられている。そして、ホルダ33の下部には、ピン24を介してフック3が揺動可能に連結されている。
【0025】
さらに、上記構成のシャフト31には、本体部1側から順に、後述するプレート34、及びワッシャ35が環装されている。プレート34は、所定値以上の荷重が加わることによって剪断する部材であり、上面及び下面にはシャフト31の下端部31aの外径以上でかつスクリュー32の凸部32aの内径以下の径を有する円状のノッチ部34a,34bが設けられている。
そしてこのプレート34は、シャフト31の下端部31aはワッシャ35を介してノッチ部34bよりも内側のプレート34下面に当接し、スクリュー32の凸部32aはノッチ部34aよりも外側のプレート34上面に当接するように、スクリュー32とシャフト31とによって挟み込まれ、凸部32aと下端部31aとの所定間隔を維持している。このようにして、シャフト31、ワッシャ35、プレート34、及びスクリュー32は、フック3から墜落防止器本体部1への荷重伝達経路を形成している。
【0026】
従って、墜落等によって荷重検出装置30に大きな衝撃荷重が加わった場合、スクリュー32に下方向へ荷重が加わり、プレート34はシャフト31の下端部31aとスクリュー32の凸部32aとに強く挟み込まれることとなる。これにより、所定値以上の衝撃荷重が加えられたプレート34は、ノッチ部34a,34bより剪断される。従って、スクリュー32は、ノッチ部34aよりも内側のプレート34上面へ当接するまでシャフト31へ近づき、この近づいた状態が保持される。即ち、荷重検出装置30の外観上は、シャフト31に対してスクリュー32が下方向へ移動することによって、ジョイント20の下端面20aとスクリュー32の外部上端面32bとの間隙が大きくなる構成となっている。
尚、衝撃荷重によってプレート34が剪断された場合にも、シャフト31、ワッシャ35、剪断されたプレート34、及びスクリュー32によって荷重伝達経路は維持されて作業者の安全は確保される。
【0027】
ここで、プレート34には、上述のように所定値以上の荷重が加わることによって、プレート自身が剪断するように設計されたものが用いられる。本実施形態では、墜落によって衝撃荷重が墜落防止器に加わった際に剪断されるように設定されたプレート34が採用されている。尚、プレートは寸法等を変更することによって、剪断するための荷重の設定を容易に行うことが可能である。
【0028】
以上の構成の下、本実施形態に係る墜落防止器の通常の使用時はプレート34には作業者とフック3とスクリュー32とホルダ33の質量、及び墜落防止器本体部1の張力からなる荷重が加わっているが、プレート34が剪断されることはない。ここで、斯かる通常の使用時の荷重検出装置30の外観の状態、詳細にはジョイント20の下端面20aと外観部材であるスクリュー32の上端面32bとの間隙、即ち検出表示間隔がD1である状態を第1外観状態とする。ここで図4(a)は、通常時の荷重検出装置30(荷重検出装置30の第1外観状態)を示す図である。尚、墜落防止器を使用していないときもプレート34には該プレート34が剪断するような荷重は加わっていないため、荷重検出装置30は当然第1外観状態を保っている。
【0029】
一方、作業者が本実施形態に係る墜落防止器を使用中に誤って墜落した場合、上述のように墜落防止器が作動することによって作業者の墜落は阻止される。このとき、墜落防止器の動作の急激な停止によって荷重検出装置30に大きな衝撃荷重が加わる。これにより、上述の構成に従って検出表示間隔が第1外観状態におけるD1よりも大きいD2となる(図4(b)を参照)。ここで、斯かる墜落防止器作動時の荷重検出装置30の外観の状態、詳細には検出表示間隔がD2である状態を第2外観状態とする。ここで図4(b)は、墜落防止器作動時の荷重検出装置30(荷重検出装置30の第2外観状態)を示す図である。
【0030】
以上より、本実施形態における荷重検出装置30は、墜落時に衝撃荷重が墜落防止器に加わることによって、第1外観状態から第2外観状態へとその外観が変化してその変化した状態を保持する。言い換えれば、墜落により荷重検出装置30における検出表示間隔がD1からD2へと大きくなる。従って、荷重検出装置30の検出表示間隔を見れば、墜落防止器に墜落事故等があったかどうかを容易に確認することができる。
【0031】
従って本実施形態に係る墜落防止器は、上記第1実施形態に係る墜落防止器と同様の効果を奏することができる。
尚、上述のように上記各実施形態において、荷重検出装置は連結器具に備える構成とされている。しかし本発明はこれに限られるものでなく、荷重検出装置は、ロープを介して墜落防止器本体部へ加わる荷重の通る経路上であって、かつロープの先端付近であれば、独立に配設することも、例えばフック等の他の部材と組み合わせて構成することも可能である。
また、各実施形態における荷重検出装置を備える連結器具は、上述の墜落防止器本体部に限られず、種々の墜落防止器に適用することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、墜落防止器が墜落事故等によって過去に大きな衝撃荷重を受けたものであるかどうかを地上で容易に目視確認することが可能な荷重検出機能付き墜落防止器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る墜落防止器を示す側面図,正面図である。
【図2】(a),(b)は、それぞれ本発明の第1実施形態に係る墜落防止器本体部1の一部を切り欠いた側断面図,正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における荷重検出装置5の一部を切り欠いた断面図であり、(a),(b),(c)はそれぞれ荷重検出装置5の第1外観状態,第2外観状態(2つのサラバネが反転したとき),第2外観状態(1つのサラバネが反転したとき)を示す。
【図4】本発明の第2実施形態における荷重検出装置30の一部を切り欠いた断面図であり、(a),(b)はそれぞれ荷重検出装置30の第1外観状態,第2外観状態を示す。
【符号の説明】
1 墜落防止器本体部
2 ロープ
3 フック
4 連結器具
5,30 荷重検出装置
20 ジョイント
22,31 シャフト
23 ナット
24 ピン
25,33 ホルダ
26,35 ワッシャ
27 テーパーワッシャ
28a,28b サラバネ
32 スクリュー
34 プレート
Claims (5)
- 高所に固定される墜落防止器本体部と、前記墜落防止器本体部に引き戻し可能に取り付けられたロープと、前記ロープと作業者とを接続する接続部とを有し、高所作業を行う作業者の墜落を防止するための墜落防止器において、
墜落時に衝撃荷重が前記墜落防止器に加わることにより、通常の第1外観状態から当該第1外観状態と異なる第2外観状態へと外観が変化し前記墜落防止器に衝撃荷重が加わったことを視認可能とする荷重検出装置を、前記接続部から前記ロープを介して前記墜落防止器本体部へ加わる荷重の通る経路上でかつ前記接続部付近に有することを特徴とする荷重検出機能付き墜落防止器。 - 請求項1に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出装置は、第1部材と、荷重検出部材と、第2部材とを有し、
前記第1外観状態は、前記第1部材と前記第2部材とが前記荷重検出部材を介して荷重伝達経路を形成してなり、
前記第2外観状態は、墜落時に衝撃荷重が前記墜落防止器に加わることにより、前記荷重検出部材が変形して前記第1部材と前記第2部材との相対位置が変化してなることを特徴とする荷重検出機能付き墜落防止器。 - 請求項2に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出装置は、前記墜落防止器本体部から前記接続部へ向かって、前記第1部材、前記荷重検出部材、前記第2部材の順で前記各部材が配置されていることを特徴とする荷重検出機能付き墜落防止器。 - 請求項2又は請求項3に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出部材は、所定値以上の荷重が加わることによって形状が反転するサラバネであることを特徴とする荷重検出機能付き墜落防止器。 - 請求項2又は請求項3に記載の荷重検出機能付き墜落防止器において、
前記荷重検出部材は、所定値以上の荷重が加わることによって剪断される剪断部材であることを特徴とする荷重検出機能付き墜落防止器。
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JP2008079714A (ja) * | 2006-09-26 | 2008-04-10 | Fujii Denko Co Ltd | 回動金具 |
JP2009112514A (ja) * | 2007-11-06 | 2009-05-28 | Sanko Industries Co Ltd | 巻取りユニット |
JP2011104339A (ja) * | 2009-10-20 | 2011-06-02 | Fujii Denko Co Ltd | 安全帯およびその使用状況確認システム |
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-
2002
- 2002-09-12 JP JP2002267128A patent/JP2004097691A/ja active Pending
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