JP2004096535A - 画像処理方法,その装置,及び画像形成装置 - Google Patents

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永田 健一
Mitsuru Tokuyama
徳山 満
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Abstract

【課題】ディジタル複写機,ファクシミリ等に設けられる画像処理方法であって,原稿等から読み取られた画像データの網点線数の正確に判定可能であって,且つ簡略な構成により実現可能なものものを提供すること。
【解決手段】取得された画像データにおける網点画像領域を判定する網点画像判定工程と,上記網点画像判定工程により網点画像領域と判定された画像データにおける任意の画素の画素値と,該画素に隣接する近傍画素の画素値との間で差分絶対値を算出する差分算出工程と,上記差分算出工程により算出された画素毎の差分絶対値と第1の閾値とを比較し,該第1の閾値よりも大きい画素の数を所定の画素ブロック内で計数し,網点候補画像を抽出する画素数計数工程と,上記画素数計数工程により抽出された網点候補画像の数と第2の閾値とを比較し,その比較結果に応じて,上記画像データのの網点線数を判定する網点線数判定工程と,を具備して構成される。
【選択図】図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,レーザプリンタやディジタル複写機,ファクシミリ等に供され,原稿等から読み取られた画像データに画像処理を施して再生する際に,画像の種類に応じた処理を施すべく画像の種類を判別する技術に係り,詳しくは,網点線数の正確な判定を期することができ,簡素にしてコストアップしない判定技術を用いた画像処理方法に関するするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来,レーザプリンタ,ディジタル複写機,或いはファクシミリ等に設けられる画像処理部においては,文字画像,写真画像,網点画像が混在した原稿をCCDイメージセンサ等の画像入力部で読み取って得た画像データから,文字画像,写真画像,網点画像の何れの画像領域に属するデータであるかを識別し,文字画像領域(以下,文字領域という)には強調処理を施して,輪郭のはっきりした文字画像を得るようにする一方,写真画像領域(以下,写真領域という)と網点画像領域(以下,網点領域という)には平滑化処理を施すことにより,階調の穏やかな写真画像,網点画像を得ることが一般的である。
このような処理は,画質向上を図るために施されるものであるが,文字領域,写真領域,網点領域を正しく判定して各領域にあった処理を行わないと,再現された画像において画質の低下が起こる。例えば,網点画像を文字領域と誤って判定し,強調処理を施した場合には発生するモアレにより画質が低下する。
また,近年の電子写真プロセスにおいて利用される非磁性一成分現像は,高速化,高画質化,或いはカラー化には適した特性を有するものの,エッジ効果が弱く,網点の再現が弱い。そこで,非磁性一成分現像においては,網点画像には空間フィルターを用いて強調処理を施すことが一般的であるが,網点画像における網点線数に応じた(最適な)空間フィルター以外のフィルターを用いた場合にはモアレが発生し,画質が低下する。
上述したような問題を回避する為には,網点線数を正確に検出すると共に,その網点線数に応じた最適なる画像処理(空間フィルターの選択等)を行う必要がある。
そこで,網点線数の検出する技術に関し,以下のような技術が考案されている。
先ず,入力された画像データと予め用意された複数の基準網点配列データを順次切り換えつつ相関演算を行うと共に,各基準網点配列データ毎に得られる画像データとの相関性の大小を比較することにより,最も大きな相関性が得られた基準網点配列データの網点密度を,入力画像情報の網点密度と判定し,原稿画像上の網点の線数を検出する技術(所謂パターンマッチング処理)がある(例えば,特許文献1参照)。
また,入力された画像データに対してライン毎の1次元フーリエ変換演算を行うと共に,演算された1次元フーリエ変換出力信号を空間周波数毎に分類し,画像データの1次元方向の空間周波数特性を演算することにより,その演算結果(空間周波数特性)に基いて網点周期を判定し,原稿画像上の網点の線数を検出する技術がある(例えば,特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平1−133470号公報
【特許文献2】
特開平7−220072号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように,上述した従来公知の画像処理部における網点線数検出は,パターンマッチング処理やフーリエ変換演算を用いることで実現されるものであった。
しかしながら,パターンマッチング処理を用いる方法では,その検出精度を向上させるためには多数の基準網点配列データを予め登録(記憶)しておく必要があるため,膨大なメモリ容量が必要となり,更には,用意された基準網点配列データ(網点密度)との相関性が低い網線画像に対しては正確な検出が困難であるため,汎用性に乏しいと言わざるを得ない。
一方,フーリエ変換演算を用いる方法では,概ね正確な検出が可能であるものの,複雑な計算な必要となるため高速化が困難であり,更には,その計算を実行するためのソフトウェア或いはハードウェアを追加する必要があり,安価で且つ簡略なシステムとして構成することが困難である。
そこで,本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,レーザプリンタやディジタル複写機,ファクシミリ等の画像形成装置に設けられる画像処理装置或いはその画像処理方法であって,原稿等から読み取られた画像データの画像領域のうち,網点画像である画像領域の網点線数の正確に判定可能であって,且つ簡略な構成により実現可能なものものを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は,原稿を走査して取得された画像データについて所定の画像処理を行う画像処理方法において,上記画像データにおける網点画像領域を判定する網点画像判定工程と,上記網点画像判定工程により網点画像領域と判定された画像データにおける任意の画素の画素値と,該画素に隣接する近傍画素の画素値との間で差分絶対値を算出する差分算出工程と,上記差分算出工程で得られた差分絶対値が所定値よりも大きい画素の数に応じて,上記画像データにおける網点画像領域について所定の画像処理を行う画像処理工程と,を具備してなることを特徴とする画像処理方法として構成される。
例えば,上記画像処理工程としては,上記差分算出工程により算出された画素毎の差分絶対値と第1の閾値とを比較し,該第1の閾値よりも大きい画素の数を所定の画素ブロック内で計数する画素数計数工程と,上記画素数計数工程により計数された画素数と第2の閾値とを比較し,該第2の閾値よりも大きい画素の数に応じて,上記画像データにおける網点画像領域の網点線数を判定する網点線数判定工程と,を含むものが考えられる。
以上の構成により,網点画像領域と判定された画像データの網点線数の判定を,該画像データにおける任意の画素の画素値と,その近傍画素の画素値との間で差分絶対値を算出し,その差分絶対値に応じて抽出(計数)される画素数に応じて行うという簡略な方法で実現できる。
従って,網点画像領域と判定された画像データの網点線数の検出において,パターンマッチングを利用する方法に較べ,その処理に必要なメモリの節約が可能であり,フーリエ変換を利用する方法に較べ,その処理の高速化ができる共に,システムとしても安価な構成として実現できる。
更には,上記画像処理工程には,上記網点線数判定工程により判定された網点線数に応じて,上記画像データに適用される空間フィルター係数を設定するフィルタ設定工程を含むことが望ましい。
そのような形態とすれば,画像データに対して,上記網点線数判定工程により判定された網点線数に応じた好適な空間フィルタ処理を施すことが可能となり,モアレの発生等を防止し,画質の低下を防止することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の一実施形態に係るディジタルカラー複写機の構成を示す断面図,図2は画像処理部の構成を示すブロック図,図3は画像処理部に設けられる網点線数検出部/領域分離処理部の構成を示すブロック図,図4は網点線数検出部に設けられる網点線数検出回路の構成を示すブロック図,図5は網点線数検出処理に用いる注目画素と隣接画素との関係を示す図,図6は網点線数検出処理に関する処理の流れを示すフローチャート,図7は網点線数検出処理を施された画像データの一例を示す図である。
本実施の形態に係る画像形成装置は,例えばディジタルカラー複写機として具現化されるものである。
図1は,本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例であるディジタルカラー複写機(以下略して単に複写機という)1の概略構成を示す正面断面図である。本図を用いて,当該複写機1における各部の構成/機能について説明する。
当該複写機1の上面には,原稿台111及び操作部104が設けられ,複写機本体1の内部に画像読み取り部110および画像形成部210が設けられている。原稿台111の上面には該原稿台111に対して開閉可能な状態で支持され,原稿台111面に対して所定の位置関係をもつ両面自動原稿送り装置(RADF;Reversing Automatic Document Feeder)112が装着されている。
上記両面自動原稿送り装置112は,上記画像読み取り部110に読み取る原稿を供給するものであり,上記操作部104により所謂両面コピーが選択された場合には,先ず,原稿の一方の面が上記原稿台111の所定位置で画像読み取り部110に対向するよう原稿を搬送し,この一方の面についての画像データを読み取らせ,続いて,他方の面が上記原稿台111の所定位置で画像読み取り部110に対向するよう上記原稿を反転させた後に,上記原稿台111に搬送し,他方の面についての原稿画像情報を読み取らせる。
該両面自動原稿送り装置112は,1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後にこの原稿を所定の排紙トレイに排出し,次の原稿についての両面搬送動作を実行する。このような原稿の搬送および表裏反転の動作が,複写機全体の動作(例えば,原稿の読み取り,画像形成等)に関連して統合的に制御される。
また,上記画像読み取り部110は,上記両面自動原稿送り装置112により上記原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像データを読み取るために,上記原稿台111の下方に配置される。該画像読み取り部110は上記原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する第1の原稿走査体113と,第2の原稿走査体114と,光学レンズ115と,光電変換素子であるCCDラインセンサ116と,を有している。更に,上記第1の原稿走査体113は,原稿画像表面を露光する露光ランプ113aと,原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラー113bとを備え,原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で図中X1の方向に往復移動する。
一方,上記第2の走査ユニット114は,第1の走査ユニット113の上記第1ミラー113bにより偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2ミラー114a及び第3ミラー114bを備え,第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って図中X2の方向に往復移動する。
上記光学レンズ115は,上記第2の走査ユニット114の上記第3ミラー114bにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し,縮小された光像を上記CCDラインセンサ116上の所定位置に結像させる。(図中には,原稿からの反射光の経路を一点破線Zにより示す)
上記CCDラインセンサ116は,結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力するものであり,例えば,白黒画像あるいはカラー画像を読み取り,R(赤),G(緑),B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる3ラインのカラーCCDである。該CCDラインセンサ116により電気信号に変換された原稿の画像データは,後述する不図示の画像処理部(図2参照)に転送されて所定の画像データ処理(シェーディング補正,階調補正その他)が施される。そして,該画像処理部により所定の画像データ処理が施された画像データが上記画像形成部210に転送される。
次に,上記画像形成部210の構成,及び該画像形成部210に係る各部の構成について説明する。
該画像形成部210の下方には,複数のローラを具備して構成され,用紙トレイT内に積載収容されている用紙(記録媒体)Mを1枚ずつ分離して該画像形成部210に供給する給紙機構211が設けられている。そして1枚ずつ分離供給された用紙Mは,画像形成部210の手前に配置された一対のレジストローラ212によりタイミングが制御されて該画像形成部210に搬送され,後述する該画像形成部210に係る各部の作用により,その片面に上記原稿読み取り部110により読み取られた画像データに基く画像が形成(複写)される。
ここで,上記画像形成部210の下方には,転写搬送ベルト機構213が配置されている。該転写搬送ベルト機構213は,駆動ローラ214と従動ローラ215との間に略平行に伸びるように張架された転写搬送ベルト216とで構成されており,該転写搬送ベルト216に用紙Mを静電吸着させて搬送する構成(その構成については後述する)となっている。そして,上記転写搬送ベルト216の下側に近接して,パターン画像検出ユニット232が設けられ,更に該パターン画像検出ユニット232を挟んで,一対のテンションローラ231が設けられている。該テンションローラ231により,上記転写搬送ベルト216における上記パターン画像検出ユニット232の対抗面(検出面)に平坦部が形成される。
更に,該転写搬送ベルト機構213によって形成される用紙搬送路の下流側には,用紙M上に転写形成されたトナー像を用紙M上に定着させるための定着装置217が配置されている。該定着装置217に設けられる一対の定着ローラ間に形成されるニップ部を通過した用紙Mは,搬送方向切り換えゲート218を経て,排出ローラ219により複写機本体1の外壁に取り付けられている排紙トレイ220上に排出される。
ここで,上記切り換えゲート218は,定着後の用紙Mの搬送経路を,複写機本体1へ用紙Mを排出する経路(図中には矢印▲1▼で示す)と,画像形成部210に向かって用紙Mを再供給する経路(図中には矢印▲2▼で示す)との間で選択的に切り換えるものである。該切り換えゲート218により再び画像形成部210に向かって搬送方向(矢印▲2▼の方向)が切り換えられた場合,用紙Mは,スイッチバック搬送経路221を介して表裏反転された後,画像形成部210へと再度供給される。このような機構により,当該複写機1においては,必要(使用者の操作)に応じて用紙Mの搬送経路を切り替え,用紙Mに対して両面コピーを施すことが可能である。
また,上記画像形成部210における上記転写搬送ベルト216の上方には,上記転写搬送ベルト216に近接して,第1の画像形成ステーションPa,第2の画像形成ステーションPb,第3の画像形成ステーションPc,および第4の画像形成ステーションPdが,用紙搬送経路上流側から順に並設されている。
上記転写搬送ベルト216は上記駆動ローラ214によって,図1において矢印Zで示す方向に摩擦駆動され,前述したように給紙機構211を通じて給送される用紙Mを静電吸着(把持)し,用紙Mを画像形成ステーションPa〜Pdへと順次搬送する。
ここで,各画像ステーションPa〜Pdは,実質的に同一の構成を有しており,各画像ステーションPa〜Pdは,図1に示す矢印F方向に回転駆動される感光体ドラム222a,222b,222c,および222dを夫々具備している。
また,上記感光体ドラム222a〜222dの周囲には,該感光体ドラム222a〜222dを夫々一様に帯電する帯電器223a,223b,223c,223dと,該感光体ドラム222a〜222d上に形成された静電潜像を夫々現像する現像装置224a,224b,224c,224dと,現像された該感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を用紙Mへ転写する転写用放電器225a,225b,225c,225dと,該感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを除去するクリーニング装置226a,226b,226c,226dと,が該感光体ドラム222a〜222dの回転方向に沿って順次配置されている。
また,上記感光体ドラム222a〜222dの上方には,レーザビームスキヤナユニット227a,227b,227c,227dが夫々設けられている。該レーザビームスキャナユニット227a〜227dは,転送された画像データに応じて変調されたドット光を発する不図示である半導体レーザ素子,該半導体レーザ素子からのレーザビームを主走査方向に偏向させるためのポリゴンミラー(偏向装置)240a〜240dと,該ポリゴンミラー240a〜240dにより偏向されたレーザビームを上記感光体ドラム222a〜222d表面に結像させるためのfθレンズ241a〜241dやミラー242a〜242d,243a〜243dを具備して構成される。
例えば,上記レーザビームスキャナ227aには画像データの黒色成分像に対応する画素信号が,レーザビームスキャナ227bには画像データのシアン色成分像に対応する画素信号が,レーザビームスキャナ227cには画像データのマゼンタ色成分像に対応する画素信号が,そして,レーザビームスキャナ227dには画像データのイエロー色成分像に対応する画素信号が夫々入力される。
これにより,夫々の色に色変換された画像データに対応する静電潜像が各感光体ドラム222a〜222d上に形成される。そして,現像装置224aに黒色のトナー,現像装置224bにシアン色のトナー,現像装置224cにマゼンタ色のトナー,現像装置224dにイエロー色のトナーを夫々収容することにより,各感光体ドラム222a〜222d上に形成された各色毎の静電潜像は,その色に応じたトナーにより現像される。これにより,上記画像形成部210において,原稿の画像データが各色のトナー像として再現される。
また,上記第1の画像形成ステーションPaと上記給紙機構211との間には用紙吸着用(ブラシ)帯電器228が設けられる。該吸着用帯電器228は,上記転写搬送ベルト216の表面を帯電させ,これにより,上記給紙機構211から供給された用紙Mを,上記転写搬送ベルト216上に確実に吸着させた状態で第1の画像形成ステーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間をずれることなく搬送することが可能となる。
一方,第4の画像ステーションPdと定着装置217との間で駆動ローラ214のほぼ真上部には除電器229が設けられている。該除電器229は,上記搬送ベルト216に静電吸着されている用紙Mを転写搬送ベルト216から分離するための交流電流を印加し,これにより,上記転写搬送ベルト216上を搬送された用紙Mを,該転写搬送ベルト216からその下流に設けられる上記定着装置217へと速やかに搬送することが可能となる。
以上説明した各部の処理動作を踏まえて,当該複写機1における一連の動作にを説明すると以下のようになる。
図1のように構成される当該複写機1では,上記給紙トレイTに収納された用紙M(例えば,カットシート状の紙)が一枚づつ送り出されて上記給紙機構211の給紙搬送経路に供給されると,その用紙Mの先端部分がセンサ(図示せず)にて検知され,このセンサから出力される検知信号に基づいて一対のレジストローラ212により一旦停止される。
そして,用紙Mは各画像ステーションPa〜Pdとタイミングを合わせ,図1の矢印Z方向に回転している上記転写搬送ベルト216上に送られる。このとき上記転写搬送ベルト216には上記吸着用帯電器228により所定の帯電が施されているので,用紙Mは,各画像ステーションPa〜Pdを通過する間,安定して搬送供給される。
一方,各画像ステーションPa〜Pdにおいては,上記画像入力部110により読み取られた画像データに基いた各色のトナー像が夫々形成され,上記転写搬送ベルト216により静電吸着されて搬送される用紙Mの支持面上で順次重ね合わされる。そして,第4の画像ステーションPdによるトナー像の転写が完了すると,用紙Mは,その先端部分から,上記除電用放電器229により上記転写搬送ベルト216上から剥離され,上記定着装置217へと導かれる。最後に,トナー画像が定着された用紙Mは,不図示である用紙排出口から排紙トレイ220上へと排出される。
このような各部の機能によって,当該複写機1は,上記原稿台111上に載置された原稿の画像データを上記画像読み取り部110で読み取り,その画像データに基いて上記画像形成部210で画像形成し,元の原稿通りの複写物を所定の用紙上に記録再現することができる。
なお,上述の説明における上記画像形成部210には,レーザビームを走査して露光することにより,上記感光体ドラム222a〜222dへの光書き込みを行なうレーザビームスキャナユニット227a〜227dを用いた構成について説明しているが,該レーザビームスキャナユニット227a〜227dの代わりに,発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み光学系(LEDヘッド)を用いても良い。該LEDヘッドは,レーザビームスキャナユニットに比べ,サイズも小さく,また可動部分がなく無音であるという優れた点を有し,複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のディジタルカラー複写機などの画像形成装置に対し,好適に用いることができる。
【0007】
次に,本発明の実施形態に係る上記複写機1において,図1では不図示であった画像処理部102について説明する。
以下,上記画像処理部102の構成を示すブロック図である図2を参照しつつ説明する。
該画像処理部102は,A/D(アナログ/ディジタル)変換部3,シェーディング補正部4,入力階調補正処理部5,網点線数検出部/領域分離処理部6,色補正部7,黒生成下色除去部8,空間フィルタ処理部9,出力階調補正部10,階調再現処理部11を具備して構成される。
同図或いは上述の如く,該画像処理部102は,上記画像入力部110により取得された画像データに対し必要なデータ処理を施した後に,そのデータ処理された画像データを上記画像形成部210に出力するものである。そこで,該画像処理部102には,第一に,例えばスキャナ部より構成される上記画像入力部110により,RGB(R:赤・G:緑・B:青)のアナログ信号として上記CCDラインセンサ116によって読み取られた原稿からの反射光像(画像データ)が入力される。
該画像処理部102に入力されたRGBアナログ信号は,まず上記A/D変換部3によりディジタル信号に変換される。
ディジタル信号に変換されたRGBアナログ信号は,上記シェーディング補正部4にて,上記画像入力部110の照明系・結像系・撮像系等で生じる各種の歪みを取り除く処理が行われる。
その後,上記入力階調補正処理部5により,RGBの反射率信号に対して,カラーバランスを整えるのと同時に,濃度信号などの画像処理システムの扱いやすい信号に変換する処理が施される。
次に,上記網点線数検出部/領域分離処理部6(詳細は後述する)において,入力信号を文字領域・写真領域・網点領域の各画像領域の何れの画像領域であるかを判定する領域分離処理が施される。ここで,該領域分離処理により得られ,入力された画像データがどの領域に属する画像データであるかを表す領域識別信号は,上記黒生成下色除去部8,上記空間フィルタ処理部9,及び上記階調再現処理部11にそれぞれ入力され,上記各処理部において,その領域に応じた処理を行うべく利用される。また,当該網点線数検出部/領域分離処理部6では,入力された元の入力信号(RGBアナログ信号)を,領域分離処理を施すものとは別に,RGBアナログ信号のまま後段の上記色補正部7に出力する。
元のRGBアナログ信号を取得した上記色補正部7では,色再現忠実化の実現のために,不要吸収成分を含むCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた,色濁りを取り除く処理が行われる。
また,上記黒生成下色除去部8では,色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成,元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理が行われ,CMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
更に,上記空間フィルタ処理部9では,上記黒生成下色除去部8から入力された画像データに対してディジタルフィルタによる空間フィルタ処理がなされ,空間周波数特性を補正することによって出力画像のボケや粒状性劣化を防ぐよう処理される。
ここで,上記網点線数検出部/領域分離処理部6において,文字領域と判断された画像領域に対しては,特に黒文字あるいは色文字の再現性を高めるために,上記空間フィルタ処理部9における鮮鋭度強調処理で高域周波数の強調量が大きくされると共に,上記階調再現処理部11により高域周波数の再現に適した高解像のスクリーンでの二値化,または多値化処理が選択される。
一方,上記網点線数検出部/領域分離処理部6において,網点領域と判別された領域に対しては,上記空間フィルタ処理部9によりモアレを除去するためのローパス・フィルタ処理等の適切な処理が施されると同時に,上記出力階調補正部10により,濃度信号などの信号を,上述した各画像形成部Pa,Pb,Pc,及びPdの特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理が行われ,最終的に上記階調再現処理部11により画像を画素に分割して,それぞれの画素の階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。
他方,上記網点線数検出部/領域分離処理部6において,写真領域と判断された画像領域については,上記階調再現処理部11により階調再現性を重視したスクリーンでの二値化,または多値化処理がなされる。
上述したような一連の処理が施された画像データは,不図示である一旦記憶手段に記憶され,所定のタイミングで読み出されて画像出力装置210に入力される。この画像出力装置210は,画像データを記録媒体(例えば紙等)上に出力するもので,例えば,電子写真方式やインクジェット方式を用いたモノカラー・カラー画像出力装置等を挙げることができるが,特にこれらに限定されるものではない。
【0008】
次に,上記画像処理部102に設けられ,画像データにおける各画像領域(文字領域,写真領域,或いは網点領域)を判定すると共に,網点画像領域と判定された画像データの網点線数を検出する機能を有する上記網点線数検出部/領域分離処理部6の一実施形態について,図3〜図7を参照しつつ説明する。
図3は,上記網点線数検出部/領域分離処理部6の具体的な構成例を示している。
同図に示す如く,該網点線数検出部/領域分離処理部6は,画像データにおける各画像領域を判定する領域分離回路601と,網点画像領域と判定された画像データの網点線数を検出する網点線数検出回路503と,を具備して構成される。更に,上記領域分離回路601は,入力される画像データの各画素を写真領域と非写真領域に分離する写真領域分離回路501と,入力される画像データの各画素を網点領域と非網点領域に分離する網点領域分離回路502とを具備して構成される。
ここで,入力される画像データの各画素を写真,網点,線画の3つの領域に分離するためには,先ず,上記写真領域分離回路501,及び上記網点領域分離回路502により,画像データの各画素のうち,写真領域と網点領域であるものを検出する。そして,上記写真領域分離回路501により非写真領域と判定された画像データと,上記網点領域分離回路502により非網点領域と判定された画像データとのAND論理を採り,このAND論理により非写真領域でかつ非網点領域と判定された画像領域を線画領域として検出すれば,画像データの各画素を,上述した各画像領域に正確に且つ容易に分離することできる。
また,網点領域分離回路502で網点と判定された画像データについては,後述する網点線数検出回路503において低線数(例えば,網点線数が85線以下の網点画像)であるか,高線数(例えば,網点線数が100線以上の網点画像)であるかの判定がなされる。
また,上述したように,当該網点線数検出部/領域分離処理部6において判定された画像領域(網点画像領域の場合にはその線数)に応じて,上記空間フィルタ処理部9において施される空間フィルタ,或いはその他各部の中間処理が選択されるよう構成すれば,最終的に上記画像形成部210により形成される画像の画像品質を高いものとすることができる。
【0009】
次に,上記該網点線数検出部/領域分離処理部6に設けられる上記網点線数検出回路503の一実施形態を図4に示す。
同図に示す如く,該網点線数検出回路503は,画像メモリ903(画像記憶手段の一例に該当),差分絶対値比較部904(差分算出手段,及び画素数計数手段の一例に該当),網点線数判定部905(網点線数判定手段の一例に該当)を具備して構成される。
上記画像メモリは,読み書き可能な記憶媒体であり,入力される画像データをに一時的に記憶し,必要に応じて読み出すものである。
また,上記差分絶対値比較部904は,入力される画像データの画素から任意の画素を抽出すると共に,該画素に隣接する隣接画素との差分絶対値を計算し,その計算結果と第1の閾値とを比較することで,画像データ中における差分絶対値が該第1の閾値よりも大きい画素(以下,網点候補画素という)の数を算出するものである。
また,上記網点線数判定部905は,上記差分絶対値比較部904により算出された網点候補画素数と第2の閾値とを比較し,その抽出結果に応じて網点線数の大小を判定するものである。
ここで,網点画像は規則的に配列された点群で構成されている為,連続諧調の画素で表現される写真領域,或いは背景にほとんど何も無い文字領域とは異なり,画像データにおける任意の画素(注目画素)と隣接画素との間における画素値の変化の絶対値,即ち差分絶対値を取った場合には,大きな差分絶対値を示す画素が多く存在する。
更に,その網点画像が,低線数網点(網点線数が比較的低い網点画像)である場合には,高濃度画素(山:即ち,高い画素値を有する画素)と低濃度画素(谷:即ち,低い画素値しか有さない画素)との間隔が広いため,上記画像読み取り部110により取得された画像データとしては,高濃度画素と低濃度画素との差分絶対値が大きく表れる。一方,その網点画像が,高線数網点(網点線数が比較的高い網点画像)の場合には,高濃度画素(山)と低濃度画素(谷)との間隔が狭いため,上記画像読み取り部110により画像データとして取得された際には,その読取り精度の問題(隣接する高濃度画素の影響)により,上記画像読み取り部110により取得された画像データとしては,高濃度画素と低濃度画素との差分絶対値が小さくなる。
無論,上記画像読み取り部110による読取りが完全であれば,高濃度画素(山)と低濃度画素(谷)との間隔の広狭に拘わらず,両者における画素値の差は同じになる筈であるが,実際には上記画像読み取り部110(例えば,CCD等)の読取り精度には限界があり,高濃度画素と低濃度画素の間隔が狭い場合には両者の差が小さくなる傾向を示し,逆に高濃度画素と低濃度画素の間隔が広い場合には両者の差は大きくなる傾向を示す。
そこで,本実施形態に係る上記網点線数検出回路503は,上述した傾向に着目し,入力された画像データのうち,網点領域と判定された画像領域に対し,低線数の画素(高濃度画素)を抽出可能で且つ高線数の画素(低濃度画素)を抽出しない適切な第1の閾値を選定し,画像データの各画素と比較することにより,その画素のうち,低線数網点(高濃度画素)を抽出する。しかる後に,低線数網点(つまり,第1の閾値よりも画素値の高い網点)であると判定された網点候補画素数を計数し,その計数結果が第2の閾値より大きい場合には,その網点画像は低線数網点領域であると判別し,逆の場合にはその画像データは高線数網点領域であると判別するものである。
【0010】
次に,上記網点線数検出部/領域分離処理部6における網点線数の検出に関する一連の処理の流れについて,図6に示すフローチャートを参照しつつ説明する。尚,以下,ステップS1,S2・・は処理手順の番号を示し,図6に付された番号と対応するものである。
先ず,上記画像入力部110から入力される画像データは,上記A/D変換部3,上記シェーディング補正部4,上記入力諧調補正部5を介し,所定の処理を施された後に,上記領域分離回路601に入力される(S1)。
ここで,図3及び4に示すように,上記画像入力部110から入力される画像データは,上記領域分離回路601だけでなく,上記網点線数検出回路503にも並列に入力され,画像メモリ903に記憶される(S2)。これは,上記領域分離回路601において画像領域の判定に用いられた画像データは,その後には画像データとしての体をなさず,該領域分離回路601の下流に設けられる上記網点線数検出回路503において網点線数の検出処理に使用できないため,予め,上記網点線数検出回路503に対し画像データを入力(退避)しているのである。
次に,上記領域分離回路601では,画像データが,網点,写真,線画の夫々の画像領域に分離される(S3)。
そして,上記網点領域分離回路502において,画像データの画像領域が「非網点」であると判定された場合(S4のN側,及びS6),上記写真領域分離回路501の判定結果と併せて,写真領域,或いは線画領域と判定される。そして,上記空間フィルタ処理部9或いは上記階調再現処理部11等において,それぞれの判定結果に応じた空間フィルター処理/中間調処理/黒生成条件が施される(S7)。
一方,上記網点領域分離回路502において,画像データの画像領域が「網点」であると判定された場合(S4のY側,及びS5),上記領域分離回路601から画像領域が「網点」である旨を表す領域識別信号が上記網点線数検出回路503に出力され,それに応じて,上記画像メモリ903から画像データが読み出され(S8),上記差分絶対値比較部904に出力される。
続いて,画像データが入力された上記差分絶対値比較部904では,画像データにおける任意の画素(注目画素)の濃度値Pと,該注目画素に対し主走査方向,副走査方向,或いは斜め方向の隣接する隣接画素の画素値(以下,隣接画素濃度値Pij)との差分絶対値PS=|P−Pij|を算出し,所定の第1の閾値TH1とPSを比較し,PS>TH1となる網点候補画素P1を抽出する(S9)。
ここで,差分絶対値の算出に用いる隣接画素としては,上記方向のいずれかの隣接画素に対して算出しても良いし,複数の近傍画素との差の総和(つまり,PS=Σ|P−Pij|)として算出しても良い。
ここで,差分絶対値を取る注目画素と近傍画素(濃度値Pij)の関係を図5に示す。例えば,注目画素と右隣の隣接画素(P12)との差分絶対値PSをとる場合は,|P−P12|を計算すれば良く,注目画素と上下左右隣との差分絶対値PSをとる場合は,
PS=|P−P01|+|P−P10|+|P−P21|+|P−P12
として計算すれば良い。
次に,上記ステップS9において抽出された網点候補画素PSの数P1と,所定の第2の閾値TH2とを比較し,網点候補画素数P1が第2の閾値TH2より大きい(所定の値以上の高い画素値を有する画素が所定量以上存在する)場合にはその網点画像を低線数網点と判定し(S10のY側,及びS11),網点候補画素数P1が第2の閾値TH2より小さい(所定の値以上の高い画素値を有する画素が所定量以下である)場合は高線数網点と判定する(S10のN側,及びS13)。そして,上記空間フィルタ処理部9或いは上記階調再現処理部11等において,それぞれの判定結果に応じた空間フィルター処理/中間調処理/黒生成条件が施される(S12,或いはS14)。
以上の処理により,本画像処理部102では,網点画像であると判定された(S4におけるYの処理)画像データ場合に対し,網点画像における任意の画素と,該画素に隣接する近傍画素との画素値との間で算出された差分絶対値が第1の閾値(TH1)よりも大きい画素数を抽出(S9の処理)すると共に,抽出された画素数(P1)が第2の閾値(TH2)よりも大きい場合には低線数網点と判定し,抽出された画素数(P1)が第2の閾値(TH2)よりも小さい場合には高線数網点と判定することが可能となり,差分絶対値の演算に基いた簡略な演算処理により,網点画像における網点線数を正確に検出することができる。
【0011】
次に,具体的な網点画像である画像データに対し網点線数検出を行った場合の一例を示す図7を参照しつつ,本実施形態による低線数網点/高線数網点の判定の有効性を検証する。
上述の説明の如く,第1の閾値TH1を比較的小さくした場合には,隣接画素との間で比較的小さい差分絶対値PSを示す画素も,網点候補画素として抽出される。一方,第1の閾値TH1を比較的大きくした場合には,隣接画素との間で比較的大きい差分絶対値PSを示す画素のみが,網点候補画素として検出される。
従って,第1の閾値TH1を適切な値に選択し,隣接画素に対してある所定値以上画素値が変化した(つまりは,低線数網点である画素)画素のみを網点候補画素として抽出すれば,その抽出結果に基いて網点画像の網転線数を判定可能である。
つまり,差分絶対値PS,第1の閾値TH1,及び網点候補画素は,以下のような関係がある。
PS>TH1   低線数(画素値の高い)の網点候補画素
PS≦TH1   高線数(画素値の低い)の網点候補画素
そこで,本実施形態においては上述した関係に着目し,適切な値に設定された第1の閾値TH1により抽出された網点候補画素の数P1を計数し,計数された網点候補画素数P1,つまりは低線数の網点候補画素が,どの程度存在しているかを第2の閾値TH2と比較することにより判定し,P1>TH2であれば,対象画像領域は低線数網点,P1≦TH2であれば,対象画像領域は高線数網点と判定している。
ここでは,第1の閾値TH1,及び第2の閾値TH2の設定と網点線数の検出精度との関係について,図7A−1)〜A−3),及びB−1)〜B−3)を参照しつつ説明する。
通常,網点画像の網点線数の判定処理は,ブロック単位(例えば,15画素×15画素であって,注目ブロックという)で実行されるため,図7A−1)及びB−1)に15画素×15画素の注目ブロックにおける画素濃度の分布の1例を示す。この注目ブロックの大きさはメモリ容量に制限されるものであるが,600Dpiの解像度を例にあげると,100線の場合,1線の間隔が600÷100=6(画素),50線の場合は,1線の間隔が600÷50=12(画素)となり,正確な判定を行うには少なくとも15画素×15画素程度あれば十分な検出精度が確保される。
ここで,図7A−1)が低線数網点画像,図7B−1)が高線数網点画像の一例を示し,上記画像読み取り部110により取得され,所定の処理を施された後に,上記網点線数検出部/領域分離処理部6に対し入力された注目ブロックにおける画像データである。
図7A―2)及びB―2)は,A−1)及びB−1)の15画素×15画素のブロック内で任意の画素(注目画素)と右隣の1画素との差分絶対値(PS)の計算を行い,第1の閾値である濃度値TH1=75より大きい濃度を有する画素を抽出(図において網掛けされた画素)したものである。
その結果,A―2)についてはP1=16,B―2)についてはP1=64となる。この場合において,第2の閾値TH2を10とすると,A―2),B―2)共にP1は第2の閾値THより大きい為,両者とも低線数網点と判定されることなり,正確な網点線数を検出することができない。
そこで,第1の閾値TH1を75から100(より高い画素値を示す画素のみを抽出する閾値)に変更すると,低線数網点画像であるA―2)についてはP1=16と変わらないが,高線数網点画像であるB―2)についてはP1=0に変化し,第2の閾値TH2=10に対して,A―2)はP1(16)>TH2(10)であるため低線数網点画像と,B―2)はP1(0)<TH2(10)であるため高線数網点画像と,夫々正しく判定される。
一方,第7図のA−3)及びB−3)は,A−1),及びB−1)の15画素×15画素のブロック内で任意の画素(注目画素)と上下左右隣接の1画素との差分絶対値(PS)の計算を行い,第1の閾値である濃度値TH1=150より大きい濃度を有する画素を抽出(図7において網掛けされた画素)したものである。
その結果,A−3)に示すブロックについてはP1=16,B−3)に示すブロックについてはP1=64となる。この場合において,第2の閾値TH2を10とすると,A−3),B−3)共にP1は第2の閾値TH2より大きい為,両者とも低線数網点と判定されることなり,正確に網点線数を検出することができない。
そこで,第1の閾値TH1を150から200に変更とすると,低線数網点画像であるA−3)についてはP1=64と変わらないが,高線数網点画像であるB−3)についはP1=0に変化し,第2の閾値TH2=10に対して,A−3)はP1(64)>TH2(10)となり低線数網点画像と,B−3)はP1(0)<TH2(10)となり高線数網点画像と,夫々正しく判定される。
このように,注目画素と隣接する画素のうち,複数の隣接画素との間で差分絶対値(PS)を取るように構成(図7A−3),及びB−3)に示す)した場合には,注目画素と隣接する単一画素との差分絶対値(PS)を取るよう構成(図7A−2),及びB−2)に示す)した場合に較べ,低線数網点画像と高線数網点画像との間の差分絶対値(PS)がより大きくなり,第1の閾値TH1の設定に幅をもたせる事が可能となり,より正確な線数判定ができることがわかる。
また,本実施形態では,15画素×15画素のブロックの網点線数を判定しているが,更に広い範囲について判定を行うことも可能である。
その場合は,判定領域を複数のブロックに区分(例えば3ブロック×3ブロックの計9ブロック)すると同時に,各ブロック毎に差分絶対値PSと第1の閾値TH1の比較を行い,各ブロック毎に網点候補画素数P1,P2,・・・,P9を計数し,全9ブロックの網点候補画素数の合計PΣを計算し,PΣと第2の閾値TH2’を比較することにより実現される。ここで,第2の閾値TH2’としては,上述説明した各ブロック毎の第2の閾値TH2に対し,ブロックの数に応じて比例させた値とすれば良い。
尚,網点線数についての判定は,単一のブロックの場合と同様であり,網点候補画素数PΣが,第2の閾値TH2’より大きければ低線数網点と判定し,網点候補画素数が第2の閾値TH2’以下であれば高線数網点と判定する。
同様の考えに基いて,出力対象画像全体に対して処理を行う場合には,上記の複数のブロックを出力対象画像全体をカバーするブロック数に拡張して,同様の処理を行えば良い。
従って,上述した検証結果からも理解されるように,本実施形態によれば,第1の閾値TH1,及び第2の閾値TH2を適切に選択することにより,それら閾値により網点画像から抽出される網点候補画素数に基いて,その網点画像が高線数網点であるか,低線数網点であるかを正確に判定することができる。
【0012】
【実施例】
上記実施形態では,上記網点線数検出部/領域分離処理部6に入力された画像データを,上記領域分離回路601だけでなく,上記網点線数検出回路503にも並列に入力し,画像メモリ903に記憶(退避)させておき,必要に応じて(つまりは,網線線数を判定する処理を行う場合)には,該画像メモリ903から適宜読み出して使用する形態について説明している。
しかしながら,必要に応じて画像メモリ903から読み出すのではなく,再度,上記画像入力部110(スキャナー)により原稿を走査して画像入力を行い,その入力画像を差分絶対値比較部904に入力するように構成することも可能である。
そのような構成の場合には,先ず,一回目の原稿走査により取得された画像データを用いて上記網点線数検出部/領域分離処理部6(上記領域分離回路601)において画像データの領域分離のみが行われ,二回目の原稿走査により取得された画像データを用いて上記網点線数検出部/領域分離処理部6(上記網点線数検出回路503)により網点線数の検出を行うと共に,上記色補正部7以降の所定の画像処理が実行されることとなる。
本実施例では,上記原稿読み取り部110による原稿走査が2回必要となり,画像処理時間が増大するように思われるが,1回目の画像入力を上記原稿読み取り部110による原稿走査の往路で,2回目の画像入力を復路で行うよう構成すれば,従来の原稿走査と略同等の処理時間を確保しつつ,上記網点線数検出部/領域分離処理部6(上記網点線数検出回路503)から画像メモリ903を省略することが可能であり,部品点数を減少させると共に製造コストを抑えることが可能となる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,網点画像領域と判定された画像データにおける任意の画素の画素値と,その近傍画素の画素値との間で差分絶対値を算出し,その算出結果に応じて上記網点画像領域における網点線数を判定することが可能である。
従って,膨大なメモリを消費するパターンマッチングを利用する方法,或いは複雑な計算が必要なフーリエ変換を利用する方法に較べに較べ,著しく簡略な構成であるにも拘わらず,網点画像における網点線数を正確に検出実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディジタルカラー複写機の構成を示す断面図。
【図2】画像処理部の構成を示すブロック図。
【図3】画像処理部に設けられる網点線数検出部/領域分離処理部の構成を示すブロック図。
【図4】網点線数検出部に設けられる網点線数検出回路の構成を示すブロック図。
【図5】網点線数検出処理に用いる注目画素と隣接画素との関係を示す図。
【図6】網点線数検出処理に関する処理の流れを示すフローチャート。
【図7】網点線数検出処理を施された画像データの一例を示す図。
【符号の説明】
1   …ディジタルカラー複写機
L   …反射光の経路
M   …用紙
T   …用紙トレイ
Pa〜d …画像ステーション
3   …A/D変換部
4   …シェーディング補正部
5   …入力諧調補正部
6   …網点線数検出部/領域分離処理部
7   …色補正部
8   …黒生成下色除去部
9   …空間フィルタ処理部
10  …出力諧調補正部
11  …階調再現処理部
102 …画像処理部
104 …操作部
110 …画像読み取り部
111 …原稿台
112 …両面自動原稿送り装置
113 …第1の原稿走査体
113a…露光ランプ
113b…第1ミラー
114 …第2の原稿走査体
114a…第2ミラー
114b…第3ミラー
115 …光学レンズ
116 …CCDラインセンサ
210 …画像形成部
210a…メモリ
211 …給紙機構
212 …レジストローラ
213 …転写搬送ベルト機構
214 …駆動ローラ
215 …従動ローラ
216 …転写搬送ベルト
217 …定着装置
218 …搬送方向切り換えゲート
219 …排出ローラ
220 …排紙トレイ
221 …スイッチバック搬送経路
222a〜d …感光体ドラム
223a〜d …帯電器
224a〜d …現像装置
225a〜d …転写用放電器
226a〜d …クリーニング装置
227a〜d …印字部(レーザスキャナユニット(LSU))
228 …用紙吸着用(ブラシ)帯電器
229 …除電器
231 …テンションローラ
232 …パターン画像検出ユニット
240a〜d …ポリゴンミラー(偏向装置)
241a〜d …fθレンズ
242a〜d …ミラー
243a〜d …ミラー
501 …写真領域分離回路
502 …網点領域分離回路
503 …網点線数検出回路
601 …領域分離回路
903 …画像メモリ
904 …差分絶対値比較部
905 …網点線数判定部
S1,S2,…処理手順(ステップ)の番号

Claims (8)

  1. 原稿を走査して取得された画像データについて所定の画像処理を行う画像処理方法において,
    上記画像データにおける網点画像領域を判定する網点画像判定工程と,
    上記網点画像判定工程により網点画像領域と判定された画像データにおける任意の画素の画素値と,該画素に隣接する近傍画素の画素値との間で差分絶対値を算出する差分算出工程と,
    上記差分算出工程で得られた差分絶対値が所定値よりも大きい画素の数に応じて,上記画像データにおける網点画像領域について所定の画像処理を行う画像処理工程と,
    を具備してなることを特徴とする画像処理方法。
  2. 上記画像処理工程が,
    上記差分算出工程により算出された画素毎の差分絶対値と第1の閾値とを比較し,該第1の閾値よりも大きい画素の数を所定の画素ブロック内で計数する画素数計数工程と,
    上記画素数計数工程により計数された画素数と第2の閾値とを比較し,該第2の閾値よりも大きい画素の数に応じて,上記画像データにおける網点画像領域の網点線数を判定する網点線数判定工程と,
    を含んでなる請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 上記画像処理工程が,
    上記網点線数検出工程により判定された網点線数に応じて,上記画像データに適用される空間フィルター係数を設定するフィルタ設定工程を更に含んでなる請求項1或いは2のいずれかに記載の画像処理方法。
  4. 上記差分算出工程において,注目画素との間で差分絶対値を算出される近傍画素が,主走査方向に隣接する画素,副走査方向に隣接する画素,或いは斜め四方向に隣接する画素のうちのいずれか,若しくは複数である請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理方法。
  5. 原稿を走査する際に,その往路と復路の両方で画素毎の画像データを取得し,上記網点画像判定工程が往路で,上記差分算出工程及び上記画像処理工程が復路で行われる請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理方法。
  6. 原稿を走査して取得された画像データを記憶可能な画像記憶手段を設け,
    原稿を走査する際に,その往路(復路)で画素毎の画像データを取得し,上記網点画像判定工程が往路(復路)で行われると同時にその画像データを上記画像記憶手段に記憶し,該画像記憶手段に記憶された画像データに基いて上記差分算出工程及び上記画像処理工程が行われる請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理方法。
  7. 原稿を走査して取得された画像データについて所定の画像処理を行う画像処理装置において,
    上記画像データにおける網点画像領域を判定する網点画像判定手段と,
    上記網点画像判定手段により網点画像領域と判定された画像データにおける任意の画素の画素値と,該画素に隣接する近傍画素の画素値との間で差分絶対値を算出する差分算出手段と,
    上記差分算出手段により算出された画素毎の差分絶対値と第1の閾値とを比較し,該第1の閾値よりも大きい画素の数を所定の画素ブロック内で計数する画素数計数手段と,
    上記画素数計数手段により計数された画素数と第2の閾値とを比較し,該第2の閾値よりも大きい画素の数に応じて,上記画像データにおける網点画像領域の網点線数を判定する網点線数判定手段と,
    を具備してなることを特徴とする画像処理装置。
  8. 原稿を走査して取得された画像データについて所定の画像処理を行う画像処理部と,該画像処理部により所定の画像処理を施された網点画像に基いて画像形成する画像形成部と,を具備する画像形成装置において,
    上記画像形成部が,上記請求項6に記載の画像処理装置であることを特徴とする画像形成装置。
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