JP2004096348A - 通信回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部回路を設けることなく、簡単な回路構成で、既存の通信回路間に通信動作に支障を与えることなく並列に接続できるようにする。
【解決手段】既存の通信回路AとBとの間に並列に追加通信回路Dを接続する。追加通信回路Dは集積回路ICDとレギュレータ回路RGDとを有している。集積回路ICDにおいて、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子とグランドラインとの間には静電保護ダイオードDD2,DD4を接続するが、入力端子と電源ラインとの間には静電保護ダイオードは接続しない。また、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子とグランドラインとの間には、プルダウン抵抗を設けない。スタンバイ制御時、レギュレータ回路RGDから、電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力VOUTを集積回路ICDに供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】既存の通信回路AとBとの間に並列に追加通信回路Dを接続する。追加通信回路Dは集積回路ICDとレギュレータ回路RGDとを有している。集積回路ICDにおいて、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子とグランドラインとの間には静電保護ダイオードDD2,DD4を接続するが、入力端子と電源ラインとの間には静電保護ダイオードは接続しない。また、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子とグランドラインとの間には、プルダウン抵抗を設けない。スタンバイ制御時、レギュレータ回路RGDから、電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力VOUTを集積回路ICDに供給する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、第1の通信回路と第2の通信回路との間に並列に接続される通信回路(追加通信回路)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に2つの通信回路を用いた通信システムを示す。同図において、Aは第1の通信回路、Bは第2の通信回路であり、第1の通信回路Aは通信用の半導体集積回路(以下、集積回路と呼ぶ)ICAとレギュレータ回路RGAとを有し、第2の通信回路Bは集積回路ICBとレギュレータ回路RGBとを有している。
【0003】
集積回路ICAは、そのインタフェース部に、CMOS(相補型金属酸化膜半導体:Complemetary Metal−oxido−semicondactor)型の出力バッファABF1,ABF4と、CMOS型の入力バッファABF2,ABF3とを有している。出力バッファABF1,ABF4は、トライステートバッファとされ、その出力値として「H」,「HIZ(中間値)」,「L」の3つの値を取り得る。
【0004】
入力バッファABF2には、入力端子と電源ラインとの間に第1の静電気対策用の保護ダイオード(以下、静電保護ダイオードと呼ぶ)AD1が接続されており、また、入力端子とグランドラインとの間に第2の静電保護ダイオードAD2が接続されている。静電保護ダイオードAD1は対電源用、静電保護ダイオードAD2は対グランド用として設けられている。また、入力バッファABF2には、入力端子とグランドラインとの間にプルダウン抵抗AR1が接続されている。入力バッファABF3に対しても、入力バッファABF2と同様にして、対電源用の静電保護ダイオードAD3,対グランド用の静電保護ダイオードAD4およびプルダウン抵抗AR2が設けられている。
【0005】
集積回路ICBも集積回路ICAと同様、そのインタフェース部に、CMOS型の出力バッファBBF1,BBF4と、CMOS型の入力バッファBBF2,BBF3とを有している。出力バッファBBF1,BBF4は、トライステートバッファとされ、その出力値として「H」,「HIZ」,「L」の3つの値を取り得る。
【0006】
入力バッファBBF2には、入力端子と電源ラインとの間に静電保護ダイオードBD1が接続されており、また、入力端子とグランドラインとの間に第2の静電保護ダイオードBD2が接続されている。静電保護ダイオードBD1は対電源用、静電保護ダイオードBD2は対グランド用として設けられている。また、入力バッファBBF2には、入力端子とグランドラインとの間にプルダウン抵抗BR1が接続されている。入力バッファBBF3に対しても、入力バッファBBF2と同様にして、対電源用の静電保護ダイオードBD3,対グランド用の静電保護ダイオードBD4およびプルダウン抵抗BR2が設けられている。
【0007】
通信回路Aにおいて、レギュレータ回路RGAは、電源電圧VDDを入力とし、集積回路ICAの出力バッファABF1,ABF4や入力バッファABF2,ABF3にレギュレータ出力VOUT(定電圧)を供給する。通信回路Bにおいて、レギュレータ回路RGBは、電源電圧VDDを入力とし、集積回路ICBの出力バッファBBF1,BBF4や入力バッファBBF2,BBF3にレギュレータ出力VOUT(定電圧)を供給する。
【0008】
〔通信回路A,Bともにスタンバイモードである場合〕
今、通信回路Aの出力バッファABF1,ABF4、通信回路Bの出力バッファBBF1,BBF4にそれぞれスタンバイ制御信号(ON/OFF信号)が与えられているものとする。この場合、通信回路Aの出力バッファABF1,ABF4の出力値、通信回路Bの出力バッファBBF1,BBF4の出力値は共に「HIZ」とされ、スタンバイモードとされる。
【0009】
この場合、通信回路Bでは、入力バッファBBF2,BBF3の入力端子とグランドラインとの間にプルダウン抵抗BR1,BR2が接続されており、このプルダウン抵抗BR1,BR2によって信号レベルのドロップが防止されるので、入力バッファBBF2,BBF3が不定モードになることがない。
【0010】
また、通信回路Aでも、入力バッファABF2,ABF3の入力端子とグランドラインとの間にプルダウン抵抗AR1,AR2が接続されており、このプルダウン抵抗AR1,AR2によって信号レベルのドロップが防止されるので、入力バッファABF2,ABF3が不定モードになることがない。なお、プルダウン抵抗AR1,AR2,BR1,BR2としては、通常、100kΩ以上の値のものが用いられる。
【0011】
〔通信回路A,B間の通信〕
通信回路Aから通信回路Bへ通信を行う場合、出力バッファABF1,ABF4へのスタンバイ制御信号を取り去り、通信モードとする。これにより、出力バッファABF1,ABF4は、前段の回路から送られてくる「H」,「L」レベルの変化で表される通信信号を出力する。この通信信号は、通信回路Bの入力バッファBBF2,BBF3に入力され、入力バッファBBF2,BBF3の出力端子に接続された次段の回路へ送られる。
【0012】
通信回路Bから通信回路Aへ通信を行う場合、出力バッファBBF1,BBF4へのスタンバイ制御信号を取り去り、通信モードとする。出力バッファBBF1,BBF4は、前段の回路から送られてくる「H」,「L」レベルの変化で表される通信信号を出力する。この通信信号は、通信回路Aの入力バッファABF2,ABF3に入力され、入力バッファABF2,ABF3の出力端子に接続された次段の回路へ送られる。
【0013】
〔通信回路の追加〕
図5に示した通信回路Aと通信回路Bとを接続したシステムを既存の通信システムとした場合、この既存の通信システムに対して追加する形で別の通信回路を並列に接続することがある。図6に通信回路Aと通信回路Bとの間に通信回路(追加通信回路)Cを並列に接続した例を示す。
【0014】
この例では、通信回路Cを通信回路A,Bと同構成とし、通信回路Aの出力バッファABF1と通信回路Bの入力バッファBBF2との接続ラインL1にラインL1’を介して通信回路Cの入力バッファCBF2を接続し、通信回路Aの入力バッファABF2と通信回路Bの出力バッファBBF1との接続ラインL2にラインL2’を介して通信回路Cの出力バッファCBF1を接続し、通信回路Aの入力バッファABF3と通信回路Bの出力バッファBBF4との接続ラインL3にラインL3’を介して通信回路Cの出力バッファCBF4を接続し、通信回路Aの出力バッファABF4と通信回路Bの入力バッファBBF3との接続ラインL4にラインL4’を介して通信回路Cの入力バッファCBF3を接続している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この通信回路Cを追加した通信システムでは、例えば、通信回路Aの出力バッファABF1から通信回路Bの入力バッファBBF2へ通信信号を送る場合(通信回路B,Cはスタンバイモード)、ラインL1を介して通信回路Bのプルダウン抵抗BR1に流れる電流(経路▲1▼−Bの電流)と、ラインL1’を介して通信回路Cのプルダウン抵抗CR1に流れる電流(経路▲1▼−Cの電流)との2経路の電流が生じ、ラインL1上のDCバイアス電圧に変化をもたらすため、信号レベルが確保できない状況に陥ることがあった。
【0016】
すなわち、通信回路Aの出力バッファABF1に対するプルダウン抵抗が既存の通信回路Bのプルダウン抵抗BR1と通信回路Cのプルダウン抵抗CR1との並列抵抗値となり、抵抗値が下がることによって出力バッファABF1からの出力電流(経路▲1▼の電流)が増加するため、通信回路Bの入力バッファBBF2への信号レベルが低下し、通信動作が不安定となる。
【0017】
通信回路Aの出力バッファABF4から通信回路Bの入力バッファBBF3へ通信信号を送る場合にも、上述と同様にして、ラインL4を介して通信回路Bのプルダウン抵抗BR2に流れる電流(経路▲1▼−Bの電流)と、ラインL4’を介して通信回路Cのプルダウン抵抗CR1に流れる電流(経路▲1▼−C)との2経路の電流が生じ、ラインL4上のDCバイアス電圧に変化をもたらす。
【0018】
このような不具合を解消するために、図7に示した通信システムでは、ラインL1’〜L4’の途中に外部回路100を設け、また通信回路Cへのスタンバイ制御信号を外部回路100へ分岐して与え、通信回路Cがスタンバイモードにある場合にはラインL1〜L4と通信回路Cとの接続を遮断するようにしている。
【0019】
外部回路100としては、図8(a)に示すようなスイッチ回路101を想定しており、通信回路Cをスタンバイモードとしているときは、すなわち通信回路Cの出力バッファCBF1,CBF4にスタンバイ制御信号を与えているときは、外部回路100におけるスイッチ回路101をOFFとし、ラインL1〜L4と通信回路Cとの接続を遮断するようにする。図8(b)にスイッチ回路101をCMOSトランジスタ(Nチャネル、Pチャネル)101−1とインバータ101−2とを用いて具現化した例を示す。
【0020】
これにより、通信回路Aの出力バッファABF1から通信回路Bの入力バッファBBF2へ通信信号を送る場合にラインL1’を介して通信回路Cのプルダウン抵抗CR1に流れようとする電流が遮断され、また、通信回路Aの出力バッファABF4から通信回路Bの入力バッファBBF4へ通信信号を送る場合にラインL4’を介して通信回路Cのプルダウン抵抗CR2に流れようとする電流が遮断され、ラインL1,L4上のDCバイアス電圧の変化が防がれる。
【0021】
しかしながら、この通信システムでは、外部回路100を別個に設ける必要があり、コストがアップする。また、通信回路Cを利用しない場合は、スタンバイ制御信号によってラインL1’〜L4’を切り離す必要があり、回路構成が複雑となる。
【0022】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、外部回路を設けることなく、簡単な回路構成で、既存の通信回路間に通信動作に支障を与えることなく並列に接続することのできる通信回路(追加通信回路)を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の通信回路(追加通信回路)は、入力バッファと、出力バッファと、入力バッファの入力端子とグランドラインとの間に接続された静電保護ダイオードと、スタンバイ制御信号を受けて、電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力を生成し、このレギュレータ出力を入力バッファおよび出力バッファに供給し、これらバッファのモードを不定としてそのバッファの出力端子と次段の回路との接続を遮断するレギュレータ回路とを備えた構成としたものである。
【0024】
この発明によれば、第1の通信回路と第2の通信回路との間に並列に接続し、スタンバイモードとして待機している場合、電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力が入力バッファおよび出力バッファに供給され、これらバッファのモードが不定となって、そのバッファの出力端子と次段の回路との接続が遮断される。
【0025】
この場合、入力バッファと次段の回路との接続が遮断されることから、第1の通信回路および第2の通信回路の出力バッファの出力値が「HIZ」の時、入力バッファに与えられる信号レベルのドロップを防止する必要はなく、入力バッファの入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗を設ける必要がない。すなわち、本発明の通信回路(追加通信回路)では、入力バッファの入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗を設けておらず、プルダウン抵抗を介して流れようとする電流は生じない。
【0026】
また、本発明の通信回路(追加通信回路)では、入力バッファの入力端子と電源ラインとの間には静電保護ダイオードを設けておらず、レギュレータ回路のレギュレータ出力がグランドレベルとなっても、この静電保護ダイオードを介して流れようとする電流は生じない。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明に係る通信回路(追加通信回路)の一実施の形態を既存の通信回路間に並列に接続した通信システムの一例を示す構成図である。同図において、図6と同一符号は同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。なお、従来の追加通信回路Cと区別するために、本実施の形態の追加通信回路をDとする。
【0028】
この通信システムにおいて、追加通信回路Dの集積回路ICDは、そのインターフェイス部に、CMOS型の出力バッファDBF1,DBF4と、CMOS型の入力バッファDBF2,DBF3とを有している。
【0029】
従来の追加通信回路Cでは、出力バッファCBF1,CBF4としてトライステートバッファを使用していたが、本実施の形態の追加通信回路Dでは、出力バッファDBF1,DBF4としては通常の2出力タイプ(「H」/「L」)のバッファを使用している。
【0030】
また、従来の追加通信回路Cでは、入力バッファCBF2,CBF3の入力端子とグランドラインとの間にプルダウン抵抗CR1,CR2を接続していたが、本実施の形態の追加通信回路Dでは、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗を接続していない。
【0031】
また、従来の追加通信回路Cでは、入力バッファCBF2,CBF3の入力端子と電源ラインとの間に静電保護ダイオードCD1,CD3を接続していたが、本実施の形態の追加通信回路Dでは、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子と電源ラインとの間には静電保護ダイオードを接続していない。すなわち、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子とグランドラインとの間に静電保護ダイオードCD2,CD4を接続しているのみで、対電源用の静電保護ダイオードは設けていない。
【0032】
また、従来の追加通信回路Cでは、レギュレータ回路RGCから集積回路ICCにレギュレータ出力VOUTとして定電圧を常に供給するようにしたが、本実施の形態の追加通信回路Dでは、スタンバイ制御信号をレギュレータ回路RGDへ与えるようにし、通信動作時にはレギュレータ回路RGDから集積回路ICDにレギュレータ出力VOUTとして定電圧を与えるが、スタンバイ制御時には、スタンバイ制御信号のON/OFFに応じて電源レベルとグランドレベル(0V)とを繰り返すレギュレータ出力VOUTを集積回路ICDに与えるようにしている。
【0033】
〔通信回路Aから通信回路Bへの通信〕
今、この追加通信回路Dを接続した通信システムにおいて、例えば、追加通信回路Dをスタンバイモードとし、通信回路Aの出力バッファABF1から通信回路Bの入力バッファBBF2へ通信信号を送るものとする。
【0034】
この場合、追加通信回路Dのレギュレータ回路RGDは、入力されるスタンバイ制御信号のON/OFFに応じて電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力VOUTを生成し、集積回路ICDへ供給する。このレギュレータ出力は、集積回路ICDの入力バッファDBF2,DBF3および出力バッファDBF1,DBF4に供給される。
【0035】
このレギュレータ回路RGDからの電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力VOUTを受けて、入力バッファDBF2,DBF3および出力バッファDBF1,DBF4のモードが不定となり、入力バッファDBF2,DBF3および出力バッファDBF1,DBF4の出力端子と次段の回路との接続が遮断される。すなわち、入力バッファDBF2,DBF3の出力端子と集積回路ICD内の次段の回路との接続が遮断され、出力バッファDBF1,DBF4と通信回路Aにおける入力バッファABF2,ABF3との接続が遮断される。
【0036】
このような状態で、通信回路Aの出力バッファABF1から通信回路Bの入力バッファBBF2へ通信信号が送られる。この通信信号の送信中、図6に示した従来の通信システムでは、ラインL1を介して通信回路Bのプルダウン抵抗BR1に流れる電流(経路▲1▼−Bの電流)と、ラインL1’を介して通信回路Cのプルダウン抵抗CR1に流れる電流(経路▲1▼−Cの電流)との2経路の電流が生じていた。
【0037】
これに対し、図1の通信システムでは、ラインL1を介して通信回路Bのプルダウン抵抗BR1に流れる経路▲1▼−Bの電流は生じるが、追加通信回路Dでは入力バッファDBF2の入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗が設けられていないので、ラインL1’を介して流れようとする経路▲1▼−Dの電流は生じない。これにより、通信回路Bの入力バッファBF2への信号レベルが低下することがなく、安定した通信動作を得ることができる。
【0038】
通信回路Aの出力バッファABF4から通信回路Bの入力バッファBBF3へ通信信号を送る場合にも、上述と同様にして、ラインL4を介して通信回路Bのプルダウン抵抗BR2に流れる電流は生じるが、ラインL4’を介して流れようとする経路▲1▼−Dの電流は生じない。これにより、通信回路Bの入力バッファBF3への信号レベルが低下することがなく、安定した通信動作を得ることができる。
【0039】
なお、スタンバイ制御時には、レギュレータ回路RGDから電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力VOUTを集積回路ICDに供給するので、集積回路ICDでの消費電力が軽減されるという効果も得られる。
また、通信動作時には、レギュレータ回路RGDから定電圧がレギュレータ出力VOUTとして集積回路ICDに供給されるので、追加通信回路Cから通信回路AやBへの通信が支障なく行われる。
【0040】
〔入力バッファDBF2,DBF3に対するプルダウン抵抗が不要である理由〕通信回路Aや通信回路Bがスタンバイモードにあり、出力バッファABF1,ABF4やBBF1,BBF4の出力値が「HIZ」である時、スタンバイモードにある追加通信回路Dの入力バッファDBF2,DBF3の出力端子と次段の回路との接続は遮断されている。したがって、追加通信回路Dの入力バッファDBF2,DBF3に与えられる信号レベルのドロップを防止する必要がなく、追加通信回路Dにおいて、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗を設ける必要がない。
【0041】
〔対電源用の静電保護ダイオードを省いた理由〕
図2(a)に追加通信回路Dの入力バッファDBF2,DBF3の入力端子と電源ラインとの間に静電保護ダイオードDD1,DD3を設けた例を示す。この場合、スタンバイ制御時には、レギュレータ回路RGDからのレギュレータ出力VOUTが電源レベル(VDD)とグランドレベル(0V)とを繰り返すので、レギュレータ出力VOUTがグランドレベルとなったとき、静電保護ダイオードDD1,DD3の経路(経路▲2▼)で電流が流れる。これに対し、図2(b)に示すように、対電源用の静電保護ダイオードDD1,DD3を省けば、経路▲2▼の電流が流れなくなる。
【0042】
図3(a),(b)にレギュレータ回路RGDの具体的な回路構成例を示す。このような構成のレギュレータ回路RGDの入力端子P4に、スタンバイモード時にはスタンバイ制御信号を与え、通信動作時には電源電圧VDDを与え、出力端子P1からレギュレータ出力VOUTを得る(図4参照)。レギュレータ回路RGDの端子P4とP2とはグランドラインに接続する。このレギュレータ回路RGDでは、動作OFF時にレギュレータ出力VOUTが内部の回路抵抗を介してグランドレベルとなる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明の通信回路(追加通信回路)によれば、スタンバイ制御信号を受けて、電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力を生成し、このレギュレータ出力を入力バッファおよび出力バッファに供給し、これらバッファのモードを不定としてそのバッファの出力端子と次段の回路との接続を遮断するレギュレータ回路を設け、入力バッファの入力端子とグランドラインとの間のプルダウン抵抗を省略し、また入力バッファの入力端子と電源ラインとの間の静電保護ダイオードを省略したことにより、外部回路を設けることなく、簡単な回路構成で、既存の通信回路間に通信動作に支障を与えることなく並列に接続することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通信回路(追加通信回路)の一実施の形態を既存の通信回路間に並列に接続した通信システムの一例を示す構成図である。
【図2】図1に示した追加通信回路において対電源用の静電保護ダイオードを省いた理由を説明する図である。
【図3】この追加通信回路に用いるレギュレータ回路の具体的な回路構成例を示す図である。
【図4】このレギュレータ回路の入出力端子の接続例を示す図である。
【図5】通信回路AとBとを用いた通信システムを示す図である。
【図6】この通信回路AとBとの通信システムに通信回路A,Bと同構成の通信回路Cを並列に接続した例を示す図である。
【図7】通信回路Cへの通信ラインの途中に外部回路を設けた例を示す図である。
【図8】この外部回路に対して想定されるスイッチ回路を例示する図である。
【符号の説明】
A,B…通信回路、D…追加通信回路、L1〜L4,L1’〜L4’…ライン、DBF1,DBF4…出力バッファ、DBF2,DBF3…入力バッファ、DD2,DD4…静電保護ダイオード、ICD…集積回路、RGD…レギュレータ回路。
【発明の属する技術分野】
この発明は、第1の通信回路と第2の通信回路との間に並列に接続される通信回路(追加通信回路)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に2つの通信回路を用いた通信システムを示す。同図において、Aは第1の通信回路、Bは第2の通信回路であり、第1の通信回路Aは通信用の半導体集積回路(以下、集積回路と呼ぶ)ICAとレギュレータ回路RGAとを有し、第2の通信回路Bは集積回路ICBとレギュレータ回路RGBとを有している。
【0003】
集積回路ICAは、そのインタフェース部に、CMOS(相補型金属酸化膜半導体:Complemetary Metal−oxido−semicondactor)型の出力バッファABF1,ABF4と、CMOS型の入力バッファABF2,ABF3とを有している。出力バッファABF1,ABF4は、トライステートバッファとされ、その出力値として「H」,「HIZ(中間値)」,「L」の3つの値を取り得る。
【0004】
入力バッファABF2には、入力端子と電源ラインとの間に第1の静電気対策用の保護ダイオード(以下、静電保護ダイオードと呼ぶ)AD1が接続されており、また、入力端子とグランドラインとの間に第2の静電保護ダイオードAD2が接続されている。静電保護ダイオードAD1は対電源用、静電保護ダイオードAD2は対グランド用として設けられている。また、入力バッファABF2には、入力端子とグランドラインとの間にプルダウン抵抗AR1が接続されている。入力バッファABF3に対しても、入力バッファABF2と同様にして、対電源用の静電保護ダイオードAD3,対グランド用の静電保護ダイオードAD4およびプルダウン抵抗AR2が設けられている。
【0005】
集積回路ICBも集積回路ICAと同様、そのインタフェース部に、CMOS型の出力バッファBBF1,BBF4と、CMOS型の入力バッファBBF2,BBF3とを有している。出力バッファBBF1,BBF4は、トライステートバッファとされ、その出力値として「H」,「HIZ」,「L」の3つの値を取り得る。
【0006】
入力バッファBBF2には、入力端子と電源ラインとの間に静電保護ダイオードBD1が接続されており、また、入力端子とグランドラインとの間に第2の静電保護ダイオードBD2が接続されている。静電保護ダイオードBD1は対電源用、静電保護ダイオードBD2は対グランド用として設けられている。また、入力バッファBBF2には、入力端子とグランドラインとの間にプルダウン抵抗BR1が接続されている。入力バッファBBF3に対しても、入力バッファBBF2と同様にして、対電源用の静電保護ダイオードBD3,対グランド用の静電保護ダイオードBD4およびプルダウン抵抗BR2が設けられている。
【0007】
通信回路Aにおいて、レギュレータ回路RGAは、電源電圧VDDを入力とし、集積回路ICAの出力バッファABF1,ABF4や入力バッファABF2,ABF3にレギュレータ出力VOUT(定電圧)を供給する。通信回路Bにおいて、レギュレータ回路RGBは、電源電圧VDDを入力とし、集積回路ICBの出力バッファBBF1,BBF4や入力バッファBBF2,BBF3にレギュレータ出力VOUT(定電圧)を供給する。
【0008】
〔通信回路A,Bともにスタンバイモードである場合〕
今、通信回路Aの出力バッファABF1,ABF4、通信回路Bの出力バッファBBF1,BBF4にそれぞれスタンバイ制御信号(ON/OFF信号)が与えられているものとする。この場合、通信回路Aの出力バッファABF1,ABF4の出力値、通信回路Bの出力バッファBBF1,BBF4の出力値は共に「HIZ」とされ、スタンバイモードとされる。
【0009】
この場合、通信回路Bでは、入力バッファBBF2,BBF3の入力端子とグランドラインとの間にプルダウン抵抗BR1,BR2が接続されており、このプルダウン抵抗BR1,BR2によって信号レベルのドロップが防止されるので、入力バッファBBF2,BBF3が不定モードになることがない。
【0010】
また、通信回路Aでも、入力バッファABF2,ABF3の入力端子とグランドラインとの間にプルダウン抵抗AR1,AR2が接続されており、このプルダウン抵抗AR1,AR2によって信号レベルのドロップが防止されるので、入力バッファABF2,ABF3が不定モードになることがない。なお、プルダウン抵抗AR1,AR2,BR1,BR2としては、通常、100kΩ以上の値のものが用いられる。
【0011】
〔通信回路A,B間の通信〕
通信回路Aから通信回路Bへ通信を行う場合、出力バッファABF1,ABF4へのスタンバイ制御信号を取り去り、通信モードとする。これにより、出力バッファABF1,ABF4は、前段の回路から送られてくる「H」,「L」レベルの変化で表される通信信号を出力する。この通信信号は、通信回路Bの入力バッファBBF2,BBF3に入力され、入力バッファBBF2,BBF3の出力端子に接続された次段の回路へ送られる。
【0012】
通信回路Bから通信回路Aへ通信を行う場合、出力バッファBBF1,BBF4へのスタンバイ制御信号を取り去り、通信モードとする。出力バッファBBF1,BBF4は、前段の回路から送られてくる「H」,「L」レベルの変化で表される通信信号を出力する。この通信信号は、通信回路Aの入力バッファABF2,ABF3に入力され、入力バッファABF2,ABF3の出力端子に接続された次段の回路へ送られる。
【0013】
〔通信回路の追加〕
図5に示した通信回路Aと通信回路Bとを接続したシステムを既存の通信システムとした場合、この既存の通信システムに対して追加する形で別の通信回路を並列に接続することがある。図6に通信回路Aと通信回路Bとの間に通信回路(追加通信回路)Cを並列に接続した例を示す。
【0014】
この例では、通信回路Cを通信回路A,Bと同構成とし、通信回路Aの出力バッファABF1と通信回路Bの入力バッファBBF2との接続ラインL1にラインL1’を介して通信回路Cの入力バッファCBF2を接続し、通信回路Aの入力バッファABF2と通信回路Bの出力バッファBBF1との接続ラインL2にラインL2’を介して通信回路Cの出力バッファCBF1を接続し、通信回路Aの入力バッファABF3と通信回路Bの出力バッファBBF4との接続ラインL3にラインL3’を介して通信回路Cの出力バッファCBF4を接続し、通信回路Aの出力バッファABF4と通信回路Bの入力バッファBBF3との接続ラインL4にラインL4’を介して通信回路Cの入力バッファCBF3を接続している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この通信回路Cを追加した通信システムでは、例えば、通信回路Aの出力バッファABF1から通信回路Bの入力バッファBBF2へ通信信号を送る場合(通信回路B,Cはスタンバイモード)、ラインL1を介して通信回路Bのプルダウン抵抗BR1に流れる電流(経路▲1▼−Bの電流)と、ラインL1’を介して通信回路Cのプルダウン抵抗CR1に流れる電流(経路▲1▼−Cの電流)との2経路の電流が生じ、ラインL1上のDCバイアス電圧に変化をもたらすため、信号レベルが確保できない状況に陥ることがあった。
【0016】
すなわち、通信回路Aの出力バッファABF1に対するプルダウン抵抗が既存の通信回路Bのプルダウン抵抗BR1と通信回路Cのプルダウン抵抗CR1との並列抵抗値となり、抵抗値が下がることによって出力バッファABF1からの出力電流(経路▲1▼の電流)が増加するため、通信回路Bの入力バッファBBF2への信号レベルが低下し、通信動作が不安定となる。
【0017】
通信回路Aの出力バッファABF4から通信回路Bの入力バッファBBF3へ通信信号を送る場合にも、上述と同様にして、ラインL4を介して通信回路Bのプルダウン抵抗BR2に流れる電流(経路▲1▼−Bの電流)と、ラインL4’を介して通信回路Cのプルダウン抵抗CR1に流れる電流(経路▲1▼−C)との2経路の電流が生じ、ラインL4上のDCバイアス電圧に変化をもたらす。
【0018】
このような不具合を解消するために、図7に示した通信システムでは、ラインL1’〜L4’の途中に外部回路100を設け、また通信回路Cへのスタンバイ制御信号を外部回路100へ分岐して与え、通信回路Cがスタンバイモードにある場合にはラインL1〜L4と通信回路Cとの接続を遮断するようにしている。
【0019】
外部回路100としては、図8(a)に示すようなスイッチ回路101を想定しており、通信回路Cをスタンバイモードとしているときは、すなわち通信回路Cの出力バッファCBF1,CBF4にスタンバイ制御信号を与えているときは、外部回路100におけるスイッチ回路101をOFFとし、ラインL1〜L4と通信回路Cとの接続を遮断するようにする。図8(b)にスイッチ回路101をCMOSトランジスタ(Nチャネル、Pチャネル)101−1とインバータ101−2とを用いて具現化した例を示す。
【0020】
これにより、通信回路Aの出力バッファABF1から通信回路Bの入力バッファBBF2へ通信信号を送る場合にラインL1’を介して通信回路Cのプルダウン抵抗CR1に流れようとする電流が遮断され、また、通信回路Aの出力バッファABF4から通信回路Bの入力バッファBBF4へ通信信号を送る場合にラインL4’を介して通信回路Cのプルダウン抵抗CR2に流れようとする電流が遮断され、ラインL1,L4上のDCバイアス電圧の変化が防がれる。
【0021】
しかしながら、この通信システムでは、外部回路100を別個に設ける必要があり、コストがアップする。また、通信回路Cを利用しない場合は、スタンバイ制御信号によってラインL1’〜L4’を切り離す必要があり、回路構成が複雑となる。
【0022】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、外部回路を設けることなく、簡単な回路構成で、既存の通信回路間に通信動作に支障を与えることなく並列に接続することのできる通信回路(追加通信回路)を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の通信回路(追加通信回路)は、入力バッファと、出力バッファと、入力バッファの入力端子とグランドラインとの間に接続された静電保護ダイオードと、スタンバイ制御信号を受けて、電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力を生成し、このレギュレータ出力を入力バッファおよび出力バッファに供給し、これらバッファのモードを不定としてそのバッファの出力端子と次段の回路との接続を遮断するレギュレータ回路とを備えた構成としたものである。
【0024】
この発明によれば、第1の通信回路と第2の通信回路との間に並列に接続し、スタンバイモードとして待機している場合、電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力が入力バッファおよび出力バッファに供給され、これらバッファのモードが不定となって、そのバッファの出力端子と次段の回路との接続が遮断される。
【0025】
この場合、入力バッファと次段の回路との接続が遮断されることから、第1の通信回路および第2の通信回路の出力バッファの出力値が「HIZ」の時、入力バッファに与えられる信号レベルのドロップを防止する必要はなく、入力バッファの入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗を設ける必要がない。すなわち、本発明の通信回路(追加通信回路)では、入力バッファの入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗を設けておらず、プルダウン抵抗を介して流れようとする電流は生じない。
【0026】
また、本発明の通信回路(追加通信回路)では、入力バッファの入力端子と電源ラインとの間には静電保護ダイオードを設けておらず、レギュレータ回路のレギュレータ出力がグランドレベルとなっても、この静電保護ダイオードを介して流れようとする電流は生じない。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明に係る通信回路(追加通信回路)の一実施の形態を既存の通信回路間に並列に接続した通信システムの一例を示す構成図である。同図において、図6と同一符号は同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。なお、従来の追加通信回路Cと区別するために、本実施の形態の追加通信回路をDとする。
【0028】
この通信システムにおいて、追加通信回路Dの集積回路ICDは、そのインターフェイス部に、CMOS型の出力バッファDBF1,DBF4と、CMOS型の入力バッファDBF2,DBF3とを有している。
【0029】
従来の追加通信回路Cでは、出力バッファCBF1,CBF4としてトライステートバッファを使用していたが、本実施の形態の追加通信回路Dでは、出力バッファDBF1,DBF4としては通常の2出力タイプ(「H」/「L」)のバッファを使用している。
【0030】
また、従来の追加通信回路Cでは、入力バッファCBF2,CBF3の入力端子とグランドラインとの間にプルダウン抵抗CR1,CR2を接続していたが、本実施の形態の追加通信回路Dでは、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗を接続していない。
【0031】
また、従来の追加通信回路Cでは、入力バッファCBF2,CBF3の入力端子と電源ラインとの間に静電保護ダイオードCD1,CD3を接続していたが、本実施の形態の追加通信回路Dでは、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子と電源ラインとの間には静電保護ダイオードを接続していない。すなわち、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子とグランドラインとの間に静電保護ダイオードCD2,CD4を接続しているのみで、対電源用の静電保護ダイオードは設けていない。
【0032】
また、従来の追加通信回路Cでは、レギュレータ回路RGCから集積回路ICCにレギュレータ出力VOUTとして定電圧を常に供給するようにしたが、本実施の形態の追加通信回路Dでは、スタンバイ制御信号をレギュレータ回路RGDへ与えるようにし、通信動作時にはレギュレータ回路RGDから集積回路ICDにレギュレータ出力VOUTとして定電圧を与えるが、スタンバイ制御時には、スタンバイ制御信号のON/OFFに応じて電源レベルとグランドレベル(0V)とを繰り返すレギュレータ出力VOUTを集積回路ICDに与えるようにしている。
【0033】
〔通信回路Aから通信回路Bへの通信〕
今、この追加通信回路Dを接続した通信システムにおいて、例えば、追加通信回路Dをスタンバイモードとし、通信回路Aの出力バッファABF1から通信回路Bの入力バッファBBF2へ通信信号を送るものとする。
【0034】
この場合、追加通信回路Dのレギュレータ回路RGDは、入力されるスタンバイ制御信号のON/OFFに応じて電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力VOUTを生成し、集積回路ICDへ供給する。このレギュレータ出力は、集積回路ICDの入力バッファDBF2,DBF3および出力バッファDBF1,DBF4に供給される。
【0035】
このレギュレータ回路RGDからの電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力VOUTを受けて、入力バッファDBF2,DBF3および出力バッファDBF1,DBF4のモードが不定となり、入力バッファDBF2,DBF3および出力バッファDBF1,DBF4の出力端子と次段の回路との接続が遮断される。すなわち、入力バッファDBF2,DBF3の出力端子と集積回路ICD内の次段の回路との接続が遮断され、出力バッファDBF1,DBF4と通信回路Aにおける入力バッファABF2,ABF3との接続が遮断される。
【0036】
このような状態で、通信回路Aの出力バッファABF1から通信回路Bの入力バッファBBF2へ通信信号が送られる。この通信信号の送信中、図6に示した従来の通信システムでは、ラインL1を介して通信回路Bのプルダウン抵抗BR1に流れる電流(経路▲1▼−Bの電流)と、ラインL1’を介して通信回路Cのプルダウン抵抗CR1に流れる電流(経路▲1▼−Cの電流)との2経路の電流が生じていた。
【0037】
これに対し、図1の通信システムでは、ラインL1を介して通信回路Bのプルダウン抵抗BR1に流れる経路▲1▼−Bの電流は生じるが、追加通信回路Dでは入力バッファDBF2の入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗が設けられていないので、ラインL1’を介して流れようとする経路▲1▼−Dの電流は生じない。これにより、通信回路Bの入力バッファBF2への信号レベルが低下することがなく、安定した通信動作を得ることができる。
【0038】
通信回路Aの出力バッファABF4から通信回路Bの入力バッファBBF3へ通信信号を送る場合にも、上述と同様にして、ラインL4を介して通信回路Bのプルダウン抵抗BR2に流れる電流は生じるが、ラインL4’を介して流れようとする経路▲1▼−Dの電流は生じない。これにより、通信回路Bの入力バッファBF3への信号レベルが低下することがなく、安定した通信動作を得ることができる。
【0039】
なお、スタンバイ制御時には、レギュレータ回路RGDから電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力VOUTを集積回路ICDに供給するので、集積回路ICDでの消費電力が軽減されるという効果も得られる。
また、通信動作時には、レギュレータ回路RGDから定電圧がレギュレータ出力VOUTとして集積回路ICDに供給されるので、追加通信回路Cから通信回路AやBへの通信が支障なく行われる。
【0040】
〔入力バッファDBF2,DBF3に対するプルダウン抵抗が不要である理由〕通信回路Aや通信回路Bがスタンバイモードにあり、出力バッファABF1,ABF4やBBF1,BBF4の出力値が「HIZ」である時、スタンバイモードにある追加通信回路Dの入力バッファDBF2,DBF3の出力端子と次段の回路との接続は遮断されている。したがって、追加通信回路Dの入力バッファDBF2,DBF3に与えられる信号レベルのドロップを防止する必要がなく、追加通信回路Dにおいて、入力バッファDBF2,DBF3の入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗を設ける必要がない。
【0041】
〔対電源用の静電保護ダイオードを省いた理由〕
図2(a)に追加通信回路Dの入力バッファDBF2,DBF3の入力端子と電源ラインとの間に静電保護ダイオードDD1,DD3を設けた例を示す。この場合、スタンバイ制御時には、レギュレータ回路RGDからのレギュレータ出力VOUTが電源レベル(VDD)とグランドレベル(0V)とを繰り返すので、レギュレータ出力VOUTがグランドレベルとなったとき、静電保護ダイオードDD1,DD3の経路(経路▲2▼)で電流が流れる。これに対し、図2(b)に示すように、対電源用の静電保護ダイオードDD1,DD3を省けば、経路▲2▼の電流が流れなくなる。
【0042】
図3(a),(b)にレギュレータ回路RGDの具体的な回路構成例を示す。このような構成のレギュレータ回路RGDの入力端子P4に、スタンバイモード時にはスタンバイ制御信号を与え、通信動作時には電源電圧VDDを与え、出力端子P1からレギュレータ出力VOUTを得る(図4参照)。レギュレータ回路RGDの端子P4とP2とはグランドラインに接続する。このレギュレータ回路RGDでは、動作OFF時にレギュレータ出力VOUTが内部の回路抵抗を介してグランドレベルとなる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように本発明の通信回路(追加通信回路)によれば、スタンバイ制御信号を受けて、電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力を生成し、このレギュレータ出力を入力バッファおよび出力バッファに供給し、これらバッファのモードを不定としてそのバッファの出力端子と次段の回路との接続を遮断するレギュレータ回路を設け、入力バッファの入力端子とグランドラインとの間のプルダウン抵抗を省略し、また入力バッファの入力端子と電源ラインとの間の静電保護ダイオードを省略したことにより、外部回路を設けることなく、簡単な回路構成で、既存の通信回路間に通信動作に支障を与えることなく並列に接続することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る通信回路(追加通信回路)の一実施の形態を既存の通信回路間に並列に接続した通信システムの一例を示す構成図である。
【図2】図1に示した追加通信回路において対電源用の静電保護ダイオードを省いた理由を説明する図である。
【図3】この追加通信回路に用いるレギュレータ回路の具体的な回路構成例を示す図である。
【図4】このレギュレータ回路の入出力端子の接続例を示す図である。
【図5】通信回路AとBとを用いた通信システムを示す図である。
【図6】この通信回路AとBとの通信システムに通信回路A,Bと同構成の通信回路Cを並列に接続した例を示す図である。
【図7】通信回路Cへの通信ラインの途中に外部回路を設けた例を示す図である。
【図8】この外部回路に対して想定されるスイッチ回路を例示する図である。
【符号の説明】
A,B…通信回路、D…追加通信回路、L1〜L4,L1’〜L4’…ライン、DBF1,DBF4…出力バッファ、DBF2,DBF3…入力バッファ、DD2,DD4…静電保護ダイオード、ICD…集積回路、RGD…レギュレータ回路。
Claims (1)
- 第1の通信回路と第2の通信回路との間に並列に接続される通信回路において、
入力バッファと、
出力バッファと、
前記入力バッファの入力端子とグランドラインとの間に接続された静電気対策用の保護ダイオードと、
スタンバイ制御信号を受けて、電源レベルとグランドレベルとを繰り返すレギュレータ出力を生成し、このレギュレータ出力を前記入力バッファおよび前記出力バッファに供給し、これらバッファのモードを不定としてそのバッファの出力端子と次段の回路との接続を遮断するレギュレータ回路とを備え、
前記入力バッファの入力端子とグランドラインとの間にはプルダウン抵抗が接続されておらず、
前記入力バッファの入力端子と電源ラインとの間には静電気対策用の保護ダイオードが接続されていない
ことを特徴とする通信回路。
Priority Applications (1)
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JP2002253832A JP2004096348A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 通信回路 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6297758B1 (ja) * | 2015-01-27 | 2018-03-20 | クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated | 自己検出型逆電流保護スイッチ |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002253832A patent/JP2004096348A/ja active Pending
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