JP2004095618A - 半導体製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体製品の製造方法に関し、レジスト再生処理を経ることで生じるパターン寸法変動の低減を可能にし、リソグラフィ工程に於ける転写パターンの完成寸法を本来の目的寸法に近付け,また、ロット間或いはロット内に於ける半導体装置毎の寸法ばらつきを小さくする。
【解決手段】基板上に塗布したレジストに半導体装置形成の為の形状パターンを転写するリソグラフィ工程に於いて、基板を処理した際の設定露光量を取得する工程、基板に転写されたパターンの寸法を測定した結果を取得する工程、設定露光量及び寸法測定結果から製品が本来目的とする寸法を実現する為に設定すべき露光量を算出する工程、基板がレジスト再生処理を経たものであるか否かを判断する工程、レジスト再生処理を経たものであるか否かに応じて予め設定した露光量を先に算出された露光量から加減算する工程を含んでいる。
【選択図】 図1
【解決手段】基板上に塗布したレジストに半導体装置形成の為の形状パターンを転写するリソグラフィ工程に於いて、基板を処理した際の設定露光量を取得する工程、基板に転写されたパターンの寸法を測定した結果を取得する工程、設定露光量及び寸法測定結果から製品が本来目的とする寸法を実現する為に設定すべき露光量を算出する工程、基板がレジスト再生処理を経たものであるか否かを判断する工程、レジスト再生処理を経たものであるか否かに応じて予め設定した露光量を先に算出された露光量から加減算する工程を含んでいる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光量を補正する手段を改善したリソグラフィ工程が含まれる半導体製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体装置を製造する場合に適用されるリソグラフィ工程では、基板に形成したレジスト膜に半導体装置に必要なパターンを露光し、且つ、現像を行うことで、前記パターンを半導体製品上に転写するようにしている。
【0003】
その場合、前記パターンの寸法は、半導体装置の性能、或いは、信頼性を左右するので、リソグラフィ工程に於いて、該寸法を所望の目的値に合わせる為、露光量を制御することが極めて重要な手段となる。
【0004】
通常、前記露光量の制御を行う場合、処理に先立ち、ロットの一部或いは全部の基板を利用して先行処理を行い、基板上に形成したパターンの寸法を測定し、その測定結果と前記寸法の目的値とを比較し、ロット本体処理の為の露光量を決定するようにしている。
【0005】
前記先行処理の寸法測定結果からロット本体処理の為の露光量を決定する手法としては、経験的、或いは、実験的に得られたデータから、露光量の変更に対する露光処理後のパターン完成寸法の関係を予め求めておき、その関係を基に適正な露光量を予測している。
【0006】
前記先行処理された基板については、通常、レジストに転写されたパターンを一旦除去するレジスト再生を行った後にロット本体の処理で節制される露光量と同じ露光量を適用して再度の処理を行うことが多い。
【0007】
前記した方法以外には、既に処理したロットの処理実績データに於ける設定露光量とパターン測定結果とを基にして、完成パターンの寸法を所望の目的値に一致させるのに最適と考えられる露光量を算出し、ロット本体を処理する際の設定露光量とする方法もある。
【0008】
前記何れの処理形態に於いても、ロット本体の処理の結果、形成されたパターンの寸法が所望の目的寸法と異なり、予め定めた規格値から外れるような結果となった場合、全基板のレジスト・パターンを除去し、前記パターン寸法測定結果から再度算出し直した露光量を設定し、前記同様の処理を行うようにしている。
【0009】
本発明者等の知見に依れば、前記説明した処理のうち、レジスト・パターンの除去工程であるレジスト再生に於いて、その発生は不定期ではあるが、レジスト再生を経た基板に再度露光処理を施した場合の完成パターン寸法は、レジスト再生を経ない基板に同一露光量で露光処理を施した際の完成パターン寸法と異なる場合がある旨の現象が確認されている。
【0010】
この現象は、基板がレジスト再生工程を経ることに起因して生じているものと考えられ、その為、ロット本体の処理に先立って実施した露光処理時の設定露光量、或いは、その結果のパターン完成寸法を基にして算出した露光量を設定してロット本体の処理を行っても、レジスト再生処理を経た半導体製品については目的寸法が得られない旨の問題が発生している。
【0011】
また、同様の現象が原因となって、同一ロットの中にレジスト再生を経た基板とレジスト再生を経ていない基板とが混在している場合、これらを同一の露光量で露光処理すると、レジスト再生履歴が異なる基板の間で完成パターン寸法が異なる旨の問題も発生している。
【0012】
更にまた、前記したような完成されたレジスト・パターン寸法の変動は各基板がレジスト再生処理を経た回数に依っても変動量が相違することも判っている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、レジスト再生処理を経ることで生じるパターン寸法変動を低減することを可能にし、リソグラフィ工程に於ける転写パターンの完成寸法を本来の目的寸法に近付けることができるように、また、ロット間或いはロット内に於ける半導体装置毎の寸法ばらつきを小さく抑えようとする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る半導体製品の製造方法に於いては、処理対象となるロットの処理露光量の決定に際し、そのロットがレジスト再生処理を受けたロットであるか、或いは、レジスト再生処理を受けたことがないロットであるかの再生処理履歴情報を取得し、レジスト再生を経たロットであるか否かの判断を行い、レジスト再生を経たロットであった場合は、さきに再生処理履歴の有無を考慮せずに決定した露光量に対して予め設定された露光量を更に加算、或いは、減算した露光量を前記ロットに対する処理露光量として決定する。
【0015】
再生履歴がある場合に加減算する露光量は、既に実施した実験の結果や経験から再生処理の有無に依るパターン寸法の変動を見積もり、そのパターン寸法の変動分を前記露光プロセスに於ける露光量変化量に換算した値として予め算出しておいたものを利用すれば良い。
【0016】
また、対象となる基板の品種や処理工程が異なる毎にレジスト再生履歴の有無にたいする露光後のレジスト・パターン寸法の変動量も異なる為、レジスト再生履歴の有無に応じて加減算する露光量について、それ等基板の品種や処理工程毎に別々の値を設定できるようにしておけば、補正の精度を向上するのに有効である。
【0017】
更に、ロット内の個々の基板単位で、上記レジスト再生履歴の有無を判断し、それ等について個別に露光量の加減算を行う旨の方法を適用することもでき、これは、リソグラフィ工程のロット処理に際し、処理条件確認の為に該ロット中の一部の基板のみを先行して処理するパイロット処理が広く実施されているところであるが、そのパイロット処理のみが再生処理となる事態が発生した場合に対処することができ、また、その他の要因で、ロット内の一部の半導体製品に対してのみ再生処理が生じた場合にも幅広く対応することができる。
【0018】
更にまた、単にレジスト再生を経たロットか、或いは、基板であるかの判断のみでなく、個々に何回のレジスト再生を経たのかが判る情報を取得し、そのレジスト再生回数に応じ、それぞれに予め設定された露光量を加減算することに依って、レジスト再生回数に依存して完成パターンの寸法変動量が異なる場合にも対応することができる。
【0019】
更にまた、さきに、レジスト再生履歴に応じて加減算する露光量は、過去のロット処理情報や実験データから予め計算して求めたものを用意しておく旨を説明したが、過去のロット処理実績データから、それ等の露光量を算出する手段を備えることで、ロット処理実績に基づいた補正を行うことができ、補正精度を高めることが可能となる。
【0020】
その過去のロット処理実績データから補正露光量を算出する仕組みを個々のロット処理データが収集される度に自動的に実施するようにしておくことで、常に最新のロット処理実績に基づいた補正値を次のロット処理へ適用することが可能となる。但し、処理されるロット数が膨大である工場などでは、ロット処理結果データが収集される度に自動計算を実行した場合、該計算を実行する計算機の負荷が大きくなる旨の問題も発生するので、このような自動計算を予め定めた時間周期で定期的に実行する方法を採ることも有効である。
【0021】
前記手段を採ることに依り、基板がレジスト再生処理を経ることで発生するパターン寸法変動を低減することができるので、リソグラフィ工程に於ける転写パターンの完成寸法を目的とする寸法に近付けるのに有効であり、従って、ロット間或いはロット内の基板毎の寸法ばらつきも小さく抑えることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は一般的なリソグラフィ工程に於ける基板ロットを処理する場合の流れを示す図であり、また、図5は処理露光量決定ルーチンの大まかな処理の流れを示す図で、(A)は本発明に於ける流れを示す図、(B)は参考の為に挙げた従来の技術に於ける流れを示す図である。
【0023】
図1の中で、基板にパターンを焼き付ける露光工程はステップS04であるパイロット露光、及び、ステップS15のロット本体露光であり、これ等の露光に際しては、その処理露光量を予め決めて設定する必要がある。
【0024】
この処理露光量を設定する手法として、本発明では、図5(A)に示した流れで定めるようにしていて、この手法は、図5(B)に示した従来の技術に於ける処理露光量設定の流れに対し、ステップS203及びS204の二つのステップが加わった流れになっている。
【0025】
図5(A)のステップS201で取得された過去のロット処理実績データに基づき、ステップS202に於いて、これから処理しようとするロット本体或いはパイロットの処理露光量を算出する。
【0026】
ステップS202での露光量の算出方法では、これから露光処理しようとしている基板ロットとは異なる過去のロット処理実績データに見られる傾向から予測される最適露光量を算出する方法などがあり、また、先行パイロット処理後のロット本体処理に於いては、その先行パイロットの処理結果情報を基に露光量を算出して決定する方法など様々な方法が知られているが、その詳細は、本発明の実施に直接の関係はない。
【0027】
次に、ステップS203に於いて、これから処理しようとする基板ロットがレジスト再生処理を経たものであるかどうかが判断できるSi履歴データを取得して、該基板ロットが既にレジスト再生処理を経たものであった旨が判断された場合、ステップS204において予め決められた露光量を先に算出した露光量に更に加算する。
【0028】
ステップS205に於いて、前記のようにして算出された露光量を対象とする処理ロットに設定する露光量として作業者に指示するか、或いは、その露光量を露光装置に設定する。
【0029】
ステップS204に於いては、これまでの実験結果や経験から加減算分の露光量を任意に決めた値に設定しておくか、或いは、これまでに処理された基板ロットの処理実績から決めるものとする。
【0030】
その決定方法として、過去の基板ロットの処理結果データとして、例えば図2に見られるようなデータが得られたとして説明する。
【0031】
図2はレジスト再生処理を受けたロット及び受けないロットに於けるレジスト・パターンの完成寸法の変動を表す線図であり、電子線露光を用いたリソグラフィ工程に於けるロット処理結果を示し、具体的には、寸法管理点に於けるレジスト・パターン寸法のロット内平均値の推移である。
【0032】
図2に見られる一連のロットは全て同じ露光量14〔μC/cm2 〕で露光されていて、これ等のロットのレジスト再生処理履歴を参照することで、これ等のロット・データをレジスト再生処理を経ずに処理されたロット・データと、レジスト再生処理を経た後に処理されたロット・データとにグループ分けして、レジスト再生処理を経ずに処理されたロットのレジスト・パターン寸法の平均Wm と、レジスト再生処理を経た後に処理されたロットのレジスト・パターン寸法の平均Wrsとを算出する。
【0033】
図2の例では、Wm が凡そ79〔nm〕であるのに対し、Wrsは凡そ72〔nm〕になっている。
【0034】
レジスト再生処理を経ることに依って生じる基板ロットの平均的なパターン寸法変動量dWrsは、これ等平均値の差を採って、dWrs=Wrs−Wm 、で表すことができ、ここで示す例では−7〔nm〕となる。
【0035】
次に、露光量の変動に対する完成レジスト・パターン寸法の変動との関係を用い、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量dWrsに相当する露光量の変動量を算出する。
【0036】
ここでは、露光量の変動に対する完成レジスト・パターン寸法の変動の関係を図6に見られるような線形関係と仮定した場合について説明する。
【0037】
図6は一般的な露光量変動に対するレジスト・パターン寸法変動の関係を模式的に表した線図であり、図示された個々の点は、予め実験などに依って露光量を様々に変化させて露光処理した時の完成パターン寸法測定結果のデータを収集して得たものであり、横軸に設定露光量を、そして、縦軸に完成パターン寸法をそれぞれ採ってある。
【0038】
図示された各点を線形に最小2条近似するなどして、露光量Dと完成パターン寸法Wとの関係式を、W=C* D+W0、として求めることができる。尚、Cは直線の傾きを表す比例係数、W0はパターン寸法軸の切片である。
【0039】
前記関係式から、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量dWrsに相当する露光量の変動量dDrsは、dDrs=dWrs/C、として換算することができる。
【0040】
ここで示した例では、DとWとの関係式を、W=5* D+8、として求めたものとすると、パターン寸法変動量dWrsに相当する露光量の変動量dDrsの関係は、dDrs=dWrs/5、と定義することができる。
【0041】
従って、先に経験的に求められている、dWrs=−7〔nm〕、を適用することで、dDrs=−1.4〔μC/cm2 〕を得ることができる。即ち、レジスト再生処理を経ていないロットに比較して、再生処理を経たロットに露光した場合、同じ露光量で露光を行ったとしてもパターン寸法は変動し、露光量に換算して−1.4〔μC/cm2 〕だけ見掛け上の感動が変動したことを示している。
【0042】
このようにして算出された変動量dDrsをステップS204に於ける減算分の露光量として設定しておき、再生処理を経たロットが露光に仕掛かった場合、この見掛け上の露光量変動分であるdDrs=−1.4〔μC/cm2 〕を差し引いた値を処理露光量として設定する。尚、ここでは、露光量と完成パターン寸法との関係を線形として説明したが、それ以外の関係式を定義した場合に於いても、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値を算出し設定することで、本発明が実現しようとする露光量補正は同様に可能であり、露光量と完成パターン寸法との関係を線形に限定するものではない。
【0043】
実施の形態2
実施の形態1で説明した方法に於いて、図5(A)のステップS204に於いて加減算するレジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の概算値は予め算出しておくが、この算出に於いて、計算対象とする過去のロット・データを同一品種の同一工程に於ける基板ロットのみに限定する。
【0044】
即ち、リソグラフィ工程に於いて処理される基板のそれぞれの品種及び工程毎に、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値を予め計算しておき、それ等の算出結果をデータ・テーブルとして保持しておくものとする。
【0045】
基板ロットの処理に於いては、該基板ロットの品種と工程を判別し、その品種と工程とが共に一致するデータを先の予め用意しておいたデータ・テーブルから参照し、その値を加減算する。
【0046】
図3は同一ロット内であってもレジスト再生処理を経たものだけがパターン寸法変動を起こしていることを表す線図であり、段落番号〔0011〕に記述した現象を具体的に示している。この図3に見られる問題は、次ぎに説明する実施の形態3に依って解消することができる。
【0047】
実施の形態3
実施の形態1或いは2で説明した方法に於いて、図5(A)のステップS203の当該ロットの再生処理履歴情報を取得する。
【0048】
個々の基板毎の再生履歴を知り得る情報を含む情報とは、ロット内の基板毎の再生処理回数データや、或いは、個々の基板単位でのレジスト再生処理を含む処理履歴データなどを含む情報を意味する。
【0049】
これ等の情報を基にして、ステップS204に於いて個々の基板毎にレジスト再生処理を経ているか経ていないかを判別し、実施の形態1で説明したレジストの再生処理を経ることで発生したパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値の加減算と同様の処理を個々の半導体製品毎に適用し、そして、これ等個々の基板毎に設定あるいは指示された露光量を用いて各基板にパターン転写露光を実施する。
【0050】
実施の形態4
実施の形態3乃至4で説明した方法に於いて、図5(A)のステップS203に於いて情報を取得する際、当該ロット、又は、個々の基板に対するレジスト再生履歴情報が単にレジスト再生処理を経たか経ていないかの判断のみでなく、レジスト再生処理を何回経ているかについても知ることができる情報を取得する。
【0051】
ステップS204に於いて、これから処理しようとしているロット或いは個々の基板がレジスト再生処理を経た回数に応じ、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値の加減算を実施する。
【0052】
図4はレジスト再生処理回数に応じてパターン寸法変動量が異なることを例示する線図であり、段落番号〔0054〕の記述を参照すると理解が容易である。
【0053】
図4に於いては、レジスト再生処理回数に応じて実際に取得されたデータ(黒丸点)に対し、破線で示す近似曲線を定義してあり、レジスト再生処理回数に対する完成パターン寸法変動量の関係を知得することができ、また、図4から看取されるところと図6について説明した露光量変動とパターン寸法との関係を用いることで、レジスト再生処理回数と露光量変動換算値の関係も導出することができる。
【0054】
実施の形態4の方法の場合、予めレジスト再生処理回数毎に、それぞれの回数だけレジスト再生処理を経ることで生じるパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値を算出し、それ等をデータ・テーブルとして用意しておくか、或いは、レジスト再生処理を経た回数Nrsと、そして、Nrs回のレジスト再生処理を経ることで生じるパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値dDrsとの関係式、dDrs=Frs(Nrs)、を予め求めておき、その関係式からパターン寸法変動量に相当する露光量変動量を算出する方法を適用することもできる。尚、この関係式は、必要に応じ、品種毎及び工程毎に求めておくものである。
【0055】
実施の形態5
実施の形態1に於いて説明した手順、即ち、過去の基板処理に関する実績データから、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値を求める手順を計算機上で実行可能なプログラムとして作成し、更に、この計算結果を品種、工程、再生回数などを条件に検索可能なデータ・テーブル上に自動的に格納する工程も前記計算機プログラム中に含めるものとする。
【0056】
前記のようにしておけば、当該プログラムを実行することでレジスト再生処理を経ることで生じるパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値を自動的に計算し、それ等の値をテーブルに格納することができる。
【0057】
リソグラフィ工程に於いて、基板ロットの処理が終了するか、或いは、それぞれの基板のパターン寸法の測定が終了する度に前記プログラムを起動するようにしておけば、常に最新の基板処理結果を該データ・テーブルに反映させることができる。
【0058】
また、予め決めておいた一定時間間隔で該プログラムを実行することも可能であり、基板の処理量が多い工場などでは、ロット処理毎に計算するに比較して計算機に加わる付加を軽減することができる旨の利点がある。
【0059】
本発明に於いては、前記説明した実施の形態を含め、多くの形態で実施することができ、以下、それを付記として例示する。
【0060】
(付記1)
基板上に塗布したレジストに半導体装置形成の為の形状パターンを転写するリソグラフィ工程に於いて、
該基板を処理した際の設定露光量を取得する工程と、
該基板に転写されたパターンの寸法を測定した結果を取得する工程と、
該設定露光量及び該寸法測定結果から該基板が本来目的とする寸法を実現する為に設定すべき露光量を算出する工程と、
該基板がレジスト再生処理を経たものであるか否かを判断する工程と、
レジスト再生処理を経たものであるか否かに応じて予め設定した露光量を先に算出された露光量から加減算する工程と
が含まれてなることを特徴とする半導体製品の製造方法。
(付記2)
基板の種別、レジスト再生処理方法の種別、使用するレジストの種別について判断できる情報を基にして、これ等の情報を前記種別に応じて個別に補正値の設定が可能であること
を特徴とする(付記1)記載の半導体製品の製造方法。
【0061】
(付記3)
レジスト再生処理を経たものであるか否かに応じて露光量に加減算する露光量に基板の品種毎及び工程毎に個別の値を設定可能にしてあること
を特徴とする(付記1)記載の半導体製品の製造方法。
【0062】
(付記4)
単一のロットに於いても個々の基板について、それ等がレジスト再生処理を経たものか否かに応じ、個々の基板に対して個別に露光量を加減算可能にしてあること
を特徴とする(付記1)記載の半導体製品の製造方法。
【0063】
(付記5)
レジスト再生処理を経た回数を取得する工程と、
レジスト再生処理を経た回数に応じて予め設定した露光量をさきに算出した露光量から加減算する工程と
が含まれてなることを特徴とする(付記1)記載の半導体製品の製造方法。
【0064】
(付記6)
レジスト再生処理の有無に応じて露光量に加減算する露光量を過去のロット処理結果データから算出する工程
が含まれてなることを特徴とする(付記1)記載の半導体製品の製造方法。
【0065】
(付記7)
基板が処理され、その測定が行われる度毎に、レジスト再生処理の有無に応じて露光量に加減算する露光量を過去のロット処理結果データから自動的に算出する工程
が含まれてなることを特徴とする(付記6)記載の半導体製品の製造方法。
【0066】
(付記8)
レジスト再生処理の有無に応じて露光量に加減算する露光量を過去のロット処理結果データから算出する工程が予め設定した時間間隔で自動的に実行されること
を特徴とする(付記6)記載の半導体製品の製造方法。
【0067】
【発明の効果】
本発明に依る半導体製品の製造方法では、基板上に塗布したレジストに半導体装置形成の為の形状パターンを転写するリソグラフィ工程に於いて、該基板を処理した際の設定露光量を取得する工程と、該基板に転写されたパターンの寸法を測定した結果を取得する工程と、該設定露光量及び該寸法測定結果から製品が本来目的とする寸法を実現する為に設定すべき露光量を算出する工程と、該基板がレジスト再生処理を経たものであるか否かを判断する工程と、レジスト再生処理を経たものであるか否かに応じて予め設定した露光量を先に算出された露光量から加減算する工程とが含まれてなることが基本になっている。
【0068】
前記構成を採ることに依り、基板がレジスト再生処理を経ることで発生するパターン寸法変動を低減することができるので、リソグラフィ工程に於ける転写パターンの完成寸法を目的とする寸法に近付けるのに有効であり、従って、ロット間或いはロット内の基板毎の寸法ばらつきも小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なリソグラフィ工程に於ける基板ロットを処理する場合の流れを示す図である。
【図2】レジスト再生処理を受けたロット及び受けないロットに於けるレジスト・パターンの完成寸法の変動を表す線図である。
【図3】同一ロット内でレジスト再生処理を経た半導体製品と経ない基板が混在する場合の各基板に於けるレジスト・パターンの完成寸法を示す線図である。
【図4】同一基板に対してレジスト再生処理と露光とを繰り返した場合のレジスト再生処理回数とレジスト・パターンの完成寸法の変動とを示す線図である。
【図5】処理露光量決定ルーチンの大まかな処理の流れを示す図である。
【図6】一般的な露光量変動に対するレジスト・パターン寸法変動の関係を模式的に表した線図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光量を補正する手段を改善したリソグラフィ工程が含まれる半導体製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体装置を製造する場合に適用されるリソグラフィ工程では、基板に形成したレジスト膜に半導体装置に必要なパターンを露光し、且つ、現像を行うことで、前記パターンを半導体製品上に転写するようにしている。
【0003】
その場合、前記パターンの寸法は、半導体装置の性能、或いは、信頼性を左右するので、リソグラフィ工程に於いて、該寸法を所望の目的値に合わせる為、露光量を制御することが極めて重要な手段となる。
【0004】
通常、前記露光量の制御を行う場合、処理に先立ち、ロットの一部或いは全部の基板を利用して先行処理を行い、基板上に形成したパターンの寸法を測定し、その測定結果と前記寸法の目的値とを比較し、ロット本体処理の為の露光量を決定するようにしている。
【0005】
前記先行処理の寸法測定結果からロット本体処理の為の露光量を決定する手法としては、経験的、或いは、実験的に得られたデータから、露光量の変更に対する露光処理後のパターン完成寸法の関係を予め求めておき、その関係を基に適正な露光量を予測している。
【0006】
前記先行処理された基板については、通常、レジストに転写されたパターンを一旦除去するレジスト再生を行った後にロット本体の処理で節制される露光量と同じ露光量を適用して再度の処理を行うことが多い。
【0007】
前記した方法以外には、既に処理したロットの処理実績データに於ける設定露光量とパターン測定結果とを基にして、完成パターンの寸法を所望の目的値に一致させるのに最適と考えられる露光量を算出し、ロット本体を処理する際の設定露光量とする方法もある。
【0008】
前記何れの処理形態に於いても、ロット本体の処理の結果、形成されたパターンの寸法が所望の目的寸法と異なり、予め定めた規格値から外れるような結果となった場合、全基板のレジスト・パターンを除去し、前記パターン寸法測定結果から再度算出し直した露光量を設定し、前記同様の処理を行うようにしている。
【0009】
本発明者等の知見に依れば、前記説明した処理のうち、レジスト・パターンの除去工程であるレジスト再生に於いて、その発生は不定期ではあるが、レジスト再生を経た基板に再度露光処理を施した場合の完成パターン寸法は、レジスト再生を経ない基板に同一露光量で露光処理を施した際の完成パターン寸法と異なる場合がある旨の現象が確認されている。
【0010】
この現象は、基板がレジスト再生工程を経ることに起因して生じているものと考えられ、その為、ロット本体の処理に先立って実施した露光処理時の設定露光量、或いは、その結果のパターン完成寸法を基にして算出した露光量を設定してロット本体の処理を行っても、レジスト再生処理を経た半導体製品については目的寸法が得られない旨の問題が発生している。
【0011】
また、同様の現象が原因となって、同一ロットの中にレジスト再生を経た基板とレジスト再生を経ていない基板とが混在している場合、これらを同一の露光量で露光処理すると、レジスト再生履歴が異なる基板の間で完成パターン寸法が異なる旨の問題も発生している。
【0012】
更にまた、前記したような完成されたレジスト・パターン寸法の変動は各基板がレジスト再生処理を経た回数に依っても変動量が相違することも判っている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、レジスト再生処理を経ることで生じるパターン寸法変動を低減することを可能にし、リソグラフィ工程に於ける転写パターンの完成寸法を本来の目的寸法に近付けることができるように、また、ロット間或いはロット内に於ける半導体装置毎の寸法ばらつきを小さく抑えようとする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る半導体製品の製造方法に於いては、処理対象となるロットの処理露光量の決定に際し、そのロットがレジスト再生処理を受けたロットであるか、或いは、レジスト再生処理を受けたことがないロットであるかの再生処理履歴情報を取得し、レジスト再生を経たロットであるか否かの判断を行い、レジスト再生を経たロットであった場合は、さきに再生処理履歴の有無を考慮せずに決定した露光量に対して予め設定された露光量を更に加算、或いは、減算した露光量を前記ロットに対する処理露光量として決定する。
【0015】
再生履歴がある場合に加減算する露光量は、既に実施した実験の結果や経験から再生処理の有無に依るパターン寸法の変動を見積もり、そのパターン寸法の変動分を前記露光プロセスに於ける露光量変化量に換算した値として予め算出しておいたものを利用すれば良い。
【0016】
また、対象となる基板の品種や処理工程が異なる毎にレジスト再生履歴の有無にたいする露光後のレジスト・パターン寸法の変動量も異なる為、レジスト再生履歴の有無に応じて加減算する露光量について、それ等基板の品種や処理工程毎に別々の値を設定できるようにしておけば、補正の精度を向上するのに有効である。
【0017】
更に、ロット内の個々の基板単位で、上記レジスト再生履歴の有無を判断し、それ等について個別に露光量の加減算を行う旨の方法を適用することもでき、これは、リソグラフィ工程のロット処理に際し、処理条件確認の為に該ロット中の一部の基板のみを先行して処理するパイロット処理が広く実施されているところであるが、そのパイロット処理のみが再生処理となる事態が発生した場合に対処することができ、また、その他の要因で、ロット内の一部の半導体製品に対してのみ再生処理が生じた場合にも幅広く対応することができる。
【0018】
更にまた、単にレジスト再生を経たロットか、或いは、基板であるかの判断のみでなく、個々に何回のレジスト再生を経たのかが判る情報を取得し、そのレジスト再生回数に応じ、それぞれに予め設定された露光量を加減算することに依って、レジスト再生回数に依存して完成パターンの寸法変動量が異なる場合にも対応することができる。
【0019】
更にまた、さきに、レジスト再生履歴に応じて加減算する露光量は、過去のロット処理情報や実験データから予め計算して求めたものを用意しておく旨を説明したが、過去のロット処理実績データから、それ等の露光量を算出する手段を備えることで、ロット処理実績に基づいた補正を行うことができ、補正精度を高めることが可能となる。
【0020】
その過去のロット処理実績データから補正露光量を算出する仕組みを個々のロット処理データが収集される度に自動的に実施するようにしておくことで、常に最新のロット処理実績に基づいた補正値を次のロット処理へ適用することが可能となる。但し、処理されるロット数が膨大である工場などでは、ロット処理結果データが収集される度に自動計算を実行した場合、該計算を実行する計算機の負荷が大きくなる旨の問題も発生するので、このような自動計算を予め定めた時間周期で定期的に実行する方法を採ることも有効である。
【0021】
前記手段を採ることに依り、基板がレジスト再生処理を経ることで発生するパターン寸法変動を低減することができるので、リソグラフィ工程に於ける転写パターンの完成寸法を目的とする寸法に近付けるのに有効であり、従って、ロット間或いはロット内の基板毎の寸法ばらつきも小さく抑えることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1は一般的なリソグラフィ工程に於ける基板ロットを処理する場合の流れを示す図であり、また、図5は処理露光量決定ルーチンの大まかな処理の流れを示す図で、(A)は本発明に於ける流れを示す図、(B)は参考の為に挙げた従来の技術に於ける流れを示す図である。
【0023】
図1の中で、基板にパターンを焼き付ける露光工程はステップS04であるパイロット露光、及び、ステップS15のロット本体露光であり、これ等の露光に際しては、その処理露光量を予め決めて設定する必要がある。
【0024】
この処理露光量を設定する手法として、本発明では、図5(A)に示した流れで定めるようにしていて、この手法は、図5(B)に示した従来の技術に於ける処理露光量設定の流れに対し、ステップS203及びS204の二つのステップが加わった流れになっている。
【0025】
図5(A)のステップS201で取得された過去のロット処理実績データに基づき、ステップS202に於いて、これから処理しようとするロット本体或いはパイロットの処理露光量を算出する。
【0026】
ステップS202での露光量の算出方法では、これから露光処理しようとしている基板ロットとは異なる過去のロット処理実績データに見られる傾向から予測される最適露光量を算出する方法などがあり、また、先行パイロット処理後のロット本体処理に於いては、その先行パイロットの処理結果情報を基に露光量を算出して決定する方法など様々な方法が知られているが、その詳細は、本発明の実施に直接の関係はない。
【0027】
次に、ステップS203に於いて、これから処理しようとする基板ロットがレジスト再生処理を経たものであるかどうかが判断できるSi履歴データを取得して、該基板ロットが既にレジスト再生処理を経たものであった旨が判断された場合、ステップS204において予め決められた露光量を先に算出した露光量に更に加算する。
【0028】
ステップS205に於いて、前記のようにして算出された露光量を対象とする処理ロットに設定する露光量として作業者に指示するか、或いは、その露光量を露光装置に設定する。
【0029】
ステップS204に於いては、これまでの実験結果や経験から加減算分の露光量を任意に決めた値に設定しておくか、或いは、これまでに処理された基板ロットの処理実績から決めるものとする。
【0030】
その決定方法として、過去の基板ロットの処理結果データとして、例えば図2に見られるようなデータが得られたとして説明する。
【0031】
図2はレジスト再生処理を受けたロット及び受けないロットに於けるレジスト・パターンの完成寸法の変動を表す線図であり、電子線露光を用いたリソグラフィ工程に於けるロット処理結果を示し、具体的には、寸法管理点に於けるレジスト・パターン寸法のロット内平均値の推移である。
【0032】
図2に見られる一連のロットは全て同じ露光量14〔μC/cm2 〕で露光されていて、これ等のロットのレジスト再生処理履歴を参照することで、これ等のロット・データをレジスト再生処理を経ずに処理されたロット・データと、レジスト再生処理を経た後に処理されたロット・データとにグループ分けして、レジスト再生処理を経ずに処理されたロットのレジスト・パターン寸法の平均Wm と、レジスト再生処理を経た後に処理されたロットのレジスト・パターン寸法の平均Wrsとを算出する。
【0033】
図2の例では、Wm が凡そ79〔nm〕であるのに対し、Wrsは凡そ72〔nm〕になっている。
【0034】
レジスト再生処理を経ることに依って生じる基板ロットの平均的なパターン寸法変動量dWrsは、これ等平均値の差を採って、dWrs=Wrs−Wm 、で表すことができ、ここで示す例では−7〔nm〕となる。
【0035】
次に、露光量の変動に対する完成レジスト・パターン寸法の変動との関係を用い、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量dWrsに相当する露光量の変動量を算出する。
【0036】
ここでは、露光量の変動に対する完成レジスト・パターン寸法の変動の関係を図6に見られるような線形関係と仮定した場合について説明する。
【0037】
図6は一般的な露光量変動に対するレジスト・パターン寸法変動の関係を模式的に表した線図であり、図示された個々の点は、予め実験などに依って露光量を様々に変化させて露光処理した時の完成パターン寸法測定結果のデータを収集して得たものであり、横軸に設定露光量を、そして、縦軸に完成パターン寸法をそれぞれ採ってある。
【0038】
図示された各点を線形に最小2条近似するなどして、露光量Dと完成パターン寸法Wとの関係式を、W=C* D+W0、として求めることができる。尚、Cは直線の傾きを表す比例係数、W0はパターン寸法軸の切片である。
【0039】
前記関係式から、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量dWrsに相当する露光量の変動量dDrsは、dDrs=dWrs/C、として換算することができる。
【0040】
ここで示した例では、DとWとの関係式を、W=5* D+8、として求めたものとすると、パターン寸法変動量dWrsに相当する露光量の変動量dDrsの関係は、dDrs=dWrs/5、と定義することができる。
【0041】
従って、先に経験的に求められている、dWrs=−7〔nm〕、を適用することで、dDrs=−1.4〔μC/cm2 〕を得ることができる。即ち、レジスト再生処理を経ていないロットに比較して、再生処理を経たロットに露光した場合、同じ露光量で露光を行ったとしてもパターン寸法は変動し、露光量に換算して−1.4〔μC/cm2 〕だけ見掛け上の感動が変動したことを示している。
【0042】
このようにして算出された変動量dDrsをステップS204に於ける減算分の露光量として設定しておき、再生処理を経たロットが露光に仕掛かった場合、この見掛け上の露光量変動分であるdDrs=−1.4〔μC/cm2 〕を差し引いた値を処理露光量として設定する。尚、ここでは、露光量と完成パターン寸法との関係を線形として説明したが、それ以外の関係式を定義した場合に於いても、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値を算出し設定することで、本発明が実現しようとする露光量補正は同様に可能であり、露光量と完成パターン寸法との関係を線形に限定するものではない。
【0043】
実施の形態2
実施の形態1で説明した方法に於いて、図5(A)のステップS204に於いて加減算するレジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の概算値は予め算出しておくが、この算出に於いて、計算対象とする過去のロット・データを同一品種の同一工程に於ける基板ロットのみに限定する。
【0044】
即ち、リソグラフィ工程に於いて処理される基板のそれぞれの品種及び工程毎に、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値を予め計算しておき、それ等の算出結果をデータ・テーブルとして保持しておくものとする。
【0045】
基板ロットの処理に於いては、該基板ロットの品種と工程を判別し、その品種と工程とが共に一致するデータを先の予め用意しておいたデータ・テーブルから参照し、その値を加減算する。
【0046】
図3は同一ロット内であってもレジスト再生処理を経たものだけがパターン寸法変動を起こしていることを表す線図であり、段落番号〔0011〕に記述した現象を具体的に示している。この図3に見られる問題は、次ぎに説明する実施の形態3に依って解消することができる。
【0047】
実施の形態3
実施の形態1或いは2で説明した方法に於いて、図5(A)のステップS203の当該ロットの再生処理履歴情報を取得する。
【0048】
個々の基板毎の再生履歴を知り得る情報を含む情報とは、ロット内の基板毎の再生処理回数データや、或いは、個々の基板単位でのレジスト再生処理を含む処理履歴データなどを含む情報を意味する。
【0049】
これ等の情報を基にして、ステップS204に於いて個々の基板毎にレジスト再生処理を経ているか経ていないかを判別し、実施の形態1で説明したレジストの再生処理を経ることで発生したパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値の加減算と同様の処理を個々の半導体製品毎に適用し、そして、これ等個々の基板毎に設定あるいは指示された露光量を用いて各基板にパターン転写露光を実施する。
【0050】
実施の形態4
実施の形態3乃至4で説明した方法に於いて、図5(A)のステップS203に於いて情報を取得する際、当該ロット、又は、個々の基板に対するレジスト再生履歴情報が単にレジスト再生処理を経たか経ていないかの判断のみでなく、レジスト再生処理を何回経ているかについても知ることができる情報を取得する。
【0051】
ステップS204に於いて、これから処理しようとしているロット或いは個々の基板がレジスト再生処理を経た回数に応じ、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値の加減算を実施する。
【0052】
図4はレジスト再生処理回数に応じてパターン寸法変動量が異なることを例示する線図であり、段落番号〔0054〕の記述を参照すると理解が容易である。
【0053】
図4に於いては、レジスト再生処理回数に応じて実際に取得されたデータ(黒丸点)に対し、破線で示す近似曲線を定義してあり、レジスト再生処理回数に対する完成パターン寸法変動量の関係を知得することができ、また、図4から看取されるところと図6について説明した露光量変動とパターン寸法との関係を用いることで、レジスト再生処理回数と露光量変動換算値の関係も導出することができる。
【0054】
実施の形態4の方法の場合、予めレジスト再生処理回数毎に、それぞれの回数だけレジスト再生処理を経ることで生じるパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値を算出し、それ等をデータ・テーブルとして用意しておくか、或いは、レジスト再生処理を経た回数Nrsと、そして、Nrs回のレジスト再生処理を経ることで生じるパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値dDrsとの関係式、dDrs=Frs(Nrs)、を予め求めておき、その関係式からパターン寸法変動量に相当する露光量変動量を算出する方法を適用することもできる。尚、この関係式は、必要に応じ、品種毎及び工程毎に求めておくものである。
【0055】
実施の形態5
実施の形態1に於いて説明した手順、即ち、過去の基板処理に関する実績データから、レジスト再生処理を経ることで生じたパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値を求める手順を計算機上で実行可能なプログラムとして作成し、更に、この計算結果を品種、工程、再生回数などを条件に検索可能なデータ・テーブル上に自動的に格納する工程も前記計算機プログラム中に含めるものとする。
【0056】
前記のようにしておけば、当該プログラムを実行することでレジスト再生処理を経ることで生じるパターン寸法変動量に相当する露光量変動量の換算値を自動的に計算し、それ等の値をテーブルに格納することができる。
【0057】
リソグラフィ工程に於いて、基板ロットの処理が終了するか、或いは、それぞれの基板のパターン寸法の測定が終了する度に前記プログラムを起動するようにしておけば、常に最新の基板処理結果を該データ・テーブルに反映させることができる。
【0058】
また、予め決めておいた一定時間間隔で該プログラムを実行することも可能であり、基板の処理量が多い工場などでは、ロット処理毎に計算するに比較して計算機に加わる付加を軽減することができる旨の利点がある。
【0059】
本発明に於いては、前記説明した実施の形態を含め、多くの形態で実施することができ、以下、それを付記として例示する。
【0060】
(付記1)
基板上に塗布したレジストに半導体装置形成の為の形状パターンを転写するリソグラフィ工程に於いて、
該基板を処理した際の設定露光量を取得する工程と、
該基板に転写されたパターンの寸法を測定した結果を取得する工程と、
該設定露光量及び該寸法測定結果から該基板が本来目的とする寸法を実現する為に設定すべき露光量を算出する工程と、
該基板がレジスト再生処理を経たものであるか否かを判断する工程と、
レジスト再生処理を経たものであるか否かに応じて予め設定した露光量を先に算出された露光量から加減算する工程と
が含まれてなることを特徴とする半導体製品の製造方法。
(付記2)
基板の種別、レジスト再生処理方法の種別、使用するレジストの種別について判断できる情報を基にして、これ等の情報を前記種別に応じて個別に補正値の設定が可能であること
を特徴とする(付記1)記載の半導体製品の製造方法。
【0061】
(付記3)
レジスト再生処理を経たものであるか否かに応じて露光量に加減算する露光量に基板の品種毎及び工程毎に個別の値を設定可能にしてあること
を特徴とする(付記1)記載の半導体製品の製造方法。
【0062】
(付記4)
単一のロットに於いても個々の基板について、それ等がレジスト再生処理を経たものか否かに応じ、個々の基板に対して個別に露光量を加減算可能にしてあること
を特徴とする(付記1)記載の半導体製品の製造方法。
【0063】
(付記5)
レジスト再生処理を経た回数を取得する工程と、
レジスト再生処理を経た回数に応じて予め設定した露光量をさきに算出した露光量から加減算する工程と
が含まれてなることを特徴とする(付記1)記載の半導体製品の製造方法。
【0064】
(付記6)
レジスト再生処理の有無に応じて露光量に加減算する露光量を過去のロット処理結果データから算出する工程
が含まれてなることを特徴とする(付記1)記載の半導体製品の製造方法。
【0065】
(付記7)
基板が処理され、その測定が行われる度毎に、レジスト再生処理の有無に応じて露光量に加減算する露光量を過去のロット処理結果データから自動的に算出する工程
が含まれてなることを特徴とする(付記6)記載の半導体製品の製造方法。
【0066】
(付記8)
レジスト再生処理の有無に応じて露光量に加減算する露光量を過去のロット処理結果データから算出する工程が予め設定した時間間隔で自動的に実行されること
を特徴とする(付記6)記載の半導体製品の製造方法。
【0067】
【発明の効果】
本発明に依る半導体製品の製造方法では、基板上に塗布したレジストに半導体装置形成の為の形状パターンを転写するリソグラフィ工程に於いて、該基板を処理した際の設定露光量を取得する工程と、該基板に転写されたパターンの寸法を測定した結果を取得する工程と、該設定露光量及び該寸法測定結果から製品が本来目的とする寸法を実現する為に設定すべき露光量を算出する工程と、該基板がレジスト再生処理を経たものであるか否かを判断する工程と、レジスト再生処理を経たものであるか否かに応じて予め設定した露光量を先に算出された露光量から加減算する工程とが含まれてなることが基本になっている。
【0068】
前記構成を採ることに依り、基板がレジスト再生処理を経ることで発生するパターン寸法変動を低減することができるので、リソグラフィ工程に於ける転写パターンの完成寸法を目的とする寸法に近付けるのに有効であり、従って、ロット間或いはロット内の基板毎の寸法ばらつきも小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なリソグラフィ工程に於ける基板ロットを処理する場合の流れを示す図である。
【図2】レジスト再生処理を受けたロット及び受けないロットに於けるレジスト・パターンの完成寸法の変動を表す線図である。
【図3】同一ロット内でレジスト再生処理を経た半導体製品と経ない基板が混在する場合の各基板に於けるレジスト・パターンの完成寸法を示す線図である。
【図4】同一基板に対してレジスト再生処理と露光とを繰り返した場合のレジスト再生処理回数とレジスト・パターンの完成寸法の変動とを示す線図である。
【図5】処理露光量決定ルーチンの大まかな処理の流れを示す図である。
【図6】一般的な露光量変動に対するレジスト・パターン寸法変動の関係を模式的に表した線図である。
Claims (5)
- 基板上に塗布したレジストに半導体装置形成の為の形状パターンを転写するリソグラフィ工程に於いて、
該基板を処理した際の設定露光量を取得する工程と、
該基板に転写されたパターンの寸法を測定した結果を取得する工程と、
該設定露光量及び該寸法測定結果から製品が本来目的とする寸法を実現する為に設定すべき露光量を算出する工程と、
該基板がレジスト再生処理を経たものであるか否かを判断する工程と、
レジスト再生処理を経たものであるか否かに応じて予め設定した露光量を先に算出された露光量から加減算する工程と
が含まれてなることを特徴とする半導体製品の製造方法。 - 基板の種別、レジスト再生処理方法の種別、使用するレジストの種別について判断できる情報を基にして、これ等の情報を前記種別に応じて個別に補正値の設定が可能であること
を特徴とする請求項1記載の半導体製品の製造方法。 - レジスト再生処理を経たものであるか否かに応じて露光量に加減算する露光量に基板の品種毎及び工程毎に個別の値を設定可能にしてあること
を特徴とする請求項1記載の半導体製品の製造方法。 - 単一のロットに於いても個々の基板について、それ等がレジスト再生処理を経たものか否かに応じ、個々の基板に対して個別に露光量を加減算可能にしてあること
を特徴とする請求項1記載の半導体製品の製造方法。 - レジスト再生処理を経た回数を取得する工程と、
レジスト再生処理を経た回数に応じて予め設定した露光量をさきに算出した露光量から加減算する工程と
が含まれてなることを特徴とする請求項1記載の半導体製品の製造方法。
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