JP2004095256A - 複合ケーブルおよびそのコネクタ取付方法 - Google Patents

複合ケーブルおよびそのコネクタ取付方法 Download PDF

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加藤 雅彦
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Abstract

【課題】外径が小さく、施工性に優れた複合ケーブルおよびそのコネクタ取付方法を提供する。
【解決手段】最外層がシース被覆されていない複数本のケーブル線心21,22,23と、中心から放射方向に延在する隔壁33とを有し、該隔壁33間に前記ケーブル線心21,22,23を1本ずつ配置して離間させた後、前記隔壁33と前記ケーブル線心21,22,23とを複合した状態で一括してシース35で被覆してなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般住宅や集合住宅等の宅内において配線に使用するケーブルとそのコネクタ取付方法に関するものであって、特にLAN配線用ケーブルと電話用配線に使用する通信用ケーブルとテレビ配線用の同軸ケーブルをシースで一括して被覆してなる複合ケーブルと、その複合ケーブルの端末部にコネクタを取付けるコネクタ取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般住宅においても、コンピュータなどの情報機器のハードウエア同士を互いに接続する通信ネットワークであるLAN(Local Area Network)で複数のコンピュータや周辺機器を接続することが行われている。
【0003】
このLANなどの家庭用情報通信ネットワークに使用するケーブルとしては、複数本のペアケーブル線心を撚り合わせてなるUTP(Unshielded Twisted−pair:非シールド対撚り線)ケーブルが代表的となっている。このUTPケーブルは、通常、2本の絶縁線心を撚り合わせて対にして、4対をまとめてシース被覆して形成されている。
【0004】
また、一般住宅や集合住宅における他のケーブル配線としては、映像伝送用の同軸ケーブルや電話やファクシミリの回線に使用する電話用ケーブルの需要が高くなっており、宅内配線における一般住宅や集合住宅において、これらの各ケーブルを布設する際には、図6に示すようなUTPケーブルを含む複合ケーブルが配線されていた。
【0005】
図6には、従来の宅内配線に使用する複合ケーブルの端面図が示されている。
図において、1は、従来の複合ケーブルであって、UTPケーブル2と同軸ケーブル3と、ペアケーブル4との3種類のケーブルを撚り合わせた構成となっている。そして、これらのUTPケーブル2、同軸ケーブル3、ペアケーブル4を押え巻きテープ5で一括して押え巻き処理して、さらにシース6で一括して被覆して形成されている。そして、この複合ケーブル1内の3種類のケーブルの空隙には、介在物7が充填されている状態となっている。
【0006】
UTPケーブル2は、家庭用情報通信ネットワーク等のデータ伝送に使用するLAN用ケーブルであって、2本の導体を各々絶縁体で被覆して撚り合わせて対にした導体対8が4本撚り合わせられていて、該撚り合わせた4本の導体対8をシース9で被覆してなっている。
【0007】
そして、このUTPケーブル2と隣り合う同軸ケーブル3は、テレビの放送信号や衛星放送受信に使用するケーブルであって、内部導体10を絶縁体11で被覆して、該絶縁体11の外周を覆うように外部導体12が設けられている。そして、この外部導体12を覆うようにシース13が施されている状態となっている。
【0008】
また、ペアケーブル4は、電話やファクシミリ等の電話回線に使用するケーブルであって、2本の導体を各々絶縁体で被覆してなる導体対14を3本設けて、該3本の導体対14を一括してシース15で被覆してなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、種類の異なる宅内配線用の複数のケーブルを1本のケーブルとすることで、一般家庭や集合住宅におけるケーブル布設作業の作業性は向上したが、次のような問題があった。
【0010】
すなわち、前記宅内用複合ケーブル1は、UTPケーブル2、同軸ケーブル3、ペアケーブル4共に最外層がシース9,13,15によって被覆されていて、かつ、これら3種類を一括してなる複合ケーブル1の最外層もシース6で被覆されていたので、複合ケーブル1を製造するにあたっての製造コストが高価になってしまうほか、複合ケーブル1の外径が大きくなってしまい、複合ケーブル1の可撓性も悪いという問題があった。
【0011】
また、前記複合ケーブル1は、UTPケーブル2、同軸ケーブル3、ペアケーブル4の各ケーブルの最外層にシース9,13,15が被覆されていたので、複合ケーブル1の重量が重くなってしまい、前記複合ケーブル1を配線する際における施工性が悪くなってしまっていた。
【0012】
このため、本願発明者は、複合ケーブル1の外径を小さくし、コスト削減を図るために次のような複合ケーブルを考案し、検討してみた。その考案し、検討した複合ケーブルは、UTPケーブル2、同軸ケーブル3、ペアケーブル4の各ケーブルの最外層にシース9,13,15による被覆を施さずに、これら3本のケーブルを撚り合わせて、この撚り合わせたケーブルを一括してシース6で被覆した構成となっていた。しかしながら、このような複合ケーブルは、UTPケーブル2、同軸ケーブル3、ペアケーブル4のシース9,13,15をなくした分複合ケーブル1の外径を小さくすることができた反面、これらのUTPケーブル2、同軸ケーブル3、ペアケーブル4が各線心間で相互干渉を起こしてしまい、宅内用複合ケーブル1としての特性が低下するという事態が生じてしまうことがわかった。
【0013】
また、UTPケーブル2、同軸ケーブル3、ペアケーブル4の各ケーブルにシース9,13,15を設けない構造にすると、加締めによるコネクタの取付けが困難となってしまうことがわかった。
【0014】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされるもので、外径が小さく、施工性に優れた複合ケーブルおよびそのコネクタ取付方法を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の複合ケーブルは、最外層がシース被覆されていない複数本のケーブル線心と、中心から放射方向に延在する複数個の隔壁とを有し、該隔壁間に前記ケーブル線心を1本ずつ配置して離間させた後、前記各隔壁と前記各ケーブル線心とを複合した状態で一括してシースを被覆してなることを特徴としている。
このように構成することにより請求項1に記載の発明によると、複合ケーブルを構成する複数本の各ケーブル線心を1本ずつ隔壁で隔離しているので、線心同士が相互干渉することがない。また、複合ケーブルの外径を小さくすることができるので、複合ケーブルの可撓性が向上する。さらに、複合ケーブルの重量を軽量化することができるので、複合ケーブルの施工性が向上する。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の複合ケーブルは、前記各ケーブル線心がLAN用ケーブル線心と同軸ケーブル線心とペアケーブル線心とからなることを特徴としている。
このように構成することにより請求項2に記載の発明によると、複合ケーブルを構成するLAN用ケーブル線心と同軸ケーブル線心とペアケーブル線心とを隔壁で離間しているので、一般家庭や集合住宅におけるLAN用ケーブルや通信用ケーブルが相互干渉を起こすことがなく、かつ、最大外径を小さくすることができるので、可撓性に優れ、住宅等に複合ケーブルを配線する施工性に優れた複合ケーブルを提供することができる。
【0017】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の複合ケーブルのコネクタ取付方法は、最外層がシース被覆されていない複数本のケーブル線心と、中心から放射方向に延在する複数個の隔壁とを有し、該隔壁間に前記ケーブル線心を1本ずつ配置して離間させた後、前記各隔壁と前記各ケーブル線心とを複合した状態で一括してシースを被覆してなる複合ケーブルのコネクタ取付方法において、前記複合ケーブルの端部近傍の前記シースを切り取って前記各ケーブル線心を露出させる第一工程と、露出した前記各ケーブル線心の外周に中空円筒状の樹脂製チューブを貫通させる第二工程と、前記各樹脂製チューブの各端部を残した状態で前記シースと前記各樹脂製チューブとを一括して熱収縮チューブで被覆する第三工程と、前記各樹脂製チューブの前記各端部にコネクタを取り付ける第四工程と、を含むことを特徴としている。
このように第一〜第四工程を含むことにより、各ケーブル線心にコネクタを取付けることができる。また、各ケーブル線心に樹脂製チューブを貫通させた状態でコネクタ取付けするので、ケーブル線心間の相互干渉を抑制して端末処理をすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る複合ケーブルおよびそのコネクタ取付方法の一実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る複合ケーブルの一実施の形態を示す端面図である。
図において、20は、本発明に係る複合ケーブルである。この複合ケーブル20は、LAN用ケーブル線心21と、同軸ケーブル線心22と、ペアケーブル線心23との3本のケーブル線心で形成されている。
【0020】
本実施の形態におけるLAN用ケーブル線心21としては、UTPケーブル線心が用いられている。LAN用ケーブル線心21は、2本の導体24を絶縁体25で各々被覆して撚り合わせて対にした導体対26を4本撚り合わせて形成されている。
【0021】
同軸ケーブル線心22は、内部導体27を絶縁体28で被覆し、さらに前記絶縁体28の外周に外部導体29が施されて形成されている。
【0022】
ペアケーブル線心23は、2本の導体30を絶縁体31で各々被覆してなる導体対32を3対撚り合わせた構成となっている。
【0023】
そして、本発明に係る複合ケーブル20は、これらのLAN用ケーブル線心21、同軸ケーブル線心22、ペアケーブル線心23が、複数の隔壁33を中心として撚り合わせられている。
【0024】
この隔壁33は、介在物であって、種類の異なる各線心を一定の距離に離間する役割を有している。本実施の形態においては、端面形状が略Y字型になるように形成されている。そして、このような形状の隔壁33でLAN用ケーブル線心21、同軸ケーブル線心22、ペアケーブル線心23を隔離させている。この介在となる隔壁33の材質は、誘電率の小さいポリエチレン樹脂等で形成されていて、本実施の形態における隔壁33の厚みは、1mm程度となっている。
【0025】
そして、このような隔壁33と、LAN用ケーブル線心21と同軸ケーブル線心22とペアケーブル線心23とが図示のように配置されて撚り合わせられた後、押え巻きテープ34で押え巻きされ、シース35で被覆されて、複合ケーブル20が形成されている。
【0026】
このような複合ケーブル20は、該複合ケーブル20を形成するLAN用ケーブル線心21、同軸ケーブル線心22、ペアケーブル線心23の各線心の最外層にシースが施されていない構造となっている。すなわち、これらのLAN用ケーブル線心21、同軸ケーブル線心22、ペアケーブル線心23の間に隔壁33を設けることによって、各線心間の相互干渉を防ぐことが可能となり、各線心の最外層にシースを設けることなく、各線心を絶縁させることができ、複合ケーブル20としての外径を小さくすることができるようになる。
【0027】
続いて、本発明に係る複合ケーブルのコネクタ取付方法の一実施の形態について説明する。
図2ないし図5には、図1に記載の本発明に係る複合ケーブル20にコネクタ取付けする工程を示す斜視図が示されている。
【0028】
この複合ケーブル20にコネクタを取付けるためには、まず、図2に示すように、複合ケーブル20の最外層であるシース35を切り取る。図において、この複合ケーブル20は、コネクタを取付けするために、最外層であるシース35と押え巻きテープ34とが複合ケーブル20の端部から適宜の長さだけ切り取られた状態となっている。本実施の形態において、このシース35および前記押え巻きテープ34を切り取る長さは、端部から30cm以上とすることが望ましい。そして、複合ケーブル20のシース35が適宜の長さだけ切り取られた箇所は、LAN用ケーブル線心21、同軸ケーブル線心22、ペアケーブル線心23の3本の線心が隔壁33を中心に撚り合わせられて、外部に剥き出した状態となっている。このように、複合ケーブル20の最外層であるシース35を切り取ることにより、複合ケーブル20は、LAN用ケーブル線心21と、同軸ケーブル22と、ペアケーブル線心23と、これらを離間する隔壁33とが、剥き出しとなっている。そして、図3に示すような複合ケーブル20のシース35が被覆されている箇所の近傍で、前記隔壁33を切断する(以上までが第一工程とする)。
【0029】
そして、図3に示すように、LAN用ケーブル線心21、同軸ケーブル線心22、ペアケーブル線心23の各線心の最外層に樹脂製チューブ36a,36b,36cを貫通させる。この樹脂製チューブ36a,36b,36cは、PVCやポリエチレン等の樹脂からなっていて、中空円筒状に形成されている。ここで、4本の導体対26を撚り合わせてなるLAN用ケーブル線心21には、4本の導体対26が撚り合わせられた状態で前記樹脂製チューブ36aが貫通されている。
【0030】
このLAN用ケーブル線心21を貫通する樹脂製チューブ36aの肉厚は、通常のシース被覆されたUTPケーブルの規格に合わせて形成されていて、このUTPケーブルの最外層を被覆するシースの肉厚と同じ肉厚となっている。
【0031】
また、これと同様に、同軸ケーブル線心線心22を貫通する36bの肉厚は、通常のシース被覆された同軸ケーブルの規格に合わせて形成されていて、最外層を被覆するシースの肉厚と同じ肉厚となっている。たとえば、同軸ケーブルが、テレビ受信用のS−5C−FBである場合には、この同軸ケーブルのシース肉厚の規格に合わせて、樹脂製チューブ36bの肉厚は約1mmとなっており、この樹脂製チューブ36bの貫通された同軸ケーブル線心の最大外径は、S−5C−FBの最大外径と同様に、約7.7mmとなっている。
【0032】
そして、ペアケーブル線心23もこれと同様に、通常のペアケーブルのシースの肉厚と同様の肉厚を有する樹脂製チューブ36cが貫通された状態となっている。
【0033】
また、ここで、本実施の形態において3対からなるペアケーブル線心23においては、3対のペアケーブル線心の各導体対32それぞれに、樹脂製チューブ36cが貫通された状態となっている。これは、後述するが、3対からなるペアケーブル線心32の各導体対32それぞれにコネクタを取付けるためである。
【0034】
また、このLAN用ケーブル線心21と、同軸ケーブル線心22と、ペアケーブル線心23の各線心に貫通する樹脂製チューブ36a,36b,36cは、図に示すように前記隔壁33と接触する位置まで貫通された状態となっている(以上までが第二工程とする)。
【0035】
そして、このようにLAN用ケーブル線心21、同軸ケーブル線心22、ペアケーブル線心23に樹脂製チューブ36a,36b,36cが貫通された後、複合ケーブル20に、図4に示すような熱収縮チューブ37を貫通させて固定させる。
【0036】
この熱収縮チューブ37は、前記複合ケーブル20の外径よりも大きな外径を有する中空円筒状に形成されていて、ポリオレフィン、フッ素系ポリマー、熱可塑性エラストマー等の樹脂で形成されている。
【0037】
このような熱収縮チューブ37を、前記複合ケーブル20に貫通させて、前記シース35の一部と、前記樹脂製チューブ36a,36b,36cの一部と、前記隔壁33とが隠れる位置に配置する。そして、前記熱収縮チューブ37に熱を加えて収縮させると、LAN用ケーブル線心21、同軸ケーブル線心22、ペアケーブル線心23のそれぞれに、樹脂製チューブ36a,36b,36cが貫通された状態で固定されるようになっている。また、図に示すように、熱収縮チューブ37が収縮することによって、複合ケーブル20は、内部に前記シース35を備えている箇所よりも、LAN用ケーブル線心21、同軸ケーブル線心22、ペアケーブル線心23のそれぞれに、樹脂製チューブ36a,36b,36cが貫通された箇所の外径が細くなっている(以上までが第三工程とする)。
【0038】
図5には、図4における複合ケーブル20の端末にコネクタが取付けられた状態が示されている。
図において、LAN用ケーブル線心21の端部には、UTPケーブルコネクタ38aが、同軸ケーブル線心22の端部には、テレビ受信用の同軸ケーブルコネクタ38bが、ペアケーブル線心23の端部には電話回線用コネクタ38cがそれぞれ取付けられている。なお、前記ペアケーブル線心23に取付けられる前記電話回線用コネクタ38cは、図面構成上、ペアケーブル線心の3対のうち、1対の前記ペアケーブル線心23だけに取付けられた状態が示されている。
【0039】
このUTPケーブルコネクタ38aと前記LAN用ケーブル線心21との取付けは、前記LAN用ケーブル線心21に貫通された樹脂製チューブ36aに前記UTPケーブルコネクタ38aを配置して、前記UTPケーブルコネクタ38aを加締めることによって取付けられる。このように、最外層がシース被覆されていない状態の前記LAN用ケーブル線心21に前記UTPケーブルコネクタ38aを取付ける際に、前記LAN用ケーブル線心21に樹脂製チューブ36aが貫通されているので、前記LAN用ケーブル線心21に前記UTPケーブルコネクタ38aを取付けることが可能となっている。
【0040】
また、前記LAN用ケーブル線心21のコネクタの取付けと同様に、同軸ケーブル線心22と同軸ケーブルコネクタ38bとの取付けは、同軸ケーブル線心22の樹脂製チューブ36b上で、同軸ケーブルコネクタ38bを加締めることによって、同軸ケーブル線心22に同軸ケーブルコネクタ38bを取付けることができるようになっている。
【0041】
また、ペアケーブル線心23もこれと同様に、ペアケーブル線心23の樹脂製チューブ36c上で、電話回線用コネクタ38cを加締めることによって、ペアケーブル線心23に電話回線用コネクタ38cを取付けることができるようになっている(以上までが第四工程とする)。
【0042】
なお、本実施の形態においては、3本のケーブル線心からなる複合ケーブルにおいて説明したが、これに限るものではなく、複合ケーブルを構成する線心の数が他の本数からなるものでも、本実施の形態と同様に構成することができる。
【0043】
また、本実施の形態においては、3本のケーブル線心からなる複合ケーブルであって、隔壁が略Y字型からなるものについて説明したが、これに限るものではなく、たとえば、ケーブル線心が4本からなる場合には、隔壁を略十字型等に形成させることも可能となっている。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0045】
請求項1に記載の発明によれば、複合ケーブルを構成する複数本のケーブル線心を1本ずつ隔壁で離間しているので、各ケーブル線心をシース被覆しない状態でも各ケーブル線心が相互干渉することがなくなる。
【0046】
また、各ケーブル線心がシース被覆されていない構成としたので、複合ケーブルの最大外径を小さく抑えることができ、可撓性に優れた複合ケーブルを提供することができる。また、各ケーブル線心がシース被覆されていないことにより、複合ケーブルの重量が軽く施工性に優れ、かつ、複合ケーブルを低コストで製造することができるようになる。
【0047】
請求項2に記載の発明によれば、複合ケーブルを構成するLAN用ケーブル線心と同軸ケーブル線心とペアケーブル線心とを隔壁で離間しているので、一般家庭や集合住宅に配線するLAN用ケーブルや通信用ケーブルが相互干渉を起こすことがない。また、複合ケーブルの最大外径を小さくすることができたので、可撓性に優れ、住宅等に配線する際の施工性に優れた複合ケーブルを提供することができる。
【0048】
請求項3に記載の発明によれば、複合ケーブルを構成する複数本の各ケーブル線心の端末から樹脂製チューブを貫通させて、この樹脂製チューブと複合ケーブルのシースとを一括して熱収縮チューブで固定しているので、各ケーブル線心に容易にコネクタを取付けることができる。また、各ケーブル線心に樹脂製チューブを貫通させることにより、コネクタを取付ける際に各ケーブル線心同士が相互干渉するのを防ぐことが可能となり、複合ケーブルのコネクタ取付けにおける作業性を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合ケーブルの端面図である。
【図2】本発明に係る複合ケーブルのコネクタ取付工程(複合ケーブルのシースが切り取られた状態)を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る複合ケーブルのコネクタ取付工程(図2における複合ケーブルの各ケーブル線心に樹脂製チューブが貫通された状態)を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る複合ケーブルのコネクタ取付工程(図3における複合ケーブルのの樹脂製チューブとシースとが熱収縮チューブで固定された状態)を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る複合ケーブルのコネクタ取付工程(図4の複合ケーブルにコネクタが取り付けられた状態)を示す斜視図である。
【図6】従来の複合ケーブルの端面図である。
【符号の説明】
20…複合ケーブル
21…LAN用ケーブル線心
22…同軸ケーブル線心
23…ペアケーブル線心
33…隔壁
35…シース
36a,36b,36c…樹脂製チューブ
37…熱収縮チューブ
38a…UTPケーブルコネクタ
38b…同軸ケーブルコネクタ
38c…電話回線用コネクタ

Claims (3)

  1. 最外層がシース被覆されていない複数本のケーブル線心と、中心から放射方向に延在する複数個の隔壁とを有し、該隔壁間に前記ケーブル線心を1本ずつ配置して離間させた後、前記各隔壁と前記各ケーブル線心とを複合した状態で一括してシースを被覆してなる複合ケーブル。
  2. 前記各ケーブル線心は、LAN用ケーブル線心と同軸ケーブル線心とペアケーブル線心とからなることを特徴とする請求項1に記載の複合ケーブル。
  3. 最外層がシース被覆されていない複数本のケーブル線心と、中心から放射方向に延在する複数個の隔壁とを有し、該隔壁間に前記ケーブル線心を1本ずつ配置して離間させた後、前記各隔壁と前記各ケーブル線心とを複合した状態で一括してシースを被覆してなる複合ケーブルのコネクタ取付方法において、
    前記複合ケーブルの端部近傍の前記シースを切り取って前記各ケーブル線心を露出させる第一工程と、
    露出した前記各ケーブル線心の外周に中空円筒状の樹脂製チューブを貫通させる第二工程と、
    前記各樹脂製チューブの各端部を残した状態で前記シースと前記各樹脂製チューブとを一括して熱収縮チューブで被覆する第三工程と、
    前記各樹脂製チューブの前記各端部にコネクタを取り付ける第四工程と、
    を含むことを特徴とする複合ケーブルのコネクタ取付方法。
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